JP2006200962A - ガスタービン部品の損傷評価方法 - Google Patents

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【課題】
寿命の推定誤差を低減できるガスタービン部品の損傷評価方法を提供することにある。
【解決手段】
a)電解エッチング法を用いて前記ガスタービン部品の表面の金属組織をレプリカに転写し、b)導電性のある物質を蒸着した前記レプリカを走査型電子顕微鏡で観察して、析出物の平均粒径を計測し、c)計測した析出物の平均粒径からメタル温度を推定し、d)前記メタル温度の推定結果と逆問題解析手法を用いてFEM温度解析を行い、前記FEM温度解析結果をもとに損傷評価を行う。
【選択図】 図5

Description

本発明は、ガスタービン部品の損傷評価方法に係り、特に、産業用ガスタービンに用いられる高温部品の寿命を評価するに好適なガスタービン部品の損傷評価方法に関する。
燃焼器,動翼,静翼などのガスタービン高温部品は、1000℃を超えるガスにさらされている。これらの高温部品は、冷却によりメタル温度を下げてはいるものの、材料の損傷が他の機械部品と比較して顕著であり、2〜5年程度の周期で交換が必要である。これらの高温部品は、高温強度に優れたNi基超合金により成型されているが、Ni基超合金は高価であり、成型性も困難である。このため、部品単価が高く、高温部品の交換コストはガスタービンのランニングコストを上昇させる大きな要因である。
ガスタービン高温部品の交換寿命は、設計時の温度,応力解析結果をもとに、疲労寿命,クリープ寿命を計算し決定される。
クリープ損傷および材料劣化は温度に敏感であり、15℃程度の温度誤差で損傷速度,劣化速度は倍半分の誤差を生じる。一方、ガスタービン部品は高度な冷却方法を採用されているが、FEM解析などを用いても15℃以下の精度で温度評価することは困難である。ガスタービン高温部品には、Ni基超合金が用いられているが、多くのNi基合金は、γ’相(NiAl)により析出強化されている。γ’相は、微細な析出相であるが、高温に曝されると粗大化する。γ’相の粗大化速度は温度に敏感であるため、実機各部におけるγ’相の粗大化程度からその部位のメタル温度を推定することが有効である。
しかし、γ’相は、燃焼器材料では0.02〜0.1μm程度、動翼材でも0.5〜1μm程度と微細であり、γ’相の粗大化程度,すなわち、γ’相平均粒径を評価するためには、実機部品を切断し、電子顕微鏡(SEMあるいはTEM)による観察を行う必要がある。
それに対して、例えば、以下に記すように、非破壊で寿命を推定するものが知られている。第1に、特開平8−271501号公報に記載のように、第1タービンブレードの寿命を推定する際に、高温部材のレプリカを作製し、γ’相の劣化指標から温度を推定し、クリープ寿命を算出するものが知られている。第2に、特開平8−262009号公報に記載のように、第1タービンブレードの寿命を推定する際に、高温部材のレプリカを作製し、γ’相のアスペクト比から、損傷量を算出するものが知られている。第3に、特開平10−123123号公報に記載のように、800℃の高温部材の寿命を推定する際に、高温部材のレプリカを作製し、γ’相の平均粒径や面積率から、クリープ損傷率を算出するものが知られている。
特開平8−271501号公報 特開平8−262009号公報 特開平10−123123号公報
ここで、特開平8−271501号公報,特開平8−262009号公報,特開平10−123123号公報においては、レプリカを作製するに当たって、試料の表面をエッチングすることは記載しているが、具体的なエッチング方法についての記載はない。従来、一般的に、試料表面のエッチングは、王水等を用いた化学エッチングが用いられている。γ’相は基材に比べてエッチングされやすいため、γ’相を化学エッチングより除去し、その後基材表面のレプリカを作製すると、レプリカの表面にはγ’相の形状が転写される。
しかしながら、化学エッチングでは、γ’相の除去とともに、その周辺の基材も除去されるため、レプリカに転写されたγ’相の寸法形状は、実際のγ’相のものとは異なってくる。例えば、γ’相の粒径により高温部材の寿命を推定する際には、γ’相の粒径が大きいほど寿命が短く推定されるため、化学エッチングによって、レプリカに転写されたγ’相の寸法形状は、実際のγ’相のものよりも大きくなると、寿命を短く推定することとなる。γ’相のアスペクト比により寿命を推定する場合にも、レプリカに転写されたγ’相の寸法形状は、実際のγ’相のものとは異なることにより、寿命の推定誤差が大きくなる。
特開平8−271501号公報に記載のように、γ’相の劣化指標から温度を推定する際には、FEM(有限要素)温度解析を用いるが、FEM温度解析では、温度推定誤差が大きいという問題もあった。したがって、寿命の推定誤差が大きくなっていた。
本発明の目的は、寿命の推定誤差を低減できるガスタービン部品の損傷評価方法を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、γ’相(NiAl)により析出強化されたNi基超合金を用いたガスタービン部品の損傷評価方法であって、電解エッチング法を用いて前記ガスタービン部品の表面の金属組織をレプリカに転写し、導電性のある物質を蒸着した前記レプリカを走査型電子顕微鏡で観察して、析出物の平均粒径を計測し、計測した析出物の平均粒径からメタル温度を推定し、前記メタル温度の推定結果と逆問題解析手法を用いてFEM温度解析を行い、前記FEM温度解析結果をもとに損傷評価を行うようにしたものである。
かかる方法により、寿命の推定誤差を低減し得るものとなる。
本発明によれば、寿命の推定誤差を低減できる。
以下、図1〜図8を用いて、本発明の一実施形態によるガスタービン部品の損傷評価方法について説明する。
本実施形態によるガスタービン部品の損傷評価方法は、次の工程(a)〜工程(d)からなっている。
(a)電解エッチング法によるレプリカ作製
(b)レプリカからγ’相の平均粒径算出
(c)γ’相の平均粒径から逆問題解析手法による温度推定
(d)推定温度からのクリープ寿命算出
以下、本実施形態を、ガスタービン燃焼器部品であるトランジションピースに適用した例について説明する。
最初に、図1を用いて、トランジションピースの概略構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるガスタービン部品の損傷評価方法の評価対象であるトランジションピースの概略構成図である。
トランジションピースは、図示のような形状を有している。トランジションピースの額縁部の内表面(部位1),額縁部の外表面(部位2),中央部の背側の内表面(部位3),中央部の背側の外表面(部位4),中央部の腹側の内表面(部位5),中央部の腹側の外表面(部位6)のそれぞれについて、損傷を評価するものとする。
トランジションピースは、Ni基超合金からなる。Ni基超合金の化学成分は、Cr:20重量%,Co:20重量%,Mo:6重量%,Ti:2.2重量%,Al:0.5重量%,C:0.05重量%,Ni:51.25重量%からなる。Ni基超合金は、NiAl(γ’相)による析出強化型合金であり、溶体化時効処理により、平均粒径0.02μm程度の大きさのγ’相を体積率で約20%程度析出させることにより、高い強度を得ている。トランジションピースは、約700℃〜820℃の温度雰囲気に晒されるため、γ’相の平均粒径は、未使用時0.02μmから時間とともに成長し、0.05μm〜0.5μm程度となる。
一方参考までに述べると、例えば、特開平8−271501号公報に記載の第1タービンブレードの基材は、特開平8−271501号公報の(表1)の組成の合金からなり、約700℃〜900℃の高温度雰囲気に晒されるため、γ’相の平均粒径は、未使用時0.5μmから時間とともに成長し、1.0μm〜2.0μm程度となる。
すなわち、ガスタービン部品の中でも、比較的低温な部品ほど、γ’相の平均粒径は小さい傾向がある。レプリカ作製時のエッチング工程において、基材がエッチングされる量が同じとすると、γ’相の平均粒径は小さいほど、レプリカから求められたγ’相の平均粒径の誤差が大きくなり、温度推定誤差が大きくなることになる。
また、トランジションピースの内表面は、コーティングが施されているが、外表面はコーティングが施されていない。ガスタービン部品の定期検査などにおいては、トランジションピースの内表面のコーティングを剥離することは行わないため、外表面のレプリカは作製できても、内表面のレプリカを作製することはできない。なお、タービンブレードにおいては、定期検査時に表面のコーティングを剥離した上で検査を実施し、定期検査終了後再コーティングするので、このコーティングの剥離時に、レプリカを作製することができる。
次に、図2を用いて、トランジションピースの実機使用前における光学顕微鏡組織および電子顕微鏡組織について説明する。
図2は、本発明の一実施形態によるガスタービン部品の損傷評価方法の評価対象であるトランジションピースの実機使用前における光学顕微鏡組織および電子顕微鏡組織を示すスケッチ図である。
図2(a)は、倍率100倍の光学顕微鏡組織を示している。図2(b)は、倍率10万倍の電子顕微鏡組織を示している。図2(b)に示すように、基材の中に、γ’相が析出しており、その粒径をdとする。
次に、図3及び図4を用いて、トランジションピースのγ’相の平均粒径の時間推移について説明する。
図3は、本発明の一実施形態によるガスタービン部品の損傷評価対象であるトランジションピースのγ’相の平均粒径と時間の関係を示す説明図である。図4は、本発明の一実施形態によるガスタービン部品の損傷評価対象であるトランジションピースのγ’相の粗大化速度の温度依然性の説明図である。
トランジションピースの材料であるNi基超合金を、750℃,800℃,850℃それぞれの環境下に曝し、一定時間後、再度組織観察を行い、電子顕微鏡組織写真を画像解析することにより、γ’相の平均粒径(d)を計測した。
図3は、高温に暴露した時間(h)と、γ’相の平均粒径(d−d )(μm)の関係を示している。ここで、dは、γ’相の初期平均粒径である。
図3から理解されるように、γ’相の平均粒径(d−d )は、各温度毎に、時間に比例している。
ここで、比例係数k(γ’相粗大化速度)は、図4に示すように、温度依存性を有している。すなわち、γ’相平均粒径と時間(t)、絶対温度(T)の間には、以下の式(1),(2)の関係が成り立つ。
(d − d )=k×t …(1)

k=Cexp(−Q/RT)/T …(2)

なお、ここで、Qは活性化エネルギーであり、図4における直線の傾きである。Cは材料定数であり、ln(C)は、図4における直線の切片である。式(1),(2)を用いれば、一定時間使用したトランジションピース各部位のメタル温度をγ’相平均粒径と運転時間から算出することが可能である。
次に、本実施形態の損傷評価方法は、各工程の内容について詳述する。
最初に、工程(a)の電解エッチング法によるレプリカ作製について説明する。
約2万時間使用した燃焼器トランジションピース各部について、機械研磨,電解エッチング後、レプリカ法により組織転写し、レプリカフィルムに白金蒸着を行った。
ここで、電解エッチングは、次のように行った。評価対象のトランジションピースの評価部位の近辺に、電源の+電極側を接続する。電源の−電極側は、ピンセットに接続する。ピンセットにて、エッチング液に浸した脱脂綿をつまみ、脱脂綿にて、トランジションピースの評価部位(研磨面)をこすり、エッチングする。電源は、例えば数Vの直流電源を用いる。エッチング液としては、例えば、硝酸と過塩素酸とメタノールの混合溶液を用いる。
ここで、図5〜図7を用いて、本実施形態の損傷評価方法により、電解エッチング法によるレプリカ作製の精度について説明する。
最初に、図5を用いて、電解エッチング法と化学エッチング法とによるレプリカの画像について説明する。
図5は、本実施形態の損傷評価方法により作製したレプリカのSEM画像の説明図である。
図5(a)は、工程(a)の電解エッチング法により作製したレプリカのSEM画像を示している。図5(b)は、電解エッチング法に代えて、化学エッチング法を用い、他の工程は、工程(a)と同様にして作製したレプリカのSEM画像を示している。化学エッチング法では、本実施形態の電解エッチング法に比べて、γ’相の粒径が大きくなっている。
次に、図6を用いて、実機から求めた平均粒径と、電解エッチング法及び化学エッチング法により求めた平均粒径について説明する。
図6は、本実施形態の損傷評価方法により電解エッチング法で求めた平均粒径と、実機から求めた平均粒径と、化学エッチング法により求めた平均粒径の比較説明図である。
図6において、実線は平均粒径を示し、破線は面積率を示している。図6において、従来法とは、図5(b)に示した化学エッチング法により作製したレプリカから求めたものである。一方、実体とは、トランジションピース材を所定温度に所定時間暴露することにより、γ’相を粗大化させた後、試料を切削して試料片を作製し、この試料片から直接SEMにより観察し、SEM像から画像解析により、γ’相平均粒径を求めたものである。従来法では、平均粒径及び面積率ともに、実体よりも大きくなっている。
一方、本発明とは、図5(a)に示した電解エッチング法により作製したレプリカから求めたものである。実体と比べると、平均粒径は、多少実体よりも小さくなるものの、実体との誤差は、従来法に比べて小さくなっている。また、面積率は、実体とほぼ同じである。
次に、図7を用いて、実機から求めた平均粒径と、電解エッチング法により求めた平均粒径について説明する。
図7は、本実施形態の損傷評価方法により電解エッチング法で求めた平均粒径と、実機から求めた平均粒径との比較説明図である。
図6にて説明した実体と本発明を、それぞれ、所定温度への暴露時間を変えて、γ’相の平均粒径を変化させ、3点のサンプルを作製した。その上で、実体の実測での平均粒径と、電解エッチング法により作製されたレプリカの平均粒径を比較している。本実施形態による測定結果は、実体での測定結果とよく一致しており、本実施形態が、微細なγ’相の平均粒径を高精度に評価できることを示している。
次に、工程(b)のレプリカからγ’相の平均粒径算出について説明する。
工程(a)で作製した白金蒸着の施されたレプリカのSEM組織観察を行い、このSEM組織の画像解析からγ’相平均粒径を計測する。
次に、(c)のγ’相の平均粒径から逆問題解析手法による温度推定について説明する。
工程(b)で求めたγ’相平均粒径と、運転時間とから、式(1),(2)を用いて、各部位のメタル温度Aを推定し、事前に実施したFEM温度解析の結果によるメタル温度B(設計値(計算値))と比較した。
(表1)の左側には、各部位における、γ’相平均粒径から推定したメタル温度Aと、FEM温度解析による計算値Bとの温度差(A−B)を示している。なお、部位1,3,5は、トランジションピースの内表面であり、表面にコーティングが施されているため、レプリカは作製できず、したがって、「評価不可能」となっている。
Figure 2006200962
次に、γ’相平均粒径から推定したメタル温度Aと、FEMによる計算値Bの誤差が最小になるように、FEM温度解析における境界条件の中で特に不確定な、部品表面の熱伝達係数を最適化し、再度FEM温度解析を実施した(逆問題解析)。このとき、部品の熱伝達係数を用いて、部位2(外表面)の温度から部位1(内表面)の温度を推定し、また、同様にして、部位3,5,についても、それぞれ、部位4,6の温度から推定する。
(表1)の中央に、逆問題解析後の計算値Cと、FEMによる計算値Bの誤差(C−B)を示している。
次に、図8を用いて、(d)の推定温度からのクリープ寿命算出について説明する。
図8は、Ni基超合金のクリープ破断時間のラルソンミラープロットの説明図である。
図8は、Ni基超合金のクリープ破断時間のラルソンミラープロットであり、合金が曝される温度と、応力と、Ni基超合金のクリープ破断寿命の関係を示している。Pと、応力(MPa)の関係は、図示のようになっている。ここで、Pは、以下の式(3)で表される。

P=T×(log tr+C)/1000 …(3)

ここで、Tは絶対温度であり、trはクリープ破断時間であり、Cは定数(18.4)である。
従って、図8の曲線から、応力が分かると、Pを求めることができる。ここで、運転時に定常的に作用する応力は、FEM解析により算出することができる。そして、Pが求まると、合金が曝される温度Tを用いて、クリープ破断時間trを求めることができる。すなわち、合金が曝される温度Tと、応力とが分かると、Ni基超合金のクリープ破断寿命trを求めることができる。
このようにして、工程(d)では、推定温度からのクリープ寿命を算出することができる。
ここで、再び、前述の(表1)を用いて、各部位のクリープ寿命について説明する。(表1)の右側の欄は、従来の方法(逆問題解析を実施しない場合)と、本実施形態の方法(逆問題解析を実施した場合)の各部位におけるクリープ寿命比を示している。各部位のクリープ破断寿命は、FEM解析による温度、応力から図8を用いて、算出できる。
FEM解析からトランジションピースにおいて、クリープ損傷が最も大きくなるのは、部位1である。部位1についてみると、本実施形態の方法を用いた場合、従来の方法と比較して約2倍のクリープ寿命となっており、この結果から、本トランジションピースの部品寿命を従来寿命の約2倍に延長することが可能となった。
なお、ここでは、クリープ寿命の評価結果を述べたが、疲労寿命も温度むらに起因する熱応力と温度により支配されるため、本手法を用いることにより、クリープ寿命同様に高精度化することが可能である。また、酸化,腐食についても使用温度に支配されるため、本手法を用いることにより損傷評価結果を高精度化できる。
以上説明したように、本実施形態によれば、ガスタービン高温部品の損傷評価が高精度化でき、ガスタービンの信頼性を向上し、ランニングコストを低減することができる。
本発明の一実施形態によるガスタービン部品の損傷評価方法の評価対象であるトランジションピースの概略構成図である。 本発明の一実施形態によるガスタービン部品の損傷評価方法の評価対象であるトランジションピースの実機使用前における光学顕微鏡組織および電子顕微鏡組織を示すスケッチ図である。 本発明の一実施形態によるガスタービン部品の損傷評価方法の評価対象であるトランジションピースのγ’相の平均粒径と時間の関係を示す説明図である。 本発明の一実施形態によるガスタービン部品の損傷評価方法の評価対象であるトランジションピースのγ’相の粗大化速度の温度依然性の説明図である。 本実施形態の損傷評価方法により作製したレプリカのSEM画像の説明図である。 本実施形態の損傷評価方法により電解エッチング法で求めた平均粒径と、実機から求めた平均粒径と、化学エッチング法により求めた平均粒径の比較説明図である。 本実施形態の損傷評価方法により電解エッチング法で求めた平均粒径と、実機から求めた平均粒径との比較説明図である。 Ni基超合金のクリープ破断時間のラルソンミラープロットの説明図である。

Claims (1)

  1. γ’相(NiAl)により析出強化されたNi基超合金を用いたガスタービン部品の損傷評価方法であって、
    a)電解エッチング法を用いて前記ガスタービン部品の表面の金属組織をレプリカに転写し、
    b)導電性のある物質を蒸着した前記レプリカを走査型電子顕微鏡で観察して、析出物の平均粒径を計測し、
    c)計測した析出物の平均粒径からメタル温度を推定し、
    d)前記メタル温度の推定結果と逆問題解析手法を用いてFEM温度解析を行い、前記FEM温度解析結果をもとに損傷評価を行うことを特徴とするガスタービン部品の損傷評価方法。
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