JP2006202735A - 燃料電池の電池特性評価 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池の電池特性と熱伝導特性との対応関係に新たに着目して、燃料電池の特性評価の簡便化を図る。
【解決手段】燃料電池を構成する単セル20や、この単セル20を構成するMEA21やガス拡散部材33等の構成部材個々について、電池製造過程において熱拡散率を測定する。この測定には、加熱プローブ212で角周波数ωの周期発熱(t)を起こした熱の伝搬を検出プローブ214にてセンシングし、その際の位相差に基づいて熱拡散率を測定する。そして、測定した単セル20の熱拡散率を、記憶部224が記憶した単セル20の熱伝導特性と単セル20の電池特性の熱伝導・電池特性対応マップに対比させて、単セル20の電池特性を評価する。
【選択図】図3
【解決手段】燃料電池を構成する単セル20や、この単セル20を構成するMEA21やガス拡散部材33等の構成部材個々について、電池製造過程において熱拡散率を測定する。この測定には、加熱プローブ212で角周波数ωの周期発熱(t)を起こした熱の伝搬を検出プローブ214にてセンシングし、その際の位相差に基づいて熱拡散率を測定する。そして、測定した単セル20の熱拡散率を、記憶部224が記憶した単セル20の熱伝導特性と単セル20の電池特性の熱伝導・電池特性対応マップに対比させて、単セル20の電池特性を評価する。
【選択図】図3
Description
本発明は、電解質を一対の電極で挟持した層構成体を有する燃料電池の電池特性の評価に関する。
燃料電池の特性評価は、評価対象となる燃料電池を発電システム、或いは車両等に搭載した状態で運転し、その運転状態に基づいて行われていた(例えば、特許文献1)。
一般に燃料電池は、電解質を一対の電極で挟持した層構成体を備え、この層構成体を含む電池構成を一単位として複数積層させている。従って、上記の特許文献で示された燃料電池の特性評価は、電解質を一対の電極で挟持した層構成体を含む電池構成が複数積層された電池全体の評価に留まり、層構成体を含む個々の電池構成についての評価を下すことが難しかった。
また、燃料電池を搭載したシステムにおいて、当該燃料電池を実際に運転させなければならず、評価を下すうえでも煩雑であった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされ、燃料電池の特性評価の簡便化を図ることをその目的とし、燃料電池の電池特性と熱伝導特性との対応関係に新たに着目して本発明をなした。
かかる課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の燃料電池の評価方法では、工程(1)にて、層構成体の層方向における燃料電池の熱伝導特性を測定する。この層構成体の層方向における燃料電池の熱伝導特性は、燃料電池の電池特性と高い相関があるので、工程(2)にて、この熱伝導特性を電池特性に対応付けた特性対応と、測定した熱伝導特性とに基づいて、燃料電池の電池特性を評価する。このため、本発明の評価方法によれば、特性評価の際に燃料電池を運転状態とする必要がないので、簡便である。また、燃料電池が有する層構成体を含む一つの電池構成単位としての性能評価も行うことができる。更には、こうした評価を燃料電池の製造の過程で行うことができるので、この評価に基づいた良否判定も可能となり、品質向上に寄与できる。
以上説明した本発明の燃料電池の評価に際し、熱伝導特性を測定する工程(1)を、熱伝導特性の測定対象に、所定周波数の温度変調を起こしつつ熱を加える工程(1a)と、前記測定対象をその厚み方向に伝わった熱の温度変調を測定する工程(1b)と、該測定した温度変調と前記加えた温度変調との位相差に基づいて、前記熱伝導特性を求める工程(1c)とを有するようにすることができる。こうすれば、薄葉状の測定対象、本発明にあっては燃料電池が有する層構成体を含む一つの電池構成単位の熱伝導特性を容易に測定できる。
この場合、前記測定対象を、前記層構成体における前記電解質の伝導種の燃料ガスの供給を受け該ガスを一方の前記電極に送る燃料ガス供給層と、前記伝導種の酸化に寄与する物質を含有する酸化ガスの供給を受け該ガスを他方の前記電極に送る酸化ガス供給層とで前記層構成体を接合・挟持したガス供給層含有構造体とすることもできる。こうすれば、電解質を一対の電極で挟持した層構成体に燃料ガス供給層と酸化ガス供給層を接合・挟持した構成を単位に、その熱伝導特性を容易に測定できる。
かかる課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の他の燃料電池の評価方法は、
電解質を一対の電極で挟持した層構成体を有する燃料電池の評価方法であって、
前記層構成体と、前記電解質の伝導種の燃料ガスの供給を受け該ガスを一方の前記電極に送る燃料ガス供給層と、前記伝導種の酸化に寄与する物質を含有する酸化ガスの供給を受け該ガスを他方の前記電極に送る酸化ガス供給層とを含む電池構成部材のそれぞれについて、その厚さ方向における熱伝導特性を測定する工程と、
前記電池構成部材のそれぞれの熱伝導特性を前記燃料ガス供給層と前記酸化ガス供給層とで前記層構成体を接合・挟持したガス供給層含有構造体の熱伝導特性に対応付けた第1特性対応と、前記測定した前記電池構成部材それぞれについての前記熱伝導特性とに基づいて、前記ガス供給層含有構造体の熱伝導特性を推定する工程と、
前記ガス供給層含有構造体の熱伝導特性を前記燃料電池の電池特性とを対応付けた第2特性対応と、前記推定した前記ガス供給層含有構造体の熱伝導特性とに基づいて、前記燃料電池の電池特性を評価する工程とを有する。
電解質を一対の電極で挟持した層構成体を有する燃料電池の評価方法であって、
前記層構成体と、前記電解質の伝導種の燃料ガスの供給を受け該ガスを一方の前記電極に送る燃料ガス供給層と、前記伝導種の酸化に寄与する物質を含有する酸化ガスの供給を受け該ガスを他方の前記電極に送る酸化ガス供給層とを含む電池構成部材のそれぞれについて、その厚さ方向における熱伝導特性を測定する工程と、
前記電池構成部材のそれぞれの熱伝導特性を前記燃料ガス供給層と前記酸化ガス供給層とで前記層構成体を接合・挟持したガス供給層含有構造体の熱伝導特性に対応付けた第1特性対応と、前記測定した前記電池構成部材それぞれについての前記熱伝導特性とに基づいて、前記ガス供給層含有構造体の熱伝導特性を推定する工程と、
前記ガス供給層含有構造体の熱伝導特性を前記燃料電池の電池特性とを対応付けた第2特性対応と、前記推定した前記ガス供給層含有構造体の熱伝導特性とに基づいて、前記燃料電池の電池特性を評価する工程とを有する。
こうすれば、電解質を一対の電極で挟持した層構成体と、燃料ガス供給層と、酸化ガス供給層とを含む電池構成部材のそれぞれについて熱伝導特性を測定することで、燃料電池の電池特性評価を行うことができる。この場合であっても、特性評価の際に燃料電池を運転状態とする必要がなく簡便である等の上記効果を奏することができる。しかも、電池構成部材のそれぞれについての熱伝導特性の測定は、これら部材の製造の過程で行うことができるので、電池構成部材についての良否判定も可能となり、品質向上に寄与できる。
この場合、既述した第1特性対応と、第2特性対応は、次のように求めておくことが簡便である。ガス供給層含有構造体は、電解質を一対の電極で挟持した層構成体を、更に燃料ガス供給層と前記酸化ガス供給層とで接合・挟持したものであることから、その熱伝導特性は、個々の電池構成部材が有する熱伝導特性で規定される他、これら部材の接合・挟持の様子にも影響を受ける。例えば、接合が不十分であれば、接合が十分なものに比して、熱伝導特性は低下すると予想される。よって、熱伝導特性を測定した電池構成部材を用いて上記のように接合・挟持を経て構成したガス供給層含有構造体についても、その熱伝導特性を測定する。こうした電池構成部材の熱伝導特性測定、ガス供給層含有構造体の熱伝導特性測定を、電池構成部材の接合の様子を変えつつ繰り返し、電池構成部材のそれぞれの熱伝導特性をガス供給層含有構造体の熱伝導特性に対応付けた第1特性対応を、求める。
第2特性対応についても同様である。つまり、ガス供給層含有構造体の熱伝導特性を測定し、その熱伝導特性のガス供給層含有構造体を有する燃料電池の電池特性を測定する。そして、複数のガス供給層含有構造体について、その熱伝導特性測定と、そのガス供給層含有構造体を有する燃料電池の電池特性測定を実行することで、ガス供給層含有構造体の熱伝導特性を燃料電池の電池特性とを対応付けた第2特性対応を求める。こうして求めた第1特性対応、第2特性対応を、既述したガス供給層含有構造体の熱伝導特性推定や、燃料電池の電池特性評価に用いる。
本発明は、上記した燃料電池の評価方法の他、燃料電池の評価装置としても適用できる。また、本発明における燃料電池には、その電解質が有する性質により種々に区分され、水素イオンを伝導種とする固体高分子型燃料電池、リン酸形燃料電池、アルカリ形燃料電池や、炭酸イオンを伝導種とする溶融炭酸塩形燃料電池、酸素イオンを伝導種とする固体酸化物形燃料電池等が含まれる。
以下、本発明の実施の形態について、その実施例を図面に基づき説明する。図1は実施例での評価対象となる燃料電池の概略構成を説明する説明図である。本実施例における燃料電池は、固体高分子型燃料電池であり、その一つのセル(単セル20)を複数積層したスタック構造を有している。単セル20は、電解質を含むMEA(膜−電極接合体、Membrane Electrode Assembly)21と、MEA21を両側から挟持してサンドイッチ構造を形成するガス拡散層22、23とを備え、このサンドイッチ構造をさらに両側からセパレータ24、25にて挟持されている。
MEA21は、電解質層30と、電解質層30を間に挟んでその両面に形成された一対の電極31、32とを備えている。電解質層30は、固体高分子材料、例えばフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性を示す。本実施例では、ナフィオン膜(デュポン社製)を使用した。電極31、32は、電気化学反応を促進する触媒、例えば、白金、或いは白金と他の金属から成る合金を備えた多孔質体であり、ガス透過性を備えている。MEA21は、こうした構成を取ることから、電解質層30を一対の電極31、32で挟持した本願における層構成体に相当する構成となる。
ガス拡散層22、23は、ガス透過性および電子伝導性を有する部材によって構成されており、例えば、カーボンペーパーなどの炭素材料や、発泡金属、金属メッシュなどの金属部材によって形成することができる。このようなガス拡散層22、23は、電気化学反応に供されるガスの流路となると共に、集電を行なう。ここで、ガス拡散層22は、セパレータ24に接するガス拡散部材33と、MEA21に接する電極側ガス拡散部材34とを備えている。このようなガス拡散層22は、MEA21とセパレータ24との間で、水素を含有する燃料ガスが通過する単セル内燃料ガス流路を形成する。ガス拡散層23は、セパレータ25に接するガス拡散部材35と、MEA21に接する電極側ガス拡散部材36とを備えている。このようなガス拡散層23は、MEA21とセパレータ25との間で、酸素を含有する酸化ガスが通過する単セル内酸化ガス流路を形成する。
単セル20は、こうしたガス拡散層の構成を有することから、MEA21(層構成体)をガス拡散層22、23で挟持・接合した本発明におけるガス供給層含有構造体に相当する構成となる。この場合、本実施例では、ガス拡散層22、23をセパレータ側のガス拡散部材と電極側ガス拡散部材の接合構成としたが、単一のガス拡散層とすることもできる。
上記した各部材(電解質層30、電極31、32、ガス拡散部材33、35、電極側ガス拡散部材34、36)は、図中上段に示すようにそれぞれ個別に用意され、後述する製造工程における接合処理にて、図中下段に示すように接合され、単セル20を構成する。
上記のガス拡散層22、23において、セパレータ側のガス拡散部材33、35を電極側ガス拡散部材34、36に比べて、より硬い多孔質体によって形成することができる。ここでいう硬さとは、ガス拡散部材を構成する材料の硬さではなく、部材全体としての硬さであり、例えば圧縮弾性率によって表わすことができる。こうすることで、単セル20としての形状維持にとって望ましい。
セパレータ24、25は、電子伝導性を有する材料で形成されたガス不透過な部材であり、例えば、ステンレス鋼等の金属部材や炭素材料によって形成することができる。本実施例のセパレータ24、25は、薄板状に形成されており、ガス拡散層22、23と接する面は、凹凸のない平坦面となっているが、燃料ガス流路や酸化ガス流路を有するセパレータとすることもできる。この場合は、ガス拡散層は、単セル内燃料ガス流路や単セル内酸化ガス流路の役割は有さず、拡散の役割を少なくとも有するだけでよい。
なお、単セル20の外周部には、単セル内燃料ガス流路および単セル内酸化ガス流路におけるガスシール性を確保するために、ガスケット等のシール部材が配設されている。また、単セル20の外周部には、単セル20の積層方向と平行であって燃料ガス或いは酸化ガスが流通する複数のガスマニホールドが設けられている(図示せず)。これら複数のガスマニホールドのうちの燃料ガス供給マニホールドを流れる燃料ガスは、各単セル20に分配され、電気化学反応に供されつつ各単セル内燃料ガス流路(ガス拡散層22)内を通過し、その後、燃料ガス排出マニホールドに集合する。同様に、酸化ガス供給マニホールドを流れる酸化ガスは、各単セル20に分配され、電気化学反応に供されつつ各単セル内酸化ガス流路(ガス拡散層23)内を通過し、その後、酸化ガス排出マニホールドに集合する。図1では、単セル内燃料ガス流路における燃料ガス(H2)と単セル内酸化ガス流路における酸化ガス(O2)とは並行に流れるように記載しているが、これらのガスの流れは、ガスマニホールドの配置によって、上記した並行の他、対向、直交など異なる向きに流れることとしても良い。
燃料電池に供給される燃料ガスとしては、炭化水素系燃料を改質して得られる水素リッチガスを用いても良いし、純度の高い水素ガスを用いても良い。また、燃料電池に供給される酸化ガスとしては、例えば空気を用いることができる。
なお、図示は省略しているが、スタック構造の内部温度を調節するために、各単セル間に、或いは所定数の単セルを積層する毎に、冷媒の通過する冷媒流路を設けても良い。冷媒流路は、隣り合う単セル間において、一方の単セルが備えるセパレータ24と、他方の単セルが備えるセパレータ25との間に設ければよい。
次に、上記した構成を有する燃料電池、詳しくは単セル20の製造工程について説明する。図2は、本実施例の燃料電池の製造方法を表わす工程図、図3は電池製造の際に各構成部材の熱伝導特性に基づいて特性評価を行う評価装置の概略図である。
図2に示すように、燃料電池を製造する際には、まず、単セル20を構成する既述した各部材、即ち、電解質層30、ガス拡散部材33〜36、セパレータ24、25を準備する(ステップS100)。その後、電解質層30上に電極31、32を形成して、MEA21を作製する(ステップS110)。電極31、32を形成するには、例えば、白金または白金と他の金属からなる合金を担持したカーボン粉を作製し、この触媒を担持したカーボン粉を適当な有機溶剤に分散させ、電解質溶液(例えば、Aldrich Chemical社、Nafion Solution)を適量添加することで、ペーストを作製すればよい。このペーストを、電解質層30上にスクリーン印刷等の方法により塗布することで、電極31、32を形成することができる。或いは、上記触媒を担持したカーボン粉を含有するペーストを膜成形してシートを作製し、このシートを電解質層30上にプレスすることによって電極31、32を形成しても良い。
本実施例では、こうして作製したMEA21と、ガス拡散部材33〜36について、これらが有する熱伝導特性を測定する(ステップS120)。このMEA21等の熱伝導特性は、後述するように、単セル20、引いては燃料電池の電池特性評価に用いる。熱伝導測定は、図3に示す電池性能評価装置200にて行う。電池性能評価装置200は、熱伝導特性の測定サンプルがセットされる測定ブース210と、装置本体220と、表示部230と、入力部240とを備える。
測定ブース210は、薄葉状の測定サンプルに熱を加えるための加熱プローブ212と、測定サンプルをその厚み方向に伝わった熱を検出する検出プローブ214とを対向させて備え、測定サンプル(MEA21や単セル20、ガス拡散部材33等)は、両プローブ間にセットされる。
装置本体220は、測定サンプルの熱伝導特性算出やMEA21、単セル20の電池特性評価等を行うため、測定プローブ制御部222、記憶部224、熱伝導特性算出部226、評価部228を備える。測定プローブ制御部222は、加熱プローブ212により測定サンプルに伝わる温度が周期的に変動(温度変調)するよう、具体的には所定の角周波数の周期発熱が加熱プローブ212により測定サンプル表面で起きるよう、加熱プローブ212を温度制御する。記憶部224は、単セル20の各構成部材の熱伝導特性と単セル20の熱伝導特性とを対応付けた熱伝導・熱伝導対応マップや、単セル20の熱伝導特性と単セル20の電池特性とを対応付けた熱伝導・電池特性対応マップ等を記憶する。熱伝導特性算出部226は、測定サンプルをその厚み方向に伝わった熱の温度変調を測定サンプル裏面の検出プローブ214からのセンサ出力から求め、その温度変調と加熱プローブ212による温度変調の位相差に基づいて、測定サンプルの熱伝導特性を算出する。評価部228は、測定サンプルとしてのMEA21やガス拡散部材33等の部材が有する熱伝導特性と記憶部224が記憶した種々のマップとを対比して、その部材を用いた単セル20、延いては単セル積層後の燃料電池の電池特性を評価する。
この装置本体220は、論理演算回路として構成されたCPUやROM、RAM、メモリと入出力インターフェイス(I/O)を用いて構成され、これらCPUがROMに書き込まれたプログラムを実行することで、既述した測定プローブ制御部222等を構成する。
表示部230は、熱伝導特性算出部226で求めた熱伝導特性や評価部228での評価結果等を表示する。入力部240は、測定サンプルとしてのMEA21やガス拡散部材33等の熱伝導特性算出のためのサンプル厚みデータや、これら部材を用いて作製した燃料電池の電池特性等のデータを装置本体220に入力する。
ステップS120における電池性能評価装置200を用いた熱伝導特性測定の原理について、説明する。加熱プローブ212と検出プローブ214が表裏に当接された測定サンプル、例えば、MEA21では、加熱プローブ212側のMEA表面で、角周波数ωの周期発熱(t)が起き、この周期発熱を起こした熱は、MEA21を裏面に向けて伝搬し、検出プローブ214にてセンシングされる。今、MEA21の厚みをdとすると、この厚みdのMEA21における熱伝搬の過程で、熱は、温度変調を起こしてMEA裏面まで伝わり、その際に位相に遅れを起こす。この位相差Δθは、厚みdのMEA21の熱拡散率をαMEAとすると、次の式で与えられる。
Δθ=√(ω/2αMEA)・d−(π/4)
位相差Δθは、加熱プローブ212で起こした角周波数ωと検出プローブ214でセンシングした角周波数ωとから求まるので、MEA21の厚みdを入力部240から与えれば、MEA21の熱拡散率αMEAが算出される。ガス拡散部材33〜36についても同様であり、これら各拡散部材の厚みdを、その測定の際に与えることで、ガス拡散部材33〜36のそれぞれについての熱拡散率が求まる。こうして求めた各部材についての熱拡散率αは、記憶部224に記憶され、後述の電池特性評価の他、記憶部224が記憶した上記の対応マップの補充データとしても用いられる。つまり、記憶部224は上記した対応マップデータを予め記憶するが、電池製造過程の上で得られたデータをマップに補充することで、データ数を増やしてマップの信頼性を高めるようにすることができる。記憶部224が予め記憶したマップのデータが十分であれば、こうしたデータ補充は省略できる。
この場合、MEA21やガス拡散部材等の測定サンプルの面積に対して、加熱プローブ212や検出プローブ214が測定サンプルに接触する面積は格段に狭い。よって、本実施例では次のような測定手法を用いてMEA21等の熱拡散率αとした。図4は本実施例における熱拡散率αの測定の様子を説明する説明図である。
この図4に示すように、測定サンプルの複数の測定ポイントSPで上記したようにその測定サンプル(例えば、MEA21)の熱拡散率αMEAij(ijは測定ポイントSPを行列表示した際の添え字)を求める。そして、その加重平均値等を、測定サンプルたるMEA21の熱拡散率αMEAとする。なお、各測定ポイントSPでの熱拡散率αMEAijを熱拡散率分布として記憶部224に記憶するようにし、この熱拡散率分布を電池性能評価に用いるようにすることもできる。
こうした熱拡散率の測定に続いては、ガス拡散部材33と電極側ガス拡散部材34とを接合させ、ガス拡散部材35と電極側ガス拡散部材36とを接合させて、ガス拡散層22およびガス拡散層23を作成する(ステップS130)。ガス拡散部材同士の接合は、適宜な接合手法、例えばプレス手法により、ガスの拡散機能を損なわないように行えばよい。
こうして作製されたガス拡散層22、23にあっても、MEA21や単セル20の構成部材である。よって、構成部材の熱伝導特性(熱拡散率)から電池性能評価を行うために、ステップS120で説明した電池性能評価装置200を用いてそれぞれのガス拡散層22、23の熱拡散率を測定する(ステップS140)。ところで、ガス拡散層22、23は、上記したガス拡散部材の接合体であることから、ガス拡散部材33〜36個々について求めた熱拡散率と、これら部材から作製したガス拡散層22、23の熱拡散率を対比することで、接合による熱拡散率の推移を得ることができる。よって、ガス拡散部材の接合状態を変えつつ、上記した各ガス拡散部材とその接合体であるガス拡散層22、23の熱拡散率測定・対比を行うことで、ガス拡散部材を接合してガス拡散層22、23を作製する上での最適な接合状態を求めることができる。
こうして求めたガス拡散層22、23の熱拡散率αは、記憶部224に記憶され、後述の電池特性評価の他、記憶部224が記憶した上記の対応マップの補充データとしても用いられる。この場合であっても、記憶部224が予め記憶したマップのデータが十分であれば、こうしたデータ補充は省略できる。
なお、ガス拡散層22、23を単一のガス拡散部材から形成する場合には、その単一のガス拡散部材の熱拡散率はステップS120で実施済みとなるので、ステップS130、140は不要となる。
次に、単セル20を作製する(ステップS150)。ここで、接合とは、単に2つの部材を積層する場合よりも接触面積が増加するように、2つの部材を積極的に固着させることをいう。MEA21とその両側のガス拡散層22、23における電極側ガス拡散部材34、36との接合は、例えばホットプレスにより行なうことができる。このように、熱および圧力を加えることで、電極31、32を構成する既述したペーストが熱により軟化し、軟化したペーストが電極側ガス拡散部材34、36の多孔質な表面全体に馴染んで接触面積が増加しつつ、両者が圧着される。
次に、単セル20の熱拡散率を、ステップS120で説明した電池性能評価装置200を用いて測定する(ステップS160)。単セル20は、既述した各構成部材の接合体であることから、その熱拡散率には、各構成部材が備えた熱拡散率と接合による影響が表れる。このステップS160で求めた単セル20の熱拡散率と既述したステップで求めた各構成部材の熱拡散率を対比することで、接合による熱拡散率の推移を得ることができる。よって、単セル20作製の際のホットプレスによる接合状態(例えば、温度や押圧力)を変えつつ、単セル20とその各構成部材の熱拡散率測定・対比を行うことで、MEA21にガス拡散層22、23を接合して単セル20を作製する上での最適な接合状態を求めることができる。
ステップS160により、上記した各構成部材の接合体全体としての単セル20の熱拡散率が求まるので、この単セル20の熱拡散率αは、記憶部224に記憶された後述の電池特性評価に用いられる他、既述した単セル20の熱伝導特性と単セル20の電池特性とを対応付けた熱伝導・電池特性対応マップや、単セル20の各構成部材の熱伝導特性と単セル20の熱伝導特性とを対応付けた熱伝導・熱伝導対応マップの補充データとしても用いられる。この単セル20の熱拡散率にあっても、記憶部224が予め記憶したマップのデータが十分であれば、こうしたデータ補充は省略できる。
次に、単セル20の各構成部材個々の熱拡散率と単セル20としての熱拡散率に基づいて、この単セル20が呈する電池特性の評価を行う(ステップS170)。熱拡散率を介した電池特性評価は、熱拡散率と電池特性とが高い相関にあることに基づく。こうした電池特性評価は次の手法で行うことができる。
第1の評価手法では、ステップS160で測定した単セル20の熱拡散率を、記憶部224が記憶した単セル20の熱伝導特性と単セル20の電池特性の熱伝導・電池特性対応マップに対比させて、単セル20の電池特性を評価する。第2の評価手法では、ステップS120、140で測定した単セル20の各構成部材の熱拡散率を、記憶部224が記憶した各構成部材の熱伝導特性と単セル20の熱伝導特性の熱伝導・熱伝導特性対応マップに対比させて、単セル20の熱拡散率を算出する。そして、算出した単セル20の熱拡散率を、記憶部224が記憶した単セル20の熱伝導特性と単セル20の電池特性との熱伝導・電池特性対応マップに対比させて、単セル20の電池特性を評価する。
本実施例では、単セル20の熱拡散率を実際に測定しているので、上記の第1の評価手法が簡便である。この手法では、ステップS120、140の構成部材の熱拡散率測定を省略することもできる。しかし、構成部材個々の熱拡散率とこの構成部材の接合を経て作製した単セル20の熱拡散率との対比を通して、部材の接合による熱拡散率の影響を推考できるので、製造管理や品質管理の点から有益である。その一方、第2の評価手法では、ステップS160の単セル20の熱拡散率測定を省略することもできるが、第1の手法と同様、単セル20の熱拡散率測定を行うことは、製造管理や品質管理の点から有益である。
こうした電池特性評価に用いる熱伝導・電池特性対応マップと、熱伝導・熱伝導特性対応マップは、次のようにして構築できる。まず、本実施例のようにして単セル20の熱拡散率を取得し、その取得した単セル20を有する燃料電池をシステムに搭載して運転させ、その電池特性(例えば、出力電流・電圧特性、内部抵抗等)を求める。こうしたことを繰り返し、単セル20の熱伝導特性と単セル20の電池特性を対応付けた熱伝導・電池特性対応マップを構築し、記憶部224に格納する。熱伝導・熱伝導特性対応マップについては、本実施例のステップS120、140での構成部材の熱拡散率測定とステップS160での単セル20の熱拡散率測定とを、燃料電池製造の度に行って、両熱拡散率を対応付けた熱伝導・熱伝導特性対応マップを構築し、記憶部224に格納する。
こうして単セル20の電池特性評価が済むと、その評価により適切とされた単セル20の両側にセパレータ24、25を接合する(ステップS180)。セパレータ24、25の接合対象は、ガス拡散層22、23におけるガス拡散部材33、35であることから、こうしたガス拡散部材との接合は、例えば溶接等の適宜な手法で行なえばよい。溶接は、ガス拡散部材33、35とセパレータ24、25のうちの少なくとも一方の溶融した母材により、および/または溶融した溶加材により、接触面積を増加させつつ両者を接合することを可能にする。
続いて、セパレータ24、25で挟持した単セル20を単位に、これらを所定の順序で(図1の単セル20が繰り返し形成されるように)所定数積層してスタック構造を組み立て、積層方向に所定の押圧力を加えて全体構造を保持することによって、燃料電池を完成する(ステップS190)。なお、ステップS190の組み立ての工程は、既述したガスケットなどのシール部材を積層体の外周部に配設したり、隣り合う単セル間に冷媒流路を形成するなどの工程を含む。
ここで、隣り合う単セル間に冷媒流路等を形成しない場合には、セパレータの両面にガス拡散層22、23のガス拡散部材33、34を接合するようにすることもできる。つまり、一つのセパレータをその両側の単セル20で共有るよう積層・接合すればよい。
以上説明したように、電池性能評価装置200を用いた電池特性評価を行う本実施例によれば、燃料電池製造の過程で測定した単セル20やその構成部材個々の熱拡散率と予め記憶した上記の熱伝導・熱伝導対応マップや、熱伝導・電池特性対応マップとに基づいて、製造後の燃料電池の電池特性を評価できる。この結果、本実施例によれば、燃料電池の電池特性評価に際して燃料電池を運転状態とする必要がないので、簡便である。また、燃料電池の一つの電池構成単位である単セル20としての電池性能評価も製造過程において行うことができるので、この評価に基づいた単セル20の良否判定も可能となり、品質向上に寄与できる。
しかも、本実施例では、単セル20自体の熱拡散率測定と、単セル20を作製する上で接合されるセル構成部材個々の熱拡散率測定とを行うので、両熱拡散率の対比から、部材接合に基づく熱拡散率推移(変化)に基づいて、部材接合の接合条件の最適化を図ることができる。このため、製造管理や品質向上の上からも好ましい。
また、本実施例では、単セル20およびその構成部材個々の熱拡散率を求めるに当たり、図4に示すように、多数の測定ポイントSPで熱拡散率を求め、その分布をも把握することができる。熱拡散率分布は電池特性の分布と相関することから、ガス拡散層22、23によるガス供給を、熱拡散率分布に応じて供給量が変わるようにすることもできる。こうすれば、MEA21で進行する電気化学反応は、MEA膜面で均一となるので、電池特性の向上を図ることも可能となる。
更に、熱伝率測定に際しては、加熱プローブ212にて測定サンプル表面で周期発熱を起こし、測定サンプル裏面において検出プローブ214にて温度変調を測定し、その位相差に基づいて熱拡散率を測定した。こうした測定手法は、単セル20やその構成部材のような薄葉状の測定サンプルの高精度の熱拡散率測定が可能となる。よって、単セル20やその構成部材の熱拡散率を正確に測定できるので、この測定熱拡散率に基づいた電池特性評価の信頼性を高めることができる。
次に、図3に示した電池性能評価装置200による測定例について説明する。その測定サンプルは、MEA21をその両側でガス拡散層22とガス拡散層23で挟持した膜・電極・拡散層接合体(MEGA)とした。このMEGAの作成に当たっては、多孔質のカーボンペーパーの表面に撥水性を呈する材料のパウダー、例えばテフロン(登録商標)のパウダーを懸濁させた懸濁液を塗布して、通常採択される温度環境下で熱処理して溶媒を除去し、カーボンペーパー表面に撥水性表面処理層を形成する。この撥水性表面処理層を有するカーボンペーパーが上記した実施例におけるガス拡散層22、23となる。
次に、白金または白金と他の金属からなる合金を担持したカーボン粉を準備し、この触媒担持カーボン粉を適当な有機溶剤(例えば、アルコール)と水に分散させ、電解質溶液(例えば、Aldrich Chemical社、Nafion Solution)を適量添加してペースト化し、上記のカーボンペーパーにおける撥水性表面処理層側表面にスプレー塗布する。こうしたスプレー塗布部から有機溶剤・水を蒸発させると、カーボンペーパーの撥水性表面処理層側表面に本実施例の電極31、32が形成される。その後、このカーボンペーパーで、本実施例の電解質層30となるナフィオン膜(デュポン社製)を挟持し、このナフィオン膜の性状から制約される所定条件(温度条件、圧力条件)でホットプレスし、MEGAとする。そして、このMEGAについて、電池性能評価装置200により、膜中央部分とその左右2箇所の三点について熱伝導率を測定し、その平均値をMEGAの熱伝導率とした。図5は比較例および実施例品の熱伝導率の測定結果と接合条件(プレス条件)および他の評価項目とを対比して説明する説明図である。
図5に示すように、プレス条件は、比較例が、ナフィオン膜の性状から制約されるホットプレス時の通常の温度(標準温度)より約20℃低温の熱環境下で、ナフィオン膜の性状から制約されるホットプレス時の通常の圧力(標準圧力)でホットプレスしたMEGAである。実施例1は、図示するように標準温度・標準温度でホットプレスして作成したMEGAであり、実施例2および実施例3は、図中に示すように接合条件を高めにして作成したMEGAである。
こうした比較例・実施例1〜3について、既述したように電池性能評価装置200により熱伝導率(熱拡散率)を測定すると共に、機械的な剥離試験、電気的特性試験を行った。
剥離試験については、二つの剥離強度を調べた。まず、それぞれのMEGAの一方の電極側(例えば、カソード側)の最外部にある拡散層をピンセットで挟んで剥離させ、その剥離状況を観察した。こうすると、最も接合強度が弱い部分で剥離するので、接合状態の評価を下すことができる。次に、引っ張り試験機を用いた層方向の剥離強度(垂直剥離強度)について測定した。引っ張り試験機の上下のサンプル固定シャフトの先端に、両面テープにて試験片(比較例および実施例1〜3のMEGA)を接着固定し、それぞれのMEGAにおける層の剥がれが起きたときの引っ張り強度を垂直剥離強度として測定した。そして、それぞれのMEGAの垂直剥離強度を、実施例1を基準にして相対比較した。この場合、比較例のMEGAは、引っ張り試験機の最低荷重値で剥離が見られたため、測定不能とした。
電池的特性試験は、MEGAが約80℃となるようにして、両電極を1.5bar程度に加圧し、両電極(拡散層)に低加湿のガス(水素ガス・空気)を通常運転時の150%のガス流量で供給し、1.0A/cm2の電流密度で10分間の連続運転を行い、その際の出力電圧を測定して相対比較した(実施例1を基準)。この場合、比較例のMEGAは、電圧測定器の測定分解能に満たなかったので、掃引不能とした。これらの結果は、図の通りである。図示するように、MEGAの構成材料が同じであっても、接合条件が異なると、熱伝導率・電気的特性・機械的特性が相違することが判った。
特に、熱伝導率と電気的特性とは、高い相関があることが確認できた。よって、既述したように、熱伝導率特性(熱伝導率)測定を介して、MEGAの電気的特性を性格に評価できる。また、接合条件と熱伝導率・電気的特性についても相関を得ることができたので、熱伝導率測定を介して、接合の良否判定を下すこともできる。こうした判定は、簡便な熱伝導率測定で済み、実機での運転試験を必要としないので、簡便となる。換言すれば、接合条件を設定することで、所望する熱伝導率、延いては電気的特性を備えたMEGAを容易に製造できることになる。
また、接合条件が標準の実施例1の電気的特性であれば、そのMEGA(実施例1)は実用上何の支障もないので、接合条件を温度・圧力とも高めれば、実施例1を超える好適な電気的特性を有するMEGAを得ることができた。このことから、熱伝導率が1.0x10−7[m2/s]以上、より好ましくは、1.5x10−7[m2/s]以上のMEGAであれば、高い電気的特性を備えた燃料電池を得ることができる。
このように、接合条件を温度・圧力で高めると熱伝導率・電気的特性が向上するのは、MEGAにおける各材料の接合性が改善したために、接合境界面での抵抗増大の回避や、フラッディングが解消したことによると予想される。
機械的特性から見ると、接合条件が温度・圧力で高まるほど、剥離強度が増していることが判る。実施例3では、最も強度が高いと思われる拡散層自体が破壊したことから、この実施例3では拡散層自体の材料強度以上の接合強度を得ることができたことになる。
20...単セル
21...MEA(膜−電極接合体、Membrane Electrode Assembly)
22、23...ガス拡散層
24、25...セパレータ
30...電解質層
31、32...電極
33、35...ガス拡散部材
34、36...電極側ガス拡散部材
200...電池性能評価装置
210...測定ブース
212...加熱プローブ
214...検出プローブ
220...装置本体
222...測定プローブ制御部
224...記憶部
226...熱伝導特性算出部
228...評価部
230...表示部
240...入力部
SP...測定ポイント
21...MEA(膜−電極接合体、Membrane Electrode Assembly)
22、23...ガス拡散層
24、25...セパレータ
30...電解質層
31、32...電極
33、35...ガス拡散部材
34、36...電極側ガス拡散部材
200...電池性能評価装置
210...測定ブース
212...加熱プローブ
214...検出プローブ
220...装置本体
222...測定プローブ制御部
224...記憶部
226...熱伝導特性算出部
228...評価部
230...表示部
240...入力部
SP...測定ポイント
Claims (6)
- 電解質を一対の電極で挟持した層構成体を有する燃料電池の評価方法であって、
前記層構成体の層方向における前記燃料電池の熱伝導特性を測定する工程(1)と、
前記層構成体の層方向における前記燃料電池の熱伝導特性を前記燃料電池の電池特性に対応付けた特性対応と、前記測定した熱伝導特性とに基づいて、前記燃料電池の電池特性を評価する工程(2)とを有する
燃料電池の評価方法。 - 請求項1記載の燃料電池の評価方法であって、
前記工程(1)は、
熱伝導特性の測定対象に、所定周波数の温度変調を起こしつつ熱を加える工程(1a)と、
前記測定対象をその厚み方向に伝わった熱の温度変調を測定する工程(1b)と、
該測定した温度変調と前記加えた温度変調との位相差に基づいて、前記熱伝導特性を求める工程(1c)とを有する
燃料電池の評価方法。 - 請求項2記載の燃料電池の評価方法であって、
前記工程(1a)と前記工程(1b)は、
前記測定対象を、前記層構成体における前記電解質の伝導種の燃料ガスの供給を受け該ガスを一方の前記電極に送る燃料ガス供給層と、前記伝導種の酸化に寄与する物質を含有する酸化ガスの供給を受け該ガスを他方の前記電極に送る酸化ガス供給層とで前記層構成体を接合・挟持したガス供給層含有構造体とする
燃料電池の評価方法。 - 電解質を一対の電極で挟持した層構成体を有する燃料電池の評価方法であって、
前記層構成体と、前記電解質の伝導種の燃料ガスの供給を受け該ガスを一方の前記電極に送る燃料ガス供給層と、前記伝導種の酸化に寄与する物質を含有する酸化ガスの供給を受け該ガスを他方の前記電極に送る酸化ガス供給層とを含む電池構成部材のそれぞれについて、その厚さ方向における熱伝導特性を測定する工程と、
前記電池構成部材のそれぞれの熱伝導特性を前記燃料ガス供給層と前記酸化ガス供給層とで前記層構成体を接合・挟持したガス供給層含有構造体の熱伝導特性に対応付けた第1特性対応と、前記測定した前記電池構成部材それぞれについての前記熱伝導特性とに基づいて、前記ガス供給層含有構造体の熱伝導特性を推定する工程と、
前記ガス供給層含有構造体の熱伝導特性を前記燃料電池の電池特性に対応付けた第2特性対応と、前記推定した前記ガス供給層含有構造体の熱伝導特性とに基づいて、前記燃料電池の電池特性を評価する工程とを有する
燃料電池の評価方法。 - 電解質を一対の電極で挟持した層構成体を有する燃料電池の評価装置であって、
前記層構成体の層方向における前記燃料電池の熱伝導特性を測定する測定手段と、
前記層構成体の層方向における前記燃料電池の熱伝導特性を前記燃料電池の電池特性に対応付けた特性対応を記憶する特性対応記憶手段と、
前記測定した熱伝導特性と前記記憶した特性対応とに基づいて、前記燃料電池の電池特性を評価する評価手段とを有する
燃料電池の評価装置。 - 電解質を一対の電極で挟持した層構成体を有する燃料電池であって、
請求項1ないし請求項4いずれかの燃料電池の評価方法で求めた前記層構成体の層方向における前記燃料電池の熱伝導特性が、1.0x10−7[m2/s]以上の熱伝導率を有する燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005365193A JP2006202735A (ja) | 2004-12-20 | 2005-12-19 | 燃料電池の電池特性評価 |
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JP2004367688 | 2004-12-20 | ||
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Family
ID=36960523
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009087742A (ja) * | 2007-09-28 | 2009-04-23 | Dainippon Printing Co Ltd | 固体アルカリ形燃料電池用セル |
US8620637B2 (en) | 2008-02-12 | 2013-12-31 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Fuel cell simulator and fuel cell |
-
2005
- 2005-12-19 JP JP2005365193A patent/JP2006202735A/ja active Pending
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