JP2006202377A - 光ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】多層光ディスクを駆動する光ディスク装置において、他層の記録部/未記録部境界でのトラッキング特性を向上する。
【解決手段】多層の光ディスク10の記録又は再生を行う際に、サーボプロセッサ30は、他層の記録部/未記録部の境界において正のオフセットあるいは負のオフセットを付加して境界におけるトラッキングエラー信号のバランスずれを補正する。オフセットの極性は、システムコントローラ32が他層の記録部の位置及び光ピックアップの半径方向の移動方向に基づき設定する。
【選択図】図1
【解決手段】多層の光ディスク10の記録又は再生を行う際に、サーボプロセッサ30は、他層の記録部/未記録部の境界において正のオフセットあるいは負のオフセットを付加して境界におけるトラッキングエラー信号のバランスずれを補正する。オフセットの極性は、システムコントローラ32が他層の記録部の位置及び光ピックアップの半径方向の移動方向に基づき設定する。
【選択図】図1
Description
本発明は光ディスク装置、特に多層光ディスクに対してデータの記録/再生を行う際のトラッキング制御に関する。
複数の記録層を積層して記憶容量を増大させた多層光ディスクが知られている。レーザ光照射面側から近い順に第1記録層及び第2記録層と称すると、第2記録層に対しては第1記録層を透過した光でデータの記録/再生を行うこととなるため、第1記録層の透過率に応じて記録/再生特性が変化する。したがって、第1記録層が未記録状態が既記録状態かで、データの記録/再生特性を切り替える必要がある。また、他層の反射光に対しても同様の影響を受けるため、第1記録層に対してデータの記録/再生を行う場合も、同様にデータの記録/再生特性を切り替える必要がある。
下記の特許文献では、多層光ディスクに情報を記録する際に、各記録層の反射率や透過率が変動する場合であっても、正確なトラッキングエラーを検出する技術が開示されている。未記録部分と既記録部分の境界を検出し、着目する層に記録するときに他層の境界部によるトラッキングサーボへの影響度合いが大きい領域での記録は行わないようにすることが記載されている。
一方、第2記録層に対してデータの記録/再生を行うために所定のアドレスに光ピックアップ(光ヘッド)をシークさせる際に第1記録層の境界領域を通過すると、この境界領域においてトラッキングエラー信号が変動するため、シーク動作が不安定となる問題がある。また、シーク完了後、所望のアドレスまでトラックに沿って光ピックアップをトレースする場合も同様であり、第1記録層の境界領域の存在によりトラッキングエラー信号の変動によるトラッキングサーボ動作が不安定となる。
本発明の目的は、他層の記録状態によらずシーク動作やトレース動作を安定して行い、もって着目記録層に対するデータの記録/再生特性を向上させる光ディスク装置を提供することにある。
本発明は、少なくとも第1記録層及び第2記録層を有する多層光ディスクに対してデータの記録又は再生を行う光ディスク装置であって、データの記録又は再生を行う層を第2記録層とした場合に、前記第2記録層に照射したレーザ光の戻り光からトラッキングエラー信号を生成する手段と、レーザ光が前記第1記録層における未記録領域と記録領域との境界領域に位置することを検出する手段と、前記境界領域に位置することが検出されたときに、前記トラッキングエラー信号にオフセット信号を付加して前記トラッキングエラー信号を補正する手段とを有する。
また、本発明は、少なくとも第1記録層及び第2記録層を有する多層光ディスクに対してデータの記録又は再生を行う光ディスク装置であって、データの記録又は再生を行う層を第2記録層とした場合に、前記第2記録層に照射したレーザ光の戻り光からトラッキングエラー信号を生成する手段と、レーザ光が前記第1記録層における未記録領域と記録領域との境界領域に位置することを検出する手段と、前記境界領域に位置することが検出されたときに、前記トラッキングエラー信号によるトラッキングサーボ制御を禁止し、前記境界領域以外の位置で前記トラッキングサーボ制御を開始する手段とを有する。
本発明によれば、レーザ光が第1記録層における境界領域に位置する場合に、トラッキングエラー信号にオフセット信号を付加して境界領域におけるトラッキングエラー信号のバランスずれを補正するので、トラッキング制御を安定化できる。また、本発明によれば、レーザ光が第1記録層における境界領域に位置する場合に、トラッキングサーボ制御を禁止するので、例えばシーク動作からトレース動作に移行する場合でも境界領域において移行するのではなく境界領域以外でトレース動作に移行するため、トラッキング制御を安定化できる。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る光ディスク装置の全体構成を示す。DVD−R/−RW、+R/+RW、RAM等の記録可能な光ディスク10はスピンドルモータ(SPM)12により回転駆動される。光ディスク10は多層構造であり、第1の記録層及び第2の記録層を有する。なお、本実施形態では、レーザ光から見て手前側の記録層を第1記録層、奥側の記録層を第2記録層と称する。スピンドルモータSPM12は、ドライバ14で駆動され、ドライバ14はサーボプロセッサ30により所望の回転速度となるようにサーボ制御される。
光ピックアップ16は、レーザ光を光ディスク10に照射するためのレーザダイオード(LD)や光ディスク10からの反射光を受光して電気信号に変換するフォトディテクタ(PD)を含み、光ディスク10に対向配置される。光ピックアップ16はスレッドモータ18により光ディスク10の半径方向に駆動され、スレッドモータ18はドライバ20で駆動される。ドライバ20は、ドライバ14と同様にサーボプロセッサ30によりサーボ制御される。また、光ピックアップ16のLDはドライバ22により駆動され、ドライバ22はオートパワーコントロール回路(APC)24により駆動電流が所望の値となるように制御される。APC24は、光ディスク10のテストエリア(PCA)において実行されたOPC(Optimum Power Control)により選択された最適記録パワーとなるようにドライバ22の駆動電流を制御する。OPCは、光ディスク10のPCAに記録パワーを複数段に変化させてテストデータを記録し、該テストデータを再生してその信号品質を評価し、所望の信号品質が得られる記録パワーを選択する処理である。信号品質には、β値やγ値、変調度、ジッタ等が用いられる。光ディスク10の記録層が第1層及び第2層から構成されている場合、OPCは各記録層毎に実行される。
光ディスク10に記録されたデータを再生する際には、光ピックアップ16のLDから再生パワーのレーザ光が照射され、その反射光がPDで電気信号に変換されて出力される。光ピックアップ16からの再生信号はRF回路26に供給される。RF回路26は、再生信号からフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号を生成し、サーボプロセッサ30に供給する。サーボプロセッサ30は、これらのエラー信号に基づいて光ピックアップ16をサーボ制御し、光ピックアップ16をオンフォーカス状態及びオントラック状態に維持する。また、RF回路26は、再生信号に含まれるアドレス信号をアドレスデコード回路28に供給する。アドレスデコード回路28はアドレス信号から光ディスク10のアドレスデータを復調し、サーボプロセッサ30やシステムコントローラ32に供給する。また、RF回路26は、再生RF信号を2値化回路34に供給する。2値化回路34は、再生信号を2値化し、得られた8−16変調信号をエンコード/デコード回路36に供給する。エンコード/デコード回路36では、2値化信号を8−16復調及びエラー訂正して再生データを得、当該再生データをインタフェースI/F40を介してパーソナルコンピュータなどのホスト装置に出力する。なお、再生データをホスト装置に出力する際には、エンコード/デコード回路36はバッファメモリ38に再生データを一旦蓄積した後に出力する。
光ディスク10にデータを記録する際には、ホスト装置からの記録すべきデータはインターフェースI/F40を介してエンコード/デコード回路36に供給される。エンコード/デコード回路36は、記録すべきデータをバッファメモリ38に格納し、当該記録すべきデータをエンコードして8−16変調データとしてライトストラテジ回路42に供給する。ライトストラテジ回路42は、変調データを所定の記録ストラテジに従ってマルチパルス(パルストレーン)に変換し、記録データとしてドライバ22に供給する。記録ストラテジは、例えばマルチパルスにおける先頭パルスのパルス幅や後続パルスのパルス幅、パルスデューティから構成される。記録ストラテジは記録品質に影響することから、通常はある最適ストラテジに固定される。OPC時に記録ストラテジを併せて設定してもよい。記録データによりパワー変調されたレーザ光は光ピックアップ16のLDから照射されて光ディスク10にデータが記録される。データは、記録パワーのレーザ光を照射して形成されるマーク部と、記録パワー以外のレーザ光(再生パワーやゼロパワーあるいはイレースパワー)が照射されるだけのスペース部の長さ、すなわちマークの前端及び後端のエッジ位置により記録されるマークエッジ方式である。データを記録した後、光ピックアップ16は再生パワーのレーザ光を照射して当該記録データを再生し、RF回路26に供給する。RF回路26は再生信号を2値化回路34に供給し、2値化された8−16変調データはエンコード/デコード回路36に供給される。エンコード/デコード回路36は、8−16変調データをデコードし、正常にデコードできない場合は交替処理を行う。具体的には、バッファメモリ38に記憶されている記録済みデータを交替領域へ記録する。
なお、光ディスク10にデータを記録する際には、ホスト装置からのライトコマンド及びこれに付随する記録すべきデータを受信し、指定されたアドレスに光ピックアップ16をシークさせて記録動作に移行する。より詳しくは、スレッドモータ18により光ピックアップ16を所望のアドレス近傍までシークさせ、その後光ディスク10のトラックに沿って数トラック分だけトレースして所望のアドレスに到達する。所望のアドレスに到達した後、ライトストラテジ回路42から記録データをドライバ22に供給して光ディスク10にデータを記録する。
第2記録層に対してデータの記録(あるいは再生)を行う場合、プッシュプル法を用いてトラッキングエラー信号を生成してサーボプロセッサ30に供給する。このとき、レーザ光から見て手前側に位置する第1記録層が未記録状態か記録状態かで第1記録層の透過率が変化する。したがって、光ピックアップ16内のフォトディテクタにおける内周側フォトディテクタと外周側フォトディテクタの差分演算でトラッキングエラー信号を生成すると、未記録部と記録部の境界領域においてトラッキングエラー信号のバランスがずれることになる。このトラッキングエラー信号のバランスずれによりトレース動作時(オントラック状態)ではトラッキングサーボはずれが生じ、シーク動作時ではトラッキングサーボの引き込み失敗が生じ得る。
一方、第1記録層の未記録部と記録部の境界領域においては、光ピックアップ16のディテクタの和信号(RF和信号)のピークレベルが変動する。例えば、DVD+Rディスクでは第1記録層の記録部において第2記録層からの戻り光のRF和信号レベルは低下し、第1記録層の未記録部において第2記録層からの戻り光のRF和信号レベルは増大する。したがって、RF和信号のレベル変化を検出することで、レーザ光が第1記録層の境界領域に位置しているか否かを検出することができる。
本実施形態では、この事実を利用し、第2記録層に対してデータの記録/再生を行う際にレーザ光が第1記録層の境界領域に位置しているか否かを検出し、境界領域に位置している場合には、トラッキングエラー信号のバランスずれ(不要なオフセット分)を補正すべくトラッキングエラー信号に補正用のオフセットを付加する。第1記録層の境界領域に位置しているか否かは、RF和信号に基づいてRF回路26内の検出ブロックが検出してサーボプロセッサ30に供給する。もちろん、RF回路26とは別個に検出ブロックを設けてもよい。
図2は、他層(第2記録層に記録/再生する場合の第1記録層)の記録状態に依存したトラッキングエラー信号(TE)及びRF和信号(RF)の変化を示す。図2(a)は、他層に未記録部及び記録部が存在し、レーザ光が未記録部から記録部に移行するときのTE及びRF変化(トラッキングサーボOFF)を示す。RF和信号に着目すると、他層未記録部でレベルが大きく、他層記録部でレベルが小さくなる。TEに着目すると、他層未記録部と他層記録部との間に存在する境界領域においてバランスがずれている。図では、TEのバランスが+側にずれている(不要なオフセットが+側に出現する)。図2(b)は、境界領域トレース時(トラッキングサーボON)における拡大されたトラッキングエラー信号(TE)及びRF和信号(RF)を示す。境界領域通過中は、図示のようにRF和信号は細かく変動し、レベルの高い状態と低い状態が交互に出現する。レベルの高い状態が他層未記録部に相当し、レベルの低い状態が他層記録部に相当する。このように細かくレベルが変動するのは、境界領域においては第1記録層と第2記録層の偏心によりレーザ光が境界領域において未記録部と記録部との間を行き来するからである。
図3は、境界領域におけるレーザ光の様子を示す。自層(第2記録層)のあるトラックをトレースする場合、他層(第1記録層)トラックは、両層の相対的偏心に起因して波打つように見える(なお、図では各層のウォブル成分は説明の都合上省略している)。波打ちの度合いは、両層の相対的偏心101の程度で決まる。他層トラックが波打っているため、他層の未記録部と記録部の境界100も波打つことになる。自層のトラックをトレースするレーザ光は、この波打つ境界に沿って移動するため、あるときには他層の記録部に位置し、次に境界上に位置し、次に他層の未記録部に位置し、次に境界上に位置し、次に他層の記録部に位置するように移動する。図において、レーザ光が境界上に位置する位置102、104において、トラッキングエラー信号のバランスがずれる。トラッキングエラー信号はプッシュプル信号から得られるが、半径方向に分割されたフォトディテクタのそれぞれの戻り光量が未記録状態と記録状態とで変化するからである。
図4は、第2記録層に対してデータの記録/再生を行う際にレーザ光が第1記録層の境界に位置するか否かを検出するための検出ブロック48の構成を示す。検出ブロック48は、ピーク検波回路50、微分回路52、コンパレータ54、56及びORゲート58を有する。
ピーク検波回路50は、入力されたRF和信号を検波し、RF和信号のピークレベルを微分回路52に供給する。
微分回路52は、RF和信号のピークレベル信号を微分し、微分信号をコンパレータ56(コンパレータ1)の非反転入力端子とコンパレータ54(コンパレータ2)の反転入力端子に供給する。コンパレータ56の反転入力端子には所定のスライスレベル1(SL1)が供給され、コンパレータ54の非反転入力端子には所定のスライスレベル2(SL2)が供給される。スライスレベル1、2は、システムコントローラ32から供給される。
コンパレータ56は、スライスレベル1と微分信号を大小比較し、比較結果をORゲート58の一方の端子に出力する。スライスレベル1<微分信号であればHiの信号を出力する。
コンパレータ54は、微分信号とスライスレベル2を大小比較し、比較結果をORゲート58の他方の端子に出力する。スライスレベル2>微分信号であればHiの信号を出力する。
ORゲート58は、2つの比較結果の論理和を演算して他層境界検出信号として出力する。
図5は、図4の各部の信号波形を示す。図5(a)はピーク検波回路50からの出力波形(図4a部)である。上記のように、他層未記録部でレベルが上がり、他層記録部でレベルが下がる。図5(b)は微分回路52からの出力波形(図4b部)である。RF和信号の変化点においてピークが生じる。コンパレータ56では微分波形の+側ピークをスライスレベル1(SL1)と比較し、コンパレータ54では微分波形の−側ピークをスライスレベル2(SL2)と比較する。図5(c)はコンパレータ56からの出力波形(図4c部)であり、図5(d)はコンパレータ54からの出力波形(図4d部)からの出力波形である。微分信号の+側ピーク及び−側ピークに対応したパルスがそれぞれ生成される。図5(e)はORゲート58からの出力波形(図4e部)であり、他層境界検出信号の信号波形である。RF和信号のレベルが変化する点においてパルスが生成される信号となる。サーボプロセッサ30は、この他層境界検出信号のパルスに同期して、トラッキングエラー信号のバランスずれを補正すべくオフセットを付加する。
なお、トラッキングエラー信号は上記のようにプッシュプル信号で生成されるから、境界領域におけるトラッキングエラー信号のバランスのずれ方向は、他層の記録部が内周側にあるのか外周側にあるかで変化する。例えば、他層の記録部が内周側に存在する場合には+側にずれ、他層の記録部が外周側に存在する場合には−側にずれる。したがって、他層の記録部が内周側にあるのか外周側にあるのかを事前に把握し、レーザ光が境界領域に位置することを検出した場合であって他層の記録部が内周側にあるときには+側のずれを補正すべく負のオフセット値を付加し、他層の記録部が外周側にあるときには−側のずれを補正すべく正のオフセットを付加する。より詳しくは、例えば、
<現在地における他層側が未記録部の場合>
内周から外周への移動→正のオフセットを付加(他層境界通過時は外周側が記録部)
外周から内周への移動→負のオフセットを付加(他層境界通過時は内周側が記録部)
<現在地における他層側が記録部の場合>
内周から外周への移動→負のオフセットを付加(他層境界通過時は内周側が記録部)
外周から内周への移動→正のオフセットを付加(他層境界通過時は外周側が記録部)
のように補正する。正負のオフセットの絶対値は同一でよく、所定の絶対値を有するオフセットの極性を他層の記録部の位置に応じて切り替えればよい。他層の記録部が内周側にあるか外周側にあるかは、光ディスク10が装着され装置が起動された後に第1記録層を走査して取得する。他層の記録状態(記録部が内周側にあるか外周側にあるか)はシステムコントローラ32のメモリに格納する。
<現在地における他層側が未記録部の場合>
内周から外周への移動→正のオフセットを付加(他層境界通過時は外周側が記録部)
外周から内周への移動→負のオフセットを付加(他層境界通過時は内周側が記録部)
<現在地における他層側が記録部の場合>
内周から外周への移動→負のオフセットを付加(他層境界通過時は内周側が記録部)
外周から内周への移動→正のオフセットを付加(他層境界通過時は外周側が記録部)
のように補正する。正負のオフセットの絶対値は同一でよく、所定の絶対値を有するオフセットの極性を他層の記録部の位置に応じて切り替えればよい。他層の記録部が内周側にあるか外周側にあるかは、光ディスク10が装着され装置が起動された後に第1記録層を走査して取得する。他層の記録状態(記録部が内周側にあるか外周側にあるか)はシステムコントローラ32のメモリに格納する。
以下、第2記録層に対してデータの記録/再生を行う際のトラッキングエラー信号のオフセット補正をシーク動作時とトレース時に分けて説明する。
<シーク動作時>
図6は、サーボプロセッサ30内に設けられるオフセット補正ブロックの構成を示す。オフセット補正ブロックは、ジャンプ方向(シーク方向)検出回路60、EXORゲート62、スイッチ68(SW1)、70(SW2)及び加算器64を有する。
図6は、サーボプロセッサ30内に設けられるオフセット補正ブロックの構成を示す。オフセット補正ブロックは、ジャンプ方向(シーク方向)検出回路60、EXORゲート62、スイッチ68(SW1)、70(SW2)及び加算器64を有する。
トラッキングエラー信号(デフォルトのオフセット値が設定されている場合には、そのデフォルトオフセット値が付加済みのトラッキングエラー信号)は加算器64及びジャンプ方向検出回路60に供給される。また、半径方向のコントラストを示すラジアルコントラスト信号がジャンプ方向検出回路60に供給される。
ジャンプ方向検出回路60は、トラッキングエラー信号とラジアルコントラスト信号に基づいて光ピックアップ16のジャンプ方向を検出する。ジャンプ方向検出回路60は、トラッキングエラー信号とラジアルコントラスト信号の位相を比較し、トラッキングエラー信号に対するラジアルコントラスト信号の位相ずれ方向(進み/遅れ)を検出してジャンプ方向を検出する。ラジアルコントラスト信号は、RF和信号のAC成分から生成される信号で、グルーブレベル(オントラックレベル)とランドレベルが交互に出現する信号である。外周へジャンプするときにラジアルコントラスト信号の位相はトラッキングエラー信号よりも90度遅れ、内周へジャンプするときにラジアルコントラスト信号の位相はトラッキングエラー信号よりも90度進む。両信号の位相差をフリップフロップ等で検出することで、ジャンプ方向を検出できる。現在のアドレスと記録又は再生すべきデータの目的アドレスからジャンプ方向を検出してもよい。ジャンプ方向検出回路60からの信号、すなわち内周から外周へのシークであるか、あるいは外周から内周へのシークであるかを示す信号は、EXORゲート62の一方の端子に供給される。
一方、システムコントローラ32のメモリには、上記のように起動時に他層(第1記録層)の記録されているエリアのアドレス情報が格納されているため、システムコントローラ32はこのアドレス情報を読み出して、現在地の他層側が記録部か未記録部かを示す信号をEXORゲート62の他方の端子に供給する。
EXORゲート62は、ジャンプ方向信号と他層記録状態信号との排他的論理和演算を行い、その結果をスイッチ切替信号としてスイッチ68に供給する。例えば、ジャンプ方向信号として内周から外周へのシークを「0」、外周から内周へのシークを「1」とし、他層記録状態信号として未記録部を「0」、記録部を「1」とすると、EXORゲート62は図7に示すようにこれらの値に応じて「0」又は「1」の信号を出力する。「0」をオフセットの極性が正、「1」をオフセットの極性が負と決めておき、スイッチ68はこの切替信号の値に応じて接点を切り替える。
スイッチ68の一方の接点には補正用オフセット(正のオフセット)が供給され、スイッチ68の他方の接点にはインバータ66でその極性が反転されたオフセット(負のオフセット)が供給される。スイッチ68aは、EXORゲート62からの切替信号の値が「0」であれば接点を正のオフセット側に切り替え、切替信号の値が「1」であれば接点を負のオフセット側に切り替える。正あるいは負のオフセットはスイッチ70に供給される。
スイッチ70には図4に示す検出ブロック48からの他層境界検出信号が切替信号として供給される。スイッチ70は、他層境界検出信号がHiのときに接点をONとし、他層境界検出信号がLowのときに接点をOFFとする。したがって、他層境界検出信号がHiのタイミングで正あるいは負のオフセットが加算器64に供給され、加算器64でトラッキングエラー信号に付加されてサーボ系に供給される。
以上のようにして、レーザ光が他層境界領域に位置する場合に、他層記録部の位置及びジャンプ方向(シーク方向)に応じた極性のオフセットが付加され、トラッキングエラー信号のバランスずれが補正される。
上記の例では、トラッキングのバランスずれを補正したが、レーザ光が他層境界に位置する場合にトラッキングのバランスずれを補正するのではなく、トラッキングエラー信号を用いたトラッキングの引き込み自体を禁止することも可能である。シーク動作からトレース動作に移行する際に、レーザ光が他層境界領域に位置すると判定された場合、トラッキングサーボ制御によるシーク動作からトレース動作への移行を禁止する。トラッキングサーボの開始、つまりトラッキングの引き込みは、他層境界領域より内周側の位置で実行する。具体的な回路構成の一例を図8に示す。システムコントローラ32はサーボプロセッサ30にトラッキングサーボのON動作を指令するサーボ指令信号をANDゲート71を介して出力する。ANDゲート71の他方の入力端には図4に示す検出ブロック48からの他層境界検出信号がインバータにより反転されて供給される。したがって、ANDゲート71は、サーボ指令信号が出力され、かつ、他層境界でない場合のみサーボプロセッサ30をON動作する。検出ブロック48で他層境界を検出した場合、割り込み信号をシステムコントローラ32に供給し、システムコントローラ32がこの割り込み信号によりトラッキングの引き込みポイントをずらすべくサーボ指令信号の出力タイミングを変更する。
<トレース動作時>
図9は、トレース時におけるオフセット補正ブロックの構成を示す。オフセット補正ブロックは、スイッチ74(SW3)、スイッチ76(SW4)及び加算器78を有する。
図9は、トレース時におけるオフセット補正ブロックの構成を示す。オフセット補正ブロックは、スイッチ74(SW3)、スイッチ76(SW4)及び加算器78を有する。
スイッチ74のそれぞれの接点には、正のオフセット及びインバータ72でその極性が反転された負のオフセットが供給される。スイッチ74は、システムコントローラ32からの切替信号で切替制御される。システムコントローラ32は、他層が記録部か未記録部かを示す信号を切替信号として供給し、例えば記録部の場合には「1」、未記録部の場合には「0」を供給する。スイッチ74は、切替信号が「1」の場合には接点を正のオフセット側に切り替え、切替信号が「0」の場合には接点を負のオフセット側に切り替える。
スイッチ76には、図4に示す検出ブロック48から他層境界検出信号が供給される。他層境界検出信号がHiのタイミングでスイッチ76はONし、正のオフセットあるいは負のオフセットが加算器78に供給される。加算器78は、トラッキングエラー信号に正のオフセットあるいは負のオフセットを付加してサーボ系に供給する。図3に示すように、トレース中は自層と他層の偏心により境界100は蛇行し、レーザ光はあるときは記録部から未記録部に移行し、次のタイミングでは未記録部から記録部に移行する。したがって、現在、記録部に位置するときにはスイッチ74で例えば正のオフセットを出力するようにして記録部から未記録部に移行するときの他層境界において正のオフセットを付加し、現在、未記録部に位置するときにはスイッチ74で例えば負のオフセットを出力するようにして未記録部から記録部に移行するときの他層境界において負のオフセットを付加する。システムコントローラ32は、検出ブロック48での他層境界検出をモニタリングし、レーザ光が他層境界を越えたと判定したときにオフセットの極性を切り替えるべく切替信号を出力する。すなわち、内周側に記録部が存在する場合、レーザ光が他層境界を最初に超えるまでは切替信号として「1」を出力し、レーザ光が他層境界を越えた後に切替信号を「0」とし、次にレーザ光が他層境界を越えた後に切替信号を「1」とする等である。
以上、シーク動作時とトレース動作時に分けてオフセット補正ブロックの構成を説明したが、サーボプロセッサ30内のオフセット補正ブロックは単一の構成とし、シーク動作時には図6の構成として機能し、トレース動作時には図9の構成として機能する。スイッチ68はトレース動作時にはスイッチ74として機能し、スイッチ70はトレース動作時にはスイッチ76として機能する。EXORゲート62はトレース時にはコントローラ32からの信号をそのままスイッチ68(トレース動作時におけるスイッチ74)に供給するゲートとして機能する。
10 光ディスク、16 光ピックアップ、30 サーボプロセッサ、32 システムコントローラ。
Claims (6)
- 少なくとも第1記録層及び第2記録層を有する多層光ディスクに対してデータの記録又は再生を行う光ディスク装置であって、
データの記録又は再生を行う層を第2記録層とした場合に、
前記第2記録層に照射したレーザ光の戻り光からトラッキングエラー信号を生成する手段と、
レーザ光が前記第1記録層における未記録領域と記録領域との境界領域に位置することを検出する手段と、
前記境界領域に位置することが検出されたときに、前記トラッキングエラー信号にオフセット信号を付加して前記トラッキングエラー信号を補正する手段と、
を有することを特徴とする光ディスク装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記トラッキングエラー信号を補正する手段は、前記第1記録層における記録領域の半径方向位置と前記レーザ光の半径方向の移動方向とに応じた極性で前記オフセット信号を付加することを特徴とする光ディスク装置。 - 請求項2記載の装置において、
前記トラッキングエラー信号を補正する手段は、前記第1記録層における記録領域の半径方向位置が内周側の場合であって、前記レーザ光の半径方向の移動方向が内周から外周に向けて移動する方向であるときに第1の極性とし、前記レーザ光の半径方向の移動方向が外周から内周に向けて移動する方向であるときに第1の極性と反対である第2の極性とし、前記第1記録層における記録領域の半径方向位置が外周側の場合であって、前記レーザ光の半径方向の移動方向が内周から外周に向けて移動する方向であるときに前記第2の極性とし、前記レーザ光の半径方向の移動方向が外周から内周に向けて移動する方向であるときに前記第1の極性とすることを特徴とする光ディスク装置。 - 少なくとも第1記録層及び第2記録層を有する多層光ディスクに対してデータの記録又は再生を行う光ディスク装置であって、
データの記録又は再生を行う層を第2記録層とした場合に、
前記第2記録層に照射したレーザ光の戻り光からトラッキングエラー信号を生成する手段と、
レーザ光が前記第1記録層における未記録領域と記録領域との境界領域に位置することを検出する手段と、
前記境界領域に位置することが検出されたときに、前記トラッキングエラー信号によるトラッキングサーボ制御を禁止し、前記境界領域以外の位置で前記トラッキングサーボ制御を開始する手段と、
を有することを特徴とする光ディスク装置。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の装置において、
前記検出する手段は、前記レーザ光の戻り光を電気信号に変換して得られるRF和信号のレベル変化に基づいて検出することを特徴とする光ディスク装置。 - 請求項5記載の装置において、
前記検出する手段は、
前記RF和信号をピーク検波して検波信号を出力する手段と、
前記ピーク検波信号を微分して微分信号を出力する手段と、
前記微分信号のレベルをしきい値と比較し、その比較結果を境界検出信号として出力する手段と、
を有することを特徴とする光ディスク装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005011347A JP2006202377A (ja) | 2005-01-19 | 2005-01-19 | 光ディスク装置 |
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JP2005011347A JP2006202377A (ja) | 2005-01-19 | 2005-01-19 | 光ディスク装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009157979A (ja) * | 2007-12-26 | 2009-07-16 | Hitachi Ltd | 光ディスク装置 |
US7894317B2 (en) | 2007-03-28 | 2011-02-22 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Optical recording medium recording and reproducing apparatus and tracking control method |
-
2005
- 2005-01-19 JP JP2005011347A patent/JP2006202377A/ja active Pending
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