JP2006201611A - 虚像表示型情報表示システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 使用者が周囲に画像情報を漏洩させずに画像情報を視認することができる虚像表示型情報表示システムを提供する。
【解決手段】 画像表示部6と、画像表示部6からの光を反射するとともに使用者の視線方向の実視野からの光を透過する半透過型光学素子7とを備える表示装置4において、画像表示部6の表示面6aに、第一の偏光状態の光のみ通過させる第一偏光フィルタ21を設け、半透過型光学素子7の画像表示部とは反対側に、第一の偏光状態とは異なる第二の偏光状態の偏光のみ通過させる第二偏光フィルタ22を設ける。
【選択図】 図1

Description

この発明は、虚像表示型情報表示システムに関するものである。
虚像表示型情報表示システムは、画像表示部とこの画像表示部の発する光を反射する半透過型光学素子とを備える表示装置によって、使用者からみて半透過型光学素子よりも遠方に画像情報の虚像を表示させるものである。
このような虚像表示型情報表示システムとしては、例えば後記の特許文献1に記載の表示装置付き携帯情報装置等が知られている。
この表示装置付き携帯情報装置は、表示素子とその表示像を拡大投影するホログラム素子とを備えるものである。また、この表示装置付き携帯情報装置は、遠方の物体の透過像を表示素子上の拡大表示像と重畳して観察することができるようになっている。
特開2001−308997号公報(第1欄第43行〜第50行、第2欄第41行〜第3欄第11行、図1等)
しかし、特許文献1に記載の表示装置付き携帯情報装置では、表示素子の表示像をホログラム素子に投影するために、表示素子の表示面は、使用者の側方または前方に向けられる。このため、使用者の側方または前方から、容易に表示素子の表示像を視認することができてしまう。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、使用者が画像情報を漏洩させずに視認することができる虚像表示型情報表示システムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明は、画像表示部と、該画像表示部からの光を反射するとともに使用者の視線方向の実視野からの光を透過する半透過型光学素子とを備える表示装置によって、前記使用者からみて前記半透過型光学素子よりも遠方に前記画像表示部の表示する画像情報の虚像を表示する虚像表示型情報表示システムであって、前記画像表示部の表面に、視野角を制限する表示部側ルーバー状光学素子が設けられている虚像表示型情報表示システムを提供する。
このように構成される虚像表示型情報表示システムでは、画像表示部から発せられた光は、半透過型光学素子によって光学的作用を受けて使用者に向けて反射される。これにより、画像表示部の表示する画像情報が、使用者からみて半透過型光学素子よりも視線方向遠方に虚像として拡大表示される。
この虚像表示型情報表示システムでは、画像表示部の表示面に設けられた表示部側ルーバー状光学素子によって、画像表示部の視野角が制限されるので、表示部側ルーバー状光学素子によって視認が制限されている方向から画像表示部の表示画像を視認することが困難である。
また、表示部側ルーバー状光学素子は、画像表示部から半透過型光学素子に向かう光を遮らないので、表示装置が表示する虚像の明るさが維持されて、虚像を良好に視認することができる。
この虚像表示型情報表示システムにおいて、前記表示部側ルーバー状光学素子が、複数の矩形板状の遮光部と、透光部とを交互に配置してなり、前記遮光部がルーバーを構成していてもよい。
ここで、透光部は、開口部としてもよく、また、透明なシート等によって構成してもよい。
透光部を開口部とした場合には、画像表示部の発する光が表示部側ルーバー状光学素子による影響を受けずにそのまま通過するので、画像表示部の画像が歪むなどの画質の劣化が生じない。
また、透光部を透明なシート等によって構成した合には、遮光部と透光部とを交互に積層することによって、表示部側ルーバー状光学素子を容易に製造することができるので、虚像表示型情報表示システムの製造コストが低くて済む。
また、遮光部同士の間に設けられた透光部によって遮光部が補強されるので、表示部側ルーバー状光学素子の強度を確保することができる。
この虚像表示型情報表示システムにおいて、前記各遮光部の長手方向が前記表示装置の観察光軸を含む平面に平行であってもよい。
この場合には、表示装置の観察光軸を含む平面に対して傾斜する方向から画像表示部の表示画像を視認することが困難となる。
ここで、画像表示部の中心から発する光が半透過型光学素子で反射して観察位置(使用者の網膜)の中心に至る光線の軌跡を、表示装置の観察光軸という。
この虚像表示型情報表示システムにおいて、前記各遮光部の長手方向が前記表示装置の観察光軸を含む平面に直交していてもよい。
この場合には、観察光軸を含む平面に沿った方向でかつ観察光軸に対して傾斜する方向から、画像表示部の表示画像を視認することが困難となる。
この虚像表示型情報表示システムにおいて、前記各遮光部の短手方向が、前記画像表示部と前記半透過型光学素子との間における前記表示装置の前記観察光軸に平行であってもよい。
この場合には、画像表示部の表示画像を視認することができる範囲がより狭くなる。
この虚像表示型情報表示システムにおいて、前記各遮光部の短手方向が、前記画像表示部から離間するにつれて前記画像表示部と前記半透過型光学素子との間における前記表示装置の前記観察光軸に近接する方向に向いていてもよい。
この場合には、画像表示部の表示画像を視認することができる範囲がより狭くなる。
ここで、観察光軸に対する各遮光部の傾斜角度は任意であり、全ての遮光部について傾斜角度を等しくしてもよく、また、観察光軸から離間している遮光部ほど傾斜角度が大きくなるようにしてもよい。
この虚像表示型情報表示システムにおいて、前記半透過型光学素子の前記画像表示部とは反対側の面に、第二のルーバー状光学素子が設けられていてもよい。
この虚像表示型情報表示システムにおいても、第二のルーバー状光学素子が、使用者の視線方向前方から使用者の瞳に向かう光の通過を許容するので、使用者による半透過型光学素子越しの実視野内の観察が可能である。
本発明に係る虚像表示型情報表示システムでは、表示装置の動作原理上、画像表示部が、半透過型光学素子に対して、使用者の視線方向とは交差する方向に位置している。このため、画像表示部から半透過型光学素子を通じて第二のルーバー状光学素子に達した光の通過が規制されて、使用者以外の人物には半透過型光学素子越しに画像表示部の表示画像を視認することが困難となる。
この虚像表示型情報表示システムにおいて、前記表示部側ルーバー状光学素子と前記第二のルーバー状光学素子とは、それぞれの前記遮光部の長手方向の向きが異なっていてもよい。
この場合には、画像表示部の表示画像を視認することができる範囲がより狭くなる。
また、本発明は、画像表示部と、該画像表示部からの光を反射するとともに使用者の視線方向の実視野からの光を透過する半透過型光学素子とを備える表示装置によって、前記使用者からみて前記半透過型光学素子よりも遠方に前記画像表示部の表示する画像情報の虚像を表示する虚像表示型情報表示システムであって、前記画像表示部の表示面に、第一の偏光状態の光のみ通過させる第一偏光フィルタが設けられ、前記半透過型光学素子の前記画像表示部とは反対側に、前記第一の偏光状態とは異なる第二の偏光状態の偏光のみ通過させる第二偏光フィルタが設けられている虚像表示型情報表示システムを提供する。
このように構成される虚像表示型情報表示システムでは、画像表示部の表示面に第一偏光フィルタが設けられているので、画像表示部からは、第一の偏光状態の光のみが外部に送出される。
画像表示部から発せられて第一偏光フィルタを通過した光は、半透過型光学素子によって光学的作用を受けて使用者に向けて反射される。これにより、画像表示部の表示する画像情報が、使用者からみて半透過型光学素子よりも視線方向遠方に虚像として拡大表示される。
半透過型光学素子には、画像表示部とは反対側に第二偏光フィルタが設けられているので、画像表示部側から半透過型光学素子に入射した光のうち、第一の偏光状態とは異なる第二の偏光状態の光のみが半透過型光学素子を通過する。すなわち、画像表示部が発する光がこの第二偏光フィルタに遮られるので、画像表示部の表示画像は、半透過型光学素子越しには視認することができない。
ここで、第一の偏光状態の偏光とは、直線偏光や円偏光、楕円偏光のいずれかの偏光である。また、第二の偏光状態とは、第一の偏光状態が直線偏光である場合には第一の偏光状態に対して偏光方向が交差または直交する直線偏光であり、第一の偏光状態が円偏光または楕円偏光である場合には、第一の偏光状態に対して回転方向が逆向きとなる円偏光または楕円偏光である。
また、このように半透過型光学素子に第二偏光フィルタが設けられていることにより、使用者の視線方向遠方から半透過型光学素子越しに使用者の瞳に入射する光が減光される。
これにより、使用者は、画像表示部から発せられて半透過型光学素子によって反射された光をより強く認識することができ、表示装置の表示する虚像をより鮮明な画像として視認することができる。
本発明に係る虚像表示型情報表示システムでは、画像情報を他者に見られにくいので、使用者が周囲に画像情報を漏洩させずに画像情報を視認することができる。
[第一実施形態]
この発明の第一実施形態に係る虚像表示型情報表示システムについて、図1及び図2を参照して説明する。本実施形態では、本発明を、画像情報を使用者の実視界上に重畳させる携帯型情報端末に適用した例を示す。
図1に示すように、本実施形態に係る虚像表示型情報表示システム1は、この虚像表示型情報表示システム1の構成部品(例えば電子回路等)が内蔵される筐体2と、画像情報を使用者の実視界上に重畳させる表示装置4とを有している。
筐体2は、略長方形平板形状をなしており、その一端側には、筐体2を厚み方向に貫く開口部2aが設けられている。以下、筐体2の周面のうち、開口部2aの一方の開口端が形成される周面を正面2bとし、他方を背面2cとし、残りの周面(厚み方向に略平行な周面)をそれぞれ側面2dとする。
筐体2の他端側は、虚像表示型情報表示システム1の持ち手を構成している。ここで、この虚像表示型情報表示システム1は、使用者が一端側を視線方向前方に位置するようにして他端側を片手で保持しつつ、正面2bの他端側を自身の側頭部等に当接させることで、虚像表示型情報表示システム1を自身の頭部に対して位置決めして、安定した保持を実現することができる。
また、筐体2の他端側には、虚像表示型情報表示システム1を操作するための操作部(示せず)が設けられており、使用者が虚像表示型情報表示システム1を保持している手で虚像表示型情報表示システム1を操作することができるようになっている。
表示装置4は、筐体2の一端側に設けられるものであって、筐体2の背面2c側に設けられる画像表示部6と、筐体2の正面2b側に設けられて開口部2aを通じて画像表示部6から入射した光を他端側に向けて反射するとともに使用者の視線方向の実視野からの光を透過する半透過型光学素子7とを有している。
表示装置4は、筐体2の他端側を側頭部等に当接させて表示装置4の観察光軸A上に瞳を位置させている使用者からみて、その視線方向(筐体2の一端が向けられた方向)の半透過型光学素子7よりも遠方に、画像情報の虚像を表示させるものである。
ここで、画像表示部6の表示する画像情報のデータは、図示せぬ記憶装置内に格納されている。画像表示部6が表示する画像情報は、使用者が適宜選択するか、もしくは予め設定された条件に基づいて自動的に選択されるようになっている。
画像表示部6は、例えば液晶表示パネルや有機EL表示パネル等のいわゆる薄型ディスプレイによって構成されており、筐体2にヒンジ11を介して取り付けられている。本実施形態では、画像表示部6は、略長方形平板形状をなしており、その片面側が画像情報の表示される略長方形状の表示面6aとされている。また、表示面6aは、図1において長辺が紙面に略平行となる向きに向けられている(言い換えれば、表示面6aは、図1において短辺が紙面に略直交する向きに向けられている)。
画像表示部6は、その一短辺を、筐体2の開口部2aの縁部のうち、一端側の縁部に対してヒンジ11を介して接続されており、筐体2の短手方向に略平行な揺動軸線回りに揺動可能とされている。
この虚像表示型情報表示システム1では、画像表示部6を筐体2に対して揺動させることで、筐体2に対する画像表示部6の位置及び姿勢を変更することができるようになっている。
そして、表示装置4の使用時には、画像表示部6の表示面6aを筐体2の正面2b側の一端寄りに向けて(言い換えれば筐体2の一端側の正面2b寄りに向けて)、画像表示部6を半透過型光学素子7に対して略平行にすることで、画像表示部6の発する光が開口部2aを通じて半透過型光学素子7に入力される。また、表示装置4を使用しない場合には、画像表示部6を揺動させて、画像表示部6を筐体2の開口部2a内に収納することで、虚像表示型情報表示システム1の外形寸法を小さくすることができる。
半透過型光学素子7は、凹曲面状の反射面7aを有する部材であって、開口部2aを通じて入射した画像表示部6からの光を、反射面7aによって筐体2の他端側に向けて反射させることによって、他端側を頭側部に当接させた状態の使用者からみて半透過型光学素子7よりも遠方に、画像情報の虚像を表示するものである。
半透過型光学素子7において、反射面7aが形成される領域は、使用者の実視界からの光を透過させる構成とされており、使用者は、半透過型光学素子7を通じて視線方向遠方の景色も視認することができるようになっている。すなわち、この虚像表示型情報表示システム1では、使用者の実視界上に表示装置4が表示する虚像が重畳される。
本実施形態では、半透過型光学素子7は、アクリルやポリカーボネート等の透明な材質からなる略長方形板状の部材であって、その片面側に金属膜等の反射層が形成されていて、ハーフミラーとして機能する。この反射層の表面が、画像表示部6から入射した光線を表面で反射させる反射面7aとされている。
また、半透過型光学素子7は、一方の短辺がヒンジ16を介して筐体2の一端近傍に接続されており、筐体2の短手方向に略平行な揺動軸線回りに揺動することができるようになっている。すなわち、反射面7aは、図1において長辺が紙面に略平行となる向きに向けられている(言い換えれば、反射面7aは、図1において短辺が紙面に略直交となる向きに向けられている)。
そして、表示装置4の使用時には、図1に示すように、反射面7aが使用者に向くように筐体2の正面2bに対して開くことで、画像表示部6から発せられた光が使用者に向けて反射される。
また、表示装置4を使用しない場合には、半透過型光学素子7を筐体2の正面2bに沿うように折り畳むことで、虚像表示型情報表示システム1の外形寸法を小さくすることができる。
また、反射面7aは、長手方向及び短手方向にそれぞれ曲率を有する凹曲面状に形成されており、表示装置4においては、画像表示部6が発する光線を使用者に向けて反射し、虚像の観察を可能にする凹面鏡として機能する。
さらに、反射面7aは、長手方向においてヒンジ16との接続端から離間するにつれて次第に曲率が増大させられており、これによって反射面7aの長手方向の各部における画像表示部6の表示面6aまでの距離の差によって生じる収差が解消されて、歪みのない画像情報の虚像が形成されるようになっている。
また、半透過型光学素子7は、反射面7aが形成される領域の肉厚が均一とされている。これによって、視線方向遠方から使用者に向けて半透過型光学素子7に入射した光線は、半透過型光学素子7によって屈折させられることなく、使用者の瞳に入射することとなり、使用者が視線方向遠方の景色を歪みなく良好に視認することができる。
さらに、この虚像表示型情報表示システム1には、画像表示部6の表示面6aに、第一の偏光状態の光のみ通過させる第一偏光フィルタ21が設けられるとともに、半透過型光学素子7の画像表示部6とは反対側に、第一の偏光状態とは異なる第二の偏光状態の偏光のみ通過させる第二偏光フィルタ22が設けられている。
ここで、第一の偏光状態の偏光とは、直線偏光や円偏光、楕円偏光のいずれかの偏光である。また、第二の偏光状態とは、第一の偏光状態が直線偏光である場合には第一の偏光状態に対して偏光方向が交差する(好ましくは直交する)直線偏光であり、第一の偏光状態が円偏光または楕円偏光である場合には、第一の偏光状態に対して回転方向が逆向きとなる円偏光または楕円偏光である。
本実施形態では、第一の偏光状態を、画像表示部6の長手方向(図2に矢印αで示す方向)に偏光する直線偏光とし、第二の偏光状態を、半透過型光学素子7の短手方向(図2に矢印βで示す方向、すなわち第一の偏光状態と略直交する方向)に偏光する直線偏光としている。
このように構成される虚像表示型情報表示システム1では、画像表示部6の表示面6aに第一偏光フィルタ21が設けられているので、画像表示部6からは、第一の偏光状態の光のみが外部に送出される。
半透過型光学素子7には、画像表示部6とは反対側に第二偏光フィルタ22が設けられているので、画像表示部6側から半透過型光学素子7に入射した光のうち、第一の偏光状態とは異なる第二の偏光状態の光のみが半透過型光学素子7を通過する。すなわち、画像表示部6が発する光は、全てこの第二偏光フィルタ22に遮られて、画像表示部6の表示画像を半透過型光学素子7越しには視認することができないので、使用者が周囲に画像情報を漏洩させずに画像情報を視認することができる。
また、このように半透過型光学素子7に第二偏光フィルタ22が設けられていることにより、使用者の視線方向遠方から半透過型光学素子7越しに使用者の瞳に入射する光が減光される。
これにより、使用者は、画像表示部6から発せられて半透過型光学素子7によって反射された光をより強く認識することができ、表示装置4の表示する虚像をより鮮明な画像として視認することができる。
[第二実施形態]
以下、この発明の第二実施形態に係る虚像表示型情報表示システムについて、図3及び図4を用いて説明する。ここで、図3及び図4では、本実施形態に係る虚像表示型情報システム31のうちの特徴部分のみ図示した。
本実施形態に係る虚像表示型情報表示システム31は、第一実施形態で示した虚像表示型情報表示システム1において、第一、第二偏光フィルタ21,22を設ける代わりに、画像表示部6の表示面6aに、表示装置4の観察光軸Aに略平行なルーバーLが複数配列された表示部側ルーバー状光学素子32が設けられていることを主たる特徴とするものである。
表示部側ルーバー状光学素子32は、画像表示部6の表示面6aに沿って設けられるフィルム状の部材であって、その面に沿って多数の略長方形板状のルーバーLが互いに略平行に配列されている。
本実施形態では、表示部側ルーバー状光学素子32は、観察光軸A及び画像表示部6の長手方向に略平行なルーバーLを、画像表示部6の短手方向に複数配列した構成とされている(すなわち、ルーバーLの長手方向及び短手方向は表示装置4の観察光軸Aを含む平面に略平行とされている)。
具体的には、表示部側ルーバー状光学素子32は、図4に示すように、例えば着色フィルム等からなる遮光部32a(ルーバーL)と透明フィルム等からなる透光部32bとを交互に積層することによって形成された、積層方向に沿って延在するシート状の特殊ルーバーフィルム32cの表裏面に、一対のPET(polyethylene-terephthalate)フィルムなどのカバー材32d,32eを積層することにより作製されるものであって、例えば、住友スリーエム株式会社製のライトコントロールフィルム等が好適である。
また、透光部32bは、単に開口部としてもよい。
このように構成される虚像表示型情報表示システム31では、画像表示部6の表示面6aに設けられた表示部側ルーバー状光学素子32によって、画像表示部6の視野角が制限されるので、表示部側ルーバー状光学素子32によって視認が規制されている方向から画像表示部6の表示画像を視認することが困難である。
本実施形態に係る虚像表示型情報表示システム31では、観察光軸Aに対して画像表示部6の短手方向側(すなわち表示装置4の観察光軸Aを含む平面に対して傾斜する方向)からは、画像表示部6の表示画像を視認することが困難である。
また、表示部側ルーバー状光学素子32は、画像表示部6から半透過型光学素子7に向かう光を遮らないので、表示装置4が表示する虚像の明るさが維持されて、虚像を良好に視認することができる。
ここで、表示部側ルーバー状光学素子32のルーバーLの向きは任意であって、例えば、図5に示すように、観察光軸A及び画像表示部6の短手方向に略平行なルーバーLを、画像表示部6の長手方向に複数配列した構成としてもよい(すなわち、ルーバーLの長手方向を、表示装置4の観察光軸Aを含む平面に略直交させてもよい)。
この場合には、観察光軸Aに対して画像表示部6の長手方向側(すなわち、観察光軸Aを含む平面に沿った方向でかつ観察光軸Aに対して傾斜する方向)からは、画像表示部6の表示画像を視認することが困難となる。
[第三実施形態]
以下、この発明の第三実施形態に係る虚像表示型情報表示システムについて、図6を用いて説明する。ここで、図6では、本実施形態に係る虚像表示型情報システム41のうちの特徴部分のみ図示した。
本実施形態に係る虚像表示型情報表示システム41は、第一実施形態で示した虚像表示型情報表示システム1において、第一、第二偏光フィルタ21,22を設ける代わりに、画像表示部6の表示面6aに、表示面6aから離間するにつれて表示装置4の観察光軸Aに近接する向きに傾斜したルーバーLが複数配列された表示部側ルーバー状光学素子42が設けられていることを主たる特徴とするものである。本実施形態では、表示部側ルーバー状光学素子42は、第二実施形態で示した表示部側ルーバー状光学素子32のように、各種フィルムを積層した構成とされている。
このように構成される虚像表示型情報表示システム41では、画像表示部6の表示面6aに設けられた表示部側ルーバー状光学素子42によって、画像表示部6が発する光のうち、ルーバーLに対して傾斜する方向に向かう光が遮られるので、ルーバーLに対して傾斜する方向から画像表示部6の表示画像を視認することが困難である。
さらに、この表示部側ルーバー状光学素子42では、各ルーバーLが、表示面6aから離間するにつれて表示装置4の観察光軸Aに近接する向きに傾斜しているので、画像表示部6の表示画像を視認することができる範囲がより狭くなる。
観察光軸Aに対する各ルーバーLの傾斜角度は任意であり、全てのルーバーLについて傾斜角度を等しくしてもよく、また、観察光軸Aから離間しているルーバーLほど傾斜角度が大きくなるようにしてもよい。また、観察光軸A近傍のルーバーLについては、観察光軸Aと略平行としてもよい。これらいずれの場合にも、各ルーバーLは半透過型光学素子7の反射面7a内に向けられる。これにより、表示部側ルーバー状光学素子42が、半透過型光学素子7から外れる方向には画像表示部6の発する光が届かないようにしつつ、画像表示部6から半透過型光学素子7に向かう光を遮らないので、表示装置4が表示する虚像の明るさが維持されて、虚像を良好に視認することができる。
各ルーバーLが傾斜した表示部側ルーバー状光学素子42の製造方法としては、特に制限はないが、例えば、前述した特殊ルーバーフィルム32cを所定の方法で伸延する方法が挙げられる。この製造方法では、特殊ルーバーフィルム32cの伸延の方向や伸延量等を制御することにより、各ルーバーLの傾斜方向及び傾斜量をコントロールする。
ここで、表示部側ルーバー状光学素子42の観察光軸A回りにおけるルーバーLの向きは任意である。例えば、ルーバーLを、その長手方向が画像表示部6の長手方向に略平行となるようにして(ルーバーLの長手方向を、観察光軸Aを含む平面に略平行にして)画像表示部6の短手方向に複数配列した構成とした場合には、観察光軸Aに対して画像表示部6の短手方向側(すなわち表示装置4の観察光軸Aを含む平面に対して傾斜する方向)からは、画像表示部6の表示画像を視認することが困難となる。また、ルーバーLを、その長手方向が画像表示部6の短手方向に略平行となるようにして(ルーバーLの長手方向を観察光軸Aを含む平面に略直交させて)画像表示部6の長手方向に複数配列した構成とした場合には、観察光軸Aに対して画像表示部6の長手方向側(すなわち、観察光軸Aを含む平面に沿った方向でかつ観察光軸Aに対して傾斜する方向)からは、画像表示部6の表示画像を視認することが困難となる。
ここで、上記第二、第三実施形態において、表示部側ルーバー状光学素子32、42として、観察光軸A回りの向きの異なる複数のルーバーLの組を有するルーバー状光学素子を用いることで、画像表示部6の表示画像を視認することができる範囲をより狭めることができる。
例えば、図7に示すように、ルーバー状光学素子として、第一のルーバーL1の組と、この第一のルーバーL1の組に対して観察光軸A回りの向きの異なる(好ましくは略直交する)第二のルーバーL2の組とを有するルーバー状光学素子51を用いてもよい。
この場合には、第一、第二のルーバーL1,L2によって観察光軸Aがその全周方向を囲まれて、画像表示部6が発する光のうち観察光軸A方向以外(すなわち半透過型光学素子7の位置する領域以外)の領域に向かう光が遮られるので、表示装置4の観察光軸A回りの全周方向で、観察光軸Aに対して傾斜した方向から画像表示部6の表示画像を視認することが困難である。
なお、この表示部側ルーバー状光学素子32は、図7に示すように第一のルーバーL1の組と第二のルーバーL2の組とが一体となった構成(格子状のルーバーを有する構成)としてもよく、また、第一のルーバーL1の組と第二のルーバーL2の組とを観察光軸A方向に重ね合わせた構成としてもよい。
また、上記第二、第三実施形態において、図8に示すように、半透過型光学素子7の画像表示部6とは反対側の面に、使用者の視線方向への光の通過を許容し他の方向へ向かう光の通過を規制する第二のルーバー状光学素子61を設けてもよい。
このような第二のルーバー状光学素子61としては、例えば、短手方向が使用者の視線方向に略平行なルーバーL、より好ましくは短手方向が使用者の視線方向に略平行でかつ表示部側ルーバーL1とはルーバーLの長手方向の向きの異なるルーバーLを有するものが用いられる。
この場合には、第二のルーバー状光学素子61によって、使用者の視線方向以外の方向への光の通過が規制される。
ここで、本発明に係る虚像表示型情報表示システムでは、表示装置4の動作原理上、画像表示部6が、半透過型光学素子7に対して、使用者の視線方向とは交差する方向に位置している。このため、この虚像表示型情報表示システムでは、使用者には半透過型光学素子7越しの実視野内の観察が可能でありながら、使用者以外の人物には、半透過型光学素子7越しに画像表示部6の表示画像を視認することが困難となる。
この虚像表示型情報表示システムにおいて、前記表示部側ルーバー状光学素子と前記第二のルーバー状光学素子61とは、それぞれのルーバーLの長手方向の向き(遮光部32aの長手方向の向き)が異なっていてもよい。
この場合には、半透過型光学素子7越しに画像表示部6の表示画像を視認することができる範囲がさらに狭くなる。
また、本発明は、上記の構成に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形例を含むものである。
例えば、本発明の第一実施形態に示す虚像表示型情報表示システム1の画像表示部6の表示面6aに、本発明の第二実施形態に示すルーバー素子32、第三の実施形態に示すルーバー素子42、51のいずれかを設けてもよい。この場合には、半透過型光学素子7越しだけでなく、表示装置4の観察光軸Aに対して傾斜した方向からも画像表示部6の表示画像を視認することが困難となり、より確実に周囲への画像情報の漏洩を防止することができる。
本発明の第一実施形態に係る虚像表示型情報表示システムを示す平面図である。 本発明の第一実施形態に係る虚像表示型情報表示システムの表示装置の構成を概略的に示す図である。 本発明の第二実施形態に係る虚像表示型情報表示システムの表示装置の構成を概略的に示す図である。 本発明の第二実施形態に係る虚像表示型情報表示システムの表示部側ルーバー状光学素子の構成を概略的に示す側面図である。 本発明の第二実施形態に係る虚像表示型情報表示システムの他の形態例を示す図である。 本発明の第三実施形態に係る虚像表示型情報表示システムを示す図である。 本発明の第二、第三実施形態に係る虚像表示型情報表示システムの他の形態例を示す図である。 本発明の第二、第三実施形態に係る虚像表示型情報表示システムの他の形態例を示す図である。
符号の説明
1,31,41 虚像表示型情報表示システム
2 筐体
4 表示装置
6 画像表示部
6a 表示面
7 半透過型光学素子
21 第一偏光フィルタ
22 第二偏光フィルタ
32,42,51 表示部側ルーバー状光学素子
32a 遮光部
32b 透光部
61 第二のルーバー状光学素子
A 観察光軸
L,L1,L2 ルーバー

Claims (9)

  1. 画像表示部と、該画像表示部からの光を反射するとともに使用者の視線方向の実視野からの光を透過する半透過型光学素子とを備える表示装置によって、前記使用者からみて前記半透過型光学素子よりも遠方に前記画像表示部の表示する画像情報の虚像を表示する虚像表示型情報表示システムであって、
    前記画像表示部の表面に、視野角を制限する表示部側ルーバー状光学素子が設けられている虚像表示型情報表示システム。
  2. 前記表示部側ルーバー状光学素子は、複数の矩形板状の遮光部と、透光部とを交互に配置してなり、
    前記遮光部がルーバーを構成している請求項1記載の虚像表示型情報表示システム。
  3. 前記各遮光部の長手方向が前記表示装置の観察光軸を含む平面に平行である請求項2記載の虚像表示型情報表示システム。
  4. 前記各遮光部の長手方向が前記表示装置の観察光軸を含む平面に直交している請求項2記載の虚像表示型情報表示システム。
  5. 前記各遮光部の短手方向が、前記画像表示部と前記半透過型光学素子との間における前記表示装置の前記観察光軸に平行である請求項4記載の虚像表示型情報表示システム。
  6. 前記各遮光部の短手方向が、前記画像表示部から離間するにつれて前記画像表示部と前記半透過型光学素子との間における前記表示装置の前記観察光軸に近接する方向に向いている請求項3または4に記載の虚像表示型情報表示システム。
  7. 前記半透過型光学素子の前記画像表示部とは反対側の面に、第二のルーバー状光学素子が設けられている請求項1から6のいずれかに記載の虚像表示型情報表示システム。
  8. 前記表示部側ルーバー状光学素子と前記第二のルーバー状光学素子とは、それぞれの前記遮光部の長手方向の向きが異なっている請求項7記載の虚像表示型情報表示システム。
  9. 画像表示部と、該画像表示部からの光を反射するとともに使用者の視線方向の実視野からの光を透過する半透過型光学素子とを備える表示装置によって、前記使用者からみて前記半透過型光学素子よりも遠方に前記画像表示部の表示する画像情報の虚像を表示する虚像表示型情報表示システムであって、
    前記画像表示部の表示面に、第一の偏光状態の光のみ通過させる第一偏光フィルタが設けられ、
    前記半透過型光学素子の前記画像表示部とは反対側に、前記第一の偏光状態とは異なる第二の偏光状態の偏光のみ通過させる第二偏光フィルタが設けられている虚像表示型情報表示システム。
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