JP2006207397A - 遠心型エジェクタ及び流体の圧縮方法、冷熱生成システム並びに真空ポンプシステム - Google Patents

遠心型エジェクタ及び流体の圧縮方法、冷熱生成システム並びに真空ポンプシステム Download PDF

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Abstract

【課題】 1次流体の損失が少なく、効果的に2次流体を圧縮することのできる遠心型エジェクタ及びこの遠心型エジェクタを用いる流体の圧縮方法、並びにこの遠心型エジェクタを備えた効率の高い冷熱生成システム、真空ポンプシステムを提供する。
【解決手段】 1次流体が噴出されるノズル7が設けられ、回転軸5aを中心に回転するロータ6と、該ロータ6が嵌め込まれるハウジング12を備え、ロータ6とハウジング12の間にクリアランス11を有し、1次流体が、該1次流体よりも全圧の低い2次流体を圧縮する遠心型エジェクタ1であって、1次流体の一部が、クリアランス11から噴出され、2次流体が、クリアランス11から噴出された1次流体の一部により補助的に圧縮されるものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、遠心型エジェクタ及び流体の圧縮方法、冷熱生成システム並びに真空ポンプシステムに関し、特に1次流体による2次流体の圧縮効率が高い遠心型エジェクタ及びこの遠心型エジェクタを用いる流体の圧縮方法、並びにこの遠心型エジェクタを備えた冷熱生成システム、真空ポンプシステムに関する。
従来の圧力交換式の遠心型エジェクタでは、固定されたハウジングに回転するロータが嵌め込まれており、ロータに設けられたノズルから渦巻き状に噴出される1次流体によって1次流体よりも全圧の低い2次流体を圧縮するようにしていた。この圧力交換式の遠心型エジェクタでは、ハウジングとロータの間のクリアランス(隙間)をシール手段で塞ぐようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
米国特許第5647221号明細書(図3)
しかし従来の圧力交換式の遠心型エジェクタでは(例えば、特許文献1参照)、静止しているハウジングと回転しているロータの間のクリアランスをシール手段で塞いでいるものの、相対速度を有する物体間のシールであるが故に1次流体の漏洩を完全に防止することは極めて困難であった。高速の相対速度を有する物体間のシールにおいては、両物体間に微小なクリアランスを設けて相対運動を阻害しないようにすることが一般的であり、高圧の1次流体が低圧の2次流体側へクリアランスを通じて漏れてしまい、ノズルから噴出する1次流体の圧力が低下して2次流体の圧縮効率が低下してしまうという問題点があった。また、シール目的で設けられたクリアランスは、漏洩量を抑制するためにラビリンス形状等の圧力損失が大きくなる形状とする必要がある。そのため、シールを通過して漏洩してくる1次流体は有効エネルギーを消費してしまっており、2次流体の圧縮に寄与できないばかりか、他の流れを阻害して圧縮効率を低下させてしまうという問題点があった。
さらに、仮にシール手段をロータに接触させてクリアランスを完全に塞いだ場合には、シール手段によってロータの高速回転が阻害され渦巻き状の1次流体を生成することが困難になるという問題点があった。また、シール手段をロータに接触させると、すぐにシール手段が摩耗してしまい、シール手段を頻繁に交換しなければならないという問題点があった。
本発明は、1次流体の損失が少なく、効果的に2次流体を圧縮することのできる遠心型エジェクタ及びこの遠心型エジェクタを用いる流体の圧縮方法、並びにこの遠心型エジェクタを備えた効率の高い冷熱生成システム、真空ポンプシステムを提供することを目的とする。
本発明に係る遠心型エジェクタは、1次流体が噴出されるノズルが設けられ、回転軸を中心に回転するロータと、該ロータが嵌め込まれるハウジングを備え、ロータとハウジングの間にクリアランスを有し、1次流体が、該1次流体よりも全圧の低い2次流体を圧縮する遠心型エジェクタであって、1次流体の一部が、クリアランスから噴出され、2次流体が、クリアランスから噴出された1次流体の一部により補助的に圧縮されるものである。
また本発明に係る遠心型エジェクタは、上記のロータが、2次流体を圧縮する剛体翼を備えているものである。
また本発明に係る遠心型エジェクタは、上記の剛体翼が、ロータの回転方向に対して凸の曲面状に形成されているものである。
また本発明に係る遠心型エジェクタは、上記のクリランスから噴出される1次流体が、ノズルから噴出される1次流体と略平行に噴出されるものである。
また本発明に係る遠心型エジェクタは、上記のロータが、駆動動力源により回転させられるものである。
また本発明に係る遠心型エジェクタは、上記のロータが、1次流体の噴流によって回転させられるものである。
また本発明に係る遠心型エジェクタは、上記のクリアランスにおける出口横断面面積と最小横断面面積の比が、ノズルにおける出口横断面面積と最小横断面面積の比と略同一であるものである。
また本発明に係る遠心型エジェクタは、上記のクリアランスが、ロータの回転中心からの距離をr、ロータとハウジングの間のクリアランスの幅をt(r)として2π×r×t(r)で定義される横断面面積が最小となる距離r1を有し、rがr1より小さい範囲においては2π×r×t(r)がrに対して単調減少となり、rがr1より大きい範囲においては2π×r×t(r)がrに対して単調増加となるようにt(r)が設定されているものである。
本発明に係る流体の圧縮方法は、1次流体が噴出されるノズルが設けられ、回転軸を中心に回転するロータと、該ロータが嵌め込まれるハウジングを備え、ロータとハウジングの間にクリアランスを有し、1次流体が、該1次流体よりも全圧の低い2次流体を圧縮する遠心型エジェクタを用いる流体の圧縮方法であって、1次流体の一部をクリアランスから噴出し、2次流体をクリアランスから噴出した1次流体の一部により補助的に圧縮するものである。
また本発明に係る流体の圧縮方法は、上記のロータが剛体翼を備え、該剛体翼によって2次流体を圧縮するものである。
本発明に係る冷熱生成システムは、上記のいずれかの遠心型エジェクタを備えているものである。
本発明に係る真空ポンプシステムは、上記のいずれかの遠心型エジェクタを備えているものである。
本発明に係る遠心型エジェクタ及び流体の圧縮方法では、従来シールから有効エネルギーを消費しつつ漏れていた1次流体を積極的にクリアランスから噴出させることにより2次流体の圧縮に寄与させるため1次流体を無駄なく用いることができ、またノズルから噴出した1次流体や2次流体の流れを阻害することがないため、2次流体の圧縮効率を向上させることができる。
実施形態1.
図6は、本発明の実施形態1に係る遠心型エジェクタの原理を説明するための上面図及び縦断面図である。図6(a)は遠心型エジェクタ100の上面図であり、一部を透明にして内部が見えるように示している。また図6(b)は、遠心型エジェクタ100の縦断面図である。なお図6に示す遠心型エジェクタ100は、特許文献1(米国特許第5647221号明細書)に記載されたものであるが、本実施形態1に係る遠心型エジェクタ1も図6に示す遠心型エジェクタ100と同様の原理を採用した圧力交換式の遠心型エジェクタである。
図6に示す遠心型エジェクタ100では、2次流体供給配管101の内部に設置されたモータ102によって、ノズル103が設けられたロータ104を強制的に回転させている(図6(a)の矢印が回転方向)。例えばフロン、代替フロン等からなる高圧の1次流体は、1次流体供給配管105を通ってロータ104に供給され、回転しているロータ104のノズル103から噴出する。このとき、ノズル103から放射状に噴出する1次流体の噴流に回転力が与えられ、1次流体噴流は遠心型エジェクタ100の中心軸から外方向に大きな速度成分を持つとともに、遠心型エジェクタ100の上面側から見て渦巻き状の噴流となり、渦巻き型の1次流体塊110が生成される。なお図6に示す遠心型エジェクタ100では、シール(図6において図示せず)を設けてハウジング106(固定された部分)とロータ104の間から漏れる1次流体を低減するようにしている。
また図6に示す遠心型エジェクタ100では、1次流体供給配管105の反対側に設けられた2次流体供給配管101から1次流体よりも全圧の低い2次流体が供給される。なお2次流体は、例えばフロン、代替フロン等からなるものとする。遠心型エジェクタ100に供給された2次流体は、渦巻き型の1次流体塊110の狭間に吸引・保持されて渦巻き状の2次流体塊111となる。渦巻き状の1次流体塊110と、渦巻き状の2次流体塊111の界面は、遠心型エジェクタ100の上面側から見て直線状にはなっておらず、渦巻きの強さ(ピッチ)に応じた曲線状となっている。さらに、1次流体塊110と2次流体塊111は、ノズル103が設けられたロータ104の外側の流路107を流れる間に、両流体の圧力差に起因して、渦巻き状の1次流体塊110が膨張しつつ渦巻き状の2次流体塊111を容積的に圧縮し、すなわち両流体の界面を介してエネルギー(圧力)の授受を行う。渦巻き状の1次流体塊110と渦巻き状の2次流体塊111は、上記膨張・圧縮により概略等エネルギー状態となった後に混合し、環状流路108の内部を旋回しながら速度エネルギーを圧力エネルギーに変換し、流出配管109から流出する。
図1は、本発明の実施形態1に係る遠心型エジェクタの縦断面図である。なお本実施形態1に係る遠心型エジェクタ1は、図6に示す遠心型エジェクタ100と同様に渦巻き状の1次流体によって渦巻き状の2次流体を圧縮する圧力交換式の遠心型エジェクタである。但し図1に示す遠心型エジェクタ1では、渦巻き状の1次流体に加えてロータ6に設けられた剛体翼13でも2次流体を圧縮する。
図1に示す遠心型エジェクタ1は、1次流体供給配管2、2次流体供給配管3、2次流体供給配管3の内部にアーム4を介して固定されたモータ5を備えており、ハウジング12(遠心型エジェクタ1の固定された部分)に回転自在に嵌め込まれたロータ6を回転させる。なおロータ6は回転軸5aに取り付けられており、モータ5が回転軸5aを回転させることによりロータ6が回転する。またロータ6には、複数のノズル7(例えば、4つ)が設けられている。なおノズル7は、ロータ6の全周に亘って設けられているのではなく、ロータ6の外周部に部分的に開口しており(図6(a)参照)、またノズル7には、ノズル7をノズル形状とするための絞り部7aが設けられている。さらに図1に示す遠心型エジェクタ1はディフューザ8を備えており、ディフューザ8の内部は渦巻き状の1次流体及び渦巻き状の2次流体が通過する流路9と1次流体及び2次流体が旋回する環状流路10となっている。なお図1に示す遠心型エジェクタ1では、図6に示す遠心型エジェクタ100と同様に、1次流体と2次流体の混合気が流出配管(図1において図示せず)から排出されるものとする。
また本実施形態1に係る遠心型エジェクタ1では、ハウジング12とロータ6の間にクリアランス(隙間)11が設けられている。なお本実施形態1において、ロータ6以外の構成要素であって1次流体供給配管2等の固定された部分をハウジング12と総称するものとする。
本実施形態1に係る遠心型エジェクタ1は、ハウジング12に回転自在に嵌め込まれたロータ6をモータ5により強制的に回転させる構成となっている。このような遠心型エジェクタ1の構成によると、ロータ6に複数設けられたノズル7をモータ5により回転させるので、ノズル7から噴出する1次流体の噴流は、流路9内において1次流体の渦巻き流を形成する。この渦巻き流の速度成分は、遠心型エジェクタ1の中心から外方向に大きな速度成分を持つ。2次流体はこの1次流体渦巻き流の渦と渦の間に保持され、あたかも渦巻き形状の羽根で押されるようにして運搬される(図6参照)。このとき1次流体と2次流体の界面は、遠心型エジェクタ1の上面側から見て直線状にはならず、渦巻きの強さに応じた曲率を有するため、2次流体を1次流体によるせん断により巻き込む従来方式に比較してエントロピの増大、すなわち有効エネルギーの損失を低減することができる。さらに、1次流体と2次流体がその界面を介してエネルギー(圧力)を交換して概略等エネルギー状態となった後に混合するため、エネルギー状態の異なる流体が直接混合する場合に比較して有効エネルギー損失を抑制することができる。これらの効果により、遠心型エジェクタの効率が向上する。この1次流体および2次流体の渦巻き流は「非定常流(Non−Steady Flow)」と呼ばれている。ここに、非定常流とは、流量、速度、圧力、温度などの状態が時間的、空間的に変化する流れをいう。
図1に示すように本実施形態1に係る遠心型エジェクタ1では、ハウジング12にロータ6が回転自在に嵌め込まれており、ロータ6は回転軸5aを介してモータ5によって回転させられる。これによりノズル7から噴出する1次流体は、上述のように渦巻き流となる。
また本実施形態1に係る遠心型エジェクタ1では、ロータ6とハウジング12の間のクリアランス11が1次流体供給配管2からクリアランス導入部11cを介して所定の幅を持って流路9と連通しており、クリアランス11からも1次流体の一部を噴出するようになっている。なお本実施形態1に係る遠心型エジェクタ1では、クリアランス11の流路9と連通する部分が単純な円盤状であるためクリアランス11から噴出される1次流体が渦巻き状にならないが、例えば米国特許第6138456号明細書の図17に示すような羽根をロータ6のクリアランス11に面する部分に設けることにより、クリアランス11から噴出される1次流体を渦巻き状にするようにしてもよい。
このクリアランス11から噴出された1次流体は、2次流体供給配管3から供給された2次流体を補助的に圧縮する。このように本実施形態1に係る遠心型エジェクタ1では、クリアランス11にシール等の1次流体の漏れを防止する部材を設けず、積極的にクリアランス11から1次流体を噴出することにより2次流体を圧縮するようにしている。
なお本実施形態1に係る遠心型エジェクタ1では、図1に示すようにクリアランス11から噴出される1次流体を、ノズル7から噴出される1次流体と平行となるように噴出している。これにより、乱流等の発生を防止することができ、1次流体の有効エネルギーの損失を抑制することができる。
本実施形態1に係る遠心型エジェクタ1のクリアランス11の形状は、ロータ6の回転中心(図1の一点鎖線)からの距離をr、ロータ6とハウジング12の間のクリアランス12の幅をt(r)として、2π×r×t(r)で定義される横断面面積が最小となる距離r1を有し、rがr1より大きい範囲においては2π×r×t(r)がrに対して単調増加となるようにt(r)が設定されている。ここでクリアランス11の幅t(r)とは、1次流体の流れる方向に対して垂直方向の幅をいうものとする。また、単調減少、単調増加とは、一定値である状態も含むものとする。
これは例えば図1において、クリアランス11が一定の幅tcを保っているため、クリアランス11の横断面面積は2π×r×tcとなり、この横断面面積はクリアランス入口のr=r0において最小値2π×r0×tcとなり、クリアランス出口にかけてrが大きくなるに従い横断面面積2π×r×tcが単調増加となるということである。なおクリアランス導入部11cの流路断面積は、2π×r0×tcよりも大きくなるように設定してある。
上記のようにクリアランス11の形状を設定することによって、クリアランス11を効率よくノズルとして機能させることができる。
なお上記において、クリアランス11の横断面面積とは、ロータ6とハウジング12の間のクリアランス11の幅をt(r)として、2π×r×t(r)で定義される全周についての面積をいうものとする。
図2は、本発明の実施形態1に係る遠心型エジェクタのロータを示す上面図である。なお図2は、図1に示す遠心型エジェクタ1のロータ6を2次流体供給配管3側から見たものである。
本実施形態1に係る遠心型エジェクタ1では、上述のようにノズル7から噴出する1次流体及びクリアランス11から噴出する1次流体によって1次流体よりも全圧の低い2次流体を圧縮しているが、さらにロータ6に設けられた剛体翼13によっても2次流体を圧縮している。これは2次流体を回転している剛体翼13により遠心式圧縮機のごとく2次流体を機械的に圧縮するものである。なお図1では、剛体翼13がロータ6の上面側(2次流体供給配管3側)に設けられている。図2(a)に示すように、図1に示す遠心型エジェクタ1のロータ6には、ロータ6の回転方向(図2(a)の矢印方向)に凸の曲面形状を有した剛体翼13が設けられている。このように、剛体翼13をロータ6の回転方向に対して凸状の曲面状に形成することにより、剛体翼13における2次流体の圧縮効率を向上させることができる。
なお図2(b)に示すように、ロータ6に平板状(上面側から見て直線状)の剛体翼13を設けるようにしてもよい。また図2(a)に示す剛体翼13は2次元的な曲率のみを有しているが、例えば3次元的な曲率を有する剛体翼13を設けるようにしてもよい。
また本実施形態1では、ロータ6の駆動動力源として電動モータ等からなるモータ5を使用しているが、ロータ6の駆動動力源としてエンジン等を使用するようにしてもよい。
またロータ6の駆動動力源(モータ5等)を使用せず、ロータ6を1次流体の噴流によって回転させるようにしてもよい。これは例えばロータ6に設けられるノズル7を、ロータ6の半径方向に対して斜めに設置して、噴出する噴流の反動でいわゆるタービン若しくは風車のように回転させるものである。このような構成によっても1次流体を渦巻き状にすることができる。
本実施形態1では、従来クリアランス11から漏れていた1次流体をクリアランス11から積極的に噴出させることにより2次流体を補助的に圧縮するため、1次流体を無駄なく用いることができ、またクリアランス11から漏れた1次流体が2次流体の圧縮を阻害することがないため、2次流体の圧縮効率を向上させることができる。
またロータ6に剛体翼13が設けられ、剛体翼13によっても2次流体を機械的に圧縮するため、さらに2次流体の圧縮効率を向上させることができる。
実施形態2.
図3は、本発明の実施形態2に係る遠心型エジェクタの縦断面図である。なお本実施形態2に係る遠心型エジェクタ1のクリアランス11は、絞り部11a及びこの絞り部11aに連通する拡大部11bを備えており、クリアランス11がノズル形状となっている。その他の構成要素及び動作原理は、実施形態1に係る遠心型エジェクタ1と同様であり、同じ構成要素には同じ符号を付して説明する。
本実施形態2に係る遠心型エジェクタ1のクリアランス11には、流路9側から見て他の部分よりも横断面面積が小さくなった絞り部11a及び絞り部11aに連通する拡大部11bが設けられている。この絞り部11a及び絞り部11aに連通する拡大部11bはノズル形状を形成するものであり、クリアランス11から噴出する1次流体の物理的条件(静圧やマッハ数等)を決定するものである。ここでクリアランス11の横断面面積とは、1次流体の流れる方向に対して垂直方向の断面積をいうものとする。
なお図3では、ハウジング12の内壁に曲面状の突起を形成して絞り11aを構成しているが、例えばロータ6の外壁(ハウジング12に対向する面)に突起を設けたり、ハウジング12の内壁及びロータ6の外壁の両方に突起を設けて絞り11aを構成するようにしてもよい。また絞り部11aは、ノズル7の絞り部7aと同様に尖った形状に形成するようにしてもよい。
本実施形態2に係る遠心型エジェクタ1のクリアランス11の形状は、ロータ6の回転中心(図3に一点鎖線)からの距離をr、ロータ6とハウジング12の間のクリアランス11の幅をt(r)として、2π×r×t(r)で定義される横断面面積が最小となる距離r1を有し、rがr1より小さい範囲においては2π×r×t(r)がrに対して単調減少、rがr1より大きい範囲においては2π×r×t(r)がrに対して単調増加となるようにt(r)が設定されている。ここでクリアランス11の幅t(r)とは、1次流体の流れる方向に対して垂直方向の幅をいうものとする。また、単調減少、単調増加とは、一定値である状態も含むものとする。
これは例えば図3において、クリアランス11の横断面面積2π×r×t(r)がr=r1に位置する絞り部11aにおいて最小値2π×r1×t(r1)となり、r0<r<r1では、2π×r×t(r)が単調減少、r1<rでは2π×r×t(r)が単調増加となるようにr(t)が設定されているということである。なおクリアランス導入部11cの流路断面積はクリアランス入口における横断面面積2π×r0×t(r0)よりも大きくなるように設定してある。
上記のようにクリアランス11の形状を設定することによって、クリアランス11を効率よくノズルとして機能させることが可能となる。
さらに本実施形態2に係る遠心型エジェクタ1では、クリアランス11における出口横断面面積と最小横断面面積の比が、ノズル7における出口横断面面積と最小横断面面積の比とほぼ同一となるように設計されている。ここで、クリアランス11における横断面面積とは、ロータ6の回転中心からの距離をr、ロータ6とハウジング12の間のクリアランス11の幅をt(r)として、2π×r×t(r)で定義される全周についての面積をいうものとする。なお図3において、クリアランス11の横断面面積が最小となる部分は絞り部11aの部分であり、ノズル7の横断面面積が最小となる部分は絞り部7aの部分である。一般に、ノズル形状における出口横断面面積と最小横断面面積の比がノズルから噴出する噴流の物理的条件(静圧やマッハ数等)を決定する。通常、ノズル7は効果的に2次流体を圧縮できるような出口横断面面積と最小横断面面積の比に設計してあり、クリアランス11の形状もこれと略同一とすることによって、クリアランス11からの1次流体噴流が効果的に2次流体を圧縮可能となる。
なお上述した効果以外の効果については、実施形態1に係る遠心型エジェクタ1と同様である。
実施形態3.
図4は、本発明の実施形態3に係る遠心型エジェクタの縦断面図である。なお本実施形態3に係る遠心型エジェクタ1は、実施形態1及び実施形態2のようにクリアランス11の形状が縦断面で見て直線状のものではなく、縦断面で見て曲線状に形成されているものである。またクリアランス導入部11cに相当する部分はないものとする。その他の構成要素及び動作原理は、実施形態1に係る遠心型エジェクタ1と同様であり、同じ構成要素には同じ符号を付している。
本実施形態3では、クリアランス11を縦断面で見て滑らかな曲線状に形成しているため、クリアランス11における1次流体の流路抵抗を低減することができ、1次流体の有効エネルギーの低下を防止することができる。
実施形態4.
図5は、実施形態1、実施形態2又は実施形態3に示す遠心型エジェクタを備えた冷熱生成システムのシステム構成を示した図である。なお図5に示す冷熱生成システムは例示であり、実施形態1等に係る遠心型エジェクタ1を備えた冷熱生成システムは図5に示されるものに限定されない。
図5に示す冷熱生成システムでは、遠心型エジェクタ1に一次流体の供給手段として蒸気発生器32の駆動蒸気配管33が接続されている。また遠心型エジェクタ1には二次流体の供給手段として蒸発器34の二次蒸気配管35が接続されている。また、遠心型エジェクタ1は混合気排出管36により凝縮器37に接続され、凝縮器37と蒸気発生器32は蒸気発生器戻りポンプ38をもつ蒸気発生器戻り配管39で接続され、凝縮器37と蒸発器34は減圧弁40をもつ蒸発器戻り配管41で接続されている。
凝縮器37に流入する一次流体の駆動蒸気と二次蒸気の混合気は凝縮器37の冷却水熱交換器42により冷却され、凝縮する。凝縮した液体は、蒸気発生器戻り配管39を経由して蒸気発生器32に戻されると同時に、蒸発器戻り配管41により蒸発器34に戻される。
蒸発器34内の二次蒸気が遠心型エジェクタ1により吸引される際に発生する二次蒸気の気化熱(蒸発潜熱)により温度低下、すなわち冷凍が発生し、蒸発器34に接続されている冷熱負荷43を冷却する。
なお、蒸気発生器32に接続されている熱交換器44の熱源としては、電力や燃料の燃焼によるもののほか、工場排熱や排ガス熱なども利用される。また、一次、二次流体の冷媒としては、フロン、代替フロン、水、アルコール、アンモニア、炭化水素、あるいはこれらの混合物などが利用される。
また本実施形態4では、実施形態1、実施形態2又は実施形態3に係る遠心型エジェクタ1を用いた冷熱生成システムを示しているが、実施形態1に係る遠心型エジェクタ1は例えば真空ポンプシステムに用いることもできる。この真空ポンプシステムは、例えば図5の冷熱生成システムにおいて、凝縮器37から蒸発器戻り配管41を経由して蒸発器34に凝縮した液体を戻すことを行わず、蒸発器34から2次流体を吸引のみを行うことにより構成することができる。
なお本発明に係る遠心型エジェクタ及び流体の圧縮方法、冷熱生成システム並びに真空ポンプシステムは、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想の範囲内において変更することができる。例えば図1に示す遠心型エジェクタ1において、モータ5を1次流体供給配管2の内部に設けるようにしてもよい。
本発明の実施形態1に係る遠心型エジェクタの縦断面図。 本発明の実施形態1に係る遠心型エジェクタのロータを示す上面図。 本発明の実施形態2に係る遠心型エジェクタの縦断面図。 本発明の実施形態3に係る遠心型エジェクタの縦断面図。 図5は、実施形態1、実施形態2又は実施形態3に示す遠心型エジェクタを備えた冷熱生成システムのシステム構成を示した図。 本発明の実施形態1に係る遠心型エジェクタの原理を説明するための上面図及び縦断面図。
符号の説明
1 遠心型エジェクタ、2 1次流体供給配管、3 2次流体供給配管、4 アーム、5 モータ、5a 回転軸、6 ロータ、7 ノズル、7a 絞り部、8 ディフューザ、9 流路、10 環状流路、11 クリアランス、11c クリアランス導入部、12 ハウジング、13 剛体翼。

Claims (12)

  1. 1次流体が噴出されるノズルが設けられ、回転軸を中心に回転するロータと、該ロータが嵌め込まれるハウジングを備え、前記ロータと前記ハウジングの間にクリアランスを有し、前記1次流体は、該1次流体よりも全圧の低い2次流体を圧縮する遠心型エジェクタであって、
    前記1次流体の一部は、前記クリアランスから噴出され、前記2次流体は、前記クリアランスから噴出された1次流体の一部により補助的に圧縮されることを特徴とする遠心型エジェクタ。
  2. 前記ロータは、前記2次流体を圧縮する剛体翼を備えていることを特徴とする請求項1記載の遠心型エジェクタ。
  3. 前記剛体翼は、前記ロータの回転方向に対して凸の曲面状に形成されていることを特徴とする請求項2記載の遠心型エジェクタ。
  4. 前記クリランスから噴出される1次流体は、前記ノズルから噴出される1次流体と略平行に噴出されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遠心型エジェクタ。
  5. 前記ロータは、駆動動力源により回転させられることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の遠心型エジェクタ。
  6. 前記ロータは、前記1次流体の噴流によって回転させられることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の遠心型エジェクタ。
  7. 前記クリアランスにおける出口横断面面積と最小横断面面積の比は、前記ノズルにおける出口横断面面積と最小横断面面積の比と略同一であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の遠心型エジェクタ。
  8. 前記クリアランスは、前記ロータの回転中心からの距離をr、前記ロータと前記ハウジングの間のクリアランスの幅をt(r)として2π×r×t(r)で定義される横断面面積が最小となる距離r1を有し、rがr1より小さい範囲においては2π×r×t(r)がrに対して単調減少となり、rがr1より大きい範囲においては2π×r×t(r)がrに対して単調増加となるようにt(r)が設定されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の遠心型エジェクタ。
  9. 1次流体が噴出されるノズルが設けられ、回転軸を中心に回転するロータと、該ロータが嵌め込まれるハウジングを備え、前記ロータと前記ハウジングの間にクリアランスを有し、前記1次流体は、該1次流体よりも全圧の低い2次流体を圧縮する遠心型エジェクタを用いる流体の圧縮方法であって、
    前記1次流体の一部を前記クリアランスから噴出し、前記2次流体を前記クリアランスから噴出した1次流体の一部により補助的に圧縮することを特徴とする流体の圧縮方法。
  10. 前記ロータは剛体翼を備え、該剛体翼によって前記2次流体を圧縮することを特徴とする請求項9記載の流体の圧縮方法。
  11. 請求項1〜8のいずれかに記載の遠心型エジェクタを備えていることを特徴とする冷熱生成システム。
  12. 請求項1〜8のいずれかに記載の遠心型エジェクタを備えていることを特徴とする真空ポンプシステム。
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