JP2006201199A - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

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【課題】スキャニングミラーの動的変形のその場測定値を用いることで、その変形に伴う走査光品質の低下を抑えられる光走査装置を提供する。
【解決手段】光走査装置において、パルス光源からの光を分割して、一方の光を前記スキャニングミラーに照射してその反射光を物体光とし、他方の光を参照光として、前記物体光と前記参照光とを干渉させて干渉縞を取得する手段を有すること、前記干渉縞を時間的、または空間的に変調するための干渉縞変調手段を有すること、前記スキャニングミラーの動作と前記パルス光源発光とのタイミングを調整する手段を有すること、前記干渉縞からスキャニングミラー動作中の表面形状を求める演算器を有すること、前記演算器から出力される表面形状測定値に基づき、被測定物の形状に起因する前記被走査面上での光像の精度劣化を補正する補正手段を有すること。
【選択図】図4

Description

この発明は、デジタル複写機、レーザプリンター等の画像形成装置に用いられる光走査装置および前記光走査装置を用いた画像形成装置に関するものであり、光走査型のバーコード読み取り装置や三次元形状測定装置にも利用することができるものである。
本出願の発明に関連する走査光学装置の従来例として特許第3432054号公報に記載された「光走査光学装置」がある。この走査光学装置では、回転に伴う遠心力によってポリゴンミラーが主走査方向に変形し、静止状態における走査レンズのピント位置が感光ドラム表面からずれる。ポリゴンミラーの変形をシミュレーションにより予め予想しておき、ポリゴンミラーの変形によりピント位置ずれが補正されるようにしたものである。
また、「光走査装置および画像形成装置」の従来例として、特開2004−191416号公報に記載されているものがある。これは、シリコンマイクロマシニングによる振動ミラーを偏向器に用いた光走査装置および画像形成装置に関するものであり、前記振動ミラーは薄い基板からなるため振動時の空気抵抗によって基板全体がS字状に変形し、走査時の走査レンズによるピント位置が感光ドラム表面からずれるが、この従来技術では、光源からの光ビームを所定の収束状態または発散状態に変換する結像光学系を用い、振動ミラーの動的変形に応じて、結像光学系による光ビームの結像位置を被走査面から変化させることによって、振動ミラーの動的変形によるスポット径変化を抑え、高品位な画像形成装置を得ることができるものである。
さらに公知例ではないが、特願2004−149555号の「動的形状測定装置、測定方法および測定誤差補正方法」があり、これは、フーリエ変換法を用いた可動物の動的形状測定において、被測定物の非周期運動成分に起因する測定時間の増大、操作性の低下という課題を解決したものであり、また、特願2004−088056号の「可動物体、又は静止物体の形状測定装置および形状測定方法」があり、これは、フーリエ変換法を用いた形状測定では、被測定面と参照面との相対的な傾きと形状の凹凸方向との関係を明確化しておかないと、測定結果における形状の凹凸方向が不明確になり、特に動的形状測定の場合、被測定面の傾きが時々刻々と変化するため、形状凹凸が反転した測定結果が得られる可能性があるので、被測定面と参照面との相対的な傾き情報を、干渉縞画像と同時に収録して、干渉縞画像から求められる形状の凹凸方向を正しいものとするものである。
なお、上記フーリエ変換法の参考資料「フーリエ変換と光応用計測」光技術コンタクトVol.36、No.2(1998)を参照されたい。
特許第3432054号公報 特開2004−191416号公報
〔請求項1に係る発明の課題〕
従来、光走査装置は図1に示したように、レーザ光源1から発散した光束はコリメータレンズ2で平行光にされ、平行レーザ光はシリンドリカルレンズ3により副走査方向についてのみ集光され、ポリゴンミラー4の面上に照射される。ポリゴンミラー4は一定速度で回転し、このポリゴンミラー4で反射された光束は球面レンズ5とトーリックレンズ6を通ることによりfθ特性が補正され、感光ドラム7上を収束光が走査する。感光ドラム7は半導体レーザ光源1の駆動信号に同期し一定速度で回転し、走査光により静電潜像が感光ドラム7上に形成される。この静電潜像から電子写真プロセスにより用紙上に画像が印刷される。
しかしながら上述の従来例では、ポリゴンミラー4が静止した状態でベストピント位置が感光ドラム7の表面になるように光学系が設計されている。このときポリゴンミラー4が高速回転すると、遠心力や温度の影響によって反射面が変形する。特に、最近はプリントの高画質化、高精細化が進められており、ポリゴンミラーの変形による画質劣化が問題となる。またポリゴンミラーの回転速度もより高速のものが求められるため、変形量とともに画質劣化が増大する傾向にある。また光学系についてはより微小なスポット光が求められ、光学系の深度は減少する傾向にある。そのような事情で、特許第3432054号公報の「光走査光学装置」では、回転に伴うポリゴンミラーの変形を三次元弾性体シミュレーションによりあらかじめ予想しておき、ポリゴンミラーの変形によるピント位置ずれを補正した光走査光学装置を提供している。しかしながらシミュレーションによる結果は、ポリゴンミラーまわりの部品が理想状態で製作されていることを前提としているため、シミュレーションにより求められた変形と製作されたポリゴンミラーによる変形とは厳密には一致しない。また使用条件もシミュレーション時と実使用時では必ずしも一致せず、周囲の温度や偏心などの製作誤差によって実際の変形は刻々と変化するものである。そのためシミュレーション結果に基づく光学特性への影響の補正は実際には不完全である。
一方ポリゴンミラーでは高速回転化に伴う軸受の耐久性や風損による発熱、騒音といった問題が懸念されており、ポリゴンミラーとは別のスキャニングミラーとして、シリコンマイクロマシニングの利用が研究されている。これはシリコン基板で振動ミラーとそれを軸支するねじり梁とを一体形成し、静電力などを駆動源としてねじり梁をねじりながら振動ミラーを振動させて光ビームを偏向する方式である。
図2に振動ミラーの様子を示すが、8aがミラー面であり、8bがねじり梁、8cがベースであって、図の矢印の方向に振動する。高速動作が可能であるにも関わらず騒音が低く、また消費電力が低いという利点がある。しかしその反面、振動ミラー自体は薄い基板から成るため、振動に伴う空気抵抗によって基板全体がS字状に変形するという欠点があり、変形により振動ミラー上での光の反射位置によってピント位置が被走査面からずれるという問題が生じる。そのような事情で、特開2004−191416号公報の「光走査装置および画像形成装置」では、光源からの光ビームを所定の収束状態または発散状態に変換する結像光学系を用い、振動ミラーの動的変形に応じて、結像光学系による光ビームの結像位置を被走査面から変化させることによって、振動ミラーの動的変形によるスポット径変化を抑えている。この場合も動的変形量を予想して結像位置を変化させるため、実際の変形に対しては補正誤差が生じる。
請求項1に係る発明では、上述したようなポリゴンミラーや振動ミラーなどのスキャニングミラーを有する光走査装置において、パルス光源と、当該パルス光源からの光を分割して、一方の光を前記スキャニングミラーに照射して、その反射光を物体光とし、他方の光を参照光として、前記物体光と前記参照光とを干渉させて干渉縞を取得する干渉縞取得手段と、前記干渉縞を時間的、あるいは空間的に変調するための干渉縞変調手段と、前記スキャニングミラーの動作と前記パルス光源の発光とのタイミングを調整する手段と、前記干渉縞からスキャニングミラーの動作中における表面形状を求めるための演算器とを有する動的変形測定のための構成を光走査装置内に組み込み、測定装置から出力される表面形状に基づいて、被測定物の形状に起因する前記被走査面上での前記光源からのスポット光像の精度劣化を補正する。動的変形のその場測定値を用いることで、実際に則し、変形の経時変化にも対応可能な正確な補正ができ、スキャニングミラーの変形に伴う走査光品質の低下を抑えられる光走査装置を提供することを目的とする。
〔請求項2に係る発明の課題〕
請求項1記載の光走査装置において、前記干渉縞を時間的、あるいは空間的に変調するための干渉縞変調手段と、前記スキャニングミラーの動作と前記パルス光源の発光とのタイミングを調整する手段と、前記干渉縞からスキャニングミラーの動作中における表面形状を求めるための演算器と、前記演算器から出力される表面形状測定値に基づき、被測定物の形状に起因する前記被走査面上での前記光源からの光像の精度劣化を補正する手段と、を取り除いたものであり、動的変形測定値に基づいて走査光品質の低下を抑えるためのフィードバック制御をかけないことが想定される。
この場合については、動的変形仕様(走査光品質を低下させないレベルの変形)を満足するスキャニングミラーであっても、経時変化などにより動的変形量が増大する可能性があるため、定期的、あるいは任意周期でスキャニングミラーの動的変形量をチェックしたいという要望がある。
他方、スキャニングミラーなどの可動物の動的形状を測定する装置には、特願2004−149555号の「動的形状測定装置、測定方法および測定誤差補正方法」や、特願2004−088056号の「可動物体、又は静止物体の形状測定装置および形状測定方法」があるが、これらは、光走査装置とは独立した装置であるため、光走査装置からスキャニングミラーを取り出し、測定装置にセットして動的変形をチェックする必要がある。手間がかかるうえ、スキャニングミラーの実使用状態でチェックを行うことができない。
請求項2に係る発明は、動的変形を検知するための構成を光走査装置内に組み込むことにより、定期的、あるいは任意周期でスキャニングミラーの動的変形のチェックを実施可能にし、装置の品質チェックや故障診断作業を簡単・容易に行えるようにすることを目的とする。
〔請求項3に係る発明の課題〕
前記干渉縞取得手段により取得した干渉縞からフーリエ変換法の原理で形状を求める場合、被測定面と参照面との相対的な傾きと形状の凹凸方向との関係を明確化しておかないと、測定結果における形状の凹凸方向が不明確になる。特に動的形状測定の場合、被測定面の傾きが時々刻々と変化して、事前に調べた被測定面と参照面との相対的な傾きと形状の凹凸方向との関係が変わってしまい、形状凹凸が反転した測定結果が得られる可能性がある。例えば実際には凹面の形状が凸面として測定されると、走査光品質の補正が正常に作用しなくなる。したがって形状の凹凸方向は明確化する必要がある。
請求項3に係る発明は、光走査装置において、前記物体光と前記参照光との相対的な傾きを検出する形状凹凸方向判定手段を有することにより、形状凹凸方向が明確化された動的変形を取得し、走査光品質の補正を正常に作用させ、より信頼性の高い前記補正を行うことを目的とする。
〔請求項4に係る発明の課題〕
ポリゴンミラーの変形は、ミラー面が図3に示したように主走査方向に曲率をもつような形で生じることが多い。図3ではポリゴンミラー4におけるA−A断面の形状が示されている。本来は平面であるべきミラー面が曲率をもつと、被走査面上で走査光スポットが広がってしまうため、画像記録の解像度が低下する。また光走査装置の実使用時の周囲温度やポリゴンミラーの製作誤差などにより、変形によるミラー面の曲率は時間的に変化するものであり、走査光スポットの広がりの状態は時間的に変化するものである。
請求項4に係る発明は、ポリゴンミラーや振動ミラーなどのスキャニングミラーの動的変形に起因した被走査面上での走査光スポットの広がりを抑える方法であって、動的変形を測定するための構成を用いて取得したミラー面の曲率の情報を、例えば光源とスキャニングミラーとの間に設置したレンズの位置調整機構にフィードバックし、ミラー面の曲率に応じて、スキャニングミラーへの照射光の広がり角度を調整し、被走査面上での走査光のスポットを最適な状態にする。スキャニングミラーの動的変形に起因した走査光品質の低下を抑えることを目的とする。
〔請求項5に係る発明の課題〕
ポリゴンミラーや振動ミラーなどのスキャニングミラーの動的変形に起因した被走査面上での走査光スポットの波面収差を抑える方法である。請求項4の装置では測定したスキャニングミラーの変形を主走査方向における面の曲率としてフィードバックしたが、実際の変形はミラー面全体で生じており、走査光ビームの光軸に対して軸対称であるとは限らない。そのような変形は走査光の波面収差として作用し、被走査面上で本来は光軸に対してほぼ軸対称の強度分布であるべき走査光スポットに歪を与えて、画像記録の解像度の低下や場所による解像度ムラを生じさせる。
請求項5に係る発明では、光源からスキャニングミラーまでの光路に液晶などの空間位相変調器を設置し、測定した動的変形に基づいてスキャニングミラーの変形により生じる走査光ビームの波面収差を補償するような位相分布を空間位相変調器に与え、走査光ビームの波面収差を抑え、それにより被走査面上での走査光のスポットを最適な状態にし、スキャニングミラーの動的変形に起因した走査光品質の低下を抑えることを目的とする。
〔請求項6に係る発明の課題〕
例えば二次元アレイとして素子が配置された液晶装置を用い、測定した二次元的な変形情報に応じた位相分布を液晶に与えることにより、液晶装置を透過した光ビームに位相分布を与えてスキャニングミラーの変形により生じた走査光ビームの波面収差を補償することができ、二次元的な位相分布を電気信号により容易に与えられる。
請求項6に係る発明は、請求項5の装置において、空間位相変調器に液晶装置を用いることで、走査光品質の補正操作を正確かつ容易に行えるようにすることを目的とする。
〔請求項7に係る発明の課題〕
例えば、二次元的にマイクロミラーが配置され各ミラーが独立して並進動作するものを用い、測定した二次元的な変形情報に応じた位相分布をマイクロミラーアレイに与えることにより、マイクロミラーアレイで反射した光ビームに位相分布を与えてスキャニングミラーの変形により生じた走査光ビームの波面収差を補償する。二次元的な位相分布を電気信号により容易に与えられるうえ、反射型の空間変調器であるため透過型と違って変調光の光量低下や素子枠による回折ノイズ光を生じさせない。
請求項7に係る発明は、請求項5の装置において、空間位相変調器にミラーアレイを用いることで、走査光品質の補正操作を正確かつ容易に行うことを目的とする。
〔請求項8に係る発明の課題〕
請求項3の装置では、凹凸判定手段として、例えば被測定物反射光と参照光をレンズで集光し、レンズの略集光位置にイメージセンサを配置して、被測定物反射光スポットと参照光スポットの相対的な位置関係をイメージセンサで検知することによって、被測定物反射光と参照光との相対的な傾きを求める構成を用いることができる。その場合、一般にイメージセンサにはCCDアレイやCMOSアレイが用いられるが、それらは価格が高いうえ、サイズが大きい。
請求項8に係る発明は凹凸判定手段における被測定物反射光と参照光との相対角度を検知する素子に4分割フォトダイオードを使用することにより、装置のコスト低減とサイズの小型化を図ることを目的とする。
〔請求項9に係る発明の課題〕
請求項1、請求項2又は請求項3の装置において、主走査方向におけるスキャニングミラーの変形を検知するのであれば、略主走査方向に素子が並んだ一次元センサアレイによる干渉縞の取得で、変形を測定することができる。二次元のイメージセンサを使用することにより、測定光学系を小型化でき、またコストを抑えることができる。
請求項9に係る発明は、請求項1、請求項2又は請求項3の装置について二次元のイメージセンサを使用することにより、装置のコスト低減とサイズの小型化を図ることを目的とする。
〔請求項10に係る発明の課題〕
請求項10に係る発明は、請求項1,2又3に係る発明の光走査装置を画像形成装置に単に適用したものであり、スキャニングミラーの変形に伴う走査光品質の低下を抑えた光走査装置の使用により、高速で高品質な画像形成が可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
〔請求項1に係る発明の解決手段〕
請求項1に係る発明の解決手段は、光源と、当該光源からの光を偏向走査するスキャニングミラーと、偏向走査された光を略被走査面上で走査させるためのレンズ系とからなる光走査装置を前提として、次の(イ)乃至(ホ)によるものである。
(イ)パルス光源と、当該パルス光源からの光を分割して、一方の光を前記スキャニングミラーに照射してその反射光を物体光とし、他方の光を参照光として、前記物体光と前記参照光とを干渉させて干渉縞を取得する干渉縞取得手段を有すること、
(ロ)前記干渉縞を時間的、あるいは空間的に変調するための干渉縞変調手段を有すること、
(ハ)前記スキャニングミラーの動作と前記パルス光源の発光とのタイミングを調整する手段を有すること、
(ニ)前記干渉縞からスキャニングミラーの動作中における表面形状を求めるための演算器を有すること、
(ホ)前記演算器から出力される表面形状測定値に基づき、被測定物の形状に起因する前記被走査面上での前記光源からの光像の精度劣化を補正する補正手段を有すること。
〔請求項2に係る発明の解決手段〕
請求項2に係る発明の解決手段は、光源と、当該光源からの光を偏向走査するスキャニングミラーと、偏向走査された光を略被走査面上で走査させるためのレンズ系とからなる光走査装置を前提として、次の(イ)によるものである。
(イ)パルス光源と、当該パルス光源からの光を分割して、一方の光を前記スキャニングミラーに照射してその反射光を物体光とし、他方の光を参照光として、前記物体光と前記参照光とを干渉させて干渉縞を取得する干渉縞取得手段を有すること。
〔請求項3に係る発明の解決手段〕
請求項3に係る発明の解決手段は、請求項1又は請求項2に係る発明の解決手段の光走査装置が、前記物体光と前記参照光との相対的な傾きを検出することにより、測定した形状の凹凸方向を判定する手段を有することである。
〔請求項4に係る発明の解決手段〕
請求項4に係る発明の解決手段は、請求項1又は請求項3に係る発明の解決手段を前提として、その補正手段が、前記光源からの光の収束状態、あるいは発散状態を可変にする光束状態可変手段であることである。
〔請求項5に係る発明の解決手段〕
請求項5に係る発明の解決手段は、請求項1又は請求項3に係る発明の解決手段を前提として、その補正手段が前記光源からの光波面の位相分布を調整する位相分布調整手段であることである。
〔請求項6に係る発明の解決手段〕
請求項6に係る発明の解決手段は、請求項5に係る発明の解決手段を前提として、その位相調整手段に液晶装置を用いたことである。
〔請求項7に係る発明の解決手段〕
請求項7に係る発明の解決手段は、請求項5に係る発明の解決手段を前提として、その位相調整手段にミラーアレイを用いたことである。
〔請求項8に係る発明の解決手段〕
請求項8に係る発明の解決手段は、請求項3に係る発明の解決手段を前提として、その形状凹凸方向判定手段に4分割フォトダイオードを用いたことである。
〔請求項9に係る発明の解決手段〕
解決手段9に係る発明の解決手段は請求項1、請求項2又は請求項3に係る発明の解決手段を前提として、その干渉縞取得手段に前記スキャニングミラーの略主走査方向に素子が並んだ一次元センサアレイを用いたことである。
〔請求項10に係る発明の解決手段〕
請求項10に係る発明の解決手段は、前記光走査装置で光が走査されることによって静電画像が形成される像担持体と、前記像担持体の静電画像をトナーで顕像化する現像手段と、顕像化したトナー像を記録紙に転写する転写手段とを有する画像形成装置を前提として、その光源と、画像情報に応じて光源を変調する光駆動手段と、前記光源からの光を被走査面上で走査させるための請求項1、請求項2または請求項3記載の光走査装置を有することである。
〔請求項1に係る発明の作用効果〕
請求項1に係る発明は、ポリゴンミラーや振動ミラーなどのスキャニングミラーを有する光走査装置において、パルス光源と、当該パルス光源からの光を分割して、一方の光を前記スキャニングミラーに照射して、その反射光を物体光とし、他方の光を参照光として、前記物体光と前記参照光とを干渉させて干渉縞を取得する干渉縞取得手段と、前記干渉縞を時間的、あるいは空間的に変調するための干渉縞変調手段と、前記スキャニングミラーの動作と前記パルス光源の発光とのタイミングを調整する手段と、前記干渉縞からスキャニングミラーの動作中における表面形状を求めるための演算器とを有する動的変形測定のための構成を光走査装置内に組み込んだものであり、測定装置から出力される表面形状に基づいて、被測定物の形状に起因する前記被走査面上での前記光源からのスポット光像の精度劣化を補正する。動的変形のその場測定値が用いられるため、実際に則し、変形の経時変化にも対応可能な正確な補正ができる。それによりスキャニングミラーの変形に伴う走査光品質の低下が抑えられて、光走査装置の高品質化を図ることができる。
〔請求項2に係る発明の作用効果〕
請求項2に係る発明によれば、スキャニングミラーの動的変形を検知するための構成を光走査装置内に組み込むことにより、定期的、あるいは任意周期でスキャニングミラーの動的変形のチェックを実施可能となるため、装置の品質チェックや故障診断の作業性を向上させ、装置のアプライアンスを向上させることができる。
〔請求項3に係る発明の作用効果〕
請求項3に係る発明によれば、光走査装置において、形状測定のための干渉縞画像と物体光と参照光との相対的な傾きを検知するためのスポット画像を略同時に収録し、それらの情報を合わせて形状を計算する。それにより動的形状測定において被測定面の傾きが時々刻々と変化し、事前に調べた被測定面と参照面との相対的な傾きと形状の凹凸方向との関係が変化したとしても、形状凹凸方向の明確な動的変形が取得されるため、前記補正の信頼性を向上させることができ、光走査装置の高品質化を図ることができる。
〔請求項4に係る発明の作用効果〕
請求項4に係る発明によれば、スキャニングミラーの動的変形を測定するための構成を用いて取得したミラー面の曲率の情報を、例えば光源とスキャニングミラーとの間に設置したレンズの位置調整機構にフィードバックし、ミラー面の曲率に応じて、スキャニングミラーへの照射光の広がり角度を調整し、被走査面上での走査光のスポットを最適な状態にする。それにより時間的に変化するスキャニングミラーの動的変形が逐次正確に測定されるため、上記動的変形の走査高品質への影響を補正することができ、光走査装置の高品質化を図ることができる。
〔請求項5に係る発明の作用効果〕
請求項5に係る発明によれば、前記光源からスキャニングミラーまでの光路に液晶などの空間位相変調器を設置し、測定した動的変形に基づいてスキャニングミラーの変形により生じる走査光ビームの波面収差を補償するような位相分布を空間位相変調器に与え、走査光ビームの波面収差を抑える。それによりスキャニングミラーの動的変形が軸対称な変形であっても非軸対称な変形であっても、変形に応じた位相分布が提供されるため、動的変形の影響を補正し、光走査装置の高品質化を図ることができる。
〔請求項6に係る発明の作用効果〕
請求項6に係る発明によれば、前記光源からスキャニングミラーまでの光路に液晶装置で構成された空間位相変調器を設置し、測定した動的変形に基づいてスキャニングミラーの変形により生じる走査光ビームの波面収差を補償するような位相分布を空間位相変調器に与え、走査光ビームの波面収差を迅速正確に抑える。それによりスキャニングミラーの動的変形が軸対称な変形であっても非軸対称な変形であっても、変形に応じた位相分布が提供されるため、動的変形の影響を補正し、光走査装置の高品質化を図ることができる。
〔請求項7に係る発明の作用効果〕
請求項7に係る発明によれば、前記光源からスキャニングミラーまでの光路にマイクロミラーアレイで構成された空間位相変調器を設置し、測定した動的変形に基づいてスキャニングミラーの変形により生じる走査光ビームの波面収差を補償するような位相分布を空間位相変調器に与え、走査光ビームの波面収差を迅速正確に抑える。それによりスキャニングミラーの動的変形が軸対称な変形であっても非軸対称な変形であっても、変形に応じた位相分布が提供されるため、動的変形の影響を補正し、光走査装置の高品質化を図ることができる。
〔請求項8に係る発明の作用効果〕
請求項8に係る発明によれば、凹凸判定手段における被測定物反射光と参照光との相対角度を検知する素子に4分割フォトダイオードを使用することにより、測定光学系における受光素子のコストが低減され、サイズが小型化されるため、装置のコスト低減とサイズの小型化を図ることができる。
〔請求項9に係る発明の作用効果〕
請求項9に係る発明によれば、干渉縞を収録するためのイメージセンサに被測定物の略主走査方向に並べられたセンサアレイを使用することにより、測定光学系における受光素子のコストが低減され、サイズが小型化されるため、装置のコスト低減とサイズの小型化を測ることができる。
〔請求項10に係る発明の作用効果〕
画像形成装置に請求項1乃至請求項9記載の光走査装置を使用することにより、スキャニングミラーの変形に伴う走査光品質の低下が抑えられるので、高速で高品質な画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。
次いで、図面を参照して実施例を説明する。
請求項1、請求項2に係る発明の範囲での実施例の構成が図4に示されている。図4において符号9で示すものはポリゴンミラーの動的変形を測定するための光源として用いる半導体レーザで、ドライバ10によりパルス発光駆動される。半導体レーザ9からの測定光はシリンドリカルレンズ11により真円化されたのち、レンズ12によりコリメートされる。レンズ12によるコリメート光はビームスプリッター13により2分割され、一方はポリゴンミラー4における被測定面4aで反射されて物体光となる。他方は参照ミラー14により反射されて参照光となって、ビームスプリッター13により両者は合成される。物体光と参照光はミラー15で折り返され、レンズ16を介して二次元CCDアレイ17に到達する。18はCCDアレイ17を駆動するためのドライバである。
ビームスプリッター13により2分割されてからの物体光と参照光との光路長差が半導体レーザ9のコヒーレンス長以下になるように、ビームスプリッター13、参照ミラー14の位置を設定しておき、被測定面4aが、回転中に測定光の光軸に対してほぼ垂直になるタイミングで光を照射すると、物体光と参照光はほぼ重なって干渉縞を発生する。発生した干渉縞を二次元CCDアレイ17により撮像し、干渉縞データを演算処理することにより被測定面4aの動的形状が得られる。半導体レーザ9からポリゴンミラー4への光の照射は、ポリゴンミラー4を回転させるためのドライバ19からの信号をトリガーに行われ、それによりポリゴンミラー4の回転と半導体レーザ9の発光とは同期が取られている。
被測定面4aが、回転中に測定光の光軸に対してほぼ垂直になるように、ポリゴンミラー4を回転させるための信号に対して所定のディレーを与えてから半導体レーザ9を発光させると、図5(a)に示したような干渉縞が取得され、干渉縞から被測定面の動的形状が得られる(計測される)。ディレーは半導体レーザ9への供給信号を遅延回路に通すことにより提供でき、測定光学系を組付ける際に、干渉縞が発生するようなディレーの値を実験的に求めておく。
半導体レーザ9からのパルス光の時間幅について、測定光の光軸方向における発光時間内での被測定面の変位量が、半導体レーザ9の波長の半分より小さい場合に干渉縞が発生する。被測定面の主走査方向における中心付近において測定光光軸方向への面の変位量が最も小さく、被測定面の主走査方向における端になるにつれて前記変位量が大きくなるため、被測定面全体の動的形状を測定するなら、被測定面の主走査方向における最端部の変位に合わせてパルス光の時間幅を設定する。被測定面の部分的な測定を行う場合は、測定する領域のうちで最も前記変位量が大きい部分に合わせてパルス光の時間幅を設定する。
ポリゴンミラーの回転周期に面数を乗じた周期で、ポリゴンミラーの各面が測定光の光軸に対して垂直になるため、ポリゴンミラーの回転周期に面数を乗じた周期で測定のためのパルス光を照射し、CCDにより干渉縞を撮像すれば、回転中のポリゴンミラーの全面を測定できる。ポリゴンミラーの回転周期に面数を乗じた周期よりCCDの撮像周期が低い場合は、CCDの露光時間内に1回の露光が行われるように、ポリゴンミラーに供給する駆動パルス信号をカウンタ回路に通して所定回数カウントを行ってからパルス光を照射する。例えばポリゴンミラーの回転周期が500Hz(回転数にすると30000rpm)で面数が6面あり、CCDの撮像周期が30Hzの場合、ポリゴンミラーの駆動パルス信号を100回カウントしてから、被測定面4aが回転中に測定光の光軸に対してほぼ垂直になるような所定のディレーを与えて測定光を照射すると、CCDの露光時間内に1回干渉縞が露光される。CCDの露光タイミングと測定光の照射タイミングを合わせるためにはCCDに露光開始のトリガーをかけるとよい。CCDの露光時間内に1回の露光が行われるような測定の場合、回転中のポリゴンミラー全面の動的形状は測定できないので、抜き取りによる測定となる。
干渉縞から被測定面の形状を求めるには、例えばフーリエ変換法の原理を用いる。フーリエ変換法では、被測定面からの反射光と参照光との干渉により得られる干渉縞にキャリヤ周波数を重畳させておき、被測定面の形状に伴う干渉縞の空間変調成分を検出することにより、1ショットの干渉画像から被測定面形状を求める。図4における演算器20は取得した干渉縞画像からフーリエ変換法のアルゴリズムを実行し、被測定面形状を求めるまでの一連の処理を実行するための演算器である。この演算器の演算処理で求められた被測定面形状の測定結果は走査光品質の低下を補正するための補正量を求めるための演算器21に転送され、演算器21の演算処理で求められた補正量はドライバ23に転送され、ドライバ23によってステージ22が駆動され、ステージ22によりコリメートレンズ2がその光軸方向に進退させられる。
次に上記補正について詳細に説明する。
ポリゴンミラーの品質チェックのために、予め動的形状の許容PV値などの仕様を定めておき、測定で得られた動的形状におけるPV値を仕様値と比較することにより、実使用状態で光走査装置を不具合診断することもできる。
フーリエ変換法の原理で形状を求める場合は、被測定面と参照面との相対的な傾きと形状の凹凸方向との関係を明確化しておかないと、測定結果における形状の凹凸方向が不明確になる。例えば、図3における凸面状の断面形状が正しいときに、符号が判定した凹面形状として測定結果が得られる場合がある。その理由を、図5を用いて説明する。
図5(a)は図4の構成で測定するときにCCDアレイ17により取得される干渉縞画像を表している。4aが被測定面であり、被測定面上に干渉縞が観察されている。干渉縞画像をフーリエ変換すると、図5(b)の演算上のスペクトル画像が得られる。24が0次成分であり、25,26がそれぞれ+1次、−1次回折成分である。フーリエ変換法では、図5(b)のスペクトル画像のうち、+1次か−1次かのどちらかの成分を選択してからチルトを除去し、他のスペクトル成分を除去して、逆フーリエ変換した結果の位相データを用いて被測定面形状を求める。その場合、+1次を選んだときと−1次を選んだときとで、結果の形状の凹凸方向が反転する。どちらを選べばよいかは被測定面と参照面との相対的な傾きで決まるため、予め被測定面と参照面との相対的な傾きを把握してどちらの成分を選択すればよいかを明確にしておけばよいが、測定時に被測定面と参照面との相対的な傾きが変化すると選択すべき成分が変わって、形状測定結果の凹凸が反転してしまう。特に動的形状測定の場合、パルス光源と被測定物の動きとの間の周期変動や被測定物の面倒れの影響などにより、被測定面と参照面との相対的な傾きが時々刻々と変化し、事前に調べた被測定面と参照面との相対的な傾きと形状の凹凸方向との関係が変わってしまって、形状凹凸が反転した測定結果が得られる可能性がある。図6にその一実施例を示している。
図6において図4と同じ番号を用いた部品は、図4の場合と同様に作用するものである。図6において、ビームサンプラー27は被測定面4aからの反射光と参照ミラー14からの反射光それぞれの一部を反射させ、残りを透過させるためのものであり、このビームサンプラー27により反射された光はレンズ28により集光され、レンズ28の略焦点付近に設置された二次元CCDアレイ29に到達し、被測定面からの反射光のスポット像と参照光のスポット像がCCDアレイ29により撮像される。ドライバ30はCCDアレイ29を駆動するためのドライバである。図6の構成で測定のときにCCDアレイ17で取得された画像の例を図7(a)に示し、図7(a)の画像とほぼ同時にCCDアレイ29で取得された画像の例を図7(b)に示している。干渉縞画像は図5(a)のものと同様であり、図7(b)における33は参照光がレンズ28により集光されたスポット像で、34は被測定面からの反射光がレンズ28により集光されたスポット像である。
図7(b)においてスポット像33と34の位置関係を画像処理により求めれば干渉縞画像を取得したときの被測定面と参照面との相対的な傾きを把握することができる。被測定面と参照面との相対的な傾きと形状の凹凸との関係を求めておけば、動的形状測定において、参照面と被測定面との相対的な傾きが時々刻々と変化しても、演算時に+1次回折光と−1次回折光のどちらを選択すべきかが明らかになる。
図6における符号31は参照光と被測定面反射光によるスポット像との相対的位置関係を求めるための演算器であり、符号32は干渉縞画像から被測定面形状を求めるための演算器である。演算器31の出力が演算器32に入力されて、形状の凹凸が正確に反映された動的形状が求められる。
図4あるいは図6の構成において、演算器21は測定された形状からステージ22の移動量を求めるためのものである。動的形状におけるPV値、あるいは形状を曲率半径近似したときの曲率半径値などの形状特徴量と、感光ドラム面で最適な走査光スポットが得られるべきステージ22の移動量との相関関係を、予め実験あるいはシミュレーションにより把握して、それを演算器21に記憶しておいて、演算器21に形状が入力されるとステージ22の移動量が前記相関関係から求められる。演算器20あるいは31により形状と形状特徴量が計算され、特徴量が演算器21に入力されてもよい。移動量は電圧信号に変換されステージ22のドライバ23に入力される。ステージ22は高速駆動に対応できるように例えばピエゾステージが用いられ、移動量に従った電圧がドライバ23に入力されると、ステージ22が駆動され、コリメートレンズ2がその光軸方向に進退する。コリメートレンズ2が光軸方向に移動すればポリゴンミラー4に照射される光の発散状態、あるいは収束状態が変化するため、ポリゴンミラー4の動的変形によりミラー面が曲率をもった状態になっても感光ドラム上で良好なスポットを得ることができる。
図8はポリゴンミラー面の動的変形により感光ドラム上での走査スポット光が広がっている様子と、コリメートレンズ2の移動によりポリゴンミラー面の動的変形を補正して感光ドラム上に良好なスポットが得られている様子とを重ねて模式的に示したものである。図8においてポリゴンミラー4の破線部は動的変形を起こした面を表している。補正前の状態でポリゴンミラー4に照射され反射された光は波線のビームで表されており、ポリゴンミラー面の変形により、集光位置が感光ドラム表面よりDだけ遠のき、それにより感光ドラム上でのスポットが広がっている様子が示されている。コリメートレンズをその光軸方向にdだけ移動させたときポリゴンミラー4に照射されて反射された光は実線のビームで表されており、コリメートレンズの移動によりポリゴンミラーへの照射光を収束させた分、感光ドラム面では良好な光スポットが得られている様子が示されている。
動的形状が測定されるたびにピエゾステージを動かすことになるが、ポリゴンミラーの回転周期にピエゾステージの駆動が追従できない場合は、図4に示す実施例のようにポリゴンミラーに供給する駆動パルス信号のカウントについて、カウンタ回路のカウント数をCCDの撮像周期のかわりにピエゾステージの応答周期に合わせて設定して、抜き取りで測定するとよい。
次いで、空間変調器に液晶装置を使用する実施例を図9、図10を参照して説明する。図9において133は空間変調素子、134はそのドライバである。空間変調素子133は図10に示すように二次元マトリクス状に画素が配置された液晶素子で、図示しない透明電極を介して画素ごとで電圧駆動される。電圧で各画素の液晶の配向状態を変化させることによって各画素を透過する光の位相を変化させることができる。例えば図3のように面が変形した場合、ポリゴンミラー面で反射される光束のうち、中央部分の光線の位相は進み、光束の外周の部分になるにつれ光線の位相は遅れる。そのためミラー面の動的形状測定値を位相分布に変換し、その位相分布を空間変調素子133に与えて、例えば図10における色が薄い部分ほど位相が遅れるような画素の配列状態を空間変調素子に与える。図9において半導体レーザ1からの光束が図10のような空間変調素子を透過すると、透過する光束の中央部分は位相が遅れ、光束の周辺の部分になるにつれて光線の位相は進むため、ポリゴンミラー面の変形の影響がキャンセルされて、ポリゴンミラーの動的変形が生じない場合と同様にして感光ドラムの位置で光束が最も絞られるようになる。
この場合も動的形状が測定されるたびに空間変調素子を動かすことになるが、ポリゴンミラーの回転周期に空間変調素子の駆動が追従できない場合は、前記実施例で説明したように、ポリゴンミラーに供給する駆動パルス信号のカウントについて、カウンタ回路のカウント数をCCDの撮像周期のかわりに空間変調素子の応答周期に合わせて設定して、抜き取りで測定するとよい。
図10では主走査方向のみに位相分布を与えているが、測定される被測定面の動的形状に合わせて二次元的に分布した位相(波面収差)を提供することもできる。
次に、空間変調器にマイクロミラーアレイを使用した実施例を図11、図12を参照して説明する。
半導体レーザ1からの光はコリメートレンズ2、シリンドリカルレンズ3を通過して、ミラー36にて反射される。ミラー36に反射された光は空間変調素子234により反射され、さらにミラー37で反射されてポリゴンミラー4に照射される。ポリゴンミラー4で反射された光は図1で説明したように走査光となる。235は空間変調素子234を駆動するためのドライバである。空間変調素子34は、図12に示すように二次元マトリクス状に微小面積のミラーが配置されたマイクロミラーアレイで、マイクロミラーの各々が画素に相当する。図12における38はマイクロミラーを表し、39はミラーを進退させるために各ミラーに取り付けられたピエゾ素子を表す。各ピエゾ素子に電圧を印加することによりそれぞれが伸縮し、各マイクロミラーが面と略垂直な方向に進退する。各マイクロミラーの進退により面と垂直な方向における各マイクロミラーの位置が変化することによって、反射された光束の位相が空間変調素子234によって変調される。
例えば図3のように面が変形した場合、ポリゴンミラー面で反射される光束のうち、中央部分の光線の位相は進み、光束の外周の部分になるにつれて光線の位相は遅れる。そのためミラー面の動的形状測定値を位相分布に変換し、その位相分布を空間変調素子に与えて、例えば図12の空間変調素子における主走査方向の中心付近のマイクロミラーが最後方になり、外側のマイクロミラーになるにつれ前方に位置するように、各マイクロミラーを位置決めする。そうすると空間変調素子34にて反射された光束の中心付近の位相は遅れ、外側にいくほど位相が進むため、ポリゴンミラー面の変形の影響がキャンセルされて、ポリゴンミラーの動的変形が生じない場合と同様に、感光ドラムの位置で光束が最も絞られるようになる。この場合も動的形状が測定されるたびに空間変調素子を動かすことになるが、ポリゴンミラーの回転周期に空間変調素子の駆動が追従できない場合は、図4に示す実施例で説明したように、ポリゴンミラーに供給する駆動パルス信号のカウントについて、カウンタ回路のカウント数をCCDの撮像周期のかわりに空間変調素子の応答周期に合わせて設定して、抜き取りで測定するとよい。測定される被測定面の動的形状に合わせて二次元的に分布した位相(波面収差)を提供することもできる。
次に、上記の形状凹凸方向判定手段に4分割フォトダイオードを用いた実施例を説明する。
図6における集光レンズ28の略焦点の位置に、二次元CCDアレイ29のかわりに図13に示したような4分割フォトダイオード40を設置する。4分割フォトダイオードはフォトダイオード40a〜40dまでの4つの領域の出力から受光面上でのスポットの位置を検出する。図13における41は参照光のスポットを表し、40a〜40dの領域に略均等にまたがるように分割フォトダイオードの位置を調整すれば、参照光スポットの出力は4つの領域に対して略均等なオフセット出力となる。したがって、物体光スポットを表す42の位置により各領域の出力、あるいは各領域の作動出力が変化し、それにより4分割フォトダイオード受光面上でのスポット位置が求められ、参照光と物体光との相対的な傾きが求められる。参照光と物体光との相対的な傾きが求められれば、図4、図5に示す実施例(請求項3に係る発明の実施例)と同様にして形状の凹凸が正確に反映された動的形状を求めることができる。
次いで、干渉縞取得手段にスキャニングミラーの略主走査方向に素子が並んだ一次元センサアレイを用いた実施例を説明する。
図6における二次元CCDアレイ17の位置に、画素がポリゴンミラーの略主走査方向に並べられたCCDラインセンサを設置する。CCDラインセンサからは図5の干渉縞におけるポリゴンミラーの主走査方向一断面の強度分布が得られる。CCDラインセンサ出力を用いてフーリエ変換法の原理により、ポリゴンミラーの主走査方向の動的形状を求める。形状の凹凸判定のための構成を用いれば凹凸が正確に反映された動的形状を求めることができる。
次に、この発明の光走査装置を従来のカラープリンターに適用した例を説明する。図14に示すカラープリンターは、単一の光走査装置500によって1色ずつ画像形成され、転写ベルト501を4回転して回転毎に色重ねがなされるカラーレーザプリンタであり、その転写ベルト501は駆動ローラと2本の従動ローラとで支持され、各色に対応したトナーを補給する現像手段としての現像ローラ502およびトナーホッパ503は回転支持体509上に一体的に配備されて1/4ずつ回転しながら、像担持体としての感光体ドラム504に対向するように構成されている。画像は、転写ベルト501の幅方向の端部に形成されたレジストマークを検出するセンサ505の信号をトリガーとして、副走査方向の書出しタイミングを計って記録される。この画像記録は、上記光走査装置500によって光走査されることにより感光体ドラム504に静電潜像として記録される。この静電潜像は現像部にてトナーが載せられることによってトナー像として顕像化され、このトナー像は転写ベルト501に転写される。転写された後の感光体ドラム504の残トナーは、混色しないようにクリーニング部508で掻き取られ備蓄される。これらの動作を各色毎に行うことで、転写ベルト501に順次画像が重ねられていく。
プリンタの下部には給紙トレイ507が配置されていて、給紙トレイ507から給紙コロ506により用紙が供給されるように構成されている。用紙は4色目の画像形成にタイミングを合わせてレジストローラ510により送り出され、転写手段511にて、転写ベルト501に重ねられて形成されている4色のトナー像が同時に用紙に転写される。転写されたトナー像を保持した用紙は定着ローラ512により定着され、排紙トレイ514に排出される。
なお、光走査装置500の動作や画像データの保存、読み出し等の画像形成装置における一般的事項については、例えば、前記特開2004−191416号公報を参照されたい。
は光走査装置の従来構成例を説明する図。 は振動ミラーの外観概略を説明する図。 はポリゴンミラーの動的変形の様子を説明する図。 は動的変形測定のための構成を光走査装置に組み込んだ装置の構成例を説明する図。 は被測定面上で観察される干渉縞画像と干渉縞画像をフーリエ変換演算して得られるスペクトル画像の例を説明する図。 は形状の凹凸判定手段を組み込んだ光走査装置の構成例を説明するための図。 は被測定面上に観察される干渉縞画像と、物体光と参照光とにより形成されるスポット画像の例を説明するための図。 は動的形状測定結果をフィードバックして変形の影響を補正する様子を説明する図。 は空間変調器に液晶装置を使用し、動的変形の影響を補正するための装置構成例を説明するための図。 は液晶装置による光束の空間変調作用を説明するための図。 は空間変調器にマイクロミラーアレイを使用し、動的変形の影響を補正するための装置構成例を説明するための図。 はマイクロミラーアレイによる光束の空間変調作用を説明するための図。 は4分割フォトダイオードを用いた形状の凹凸判定を説明するための図。 は、この発明の光走査装置を従来のカラープリンターに適用した例の全体図である。
符号の説明
1:レーザ光源
2:コリメータレンズ
3,11:シリンドリカルレンズ
4:ポリゴンミラー
4a:被測定面
5:球面レンズ
6:トーリックレンズ
7:感光ドラム
8:振動ミラー
9:半導体レーザ
10:ドライバ
12:レンズ
13:ビームスプリッター
14:参照ミラー
15,36,37:ミラー
16:レンズ
17:CCDアレイ
18:CCDアレイ17を駆動するドライバ
19:ポリゴンミラー4を回転させるためのドライバ
20,21,31,32:演算器
22:ステージ
23:ドライバ
24:0次成分
25:+一次成分
26:−一次成分
27:ビームサンプラー
28:レンズ
29:CCDアレイ
30:CCDアレイ29を駆動するドライバ
33,34:スポット像
38:マイクロミラー
39:マイクロミラー38を進退させるピエゾ素子
40:4分割フォトダイオード
41:参照光のスポット
42:物体光スポット
133:空間変調素子
134:空間変調素子133のドライバ
234:空間変調素子
235:空間変調素子234のドライバ

Claims (10)

  1. 光源と、当該光源からの光を偏向走査するスキャニングミラーと、偏向走査された光を略被走査面上で走査させるためのレンズ系とからなる光走査装置において、
    パルス光源と、当該パルス光源からの光を分割して、一方の光を前記スキャニングミラーに照射してその反射光を物体光とし、他方の光を参照光として、前記物体光と前記参照光とを干渉させて干渉縞を取得する干渉縞取得手段と、
    前記干渉縞を時間的あるいは空間的に変調するための干渉縞変調手段と、
    前記スキャニングミラーの動作と前記パルス光源の発光とのタイミングを調整する手段と、
    前記干渉縞からスキャニングミラーの動作中における表面形状を求めるための演算器と、
    前記演算器から出力される表面形状測定値に基づき、被測定物の形状に起因する前記被走査面上での前記光源からの光像の精度劣化を補正する補正手段とを有することを特徴とする光走査装置。
  2. 光源と、当該光源からの光を偏向走査するスキャニングミラーと、偏向走査された光を略被走査面上で走査させるためのレンズ系とからなる光走査装置において、
    パルス光源と、当該パルス光源からの光を分割して、一方の光を前記スキャニングミラーに照射してその反射光を物体光とし、他方の光を参照光として、前記物体光と前記参照光とを干渉させて干渉縞を取得する干渉縞取得手段とを有することを特徴とする光走査装置。
  3. 前記光走査装置が、前記物体光と前記参照光との相対的な傾きを検出することにより、測定した形状の凹凸方向を判定する手段を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光走査装置。
  4. 前記補正手段が、前記光源からの光の収束状態、あるいは発散状態を可変にする光束状態可変手段である請求項1又は請求項3記載の光走査装置。
  5. 前記補正手段が前記光源からの光波面の位相分布を調整する位相分布調整手段である、請求項1又は請求項3記載の光走査装置。
  6. 前記位相調整手段に液晶装置を用いた、請求項5記載の光走査装置。
  7. 前記位相調整手段にミラーアレイを用いた、請求項5記載の光走査装置。
  8. 前記形状凹凸方向判定手段に4分割フォトダイオードを用いた、請求項3記載の光走査装置。
  9. 前記干渉縞取得手段に前記スキャニングミラーの略主走査方向に素子が並んだ一次元センサアレイを用いた、請求項1、請求項2又は請求項3記載の光走査装置。
  10. 光走査装置で光が走査されることによって静電画像が形成される像担持体と、前記像担持体の静電画像をトナーで顕像化する現像手段と、顕像化したトナー像を記録紙に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、
    光源と、画像情報に応じて前記光源を変調する光駆動手段と、前記光源からの光を被走査面上で走査させるための請求項1、請求項2又は請求項3記載の光走査装置とを有する画像形成装置。
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