JP2006205464A - 燃料用ホース - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストで、帯電防止性に優れ、しかも、耐ガソリン透過性、耐サワー性等に優れた燃料用ホースを提供する。
【解決手段】導電性を有する環状の内層1と、その外周に直接もしくは他の層を介して積層形成されたポリアミド系樹脂層2とを備えた導電性ホースであって、上記内層1が、下記の(A)および(B)成分を用いて形成されており、かつ、上記内層1の厚みが、ホースの肉厚の1〜10%の範囲に設定されている。
(A)ポリオレフィン系樹脂。
(B)窒素吸着比表面積が30〜90m2 /gであり、かつ、含有酸素量が0.05%以下である炭素成分。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の燃料〔ガソリン、アルコール混合ガソリン(ガソホール)、アルコール、水素、軽油、バイオディーゼル燃料、ジメチルエーテル、LPG、CNG等〕の輸送等に用いられる燃料用ホースに関するものである。
ガソリン燃料ホース等の燃料用ホースとしては、例えば、耐ガソリン透過性等に優れる材料であるフッ素樹脂やポリアミド樹脂を用いて形成されたホースが一般的である(例えば、特許文献1参照)。なかでも、フッ素樹脂は、燃料用ホースの材料として信頼性が高いことから、好適に用いられる。しかしながら一方で、フッ素樹脂は、材料コストが高いといったデメリットを有することから、低コスト化を図る際には、ポリアミド樹脂が形成材料として用いられる。ところで、このようなホースは、ポリアミド樹脂層以外にも、他の樹脂層や,ゴム層や,補強糸層等が積層された多層構造をとるのが一般的である。また、ホース内を流れる燃料(ガソリン等)とホース内周面との摩擦により静電気が発生すると、燃料への引火等の事故のおそれがあることから、そのようなことのないよう、ホース内層にカーボンブラック等の導電剤を含ませて導電性を付与し、上記静電気をホース外部へ放電して逃がすといった手段がとられている。
特開平7−96564号公報
しかしながら、導電性カーボンブラックで導電化されたポリアミド樹脂は、元来、燃料用途で重要な特性である耐サワー性(燃料油が酸化されて生成するサワー燃料に対する耐性)に劣っており、脆性化しクラックを生じやすい。これは、上記ポリアミド樹脂層中にカーボンブラックを含有すると、そのカーボンブラックが燃料中の過酸化物を活性化させると考えられ、このことが、ポリアミド樹脂の耐サワー性を更に悪化させるおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、低コストで、帯電防止性に優れ、しかも、耐ガソリン透過性、耐サワー性等に優れた燃料用ホースの提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の燃料用ホースは、導電性を有する環状の内層と、その外周に直接もしくは他の層を介して積層形成されたポリアミド系樹脂層とを備えた導電性ホースであって、上記内層が、下記の(A)および(B)成分を用いて形成されており、かつ、上記内層の厚みが、ホースの肉厚の1〜10%の範囲に設定されているという構成をとる。
(A)ポリオレフィン系樹脂。
(B)窒素吸着比表面積が30〜90m2 /gであり、かつ、含有酸素量が0.05%以下である炭素成分。
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、燃料用ホース材料として実績のある(耐ガソリン性等に優れる)ポリアミド系樹脂を用いてホースを形成し、その内層として、耐サワー性に優れるポリオレフィン系樹脂層を形成することを想起した。しかし、このような層構造のホースを試作したところ、このものは、そのポリオレフィン系樹脂製内層により耐サワー性には優れるものの、ポリオレフィン系樹脂がガソリン膨潤しやすい特性を有することから、シール性が確保しづらい(特にホースの円周方向に延びるように膨潤しやすく、そのためシール性が阻害される)といった不都合がみられた。また、ホースの帯電防止のため、上記ポリオレフィン系樹脂製内層中にカーボンブラックを含有させたところ、カーボンブラックの種類によっては、耐サワー性を悪化させるといった問題や、ポリオレフィン系樹脂との混練り加工時に発熱しポリオレフィン系樹脂を劣化させるといった問題が生じた。これらのことに鑑み、本発明者らは更に研究を重ねた結果、上記ポリオレフィン系樹脂製内層の厚みを特定の範囲(ホースの肉厚の1〜10%)に設定し、かつ、上記内層に特定の炭素成分(窒素吸着比表面積が30〜90m2 /gであり、かつ、含有酸素量が0.05%以下である炭素成分)を含有すると、上記内層の膨潤が抑えられてシール性が確保されるようになるとともに、耐サワー性等を損なうことなくホースの帯電防止がなされるようになることを見いだし、本発明に到達した。
以上のように、本発明の燃料用ホースは、導電性を有する環状の内層と、その外周に直接もしくは他の層を介して積層形成されたポリアミド系樹脂層とを備えており、上記内層が、窒素吸着比表面積および含有酸素量が特定の範囲内にある炭素成分を含有し、かつ、特定の厚みを有するポリオレフィン系樹脂層である。そのため、低コストで、帯電防止性に優れ、しかも、耐サワー性、シール性、耐ガソリン透過性等にも優れている。そして、本発明の燃料用ホースは、特に、自動車用燃料配管用ホースとして、優れた機能を発揮することができる。
特に、上記内層の材料であるポリオレフィン系樹脂が、無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂であると、その層に隣接するポリアミド系樹脂層と接着性(層間接着性)に優れ、層構造が簡素化され生産性の向上に繋がるようになる。
また、上記ポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート(MFR)が0.5〜9g/10minの範囲に設定されていると、ホースの押出形成の際の加工性に優れるようになり、より製品性に優れた燃料用ホースとすることができる。
さらに、上記内層とポリアミド系樹脂層との間に、エチレン−ビニルアルコールコポリマー(EVOH)または芳香族ポリアミドによって形成されたガスバリア層を介していると、よりガスバリア性に優れるようになる。
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の燃料用ホースは、例えば、図1に示すように、燃料を流通させる環状の内層1の外周面に、ポリアミド系樹脂層2が形成されて、構成されている。そして、上記内層1が、窒素吸着比表面積および含有酸素量が特定の範囲内にある炭素成分(B成分)を含有し、かつ、特定の厚みを有するポリオレフィン系樹脂層により構成されている。
上記内層1(ポリオレフィン系樹脂層)の形成材料であるポリオレフィン系樹脂(A成分)としては、特に限定はなく、例えば、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリブテン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。これらのなかでも、耐熱性と入手のし易さの点で、ポリプロピレン(PP)樹脂が好適に用いられる。また、上記ポリオレフィン系樹脂は、無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂であると、接着剤レスであっても層間接着性に優れるようになり、好ましい。さらに、上記ポリオレフィン系樹脂は、そのメルトフローレート(MFR)が0.5〜9g/10minの範囲に設定されていることが好ましく、より好ましくは、MFRが0.5〜7g/10minの範囲である。すなわち、上記ポリオレフィン系樹脂のMFRがこのような範囲であると、ホースの押出形成の際の加工性に優れるようになり、より製品性の高い燃料用ホースとすることができるからである。なお、上記MFRは、ASTM D 1238に準じて測定される。
上記ポリオレフィン系樹脂(A成分)とともに用いられる炭素成分(B成分)としては、窒素吸着比表面積が30〜90m2 /gであり、かつ、含有酸素量が0.05%以下である炭素成分が用いられる。上記窒素吸着比表面積は、好ましくは50〜90m2 /gの範囲である。また、上記含有酸素量は、好ましくは0.01%以下の範囲である。すなわち、窒素吸着比表面積が30m2 /g未満であると、導電性が得難くなるからであり、逆に、窒素吸着比表面積が90m2 /gを超えると、分散し難くなるからである。また、含有酸素量は、0.05%を超えると、サワー劣化を促進するからである。なお、上記窒素吸着比表面積は、JIS K 6217に規定されており、単位重量当たりの窒素吸着比表面積(m2 /g)を意味する。また、上記含有酸素量は、質量分析装置付熱分解ガスクロマトグラフィー(GC/MS)にて50℃から800℃(昇温速度20℃/min)において発生するガスを分析し算出される値を示す。
上記特定の炭素成分(B成分)は、その窒素吸着比表面積および含有酸素量が上記特定の範囲内にあれば、特に限定されるものではなく、具体的には、原料自体が炭化水素ガスであり不純物が少ないアセチレンブラック、カーボンナノチューブ等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。なかでも、汎用性の点で、アセチレンブラックが好適に用いられる。
上記特定の炭素成分(B成分)の含有割合は、内層1に所望の導電性が得られるのであれば、特に限定はないが、例えば、アセチレンブラックの場合、ポリオレフィン系樹脂(A成分)100重量部(以下、「部」と略す)に対して、10〜25部の範囲内が好ましく、特に好ましくは12〜20部の範囲内である。すなわち、上記炭素成分の含有割合が10部未満であると、目的とする導電性が得られにくくなるからであり、逆に25部を超えると、ホースの柔軟性が乏しくなる傾向がみられるからである。
なお、上記内層1用材料には、上記の各成分とともに、必要に応じ、エラストマー等の耐衝撃剤、炭酸カルシウム等の充填剤、オイル等の可塑剤、老化防止剤等を含有しても差し支えない。
上記内層1の外周面に積層形成されるポリアミド系樹脂層2の材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド99(PA99)、ポリアミド610(PA610)、ポリアミド612(PA612)、ポリアミド11(PA11)、ポリアミド912(PA912)、ポリアミド12(PA12)、ポリアミド6とポリアミド66との共重合体(PA6/66)、ポリアミド6とポリアミド12との共重合体(PA6/12)等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。
ここで、前記図1に示した燃料用ホースは、例えば、つぎのようにして作製することができる。すなわち、まず、ポリオレフィン系樹脂に特定の炭素成分(B成分)を所定の割合で配合し、また必要に応じてその他の成分も配合し、これらを2軸混練機を用いて所定温度(好ましくは、190〜240℃)で混練りし、内層1用材料を調製する。また、ポリアミド系樹脂を、そのままかあるいは必要に応じてその他の成分(可塑剤、耐衝撃剤等)を所定の割合で配合し、これらを2軸混練機を用いて所定温度(好ましくは、190〜250℃)で混練りし、ポリアミド系樹脂層2用材料を調製する。そして、内層1用押出機と、ポリアミド系樹脂層2用押出機とをそれぞれ準備し、各押出機から各材料を共押出して1つのダイに合流させ、これをサイジングダイスに通すことにより、内層1の外周面にポリアミド系樹脂層2が形成されてなる燃料用ホースを作製することができる。なお、ホースを蛇腹状に形成する場合には、上記共押出した溶融チューブをコルゲート成形機に通すことにより、所定寸法の蛇腹状ホースを作製することが可能である。
ところで、本発明においては、上記内層1の厚みが、ホースの肉厚の1〜10%の範囲に設定されている必要がある。好ましくは5〜10%の範囲である。すなわち、上記内層1の厚みが、ホース肉厚の1%未満であると、押出し加工が困難であり、導電層が部分的に途切れ、本発明の燃料用ホースの特徴である導電性が確保されないといったおそれがあるからであり、逆に、ホース肉厚の10%を超えると、ガソリン膨潤によるシール性の低下がみられるからである。
そして、このようにして得られる本発明の燃料用ホースにおいて、そのホース内径は2〜40mmの範囲が好ましく、特に好ましくは2.5〜30mmの範囲であり、ホース外径は4〜44mmの範囲が好ましく、特に好ましくは8〜32mmの範囲である。また、内層1の厚みは0.05〜0.2mmの範囲が好ましく、特に好ましくは0.1〜0.15mmの範囲である。ポリアミド系樹脂層2の厚みは0.7〜1.8mmの範囲が好ましい。
また、上記内層1の電気抵抗が、1.0×108 Ωsq以下に設定されていると、帯電防止性に優れるようになるため、好ましい。より好ましくは1.0×106 Ωsq以下である。
本発明の燃料用ホースは、図1に示したような2層構造に限定されるものではなく、適宜、その層間に、接着層を設けてもよい。上記接着層の材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、無水マレイン酸等の酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、シラン変性ポリオレフィン系樹脂、アミン変性ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂とポリアミド系樹脂とのブレンド物、ポリオレフィン系樹脂とポリアミド系樹脂との相溶化剤等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。一方、上記内層1とポリアミド系樹脂層2との層間に、エチレン−ビニルアルコールコポリマー(EVOH)または芳香族ポリアミドによって形成されたガスバリア層を介すると、よりガスバリア性に優れるようになるため、好ましい。そして、これら各層は、先に述べた製法に準じ、共押出成形あるいは各層ごとの押出成形により形成することができる。
なお、本発明の燃料用ホースにおける各層は、押出成形以外にも、例えば、ディッピング法、スプレーコーティング法、ロールコート法等の従来公知の塗工法により形成してもよい。
また、本発明の燃料用ホースには、その特性を損なわない範囲で、さらに、他の樹脂層や,ゴム層や,補強糸層等を形成してもよい。
そして、本発明の燃料用ホースは、自動車の燃料用ホースとして好適に用いられるが、これに限定されるものではなく、例えば、トラクターや耕運機等の燃料用ホース等にも用いることができる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
〔酸変性PP樹脂(i)〕
MFRが3.0g/10minの、酸変性PP樹脂(三井化学社製、アドマーQF500)
〔酸変性PP樹脂(ii)〕
MFRが7.0g/10minの、酸変性PP樹脂(三井化学社製、アドマーQE050)
〔酸変性HDPE樹脂〕
MFRが0.5g/10minの、酸変性高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂(日本ポリエチレン社製、アドテックER403A)
〔PP樹脂〕
MFRが0.5g/10minの、PP樹脂(三井化学社製、三井ポリプロE111G)
〔PA樹脂〕
PA12(アルケマ社製、リルサンAESN NOIR P20TL)
〔カーボンブラック(i)〕
デンカブラック(電気化学工業社製、窒素吸着比表面積:68m2 /g、含有酸素量:0.01%)
〔カーボンブラック(ii)〕
ケッチェンブラックEC(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製、窒素吸着比表面積:800m2 /g、含有酸素量:0.80%)
〔カーボンブラック(iii) 〕
三菱カーボンブラック#3050(三菱化学社製、窒素吸着比表面積:60m2 /g、含有酸素量:0.09%)
〔実施例1〜5、比較例1〜5〕
下記の表1〜表2に示す各成分を同表に示す割合で配合し、これを2軸混練機(回転数200rpm)を用いて220℃で10kg/hで混練りし、内層用材料(組成物)を調製した。
Figure 2006205464
Figure 2006205464
つぎに、バリヤ層用材料として、EVOH(クラレ社製、エバールEP−F101)を準備した。また、接着層用材料として、酸変性PP樹脂(三井化学社製、アドマーQF500)を準備した。さらに、外層用材料として、PA12(アルケマ社製、リルサンAESN NOIR P20TL)を準備した。そして、上記調製の内層用材料(組成物)をはじめ、これら各層の材料を、それぞれ押出機に充填して共押出成形し、内側から、内層/バリヤ層/接着層/外層の順に形成されてなる燃料用ホース(内径6mm、厚み1mm)を作製した。
このようにして得られた実施例品および比較例品の燃料ホースに関し、その各層の厚みは、後記の表3〜表4に示す通りである。なお、各層の厚みの測定は、ホースをカットして断面を拡大鏡で調べることにより行った。また、後記の表において、層の厚みが記載されてないものは、当該層の形成が行われていないことを示す。つぎに、このようにして得られた実施例品および比較例品の燃料ホースを用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果も、後記の表3〜表4に併せて示した。
〔柔軟性〕
燃料用ホースを180°に折り曲げ、ホースに割れ等の異常が生じないものを○と表記し、柔軟性の評価を行った。
〔シール性〕
上記各ホースの片端に金属製パイプ(外径8mm,内径6mm,先端R0.5mm)を端部より15mm圧入し、ホース中空にFuel Cを、80℃で168時間封入した。このとき、上記金属製パイプ圧入部からのFuel Cの洩れの状況を目視観察した。評価は、Fuel Cの洩れ等の異常がないものを○、圧入部にFuel Cのにじみや洩れがあるものを×とした。
〔引張強度〕
上記各ホースの片端に樹脂クイックコネクター(最大外径9mm,内径5mm,先端外径5.8mm、ストレート部7.5mm、テーパー長さ2mm)を圧入し、続いて、引張試験機により、500mm/minの速度で、上記クイックコネクター圧入部のホース引抜強度(N)を測定した。
〔導電性〕
ホースに真鍮金具を挿入し、SAE J2260に準じて電気抵抗を測定した。そして、その電気抵抗が106 Ω未満であったものを○、106 Ω以上108 Ω未満であったものを△、108 Ω以上であったものを×として、導電性の評価を行った。
〔耐サワー性〕
Fuel Cにラウロイルパーオキサイド(LPO)を5重量%混合してなる模擬変性ガソリンを調製した。そして、長さ300mmの燃料用ホースの両端部に上記樹脂クイックコネクターを圧入し、圧力レギュレーターを介して、0.3MPaの圧力で上記模擬変性ガソリンを、60℃で8時間循環させた後16時間封入した。これを1サイクルとして10サイクル行った後、燃料用ホースをサンプリングして、180°に折り曲げ、その部分を半割し、内面状態を目視により観察した。その結果、クラック等の異常が何ら生じなかったものを○、クラックや割れが生じたものを×として耐サワー性の評価を行った。
Figure 2006205464
Figure 2006205464
上記結果から、実施例品は、いずれも柔軟性、シール性、引張強度、耐サワー性に優れている。また、ホース内周面の導電性が良好であったことから、実施例のホースは帯電防止性にも優れている。
これに対して、比較例1品は、その内層がポリアミド樹脂層であるため、ガソリンによる膨潤等は殆どみられなかったが、サワーガソリンにより脆性化し、クラックがみられる。比較例2〜3品は、ポリオレフィン系樹脂製内層であるが、その内層に含まれる炭素成分(カーボンブラック)において、本発明に規定する窒素吸着比表面積および含有酸素量の範囲から外れるものを用いているため、耐サワー性に劣る。比較例4〜5品は、その内層の厚みが、本発明に規定する範囲から外れており、厚過ぎるため、シール性等に劣っている。
本発明の燃料用ホースは、自動車用燃料系ホースや、ガソリン、アルコール混合ガソリン、ディーゼル燃料のような自動車燃料の輸送等に好適に用いられる。
本発明の燃料用ホースの一例を示す断面図である。
符号の説明
1 内層
2 ポリアミド系樹脂層

Claims (4)

  1. 導電性を有する環状の内層と、その外周に直接もしくは他の層を介して積層形成されたポリアミド系樹脂層とを備えた導電性ホースであって、上記内層が、下記の(A)および(B)成分を用いて形成されており、かつ、上記内層の厚みが、ホースの肉厚の1〜10%の範囲に設定されていることを特徴とする燃料用ホース。
    (A)ポリオレフィン系樹脂。
    (B)窒素吸着比表面積が30〜90m2 /gであり、かつ、含有酸素量が0.05%以下である炭素成分。
  2. 上記(A)成分のポリオレフィン系樹脂が、無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂である請求項1記載の燃料用ホース。
  3. 上記(A)成分のポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート(MFR)が0.5〜9g/10minの範囲に設定されている請求項1または2記載の燃料用ホース。
  4. 上記内層とポリアミド系樹脂層との間に、エチレン−ビニルアルコールコポリマー(EVOH)または芳香族ポリアミドによって形成されたガスバリア層を介している請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料用ホース。
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