JP2006205375A - 熱可塑性樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】所定形状に賦形された熱可塑性樹脂発泡シートに、部分的に機能性部材が融着されてなる熱可塑性樹脂成形品を、樹脂漏れがない外観良好に製造する方法を提供する。
【解決手段】下記の工程を含むことを特徴とする方法。(1)前記機能性部材を融着するための凹部が形成された真空吸引可能な成形型に、予め所定形状に賦形された熱可塑性樹脂発泡シートを接触させる工程(2)成形型から真空吸引を開始し、前記凹部が密閉状態となるように熱可塑性樹脂発泡シートを成形型に密着させる工程(3)工程(2)において真空吸引を開始すると同時、または開始した後に、前記凹部に成形型内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状熱可塑性樹脂を該凹部に供給し、該溶融状熱可塑性樹脂と前記熱可塑性樹脂発泡シートとを融着一体化する工程(4)溶融状熱可塑性樹脂の供給を停止すると同時または停止した後に、真空吸引を停止し、成形品を取り出す工程
【選択図】図1

Description

本発明は熱可塑性樹脂成形品の製造方法に関する。
熱可塑性樹脂発泡シートを成形して得られる発泡成形品は、軽量性、リサイクル性、断熱性などに優れることから、自動車部材や建築材料等の種々の用途に用いられている。このような発泡成形品にリブ、ボス、フック等の熱可塑性樹脂からなる非発泡の機能性部材が部分的に融着されてなる熱可塑性樹脂成形品もまた、自動車内装用部品等として使用可能である。前記熱可塑性樹脂成形品の製造方法として、以下の工程(1)−(4)を含む方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
(1)少なくとも一方に機能性部材の形状の凹部が形成された一対の金型間に、予め所定形状に賦形された熱可塑性樹脂製発泡シートを供給する工程
(2)金型を閉じて、前記凹部の開口部を熱可塑性樹脂製発泡シートで塞ぐ工程
(3)金型を閉じて前記凹部の開口部を熱可塑性樹脂製発泡シートで塞いだ状態で、該凹部に通ずるように金型内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状態の熱可塑性樹脂を該凹部に供給し、該熱可塑性樹脂と前記熱可塑性樹脂製発泡シートとを融着一体化して前記熱可塑性樹脂成形品を形成する工程
(4)工程(3)で形成した熱可塑性樹脂成形品を冷却し、金型から取り外す工程
特開2001−121561号公報
しかしながら、製造する熱可塑性樹脂成形品の形状が複雑である場合、例えば成形品における機能性部材が融着されてなる部分が曲面であるような場合には、前記の方法では機能性部材を形成するために供給した溶融状態の熱可塑性樹脂が金型凹部から漏れ出してしまうことがあった。
本発明は、所定形状に賦形された熱可塑性樹脂発泡シートに、部分的に機能性部材が融着されてなる熱可塑性樹脂成形品を、樹脂漏れがなく外観良好な成形品として製造する方法を提供するものである。
すなわち本発明は、所定形状に賦形された熱可塑性樹脂発泡シートに、部分的に熱可塑性樹脂製の機能性部材が融着されてなる熱可塑性樹脂成形品の製造方法であって、下記の工程を含むことを特徴とする方法である。
(1)前記機能性部材を賦形するための凹部が形成された真空吸引可能な成形型の成形面に、予め所定形状に賦形された熱可塑性樹脂発泡シートを接触させる工程
(2)成形型から真空吸引を開始し、前記凹部が密閉状態となるように熱可塑性樹脂発泡シートを成形型に密着させる工程
(3)工程(2)において成形型から真空吸引を開始すると同時、または真空吸引を開始した後に、前記凹部に通ずるように成形型内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状熱可塑性樹脂を該凹部に供給し、該溶融状熱可塑性樹脂と前記熱可塑性樹脂発泡シートとを融着一体化する工程
(4)溶融状熱可塑性樹脂の供給を停止すると同時または停止した後に、真空吸引を停止し、成形品を取り出す工程
本発明の所定形状に賦形された熱可塑性樹脂発泡シートに部分的に機能性部材が融着されてなる熱可塑性樹脂成形品の製造方法によれば、製造する熱可塑性樹脂成形品の形状が複雑である場合、例えば成形品における機能性部材が融着されてなる部分が曲面であるような場合であっても、樹脂漏れがなく外観良好な成形品を得ることができる。
本発明で用いる成形型は、真空吸引可能であり、かつ機能性部材を賦形するための凹部が形成された成形型である。成形型としては、凸型、凹型、平板型等が挙げられる。成形型の成形面は、真空吸引した場合に、少なくとも成形面に設けられた凹部周辺が使用する予め所定形状に賦形された熱可塑性樹脂発泡シートと密着可能な形状であればよい。通常、熱可塑性樹脂発泡シートを所定形状に賦形する際に用いる成形型成形面と同じ形状の成形面を有する成形型を用いる。
成形型には、賦形する機能性部材の個数や形状に応じた凹部が形成されたものを用いる。成形型内には、前記凹部に溶融状熱可塑性樹脂を供給するための樹脂通路が設けられている。該凹部に供給された溶融状熱可塑性樹脂が冷却されて、機能性部材となる。本発明により得られる熱可塑性樹脂成形品における機能性部材とは熱可塑性樹脂発泡シートから突き出すように形成されたものであり、機能性部材の取り付け位置や取り付け個数なども特に限定されない。具体的には熱可塑性樹脂成形品を補強する機能を有するリブ、あるいは熱可塑性樹脂成形品を他部材に取り付ける機能を有するボス、クリップ、フックなどの部材である。
本発明では、成形型の成形面の少なくとも一部が焼結合金から構成される型や、成形面の少なくとも一部に孔が設けられた型等、成形面から真空吸引可能な型を用いる。成形型に設けられる孔の数や位置、孔径は特に限定されるものではないが、凹部周辺に真空吸引孔が設けられていることが好ましい。
成形型の材質は特に限定されるものではないが、通常寸法安定性、耐久性などの観点から金属製であり、コストや軽量性などの面からアルミ製やステンレス製であることが好ましい。また成形型は、ヒーターや熱媒などにより温度調整可能な構造であることが好ましい。成形型は、熱可塑性樹脂成形品の製造時にはその成形面を30〜80℃とすることが好ましく、50〜60℃とすることがさらに好ましい。
以下、本発明の熱可塑性樹脂成形品の製造方法を図1に基づき説明する。
工程(1)では、機能性部材を賦形するための凹部が形成された真空吸引可能な成形型の成形面に、予め所定形状に賦形された熱可塑性樹脂発泡シートを接触させる。図1−(1)は、熱可塑性樹脂発泡シートを成形型の成形面に接触させた状態を示している。
続く工程(2)では、成形型から真空吸引を開始し、前記凹部が密閉状態となるように熱可塑性樹脂発泡シートを成形型に密着させる。図1−(2)は、熱可塑性樹脂発泡シートが成形型に密着して成形型凹部が密閉された状態を示すものである。真空吸引の程度は特に限定されるものではないが、成形型と発泡シートとの間の真空度が-0.05〜-0.1MPaとなるように真空吸引することが好ましい。真空度とは、大気圧に対する成形型と発泡シートとの間の圧である。すなわち「真空度が−0.05MPa」とは、大気圧に対する成形型と発泡シートとの間の圧力が0.95MPaであることを示す。大気圧に対する成形型と発泡シートとの間の圧の真空度とは、成形型内の真空吸引用通路において測定される。
工程(3)では、工程(2)において成形型から真空吸引を開始した後に、前記凹部に通ずるように成形型内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状熱可塑性樹脂を該凹部に供給し、該溶融状熱可塑性樹脂と熱可塑性樹脂発泡シートとを融着一体化する。図1−(3)は、熱可塑性樹脂発泡シートを成形型に密着させた状態を維持したまま、前記成形型凹部に通ずるように成形型内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状熱可塑性樹脂を該凹部に供給し、該溶融状熱可塑性樹脂と前記熱可塑性樹脂発泡シートとを融着一体化した状態を示している。また工程(2)において成形型から真空吸引を開始すると同時に、成形型凹部に溶融状熱可塑性樹脂を供給してもよい。成形型凹部が密閉状態となるように発泡シートを成形型に密着させて前記凹部へ溶融状熱可塑性樹脂を供給することにより、前記発泡シートが複雑な形状に賦形されており成形型と密着しにくい場合でも、凹部から樹脂漏れすることなく溶融状熱可塑性樹脂と発泡シートとを融着一体化することができる。
溶融状熱可塑性樹脂の供給を停止すると同時または停止した後に真空吸引を停止して、成形品を取り出す。図1−(4)は、成形品を成形型から取り出した状態を示している。
本発明では、プレス成形、真空成形、圧空成形、真空圧空成形等の公知の方法で予め所定形状に賦形された熱可塑性樹脂発泡シートを用いる。使用する熱可塑性樹脂発泡シートは特に限定されるものではなく、通常発泡倍率2〜10倍、厚さ1〜10mm程度の発泡シートが用いられる。
熱可塑性樹脂発泡シートを構成する樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン等の炭素数が2〜6のオレフィンホモポリマーや、炭素数が2〜10のオレフィンから選択される2種類以上のモノマーを共重合して得られるオレフィン共重合体などのオレフィン系樹脂、エチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エステル系樹脂、アミド系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、アイオノマー樹脂などがあげられる。これらの樹脂は単独で使用してもよく、複数の樹脂を併用してもよい。成形性、耐油性、コストなどの観点からオレフィン系樹脂が好ましく用いられ、得られる成形品の剛性、耐熱性などの観点からプロピレン系樹脂が特に好ましく用いられる。
プロピレン系樹脂としては、プロピレンホモポリマーや、プロピレン由来のモノマー単位を50モル%以上含むプロピレン系共重合体をあげることができる。共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体のいずれでもよい。好ましく用いられるプロピレン系共重合体の例としては、エチレンまたは炭素数4〜10のα−オレフィンとプロピレンとの共重合体を挙げることができる。炭素数4〜10のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、4−メチルペンテン−1、1−ヘキセンおよび1−オクテンが挙げられる。プロピレン系共重合体中のプロピレン以外のモノマー単位の含有量は、エチレンについては15モル%以下、炭素数4〜10のα−オレフィンについては30モル%以下であることが好ましい。プロピレン系樹脂は1種類でもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
長鎖分岐プロピレン系樹脂や重量平均分子量が1×105以上の高分子量プロピレン系樹脂を、発泡層を構成する熱可塑性樹脂の50重量%以上用いることにより、微細な気泡を有するプロピレン系樹脂発泡シートを得ることができる。さらにこのようなプロピレン系樹脂の中でも、シートリサイクル時にゲルを生じにくいことから非架橋のプロピレン系樹脂が好ましく使用される。
ここで長鎖分岐プロピレン系樹脂とは、分岐度指数[A]が0.20≦[A]≦0.98を満たすプロピレン系樹脂を指す。
分岐度指数[A]が0.20≦[A]≦0.98を満たす長鎖分岐プロピレン系樹脂の例としては、バゼル社製のプロピレンPF−814が挙げられる。
分岐度指数とは、重合体における長鎖分岐の程度を示すものであり、下記の式において定義される数値である。
分岐度指数 [A] =〔η〕Br/〔η〕Lin
ここで〔η〕Brは、長鎖分岐を有するプロピレン系樹脂の固有粘度であり、〔η〕Linは、該長鎖分岐を有するプロピレン系樹脂と同じモノマー単位および同じ重量平均分子量を有する、直鎖プロピレン系樹脂の固有粘度である。
固有粘度は極限粘度数とも呼ばれ、重合体の溶液粘度を増強する能力の尺度である。固有粘度は特にポリマー分子の分子量と、分岐度に依存する。したがって、長鎖分岐を有するポリマーの固有粘度と、該長鎖分岐を有するポリマーと同じ重量平均分子量の直鎖ポリマーの固有粘度とを比較することにより、該長鎖分岐を有するポリマーの分岐度の尺度とすることができる。プロピレン系樹脂の固有粘度の測定方法は、エリオット等[J.Appl.Polym.Sci.,14,2947−2963(1970)]により開示されているような従来知られている方法により測定することができ、例えば、プロピレン系樹脂をテトラリン又はオルトジクロロベンゼンに溶解し、135℃で固有粘度を測定することが可能である。
プロピレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、通常用いられる種々の方法で測定できるが、M.L.McConnelによって、American Laboratory,May,63−75(1978)に発表されている方法、即ち、低角度レーザー光散乱強度測定法が特に好ましく用いられる。
重量平均分子量が1×105以上の高分子量プロピレン系樹脂を重合する方法の例としては、特開平11−228629号公報に記載されたように、まず高分子量成分を重合した後に続いて低分子量成分を重合する方法などがあげられる。
長鎖分岐プロピレン系樹脂または高分子量プロピレン系樹脂の中でも、融点+30℃付近において下記の条件で測定した一軸溶融伸張粘度比η5/η0.1が5以上であるプロピレン系樹脂が好ましく、より好ましくは10以上の樹脂である。一軸溶融伸張粘度比とは、伸張ひずみ速度1sec-1で、一軸伸張粘度測定装置(例としてレオメトリックス社製一軸伸張粘度測定装置などがあげられる)などの装置を用いて測定される値であり、歪み開始から0.1秒後の一軸溶融伸長粘度をη0.1とし、5秒後の一軸溶融伸張粘度をη5とする。このような一軸伸張粘度特性を有するプロピレン系樹脂を使用することによって、より微細な気泡を有する発泡シートを製造することができる。
発泡シートを形成するために使用される発泡剤は、いわゆる化学発泡剤および物理発泡剤のいずれでもよく、これらを併用してもよい。上記化学発泡剤としては、例えば分解されて窒素ガスを発生する熱分解型発泡剤(アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p−トルエンスルホニルヒドラジド、p,p’−オキシ−ビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)など)、分解されて炭酸ガスを発生する熱分解型無機発泡剤(炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムなど)など公知の熱分解型発泡性化合物が挙げられる。物理発泡剤としては、具体的にはプロパン、ブタン、水、炭酸ガス等があげられる。上記例示の発泡剤のうち、シートが真空成形時の加熱において2次発泡による変形を生じにくいことや、高温条件や、火に対して不活性な物質であることから、水や炭酸ガス等が好適に用いられる。発泡剤の使用量は所望の発泡倍率が得られるように、用いる発泡剤や樹脂の種類に応じて適宜選択されるものであり、通常熱可塑性樹脂100重量に対して発泡剤0.5〜20重量部である。
所定形状に賦形する際に用いる熱可塑性樹脂発泡シートの製造方法は特に限定するものではないが、フラットダイ(Tダイ)やサーキュラーダイを用いた押出成形により得られたシートが好ましく、サーキュラーダイから溶融した樹脂を発泡させながら押出し、マンドレル等に沿わせて延伸、冷却を行なう方法が特に好ましく用いられる。発泡シートを押出成形により製造する場合には、溶融した樹脂をダイから押出し冷却固化させた後に延伸を行なうこともできる。発泡シートは単層であっても多層であってもよいが、シート製造時の破泡を防止する観点から、非発泡層を両外層に有する多層構成の発泡シートが好ましい。非発泡層を構成する樹脂は、発泡層を構成する樹脂の例として前記したものを使用することができるが、発泡層を構成する樹脂と同種類のものであるものが好ましく、例えば発泡層がプロピレン系樹脂である場合、非発泡層もプロピレン系樹脂で構成されることが好ましい。
本発明で用いる所定形状に賦形された熱可塑性樹脂発泡シートは、単層または多層の発泡シートとその他の材料とを貼合した複合シートであってもよい。このような複合シートは、発泡シートと他の材料とをドライラミネーション、サンドラミネーション、熱ロール貼合、熱風貼合などにより貼り合わせた後所定形状に賦形することにより得られる。
発泡シートと積層する他の材料としては、装飾、補強、保護などの作用をするものが挙げられ、織布、不織布、シート、フィルム、発泡体、網状物などが挙げられる。これらの材料はオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂などの熱可塑性樹脂、ポリブタジエン、エチレン−プロピレン共重合体などのゴムや熱可塑性エラストマー、綿、麻、竹などのセルロース系繊維などが挙げられる。これらの材料にはシボなどの凹凸模様、印刷や染色が施されていてもよく、単層構成であっても多層構成であってもよい。
本発明で用いる熱可塑性樹脂発泡シートは、添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、充填剤(フィラー)、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、着色剤、剥離剤、流動性付与剤、滑剤などがあげられる。上記充填剤の例としては、具体的にはガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維、タルク、クレー、シリカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム等の無機粒子等があげられる。
本発明により得られる熱可塑性樹脂成形品は、食品容器などの包装材料や、自動車内装部品、建築材料、家電製品などに使用することができる。自動車内装部品の例としてはドアトリム、天井、トランクサイドなどが挙げることができる。例えば機能性部材としてリブが融着されてなる熱可塑性樹脂成形品を自動車内装部品として用いると、強度に優れたものとなり、機能性部材としてボスやフックが融着されてなる熱可塑性樹脂成形品を用いた場合には、他の自動車構成材料と容易に接続することができる。
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明は実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
発泡倍率3倍、厚み3mmのポリプロピレン発泡シート(住友プラステック製 商品名スミセラー発泡PPシート)を用いて、ドアトリム形状に賦形可能な雌金型とプラグにより前記発泡シートをドアトリム形状に賦形した。得られたドアトリム形状に賦形されたポリプロピレン発泡シート(1)を用いて、図1に示す方法で熱可塑性樹脂成形品の製造を行った。なお以下で用いた成形型(3)は、その成形面が、前記発泡シート(1)を賦形する際に用いた雌金型成形面と同じ形状であり、ドアトリム裏面を形成可能な成形面であって、該成形面に真空吸引孔と、機能性部材として幅2.5mm、高さ10mmのリブを形成するための凹部(5)を有しており、成形型内部には、前記凹部に通ずるように溶融状熱可塑性樹脂を供給可能な樹脂通路(4)が設けられた型である。成形型(3)は60℃に温度調整して用いた。
ドアトリム形状に賦形された発泡シート(1)を、押出機を備えた真空成形機(佐藤鉄工製VAIM0301)のクランプ枠(2)で固定した状態で、前記発泡シート(1)のドアトリム裏面に成形型(3)を接触させた。成形型(3)より真空吸引を行い、該成形型(3)の凹部が密閉状態となるように発泡シート(1)を密着させ、成形型と発泡シートとの間の真空度を−0.09MPaとした。真空吸引開始から5秒後に、成形型(3)内の樹脂通路(4)を通じて240℃の溶融状熱可塑性樹脂(住友化学製ポリプロピレン、ノーブレンAX568、MI=65g/min)を成形型凹部に15秒間供給し、前記凹部を溶融状熱可塑性樹脂で充填した。溶融状熱可塑性樹脂の供給終了から5秒後に真空吸引を停止し、冷却ファンより送風を行い成形品を冷却した後、成形品を取り出した。不要な端部を切断し、図3に示すようなリブを有するドアトリムを得た。得られたリブを有するドアトリムは、リブ融着部に樹脂漏れがなく、外観良好であった。
[比較例1]
実施例1と同じ発泡シートや熱可塑性樹脂、成形型を使用し、成形型より真空吸引することなくリブを有するドアトリムを製造した。概略を図2に示した。
予めドアトリム形状に賦形したポリプロピレン発泡シート(1)を真空成形機のクランプ枠(2)で固定した状態で、ドアトリム裏側に成形型(3)を接触させた。成形型(3)内の樹脂通路(4)を通じて240℃の溶融状熱可塑性樹脂を15秒間供給し、前記凹部を溶融状熱可塑性樹脂で充填した。冷却ファンより送風を行い成形品を冷却した後、成形品を取り出した。不要な端部を切断し、リブ(6)を有するドアトリム(7)を得た。得られたリブを有するドアトリムは、リブ融着部に樹脂漏れが見られた。
本発明の熱可塑性樹脂成形品の製造方法の概略図 従来の熱可塑性樹脂成形品の製造方法の概略図 (a)リブを有するドアトリムの平面図(裏面)(b)(a)のA−A’断面図
符号の説明
1 所定形状に賦形された熱可塑性樹脂発泡シート
2 クランプ枠
3 成形型
4 樹脂通路
5 凹部
6 機能性部材(リブ)
7 熱可塑性樹脂成形品(ドアトリム)

Claims (1)

  1. 所定形状に賦形された熱可塑性樹脂発泡シートに、部分的に熱可塑性樹脂製の機能性部材が融着されてなる熱可塑性樹脂成形品の製造方法であって、下記の工程を含むことを特徴とする方法。
    (1)前記機能性部材を賦形するための凹部が形成された真空吸引可能な成形型の成形面に、予め所定形状に賦形された熱可塑性樹脂発泡シートを接触させる工程
    (2)成形型から真空吸引を開始し、前記凹部が密閉状態となるように熱可塑性樹脂発泡シートを成形型に密着させる工程
    (3)工程(2)において成形型から真空吸引を開始すると同時、または真空吸引を開始した後に、前記凹部に通ずるように成形型内に設けられた樹脂通路を通じて溶融状熱可塑性樹脂を該凹部に供給し、該溶融状熱可塑性樹脂と前記熱可塑性樹脂発泡シートとを融着一体化する工程
    (4)溶融状熱可塑性樹脂の供給を停止すると同時または停止した後に、真空吸引を停止し、成形品を取り出す工程
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