JP2006205776A - 乗員保護装置の起動制御装置及び起動方法 - Google Patents

乗員保護装置の起動制御装置及び起動方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006205776A
JP2006205776A JP2005017213A JP2005017213A JP2006205776A JP 2006205776 A JP2006205776 A JP 2006205776A JP 2005017213 A JP2005017213 A JP 2005017213A JP 2005017213 A JP2005017213 A JP 2005017213A JP 2006205776 A JP2006205776 A JP 2006205776A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
occupant protection
protection device
vehicle state
control unit
ecu
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005017213A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4380547B2 (ja
Inventor
Tsutomu Kondo
努 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2005017213A priority Critical patent/JP4380547B2/ja
Publication of JP2006205776A publication Critical patent/JP2006205776A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4380547B2 publication Critical patent/JP4380547B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Air Bags (AREA)

Abstract

【課題】 多様な衝突形態に対して多様な乗員保護装置の組み合わせを遅れなく確実に起動することができる乗員保護装置の起動制御装置の提供。
【解決手段】 複数の乗員保護装置が搭載される車両に適用される乗員保護装置の起動制御装置10において、複数の乗員保護装置の起動が予定されている各種車両状態を検出し、検出した車両状態を表す車両状態信号を後記第2制御部40に通信ライン50を介して送信する第1制御部20と、第1制御部から受信する車両状態信号が表す車両状態に応じて、各種車両状態に対して起動すべき乗員保護装置群を定めた所与の規則に従って、特定の乗員保護装置群に属する各乗員保護装置を起動させる第2制御部40と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の乗員保護装置を有する車両に適用される乗員保護装置の起動制御装置及び起動方法に関する。
従来から、乗員保護装置の起動判定の冗長性を確保するため、電子式加速度センサの出力信号に基づく衝突判定結果と、機械的セーフィングセンサの出力信号に基づく衝突判定結果の双方に基づいて各乗員保護装置のスクイブを点火させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−347569号公報
ところで、前突(正面衝突)や側突等の衝突形態に応じて各種異なる乗員保護装置が起動される一般的な車両においては、従来的には、加速度センサ等が接続されるメインECUで一括して各種衝突形態が判断され、当該メインECUから、起動対象となる各乗員保護装置に係るスクイブを指定した起動要求信号(点火信号)が発送される。
しかしながら、近年では、運転席・助手席SRSエアバック、シートベルトプリテンショナー等の他、乗員の膝部分を保護するための運転席・助手席SRSニーエアバックや、カーテンシールドエアバック、サイドエアバック等、多数の乗員保護装置が車両に搭載される傾向にあり、多様な衝突形態に対してそれぞれ多様な乗員保護装置の組み合わせのスクイブを点火させる関係上、メインECUの機能(及びそれに伴いメインECUのサイズ)の肥大化が進み、また、メインECUから発送される起動要求信号に含まれる情報量が増加傾向にある。かかる状況下では、メインECUの機能を他のECUに分離移転するにも、それらECU間の通信ラインを介した起動要求信号の伝送遅れが問題となり、特に上述の従来技術のような冗長性を確保する場合には、衝突検知時に多数の乗員保護装置のスクイブを遅れなく点火させることが困難となる。
本発明は、主にかかる問題点を鑑みてなされてなされたものであり、その目的は、多様な衝突形態に対して多様な乗員保護装置の組み合わせを遅れなく確実に起動することができる乗員保護装置の起動制御装置及び起動方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の一局面によれば、複数の乗員保護装置が搭載される車両に適用される乗員保護装置の起動制御装置において、
複数の乗員保護装置の起動が予定されている各種車両状態を検出し、検出した車両状態を表す車両状態信号を後記第2制御部に通信ラインを介して送信する第1制御部と、
第1制御部から受信する車両状態信号が表す車両状態に応じて、各種車両状態に対して起動すべき乗員保護装置群を定めた所与の規則に従って、特定の乗員保護装置群に属する各乗員保護装置を起動させる第2制御部と、を備えることを特徴とする乗員保護装置の起動制御装置が提供される。
本局面において、前記第1制御部は、前記各種車両状態をそれぞれ独立的に検出する2つのマイクロコンピューターと、前記2つのマイクロコンピューターのそれぞれに対して設けられ、対応するマイクロコンピューターが検出する車両状態を表す車両状態信号をそれぞれ独立的に生成する2つのデコーダと、前記2つのデコーダの生成する各車両状態信号を前記第2制御部に時分割多重により前記通信ラインを介して送信する送信部とを含み、
前記第2制御部は、同一の車両状態を表す前記2つの車両状態信号の双方を受信した場合に限り、前記特定の乗員保護装置群に属する各乗員保護装置の起動を行うものであってよい。
また、本発明のその他の一局面によれば、通信ラインで相互接続された少なくとも2つの制御部により協動して複数の乗員保護装置の起動制御を行う乗員保護装置の起動制御装置において、
乗員保護装置の起動が予定されている各種車両状態を検出する機能を、一方の制御部に付与し、
検出される車両状態の種類に応じた特定の乗員保護装置を、前記複数の乗員保護装置の中から起動対象の乗員保護装置として選別する機能を、他方の制御部に付与することを特徴とする乗員保護装置の起動制御装置が提供される。
また、本発明のその他の一局面によれば、複数の乗員保護装置が搭載される車両に適用される乗員保護装置の起動方法において、
第1制御部により、複数の乗員保護装置の起動が予定されている各種車両状態を検出するステップと、
第1制御部が検出した車両状態を表す車両状態信号を後記第2制御部に通信ラインを介して送信するステップと、
前記車両状態信号を第2制御部で受信するステップと、
第2制御部により、該受信した車両状態信号が表す車両状態に応じて、各種車両状態に対して起動すべき乗員保護装置群を定めた所与の規則に従って、特定の乗員保護装置群に属する各乗員保護装置を起動させるステップと、を備えることを特徴とする乗員保護装置の起動方法が提供される。
本発明によれば、多様な衝突形態に対して多様な乗員保護装置の組み合わせを遅れなく確実に起動することができる乗員保護装置の起動制御装置を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
図1は、本実施例による乗員保護装置の起動制御装置の一実施例を示すシステム構成図である。本実施例の起動制御装置10は、車両に搭載される乗員保護装置の起動制御を行う。本実施例の起動制御装置10は、特に複数の乗員保護装置が搭載される車両に適用される。乗員保護装置は、各席のエアバックAB、各座席のシートベルトプリテンショナーPT、サイドエアバックS-AB、カーテンシールドエアバックC-AB、後部座席用のヘッドレストエアバックHead、後部座席の前縁部(太股部)を持ち上げるように起動されるクッションで乗員の前方向加速度を減少させる太股部拘束装置PRCの他(図2参照)、乗員の膝部分を保護するための運転席・助手席のニーエアバック等あらゆる乗員保護装置を含みうる。各乗員保護装置は、インフレータを瞬間的に膨張させるための点火装置(以下、「スクイブ」という)をそれぞれ有し、起動制御装置10により起動制御される。
起動制御装置10は、2つのECU20,40を備える(以下、ECU20を“第1ECU20”、ECU40を“第2ECU40”と称する)。第1ECU20は、主に、乗員保護装置の起動が予定されている各種車両状態を検出する機能と、前席側の乗員保護装置の起動制御を行う機能とを有し、第2ECU40は、後席側の乗員保護装置の起動制御を行う機能を有する。第1ECU20と第2ECU40とは、CAN(controller area network)などの適切な通信ライン50で互いに接続される。
第1ECU20は、図1に示すように、加速度センサ(Gセンサ)等の各種センサが接続されるメインマイクロコンピューター22(以下、「メインマイコン22」という)と、同様の加速度センサ等が接続されるサブマイクロコンピューター32(以下、「サブマイコン32」という)とを含む。各マイコン22、32は、図示しないCPU、所定の処理プログラム等が記憶されたROM、一時的にデータの記憶をするRAM、入出力回路(I/O)等を含む。
メインマイコン22は、加速度センサの出力信号に基づいて、乗員保護装置の起動が予定されている各種車両状態を検出する。加速度センサは、車両の適切な箇所に配置される各種加速度センサであり、例えば、車両前部左右に配置される加速度センサや、車両のフロアトンネル(図示せず)に取り付けられる加速度センサ(フロアGセンサ)を含んでよい。フロアGセンサは、起動制御装置10を含むコントローラユニットに内蔵されていてよい。
メインマイコン22が検出する各種車両状態は、例えば、前突、右前席衝突、左前席衝突、右後席衝突、左後席衝突、右ロールオーバー、左ロールオーバー及び後突を含む。メインマイコン22は、加速度センサの出力信号の他、他の適切なセンサの出力信号を用いてこれらの車両状態を検出してよい。
例えば、各種衝突形態に関して、メインマイコン22は、各加速度センサの出力する車両前後・左右・上下加速度、又はその積分値などを適切に用いて、所与の衝突判定及び/又は衝突形態判定用マップにより、衝突判定と共にその衝突形態の特定を実現してよい。この際、レーダーセンサや画像センサによる車両周辺障害物の検出結果が協動的に用いられてもよい。
また、ロールオーバーに関して、メインマイコン22は、ロールレイトセンサの検出するロールレイト、その積分値であるロール角、及び、車両に作用する左右方向(車幅方向)の加速度を検出する左右方向減速度に基づいて、ロールレイトとロール角の関係に基づくロールオーバー判定用マップ、及び、ロールレイトと左右加速度の関係に基づくロールオーバー判定用マップを用いてロールオーバー判定を実現してよい。
尚、本発明は、上述の乗員保護装置の起動が予定されている各種車両状態の検出方法を特定するものでなく、如何なるセンサやパラメータを用いた如何なる態様の検出方法に対しても適用可能である。
乗員保護装置の起動が予定されている少なくとも何れか一種の車両状態がメインマイコン22で検出されると、メインマイコン22から、第1ECU20のASIC24(特定用途向けIC)内に含まれるデコーダ26aに対して、専用通信線23を介して点火要求信号が供給される。
デコーダ26aでは、メインマイコン22からの点火要求信号が、第2ECU40に送出するための点火信号に変換される。点火信号の詳細については図2を参照して後に詳説する。点火信号は、メインマイコン22のECU間通信ドライバ28により電圧レベルが変換された後、通信ライン50により第2ECU40に送信される。
同様に、サブマイコン32は、メインマイコン22と同じ各種車両状態を検出する。但し、サブマイコン32の検出結果は後述の如く冗長性確保のために用いられる。このため、サブマイコン32は、メインマイコン22と同じ各種車両状態を、メインマイコン22で用いるものとは異なる加速度センサ(例えば、極性の異なる加速度センサ)の出力値を用いて検出するか、又は、異なる加速度センサの出力値を同一態様で用いて検出してよい。
乗員保護装置の起動が予定されている少なくとも何れか一種の車両状態がサブマイコン32で検出されると、サブマイコン32から、第1ECU20のASIC24(特定用途向けIC)内に含まれるデコーダ26bに対して、専用通信線33を介してセーフィング解除要求信号が供給される。
デコーダ26bでは、サブマイコン32からのセーフィング解除要求信号が、第2ECU40に送出するためのセーフィング信号に変換される。セーフィング信号の詳細については図2を参照して後に詳説する。セーフィング信号は、メインマイコン22のECU間通信ドライバ28により電圧レベルが変換された後、通信ライン50により第2ECU40に送信される。
図2(A)は、本実施例において第1ECU20から第2ECU40に向けて送信される点火信号ないしセーフィング信号の送信データの主要データ構造を模式的に示す図である。送信データには、ヘッダー部に続いてメインデータ部が含まれている。ヘッダー部には、送信データの種類を特定するための情報(例えば、点火信号及びセーフィング信号のいずれかを示すための情報)が含まれる。
メインデータ部には、マイコン22、32で検出する各種車両状態を表す情報が含められる。図2(A)では、前突、右前席衝突、左前席衝突、右後席衝突、左後席衝突、右ロールオーバー、左ロールオーバー及び後突の有無をそれぞれ1ビットで表すメインデータ部が示されている。この例では、前突が検出された場合、メインデータ部内の“前突”のフィールドに
‘1’がセットされ、他のフィールドには‘0’がセットされることで、検出された車両状態が前突であることを表す点火信号ないしセーフィング信号が生成される。尚、2つの以上の車両状態が同時に検出される場合も当然に想定される。
以上の第1ECU20側の処理は、図3に示すように、衝突判定用定時割込みルーチンとして起動・実行される。この処理ルーチンは、メインマイコン22及びサブマイコン32の2つのマイコンで別々に実行される。
ステップ100では、衝突判定として各種車両状態の判定がなされ、ステップ110において、図2(A)で説明したような各判定結果に応じた送信データ(点火信号ないしセーフィング信号)が生成される。続くステップ120で、送信データが通信ライン50により第2ECU40に送信される。マイコン22、32の双方で同一の車両状態が検出された場合、当該同一の車両状態を表す点火信号及びセーフィング信号の双方が生成され、通信ライン50により第2ECU40に送信される。このとき、点火信号及びセーフィング信号は、好ましくは、時分割多重により一本の通信ライン50により第2ECU40に送信される。
第2ECU40は、図1に示すように、点火信号ないしセーフィング信号を受信するECU間通信ドライバ48と、第1ECU20(メインマイコン22)からの点火信号を受けて、管轄する各乗員保護装置のスクイブ(図示せず)の点火制御を行うメインマイクロコンピューター42(以下、「メインマイコン42」という)と、第1ECU20(サブマイコン32)からのセーフィング信号を受けて、メインマイコン42と同じ各乗員保護装置のスクイブ(図示せず)の点火制御を行うサブマイクロコンピューター52(以下、「サブマイコン52」という)とを含む。各マイコン42、52は、図示しないCPU、所定の処理プログラム等が記憶されたROM、一時的にデータの記憶をするRAM、入出力回路(I/O)等を含む。
図4は、第2ECU40で実行される主要処理を示すフローチャートである。本処理ルーチンは、第1ECU20から上記送信データを受信した際に第2ECU40で起動・実行される割込みルーチンである。この処理ルーチンは、メインマイコン42及びサブマイコン52の2つのマイコンで別々に実行される。
先ずステップ200では、第1ECU20から受信した受信データ(=第1ECU20の送信データ)に対する第2ECU40による解析処理が起動される。具体的には、第2ECU40では、ECU間通信ドライバ48で受信した第1ECU20からの受信データがメインマイコン42及びサブマイコン52に供給される。メインマイコン42及びサブマイコン52では、受信データのヘッダー部が解析される。このとき、メインマイコン42では、受信データに含まれる点火信号が抽出・処理され、サブマイコン52では、受信データに含まれるセーフィング信号が抽出・処理される。このメインマイコン42及びサブマイコン52での処理が、ステップ210として示されている。以下、メインマイコン42側の処理を説明するが、サブマイコン52側の処理とは、処理対象の信号の相違(点火信号又はセーフィング信号の相違)のみである。
ステップ210では、点火信号のメインデータ部がビット毎に解析され、メインマイコン22による各種車両状態に対する判定結果に応じて、各種車両状態に対応したスクイブ点火フラグがオン/オフされる。具体的には,前突の有無、即ち点火信号のメインデータ部における“前突”のフィールドに‘1’がセットされているか否かがチェックされ、‘1’がセットされている場合は、前突用スクイブ点火フラグをオンにする。続いて、同様の態様で、右前席衝突の有無、左前席衝突の有無、右後席衝突の有無、左後席衝突の有無、右ロールオーバーの有無、左ロールオーバーの有無、及び、後突の有無がそれぞれチェックされ、同様に、‘1’がセットされている場合は、その衝突用のスクイブ点火フラグがオンにされる一方、‘0’がセットされている場合は、その衝突用のスクイブ点火フラグがオフのまま維持される。
続くステップ220では、各点火フラグのオン/オフの判定結果に応じて、点火ASIC(図示せず)によりスクイブ点火処理が実行される。例えば、前突用スクイブ点火フラグのみがオンとなっている場合、セーフィング信号に基づく前突用スクイブ点火フラグも同様にオンとなっている場合に限り、前突用スクイブ点火フラグに関連付けられた各乗員保護装置の各スクイブが点火され、当該各乗員保護装置が起動されることになる。尚、点火ASICは、点火信号及びセーフィング信号の双方に基づく同種のスクイブ点火フラグがオンとなっていない限り、当該スクイブ点火フラグに係る各乗員保護装置の各スクイブが点火されないように構成されている。これにより乗員保護装置の起動判定の冗長性が確保される。
ところで、本実施例では、車両に搭載される乗員保護装置の数の増加に伴う起動装置10の肥大化や複雑化を防ぐために、第1ECU20の機能を部分的に第2ECU40に移転し、通信ライン50を介した通信により第1ECU20と第2ECU40とで協動して、多数の乗員保護装置の起動制御を実現している。また、上述の如く2系統の判定結果を利用して乗員保護装置の起動制御を実現することで冗長性を確保しつつ、通信系統を1系統にして点火信号及びセーフィング信号を時分割多重により送ることで、通信ライン50の単線化(それに伴うコスト低減)を図っている。
かかる構成では、その反面として、点火信号を第1ECU20から第2ECU40に通信ライン50を介して送る必要があるので、点火信号の到達(乗員保護装置の起動タイミング)が点火信号のデータ量(それに伴う通信遅れ)や通信ライン50における通信トラフィックによって影響を受けやすくなるという不都合がある。特に、上述の如く冗長性を確保するために2系統の判定結果(点火信号及びセーフィング信号)を一本の通信ライン50で送信する構成では、第2ECU40に送る情報量が多くなり、通信遅延の問題が顕著となる。
これに関して、本実施例では、上述の如く第1ECU20側で各種車両状態が特定・検出され、第2ECU40側で、当該検出された車両状態の種類に応じた適切な乗員保護装置が起動対象として選別されている。例えば、第1ECU20側で前突が検出された場合、第2ECU40側では、前突という車両状態に応じて、例えば、後右席エアバック、後左席エアバック、後右席シートベルトプリテンショナー、後左席シートベルトプリテンショナー、後真ん中席のシートベルトプリテンショナー、後席の太股部拘束装置PRCの5つのスクイブに対して点火指令が出される。この各種車両状態と、起動すべき各乗員保護装置(各スクイブ)との対応関係は、第1ECU20が検出する車両状態毎に、予め所定され、第2ECU40がアクセス可能なメモリに例えばテーブル形式(マップ形式)で記憶される。以下、各種車両状態に対する起動すべき各スクイブの対応関係を定義したマップを“スクイブ対応マップ”と称する。
このように本実施例によれば、第1ECU20側から、起動すべき各スクイブを指定する点火信号を第2ECU40に送る必要が無く、各種車両状態を表す信号さえ送ればよいので、第1ECU20から第2ECU40に送るべき乗員保護装置を起動させるのに必要な情報量が低減され、上述のような送信データの情報量の増大による問題点が解消される。例えば、先の例において、起動すべき各スクイブを指定する点火信号を第2ECU40に送る従来的な構成では、5つのスクイブを指定するには少なくとも5ビット必要となるのに対して、本実施例では、前突という車両状態を表す1ビットで済む。図2(B)は、対照として、起動すべき各スクイブを指定する送信データ(点火信号)のデータ構造を示す。図2(A)と図2(B)とを対照参照することで、本実施例(図2(A))によれば、従来的な構成(図2(B))に比べて、同一数のスクイブを点火させるのに必要な送信データのデータ量(長さ)が大きく低減されていることが分かる。
このように本実施例によれば、従来的な構成に比べて、第1ECU20と第2ECU40とを結ぶ通信ライン50の通信トラフィックが低減され、第2ECU40側に送信データを速やかに送信することができ、これにより、通信ライン50の混雑に起因したスクイブの点火遅れを防止して信頼性の高い起動制御を実現することができる。
また、本実施例によれば、上述の如く第2ECU40が第1ECU20側から送られる車両状態を示す情報に基づいて点火対象となる各スクイブを特定できるように構成されるので、第1ECU20は、自らが検出した車両状態を第2ECU40に送信すればよく、第2ECU40によりどのような乗員保護装置が制御されるかを知る必要が無くなる。このため、車種やグレードの相違に応じて異なり得る乗員保護装置のバリエーションに引きずられて第1ECU20の仕様を増加させる必要が無くなり、第1ECU20の汎用性が高まる。
また、同様に、第2ECU40についても、車種やグレードの相違に応じて生ずる乗員保護装置の相違・変更に応じて上記スクイブ対応マップを書き換えるだけでよく、新規設定や仕様変更にも機動的に対応することが可能となる。
また、本実施例では、第1ECU20側において、メインマイコン22からの点火要求信号とサブマイコン32からのセーフィング解除要求信号とが、それぞれの専用デコーダ26a、26bにより別々に処理されるので、単一の通信ライン50で伝送するにも拘らず冗長性を保つことが可能となっている。即ち、第1ECU20側からの送信データが、2つのデコーダ26a、26bでハードウェア的に生成されるので、最終的に送信データが単一の通信ライン50で伝送されるにも拘らず、第1ECU20側での冗長性が第2ECU40側でも維持されることになる。
図5は、乗員保護装置の起動制御装置10のその他の一実施例を示すシステム構成図である。図5に示す実施例は、上述の実施例に対して、第2ECU40側の構成のみが異なるので、同一の構成要素については同一の参照符号を付して説明を省略する。
本実施例は、上述の第2ECU40側での受信データ解析を、マイコン(ソフトウェア)ではなく、ASICのようなハードウェアロジックで実現する構成に関する。
図5に示す例では、第2ECU40は、第1ECU20側から点火信号ないしセーフィング信号を受信するECU間通信ドライバ48を含む通信ASIC49と、第1ECU20(メインマイコン22)からの点火信号ないしセーフィング信号を受けて、管轄する各乗員保護装置のスクイブ(図示せず)のうちの特定のスクイブを点火する点火ASIC60とを含む。
通信ASIC49は、受信信号(点火信号ないしセーフィング信号)の電圧レベルの変換など通信物理層を受け持つものであり、点火ASIC60は、2つのデコーダ61,62で、通信ASIC49から受けた点火信号及びセーフィング信号をそれぞれ分離・復号し、誤りチェックなどを実行した上で、スクイブドライバ64により、当該点火信号及びセーフィング信号に係るスクイブを点火する。尚、通信ASIC49と点火ASIC60とは、ハードウェア構成上一体とされてよい。
点火ASIC60は、不揮発性メモリ66(例えばEEPROM)を備える。不揮発性メモリ66は、点火ASIC60内に内蔵されもよく、或いは、外付けタイプのものであってもよい。不揮発性メモリ66には、上述の実施例で説明したスクイブ対応マップが格納される。点火ASIC60は、上述の実施例と同様、不揮発性メモリ66内のスクイブ対応マップに基づいて、点火信号ないしセーフィング信号の表す車両状態に応じた点火対象スクイブを特定し、当該点火対象スクイブを通電する。
このように本実施例においても、上述の如く第1ECU20側で各種車両状態が特定・検出され、第2ECU40側で、当該検出された車両状態の種類に応じた適切な乗員保護装置が起動対象として選別されるので、第1ECU20から第2ECU40に送るべき情報量を低減してスクイブの点火遅れを防止することができる。その他、冗長性についても上述の実施例と同様の効果を享受できる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述した実施例では、第1ECU20が前席側の乗員保護装置の制御を受け持ち、第2ECU40が後席側の乗員保護装置の制御を受け持つ構成であったが、他の態様の割り振り方が採用されてもよい。
また、上述した実施例では、1つの第2ECU40が、各種車両状態を検出する第1ECU20の下でスレーブECUとして機能しているが、2以上の同様のスレーブECUが設定されてもよい。また、第2ECU40側に、車両状態を検出する機能を部分的に持たせることも可能である。
また、上述した実施例では、図2に示すように送信データ内に検出対象の各種車両状態に対応するフィールドを設定し、各フィールドに当該各種車両状態の検出結果をセットするものであったが、検出対象の車両状態の種類の数が固定である場合には、点火信号ないしセーフィング信号は、当該種類の数に応じた固定のビット数のバイナリコードにより構成されてもよい。この場合、送信データには、新たな検出対象の車両状態の追加に機動的に対応できるように、かかる拡張用のエクステンションデータ部が設定されていてよい。
本実施例による乗員保護装置の起動制御装置の一実施例を示すシステム構成図である。 図2(A)は、本実施例において第1ECU20から第2ECU40に向けて送信される送信データの主要データ構造を模式的に示す図であり、図2(B)は、その対照として比較できる従来的な送信データの主要データ構造を模式的に示す図である。 第1ECU20側の主要処理の流れを示すフローチャートである。 第2ECU40側の主要処理の流れを示すフローチャートである。 乗員保護装置の起動制御装置10のその他の一実施例を示すシステム構成図である。
符号の説明
10 起動制御装置
20 第1ECU
22 メインマイコン
23 専用通信線
24 ASIC
26a、26b デコーダ
28 ECU間通信ドライバ
32 サブマイコン
33 専用通信線
40 第2ECU
42 メインマイコン
48 ECU間通信ドライバ
49 通信ASIC
50 通信ライン
52 サブマイコン
60 点火ASIC
61,62 デコーダ
64 スクイブドライバ
66 不揮発性メモリ

Claims (4)

  1. 複数の乗員保護装置が搭載される車両に適用される乗員保護装置の起動制御装置において、
    複数の乗員保護装置の起動が予定されている各種車両状態を検出し、検出した車両状態を表す車両状態信号を後記第2制御部に通信ラインを介して送信する第1制御部と、
    第1制御部から受信する車両状態信号が表す車両状態に応じて、各種車両状態に対して起動すべき乗員保護装置群を定めた所与の規則に従って、特定の乗員保護装置群に属する各乗員保護装置を起動させる第2制御部と、を備えることを特徴とする乗員保護装置の起動制御装置。
  2. 前記第1制御部は、前記各種車両状態をそれぞれ独立的に検出する2つのマイクロコンピューターと、前記2つのマイクロコンピューターのそれぞれに対して設けられ、対応するマイクロコンピューターが検出する車両状態を表す車両状態信号をそれぞれ独立的に生成する2つのデコーダと、前記2つのデコーダの生成する各車両状態信号を前記第2制御部に時分割多重により前記通信ラインを介して送信する送信部とを含み、
    前記第2制御部は、同一の車両状態を表す前記2つの車両状態信号の双方を受信した場合に限り、前記特定の乗員保護装置群に属する各乗員保護装置の起動を行う、請求項1に記載の乗員保護装置の起動制御装置。
  3. 通信ラインで相互接続された少なくとも2つの制御部により協動して複数の乗員保護装置の起動制御を行う乗員保護装置の起動制御装置において、
    乗員保護装置の起動が予定されている各種車両状態を検出する機能を、一方の制御部に付与し、
    検出される車両状態の種類に応じた特定の乗員保護装置を、前記複数の乗員保護装置の中から起動対象の乗員保護装置として選別する機能を、他方の制御部に付与することを特徴とする乗員保護装置の起動制御装置。
  4. 複数の乗員保護装置が搭載される車両に適用される乗員保護装置の起動方法において、
    第1制御部により、複数の乗員保護装置の起動が予定されている各種車両状態を検出するステップと、
    第1制御部が検出した車両状態を表す車両状態信号を後記第2制御部に通信ラインを介して送信するステップと、
    前記車両状態信号を第2制御部で受信するステップと、
    第2制御部により、該受信した車両状態信号が表す車両状態に応じて、各種車両状態に対して起動すべき乗員保護装置群を定めた所与の規則に従って、特定の乗員保護装置群に属する各乗員保護装置を起動させるステップと、を備えることを特徴とする乗員保護装置の起動方法。
JP2005017213A 2005-01-25 2005-01-25 乗員保護装置の起動制御装置及び起動方法 Active JP4380547B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005017213A JP4380547B2 (ja) 2005-01-25 2005-01-25 乗員保護装置の起動制御装置及び起動方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005017213A JP4380547B2 (ja) 2005-01-25 2005-01-25 乗員保護装置の起動制御装置及び起動方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006205776A true JP2006205776A (ja) 2006-08-10
JP4380547B2 JP4380547B2 (ja) 2009-12-09

Family

ID=36963088

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005017213A Active JP4380547B2 (ja) 2005-01-25 2005-01-25 乗員保護装置の起動制御装置及び起動方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4380547B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009143555A (ja) * 2007-11-29 2009-07-02 Robert Bosch Gmbh ソイルトリップ及びカーブトリップした車両の転倒を高速検知するシステム及び方法
JP2013220743A (ja) * 2012-04-17 2013-10-28 Mitsubishi Motors Corp 車両制御装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009143555A (ja) * 2007-11-29 2009-07-02 Robert Bosch Gmbh ソイルトリップ及びカーブトリップした車両の転倒を高速検知するシステム及び方法
JP2013220743A (ja) * 2012-04-17 2013-10-28 Mitsubishi Motors Corp 車両制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4380547B2 (ja) 2009-12-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101006094B1 (ko) 에어백 제어 장치
US20080046148A1 (en) Control Apparatus for Occupant Restraint Device
JP2007235870A (ja) バス通信システム
US20010037170A1 (en) Safing method for a vehicle occupant protection safety system
EP0957013B1 (en) Ignition control system for a passive safety device with interconnected airbag control and roll-over control
JP2000190808A (ja) 乗員保護装置
KR100581044B1 (ko) 승원 구속 시스템
JP2006160170A (ja) 小型車両用エアバッグ装置
JP3721242B2 (ja) 乗員拘束安全装置の制御装置
EP2110284B1 (en) Passenger protection control device and passenger protection system
JP4380547B2 (ja) 乗員保護装置の起動制御装置及び起動方法
JP2006304069A (ja) 通信装置
US7246822B2 (en) Motorized seat belt system
JP2004034828A (ja) 乗員保護装置の起動システム
JP3719371B2 (ja) 車両用乗員保護システム
KR102557187B1 (ko) 차량용 에어백 구동장치 및 그 제어방법
KR20090104840A (ko) 사람 보호 수단을 트리거링하기 위한 방법 및 제어 장치
JP4030990B2 (ja) 乗員保護装置の通信制御装置
JP2001180429A (ja) エアバッグ装置の展開制御装置
JP2021146844A (ja) 乗員保護装置
JP2004284381A (ja) 乗員保護装置
EP1859998A1 (en) Actuator of crew protector
US20100292885A1 (en) Control Unit and Method for Trigger Passenger Protection Means
JP2006193043A (ja) 乗員保護装置の通信システム
KR20100066911A (ko) 에어백 전개신호 재발생 시스템 및 제어방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080430

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080513

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080711

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090609

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090807

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090901

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090914

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121002

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121002

Year of fee payment: 3