JP2006202787A - 熱回路基板およびその製造方法 - Google Patents

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輝 松浦
Yasumasa Nagao
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Abstract

【課題】 流路の狭窄または閉塞が発生することなしにより安定した排熱特性が得られる、流路の寸法精度に優れた熱回路基板、およびその製造方法の提供。
【解決手段】 第1の熱伝導体箔上に、その表面まで貫通する第1の溝を有する第1の硬化ポリイミド層を形成する工程と;第2の熱伝導体箔上に、その表面まで貫通する第2の溝を有する、第2の硬化ポリイミド層およびプレキュアポリイミド層の積層体を形成する工程と;第1および第2の熱伝導体箔を、第1の硬化ポリイミド層およびプレキュアポリイミド層が対向する状態で、第1および第2の溝の位置を合わせて貼り合わせて、貼り合わせ体を形成する工程と;貼り合わせ体を加熱して、第1および第2の硬化ポリイミド層およびプレキュアポリイミド層を一体化して硬化ポリイミド層を形成し、熱回路基板を得る工程とを含むことを特徴とする熱回路基板の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子部品が実装された実装基板の温度を適切に保持するための熱回路基板およびその製造方法に関する。
電子部品を実装した実装基板の温度を適切に保持するための排熱手段として、多数のフィンを有する金属製の放熱部品、あるいはヒートパイプなどを設けることが従来から行われてきている。しかしながら、これらの放熱部品およびヒートパイプなどは、排熱手段の大型化あるいは排熱効率の低下を招くものであった。
これに対して、発熱性電子部品に接触するコールドプレート内に冷媒を流すことによって該電子部品を冷却することが提案されている(特許文献1参照)。その具体的構造として熱伝導体箔をハーフエッチングして溝を形成した溝基板を製造し、2つの溝基板を接着剤を用いて接着して、それらの溝を冷媒の流路として用いる熱回路基板が提案されている(特許文献2、3参照)。
実開昭61−12288号公報 特開2001−237503号公報 特開平2−110959号公報
しかしながら、熱伝導体箔のハーフエッチングにより得られる溝は、エッチングを途中で停止させるという工程上の理由から、得られる溝の寸法精度が低いという問題点を有する。熱回路基板中に、溝の寸法精度の低下による流路の狭窄が起こると、その部分の流路抵抗が増大し、より大容量の冷媒循環ポンプが必要になるとともに、熱回路基板による均一な冷却(排熱)が阻害される恐れがある。
したがって、より安定した排熱特性が得られる流路(溝)の寸法精度に優れた熱回路基板、およびその製造方法が求められているのが現状である。
本発明の第1の実施形態の熱回路基板は、第1および第2の熱伝導体箔と、前記第1および第2の熱伝導体箔に挟持される硬化ポリイミド層とを有し、前記硬化ポリイミド層中に前記第1および第2の熱伝導体箔の少なくとも一方に直接接触する流路が設けられていることを特徴とする。ここで、前記流路は、前記第1および第2の熱伝導体箔に直接接触していていてもよい。本発明の第1の実施形態の熱回路基板は、第1の熱伝導体箔上に、前記第1の熱伝導体箔表面まで貫通する第1の溝を有する第1の硬化ポリイミド層を形成する工程と;第2の熱伝導体箔上に、前記第1の溝の位置に対応し、前記第2の熱伝導体箔表面まで貫通する第2の溝を有する、第2の硬化ポリイミド層およびプレキュアポリイミド層の積層体を形成する工程と;前記第1および第2の熱伝導体箔を、第1の硬化ポリイミド層およびプレキュアポリイミド層が対向する状態で、第1および第2の溝の位置を合わせて貼り合わせて、貼り合わせ体を形成する工程と;前記貼り合わせ体を、前記プレキュアポリイミド層のプレキュア温度よりも高い温度まで加熱して、前記第1および第2の硬化ポリイミド層およびプレキュアポリイミド層を一体化して硬化ポリイミド層を形成し、熱回路基板を得る工程とを含むことを特徴とする方法により製造することができる。ここで、前記第1および第2の硬化ポリイミド層および前記プレキュアポリイミド層は、同一種のポリイミド材料から形成されていることが望ましい。
本発明の第2の実施形態の熱回路基板は、第1および第2の熱伝導体箔と、前記第1および第2の熱伝導体箔に挟持される硬化ポリイミド層とを有し、前記硬化ポリイミド層中に前記第1の熱伝導体箔に直接接触する流路が設けられており、前記硬化ポリイミド層と前記第2の熱伝導体箔との間に、硬化ポリイミド薄層をさらに有することを特徴とする。本発明の第2の実施形態の熱回路基板は、第1の熱伝導体箔上に、前記第1の熱伝導体箔表面まで貫通する溝を有する硬化ポリイミド層を形成する工程と;第2の熱伝導体箔上に、プレキュアポリイミド層を形成する工程と;前記第1および第2の熱伝導体箔を、第1の硬化ポリイミド層およびプレキュアポリイミド層が対向する状態で貼り合わせて、貼り合わせ体を形成する工程と;前記貼り合わせ体を、前記プレキュアポリイミド層のプレキュア温度よりも高い温度まで加熱して、前記硬化ポリイミド層およびプレキュアポリイミド層を一体化して硬化ポリイミド層を形成し、熱回路基板を得る工程とを含むことを特徴とする方法により製造することができる。ここで、前記硬化ポリイミド層および前記プレキュアポリイミド層は、同一種のポリイミド材料から形成されていることが望ましい。
以上のような構成を採ることによって、本実施形態の熱回路基板における冷媒の流路の高さおよび幅は、それぞれ、硬化ポリイミド層を形成するために塗布されるポリイミド材料の膜厚および硬化ポリイミド層のエッチング幅によって決定される。該膜厚およびエッチング幅は当該技術において知られている任意の方法によって容易に、かつ高精度に制御することができる。したがって、本実施形態の熱回路基板の冷媒の流路の寸法は、熱伝導体箔のハーフエッチングによる溝形成と比較して、より高精度で制御することができ、流路の狭窄による大容量の冷媒循環ポンプの必要性、および均一な冷却の阻害などを排除することが可能となる。
さらに、硬化ポリイミド層とプレキュアポリイミド層とを同一種のポリイミド材料から形成することによって、熱回路基板中に均一の組成および特性を有する硬化ポリイミド層を与えることができる。このことは、熱回路基板の一体性、電気的特性、耐熱性、耐久性を向上させる上で重要である。
本発明の第1の実施形態の熱回路基板は、第1および第2の熱伝導体箔と、前記第1および第2の熱伝導体箔に挟持され、その中に1および第2の熱伝導体箔の少なくとも一方に直接接触する流路が設けられている硬化ポリイミド層とを有する。
第1および第2の熱伝導体箔は、高い熱伝導率を有する任意の材料を用いることができる。用いることができる材料は、銅、アルミニウム、マグネシウムのような金属、それら金属を含む合金、またはそれら金属の粉末を含むセラミック材料を含む。
硬化ポリイミド層は、熱伝導体箔に対して良好な接着性を有し、熱硬化を行うことができるポリイミド材料(ポリアミドイミドを含む)を用いて形成することができる。用いることができるポリイミド材料は、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ株式会社製のDurimide 10Aなどを含む。本発明においては、市販のいわゆるポリイミド系接着剤は使用しない。市販のポリイミド系接着剤は、一般的に有機溶媒中のポリアミド酸の溶液または分散液であり、それらを硬化させて形成したポリイミドは、残存するポリアミド酸または硬化時の副生成物の影響などによって耐熱性および/または耐久性が不足する恐れがあるからである。
図1を参照して、本発明の第1の実施形態の熱回路基板の製造方法を説明する。図1(a)は、第1の熱伝導体箔10a上に、ポリイミド材料を塗布および硬化させた溝未形成硬化ポリイミド層20aを設けた状態を示す断面図である。ポリイミド材料の塗布は、ポリイミドの溶液または分散液を、スピンコート、ディップコート、ロールコート、ナイフコート、スプレーコート、スクリーン印刷などの当該技術において知られている任意の方法を用いることができる。塗布されたポリイミド材料は、プレキュア温度より高い温度、好ましくは250℃超350℃以下に加熱することによって硬化し、溝未形成硬化ポリイミド層20aを与える。
次に、溝未形成硬化ポリイミド層20aをエッチングして、第1の熱伝導体箔10a表面まで貫通する溝を形成し、図1(b)に示すような第1の溝が形成された第1硬化ポリイミド層25aを得る。当該技術において知られているようにフォトリソグラフ法などを用いて溝未形成硬化ポリイミド層20a表面上にレジストマスクを形成して、エッチングを行うことが好適である。本工程におけるエッチングは、プラズマエッチング、反応性イオンエッチング、化学エッチング(アルカリ水溶液などを用いることができる)などの手法を用いて行うことができる。なお、溝未形成硬化ポリイミド層20aの膜厚が薄い場合には、走査レーザービームを用いるレーザーアブレーションによって溝を形成してもよい。あるいはまた、溝未形成硬化ポリイミド層20aの膜厚が薄い場合には、均一な塗布の後にパターニングする方法に代えて、スクリーン印刷法を用いて所望のパターンにてポリイミド材料を付着してもよい。
一方、図1(c)に示すように、第2の熱伝導体箔10b上に、ポリイミド材料を塗布および硬化させた溝未形成硬化ポリイミド層20b、およびポリイミド材料を塗布およびプレキュアさせたプレキュアポリイミド層30の積層体を形成する。溝未形成硬化ポリイミド層20bおよびプレキュアポリイミド層30の形成におけるポリイミド材料の塗布は、ポリイミドの溶液または分散液を、スピンコート、ディップコート、ロールコート、ナイフコート、スプレーコート、スクリーン印刷などの当該技術において知られている任意の方法を用いることができる。最初に溝未形成硬化ポリイミド層20bを形成するために塗布されたポリイミド材料を、プレキュア温度より高い温度、好ましくは250℃超350℃以下に加熱することによって硬化させ、溝未形成硬化ポリイミド層20aを得る。次に、硬化後の溝未形成硬化ポリイミド層20bに対してプレキュアポリイミド層30用のポリアミド材料を塗布し、プレキュア温度、好ましくは100〜250℃の温度に加熱することによって、プレキュアポリイミド層30を得る。溝未形成硬化ポリイミド層20aおよび20bとプレキュアポリイミド層30との差異は、溝未形成硬化ポリイミド層20aおよび20bが完全に硬化しているのに対して、プレキュアポリイミド層は未だ完全には硬化していない点である。
次に、図1(d)に示すように、溝未形成硬化ポリイミド層20bおよびプレキュアポリイミド層30の積層体をエッチングして、第2の熱伝導体箔10b表面まで貫通する第2の溝が形成された第2硬化ポリイミド層25bおよびプレキュアポリイミド層35の積層体を形成する。エッチング方法としては、第1硬化ポリイミド層25aの作製に用いられるものと同様の方法を用いることができる。
次に、図1(e)に示すように、図1(b)に示した第1の熱伝導体箔10aと、図1(d)に示した第2の熱伝導体箔10bとを、第1硬化ポリイミド層25aとプレキュアポリイミド層35とを対向させた状態で、第1の溝と第2の溝との位置を合わせて貼り合わせる。本工程によって第1の溝および第2の溝が一緒になって、熱回路基板の流路が形成される。
最後に、図1(e)に示した貼り合わせ体を、プレキュア温度より高い温度、好ましくは250℃超350℃以下に加熱することによって、プレキュアポリイミド層35を硬化させる。この硬化によって、第1および第2の硬化ポリイミド層25aおよび25bと、プレキュアポリイミド層35とが一体化して硬化ポリイミド層40となり、図1(f)に示すような本発明の第1の実施形態の熱回路基板が得られる。
以上の方法で得られる本発明の第1の実施形態の熱回路基板においては、第1および第2の溝によって形成される冷媒の流路が第1および第2の熱伝導体箔10aおよび10bに直接接触しているので、熱回路基板の両表面に接触する発熱性の電子部品の冷却を行うことが可能である。なお、冷媒の流路の上面形状は、蛇行状などの熱回路基板全体の均一な冷却を可能にする任意の形状を有しても良い。
第1の実施形態の熱回路基板において、第1および第2の硬化ポリイミド層と、プレキュアポリイミド層とを同一種のポリイミド材料から形成することが望ましい。それらの層を同一種のポリイミド材料から形成することによって、貼り合わせ体の加熱によるプレキュアポリイミド層の硬化の結果、第1の熱伝導体箔から第2の熱伝導体箔までの間に、均一の組成および特性を有する硬化ポリイミド層を与えることができる。このことは、熱回路基板の一体性、電気的特性、耐熱性、耐久性を向上させる上で重要である。
本発明の熱回路基板において、冷媒の流路の高さは、第1および第2の硬化ポリイミド層を形成するために塗布されるポリイミド材料の膜厚によって決定される。該膜厚は当該技術において知られている任意の方法によって容易に、かつ高精度に制御することができる。また、冷媒の流路の幅は、第1および第2の硬化ポリイミド層のエッチング幅によって決定される。エッチング幅についても当該技術において知られている任意の方法によって容易に、かつ高精度で制御することができる。したがって、本発明の熱回路基板の冷媒の流路の寸法は、熱伝導体箔のハーフエッチングによる溝形成と比較して、より高精度で制御することができ、流路の狭窄による大容量の冷媒循環ポンプの必要性、および均一な冷却の阻害などを排除することが可能となる。また、熱伝導体箔のハーフエッチングで流路を形成する場合、精度を保つために高さに上限(約100μmまで)が存在するが、本発明の熱回路基板の製造方法においては、形成する流路の高さに制限はなく、20μm以下の高さを有するマイクロチャネルから200μm以上の高さを有する大断面流路まで形成することができる。
さらに、本発明の熱回路基板は、熱伝導体箔に対する良好な接着性を有するポリイミド材料を用いることによって、いわゆるポリイミド系接着剤を使用することなしに製造することができる。ポリイミド系接着剤の使用の排除は、熱回路基板の耐熱性および耐久性を向上させる上で重要である。
本発明の第2の実施形態の熱回路基板は、第1および第2の熱伝導体箔と、前記第1および第2の熱伝導体箔に挟持される硬化ポリイミド層とを有し、前記硬化ポリイミド層中に前記第1の熱伝導体箔に直接接触するが、前記第二の熱伝導体箔とは直接接触しない流路が設けられていることを特徴とする。第1および第2の熱伝導体箔、および硬化ポリイミド層を作製するのに用いられる材料は、第1の実施形態の熱回路基板と同様である。
図2を参照して、本発明の第2の実施形態の熱回路基板の製造方法を説明する。図2(a)に示した第1の熱伝導体箔10aおよびその上に設けられた硬化ポリイミド層25aは、図1(b)に示したものと同等の構造を有し、第1の実施形態において説明した方法で形成することができる。
次に、図2(b)に示すように、第2の熱伝導体箔10bの上に、ポリイミド材料を塗布およびプレキュアさせたプレキュアポリイミド層30を形成する。プレキュアポリイミド層30の形成におけるポリイミド材料の塗布は、ポリイミドの溶液または分散液を、スピンコート、ディップコート、ロールコート、ナイフコート、スプレーコート、スクリーン印刷などの当該技術において知られている任意の方法を用いることができる。塗布終了後、プレキュア温度、好ましくは100〜250℃の温度に加熱することによって、プレキュアポリイミド層30を得る。本実施形態のプレキュアポリイミド層30は、硬化ポリイミド層25aとの接着を行うための層であり、エッチングされることなく平坦な上表面を有する。
次に、図2(c)に示すように、図1(a)に示した第1の熱伝導体箔10aと、図2(b)に示した第2の熱伝導体箔10bとを、硬化ポリイミド層25aとプレキュアポリイミド層30とを対向させた状態で、貼り合わせる。本実施形態においては、硬化ポリイミド層25aをエッチングして得られた溝が、熱回路基板の流路となる。
最後に、図2(c)に示した貼り合わせ体を、プレキュア温度より高い温度、好ましくは250℃超350℃以下に加熱することによって、プレキュアポリイミド層35を硬化させる。この硬化によって、硬化ポリイミド層25aと、プレキュアポリイミド層30とが一体化して硬化ポリイミド層45となり、図2(d)に示すような本発明の第2の実施形態の熱回路基板が得られる。
本実施形態の熱回路基板は、第1の熱伝導体箔のみが流路と直接接触する構造を有するため、第1の熱伝導体箔10a側の面に発熱性の電子部品を接触させて、該部品の冷却を行うのに有利な構造である。しかしながら、流路と第2の熱伝導体箔との間の硬化ポリイミド層45を充分に薄くすることによって、第2の熱伝導体箔の側に接触する電子部品の冷却に用いることも可能である。
第1の実施形態と同様に、本実施形態の熱回路基板においても、硬化ポリイミド層とプレキュアポリイミド層とを同一種のポリイミド材料から形成することが望ましい。それらの層を同一種のポリイミド材料から形成することによって、貼り合わせ体の加熱によるプレキュアポリイミド層の硬化の結果、第1の熱伝導体箔から第2の熱伝導体箔までの間に、均一の組成および特性を有する硬化ポリイミド層を与えることができる。このことは、熱回路基板の一体性、電気的特性、耐熱性、耐久性を向上させる上で重要である。
本実施形態の熱回路基板において、冷媒の流路の高さおよび幅は、それぞれ、硬化ポリイミド層を形成するために塗布されるポリイミド材料の膜厚および硬化ポリイミド層のエッチング幅によって決定される。該膜厚およびエッチング幅は当該技術において知られている任意の方法によって容易に、かつ高精度に制御することができる。したがって、本実施形態の熱回路基板の冷媒の流路の寸法は、熱伝導体箔のハーフエッチングによる溝形成と比較して、より高精度で制御することができ、流路の狭窄による大容量の冷媒循環ポンプの必要性、および均一な冷却の阻害などを排除することが可能となる。また、第1の実施形態と同様に、本実施形態の熱回路基板の製造方法においては、形成する流路の高さに制限はなく、20μm以下の高さを有するマイクロチャネルから200μm以上の高さを有する大断面流路まで形成することができる。
本発明の第2の実施形態の熱回路基板についても、熱伝導体箔に対する良好な接着性を有するポリイミド材料を用いることによって、いわゆるポリイミド系接着剤を使用することなしに製造することができる。ポリイミド系接着剤の使用の排除は、熱回路基板の耐熱性および耐久性を向上させる上で重要である。
(実施例1)
本実施例は、図1に示した本発明の第1の実施形態の熱回路基板の製造を例示する。
厚さ18μmの銅箔(250×250mm)上に、ポリイミド材料Durimide 10A(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ株式会社製)の65%N−メチルピロリドン(NMP)溶液を印刷法を用いて塗布し、350℃に加熱して硬化させて、溝未形成硬化ポリイミド層を形成した。溝未形成硬化ポリイミド層の膜厚は25μmであった。
次に、溝未形成硬化ポリイミド層の上にレジスト材料(旭化成製AQ2075)を塗布し、パターン露光および現像を行って幅100μmの開口部を有するレジスト層を形成した。レジスト層をマスクとして用いて、化学エッチングを行って、溝未形成硬化ポリイミド層に幅100μmの第1の溝を形成して、第1の硬化ポリイミド層を得た。次いで、レジスト層を除去した。
別の厚さ18μmの銅箔(250×250mm)上に、ポリイミド材料Durimide 10Aの65%NMP溶液を印刷法を用いて塗布し、350℃に加熱して硬化させて、溝未形成硬化ポリイミド層を形成した。溝未形成硬化ポリイミド層の膜厚は25μmであった。次いで、溝未形成硬化ポリイミド層の上に、再度ポリイミド材料Durimide 10Aの65%NMP溶液を塗布し、250℃に加熱してプレキュアさせて、プレキュアポリイミド層を形成した。プレキュアポリイミド層の膜厚は8μmであった。
次に、プレキュアポリイミド層の上にレジスト材料(AQ2075)を塗布し、パターン露光および現像を行って幅100μmの開口部を有するレジスト層を形成した。レジスト層をマスクとして用いて、化学エッチングを行って、溝未形成硬化ポリイミド層およびプレキュアポリイミド層の積層体に幅100μmの第2の溝を形成して、第1の硬化ポリイミド層とプレキュアポリイミド層の積層体を得た。次いで、レジスト層を除去した。
上記で得られた2つの銅箔を、第1の硬化ポリイミド層とプレキュアイミド層を対向させ、第1および第2の溝の位置合わせを行いながら貼り合わせて、貼り合わせ体を得た。最後に、貼り合わせ体を350℃に加熱して、第1および第2の硬化ポリイミド層およびプレキュアポリイミド層を一体化して、その中に流路(高さ58μm、幅100μm)が形成された硬化ポリイミド層を形成し、熱回路基板を得た。
得られた熱回路基板は、銅箔と硬化ポリイミド層との剥離などは発生せず、良好な一体性を示した。また、その中に形成された流路は、熱回路基板全体にわたって均一な寸法を有し、均一な冷却分布を有した。
(実施例2)
本実施例は、図2に示した本発明の第2の実施形態の熱回路基板の製造を例示する。
厚さ18μmの銅箔(250×250mm)上に、ポリイミド材料Durimide 10Aの65%NMP溶液をスピンコート法を用いて塗布し、350℃に加熱して硬化させて、溝未形成硬化ポリイミド層を形成した。溝未形成硬化ポリイミド層の膜厚は25μmであった。
次に、溝未形成硬化ポリイミド層の上にレジスト材料(AQ2075)を塗布し、パターン露光および現像を行って幅100μmの開口部を有するレジスト層を形成した。レジスト層をマスクとして用いて、化学エッチングを行って、溝未形成硬化ポリイミド層に幅100μmの溝を形成して、硬化ポリイミド層を得た。次いで、レジスト層を除去した。
別の厚さ18μmの銅箔(250×250mm)上に、ポリイミド材料Durimide 10Aの65%NMP溶液をスピンコート法を用いて塗布し、250℃に加熱してプレキュアさせて、プレキュアポリイミド層を形成した。プレキュアポリイミド層の膜厚は25μmであった。
上記で得られた2つの銅箔を、第1の硬化ポリイミド層とプレキュアイミド層を対向させて貼り合わせて、貼り合わせ体を得た。最後に、貼り合わせ体を350℃に加熱して、硬化ポリイミド層およびプレキュアポリイミド層を一体化して、その中に流路(高さ50μm、幅100μm)が形成された硬化ポリイミド層を形成し、熱回路基板を得た。
得られた熱回路基板は、銅箔と硬化ポリイミド層との剥離などは発生せず、良好な一体性を示した。また、その中に形成された流路は、熱回路基板全体にわたって均一な寸法を有し、均一な冷却分布を有した。
(比較例1)
2枚の厚さ18μmの銅箔(250×250mm)上に、幅100μmの溝を与えるレジストマスクを形成し、化学エッチングを行って、深さ25μmの溝を形成した。それら2つの銅箔を、溝形成面を対向させて一体的に固着させて、熱回路基板を得た。
得られた熱回路基板中には、幅100μm、高さ50μmの流路が形成されたが、冷却分布に不均一性が見られた。
本発明の第1の実施形態の熱回路基板の製造方法を示す図であり、(a)〜(f)は、各工程をしめす断面図である。 本発明の第2の実施形態の熱回路基板の製造方法を示す図であり、(a)〜(d)は、各工程をしめす断面図である。
符号の説明
10(a,b) (第1、第2)熱伝導体箔
20(a,b) (第1、第2)溝未形成硬化ポリイミド層
25(a,b) (第1、第2)硬化ポリイミド層
30 プレキュアポリイミド層
35 プレキュアポリイミド層
40、45 硬化ポリイミド層

Claims (7)

  1. 第1および第2の熱伝導体箔と、前記第1および第2の熱伝導体箔に挟持される硬化ポリイミド層とを有し、前記硬化ポリイミド層中に前記第1および第2の熱伝導体箔の少なくとも一方に直接接触する流路が設けられていることを特徴とする熱回路基板。
  2. 前記流路は、前記第1および第2の熱伝導体箔に直接接触していることを特徴とする請求項1に記載の熱回路基板。
  3. 前記硬化ポリイミド層と前記第2の熱伝導体箔との間に、硬化ポリイミド薄層をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の熱回路基板。
  4. 第1の熱伝導体箔上に、前記第1の熱伝導体箔表面まで貫通する第1の溝を有する第1の硬化ポリイミド層を形成する工程と、
    第2の熱伝導体箔上に、前記第1の溝の位置に対応し、前記第2の熱伝導体箔表面まで貫通する第2の溝を有する、第2の硬化ポリイミド層およびプレキュアポリイミド層の積層体を形成する工程と、
    前記第1および第2の熱伝導体箔を、第1の硬化ポリイミド層およびプレキュアポリイミド層が対向する状態で、第1および第2の溝の位置を合わせて貼り合わせて、貼り合わせ体を形成する工程と、
    前記貼り合わせ体を、前記プレキュアポリイミド層のプレキュア温度よりも高い温度まで加熱して、前記第1および第2の硬化ポリイミド層およびプレキュアポリイミド層を一体化して硬化ポリイミド層を形成し、熱回路基板を得る工程と
    を含むことを特徴とする熱回路基板の製造方法。
  5. 前記第1および第2の硬化ポリイミド層および前記プレキュアポリイミド層は、同一種のポリイミド材料から形成されることを特徴とする請求項4に記載の熱回路基板の製造方法。
  6. 第1の熱伝導体箔上に、前記第1の熱伝導体箔表面まで貫通する溝を有する硬化ポリイミド層を形成する工程と、
    第2の熱伝導体箔上に、プレキュアポリイミド層を形成する工程と、
    前記第1および第2の熱伝導体箔を、第1の硬化ポリイミド層およびプレキュアポリイミド層が対向する状態で貼り合わせて、貼り合わせ体を形成する工程と、
    前記貼り合わせ体を、前記プレキュアポリイミド層のプレキュア温度よりも高い温度まで加熱して、前記硬化ポリイミド層およびプレキュアポリイミド層を一体化して硬化ポリイミド層を形成し、熱回路基板を得る工程と
    を含むことを特徴とする熱回路基板の製造方法。
  7. 前記硬化ポリイミド層および前記プレキュアポリイミド層は、同一種のポリイミド材料から形成されることを特徴とする請求項7に記載の熱回路基板の製造方法。
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