JP2006201289A - Micr用トナーとそれを用いた画像形成方法 - Google Patents

Micr用トナーとそれを用いた画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 初期の画像濃度が高く、かつ、画像形成を繰り返しても画像濃度が大きく低下することがない上、識別マークの読み取り精度にも優れた良好な識別マークを形成することができるMICR用トナーと、それを用いた画像形成方法とを提供する。
【解決手段】 MICR用トナーは、粒子形状が針状である第1の磁性粉と、粒子形状が、多角形を基本とし、その頂点および稜線が曲面状であると共に、その投影像の外周部に直線とみなせる部分を有する第2の磁性粉とを含む。画像形成方法は、静電潜像を、上記のMICR用トナーとアモルファスシリコン感光体とを用いて、磁性1成分ジャンピング現像方法によってトナー像に顕像化する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、磁気インク文字認証(MICR:Magnetic Ink Character Recognition)システムに用いるMICR用トナーと、それを用いた画像形成方法に関するものである。
例えば、小切手、各種有価証券類、各種チケット類等の偽造や変造を防止するために、磁気インクを用いて、MICRフォントと呼ばれる特殊な書体の文字や数字等の文字列からなる識別マークを印刷し、それを専用の読取装置で読み取って小切手等の真偽を判別する磁気インク文字認証(MICR:Magnetic Ink Character Recognition)システムがある。このMICRシステムにおいては、識別マークを専用の読取装置で読み取ることで、正確な真偽の判定が可能であるだけでなく、識別マークは、上記のように文字や数字の情報でもあるため、バーコード等と違って、それを人の目で見て簡易かつ迅速に判別できるという利点もある。
識別マークの印刷方法としては、従来、磁性体を含む液状の磁気インクを用いたスクリーン印刷法やグラビア印刷法等が一般的であったが、近年、より迅速かつ簡易な印刷方法として、例えば、バインダ樹脂からなるトナー粒子中に磁性粉を分散した構造を有する磁性トナーを用いて、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等を利用したレーザープリンタにより、識別マークを印刷することが検討されている。
電子写真法、静電記録法、静電印刷法等においては、まず、潜像保持体の表面を帯電手段によって一様に帯電させ、次いで、半導体レーザ、発光ダイオード等の露光手段によって露光して静電潜像を形成した後、この静電潜像を、現像手段によって現像してトナー像に顕像化する。次に、このトナー像を、転写手段によって紙などの被印刷物の表面に転写した後、定着手段によって定着させることで、一連の画像形成の工程が完了する。
静電潜像をトナー像に現像するための現像方法としては種々あるが、特に、磁性トナーを用いた乾式の現像方法としては、磁性1成分現像方法が採用される。磁性1成分現像方法においては、磁性トナーを、固定磁石を組み込んだ現像剤担持体上に薄層化しながら供給し、次いで、この薄層化した磁性トナーにより、潜像保持体上の静電潜像をトナー像に現像することが行われる。また、磁性1成分現像方法としては、導電性を有する磁性トナーを用いる現像方法と、絶縁性の磁性トナーを用いる、磁性1成分ジャンピング現像方法と呼ばれる現像方法(特許文献1参照)とがある。
このうち後者の、磁性1成分ジャンピング現像方法においては、まず、磁性トナーを、固定磁石を内蔵して回転する現像剤担持体と、当該現像剤担持体に近接させて配設した磁性ブレードとの隙間を通過させることによって摩擦帯電させながら、現像剤担持体の表面に供給して、内蔵した固定磁石の磁力によって保持させることで、現像剤担持体の表面に、磁性トナーの薄層を形成する。
次いで、形成した薄層と接触しないように間隙を保持して対峙させた、静電潜像を保持する潜像保持体と、現像剤担持体との間に直流のバイアス電圧、または直流に交流を重畳させたバイアス電圧を印加することによって、薄層から、帯電した磁性トナーを、潜像保持体の表面に飛翔させて、静電潜像をトナー像に顕像化する。
この現像方法では、絶縁性の磁性トナーを用いていることから、導電性の磁性トナーを用いた場合には不可能であった、形成したトナー像を、電界を利用して紙等の被印刷物の表面に転写することが可能となる。また、潜像保持体が電気的リークによって破壊されるのを防止することもできる。
また、絶縁性の磁性トナーは帯電させやすいこと、磁力によって磁性トナーを保持した状態で、現像剤担持体と十分に摩擦できること、磁力によって磁性トナーを保持しつつ、静電潜像と非接触の状態で静電潜像を現像できることから、形成画像の非印字部分や余白部分に磁性トナーが付着する地カブリの発生を防止して、画質の優れた画像を形成できるという利点もある。さらに、この現像方法においては、2成分現像法などの他の現像方法と比べて、現像器を非常に小さく、かつ簡単な構造にできるという利点もある。
MICRシステム用の磁性トナー(以下「MICR用トナー」とする)には、前記のように、印刷した識別マークを読取装置によって読み取った際に、読み取りエラーが発生するのを防止して、読み取りの精度を向上するために、印刷後もある程度の磁化が残っていることが求められる。そこで、それ自体の残留磁化が大きい針状の磁性粉を含有させて、MICR用トナーの残留磁化を高くすることが考えられる。
しかし、針状の磁性粉は、バインダ樹脂に対する分散性が低いため、均一に分散させることが容易でなく、多数の磁性粉が塊状に凝集した状態で、トナー粒子中に存在することが多い。そして、この塊がきっかけとなってトナー粒子が割れやすくなり、トナー粒子が割れると塊の中から多数の磁性粉が脱落して、MICR用トナーの耐久性が低下するという問題がある。
また、MICR用トナーの残留磁化が高すぎると、画像形成を繰り返すうちに、現像器内のMICR用トナーの帯電量分布がブロードになって、形成画像の画像濃度が低下したり、地カブリを生じるようになったりする結果、読み取り精度が却って低下するという問題がある。また、残留磁化の高いMICR用トナーは、磁力によって被印刷物の表面からはく離して、読取装置の磁気ヘッドに付着することで読み取りエラーを生じさせて、読み取り精度を低下させるおそれもある。
そこで、特許文献2には、磁性粉として、粒子形状が針状であると共に、長径と短径の比で表されるアスペクト比が2.0〜100、残留磁化が24Am2/kg以上、40Am2/kg以下である第1の磁性粉に対して、粒子形状が粒状、または球状であると共に、アスペクト比が1.0以上、2.0未満、残留磁化が1Am2/kg以上、24Am2/kg未満である第2の磁性粉を併用して、MICR用トナーの残留磁化を、7Am2/kgを超え、20Am2/kg以下の範囲内に調整することが記載されている。
このように、残留磁化の値が異なる第1および第2の磁性粉を組み合わせた場合には、両磁性粉の残留磁化の値をそれぞれ調整したり、両磁性粉の配合割合を調整したりすることで、MICR用トナーの残留磁化を、上記の範囲内で任意に調整することができるという効果がある。また、分散性の低い針状の第1の磁性粉の量を少なくすると共に、当該第1の磁性粉よりも分散しやすい粒状や球状の第2の磁性粉を併用することで、第1および第2の2種の磁性粉が、トナー粒子中に、塊状に凝集した状態で存在するのを防止して、MICR用トナーの耐久性を向上することもできる。
第2の磁性粉のうち、粒子形状が粒状のものとしては、例えば、6個の四角形で囲まれた凸多面体である六面体(立方体、直方体)状のものや、8個の三角形で囲まれた凸多面体である八面体状のもの等の、多面体状の磁性粉が知られている。ところが、第2の磁性粉として多面体状のものを用いたMICR用トナーは、トナー粒子の表面に露出した第2の磁性粉の尖った頂点や、隣り合う面間の尖った稜線から電荷が放出されやすいことから、電荷のリークが起こりやすい。
また、多面体状の磁性粉は、針状のものほどではないが、流動性が低く、バインダ樹脂に対する分散性が十分でないことから、針状の磁性粉と併用することによる効果が十分に得られない。すなわち、個々のトナー粒子における磁性粉の分散状態や含有量にばらつきを生じやすいため、個々のMICR用トナーの、帯電のしやすさや帯電量などにもばらつきを生じやすい。
そのため、第2の磁性粉として多面体状のものを用いたMICR用トナーは、帯電量が速やかに立ち上がりにくい上、帯電量自体も低くなってしまうことから、初期の画像濃度が低いという問題がある。また、かかるMICR用トナーは、帯電電荷がリークしやすいため、画像形成を繰り返すうちに、画像濃度がさらに低下するという問題もある。
MICRシステム用の識別マークは、先に説明したように、バーコード等と違って、それを人の目で見て判別できることも一つの特徴であるが、上記のように、初期の画像濃度が低かったり、画像形成を繰り返すうちに画像濃度がさらに低下したりするようでは、この特徴を十分に活かせないことになる。また、MICR用トナーを用いたプリンタ等は、MICRシステム用の識別マークの印刷専用ではなく、それ以外のときは、通常の事務書類等の印刷用としても兼用できることが求められるが、この要求にも十分に対応できないことになる。
一方、球状の磁性粉は、尖った頂点や稜線等を有さず、トナー粒子の表面に露出した磁性粉から電荷が放出されにくいことから、電荷のリークは起こりにいくい。また、球状の磁性粉は、多面体状のものに比べて流動性に優れると共に、バインダ樹脂に対する分散性にも優れることから、バインダ樹脂中に均一に分散させるのが容易であり、個々のトナー粒子における磁性粉の分散状態や含有量にばらつきが生じるのを防止して、個々のMICR用トナーの、帯電のしやすさや帯電量などを均一化することもできる。そのため、第2の磁性粉として球状のものを用いたMICR用トナーによれば、初期の画像濃度を向上すると共に、画像形成を繰り返した際に、画像濃度が大きく低下するのを抑制することもできる。
しかし、球状の磁性粉は、多面体状のものに比べて、全般に、残留磁化が低くなる傾向が強いため、たとえ、その残留磁化の値が前記の範囲内であって、それを、残留磁化の高い針状の、第1の磁性粉と併用したとしても、MICR用トナーの残留磁化が、前記の範囲を大きく下回ってしまって、識別マークの読み取り精度が大きく低下するという問題がある。
特開昭55−18656号公報(特許請求の範囲、第11頁左上欄第23行〜同頁左下欄第25行、第8図) 特開平11−327205号公報(請求項1、第0005欄〜第0007欄、第0021欄〜第0024欄、第0028欄〜第0030欄、第0035欄〜第0036欄)
本発明の目的は、初期の画像濃度が高く、かつ、画像形成を繰り返しても画像濃度が大きく低下することがない上、識別マークの読み取り精度にも優れた良好な識別マークを形成することができるMICR用トナーと、それを用いた画像形成方法とを提供することにある。
上記課題を解決するため、発明者は、第2の磁性粉の粒子形状について検討した。その結果、第2の磁性粉として、8個の三角形で囲まれた凸多面体である八面体や、6個の四角形で囲まれた凸多面体である六面体等の多面体を基本とし、かつ、多面体の各頂点および稜線が曲面状である粒子形状を有する磁性粉を使用すればよいことを見出した。
すなわち、上記の粒子形状を有する磁性粉は、その頂点と稜線がいずれも曲面状とされ、電荷を放出しやすい尖った頂点や稜線を有しないことから、従来の、多面体状のものに比べて、トナー粒子中に含有させた際に、電荷のリークを起こしにくくすることができる。また、上記の磁性粉は、流動性、およびバインダ樹脂に対する分散性に優れており、バインダ樹脂中に均一に分散させるのが容易であって、個々のトナー粒子における磁性粉の分散状態や含有量にばらつきが生じるのを防止して、個々のMICR用トナーの、帯電のしやすさや帯電量などを均一化することができる。そのため、上記の粒子形状を有する磁性粉を第2の磁性粉として、針状である第1の磁性粉と併用すれば、初期の画像濃度を向上すると共に、画像形成を繰り返した際に、画像濃度が大きく低下するのを抑制することもできる。
しかも、上記の磁性粉は、基本形状が多面体であるため、それ自体の残留磁化の値を、通常の、頂点や稜線を曲面状としていない多面体状の磁性粉とほぼ同じにして、MICR用トナーの残留磁化を良好な値に維持することで、識別マークの読み取り精度を向上することも可能であると考えられる。しかし、発明者が検討したところ、上記の粒子形状であっても、曲面状とした頂点や稜線の曲率半径が大きすぎる場合には、球状のものと同様に残留磁化が低くなって、MICR用トナーの残留磁化が低下し、識別マークの読み取り精度が低下してしまうことがわかった。
そこで、発明者は、例えば、透過型電子顕微鏡を用いて撮影した磁性粉の投影像から、曲面状とした頂点および稜線の曲率半径の範囲を規定することを検討した。その結果、曲面状とした頂点や稜線の曲率半径が大きすぎて、隣り合う頂点や稜線の曲面が繋がってしまい、投影像の外周部に直線とみなせる部分を有しない、球状に近い磁性粉は、球状のものと同程度まで残留磁化が低くなってしまうのに対し、多面体の各頂点および稜線が曲面状であると共に、その投影像の外周部に直線とみなせる部分を有する磁性粉は、発明者が最初に考えたとおり、それ自体の残留磁化の値を、通常の、頂点や稜線を曲面状としていない多面体状の磁性粉とほぼ同じにして、MICR用トナーの残留磁化を良好な値に維持することで、識別マークの読み取り精度を向上できることが判明した。
したがって、請求項1記載の発明は、磁気インク文字認証システム用の識別マークを形成するためのMICR用トナーであって、(1) 粒子形状が針状である第1の磁性粉と、(2) 粒子形状が多面体を基本とし、多面体の各頂点および稜線が曲面状で、かつ、その投影像の外周部に直線とみなせる部分を有する第2の磁性粉とを含むことを特徴とするMICR用トナーである。
また、第2の磁性粉としては、粒子形状が、8個の三角形で囲まれた凸多面体である八面体、および6個の四角形で囲まれた凸多面体である六面体のうちの少なくとも一方を基本とするものが、その頂点および稜線がいずれも曲面とされても、それ自体、およびMICR用トナーの残留磁化を良好な値に維持して、識別マークの読み取り精度を向上する効果に優れることから、好適に使用される。
したがって、請求項2記載の発明は、第2の磁性粉の粒子形状が、8個の三角形で囲まれた凸多面体である八面体、および6個の四角形で囲まれた凸多面体である六面体のうちの少なくとも一方を基本としている請求項1記載のMICR用トナーである。
本発明のMICR用トナーは、前述した磁性1成分ジャンピング現像方法を利用した画像形成方法に使用するのが好ましい。また、本発明のMICR用トナーは、耐久性に優れたアモルファスシリコン感光体と組み合わせるのが好ましい。前記のように、第2の磁性粉は、流動性、およびバインダ樹脂に対する分散性に優れていることから、第1および第2の2種の磁性粉が、トナー粒子中に、塊状に凝集した状態で存在するのを防止して、MICR用トナーの耐久性を向上することができる。そのため、かかるMICR用トナーをアモルファスシリコン感光体と組み合わせることによって、画像形成装置のメンテナンスフリー化、長寿命化を図ることができる。
したがって、請求項3記載の発明は、静電潜像を保持する潜像保持体と、固定磁石を内蔵して回転し、その表面に、MICR用トナーの薄層が形成される現像剤担持体とを、薄層と潜像保持体とが接触しないように間隔を保持して対峙させた状態で、薄層から、MICR用トナーを潜像保持体の表面に飛翔させて、静電潜像をトナー像に顕像化する工程を含み、被印刷物の表面に、磁気インク文字認証システム用の識別マークを形成するための画像形成方法であって、請求項1記載のMICR用トナーと、潜像保持体としてのアモルファスシリコン感光体とを用いることを特徴とする画像形成方法である。
《MICR用トナー》
本発明のMICR用トナーは、(1) 粒子形状が針状である第1の磁性粉と、(2) 粒子形状が多面体を基本とし、多面体の各頂点および稜線が曲面状で、かつ、その投影像の外周部に直線とみなせる部分を有する第2の磁性粉とを含むことを特徴とするものである。その具体的な構成としては、バインダ樹脂からなるトナー粒子中に、上記2種の磁性粉を含有させたものなどが挙げられる。
第1および第2の磁性粉としては、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性を示す金属やその合金、またはこれらの元素を含む化合物、あるいは強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金、もしくは二酸化クロム等を挙げることができ、特に、フェライト、マグネタイトが好ましい。また、マグネタイトは、Feに対して0.1〜10原子%の、Mn、Zn、Ni、Cu、Al、Ti、およびSiから選ばれる少なくとも1種の元素を含んでいてもよい。
〈第1の磁性粉〉
第1の磁性粉の粒子形状が針状に限定される理由は、先に説明したとおりである。また、その残留磁化は24Am2/kg以上、35Am2/kg以下であるのが好ましい。この理由は、下記のとおりである。
すなわち、第1の磁性粉の残留磁化が24Am2/kg未満では、当該第1の磁性粉による、MICR用トナーの残留磁化を高める効果が得られないおそれがある。また、そのため、MICR用トナーの残留磁化が不十分となって、当該MICR用トナーによって形成される識別マークの読み取り精度が低下してしまうおそれもある。
また、残留磁化が35Am2/kgを超える場合には、残留磁化の低い第2の磁性粉と組み合わせているにもかかわらず、MICR用トナーの残留磁化が高くなりすぎるおそれがある。また、そのため、画像形成を繰り返すうちに、現像器内のMICR用トナーの帯電量分布がブロードになって、形成画像の画像濃度が低下したり、地カブリを生じるようになったりする結果、読み取り精度が却って低下してしまうおそれもある。また、残留磁化の高いMICR用トナーが、磁力によって被印刷物の表面からはく離して、読取装置の磁気ヘッドに付着することで読み取りエラーを生じさせて、読み取り精度を低下させる場合も生じる。
なお、第2の磁性粉と組み合わせた際に、MICR用トナーの残留磁化をより好適な値に調整して、識別マークの読み取り精度を向上することを考慮すると、第1の磁性粉の残留磁化は、上記の範囲内でも特に、28〜33Am2/kgであるのが好ましい。
また、第1の磁性粉の残留磁化を、上記の範囲内に調整するためには、当該第1の磁性粉の粒子形状を針状とすることが必要である。また、粒子形状が針状であっても、そのアスペクト比が2.0未満では、第1の磁性粉の残留磁化が24Am2/kg未満となって、当該第1の磁性粉による、MICR用トナーの残留磁化を高める効果が得られないおそれがある。また、そのため、識別マークの読み取り精度が低下してしまうおそれもある。
第1の磁性粉の、その他の特性については特に限定されないが、残留磁化と密接に係わっている飽和磁化は、75〜95Am2/kg、特に80〜90Am2/kgとするのが好ましい。第1の磁性粉を形成する磁性材料の種類や組成等を変更して、その飽和磁化(=自発磁化、強磁性体の場合)をこの範囲内に調整することによって、同じく残留磁化と密接に係わっている第1の磁性粉のアスペクト比を、前記の範囲内でも、より調節しやすい範囲に設定することができる。
また、飽和磁化と同じく、磁性粉を形成する磁性材料の種類や組成等によって調整される第1の磁性粉の保磁力は、磁性1成分ジャンピング現像方法等の現像方法によって良好な識別マークを形成することや、形成した識別マークの残留磁化を長期間に亘って良好に維持する考慮すると、0.300〜0.380kOe、特に0.315〜0.355kOeであるのが好ましい。
さらに、第1の磁性粉の平均粒子径は、0.60〜0.80μm、特に0.68〜0.72μmであるのが好ましい。第1の磁性粉の平均粒子径がこの範囲未満のものは製造が困難であり、逆に、この範囲を超える場合には、トナーへの分散性が低下するおそれがある。
〈第2の磁性粉〉
第2の磁性粉の粒子形状が、多面体を基本とし、多面体の各頂点および稜線が曲面状であって、なおかつ、その投影像の外周部に直線とみなせる部分を有するものに限定される理由は、先に説明したとおりである。また、第2の磁性粉としては、その粒子形状が、8個の三角形で囲まれた凸多面体である八面体、および6個の四角形で囲まれた凸多面体である六面体(立方体、直方体等)のうちの少なくとも一方を基本とするものが、特に好適に使用される。この理由も先に説明したとおりである。
このうち、八面体を基本とする第2の磁性粉は、例えば、図1に示す、透過型電子顕微鏡写真(TEM)を用いて撮影した写真(投影像)に見るように、八面体を基本として、その頂点と稜線とが曲面状であり、電荷の放出点となる尖った頂点や稜線が存在しないことが特徴である。また、頂点と稜線が曲面状であるといっても、その曲率半径が大きすぎて、隣り合う頂点や稜線の曲面が繋がってしまって、投影像の外周部に直線とみなせる部分を有しない、球形に近いものではなく、図1に見るように、投影像の外周には直線とみなせる部分が残っており、八面体としての特徴を残していることも特徴である。
第2の磁性粉の残留磁化は2Am2/kg以上、12Am2/kg以下であるのが好ましく、アスペクト比は1.2〜1.5であるのが好ましい。これらの理由は、下記のとおりである。
すなわち、残留磁化が2Am2/kg未満では、残留磁化の高い第1の磁性粉と組み合わせているにもかかわらず、MICR用トナーの残留磁化が低くなりすぎるおそれがある。また、そのため、MICR用トナーの残留磁化が不十分となって、当該MICR用トナーによって形成される識別マークの読み取り精度が低下してしまうおそれもある。
また、残留磁化が12Am2/kgを超える場合には、当該第2の磁性粉による、MICR用トナーの残留磁化を低くする効果が得られないおそれがある。また、そのため、画像形成を繰り返すうちに、現像器内のMICR用トナーの帯電量分布がブロードになって、形成画像の画像濃度が低下したり、地カブリを生じるようになったりする結果、読み取り精度が却って低下してしまうおそれもある。また、残留磁化の高いMICR用トナーが、磁力によって被印刷物の表面からはく離して、読取装置の磁気ヘッドに付着することで読み取りエラーを生じさせて、読み取り精度を低下させる場合も生じる。
なお、残留磁化が前記の好適な範囲にある第1の磁性粉と組み合わせた際に、MICR用トナーの残留磁化をより好適な値に調整して、識別マークの読み取り精度を向上することを考慮すると、第2の磁性粉の残留磁化は、上記の範囲内でも特に、4〜9Am2/kgであるのが好ましい。
第2の磁性粉の残留磁化を、上記の範囲内に調整するとともに、粒子形状による効果を維持するためには、そのアスペクト比を、1.2〜1.5の範囲内とするのが好ましい。すなわち、アスペクト比が1.2未満では、第2の磁性粉の粒子形状が球状に近づくと共に、その残留磁化が1Am2/kg未満となって、残留磁化の高い第1の磁性粉と組み合わせているにもかかわらず、MICR用トナーの残留磁化が低くなりすぎるおそれがある。また、そのため、識別マークの読み取り精度が低下してしまうおそれもある。
また、アスペクト比が1.5を超える場合には、第2の磁性粉の、頂点および稜線の、曲面の曲率半径が小さくなって、殆ど曲面とはいえない状態となる。つまり、第2の磁性粉は、従来の、頂点や稜線を曲面状としていない多面体に近づいてしまい、その流動性や、バインダ樹脂に対する分散性が低下するため、針状の磁性粉と併用することによる効果が十分に得られなくなるおそれがある。また、その結果、個々のトナー粒子における磁性粉の分散状態や含有量にばらつきを生じやすくなるため、個々のMICR用トナーの、帯電のしやすさや帯電量などにもばらつきを生じやすくなるおそれもある。そして、MICR用トナーは、帯電量が速やかに立ち上がりにくい上、帯電量自体も低くなってしまうことから、初期の画像濃度が低くなってしまうおそれもある。
また、アスペクト比が1.5を超える場合には、残留磁化の値が上がりすぎて画像濃度が低下するため、識別マークの読み取り精度が低下してしまう。
なお、第2の磁性粉の、形状による効果をさらに良好に発揮させると共に、残留磁化を、上で述べた、より好ましい範囲に調整するためには、アスペクト比は、上記の範囲内でも特に、1.3〜1.4であるのが好ましい。
第2の磁性粉の、その他の特性については特に限定されないが、飽和磁化は、76〜90Am2/kg、特に81〜85Am2/kgとするのが好ましい。第2の磁性粉を形成する磁性材料の種類や組成等を変更して、その飽和磁化(=自発磁化、強磁性体の場合)をこの範囲内に調整することによって、同じく残留磁化と密接に係わっている第2の磁性粉のアスペクト比を、前記の範囲内でも、より調節しやすい範囲に設定することができる。
また、飽和磁化と同じく、磁性粉を形成する磁性材料の種類や組成等によって調整される第2の磁性粉の保磁力は、磁性1成分ジャンピング現像方法等の現像方法によって良好な識別マークを形成することや、形成した識別マークの残留磁化を長期間に亘って良好に維持する考慮すると、0.090〜0.150kOe、特に0.100〜0.140kOeであるのが好ましい。
さらに、第2の磁性粉の平均粒子径は、0.05〜0.5μm、特に0.1〜0.35μmであるのが好ましい。第2の磁性粉の平均粒子径がこの範囲未満では、当該第2の磁性粉が、トナー粒子の表面に露出する割合が増加し、露出した磁性粉から電荷が放出されて、磁性トナーの帯電不足を招く結果、画像濃度が低下するおそれがあり、逆に、この範囲を超える場合には、第2の磁性粉が、トナー粒子の表面に露出する割合が少なくなって、磁性トナーのチャージアップを招く結果、特に画像形成を繰り返した際に画像濃度が低下するおそれがある。
粒子形状が、8個の三角形で囲まれた凸多面体である八面体を基本とし、八面体の各頂点および稜線が曲面状で、かつ、その投影像の外周部に直線とみなせる部分を有すると共に、マグネタイトからなる第2の磁性粉は、例えば、下記の方法によって製造することができる。
すなわち、1.5mol/リットルのFe2+を含む硫酸第一鉄塩水溶液26.7リットルを、あらかじめ反応容器中に準備した3.4Nの水酸化ナトリウム水溶液25.9リットル(Fe2+に対し1.10当量に相当する)に加え、90℃に加熱して、pHを10.5に維持しながら、水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩懸濁液を生成する。
次に、上記懸濁液の液温を90℃に維持しながら、毎分100リットルの空気を80分間に亘って吹き込んで、第一鉄塩の酸化反応率が60%になるまで酸化反応させる。
次に、上懸濁液に、そのpHが6.5になるように、硫酸水溶液を添加した後、液温を90℃に維持しながら、毎分100リットルの空気を50分間に亘って吹き込んで、懸濁液中にマグネタイト粒子を生成させる。
そして、上記マグネタイト粒子を含む懸濁液に、そのpHが10.5になるように、水酸化ナトリウム水溶液を添加した後、液温を90℃に維持しながら、毎分100リットルの空気を20分間に亘って吹き込んだ後、生成したマグネタイト粒子を常法により水洗し、濾別し、乾燥したのち、マグネタイト粒子の凝集物を粉砕する。そうすると、粒子形状が、八面体を基本とし、その頂点および稜線が曲面状であると共に、前記の各特性を満足するマグネタイト粒子からなる第2の磁性粉が合成される。
また、その粒子形状が、6個の四角形で囲まれた凸多面体である六面体(主として立方体)を基本とし、六面体の各頂点および稜線が曲面状で、かつ、その投影像の外周部に直線とみなせる部分を有すると共に、マグネタイトからなる第2の磁性粉は、例えば、特開平9−59024号公報に所載の方法によって製造することができる。なお、この特許公報には、上記の磁性粉を、針状である第1の磁性粉と共にトナー粒子中に含有させることや、かかるトナーをMICRシステム用の識別マークを形成するために使用すること、その際に、アモルファスシリコン感光体と組み合わせること等については一切、記載されていない。
上記第1および第2の磁性粉を含む本発明のMICR用トナーの残留磁化は、6Am2/kg以上、10Am2/kg以下であるのが好ましい。その理由は、下記のとおりである。すなわち、残留磁化が6Am2/kg未満では、MICR用トナーによって形成される識別マークの読み取り精度が低下してしまうおそれがある。
一方、残留磁化が10Am2/kgを超える場合には、画像形成を繰り返すうちに、現像器内のMICR用トナーの帯電量分布がブロードになって、形成画像の画像濃度が低下したり、地カブリを生じるようになったりする結果、読み取り精度が却って低下してしまう。また、残留磁化の高いMICR用トナーが、磁力によって被印刷物の表面からはく離して、読取装置の磁気ヘッドに付着することで読み取りエラーを生じさせて、読み取り精度を低下させる場合も生じる。なお、識別マークの読み取り精度を向上することを考慮すると、MICR用トナーの残留磁化は、上記の範囲内でも特に、8〜10Am2/kgであるのが好ましい。
また、MICR用トナーの残留磁化を上記の範囲内に調整することを考慮すると、第1の磁性粉M1と第2の磁性粉M2とは、重量比M1/M2で表して、70/30〜40/60の割合で配合するのが好ましい。この範囲より第1の磁性粉が少ない場合には、当該第1の磁性粉による、残留磁化を高める効果が得られず、MICR用トナーの残留磁化が前記の範囲を下回って、当該MICR用トナーによって形成される識別マークの読み取り精度が低下してしまうおそれがある。また、上記の範囲より第2の磁性粉が少ない場合には、当該第2の磁性粉による、MICR用トナーの残留磁化を低くする効果が得られず、その残留磁化が前記の範囲を上回って、画像形成を繰り返すうちに、現像器内のMICR用トナーの帯電量分布がブロードになって、形成画像の画像濃度が低下したり、地カブリを生じるようになったりする結果、読み取り精度が却って低下してしまうおそれがある。また、残留磁化の高いMICR用トナーが、磁力によって被印刷物の表面からはく離して、読取装置の磁気ヘッドに付着することで読み取りエラーを生じさせて、読み取り精度を低下させるおそれもある。
また、第1および第2の磁性粉の合計の割合は、トナーを形成する固形分の総量中の、30〜70重量%、特に、30〜60重量%であるのが好ましい。第1および第2の磁性粉の合計の割合がこの範囲未満では、現像剤担持体に内蔵した磁石の磁力によって、当該現像剤担持体の表面にMICR用トナーの薄層を保持する効果が低下するため、特に画像形成を繰り返した際に、地カブリが発生するおそれがある。また、両磁性粉の合計の割合がこの範囲を超える場合には、逆に、現像剤担持体の表面にMICR用トナーの薄層を保持する効果が強くなり過ぎるため、画像濃度が低下するおそれがある。また、相対的に、バインダ樹脂の含有割合が低下するため、MICR用トナーの耐久性が低下したり、紙等の被印刷物の表面への定着性が低下したりするおそれもある。
第1および第2の磁性粉としては、それぞれ1種のみをトナー粒子中に含有させてもよいが、前記の条件を満たす2種以上の第1の磁性粉、および/または、前記の条件を満たす2種以上の第2の磁性粉を併用してもよい。
なお、第1および第2の磁性粉のアスペクト比は、透過型電子顕微鏡によって撮影した、所定の倍率の写真に写された300個の磁性粉について実測したアスペクト比の平均値でもって表すこととする。また、平均粒子径は、透過型電子顕微鏡によって撮影した、所定の倍率の写真に写された300個の磁性粉について実測したマーチン径(円相当径)の平均値でもって表すこととする。
また、第1および第2の磁性粉、並びに両磁性粉を含むMICR用トナーの残留磁化の値は、測定する磁性粉やMICR用トナーに対して、5kOeの外部磁場を印加した後、外部磁場をゼロにしたときの、磁気メモリ量によって規定するものとする。具体的には、磁性粉やMICR用トナーのヒステリシス曲線を測定することによって、その残留磁化を算出することとする。また、残留磁化と密接に係わっている、第1および第2の磁性粉の飽和磁化は、測定する磁性粉に対して、5kOeの外部磁場を印加して飽和させたときの、磁気メモリ量によって規定するものとする。具体的には、磁性粉のヒステリシス曲線を測定することによって、その飽和磁化を算出することとする。さらに、第1および第2の磁性粉の保磁力は、測定する磁性粉に、その磁化と逆向きの磁場を作用させた際に、磁化が0となる磁場の強さでもって規定することとする。
第1および第2の磁性粉は、バインダ樹脂中に良好に分散させることを考慮すると、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、チタン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂等の表面処理剤で表面処理を施してもよい。表面処理剤の使用量は、第1および第2の磁性粉の合計100重量部に対して、0.1〜100重量部であるのが好ましい。
このうち、シラン系カップリング剤が好ましく、その具体的化合物としては、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン等が挙げられる。また、1分子中に2〜12個のシロキサン単位を有し、かつ末端に位置するシロキサン単位に各々1個ずつ、ケイ素原子に結合した水酸基を含むジメチルポリシロキサン等を用いることもできる。
〈バインダ樹脂〉
バインダ樹脂としては、例えばポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂等が挙げられ、特にポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましい。
ポリスチレン系樹脂としては、スチレンの単独重合体の他、スチレンと他の単量体との2元もしくは3元以上の共重合体が挙げられる。スチレンと共重合させることができる他の単量体としては、例えばp−クロルスチレン;ビニルナフタレン;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン不飽和モノオレフイン類;塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドテシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどの他のアクリル酸誘導体;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物類などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用することもできるし、あるいは2種以上を組み合わせてスチレンと共重合させることもできる。
ポリスチレン系樹脂は、MICR用トナーを被印刷物の表面に転写し、定着手段によって加熱、加圧して定着させる際の定着性を向上する、具体的には、できるだけ低い加熱温度で、より強固に定着できるようにすると共に、MICR用トナーが、定着手段のローラなどに付着したのち、被印刷物の裏面などに再付着するオフセットが発生するのを防止することを考慮すると、その分子量分布に2つのピークを有することが好ましい。具体的には、重量平均分子量Mw=3,000〜20,000の範囲内と、Mw=300,000〜1,500,000の範囲内とにそれぞれ分子量分布のピークを有すると共に、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnで表される分子量の分散が10以上であるバインダ樹脂を使用するのが好ましい。なお、バインダ樹脂の分子量分布は、ゲルパーミェーションクロマトグラフ(GPC)法による分子量分布測定装置を用いて、カラムからの溶出時間を測定した結果を、標準ポリスチレン樹脂を用いてあらかじめ作成しておいた検量線と照らし合わせることによって求めることができる。
また、ポリエステル系樹脂としては、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合または共縮重合させて得られる種々のポリエステル系樹脂が挙げられる。このうち、アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5ーペンタンジオール、1,4−シクロへキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,6−へキサンジオール、1,8−オクタンジオール等のジオール類;
ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノール類;
ソルビトール、1,2,3,6−へキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエルスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、ジグリセリン、2−メチルプロバントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の3価以上のアルコール類などが挙げられる。
また、カルボン酸成分としては、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、アルキルコハク酸(n−ブチルコハク酸、イソブチルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸等)、アルケニルコハク酸(n−ブテニルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等)など2価のカルボン酸類;
1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−へキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロへキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール3量体酸などの3価以上のカルボン酸類などが挙げられる。
ポリエステル系樹脂の軟化点は、通常の画像形成装置において用いる熱定着手段によって、紙等の被印刷物の表面に良好に定着させることを考慮すると、80〜150℃であるのが好ましく、90〜140℃であるのがさらに好ましい。
バインダ樹脂は、その一部が架橋構造を有しているのが好ましい。一部に架橋構造を導入することによって、定着性を低下させることなく、MICR用トナーの保存安定性や形態保持性、耐久性等を向上させることができる。架橋分の含量は、ソックスレー抽出機を用いてバインダ樹脂を抽出して求められるゲル分(不溶分)の含量で表して10重量%以下、特に、0.1〜10重量%であるのが好ましい。バインダ樹脂の一部を架橋構造とするためには、架橋剤を添加して樹脂を架橋させたり、熱硬化性樹脂を配合したりすればよい。
熱硬化性樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂等のエポキシ系樹脂や、シアネート樹脂等の1種または2種以上が挙げられる。
バインダ樹脂のガラス転移温度Tgは、50〜65℃であるのが好ましく、50〜60℃であるのがさらに好ましい。ガラス転移温度がこの範囲未満では、トナー粒子同士が融着しやすくなって保存安定性が低下するおそれがある。また、樹脂の強度が低いため、潜像保持体の表面に付着して離れなくなる、トナー付着を生じるおそれもある。また、逆にガラス転移温度がこの範囲を超える場合には、紙等の被印刷物の表面への定着性が低下するおそれがある。
バインダ樹脂のガラス転移温度は、例えば、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した吸熱曲線における、比熱の変化点から求めることができる。具体的には、例えば、セイコーインスツルメンツ社製の示差走査熱量計DSC−6200を用い、測定試料10mgをアルミパン中に入れると共に、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲25〜200℃、昇温速度10℃/分で、常温、常圧下で測定を行って、得られた吸熱曲線における比熱の変化点から、バインダ樹脂のガラス転移温度を求めることができる。
本発明のMICR用トナーには、例えば、着色剤、電荷制御剤、ワックス等の、従来公知の種々の添加剤を含有させることもできる。このうち着色剤としては、色調を調整するためにカーボンブラック等の顔料や、アシッドバイオレット等の染料が挙げられる。着色剤の割合は、バインダ樹脂100重量部に対して1〜10重量部であるのが好ましい。
〈電荷制御剤〉
電荷制御剤は、MICR用トナーの帯電レベルや帯電立ち上がり特性(短時間で、一定の電荷レベルに帯電するかの指標)を向上させると共に、耐久性や安定性を向上させるために配合される。電荷制御剤には、正帯電性のものと負帯電性のものとがあり、MICR用トナーの帯電極性に合わせて、そのいずれか一方が配合される。
正帯電性の電荷制御剤としては、例えばピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オルトオキサジン、メタオキサジン、パラオキサジン、オルトチアジン、メタチアジン、パラチアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン等のアジン化合物類;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリーンBH/C、アジンディープブラックEW、アジンディープブラック3RL等の亜ジン化合物からなる直接染料類;ニグロシン、ニグロシン塩、ニグロシン誘導体等のニグロシン化合物類;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZ等のニグロシン化合物からなる酸性染料類;ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルメチルへキシルデシルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類などの1種または2種以上が挙げられる。特にニグロシン化合物は、より迅速な帯電の立ち上がり特性が得られることから、正帯電性の電荷制御剤として好適である。
また、正帯電性の電荷制御剤としては、4級アンモニウム塩を有する樹脂またはオリゴマー、カルボン酸塩を有する樹脂またはオリゴマー、カルボキシル基を有する樹脂またはオリゴマー等を使用することもできる。具体的には、4級アンモニウム塩を有するポリスチレン系樹脂、4級アンモニウム塩を有するアクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するポリエステル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリスチレン系樹脂、カルボン酸塩を有するアクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリエステル系樹脂、カルボキシル基を有するポリスチレン系樹脂、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂、カルボキシル基を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボキシル基を有するポリエステル系樹脂等の1種または2種以上が挙げられる。
特に、4級アンモニウム塩、カルボン酸塩あるいはカルボキシル基を官能基として有するスチレン−アクリル系樹脂(スチレン−アクリル系共重合体)は、帯電量を所望の範囲内の値に容易に調節することができる点で好適である。また、スチレンと共にスチレン−アクリル系樹脂を構成するアクリル系単量体としてはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類が挙げられる。
さらに、4級アンモニウム塩化合物としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートから第4級化の工程を経て誘導される単位が用いられる。誘導されるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジ(低級アルキル)アミノエチル(メタ)アクリレート類;ジメチルメタクリルアミド;ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドが好適である。また、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシ基含有重合性モノマーを重合時に併用することもできる。
負帯電性の電荷制御剤としては、例えば、有機金属錯体やキレート化合物が有効であり、中でもアセチルアセトン金属錯体、サリチル酸系金属錯体または塩が好ましく、特にサリチル酸系金属錯体または塩が好ましい。このうち、アセチルアセトン金属錯体としては、例えばアルミニウムアセチルアセトナート、鉄(II)アセチルアセトナート等が挙げられる。またサリチル酸系金属錯体または塩としては、例えば3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸クロム等が挙げられる。
電荷制御剤の割合は、トナーを形成する固形分の総量中の、0.5〜15.0重量%、中でも、2.0〜8.0重量%、特に、3.0〜7.0重量%であるのが好ましい。電荷制御剤の割合がこの範囲未満では、MICR用トナーに安定した帯電特性を付与することが困難となり、画像濃度が低くなったり、耐久性が低下したりするおそれがある。逆に、上記の範囲を超える場合には、MICR用トナーの耐環境性、特に高温高湿下での帯電不良、画像不良を生じやすい。また、バインダ樹脂に対する分散不良が起こりやすいことから、地カブリの原因となったり、分散されずに凝集した電荷制御剤が感光体を汚染したりするおそれもある。
〈ワックス〉
ワックスは、MICR用トナーの、紙等の被印刷物の表面への定着性を向上させたり、定着時のMICR用トナーが、画像形成装置の定着ローラ等に付着するオフセットを防止して、耐オフセット性を向上させたり、定着ローラ等に付着したMICR用トナーが、被印刷物の表面に再付着して画像を汚す、像スミアリングを防止したりするために配合される。
ワックスとしては、例えばポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のオレフイン系ワックス類;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の植物系ワックス類;モンタンワックス等の鉱物系ワックス類;石炭及び天然ガス等からフィッシャー・トロプシュ法により作製されるフィッシャー・トロプシュワックス類;パラフインワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス類;エステル系ワックス類;テフロン(登録商標)系ワックス類等の中から1種または2種以上を選択して使用することができる。
ワックスの割合は、トナーを形成する固形分の総量中の、1〜5重量%であるのが好ましい。ワックスの割合がこの範囲未満では、MICR用トナーの対オフセット性を向上させたり、像スミアリングを防止したりする効果が不十分になるおそれがあり、逆にこの範囲を超える場合には、MICR用トナー同士が融着しやすくなって、保存安定性が低下するおそれがある。
〈MICR用トナーの製造〉
本発明のMICR用トナーは、上記の各成分を、ヘンシェルミキサー等のかく拌混合機を使用して混合し、次いで押出機等の混練機を用いて混練したのち、冷却し、さらに粉砕すると共に、必要に応じて分級することで製造される。また上記の各成分を湿式混合してもよい。
かくして製造される本発明のMICR用トナーは、前記のように、粒子形状が異なる第1および第2の磁性粉を併用することによって、読取装置によって読み取る際の精度に優れたものとなる。なお、より一層、読み取り精度に優れると共に、高い画像濃度を有する良好な識別マークを形成することを考慮すると、MICR用トナーの、体積基準の中心粒径は、3〜15μm、特に、5〜10μmであるのが好ましい。
また、本発明のMICR用トナーにおいては、その飽和磁化が、35〜45Am2/kg、特に37〜43Am2/kgであるのが好ましい。第1および第2の磁性粉の飽和磁化や配合割合等を変更して、MICR用トナーの飽和磁化をこの範囲内に調整することによって、当該MICR用トナーを用いたプリンタを、通常の画像形成に使用した際に、その画像特性、特に、画像濃度を安定させることができる。
また、飽和磁化と同じく、第1および第2の磁性粉の飽和磁化や配合割合等を変更して調整されるMICR用トナーの保磁力は、磁性1成分ジャンピング現像方法等の現像方法によって良好な識別マークを形成することや、形成した識別マークの残留磁化を長期間に亘って良好に維持する考慮すると、0.090〜0.110kOe、特に0.094〜0.098kOeであるのが好ましい。
また、本発明のMICR用トナーは、その表面を、従来同様に、流動性や保存安定性等を向上させるためのシリカ(流動化剤)や、潜像保持体の表面からのクリーニング除去しやすさを示すクリーニング性等を向上させるための酸化チタン、酸化アルミニウム等の研磨剤などの外添剤(通常は、平均粒径が1.0μm以下)によって表面処理してもよい。
また、MICR用トナーに、磁性1成分ジャンピング現像方法によって現像する際に必要な帯電性を付与するためには、外添剤、特に流動化剤として、その表面を、アミノシラン、シリコーンオイル、シラン系カップリング剤(ヘキサメチルジシラザン等)、チタン系カップリング剤等によって表面処理して、体積抵抗値を105〜109Ω・cm、特に、107〜108Ω・cmに調整したものを用いるのが好ましい。体積抵抗値がこの範囲内にある外添剤を外添すると、MICR用トナーの耐久性を向上すると共に、特に、帯電しにくい高湿条件下での印字特性を向上することができる。かかる流動化剤の具体例としては、シランカップリング剤を用いて正帯電極性基(アミノ基等)を導入すると共に、シリコーンオイルによって疎水化処理した乾式シリカが挙げられる。また、研磨剤としては、酸化チタン、酸化アルミニウム等の表面を導電処理した導電性研磨剤を用いるのが好ましい。
表面処理は、MICR用トナーと外添剤とを乾式混合するのが好ましく、特に、外添剤がトナー粒子の表面に埋め込まれるのを防止するために、ヘンシェルミキサーやナウターミキサー等を使用して混合するのが好ましい。外添剤の割合は、トナー粒子100重量部に対して0.1〜5重量部、特に1〜3重量部であるのが好ましい。外添剤の割合がこの範囲未満では、MICR用トナーの流動性が低下すると共に、画像濃度が低下するおそれがある。また、この範囲を超える場合には、MICR用トナーの耐久性が低下するおそれがある。
《画像形成方法》
本発明の画像形成方法は、磁性1成分ジャンピング現像方法により、静電潜像を保持する潜像保持体と、固定磁石を内蔵して回転し、その表面に、MICR用トナーの薄層が形成される現像剤担持体とを、薄層と潜像保持体とが接触しないように間隔を保持して対峙させた状態で、薄層から、MICR用トナーを潜像保持体の表面に飛翔させて、静電潜像をトナー像に顕像化する工程を含み、被印刷物の表面に、磁気インク文字認証システム用の識別マークを形成するに際し、請求項1記載のMICR用トナーと、潜像保持体としてのアモルファスシリコン感光体とを用いることを特徴とする。
〈アモルファスシリコン感光体〉
アモルファスシリコン感光体としては、例えばドラム状などの所定の形状に形成した導電性基体の表面にアモルファスシリコン系の感光層を備えた、従来公知の種々の構造を有する感光体を用いることができる。また、アモルファスシリコン系の感光層は、例えばグロー放電分解法、スパッタリング法、ECR法、蒸着法などの気相成長法によって形成することができ、その形成にあたっては、Hやハロゲン元素を含有させることもできる。また感光体の特性を調整するためにC、N、O等の元素を含有させたり、周期表(長周期型)の13族元素や15族元素を含有させたりしてもよい。
具体的には、感光層は、例えばa−Siの他、a−SiC、a−SiO、a−SiONなどのアモルファスシリコン系の、光導電性を有する種々の材料にて形成することができる。特に、a−SiCを用いるのが好ましく、その場合はSi1-xxのxの値を0<x≦0.5、好ましくは0.05≦x≦0.45に設定するのがよい。この範囲であればa−SiC層を、良好なキャリアの輸送を維持しつつa−Si層よりも高抵抗にして、感光体の光感度特性を向上することができる。13族元素や15族元素としては、それぞれBやPが、共有結合性に優れ、半導体特性を敏感に変え得る点で、また優れた光感度が得られるという点で望ましい。
さらに、アモルファスシリコン系の感光層を、光キャリア発生の機能を高めた層領域(光励起層領域)と、キャリア輸送の機能を持たせた層領域(キャリア輸送層領域)とを積層したものとすると、感光体の光感度と耐電圧特性とをともに高めることができる。この際、光励起層領域は光キャリアの生成効率を高めるため、成膜条件のうち、(1) 成膜速度を低めに設定する、(2) 成膜成分の、H2やHeでの希釈率を高める、(3) ドープする元素の量を、キャリア輸送層領域よりも多くする、等の対策を施しつつ成膜するのが好ましい。
また、キャリア輸送層領域は、主に感光層の耐圧を高めるとともに、光励起層領域から注入されたキャリアを導電性基体にスムースに輸送する役割を持つが、この層領域においても、光励起層領域を透過してきた光によりキャリア生成が行われるため、感光体の光感度の向上に寄与する。
アモルファスシリコン系の感光層の厚みは、露光波長の光に対するこの層の吸収係数から求まる光吸収の深さに対して、さらに0.1〜2.0μmを加えた厚みとするのが好ましい。また、感光層を、上記のように光励起層領域とキャリア輸送層領域とを積層したものとする場合には、光励起層領域の厚みを、上記光吸収の深さにほぼ等しく設定するのが好ましい。
感光層と導電性基体との間には、キャリア阻止層を介在させるのが好ましい。キャリア阻止層は、現像時に感光体の表面がバイアス電圧を印加されつつトナーと接触した際に、導電性基体から感光層へのキャリアの注入を阻止することにより、露光部と非露光部との静電コントラストを高めて画像の濃度を向上させるとともに、地肌カブリを低減する機能を有する。キャリア阻止層としては、それぞれ絶縁性であるa−SiC、a−SiO、a−SiN、a−SiON、a−SiCONなどにて形成した無機絶縁層や、あるいはポリエチレンテレフタレート、パリレン(登録商標)、ポリ四フッ化エチレン、ポリイミド、ポリフッ化エチレンプロピレン、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、酢酸セルローズ樹脂その他によって形成した有機絶縁層等を用いるのが好ましい。
また、キャリア阻止層には、絶縁性とともに、導電性基体やアモルファスシリコン系感光層との密着性が良く、かつ感光層を形成する際の加熱等にも大きな変質を起こさないといった特性が求められる。かかる特性を考慮すると、キャリア阻止層もa−SiCにて形成するのが好ましい。キャリア阻止層を形成するa−SiCを絶縁性とするためには、キャリア阻止層に含まれるCの量を、感光層の場合に比べて多くすればよい。キャリア阻止層の厚みは0.01〜5μmであるのが好ましく、0.1〜3μmであるのがさらに好ましい。
また感光層の表面は、有機もしくは無機の絶縁材料からなる表面保護層によって被覆して保護するのが好ましい。これにより、帯電手段などによる放電時に感光層の表面が酸化されて、放電生成物や水分子などを吸着しやすい酸化物被膜が形成されるのを防止することができる。また絶縁耐圧を向上したり、繰り返し使用した際の耐磨耗性を向上したりすることもできる。中でも、a−SiC、a−SiN、a−SiO、a−SiCO、a−SiNOなどのa−Si系の絶縁材料からなる層を用いるのがよく、これらは感光層と同様の薄膜形成方法によって形成することができ、特にa−SiCにて形成するのが好ましい。
表面保護層にa−SiCを用いる場合は、絶縁性を付与するため、キャリア阻止層の場合と同様に、含まれるCの量を感光層に比べて多くすればよい。具体的には、Si1-xxのx値を0.3≦x<1.0、特に0.5≦x≦0.95とするのが好ましい。また、上記Cのx値を調整して、表面保護層の暗抵抗率を1013Ω・cm以上とするのが好ましい。暗抵抗率が1013Ω・cm以上であると、感光体は、表面保護層の面方向における電位の流れが少ないため静電潜像の維持能力が高い上、耐湿性にも優れており、吸水による画像流れの発生を抑制する効果に優れたものとなる。
また、かかる高抵抗の表面保護層は、トナーを通してのバイアスによる電荷の注入を阻止し、露光部と非露光部との電位コントラストを高めて、その表面に、より多くのトナーを引き付けてトナー像の濃度を増し、画像濃度を十分に高める機能も有する。また、地肌カブリを抑制することもできる。さらに感光体の絶縁耐圧を高めることもできる。
また、a−SiC以外の他の絶縁材料にて形成した表面保護層は、画像形成後にも光キャリアがトラップされ続けてしまい、通常の除電工程では残留電位を確実に消去できないおそれがある。しかしa−SiCにて形成した表面保護層は、表面からの正電荷は有効に阻止するが、導電性基体からの負電荷は比較的通し易いという性質を持つため、画像形成後の残留電位を、通常の除電工程によって効果的に消去でき、連続して画像形成を行えるという利点もある。
しかも、a−SiCにて形成した表面保護層は、a−SiC等のアモルファスシリコン系の感光層との密着性が良好であるとともに、耐磨耗性、耐環境性等にも優れるため、長期にわたって安定した画像形成を行えるという利点もある。a−SiCにて形成した表面保護層は、その層内で、Cの量に厚み方向の勾配を形成してもよいし、CとともにN、O、Geなどの元素を含有させて耐湿性をさらに高めることもできる。
表面保護層の厚みは0.05〜5μmであるのが好ましく、0.1〜3μmであるのがさらに好ましい。厚みが0.05μm未満では、上述した酸化物被膜生成を防止する効果や、絶縁耐圧を向上する効果、あるいは繰り返し使用した際の耐磨耗性を向上する効果などが十分に得られないおそれがある。また、光キャリアを効果的にトラップしてトナー像の形成に寄与させることができないおそれもある。
一方、厚みが5μmを超える場合には、精細な電荷パターンを形成するに際して、表面保護層中で電界(電気力線)が膜面方向に広がりを生じて解像力の低下をきたす結果、十分な解像度が得られないおそれがある。また、表面に残留する電荷が多くなって残留電位が高くなるため、画像濃度の低下や地肌カブリ、あるいは繰り返し使用における画像濃度の変化等の問題を生じるおそれもある。
本発明の画像形成方法は、アモルファスシリコン感光体と、前記本発明のMICR用トナーとを組み合わせること以外は従来同様に実施することができる。例えば、現像剤担持体としては、従来公知の種々の材料からなるものを使用することができるが、特に、その表面の十点平均粗さRzが2.0〜6.0であるものを使用するのが好ましい。
十点平均粗さRzがこの範囲未満である現像剤担持体は、表面の平滑性が高すぎることからトナーの搬送性が不十分になって、その表面に、十分な厚みを有する薄層を形成することができず、形成画像の画像濃度が低下するおそれがある。
一方、十点平均粗さRzがこの範囲を超える現像剤担持体は、表面の平滑性が低すぎて、大きな凹凸を有するため、その表面には、厚みが均一で欠陥等のないきれいな薄層を形成することができず、形成画像の画質が低下するおそれがある。また、現像剤担持体の表面の凹凸のうち、突起の部分で潜像保持体への電位のリークが発生しやすく、リークが発生すると、形成画像の、リークした部分に微小黒点を生じるおそれもある。
したがって、現像剤担持体の、表面の十点平均粗さRzは、2.0〜6.0μmであるのが好ましい。なお、現像剤担持体の、表面の十点平均粗さRzは、表面粗さ測定器〔例えば(株)小坂研究所製のサーフコーダSE−30D等〕を用いて測定することができる。
現像剤担持体は、例えばアルミニウムやステンレス鋼等によって形成することができる。このうち、ステンレス鋼としては、例えばSUS303、SUS304、SUS305、SUS316等に分類されるステンレス鋼が挙げられ、特に磁性が弱くかつ加工しやすいことから、SUS305が好ましい。
(磁性粉のアスペクト比、平均粒子径の測定)
第1および第2の磁性粉のアスペクト比、および平均粒子径は、下記の手順で測定した。
透過型電子顕微鏡によって撮影した写真(倍率1万杯)をさらに4倍に拡大して、写真に写された300個の磁性粉について、アスペクト比を測定し、その平均値を求めて、磁性粉のアスペクト比とした。また、上記300個の磁性粉についてマーチン径(円相当径)を測定し、その平均値を求めて、磁性粉の平均粒子径とした。
(磁性粉の磁気特性の測定)
第1および第2の磁性粉の残留磁化σr、飽和磁化σs、および保磁力Hcは、下記の手順で測定した。なお、これら磁気特性の測定は、振動試料型磁力計〔東英工業(株)のVSM−C7型〕を用いて行った。
磁性粉に対して5kOeの外部磁場を印加し、次いで、外部磁場をゼロにしたときのヒステリシス曲線を測定し、その磁気メモリ量から、磁性粉の残留磁化σrを求めた。また、5kOeの外部磁場を印加して飽和させたときのヒステリシス曲線を測定し、その磁気メモリ量から、磁性粉の飽和磁化σsを求めた。さらに、磁性粉に対して、その磁化と逆向きの磁場を作用させた際に、磁化が0となる磁場の強さを求めて、磁性粉の保磁力Hcとした。
実施例1:
(第1の磁性粉)
第1の磁性粉としては、マグネタイトからなり、粒子形状が針状であると共に、長径と短径の比で表されるアスペクト比が3.57、平均粒子径が0.70μm、残留磁化σrが32.0Am2/kg、飽和磁化σsが84.0Am2/kg、保磁力Hcが0.325kOeである磁性粉〔戸田工業(株)製〕を用いた。
(第2の磁性粉)
第2の磁性粉としては、マグネタイトからなり、粒子形状が、図1に示すように、8個の三角形で囲まれた凸多面体である八面体を基本とし、八面体の各頂点および稜線が曲面状で、かつ、その投影像の外周部に直線とみなせる部分を有すると共に、アスペクト比が1.31、平均粒子径が0.22μm、残留磁化が8.82Am2/kg、飽和磁化が83.9Am2/kg、保磁力Hcが0.103kOeである磁性粉〔戸田工業(株)製〕を用いた。
(MICR用トナーの製造)
バインダ樹脂としてのスチレン−アクリル系共重合樹脂54重量部と、第1の磁性粉18重量部と、第2の磁性粉22重量部と、ポリエチレンワックス〔サゾール社製〕4重量部と、正電荷制御剤としての4級アンモニウム塩〔オリエント化学(株)製のボントロンP−51〕2重量部とを、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、二軸押出機を用いて混練し、冷却した後、ハンマーミルを用いて粗粉砕した。次いで、機械式粉砕機を用いて微粉砕した後、気流式分級機を用いて分級して、体積基準の中心粒径が7μmで、かつ、粒径5〜10μmの範囲内に粒子重量の80重量%が分布している粒径分布を有するMICR用トナーを製造した。
実施例2〜4、比較例1〜5:
第1の磁性粉として、実施例1で使用したものに代えて、下記表1に示す各特性を有する磁性粉〔いずれも戸田工業(株)製〕を、また、第2の磁性粉として、実施例1で使用したものに代えて、下記表2に示す各特性を有する磁性粉〔いずれも戸田工業(株)製〕を、それぞれ同量、使用したこと以外は実施例1と同様にして、MICR用トナーを製造した。なお、表1、2中、粒子形状の欄の符号は下記のとおり。
八−丸:八面体状で、かつ頂点および稜線が曲面状とされていると共に、その投影像の外周部に直線とみなせる部分を有するもの。
立−丸:立方体状で、かつ頂点および稜線が曲面状とされていると共に、その投影像の外周部に直線とみなせる部分を有するもの。
八−角:八面体状で、かつ頂点および稜線が曲面状とされていないもの。通常の八面体。
球:球状のもの。
立−角:立方体状で、かつ頂点および稜線が曲面状とされていないもの。通常の六面体。
針:針状のもの。
〈MICR用トナーの磁気特性の測定〉
MICR用トナーの残留磁化Σr、飽和磁化Σr、および保磁力HCを、磁性粉の残留磁化σr、飽和磁化σs、および保磁力Hcと同様に、次の手順で求めた。
MICR用トナーに対して5kOeの外部磁場を印加し、次いで、外部磁場をゼロにしたときのヒステリシス曲線を測定し、その磁気メモリ量から、MICR用トナーの残留磁化Σrを求めた。また、5kOeの外部磁場を印加して飽和させたときのヒステリシス曲線を測定し、その磁気メモリ量から、MICR用トナーの飽和磁化Σsを求めた。さらに、MICR用トナーに対して、その磁化と逆向きの磁場を作用させた際に、磁化が0となる磁場の強さを求めて、MICR用トナーの保磁力HCとした。
〈実機試験〉
アミノシランを用いてアミノ基を導入すると共に、シリコーンオイルによって疎水化処理した乾式シリカ1.0重量部と、導電処理を施した導電性研磨剤1.4重量部とを、上記各実施例、比較例のMICR用トナー100重量部に加え、ヘンシェルミキサーを用いて混合して磁性1成分現像剤を調製した。
次に、この磁性1成分現像剤を、磁性1成分ジャンピング現像方式のレーザービームプリンタ〔京セラ(株)製のエコシス(登録商標)FS−3750〕に使用して、温度20℃、相対湿度65%RHの常温、常湿環境下で、下記の各特性を評価した。なお、現像剤保持体としては、表面の十点平均粗さRzが5.0μmである、SUS305製のスリーブを用い、潜像保持体としては、アモルファスシリコン感光体を用いた。
(画像濃度)
上記レーザービームプリンタを使用して、普通紙の表面に、ソリッドブラックパターンを画像形成した1枚目の画像(初期画像)の画像濃度と、ISO4%原稿を5万枚、連続画像形成した後、ソリッドブラックパターンを画像形成した画像(耐久後画像)の画像濃度とを、それぞれマクベス反射濃度計〔グレタグ・マクベス社製のRD914〕を用いて測定した。そして、画像濃度が1.20以上のものを合格、1.20未満のものを不合格として評価した。結果を表3に示す。
また、実施例1と比較例2については、ISO4%原稿を5000枚、連続画像形成するごとに、ソリッドブラックパターンを画像形成して、画像濃度を測定する操作を、ISO4%原稿を10万枚、印刷するまで繰り返し行って、画像濃度の推移を記録した。結果を図2に示す。
(読み取り精度)
上記レーザービームプリンタを使用して、小切手用紙の表面に、MICRシステム用の識別マークとしての、MICRフォントのE−13BまたはCMC−7の全フォントによる画像評価用パターンを画像形成し、それをMICR用の読取装置〔カナダRDM社製のMICR Qualifier〕に通した際の読み取り率を記録して、初期の読み取り精度とした。また、ISO4%原稿を5万枚、連続画像形成した後、同じ画像評価用パターンを画像形成して、読取装置に通した際の、ISO 1004:1995「情報処理−磁気インク文字の認識−印刷仕様」による読み取り率を記録して、耐久後の読み取り精度とした。そして、読み取り精度が100〜200%の範囲内であったものを合格、この範囲外であったものを不合格として評価した。結果を表3に示す。
また、実施例1と比較例2については、ISO4%原稿を5000枚、連続画像形成するごとに、上記の画像評価用パターンを画像形成して、読取装置に通した際の読み取り率を記録する操作を、ISO4%原稿を10万枚、印刷するまで繰り返し行って、読み取り精度の推移を記録した。結果を図3に示す。
表より、粒子形状は八面体を基本としているものの、その頂点および稜線が曲面状とされていない通常の八面体状である第2の磁性粉を用いた比較例1のMICR用トナー、および、粒子形状は立方体を基本としているものの、その頂点および稜線が曲面状とされていない通常の立方体状である第2の磁性粉を用いた比較例3のMICR用トナーは、共に、初期の画像濃度が低い上、耐久後の画像濃度がさらに低下することがわかった。また、粒子形状が球状である第2の磁性粉を用いた比較例2のMICR用トナーは、初期および耐久後の読み取り率が、共に著しく低いことがわかった。さらに、粒子形状が針状である第2の磁性粉を用いた比較例4のMICR用トナーは、初期および耐久後の画像濃度が、共に著しく低いことがわかった。
これに対し、粒子形状が八面体または立方体を基本とし、その頂点および稜線が曲面状とされていると共に、投影像の外周部に直線とみなせる部分を有する第2の磁性粉を用いた実施例1〜6のMICR用トナーは、初期および耐久後の画像濃度が高く、かつ、初期および耐久後の読み取り率が高いことがわかった。
また、図2より、比較例1のMICR用トナーは、画像濃度が、3万5千万枚までは、1.30の付近を上下しているが、4万枚を超えると1.30よりも大きく低下してしまうのに対し、実施例1のMICR用トナーでは、画像濃度が、9万枚まで、1.30以上を維持できることが判った。
さらに、図3より、比較例1のMICR用トナーは、フォントの読み取り率が、E−13Bフォントにおいては5万枚の時点で、またCMC−7フォントにおいては7万枚の時点で100%を下回るのに対し、実施例1のMICR用トナーでは、E−13BフォントおよびCMC−7フォントの両方とも、10万枚まで、読み取り率100%以上を維持できることが判った。
本発明のMICR用トナーで使用する第2の磁性粉の一例を示す透過型電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例1、比較例2のMICR用トナーを用いて連続的に画像形成した際の、画像濃度の推移を示すグラフである。 上記実施例1、比較例2のMICR用トナーを用いて連続的に画像形成した際の、MICRフォントの読み取り率の推移を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 磁気インク文字認証システム用の識別マークを形成するためのMICR用トナーであって、(1) 粒子形状が針状である第1の磁性粉と、(2) 粒子形状が多面体を基本とし、多面体の各頂点および稜線が曲面状で、かつ、その投影像の外周部に直線とみなせる部分を有する第2の磁性粉とを含むことを特徴とするMICR用トナー。
  2. 第2の磁性粉の粒子形状が、8個の三角形で囲まれた凸多面体である八面体、および6個の四角形で囲まれた凸多面体である六面体のうちの少なくとも一方を基本としている請求項1記載のMICR用トナー。
  3. 静電潜像を保持する潜像保持体と、固定磁石を内蔵して回転し、その表面に、MICR用トナーの薄層が形成される現像剤担持体とを、薄層と潜像保持体とが接触しないように間隔を保持して対峙させた状態で、薄層から、MICR用トナーを潜像保持体の表面に飛翔させて、静電潜像をトナー像に顕像化する工程を含み、被印刷物の表面に、磁気インク文字認証システム用の識別マークを形成するための画像形成方法であって、請求項1記載のMICR用トナーと、潜像保持体としてのアモルファスシリコン感光体とを用いることを特徴とする画像形成方法。
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JP2016224371A (ja) * 2015-06-03 2016-12-28 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 磁性トナーの製造方法

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