JP2006200514A - 排気管の温度調整装置 - Google Patents

排気管の温度調整装置 Download PDF

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Takashi Matsutani
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
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    • F02F1/00Cylinders; Cylinder heads 
    • F02F1/02Cylinders; Cylinder heads  having cooling means
    • F02F1/10Cylinders; Cylinder heads  having cooling means for liquid cooling
    • F02F1/16Cylinder liners of wet type

Abstract

【課題】 エキゾーストマニホールドが熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制する。
【解決手段】 ECUは、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合(S102にてYES)、排気ポート内の排気ガスの流速分布が変化するように設けられた略半円状のバルブを排気ポートの内周面側に閉じた状態にするステップ(S104)と、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合(S102にてNO)、バルブを開いた状態にするステップ(S106)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、排気管の温度調整装置に関し、特に、内燃機関の負荷に基づいて排気管の温度を調整する技術に関する。
従来より、水冷式の内燃機関が知られている。内燃機関を冷却した冷却水は、ラジエータや空調装置のヒータにおいて空気との間で熱交換される。ヒータにおいて冷却水との熱交換により暖められた空気は、車室内の暖房に用いられる。そのため、内燃機関の始動後に速やかに暖房を効かせるためには、速やかに内燃機関を暖機し、冷却水の温度を高める必要がある。
特開平10−317995号公報(特許文献1)は、暖機を促進することができる暖機促進装置を開示する。特許文献1に記載の暖機促進装置は、内燃機関の排気通路に排気ガスの流れを絞る排気絞り弁を設けて、内燃機関の冷間時に排気絞り弁の作動によって暖機を促進させる暖機促進装置である。排気通路には、そのうちの少なくとも排気絞り弁が設けられている箇所に対応させて、冷却水通路が設けられる。
この公報に記載の暖機促進装置によると、排気絞り弁を作動させて排気ガスの流れを絞ると、そのときの圧力損失によって、排気通路のうち排気絞り弁の設けられている部分で発熱する。排気絞り弁に対応した位置に冷却水通路が設けられているので、発熱はその多くが冷却水通路内を流れる冷却水によって回収される。これにより、冷却水によって効率よく発熱を回収し、内燃機関の負荷を過大に上昇させずに暖機を促進することができる。
特開平10−317995号公報
しかしながら、特開平10−317995号公報に記載の暖機促進装置においては、内燃機関に伝達される熱量が変化するため、内燃機関の温度が変化する。そのため、内燃機関と排気ガスとの温度差が変化し、排気ガスから内燃機関への熱伝達率が変化する。したがって、排気ガスが内燃機関の排気系に到達するまでに失う熱量が変化する。その結果、排気ガスから排気系に伝達される熱量が変化し、エキゾーストマニホールドなどが熱膨張と収縮とを繰り返すおそれがあるという問題点があった。
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、内燃機関の排気管(エキゾーストマニホールドを含む)が熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる内燃機関の温度調整装置を提供することである。
第1の発明に係る排気管の温度調整装置は、内燃機関に接続された排気管の温度を調整するための調整手段と、内燃機関の負荷に関する情報を検出するための検出手段と、負荷に関する情報が予め定められた負荷に関する条件を満たす場合、第1のモードで排気管の温度を調整するように調整手段を制御し、予め定められた負荷に関する条件を満たさない場合は、第1のモードに比べて排気管の温度上昇が促進される第2のモードで排気管の温度を調整するように調整手段を制御するための制御手段とを含む。
第1の発明によると、たとえば内燃機関の負荷が高い場合(スロットル開度が予め定められた開度よりも大きい場合や、負荷率が予め定められた負荷率よりも大きい場合や、吸気圧が予め定められた圧力よりも高い場合など)、第1のモードで排気管の温度が調整される。これにより、負荷が高いために混合気の燃焼温度や排気ガスの温度が高く、排気管の温度が上昇し易い場合は、排気管の温度上昇を抑制したり、温度上昇の促進を中止したりすることができる。一方、内燃機関の負荷が低い場合、第2のモードで内燃機関の温度が調整される。これにより、高負荷時に比べて混合気の燃焼温度や排気ガスの温度が低く、排気管の温度が上昇し難い場合は、排気管の温度上昇を促進したり、温度上昇の抑制を中止したりすることができる。このとき、高負荷時に排気管の温度上昇が抑制されたり、温度上昇の促進が中止されたりする。低負荷時に排気管の温度上昇が促進されたり、温度上昇の抑制が中止されたりする。そのため、排気管の温度変化を抑制し、排気管が熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。その結果、排気管の熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる排気管の温度調整装置を提供することができる。
第2の発明に係る排気管の温度調整装置は、第1の発明の構成に加え、車両の車速を検出するための手段をさらに含む。制御手段は、予め定められた負荷に関する条件に加え、検出された車速が予め定められた車速よりも低いという条件が満たされた場合、第1のモードで排気管の温度を調整するように調整手段を制御し、予め定められた負荷に関する条件および車速が予め定められた車速よりも低いという条件の少なくともいずれか一方の条件が満たされない場合、第2のモードで排気管の温度を調整するように調整手段を制御するための手段を含む。
第2の発明によると、たとえば内燃機関の負荷が高い場合において、車速が低い場合、第1のモードで排気管の温度が調整される。これにより、負荷が高いために混合気の燃焼温度や排気ガスの温度が高く、排気管の温度が上昇し易い場合において、車速が低いために外気による排気管の冷却が十分に行なわれない場合、排気管の温度上昇を抑制したり、温度上昇の促進を中止したりすることができる。一方、内燃機関の負荷が低い場合や、車速が高い場合、第2のモードで内燃機関の温度が調整される。これにより、高負荷時に比べて混合気の燃焼温度や排気ガスの温度が低く、排気管の温度が上昇し難い場合や、外気による排気管の冷却を十分に行なうことができる場合は、排気管の温度上昇を促進したり、温度上昇の抑制を中止したりすることができる。このとき、高負荷時において車速が低い場合に排気管の温度上昇が抑制されたり、温度上昇の促進が中止されたりする。低負荷時や、車速が高い場合に排気管の温度上昇が促進されたり、温度上昇の抑制が中止されたりする。そのため、排気管の温度変化を抑制し、排気管が熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。その結果、排気管の熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
第3の発明に係る排気管の温度調整装置においては、第1または2の発明の構成に加え、負荷に関する情報は、スロットル開度である。予め定められた負荷に関する条件は、スロットル開度が予め定められたスロットル開度よりも大きいという条件である。
第3の発明によると、負荷に関する情報としてスロットル開度を用いて、排気管の温度を調整することができる。
第4の発明に係る排気管の温度調整装置においては、第1または2の発明の構成に加え、負荷に関する情報は、内燃機関の負荷率である。予め定められた負荷に関する条件は、負荷率が予め定められた負荷率よりも大きいという条件である。
第4の発明によると、負荷に関する情報として負荷率を用いて、排気管の温度を調整することができる。
第5の発明に係る排気管の温度調整装置においては、第1または2の発明の構成に加え、負荷に関する情報は、内燃機関に吸入される空気の圧力である。予め定められた負荷に関する条件は、圧力が予め定められた圧力よりも高いという条件である。
第5の発明によると、負荷に関する情報として吸気圧を用いて、排気管の温度を調整することができる。
第6の発明に係る排気管の温度調整装置においては、第1〜5のいずれかの発明の構成に加え、調整手段は、内燃機関の排気ポートに流れる排気ガスの流速分布が変化するように、排気ポート内に設けられたバルブを含む。制御手段は、第1のモードで排気管の温度を調整する場合、バルブを開いた状態と比較して、排気ポートの内周面に沿って流れる排気ガスの流速が大きくなるようにバルブを制御し、第2のモードで排気管の温度を調整する場合、バルブを開いた状態にするための手段を含む。
第6の発明によると、排気ポートの内周面に沿って流れる排気ガスの流速が大きくなるようにバルブを制御した場合は、内燃機関へ熱を伝達する排気ガスの量を増やして排気ガスから内燃機関への熱伝達を促進することができる。これにより、排気ガスが排気管に到達するまでに失う熱量を増大することができる。そのため、排気ガスから排気管に伝達される熱量を抑制することができる。一方、バルブを開いた場合は排気ガスから内燃機関への熱伝達の促進を中止することができる。これにより、排気ガスが排気管に到達するまでに失う熱量の増大を中止することができる。そのため、排気ガスから排気管に伝達される熱量の抑制を中止することができる。
第7の発明に係る排気管の温度調整装置においては、第1〜5のいずれかの発明の構成に加え、調整手段は、内燃機関の排気ポートに流れる排気ガスの流速分布が変化するように、排気ポート内に設けられたバルブと、バルブに対して排気ポートに流れる排気の下流側に位置するように、排気ポートの内周面に設けられた吸熱部材とを含む。制御手段は、第1のモードで排気管の温度を調整する場合、バルブを開いた状態に制御し、第2のモードで排気管の温度を調整する場合、バルブを開いた状態と比較して、吸熱部材に沿って流れる排気ガスの流速が小さくなるようにバルブを制御するための手段を含む。
第7の発明によると、バルブを開いた場合は、バルブを閉じた場合に比べて吸熱部材に沿って流れる排気ガスの流量を増やして、吸熱部材を介して排気ガスから内燃機関に伝達される熱量を促進することができる。これにより、排気ガスが排気管に到達するまでに失う熱量を増大することができる。そのため、排気ガスから排気管に伝達される熱量を抑制することができる。一方、吸熱部材に沿って流れる排気ガスの流速が小さくなるようにバルブを制御した場合は、内燃機関に熱を伝達する排気ガスの流量を減らして、内燃機関に伝達される熱量を抑制することができる。これにより、排気ガスが排気管に到達するまでに失う熱量を抑制することができる。そのため、排気ガスから排気管に伝達される熱量を促進することができる。
第8の発明に係る排気管の温度調整装置においては、第7の発明の構成に加え、バルブは、リング形状である。
第8の発明によると、リング形状のバルブを用いて排気ガスから内燃機関に伝達される熱量を調整し、排気管に伝達される熱量を調整することができる。
第9の発明に係る排気管の温度調整装置においては、第7または8の発明の構成に加え、吸熱部材は、フィンである。
第9の発明によると、フィンにより、排気ガスから内燃機関へ熱伝達率を向上することができる。
第10の発明に係る排気管の温度調整装置においては、第1〜5のいずれかの発明の構成に加え、調整手段は、内燃機関の排気ポートの内周面から離隔し、排気ポートに沿って延びるように設けられた筒状部材と、筒状部材の内周面よりも径方向で内側に設けられたバルブとを含む。制御手段は、第1のモードで排気管の温度を調整する場合、バルブを閉じた状態にし、第2のモードで排気管の温度を調整する場合、バルブを開いた状態にするための手段を含む。
第10の発明によると、バルブを閉じた状態にした場合は、筒状部材の内側へ排気ガスが流入することを抑制して、筒状部材と排気ポートの内周面との間を流れる排気ガスの流速を大きくすることができる。これにより、内燃機関に熱を伝達する排気ガスの流量を促進して、排気ガスから内燃機関に伝達される熱量を促進することができる。そのため、排気ガスが排気管に到達するまでに失う熱量を増大することができる。その結果、排気ガスから排気管に伝達される熱量を抑制することができる。一方、バルブを開いた状態にした場合は、筒状部材と排気ポートの内周面との間の空間に加え、筒状部材よりも内側の空間に排気ガスを流通させることで、筒状部材と排気ポートの内周面との間を流れる排気ガスの流速を小さくすることができる。これにより、排気ガスから内燃機関に伝達される熱量を促進することを中止することができる。そのため、排気ガスが排気管に到達するまでに失う熱量の増大を中止することができる。その結果、排気ガスから排気管に伝達される熱量の抑制を中止することができる。
第11の発明に係る排気管の温度調整装置においては、第1〜5のいずれかの発明の構成に加え、調整手段は、内燃機関の排気ポートに流れる排気ガスの流速分布が変化するように、排気ポート内に設けられたバルブを含む。制御手段は、第1のモードで排気管の温度を調整する場合、バルブを開いた状態に制御し、第2のモードで排気管の温度を調整する場合、バルブを開いた状態と比較して、排気ポートの内周面に沿って流れる排気の流速が小さくなるようにバルブを制御するための手段を含む。
第11の発明によると、たとえばリング形状のバルブを開いた状態にした場合は、バルブを閉じた状態にした場合に比べて排気ポートの内周面に沿って流れる排気の流速が大きくすることができる。これにより、内燃機関に熱を伝達する排気ガスの流量の抑制を中止し、排気ガスから内燃機関に伝達される熱量の抑制を中止することができる。そのため、排気ガスが排気管に到達するまでに失う熱量の抑制を中止することができる。その結果、排気ガスから排気管に伝達される熱量の促進を中止することができる。一方、バルブを制御することにより、排気ポートの内周面に沿って流れる排気の流速を小さくした場合は、内燃機関に熱を伝達する排気ガスの流量を抑制することができる。これにより、排気ガスから内燃機関に伝達される熱量を抑制することができる。そのため、排気ガスが排気管に到達するまでに失う熱量を抑制することができる。その結果、排気ガスから排気管に伝達される熱量を増大することができる。
第12の発明に係る排気管の温度調整装置においては、第11の発明の構成に加え、バルブは、リング形状である。
第12の発明によると、リング形状のバルブを用いて、排気ガスから内燃機関に伝達される熱量を調整することができる。
第13の発明に係る排気管の温度調整装置においては、第11または12の発明の構成に加え、調整手段は、バルブに加えて、バルブに対して排気ポートに流れる排気の下流側に設けられ、排気ポートの内周面と離隔し、排気ポートに沿って延びるように設けられた筒状部材を含む。
第13の発明によると、筒状部材の内周面よりも径方向で内側のみに排気ガスを流通させることで、排気ポートの内周面を介して排気ガスから内燃機関に伝達される熱量を抑制することができる。
第14の発明に係る排気管の温度調整装置においては、第1〜5のいずれかの発明の構成に加え、調整手段は、内燃機関の排気ポートに流れる排気ガスの流速分布が変化するように、排気ポート内に設けられたバルブと、排気ポートの内周面に沿って、内周面の一部に設けられた断熱部材とを含む。制御手段は、第1のモードで排気管の温度を調整する場合、第2のモードで排気管の温度を調整する場合に比べて断熱部材の反対側の内周面に沿って流れる排気ガスの流速が大きくなるようにバルブを制御し、第2のモードで排気管の温度を調整する場合、第1のモードで排気管の温度を調整する場合に比べて断熱部材に沿って流れる排気の流速が大きくなるようにバルブを制御するための手段を含む。
第14の発明によると、断熱部材の反対側の内周面に沿って流れる排気ガスの流速が大きくなるようにバルブを制御した場合は、排気ポートの内周面を介して排気ガスから内燃機関へ伝達される熱量を促進することができる。これにより、排気ガスが排気管に到達するまでに失う熱量を増大することができる。そのため、排気ガスから排気管に伝達される熱量を抑制することができる。一方、断熱部材に沿って流れる排気ガスの流速が大きくなるようにバルブを制御した場合は、それだけ排気ポートの内周面において断熱部材が設けられていない部分に沿って流れる排気ガスの流速が小さくなる。これにより、排気ポートの内周面を介して排気ガスから内燃機関へ伝達される熱量を抑制することができる。そのため、排気ガスが排気管に到達するまでに失う熱量を抑制することができる。その結果、排気ガスから排気管に伝達される熱量を増大することができる。
第15の発明に係る排気管の温度調整装置においては、第14の発明の構成に加え、調整手段は、バルブおよび断熱部材に加えて、断熱部材の反対側の内周面に沿って、内周面の一部に設けられた吸熱部材を含む。
第15の発明によると、吸熱部材により、排気ガスから内燃機関への熱伝達率を向上することができる。
第16の発明に係る排気管の温度調整装置においては、第15の発明の構成に加え、吸熱部材はフィンである。
第16の発明によると、フィンにより、排気ガスから内燃機関への熱伝達率を向上することができる。
第17の発明に係る排気管の温度調整装置においては、第1〜5のいずれかの発明の構成に加え、調整手段は、オイルが流れることにより、内燃機関の排気ポートを流れる排気ガスとオイルとの間で熱交換が行なわれるように設けられたオイル通路と、オイル通路へのオイルの流入を制御するバルブとを含む。制御手段は、第1のモードで排気管の温度を調整する場合、オイル通路にオイルが流入するように、バルブを制御し、第2のモードで排気管の温度を調整する場合、オイル通路へのオイルの流入を抑制するようにバルブを制御するための手段を含む。
第17の発明によると、オイル通路にオイルが流入された場合は、排気ガスから熱が伝達され得るオイルの量を増大させ、オイルを介して排気ガスから内燃機関に伝達される熱量を促進することができる。これにより、排気ガスが排気管に到達するまでに失う熱量を増大することができる。そのため、排気ガスから排気管に伝達される熱量を抑制することができる。一方、オイル通路へのオイルの流入を抑制した場合は、排気ガスから熱が伝達され得るオイルの量を減少させ、オイルを介して排気ガスから内燃機関に伝達される熱量を抑制することができる。これにより、排気ガスが排気管に到達するまでに失う熱量を抑制することができる。そのため、排気ガスから排気管に伝達される熱量を増大することができる。
第18の発明に係る排気管の温度調整装置においては、第17の発明の構成に加え、排気ポートは複数設けられる。オイル通路は、隣合う排気ポートの間を通るように設けられる。
第18の発明によると、隣り合う排気ポートの間を通るオイル通路内にオイルを流入させて、効率よく排気ガスからオイルに熱を伝達させることができる。
第19の発明に係る排気管の温度調整装置においては、第17の発明の構成に加え、オイル通路は、排気ポートを横切るように設けられる。
第19の発明によると、排気ポートを横切るオイル通路内にオイルを流入させて、効率よく排気ガスからオイルに熱を伝達させることができる。
第20の発明に係る排気管の温度調整装置においては、第17〜19のいずれかの発明の構成に加え、温度調整装置は、オイル通路からオイルを流出させる流出通路をさらに含む。
第20の発明によると、オイル通路からオイルを流出させることにより、排気ガスから熱が伝達され得るオイルの量を減少させ、オイルを介して排気ガスから内燃機関に伝達される熱量をより抑制することができる。
第21の発明に係る排気管の温度調整装置においては、第1〜5のいずれかの発明の構成に加え、調整手段は、内燃機関のシリンダブロックおよびシリンダヘッドを流通した冷却水が、シリンダヘッドから流出する第1の流路と、シリンダブロックを流通した冷却水が、シリンダブロックから流出する第2の流路と、シリンダブロックから第2の流路に流出する冷却水を制御するバルブとを含む。制御手段は、第1のモードで排気管の温度を調整する場合、シリンダブロックから第2の流路に冷却水が流出するように、バルブを制御し、第2のモードで排気管の温度を調整する場合、シリンダブロックから第2の流路に流出する冷却水を抑制するようにバルブを制御するための手段を含む。
第21の発明によると、冷却水がシリンダブロックから第2の流路に流出された場合、冷却水は、シリンダヘッドを通さずに流通される。この場合、シリンダヘッドの分だけ流路抵抗が減少し、流路抵抗による圧損が抑制される。圧損が抑制された分だけシリンダブロックを流通する冷却水の流量が増大して、シリンダブロックから冷却水に伝達される熱量が増大される。すなわち、排気ガスからシリンダブロックを介して冷却水に伝達される熱量が増大される。これにより、排気ガスが排気管に到達するまでに失う熱量を増大することができる。そのため、排気ガスから排気管に伝達される熱量を抑制することができる。一方、冷却水がシリンダブロックから第2の流路に流出することを抑制した場合、冷却水は、シリンダブロックおよびシリンダヘッドを流通して、シリンダヘッドから第1の流路に流出する。この場合、流路抵抗による圧損が抑制されず、シリンダブロックを流通する冷却水の流量の増大が中止されて、シリンダブロックから冷却水に伝達される熱量の増大が中止される。すなわち、排気ガスからシリンダブロックを介して冷却水に伝達される熱量の増大が中止される。これにより、排気ガスが排気管に到達するまでに失う熱量の増大を中止することができる。そのため、排気ガスから排気管に伝達される熱量の抑制を中止することができる。
第22の発明に係る排気管の温度調整装置においては、第1〜5のいずれかの発明の構成に加え、調整手段は、内燃機関に形成されたウォータジャケットと、ウォータジャケット内において、第1の位置および第1の位置よりも内燃機関の気筒に近接した第2の位置の間を移動可能に設けられた断熱部材とを含む。制御手段は、第1のモードで排気管の温度を調整する場合、断熱部材を第1の位置にし、第2のモードで排気管の温度を調整する場合、断熱部材を第2の位置にするための手段を含む。
第22の発明によると、断熱部材を第1の位置にした場合は、ウォータジャケットの気筒側に沿って流れる冷却水の流量を増大することができる。これにより、内燃機関の気筒からウォータジャケット内の冷却水に伝達される熱量を増大することができる。すなわち、気筒内の排気ガス(燃焼ガス)から冷却水に伝達される熱量を増大することができる。そのため、排気ガスが排気管に到達するまでに失う熱量を増大することができる。その結果、排気ガスから排気管に伝達される熱量を抑制することができる。一方、断熱部材を第2の位置にした場合は、ウォータジャケットの気筒側に沿って流れる冷却水の流量を抑制することができる。これにより、内燃機関の気筒からウォータジャケット内の冷却水に伝達される熱量を抑制することができる。すなわち、気筒内の排気ガスから冷却水に伝達される熱量を抑制することができる。そのため、排気ガスが排気管に到達するまでに失う熱量の増大を中止することができる。その結果、排気ガスから排気管に伝達される熱量の抑制を中止することができる。
第23の発明に係る排気管の温度調整装置においては、第1〜5のいずれかの発明の構成に加え、調整手段は、内燃機関の端部に対して空気を導く第1のガイドと、第1のガイドにより空気が導かれた端部とは反対側の端部から車室内に空気を導く第2のガイドと、第1のガイドおよび第2のガイドの少なくともいずれか一方により導かれる空気の流れを調整する弁体とを含む。制御手段は、第1のモードで排気管の温度を調整する場合、弁体が開いた状態に比べて空気の流れを抑制し、第2のモードで排気管の温度を調整する場合、弁体を開いた状態にするための手段を含む。
第23の発明によると、弁体を開いた状態にした場合は、内燃機関に対して空気を導くことで内燃機関を冷却しつつ、内燃機関からの放射熱により暖められた空気を車室内の暖房に利用することができる。このとき、内燃機関の冷却に用いられる空気の量が増大する分、相対的に排気管の冷却に用いられる空気の量が減少する。一方、空気の流れを抑制するように弁体を制御した場合は、排気管の冷却に用いられる空気の量の減少を抑制することができる。そのため、空気の流れを抑制するように弁体を制御した場合は、排気管の温度上昇の促進を中止することができる。弁体を開いた状態にした場合は、排気管の温度上昇を促進することができる。
第24の発明に係る排気管の温度調整装置においては、第23の発明の構成に加え、内燃機関は、クランクシャフトが車両前後方向を指向するように設けられたV型エンジンである。第1のガイドはV型エンジンの前端に対して空気を導く。第2のガイドはV型エンジンの後端から車室内に空気を導く。
第24の発明によると、V型エンジンのバンク間に空気を導いて、空気を暖めるとともに、V型エンジンを冷却することができる。
第25の発明に係る排気管の温度調整装置は、第1〜5のいずれかの発明の構成に加え、内燃機関を冷却する冷却媒体が流通し、排気管からの輻射熱を受熱するように設けられたパイプをさらに含む。調整手段は、パイプが受熱する熱量を調整するための手段を含む。
第25の発明によると、パイプが排気管からの輻射熱を受熱する熱量を調整することができる。これにより、排気管が失う熱量を調整することができる。そのため、排気管の温度を調整することができる。
第26の発明に係る排気管の温度調整装置においては、第25の発明の構成に加え、調整手段は、第1の位置および第1の位置よりもパイプが受熱する熱量を抑制する第2の位置の間を移動可能に設けられた断熱部材とを含む。制御手段は、第1のモードで排気管の温度を調整する場合、断熱部材を第1の位置にし、第2のモードで排気管の温度を調整する場合、断熱部材を第2の位置にするための手段を含む。
第26の発明によると、断熱部材を第1の位置にした場合は、パイプが排気管からの輻射熱を受熱する熱量を促進することができる。これにより、排気管が失う熱量を増大することができる。そのため、排気管の温度上昇を抑制することができる。一方、断熱部材を第2の位置にした場合は、パイプが排気管からの輻射熱を受熱する熱量を抑制することができる。これにより、排気管が失う熱量の増大を中止することができる。そのため、排気管の温度上昇の抑制を中止することができる。
第27の発明に係る排気管の温度調整装置においては、第25の発明の構成に加え、調整手段は、パイプを、第1の位置および第1の位置よりも排気管から離隔した第2の位置の間で移動させるための手段を含む。制御手段は、第1のモードで排気管の温度を調整する場合、断熱部材を第1の位置にし、第2のモードで排気管の温度を調整する場合、パイプを第2の位置にするための手段を含む。
第27の発明によると、パイプを第1の位置にした場合は、パイプが排気管からの輻射熱を受熱する熱量を促進することができる。これにより、排気管が失う熱量を増大することができる。そのため、排気管の温度上昇を抑制することができる。一方、パイプを第2の位置にした場合は、パイプが排気管からの輻射熱を受熱する熱量を抑制することができる。これにより、排気管が失う熱量の増大を中止することができる。そのため、排気管の温度上昇の抑制を中止することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る温度調整装置が搭載された車両のエンジン100について説明する。本実施の形態に係る温度調整装置は、たとえばエンジン100を制御するECU(Electronic Control Unit)500が実行するプログラムにより実現される。エンジン100は、シリンダブロック102と、シリンダブロック102の上部に載置されたシリンダヘッド104とを含む。
エンジン100には、ウォータポンプ106から冷却水が供給される。エンジン100に供給された冷却水は、エンジン100の下方から上方に流れるように、シリンダブロック102を流通した後、シリンダヘッド104を通り抜ける。
ウォータポンプ106は、エンジン100のクランクシャフト(図示せず)に連結され、クランクシャフトが回転することにより駆動される。なお、ウォータポンプ106を、電動モータなどにより駆動させてもよい。
ウォータポンプ106からエンジン100に供給された冷却水は、シリンダブロック102およびシリンダヘッド104を流通した後、ラジエータ200、サーモスタット202および空調装置(図示せず)のヒータ300に供給される。
ラジエータ200は、冷却水と空気とを熱交換させ、冷却水を冷却する。サーモスタット202は、冷却水の温度が予め定められた温度よりも高い場合、ラジエータ200からウォータポンプ106への冷却水の流れを許容する。すなわち、サーモスタット202は、冷却水の温度が予め定められた温度よりも高い場合、ラジエータ200への冷却水の供給を許容する。ヒータ300は、冷却水と空気とを熱交換させ、空気を暖める。ヒータ300において暖められた空気は、車室内の暖房などに利用される。
シリンダブロック102およびシリンダヘッド104を流通した冷却水は、冷却水通路400を通って、ラジエータ200、サーモスタット202およびヒータ300に供給される。
図2に示すように、エンジン100には、シリンダヘッド104に形成された排気ポートに連通するように、エキゾーストマニホールド108が接続されている。エキゾーストマニホールド108からマフラーへと延びる排気経路上には、三元触媒110が2箇所に設けられている。
図3は、エンジン100に設けられたシリンダを、クランクシャフト(図示せず)の回転軸に対して垂直に切った断面図である。図3に示すように、シリンダヘッド104には、シリンダブロックのシリンダから延びて形成された燃焼室112と、それぞれ異なる方向から燃焼室112に連通する吸気ポート120および排気ポート130とが設けられている。吸気ポート120および排気ポート130には、燃焼室112とそれぞれのポートとの間を開閉する吸気バルブ122および排気バルブ132が設けられている。吸気バルブ122および排気バルブ132は、それぞれが設けられたポートから燃焼室112の内部にまで延びて形成されている。
排気ポート130は、燃焼室112に連なる一方端134と、シリンダヘッド104に取り付けられたエキゾーストマニホールド108へと連なる他方端136とを有する。排気ポート130は、まず、一方端134から排気バルブ132が延びる方向とほぼ同じ方向へと延び、さらに、吸気ポート120から離れる方向に曲りながら他方端136に向けて延びている。排気ポート130の延びる方向が変わる位置には、曲り部138が規定されている。排気ポート130内には、燃焼室112から排出された排気ガスが、一方端134から他方端136に向けて流れる。
シリンダヘッド104には、排気ポート130の上下に位置して、相対的に小さい断面形状を有するウォータジャケット140と、相対的に大きい断面形状を有するウォータジャケット142とがそれぞれ形成されている。これらのウォータジャケットには、図1中のラジエータ200から冷却水が供給される。
排気ポート130内には、バルブ1000が設けられている。バルブ1000は、一方端134と他方端136との間に設けられている。このバルブ1000が開閉することにより、排気ポートを流れる排気ガスの流速分布が変化される。
図4を参照して、バルブ1000についてさらに説明する。図4は、排気ポート130を他方端136から見た図である。図4に示すように、排気ポート130は、略円形の断面形状を有する。バルブ1000は、弁軸1002と、弁軸1002に支持された略半円状の弁体1004とから構成されている。弁軸1002は、軸受け部材1006を介してシリンダヘッド104に支持されている。弁軸1002は、回転軸1008を中心に回転自在に設けられている。
なお、図5に示すように、弁体1004を、弁軸1002から略半円状に延在する半円部と、弁軸1002から半円部とは反対側に突出する突出部とを有するように構成してもよい。
図6は、バルブ1000を開閉駆動させるためのアクチュエータ150を示す模式図である。図6を参照して、バルブ1000は、吸気ポート120に生じる負圧を作動源とするアクチュエータ150に接続されている。アクチュエータ150は、弾性を有するダイヤフラム152が設けられたハウジング154と、ダイヤフラム152と弁軸1002とを連結するロッド156とを備える。ハウジング154内には、ダイヤフラム152を挟んで、大気圧室158と負圧室160とが区画形成されている。
大気圧室158は、ハウジング154外に連通して形成されている。ロッド156は、ダイヤフラム152から大気圧室158側へと延び、弁軸1002に向かっている。負圧室160には、そのロッド156が延びる方向に弾性力を有するコイルバネ162が設けられている。負圧室160は、吸気通路を介して吸気ポート120に接続されている。アクチュエータ150は、その吸気通路上に位置して設けられたバキュームタンク164をさらに備える。バキュームタンク164と負圧室160との間、バキュームタンク164と吸気ポート120との間には、それぞれ、スイッチングバルブ166およびチェック弁168が設けられている。スイッチングバルブ166は、ECU500により制御される。
吸気ポート120に発生する負圧は、まずバキュームタンク164に蓄圧される。その状態で、スイッチングバルブ166を開いてバキュームタンク164と負圧室160との間を連通させると、バキュームタンク164内の負圧に基づき、負圧室160からバキュームタンク164へと空気が流れ込む。これにより、ダイヤフラム152は、コイルバネ162の弾性力に抗して変形し、ロッド156を負圧室160側へと移動させる。また、スイッチングバルブ166を閉じた場合には、バキュームタンク164と負圧室160との間が遮断される。これにより、ダイヤフラム152は、コイルバネ162の弾性力によって元の形状に戻り、ロッド156を負圧室160側から引き離す方向へと移動させる。
アクチュエータ150では、このような構成によってロッド156を移動させ、その移動を弁軸1002の回転運動に変換してバルブ1000を開閉駆動させる。なお、以上に説明したアクチュエータ150のほか、弁軸1002に直接、直流モータやステッピングモータを接続して、アクチュエータを構成しても良い。
図7を参照して、エンジン100についてさらに説明する。エンジン100に吸入される空気の量は、スロットルバルブ502により調整される。スロットルバルブの開度(スロットル開度)は、スロットルポジションセンサ504により検出される。
エンジン100に吸入される空気の量(吸気量)は、エアフローメータ506により検出される。エンジン100に吸入される空気の圧力(吸気圧)は、吸気圧センサ510により検出される。なお、吸気量および吸気温度から吸気圧を算出してもよい。
また、エンジン100を冷却する冷却水の温度は、水温センサ512により検出される。エアフローメータ506、スロットルポジションセンサ504、吸気圧センサ510および水温センサ512の検出結果を表す信号が、ECU500に入力される。
さらに、ECU500には、アクセルペダル514の開度を検出するアクセルポジションセンサ516、シフトレバー518のポジションを検出するポジションスイッチ520および車速を検出する車速センサ522から、検出結果を表す信号がECU500に入力される。
ECU500は、これらの信号、メモリに記憶されたマップおよびプログラムに基づいて演算処理を行ない、車両が所望の運転状態となるように、車両に搭載された機器を制御する。本実施の形態において、ECU500は、スイッチングバルブ166を制御することにより、バルブ1000を制御する。
図8を参照して、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500が実行するプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、ECU500は、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THを検出する。S102にて、ECU500は、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きいか否かを判別する。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合(S102にてYES)、処理はS104に移される。そうでない場合(S102にてNO)、処理はS106に移される。
S104にて、ECU500は、バルブ1000を、排気ポート130の内周面側に閉じた状態にする。その後、この処理は終了する。S106にて、ECU500は、バルブ1000を開いた状態にする。その後、この処理は終了する。
以上のような構造、およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500の動作について説明する。
エンジン100の運転中において、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THが検出される(S100)。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合は(S102にてYES)、エンジン100の吸入吸気量が多く、そのため燃料噴射量も多い状態、すなわち負荷が大きい状態であるといえる。
この場合、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が高くなり、排気ガスの温度も高くなる。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に熱が伝達され易い状態にあるといえる。この場合、図9に示すように、バルブ1000が排気ポート130の内周面側に閉じた状態にされる(S104)。
バルブ1000が閉じた状態にされると、排気ガスがバルブ1000によって導かれ、排気ポート130の内周面に沿って流れる排気ガスの流速が早くなり、排気ポートの内周面を介してシリンダヘッド104に熱伝達を行なう排気ガスの量が増大する。これにより、バルブ1000が開いた状態に比べて、排気ガスからシリンダヘッド104への熱伝達率を向上することができる。そのため、エンジン100の温度上昇を促進し、速やかに冷却水の温度を上げることができる。その結果、ヒータ300の暖房性能を確保することができる。
このとき、排気ガスからシリンダヘッド104に伝達された熱量だけ、排気ガスが熱量を失い、排気ガスの温度が低下する。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量が抑制される。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇が抑制される。
一方、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合は(S102にてNO)、エンジン100の吸入吸気量が少なく、そのため燃料噴射量も少ない状態、すなわち負荷が小さい状態であるといえる。
この場合、高負荷時に比べて、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が低く、排気ガスの温度も低い。そのため、高負荷時に比べて、エキゾーストマニホールド108の温度が上昇し難い状態にあるといえる。この場合、図10に示すように、バルブ1000が開いた状態にされる(S106)。
バルブ1000が開いた状態である場合において、排気ガスが排気ポートを通り抜ける際、排気ポートの内周面を介して排気ガスからエンジン100のシリンダヘッド104に熱が伝達されるが、このときの熱伝達率は、バルブ1000を閉じた状態に比べて小さい。そのため、シリンダヘッド104に伝達される熱量を抑制して、エンジン100の温度上昇を抑制することができる。
このとき、排気ガスからシリンダヘッド104への熱伝達が促進されないため、排気ガスが失う熱量は、バルブ1000を閉じた状態に比べて抑制される。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量は抑制されない。その結果、エキゾーストマニホールドの温度上昇の抑制が中止される。
ここで、低負荷時は、排気ガスの温度自体が高くないため、低負荷時にバルブ1000を開いた状態にした場合にエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量と高負荷時にバルブ1000を閉じた状態にした場合にエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量との差は大きくない。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールド108が熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る温度調整装置のECUは、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合、排気ポート内に設けられたバルブを閉じた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達を抑制する。一方、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合、ECUは、排気ポート内に設けられたバルブを開いた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達の抑制を中止する。これにより、エキゾーストマニホールドの温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールドが熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、エンジン100の負荷に関する値としてスロットル開度THに基づいて、バルブ1000を制御していたが、スロットル開度THの代わりにエンジン100の負荷率に基づいて、バルブ1000を制御してもよい。この場合、負荷率が予め定められた負荷率よりも高い場合、バルブ1000を閉じた状態にし、負荷率が予め定められた負荷率よりも低い場合、バルブ1000を開いた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりに吸気圧に基づいて、バルブ1000を制御してもよい。この場合、吸気圧が予め定められた圧力よりも高い場合、バルブ1000を閉じた状態にし、吸気圧が予め定められた圧力よりも低い場合、バルブ1000を開いた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりにシフトポジションに基づいて、バルブ1000を制御してもよい。この場合、シフトポジションが予め定められたシフトポジションである場合、バルブ1000を閉じた状態にし、そうでない場合、バルブ1000を開いた状態にしてもよい。
さらに、図11に示すように、バルブ1000に加えて、バルブ1000よりも下流側に、バルブ1100を設けてもよい。バルブ1100は、バルブ1000の弁軸1002および弁体1004と同様の形状を有する、弁軸1102および弁体1104から構成されている。
このように構成すれば、バルブ1000によって流速が高められなかった排気ガスの流速を増大させ、排気ガスからシリンダヘッド104への熱伝達率をより向上することができる。
さらに、冷却水の温度が予め定められた温度よりも高い場合、バルブ1000を開いた状態にしてもよい。このように構成すれば、エンジン100のオーバーヒートを抑制することができる。
<第2の実施の形態>
図12を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。前述の第1の実施の形態においては、スロットル開度THに基づいて排気ポート内に設けられたバルブを制御していた。本実施の形態においては、スロットル開度THおよび車速Vに基づいて排気ポート内に設けられたバルブを制御する。その他の構造については、前述の第1の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図12を参照して、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500が実行するプログラムの制御構造について説明する。
S150にて、ECU500は、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THを検出する。S152にて、ECU500は、車速センサ522から送信された信号に基づいて、車速Vを検出する。
S154にて、ECU500は、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低いか否かを判別する。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合(S154にてYES)、処理はS156に移される。そうでない場合(S154にてNO)、処理はS158に移される。
S156にて、ECU500は、バルブ1000を、排気ポート130の内周面側に閉じた状態にする。その後、この処理は終了する。S158にて、ECU500は、バルブ1000を開いた状態にする。その後、この処理は終了する。
以上のような構造、およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500の動作について説明する。
エンジン100の運転中において、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THが検出され(S150)、車速センサ522から送信された信号に基づいて、車速Vが検出される(S152)。
スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合は(S154にてYES)、エンジン100の吸入吸気量が多く、そのため燃料噴射量も多い状態、すなわち負荷が大きい状態であり、かつ車両内(エンジンルーム内)に十分な量の外気が導入されない状態であるといえる。
この場合、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が高くなり、排気ガスの温度も高くなる。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に熱が伝達され易い状態にあるといえる。また、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が不十分である状態であるといえる。この場合、バルブ1000が排気ポート130の内周面側に閉じた状態にされる(S156)。
バルブ1000が閉じた状態にされると、排気ガスがバルブ1000によって導かれ、排気ポート130の内周面に沿って流れる排気ガスの流速が早くなり、排気ポートの内周面を介してシリンダヘッド104に熱伝達を行なう排気ガスの量が増大する。これにより、バルブ1000が開いた状態に比べて、排気ガスからシリンダヘッド104への熱伝達率を向上することができる。そのため、エンジン100の温度上昇を促進し、速やかに冷却水の温度を上げることができる。その結果、ヒータ300の暖房性能を確保することができる。
このとき、排気ガスからシリンダヘッド104に伝達された熱量だけ、排気ガスが熱量を失い、排気ガスの温度が低下する。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量が抑制される。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇が抑制される。
一方、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合(S154にてNO)、エンジン100の吸入吸気量が少なく、そのため燃料噴射量も少ない状態、すなわち負荷が小さい状態であるといえる。この場合、高負荷時に比べて、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が低く、排気ガスの温度も低い。
また、車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合(S154にてNO)、車両内(エンジンルーム内)に十分な量の外気が導入される状態であるといえる。この場合、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が十分に行なわれる。そのため、低負荷時や高車速時は、エキゾーストマニホールド108の温度が上昇し難い状態にあるといえる。この場合、バルブ1000が開いた状態にされる(S158)。
バルブ1000が開いた状態である場合において、排気ガスが排気ポートを通り抜ける際、排気ポートの内周面を介して排気ガスからエンジン100のシリンダヘッド104に熱が伝達されるが、このときの熱伝達率は、バルブ1000を閉じた状態に比べて小さい。そのため、シリンダヘッド104に伝達される熱量を抑制して、エンジン100の温度上昇を抑制することができる。
このとき、排気ガスからシリンダヘッド104への熱伝達が促進されないため、排気ガスが失う熱量は、バルブ1000が閉じた状態に比べて抑制される。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量は抑制されない。その結果、エキゾーストマニホールドの温度上昇の抑制が中止される。
ここで、低負荷時は、排気ガスの温度自体が高くなく、高車速時は、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が十分に行なわれる。そのため、低負荷時や高車速時にバルブ1000を開いた状態にした場合と高負荷時かつ低車速時にバルブ1000を閉じた状態にした場合とでは、エキゾーストマニホールド108の温度に大きな差はない。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールド108が熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る温度調整装置のECUは、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、排気ポート内に設けられたバルブを閉じた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達を抑制する。一方、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、ECUは、排気ポート内に設けられたバルブを開いた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達の抑制を中止する。これにより、エキゾーストマニホールドに伝達される熱量の変化を抑制することができる。そのため、エキゾーストマニホールドの温度変化を抑制することができる。その結果、シリンダヘッドが熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、エンジン100の負荷に関する値としてスロットル開度THに基づいて、バルブ1000を制御していたが、スロットル開度THの代わりにエンジン100の負荷率に基づいて、バルブ1000を制御してもよい。この場合、負荷率が予め定められた負荷率よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ1000を閉じた状態にし、負荷率が予め定められた負荷率よりも低い場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、バルブ1000を開いた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりに吸気圧に基づいて、バルブ1000を制御してもよい。この場合、吸気圧が予め定められた圧力よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ1000を閉じた状態にし、吸気圧が予め定められた圧力よりも低い場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、バルブ1000を開いた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりにシフトポジションに基づいて、バルブ1000を制御してもよい。この場合、シフトポジションが予め定められたシフトポジションであり、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ1000を閉じた状態にし、そうでない場合、バルブ1000を開いた状態にしてもよい。
さらに、冷却水の温度が予め定められた温度よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ1000を開いた状態にしてもよい。このように構成すれば、エンジン100のオーバーヒートを抑制することができる。
<第3の実施の形態>
図13〜図18を参照して、本発明の第3の実施の形態について説明する。前述の第1の実施の形態においては、排気ポート内に設けられたバルブは略半円状の弁体を有していたが、本実施の形態における弁体の形状はリング形状である。また、排気ポートの内周面には吸熱部材としてのフィンが設けられている。その他の構造については、前述の第1の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図13に示すように、排気ポート130内には、バルブ2000が設けられる。バルブ2000の下流には、排気ポート130の内周面の周方向に沿ってフィン2100が設けられる。
図14を参照して、バルブ2000についてさらに説明する。図14は、排気ポート130を他方端136から見た図である。バルブ2000は、弁軸2002と、弁軸2002に支持された弁体2004とから構成されている。弁軸2002は、軸受け部材2006を介してシリンダヘッド104に支持されている。弁軸2002は、回転軸2008を中心に回転自在に設けられている。
図15に示すように、弁体2004は、中央部に開口部2010を有するリング形状である。フィン2100は、排気ポート130の内周面において、周方向に沿って予め定められた間隔を空けて複数設けられる。
図15に示すように、バルブ2000が閉じた状態において、排気ガスの流れる方向に見て、フィン2100と重なるように弁体2004が設けられる。一方、バルブ2000が閉じた状態において、排気ガスの流れる方向に見て、フィン2100からずれる位置に、開口部2010が設けられる。
図16を参照して、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500が実行するプログラムの制御構造について説明する。
S200にて、ECU500は、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THを検出する。S202にて、ECU500は、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きいか否かを判別する。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合(S202にてYES)、処理はS204に移される。そうでない場合(S202にてNO)、処理はS206に移される。
S204にて、ECU500は、バルブ2000を開いた状態にする。その後、この処理は終了する。S206にて、ECU500は、バルブ2000を閉じた状態にする。その後、この処理は終了する。
以上のような構造、およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500の動作について説明する。
エンジン100の運転中において、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THが検出される(S200)。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合は(S202にてYES)、エンジン100の吸入吸気量が多く、そのため燃料噴射量も多い状態、すなわち負荷が大きい状態であるといえる。
この場合、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が高くなり、排気ガスの温度も高くなる。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に熱が伝達され易い状態にあるといえる。この場合、図17に示すように、バルブ2000が開いた状態にされる(S204)。
バルブ2000が開いた状態である場合、弁体2004が、排気ガスの流れる方向に沿って延在するように位置決めされる。このとき、排気ガスの流れは、バルブ2000から影響を受けない。そのため、排気ポート130の内周面およびフィン2100に沿った排気ガスの流速が、後述するように、バルブ2000を閉じた状態に比べて大きくなる。
これにより、バルブ2000を閉じた状態に比べて、排気ポート130の内周面およびフィン2100を介してシリンダヘッド104に熱を伝達する排気ガスの流量が増大され、排気ガスからシリンダヘッド104への熱伝達が促進される。そのため、エンジン100の温度上昇を促進し、速やかに冷却水の温度を上げることができる。その結果、ヒータ300の暖房性能を確保することができる。
このとき、排気ガスからシリンダヘッド104に伝達された熱量だけ、排気ガスが熱量を失い、排気ガスの温度が低下する。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量が抑制される。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇が抑制される。
一方、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合は(S202にてNO)、エンジン100の吸入吸気量が少なく、そのため燃料噴射量も少ない状態、すなわち負荷が小さい状態であるといえる。
この場合、高負荷時に比べて、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が低く、排気ガスの温度も低い。そのため、高負荷時に比べて、エキゾーストマニホールド108の温度が上昇し難い状態にあるといえる。この場合、バルブ2000が図18に示すように、閉じた状態にされる(S206)。
バルブ2000が閉じた状態である場合、弁体2004が、排気ガスの流れる方向に直交する方向に延在するように位置決めされる。これにより、排気ポート130の内周面に沿った排気ガスの流れが、弁体2004により抑制される。一方、燃焼室112から流出した排気ガスは、開口部2010を通る。
よって、排気ガスの流速は、排気ポート130の内周面に近づくにつれ小さくなる。したがって、排気ポート130に熱を伝達する排気ガスの流量が小さくなり、排気ガスからシリンダヘッド104へ伝達される熱量が抑制される。また、開口部2010は、排気ガスの流れる方向から見てフィン2100と重ならないように設けられる。そのため、排気ガスがフィン2100に沿って流れることが抑制される。これにより、フィン2100を介して排気ガスからシリンダヘッド104に熱が伝達されることを抑制することができる。そのため、冷却水の温度上昇を抑制して、エンジン100の温度上昇を抑制することができる。
このとき、排気ガスからシリンダヘッド104への熱伝達が促進されないため、排気ガスが失う熱量は、バルブ2000が開いた状態に比べて抑制される。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108への熱伝達が促進される。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇が促進される。
ここで、低負荷時は、排気ガスの温度自体が高くないため、低負荷時にバルブ2000を閉じた状態にした場合にエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量と高負荷時にバルブ2000を開いた状態にした場合にエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量との差は大きくない。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールド108が熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る温度調整装置のECUは、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合、排気ポート内に設けられたリング形状のバルブを開いた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達を抑制する。一方、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合、ECUは、排気ポート内に設けられたリング形状のバルブを閉じた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達を促進する。これにより、エキゾーストマニホールドに伝達される熱量の変化を抑制することができる。そのため、エキゾーストマニホールドの温度変化を抑制することができる。その結果、シリンダヘッドが熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、エンジン100の負荷に関する値としてスロットル開度THに基づいて、バルブ2000を制御していたが、スロットル開度THの代わりにエンジン100の負荷率に基づいて、バルブ2000を制御してもよい。この場合、負荷率が予め定められた負荷率よりも高い場合、バルブ2000を開いた状態にし、負荷率が予め定められた負荷率よりも低い場合、バルブ2000を閉じた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりに吸気圧に基づいて、バルブ2000を制御してもよい。この場合、吸気圧が予め定められた圧力よりも高い場合、バルブ2000を開いた状態にし、吸気圧が予め定められた圧力よりも低い場合、バルブ2000を閉じた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりにシフトポジションに基づいて、バルブ2000を制御してもよい。この場合、シフトポジションが予め定められたシフトポジションである場合、バルブ2000を開いた状態にし、そうでない場合、バルブ2000を閉じた状態にしてもよい。
さらに、冷却水の温度が予め定められた温度よりも高い場合、バルブ2000を閉じた状態にしてもよい。このように構成すれば、エンジン100のオーバーヒートを抑制することができる。
<第4の実施の形態>
図19を参照して、本発明の第4の実施の形態について説明する。前述の第3の実施の形態においては、スロットル開度THに基づいて排気ポート内に設けられたバルブを制御していた。本実施の形態においては、スロットル開度THおよび車速Vに基づいて排気ポート内に設けられたバルブを制御する。その他の構造については、前述の第3の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図19を参照して、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500が実行するプログラムの制御構造について説明する。
S250にて、ECU500は、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THを検出する。S252にて、ECU500は、車速センサ522から送信された信号に基づいて、車速Vを検出する。
S254にて、ECU500は、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低いか否かを判別する。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合(S254にてYES)、処理はS256に移される。そうでない場合(S254にてNO)、処理はS258に移される。
S256にて、ECU500は、バルブ2000を開いた状態にする。その後、この処理は終了する。S258にて、ECU500は、バルブ2000を閉じた状態にする。その後、この処理は終了する。
以上のような構造、およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500の動作について説明する。
エンジン100の運転中において、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THが検出され(S250)、車速センサ522から送信された信号に基づいて、車速Vが検出される(S252)。
スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合は(S254にてYES)、エンジン100の吸入吸気量が多く、そのため燃料噴射量も多い状態、すなわち負荷が大きい状態であり、かつ車両内(エンジンルーム内)に十分な量の外気が導入されない状態であるといえる。
この場合、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が高くなり、排気ガスの温度も高くなる。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に熱が伝達され易い状態にあるといえる。また、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が不十分である状態であるといえる。この場合、バルブ2000が開いた状態にされる(S256)。
バルブ2000が開いた状態である場合、弁体2004が、排気ガスの流れる方向に沿って延在するように位置決めされる。このとき、排気ガスの流れは、バルブ2000から影響を受けない。そのため、排気ポート130の内周面およびフィン2100に沿った排気ガスの流速が、バルブ2000を閉じた状態に比べて大きくなる。
これにより、バルブ2000を閉じた状態に比べて、排気ポート130の内周面およびフィン2100を介してシリンダヘッド104に熱を伝達する排気ガスの流量が増大され、排気ガスからシリンダヘッド104への熱伝達が促進される。そのため、エンジン100の温度上昇を促進し、速やかに冷却水の温度を上げることができる。その結果、ヒータ300の暖房性能を確保することができる。
このとき、排気ガスからシリンダヘッド104に伝達された熱量だけ、排気ガスが熱量を失い、排気ガスの温度が低下する。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量が抑制される。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇が抑制される。
一方、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合(S254にてNO)、エンジン100の吸入吸気量が少なく、そのため燃料噴射量も少ない状態、すなわち負荷が小さい状態であるといえる。この場合、高負荷時に比べて、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が低く、排気ガスの温度も低い。
また、車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合(S254にてNO)、車両内(エンジンルーム内)に十分な量の外気が導入される状態であるといえる。この場合、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が十分に行なわれる。そのため、低負荷時や高車速時は、エキゾーストマニホールド108の温度が上昇し難い状態にあるといえる。この場合、バルブ2000が閉じた状態にされる(S258)。
バルブ2000が閉じた状態である場合、弁体2004が、排気ガスの流れる方向に直交する方向に延在するように位置決めされる。これにより、排気ポート130の内周面に沿った排気ガスの流れが、弁体2004により抑制される。一方、燃焼室112から流出した排気ガスは、開口部2010を通る。
よって、排気ガスの流速は、排気ポート130の内周面に近づくにつれ小さくなる。したがって、排気ポート130に熱を伝達する排気ガスの流量が小さくなり、排気ガスからシリンダヘッド104へ伝達される熱量が抑制される。また、開口部2010は、排気ガスの流れる方向から見てフィン2100と重ならないように設けられる。そのため、排気ガスがフィン2100に沿って流れることが抑制される。これにより、フィン2100を介して排気ガスからシリンダヘッド104に熱が伝達されることを抑制することができる。そのため、冷却水の温度上昇を抑制して、エンジン100の温度上昇を抑制することができる。
このとき、排気ガスからシリンダヘッド104への熱伝達が促進されないため、排気ガスが失う熱量は、バルブ2000が開いた状態に比べて抑制される。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108への熱伝達が促進される。その結果、エキゾーストマニホールドの温度上昇が促進される。
ここで、低負荷時は、排気ガスの温度自体が高くなく、高車速時は、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が十分に行なわれる。そのため、低負荷時や高車速時にバルブ2000を開いた状態にした場合と高負荷時かつ低車速時にバルブ2000を閉じた状態にした場合とでは、エキゾーストマニホールド108の温度に大きな差はない。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールド108が熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る温度調整装置のECUは、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、排気ポート内に設けられたリング形状のバルブを開いた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達を抑制する。一方、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、ECUは、排気ポート内に設けられたバルブを閉じた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達を促進する。これにより、エキゾーストマニホールドに伝達される熱量の変化を抑制することができる。そのため、エキゾーストマニホールドの温度変化を抑制することができる。その結果、シリンダヘッドが熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、エンジン100の負荷に関する値としてスロットル開度THに基づいて、バルブ2000を制御していたが、スロットル開度THの代わりにエンジン100の負荷率に基づいて、バルブ2000を制御してもよい。この場合、負荷率が予め定められた負荷率よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ2000を開いた状態にし、負荷率が予め定められた負荷率よりも低い場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、バルブ2000を閉じた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりに吸気圧に基づいて、バルブ2000を制御してもよい。この場合、吸気圧が予め定められた圧力よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ2000を開いた状態にし、吸気圧が予め定められた圧力よりも低い場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、バルブ2000を閉じた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりにシフトポジションに基づいて、バルブ2000を制御してもよい。この場合、シフトポジションが予め定められたシフトポジションであり、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ2000を開いた状態にし、そうでない場合、バルブ2000を閉じた状態にしてもよい。
さらに、冷却水の温度が予め定められた温度よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ2000を閉じた状態にしてもよい。このように構成すれば、エンジン100のオーバーヒートを抑制することができる。
<第5の実施の形態>
図20〜図26を参照して、本発明の第5の実施の形態について説明する。前述の第1の実施の形態においては、排気ポート内に設けられたバルブは略半円状の弁体を有していたが、本実施の形態における弁体の形状は略円状である。また、排気ポート内には、筒形状を有するガス案内管が設けられる。その他の構造については、前述の第1の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図20に示すように、排気ポート130内には、バルブ3000が設けられる。また、排気ポート130内には、筒形状を有するガス案内管3100が設けられる。ガス案内管3100は、排気ガスの流れる方向に延在するように設けられる。ガス案内管3100の内周面よりも径方向で内側に、バルブ3000が設けられる。
図21を参照して、バルブ3000についてさらに説明する。図21は、排気ポート130を他方端136から見た図である。バルブ3000は、弁軸3002と、弁軸3002に支持された弁体3004とから構成されている。弁軸3002は、軸受け部材3006を介してシリンダヘッド104に支持されている。弁軸3002は、回転軸3008を中心に回転自在に設けられる。図21に示すように、弁体3004の外径とガス案内管3100の内径とが略一致するように形成される。
図22を参照して、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500が実行するプログラムの制御構造について説明する。
S300にて、ECU500は、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THを検出する。S302にて、ECU500は、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きいか否かを判別する。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合(S302にてYES)、処理はS304に移される。そうでない場合(S302にてNO)、処理はS306に移される。
S304にて、ECU500は、バルブ3000を閉じた状態にする。その後、この処理は終了する。S306にて、ECU500は、バルブ3000を開いた状態にする。その後、この処理は終了する。
以上のような構造、およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500の動作について説明する。
エンジン100の運転中において、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THが検出される(S300)。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合は(S302にてYES)、エンジン100の吸入吸気量が多く、そのため燃料噴射量も多い状態、すなわち負荷が大きい状態であるといえる。
この場合、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が高くなり、排気ガスの温度も高くなる。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に熱が伝達され易い状態にあるといえる。この場合、図23に示すように、バルブ3000が閉じた状態にされる(S304)。
バルブ3000が閉じた状態である場合、弁体3004が、排気ガスの流れる方向に対して垂直になるように位置決めされる。このとき、排気ガスの流れは、バルブ3000により遮られる。そのため、ガス案内管3100の内周面よりも径方向で内側の空間へ排気ガスが流入することが抑制され、それだけガス案内管3100の外周面と排気ポート130の内周面との間の空間に流れる排気ガスの流速が大きくなる。
これにより、バルブ3000を開いた状態に比べて、排気ポート130の内周面を介してシリンダヘッド104に熱を伝達する排気ガスの流量が増大され、排気ガスからシリンダヘッド104への熱伝達が促進される。そのため、エンジン100の温度上昇を促進し、速やかに冷却水の温度を上げることができる。その結果、ヒータ300の暖房性能を確保することができる。
このとき、排気ガスからシリンダヘッド104に伝達された熱量だけ、排気ガスが熱量を失い、排気ガスの温度が低下する。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量が抑制される。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇が抑制される。
一方、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合は(S302にてNO)、エンジン100の吸入吸気量が少なく、そのため燃料噴射量も少ない状態、すなわち負荷が小さい状態であるといえる。
この場合、高負荷時に比べて、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が低く、排気ガスの温度も低い。そのため、高負荷時に比べて、エキゾーストマニホールド108の温度が上昇し難い状態にあるといえる。この場合、図24に示すように、バルブ3000が開いた状態状態にされる(S306)。
バルブ3000が開いた状態である場合、弁体3004が、排気ガスの流れる方向に沿って延在するように位置決めされる。このとき、排気ガスの流れは、バルブ3000から影響を受けない。このため、排気ガスは、ガス案内管3100の内周面よりも径方向で内側の空間およびガス案内管3100の外周面と排気ポート130の内周面との間の空間の双方に流れる。そのため、バルブ3000を閉じた状態に比べて、ガス案内管3100の外周面と排気ポート130の内周面との間の空間、すなわち排気ポート130の内周面に沿って流れる排気ガスの流速が小さくなる。したがって、シリンダヘッド104に熱を伝達する排気ガスの流量が促進されず、シリンダヘッド104への熱伝達が促進されない。よって、冷却水の温度上昇を抑制して、エンジン100の温度上昇を抑制することができる。
このとき、排気ガスからシリンダヘッド104への熱伝達が促進されないため、排気ガスが失う熱量は、バルブ3000が閉じた状態に比べて抑制される。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量は抑制されない。その結果、エキゾーストマニホールドの温度上昇の抑制が中止される。
ここで、低負荷時は、排気ガスの温度自体が高くないため、低負荷時にバルブ3000を開いた状態にした場合にエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量と高負荷時にバルブ3000を閉じた状態にした場合にエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量との差は大きくない。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールド108が熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る温度調整装置のECUは、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合、排気ポート内に設けられた略円状のバルブを閉じた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達を抑制する。一方、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合、ECUは、排気ポート内に設けられた略円状のバルブを開いた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達の抑制を中止する。これにより、エキゾーストマニホールドに伝達される熱量の変化を抑制することができる。そのため、エキゾーストマニホールドの温度変化を抑制することができる。その結果、シリンダヘッドが熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、エンジン100の負荷に関する値としてスロットル開度THに基づいて、バルブ3000を制御していたが、スロットル開度THの代わりにエンジン100の負荷率に基づいて、バルブ3000を制御してもよい。この場合、負荷率が予め定められた負荷率よりも高い場合、バルブ3000を閉じた状態にし、負荷率が予め定められた負荷率よりも低い場合、バルブ3000を開いた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりに吸気圧に基づいて、バルブ3000を制御してもよい。この場合、吸気圧が予め定められた圧力よりも高い場合、バルブ3000を閉じた状態にし、吸気圧が予め定められた圧力よりも低い場合、バルブ3000を開いた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりにシフトポジションに基づいて、バルブ3000を制御してもよい。この場合、シフトポジションが予め定められたシフトポジションである場合、バルブ3000を閉じた状態にし、そうでない場合、バルブ3000を開いた状態にしてもよい。
さらに、図25に示すように、ガス案内管3100の外周面とポート130の内周面とをフィン3200により連結してもよい。この場合、図26に示すように、フィン3200は、排気ポート130の内周面に沿って予め定められた間隔を空けて複数設けられる。このように構成すれば、フィン3200により排気ガスからシリンダヘッド104への熱伝達率を向上することができる。
さらに、冷却水の温度が予め定められた温度よりも高い場合、バルブ3000を開いた状態にしてもよい。このように構成すれば、エンジン100のオーバーヒートを抑制することができる。
<第6の実施の形態>
図27を参照して、本発明の第6の実施の形態について説明する。前述の第5の実施の形態においては、スロットル開度THに基づいて排気ポート内に設けられたバルブを制御していた。本実施の形態においては、スロットル開度THおよび車速Vに基づいて排気ポート内に設けられたバルブを制御する。その他の構造については、前述の第5の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図27を参照して、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500が実行するプログラムの制御構造について説明する。
S350にて、ECU500は、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THを検出する。S352にて、ECU500は、車速センサ522から送信された信号に基づいて、車速Vを検出する。
S354にて、ECU500は、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低いか否かを判別する。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合(S354にてYES)、処理はS356に移される。そうでない場合(S354にてNO)、処理はS358に移される。
S356にて、ECU500は、バルブ3000を閉じた状態にする。その後、この処理は終了する。S358にて、ECU500は、バルブ3000を開いた状態にする。その後、この処理は終了する。
以上のような構造、およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500の動作について説明する。
エンジン100の運転中において、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THが検出され(S350)、車速センサ522から送信された信号に基づいて、車速Vが検出される(S352)。
スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合は(S354にてYES)、エンジン100の吸入吸気量が多く、そのため燃料噴射量も多い状態、すなわち負荷が大きい状態であり、かつ車両内(エンジンルーム内)に十分な量の外気が導入されない状態であるといえる。
この場合、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が高くなり、排気ガスの温度も高くなる。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に熱が伝達され易い状態にあるといえる。また、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が不十分である状態であるといえる。この場合、バルブ3000が閉じた状態にされる(S356)。
バルブ3000が閉じた状態である場合、弁体3004が、排気ガスの流れる方向に対して垂直になるように位置決めされる。このとき、排気ガスの流れは、バルブ3000により遮られる。そのため、ガス案内管3100の内周面よりも径方向で内側の空間へ排気ガスが流入することが抑制され、それだけガス案内管3100の外周面と排気ポート130の内周面との間の空間に流れる排気ガスの流速が大きくなる。
これにより、バルブ3000を開いた状態に比べて、排気ポート130の内周面を介してシリンダヘッド104に熱を伝達する排気ガスの流量が増大され、排気ガスからシリンダヘッド104への熱伝達が促進される。そのため、エンジン100の温度上昇を促進し、速やかに冷却水の温度を上げることができる。その結果、ヒータ300の暖房性能を確保することができる。
このとき、排気ガスからシリンダヘッド104に伝達された熱量だけ、排気ガスが熱量を失い、排気ガスの温度が低下する。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量が抑制される。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇が抑制される。
一方、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合(S354にてNO)、エンジン100の吸入吸気量が少なく、そのため燃料噴射量も少ない状態、すなわち負荷が小さい状態であるといえる。この場合、高負荷時に比べて、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が低く、排気ガスの温度も低い。
また、車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合(S354にてNO)、車両内(エンジンルーム内)に十分な量の外気が導入される状態であるといえる。この場合、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が十分に行なわれる。そのため、低負荷時や高車速時は、エキゾーストマニホールド108の温度が上昇し難い状態にあるといえる。この場合、バルブ3000が開いた状態にされる(S358)。
バルブ3000が開いた状態である場合、弁体3004が、排気ガスの流れる方向に沿って延在するように位置決めされる。このとき、排気ガスの流れは、バルブ3000から影響を受けない。このため、排気ガスは、ガス案内管3100の内周面よりも径方向で内側の空間およびガス案内管3100の外周面と排気ポート130の内周面との間の空間の双方に流れる。そのため、バルブ3000を閉じた状態に比べて、ガス案内管3100の外周面と排気ポート130の内周面との間の空間、すなわち排気ポート130の内周面に沿って流れる排気ガスの流速が小さくなる。したがって、シリンダヘッド104に熱を伝達する排気ガスの流量が促進されず、シリンダヘッド104への熱伝達が促進されない。よって、冷却水の温度上昇を抑制して、エンジン100の温度上昇を抑制することができる。
このとき、排気ガスからシリンダヘッド104への熱伝達が促進されないため、排気ガスが失う熱量は、バルブ3000が閉じた状態に比べて抑制される。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量は抑制されない。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇の抑制が中止される。
ここで、低負荷時は、排気ガスの温度自体が高くなく、高車速時は、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が十分に行なわれる。そのため、低負荷時や高車速時にバルブ3000を開いた状態にした場合と高負荷時かつ低車速時にバルブ3000を閉じた状態にした場合とでは、エキゾーストマニホールド108の温度に大きな差はない。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールド108が熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る温度調整装置のECUは、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、排気ポート内に設けられたバルブを閉じた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達を抑制する。一方、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、ECUは、排気ポート内に設けられたバルブを開いた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達の抑制を中止する。これにより、エキゾーストマニホールドに伝達される熱量の変化を抑制することができる。そのため、エキゾーストマニホールドの温度変化を抑制することができる。その結果、シリンダヘッドが熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、エンジン100の負荷に関する値としてスロットル開度THに基づいて、バルブ3000を制御していたが、スロットル開度THの代わりにエンジン100の負荷率に基づいて、バルブ3000を制御してもよい。この場合、負荷率が予め定められた負荷率よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ3000を閉じた状態にし、負荷率が予め定められた負荷率よりも低い場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、バルブ3000を開いた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりに吸気圧に基づいて、バルブ3000を制御してもよい。この場合、吸気圧が予め定められた圧力よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ3000を閉じた状態にし、吸気圧が予め定められた圧力よりも低い場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、バルブ3000を開いた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりにシフトポジションに基づいて、バルブ3000を制御してもよい。この場合、シフトポジションが予め定められたシフトポジションであり、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ3000を閉じた状態にし、そうでない場合、バルブ3000を開いた状態にしてもよい。
さらに、冷却水の温度が予め定められた温度よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ3000を開いた状態にしてもよい。このように構成すれば、エンジン100のオーバーヒートを抑制することができる。
<第7の実施の形態>
図28〜図34を参照して、本発明の第7の実施の形態について説明する。前述の第1の実施の形態においては、排気ポート内に設けられたバルブは略半円状の弁体を有していたが、本実施の形態における弁体の形状はリング形状である。また、排気ポート内において、バルブの下流側には、筒形状を有するガス案内管が設けられている。その他の構造については、前述の第1の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図28に示すように、排気ポート130内には、バルブ4000が設けられる。バルブ4000の下流には、筒形状を有するガス案内管4100が設けられる。ガス案内管4100は、排気ガスが流れる方向に延在するように設けられる。
図29を参照して、バルブ4000についてさらに説明する。図29は、排気ポート130を他方端136から見た図である。バルブ4000は、弁軸4002と、弁軸4002に支持された弁体4004とから構成されている。弁軸4002は、軸受け部材4006を介してシリンダヘッド104に支持されている。弁軸4002は、回転軸4008を中心に回転自在に設けられている。
図29に示すように、弁体4004は、中央部に開口部4010を有するリング形状である。開口部4010は、その直径がガス案内管4100の内径と略一致するように設けられる。なお、開口部4010の直径がガス案内管4100の内径よりも小さくてもよい。
図30を参照して、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500が実行するプログラムの制御構造について説明する。
S400にて、ECU500は、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THを検出する。S402にて、ECU500は、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きいか否かを判別する。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合(S402にてYES)、処理はS404に移される。そうでない場合(S402にてNO)、処理はS406に移される。
S404にて、ECU500は、バルブ4000を開いた状態にする。その後、この処理は終了する。S406にて、ECU500は、バルブ4000を閉じた状態にする。その後、この処理は終了する。
以上のような構造、およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500の動作について説明する。
エンジン100の運転中において、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THが検出される(S400)。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合は(S402にてYES)、エンジン100の吸入吸気量が多く、そのため燃料噴射量も多い状態、すなわち負荷が大きい状態であるといえる。
この場合、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が高くなり、排気ガスの温度も高くなる。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に熱が伝達され易い状態にあるといえる。この場合、図31に示すように、バルブ4000が開いた状態にされる(S404)。
バルブ4000が開いた状態である場合、弁体4004が、排気ガスの流れる方向に沿って延在するように位置決めされる。このとき、排気ガスの流れは、バルブ4000から影響を受けない。そのため、排気ガスは、ガス案内管4100の内周面よりも径方向で内側の空間に加え、ガス案内管4100の外周面と排気ポート130の内周面との間の空間に流れる。そのため、排気ポート130の内周面に沿った排気ガスの流速が、後述するように、バルブ4000を閉じた状態に比べて大きくなる。
これにより、バルブ4000を閉じた状態に比べて、排気ポート130の内周面を介してシリンダヘッド104に熱を伝達する排気ガスの流量が増大され、排気ガスからシリンダヘッド104への熱伝達の抑制が中止される。そのため、エンジン100の温度上昇の抑制を中止し、速やかに冷却水の温度を上げることができる。その結果、ヒータ300の暖房性能を確保することができる。
このとき、排気ガスからシリンダヘッド104に伝達された熱量だけ、排気ガスが熱量を失い、排気ガスの温度が低下する。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量の促進が中止される。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇の促進が中止される。
一方、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合は(S402にてNO)、エンジン100の吸入吸気量が少なく、そのため燃料噴射量も少ない状態、すなわち負荷が小さい状態であるといえる。
この場合、高負荷時に比べて、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が低く、排気ガスの温度も低い。そのため、高負荷時に比べて、エキゾーストマニホールド108の温度が上昇し難い状態にあるといえる。この場合、図32に示すように、バルブ4000が閉じた状態にされる(S406)。
バルブ4000が閉じた状態である場合、弁体4004が、排気ガスの流れる方向に直交する方向に延在するように位置決めされる。これにより、排気ポート130の内周面に沿った排気ガスの流れが、弁体4004により抑制される。一方、燃焼室112から流出した排気ガスは、開口部4010を通り、ガス案内管4100の内周面よりも径方向で内側の空間を抜ける。
よって、排気ポート130の内周面に沿って流れる排気ガスの流速が小さくなる。したがって、排気ポート130に熱を伝達する排気ガスの流量が小さくなり、排気ガスからシリンダヘッド104へ伝達される熱量が抑制される。そのため、冷却水の温度上昇を抑制して、エンジン100の温度上昇を抑制することができる。
このとき、排気ガスからシリンダヘッド104への熱伝達が抑制されるため、排気ガスが失う熱量は、バルブ4000が閉じた状態に比べて抑制される。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量が増大される。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇が促進される。
ここで、低負荷時は、排気ガスの温度自体が高くないため、低負荷時にバルブ4000を閉じた状態にした場合にエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量と高負荷時にバルブ4000を開いた状態にした場合にエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量との差は大きくない。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールド108が熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る温度調整装置のECUは、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合、排気ポート内に設けられたリング形状のバルブを開いた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達の促進を中止する。一方、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合、ECUは、排気ポート内に設けられたバルブを閉じた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達を促進する。これにより、エキゾーストマニホールドに伝達される熱量の変化を抑制することができる。そのため、エキゾーストマニホールドの温度変化を抑制することができる。その結果、シリンダヘッドが熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、エンジン100の負荷に関する値としてスロットル開度THに基づいて、バルブ4000を制御していたが、スロットル開度THの代わりにエンジン100の負荷率に基づいて、バルブ4000を制御してもよい。この場合、負荷率が予め定められた負荷率よりも高い場合、バルブ4000を開いた状態にし、負荷率が予め定められた負荷率よりも低い場合、バルブ4000を閉じた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりに吸気圧に基づいて、バルブ4000を制御してもよい。この場合、吸気圧が予め定められた圧力よりも高い場合、バルブ4000を開いた状態にし、吸気圧が予め定められた圧力よりも低い場合、バルブ4000を閉じた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりにシフトポジションに基づいて、バルブ4000を制御してもよい。この場合、シフトポジションが予め定められたシフトポジションである場合、バルブ4000を開いた状態にし、そうでない場合、バルブ4000を閉じた状態にしてもよい。
さらに、図33に示すように、ガス案内管4100の外周面とポート130の内周面とをフィン4200により連結してもよい。この場合、図34に示すように、フィン4200は、排気ポート130の内周面に沿って予め定められた間隔を空けて複数設けられる。このように構成すれば、フィン4200により排気ガスからシリンダヘッド104への熱伝達率を向上することができる。
さらに、冷却水の温度が予め定められた温度よりも高い場合、バルブ4000を閉じた状態にしてもよい。このように構成すれば、エンジン100のオーバーヒートを抑制することができる。
<第8の実施の形態>
図35を参照して、本発明の第8の実施の形態について説明する。前述の第7の実施の形態においては、スロットル開度THに基づいて排気ポート内に設けられたバルブを制御していた。本実施の形態においては、スロットル開度THおよび車速Vに基づいて排気ポート内に設けられたバルブを制御する。その他の構造については、前述の第7の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図35を参照して、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500が実行するプログラムの制御構造について説明する。
S450にて、ECU500は、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THを検出する。S452にて、ECU500は、車速センサ522から送信された信号に基づいて、車速Vを検出する。
S454にて、ECU500は、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低いか否かを判別する。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合(S454にてYES)、処理はS456に移される。そうでない場合(S454にてNO)、処理はS458に移される。
S456にて、ECU500は、バルブ4000を開いた状態にする。その後、この処理は終了する。S458にて、ECU500は、バルブ4000を閉じた状態にする。その後、この処理は終了する。
以上のような構造、およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500の動作について説明する。
エンジン100の運転中において、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THが検出され(S450)、車速センサ522から送信された信号に基づいて、車速Vが検出される(S452)。
スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合は(S454にてYES)、エンジン100の吸入吸気量が多く、そのため燃料噴射量も多い状態、すなわち負荷が大きい状態であり、かつ車両内(エンジンルーム内)に十分な量の外気が導入されない状態であるといえる。
この場合、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が高くなり、排気ガスの温度も高くなる。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に熱が伝達され易い状態にあるといえる。また、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が不十分である状態であるといえる。この場合、バルブ4000が開いた状態にされる(S456)。
バルブ4000が開いた状態である場合、弁体4004が、排気ガスの流れる方向に沿って延在するように位置決めされる。このとき、排気ガスの流れは、バルブ4000から影響を受けない。そのため、排気ガスは、ガス案内管4100の内周面よりも径方向で内側の空間に加え、ガス案内管4100の外周面と排気ポート130の内周面との間の空間に流れる。そのため、排気ポート130の内周面に沿った排気ガスの流速が、バルブ4000を閉じた状態に比べて大きくなる。
これにより、バルブ4000を閉じた状態に比べて、排気ポート130の内周面を介してシリンダヘッド104に熱を伝達する排気ガスの流量が増大され、排気ガスからシリンダヘッド104への熱伝達の抑制が中止される。そのため、エンジン100の温度上昇の抑制を中止し、速やかに冷却水の温度を上げることができる。その結果、ヒータ300の暖房性能を確保することができる。
このとき、排気ガスからシリンダヘッド104に伝達された熱量だけ、排気ガスが熱量を失い、排気ガスの温度が低下する。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量の促進が中止される。その結果、エキゾーストマニホールドの温度上昇の促進が中止される。
一方、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合(S454にてNO)、エンジン100の吸入吸気量が少なく、そのため燃料噴射量も少ない状態、すなわち負荷が小さい状態であるといえる。この場合、高負荷時に比べて、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が低く、排気ガスの温度も低い。
また、車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合(S454にてNO)、車両内(エンジンルーム内)に十分な量の外気が導入される状態であるといえる。この場合、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が十分に行なわれる。そのため、低負荷時や高車速時は、エキゾーストマニホールド108の温度が上昇し難い状態にあるといえる。この場合、バルブ4000が閉じた状態にされる(S458)。
バルブ4000が閉じた状態である場合、弁体4004が、排気ガスの流れる方向に直交する方向に延在するように位置決めされる。これにより、排気ポート130の内周面に沿った排気ガスの流れが、弁体4004により抑制される。一方、燃焼室112から流出した排気ガスは、開口部4010を通り、ガス案内管4100の内周面よりも径方向で内側の空間を抜ける。
よって、排気ポート130の内周面に沿って流れる排気ガスの流速が小さくなる。したがって、排気ポート130に熱を伝達する排気ガスの流量が小さくなり、排気ガスからシリンダヘッド104へ伝達される熱量が抑制される。そのため、冷却水の温度上昇を抑制して、エンジン100の温度上昇を抑制することができる。
このとき、排気ガスからシリンダヘッド104への熱伝達が抑制されるため、排気ガスが失う熱量は、バルブ4000が閉じた状態に比べて抑制される。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量が促進される。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇が促進される。
ここで、低負荷時は、排気ガスの温度自体が高くなく、高車速時は、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が十分に行なわれる。そのため、低負荷時や高車速時にバルブ4000を閉じた状態にした場合と高負荷時かつ低車速時にバルブ4000を開いた状態にした場合とでは、エキゾーストマニホールド108の温度に大きな差はない。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールド108が熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る温度調整装置のECUは、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、排気ポート内に設けられたリング形状のバルブを開いた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達の促進を中止する。一方、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、ECUは、排気ポート内に設けられたバルブを閉じた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達を促進する。これにより、エキゾーストマニホールドに伝達される熱量の変化を抑制することができる。そのため、エキゾーストマニホールドの温度変化を抑制することができる。その結果、シリンダヘッドが熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、エンジン100の負荷に関する値としてスロットル開度THに基づいて、バルブ4000を制御していたが、スロットル開度THの代わりにエンジン100の負荷率に基づいて、バルブ4000を制御してもよい。この場合、負荷率が予め定められた負荷率よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ4000を開いた状態にし、負荷率が予め定められた負荷率よりも低い場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、バルブ4000を閉じた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりに吸気圧に基づいて、バルブ4000を制御してもよい。この場合、吸気圧が予め定められた圧力よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ4000を開いた状態にし、吸気圧が予め定められた圧力よりも低い場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、バルブ4000を閉じた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりにシフトポジションに基づいて、バルブ4000を制御してもよい。この場合、シフトポジションが予め定められたシフトポジションであり、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ4000を開いた状態にし、そうでない場合、バルブ4000を閉じた状態にしてもよい。
さらに、冷却水の温度が予め定められた温度よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ4000を閉じた状態にしてもよい。このように構成すれば、エンジン100のオーバーヒートを抑制することができる。
<第9の実施の形態>
図36〜図40を参照して、本発明の第9の実施の形態について説明する。前述の第1の実施の形態においては、排気ポート内に設けられたバルブは略半円状の弁体を有していたが、本実施の形態における弁体の形状は略円状である。また、バルブの下流側の排気ポートの上面には、断熱部材が設けられる。その他の構造については、前述の第1の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図36に示すように、排気ポート130内には、バルブ5000が設けられる。バルブ5000の下流には、排気ポート130の内周面の上部(排気ポート130の上面)には、断熱部材5100が設けられている。断熱部材5100の材料は、たとえばセラミックである。
図37を参照して、バルブ5000についてさらに説明する。図37は、排気ポート130を他方端136から見た図である。バルブ5000は、弁軸5002と、弁軸5002に支持された略円状の弁体5004とから構成されている。なお、弁体5004の形状は略円状に限られず、その他、円状の一部であってもよい。弁軸5002は、軸受け部材5006を介してシリンダヘッド104に支持されている。弁軸5002は、回転軸5008を中心に回転自在に設けられている。
排気ポート130の上面には、排気ポート130の内周面に沿って、内周面の一部に、断熱部材5100が設けられている。なお、排気ポート130の下面に断熱部材5100を設けてもよい。
図38を参照して、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500が実行するプログラムの制御構造について説明する。
S500にて、ECU500は、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THを検出する。S502にて、ECU500は、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きいか否かを判別する。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合(S502にてYES)、処理はS504に移される。そうでない場合(S502にてNO)、処理はS506に移される。
S504にて、ECU500は、バルブ5000を開いた状態にする。その後、この処理は終了する。S506にて、ECU500は、バルブ5000を断熱部材5100側に閉じた状態にする。その後、この処理は終了する。
以上のような構造、およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500の動作について説明する。
エンジン100の運転中において、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THが検出される(S500)。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合は(S502にてYES)、エンジン100の吸入吸気量が多く、そのため燃料噴射量も多い状態、すなわち負荷が大きい状態であるといえる。
この場合、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が高くなり、排気ガスの温度も高くなる。そのため、エンジン100の温度が上昇し易い状態にあるといえる。この場合、図39に示すように、バルブ5000が開いた状態にされる(S504)。
バルブ5000が開いた状態である場合、弁体5004が、排気ガスの流れる方向に沿って延在するように位置決めされる。このとき、排気ガスの流れは、バルブ5000から影響を受けない。これにより、断熱部材5100が設けられていない排気ポート130の下面に沿って流れる排気ガスの量が、後述するように、バルブ5000を断熱部材5100側に閉じた場合に比べて多くなり、排気ガスからシリンダヘッド104への熱伝達の抑制が中止される。そのため、エンジン100の温度上昇の抑制を中止し、速やかに冷却水の温度を上げることができる。その結果、ヒータ300の暖房性能を確保することができる。
このとき、排気ガスからシリンダヘッド104に伝達された熱量だけ、排気ガスが熱量を失い、排気ガスの温度が低下する。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量の促進が中止される。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇の促進が中止される。
一方、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合は(S502にてNO)、エンジン100の吸入吸気量が少なく、そのため燃料噴射量も少ない状態、すなわち負荷が小さい状態であるといえる。
この場合、高負荷時に比べて、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が低く、排気ガスの温度も低い。そのため、高負荷時に比べて、エンジン100の温度が上昇し難い状態にあるといえる。この場合、図40に示すように、バルブ5000が断熱部材5100側に閉じた状態にされる(S506)。
バルブ5000が閉じた状態である場合、排気ガスがバルブ5000により導かれ、排気ポート130を流れる排気ガスのうち断熱部材5100に沿って流れる排ガスの量が多くなる。そのため、断熱部材5100が設けられていない排気ポート130の下面に沿って流れる排気ガスの量が相対的に少なくなり、シリンダヘッド104に伝達される熱量が減少する。そのため、冷却水の温度上昇を抑制して、エンジン100の温度上昇を抑制することができる。
このとき、排気ガスからシリンダヘッド104への熱伝達が抑制されるため、排気ガスが失う熱量は、バルブ5000が開いた状態に比べて抑制される。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量が増大される。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇が促進される。
ここで、低負荷時は、排気ガスの温度自体が高くないため、低負荷時にバルブ5000を閉じた状態にした場合にエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量と高負荷時にバルブ5000を開いた状態にした場合にエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量との差は大きくない。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールド108が熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る温度調整装置のECUは、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合、排気ポート内に設けられた略円状のバルブを開いた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達の促進を中止する。一方、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合、ECUは、排気ポート内に設けられたバルブを断熱部材5100側に閉じた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達を促進する。これにより、エキゾーストマニホールドに伝達される熱量の変化を抑制することができる。そのため、エキゾーストマニホールドの温度変化を抑制することができる。その結果、シリンダヘッドが熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、エンジン100の負荷に関する値としてスロットル開度THに基づいて、バルブ5000を制御していたが、スロットル開度THの代わりにエンジン100の負荷率に基づいて、バルブ5000を制御してもよい。この場合、負荷率が予め定められた負荷率よりも高い場合、バルブ5000を開いた状態にし、負荷率が予め定められた負荷率よりも低い場合、バルブ5000を断熱部材5100側に閉じた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりに吸気圧に基づいて、バルブ5000を制御してもよい。この場合、吸気圧が予め定められた圧力よりも高い場合、バルブ5000を開いた状態にし、吸気圧が予め定められた圧力よりも低い場合、バルブ5000を断熱部材5100側に閉じた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりにシフトポジションに基づいて、バルブ5000を制御してもよい。この場合、シフトポジションが予め定められたシフトポジションである場合、バルブ5000を開いた状態にし、そうでない場合、バルブ5000を断熱部材5100側に閉じた状態にしてもよい。
さらに、冷却水の温度が予め定められた温度よりも高い場合、バルブ5000を断熱部材5100側に閉じた状態にしてもよい。このように構成すれば、エンジン100のオーバーヒートを抑制することができる。
<第10の実施の形態>
図41を参照して、本発明の第10の実施の形態について説明する。前述の第9の実施の形態においては、スロットル開度THに基づいて排気ポート内に設けられたバルブを制御していた。本実施の形態においては、スロットル開度THおよび車速Vに基づいて排気ポート内に設けられたバルブを制御する。その他の構造については、前述の第9の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図41を参照して、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500が実行するプログラムの制御構造について説明する。
S550にて、ECU500は、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THを検出する。S552にて、ECU500は、車速センサ522から送信された信号に基づいて、車速Vを検出する。
S554にて、ECU500は、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低いか否かを判別する。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合(S554にてYES)、処理はS556に移される。そうでない場合(S554にてNO)、処理はS558に移される。
S556にて、ECU500は、バルブ5000を開いた状態にする。その後、この処理は終了する。S558にて、ECU500は、バルブ5000を断熱部材5100側に閉じた状態にする。その後、この処理は終了する。
以上のような構造、およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500の動作について説明する。
エンジン100の運転中において、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THが検出され(S550)、車速センサ522から送信された信号に基づいて、車速Vが検出される(S552)。
スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合は(S554にてYES)、エンジン100の吸入吸気量が多く、そのため燃料噴射量も多い状態、すなわち負荷が大きい状態であり、かつ車両内(エンジンルーム内)に十分な量の外気が導入されない状態であるといえる。
この場合、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が高くなり、排気ガスの温度も高くなる。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に熱が伝達され易い状態にあるといえる。また、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が不十分である状態であるといえる。この場合、バルブ5000が開いた状態にされる(S556)。
バルブ5000が開いた状態である場合、弁体5004が、排気ガスの流れる方向に沿って延在するように位置決めされる。このとき、排気ガスの流れは、バルブ5000から影響を受けない。これにより、断熱部材5100が設けられていない排気ポート130の下面に沿って流れる排気ガスの量が、バルブ5000を閉じた場合に比べて多くなり、排気ガスからシリンダヘッド104への熱伝達の抑制が中止される。そのため、エンジン100の温度上昇の抑制を中止し、速やかに冷却水の温度を上げることができる。その結果、ヒータ300の暖房性能を確保することができる。
このとき、排気ガスからシリンダヘッド104に伝達された熱量だけ、排気ガスが熱量を失い、排気ガスの温度が低下する。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量が抑制される。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇の促進が中止される。
一方、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合(S554にてNO)、エンジン100の吸入吸気量が少なく、そのため燃料噴射量も少ない状態、すなわち負荷が小さい状態であるといえる。この場合、高負荷時に比べて、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が低く、排気ガスの温度も低い。
また、車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合(S554にてNO)、車両内(エンジンルーム内)に十分な量の外気が導入される状態であるといえる。この場合、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が十分に行なわれる。そのため、低負荷時や高車速時は、エキゾーストマニホールド108の温度が上昇し難い状態にあるといえる。この場合、バルブ5000が断熱部材5100側に閉じた状態にされる(S558)。
バルブ5000が閉じた状態である場合、排気ガスがバルブ5000により導かれ、排気ポート130を流れる排気ガスのうち断熱部材5100に沿って流れる排ガスの量が多くなる。そのため、断熱部材5100が設けられていない排気ポート130の下面に沿って流れる排気ガスの量が相対的に少なくなり、シリンダヘッド104に伝達される熱量が減少する。そのため、冷却水の温度上昇を抑制して、エンジン100の温度上昇を抑制することができる。
このとき、排気ガスからシリンダヘッド104への熱伝達が抑制されるため、排気ガスが失う熱量は、バルブ5000が開いた状態に比べて抑制される。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量が増大される。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇が促進される。
ここで、低負荷時は、排気ガスの温度自体が高くなく、高車速時は、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が十分に行なわれる。そのため、低負荷時や高車速時にバルブ5000を断熱部材5100側に閉じた状態にした場合と高負荷時かつ低車速時にバルブ5000を開いた状態にした場合とでは、エキゾーストマニホールド108の温度に大きな差はない。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールド108が熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る温度調整装置のECUは、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、排気ポート内に設けられた略円状のバルブを開いた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達の促進を中止する。一方、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、ECUは、排気ポート内に設けられた略円状のバルブを断熱部材側に閉じた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達を促進する。これにより、エキゾーストマニホールドの温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールドが熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、エンジン100の負荷に関する値としてスロットル開度THに基づいて、バルブ5000を制御していたが、スロットル開度THの代わりにエンジン100の負荷率に基づいて、バルブ5000を制御してもよい。この場合、負荷率が予め定められた負荷率よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ5000を開いた状態にし、負荷率が予め定められた負荷率よりも低い場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、バルブ5000を断熱部材5100側に閉じた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりに吸気圧に基づいて、バルブ5000を制御してもよい。この場合、吸気圧が予め定められた圧力よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ5000を開いた状態にし、吸気圧が予め定められた圧力よりも低い場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、バルブ5000を断熱部材5100側に閉じた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりにシフトポジションに基づいて、バルブ5000を制御してもよい。この場合、シフトポジションが予め定められたシフトポジションであり、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ5000を開いた状態にし、そうでない場合、バルブ5000を断熱部材5100側に閉じた状態にしてもよい。
さらに、冷却水の温度が予め定められた温度よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ5000を断熱部材5100側に閉じた状態にしてもよい。このように構成すれば、エンジン100のオーバーヒートを抑制することができる。
<第11の実施の形態>
図42〜図47を参照して、本発明の第11の実施の形態について説明する。本実施の形態は、前述の第9の実施の形態と比較して、断熱部材が排気ポートの下面に設けられている点と、排気ポートの上面にフィンが設けられている点で相違する。その他の構造については、前述の第9の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図42に示すように、排気ポート130の下面に、断熱部材5100が設けられている。断熱部材5100に対する反対側の内周面、すなわち排気ポート130の上面には、排気ガスの流れ方向に沿うように、フィン6000が設けられている。なお、断熱部材5100およびフィン6000の配置はこれに限られず、その他、排気ポート130の上面に断熱部材5100を設け、排気ポート130の下面にフィン6000を設けてもよい。
図43を参照して、フィン6000についてさらに説明する。図43は、排気ポート130を他方端136から見た図である。図43に示すように、フィン6000は、排気ポート130の上面の一部に、排気ポート130の内周面に沿って予め定められた間隔を空けて複数設けられている。排気ポート130の下面の一部には、排気ポート130の内周面に沿って断熱部材5100が設けられている。
図44を参照して、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500が実行するプログラムの制御構造について説明する。
S600にて、ECU500は、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THを検出する。S602にて、ECU500は、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きいか否かを判別する。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合(S602にてYES)、処理はS604に移される。そうでない場合(S602にてNO)、処理はS606に移される。
S604にて、ECU500は、バルブ5000を開いた状態またはフィン6000側に閉じた状態にする。その後、この処理は終了する。S606にて、ECU500は、バルブ5000を断熱部材5100側に閉じた状態にする。その後、この処理は終了する。
以上のような構造、およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500の動作について説明する。
エンジン100の運転中において、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THが検出される(S600)。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合は(S602にてYES)、エンジン100の吸入吸気量が多く、そのため燃料噴射量も多い状態、すなわち負荷が大きい状態であるといえる。
この場合、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が高くなり、排気ガスの温度も高くなる。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に熱が伝達され易い状態にあるといえる。この場合、図45に示すように、バルブ5000が開いた状態にされる(S604)と、弁体5004が、排気ガスの流れる方向に沿って延在するように位置決めされる。このとき、排気ガスの流れは、バルブ5000から影響を受けない。これにより、断熱部材5100が設けられていない排気ポート130の下面に沿って流れる排気ガスの量が、バルブ5000を断熱部材5100側に閉じた場合に比べて多くなり、排気ガスからシリンダヘッド104への熱伝達の抑制が中止される。また、図46に示すように、バルブ5000がフィン6000側に閉じた状態にされる(S604)と、排気ガスがバルブ5000により導かれ、フィン6000に沿って流れる排気ガスの流速が大きくなる。これにより、フィン6000に沿って流れる排気ガスの流量が、バルブ5000を断熱部材側に閉じた場合に比べて多くなる。そのため、フィン6000を介してシリンダヘッド104に伝達される熱量を促進することができる。そのため、エンジン100の温度上昇を促進し、速やかに冷却水の温度を上げることができる。その結果、ヒータ300の暖房性能を確保することができる。
このとき、排気ガスからシリンダヘッド104に伝達された熱量だけ、排気ガスが熱量を失い、排気ガスの温度が低下する。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量が抑制される。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇が抑制される。
一方、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合は(S602にてNO)、エンジン100の吸入吸気量が少なく、そのため燃料噴射量も少ない状態、すなわち負荷が小さい状態であるといえる。
この場合、高負荷時に比べて、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が低く、排気ガスの温度も低い。そのため、高負荷時に比べて、エンジン100の温度が上昇し難い状態にあるといえる。この場合、図47に示すように、バルブ5000が断熱部材5100側に閉じた状態にされる(S606)。
バルブ5000が閉じた状態である場合、排気ガスがバルブ5000により導かれ、排気ポート130を流れる排気ガスのうち断熱部材5100に沿って流れる排ガスの量が多くなる。そのため、断熱部材5100が設けられていない排気ポート130の上面に沿って流れる排気ガスの量が相対的に少なくなり、シリンダヘッド104に伝達される熱量が減少する。そのため、冷却水の温度上昇を抑制して、エンジン100の温度上昇を抑制することができる。
このとき、排気ガスからシリンダヘッド104への熱伝達が抑制されるため、排気ガスが失う熱量は、バルブ5000が開いた状態やフィン6000側に閉じた状態に比べて抑制される。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量が促進される。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇が促進される。
ここで、低負荷時は、排気ガスの温度自体が高くないため、低負荷時にバルブ5000を断熱部材5100側に閉じた状態にした場合にエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量と高負荷時にバルブ5000を開いた状態またはフィン6000側に閉じた状態にした場合にエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量との差は大きくない。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールド108が熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る温度調整装置のECUは、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合、排気ポート内に設けられた略円状のバルブを開いた状態またはフィン側に閉じた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達を抑制する。一方、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合、ECUは、排気ポート内に設けられた略円状のバルブを断熱部材側に閉じた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達を促進する。これにより、エキゾーストマニホールドに伝達される熱量の変化を抑制することができる。そのため、エキゾーストマニホールドの温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールドが熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、エンジン100の負荷に関する値としてスロットル開度THに基づいて、バルブ5000を制御していたが、スロットル開度THの代わりにエンジン100の負荷率に基づいて、バルブ5000を制御してもよい。この場合、負荷率が予め定められた負荷率よりも高い場合、バルブ5000を開いた状態またはフィン6000側に閉じた状態にし、負荷率が予め定められた負荷率よりも低い場合、バルブ5000を断熱部材5100側に閉じた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりに吸気圧に基づいて、バルブ5000を制御してもよい。この場合、吸気圧が予め定められた圧力よりも高い場合、バルブ5000を開いた状態またはフィン6000側に閉じた状態にし、吸気圧が予め定められた圧力よりも低い場合、バルブ5000を断熱部材5100側に閉じた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりにシフトポジションに基づいて、バルブ5000を制御してもよい。この場合、シフトポジションが予め定められたシフトポジションである場合、バルブ5000を開いた状態またはフィン6000側に閉じた状態にし、そうでない場合、バルブ5000を断熱部材5100側に閉じた状態にしてもよい。
さらに、冷却水の温度が予め定められた温度よりも高い場合、バルブ5000を断熱部材5100側に閉じた状態にしてもよい。このように構成すれば、エンジン100のオーバーヒートを抑制することができる。
<第12の実施の形態>
図48を参照して、本発明の第12の実施の形態について説明する。前述の第11の実施の形態においては、スロットル開度THに基づいて排気ポート内に設けられたバルブを制御していた。本実施の形態においては、スロットル開度THおよび車速Vに基づいて排気ポート内に設けられたバルブを制御する。その他の構造については、前述の第11の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図48を参照して、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500が実行するプログラムの制御構造について説明する。
S650にて、ECU500は、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THを検出する。S652にて、ECU500は、車速センサ522から送信された信号に基づいて、車速Vを検出する。
S654にて、ECU500は、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低いか否かを判別する。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合(S654にてYES)、処理はS656に移される。そうでない場合(S654にてNO)、処理はS658に移される。
S656にて、ECU500は、バルブ5000を、開いた状態またはフィン6000側に閉じた状態にする。その後、この処理は終了する。S658にて、ECU500は、バルブ5000を断熱部材5100側に閉じた状態にする。その後、この処理は終了する。
以上のような構造、およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500の動作について説明する。
エンジン100の運転中において、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THが検出され(S650)、車速センサ522から送信された信号に基づいて、車速Vが検出される(S652)。
スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合は(S654にてYES)、エンジン100の吸入吸気量が多く、そのため燃料噴射量も多い状態、すなわち負荷が大きい状態であり、かつ車両内(エンジンルーム内)に十分な量の外気が導入されない状態であるといえる。
この場合、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が高くなり、排気ガスの温度も高くなる。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に熱が伝達され易い状態にあるといえる。また、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が不十分である状態であるといえる。この場合、バルブ5000が開いた状態にされる(S656)と、弁体5004が、排気ガスの流れる方向に沿って延在するように位置決めされる。このとき、排気ガスの流れは、バルブ5000から影響を受けない。これにより、断熱部材5100が設けられていない排気ポート130の下面に沿って流れる排気ガスの量が、バルブ5000を断熱部材5100側に閉じた場合に比べて多くなり、排気ガスからシリンダヘッド104への熱伝達の抑制が中止される。また、バルブ5000がフィン6000側に閉じた状態にされる(S656)と、排気ガスがバルブ5000により導かれ、フィン6000に沿って流れる排気ガスの流速が大きくなる。これにより、フィン6000に沿って流れる排気ガスの流量が、バルブ5000を断熱部材側に閉じた場合に比べて多くなる。そのため、フィン6000を介してシリンダヘッド104に伝達される熱量を促進することができる。そのため、エンジン100の温度上昇を促進し、速やかに冷却水の温度を上げることができる。その結果、ヒータ300の暖房性能を確保することができる。
このとき、排気ガスからシリンダヘッド104に伝達された熱量だけ、排気ガスが熱量を失い、排気ガスの温度が低下する。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量が抑制される。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇が抑制される。
一方、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合(S654にてNO)、エンジン100の吸入吸気量が少なく、そのため燃料噴射量も少ない状態、すなわち負荷が小さい状態であるといえる。この場合、高負荷時に比べて、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が低く、排気ガスの温度も低い。
また、車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合(S654にてNO)、車両内(エンジンルーム内)に十分な量の外気が導入される状態であるといえる。この場合、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が十分に行なわれる。そのため、低負荷時や高車速時は、エキゾーストマニホールド108の温度が上昇し難い状態にあるといえる。この場合、バルブ5000が断熱部材5100側に閉じた状態にされる(S658)。
バルブ5000が閉じた状態である場合、排気ガスがバルブ5000により導かれ、排気ポート130を流れる排気ガスのうち断熱部材5100に沿って流れる排ガスの量が多くなる。そのため、断熱部材5100が設けられていない排気ポート130の上面に沿って流れる排気ガスの量が相対的に少なくなり、シリンダヘッド104に伝達される熱量が減少する。そのため、冷却水の温度上昇を抑制して、エンジン100の温度上昇を抑制することができる。
このとき、排気ガスからシリンダヘッド104への熱伝達が抑制されるため、排気ガスが失う熱量は、バルブ5000が開いた状態やフィン6000側に閉じた状態に比べて抑制される。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量が促進される。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇が促進される。
ここで、低負荷時は、排気ガスの温度自体が高くなく、高車速時は、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が十分に行なわれる。そのため、低負荷時や高車速時にバルブ5000を断熱部材5100側に閉じた状態にした場合と高負荷時かつ低車速時にバルブ5000を開いた状態にした場合やフィン6000側に閉じた状態にした場合とでは、エキゾーストマニホールド108の温度に大きな差はない。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールド108が熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る温度調整装置のECUは、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、排気ポート内に設けられた略円状のバルブを開いた状態またはフィン側に閉じた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達を抑制する。一方、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、ECUは、排気ポート内に設けられたバルブを断熱部材側に閉じた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達を促進する。これにより、エキゾーストマニホールドに伝達される熱量の変化を抑制することができる。そのため、エキゾーストマニホールドの温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールドが熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、エンジン100の負荷に関する値としてスロットル開度THに基づいて、バルブ5000を制御していたが、スロットル開度THの代わりにエンジン100の負荷率に基づいて、バルブ5000を制御してもよい。この場合、負荷率が予め定められた負荷率よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ5000を開いた状態またはフィン6000側に閉じた状態にし、負荷率が予め定められた負荷率よりも低い場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、バルブ5000を断熱部材5100側に閉じた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりに吸気圧に基づいて、バルブ5000を制御してもよい。この場合、吸気圧が予め定められた圧力よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ5000を開いた状態またはフィン6000側に閉じた状態にし、吸気圧が予め定められた圧力よりも低い場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、バルブ5000を断熱部材5100側に閉じた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりにシフトポジションに基づいて、バルブ5000を制御してもよい。この場合、シフトポジションが予め定められたシフトポジションであり、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ5000を開いた状態またはフィン6000側に閉じた状態にし、そうでない場合、バルブ5000を断熱部材5100側に閉じた状態にしてもよい。
さらに、冷却水の温度が予め定められた温度よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ5000を断熱部材5100側の閉じた状態にしてもよい。このように構成すれば、エンジン100のオーバーヒートを抑制することができる。
<第13の実施の形態>
図49〜図53を参照して、本発明の第13の実施の形態について説明する。前述の第1〜第12の実施の形態においては、排気ポート内に設けられたバルブを開閉することにより、エキゾーストマニホールドの温度を調整していた。本実施の形態においては、排気ポート内には、排気ガスの流速分布を変化させるバルブが設けられておらず、シリンダヘッドのオイル通路に設けられたバルブを開閉することにより、排気ガスからエキゾーストマニホールドに伝達される熱量を調整する。その他の構造については、前述の第1の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図49に、排気ポート130に対して垂直に切ったシリンダヘッド104の断面図を示す。図49に示すように、シリンダヘッド104には、1つのシリンダに対して1対の排気ポート130が設けられる。なお、排気ポートの数はこれに限らない。
シリンダヘッド104には、オイルポンプ7000からオイルが供給される。このオイルが流入するオイル通路7002が、隣り合う1対の排気ポート130の間を通るように設けられる。オイルは、シリンダヘッド104の下方から上方に向かって流れ、シリンダヘッド104の上部からオイルパン(図示せず)に戻される。オイル通路7002の出口部には、周辺オイルやオイル通路7002から流出したオイルがオイル通路7002に逆流することを抑制するため、オイル通路7002の流出口を取囲むように堰7004が設けられる。
オイル通路7002には、オイル通路7002へのオイルの流入を制御するバルブ7006が設けられる。バルブ7006は、ECU500からの出力信号に基づいて作動する。バルブ7006は、ソレノイドに通電することにより作動するスプールバルブである。なお、バルブ7006は、スプールバルブ以外のバルブであってもよい。
オイル通路7002には、バルブ7006よりも下流側で、流出通路7008が接続されている。オイル通路7002内に残存したオイルは、流出通路7008からオイル通路7002外に流出し、オイルパンに戻される。流出通路7008から流出するオイルの量は、オイル通路7002に流入するオイルの量よりも少ない。
なお、隣り合う一対の排気ポートの間を通るようにオイル通路7002を形成する他、図50に示すように、排気ポート130を横切るように、オイル通路7010を形成してもよい。
図51を参照して、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500が実行するプログラムの制御構造について説明する。
S700にて、ECU500は、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THを検出する。S702にて、ECU500は、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きいか否かを判別する。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合(S702にてYES)、処理はS704に移される。そうでない場合(S702にてNO)、処理はS706に移される。
S704にて、ECU500は、バルブ7006を開いた状態にする。その後、この処理は終了する。S706にて、ECU500は、バルブ7006を閉じた状態にする。その後、この処理は終了する。
以上のような構造、およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500の動作について説明する。
エンジン100の運転中において、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THが検出される(S700)。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合は(S702にてYES)、エンジン100の吸入吸気量が多く、そのため燃料噴射量も多い状態、すなわち負荷が大きい状態であるといえる。
この場合、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が高くなり、排気ガスの温度も高くなる。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度が上昇し易い状態にあるといえる。この場合、バルブ7006が開いた状態にされる(S704)。
バルブ7006が開いた状態である場合、オイル通路7002内にオイルポンプ7000から圧送されたオイルが流入する。このとき、流出通路7008から流出するオイルの量は、オイル通路7002に流入するオイルの量よりも少ない。そのため、オイルは、オイル通路7002を通って、シリンダヘッド104の下方から上方に流れ、シリンダヘッド104の上部に流出する。
これにより、排気ガスから受熱し得るオイルの量を増大させ、排気ガスからオイルに伝
達される熱量を増大させることができる。オイルに伝達された熱は、オイルがエンジン100内を循環することにより、エンジン100に伝達され、最終的にエンジン100を冷却する冷却水に伝達される。そのため、エンジン100の温度上昇を促進し、速やかに冷却水の温度を上げることができる。その結果、ヒータ300の暖房性能を確保することができる。
このとき、排気ガスからオイルに伝達された熱量だけ、排気ガスが熱量を失い、排気ガスの温度が低下する。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量が抑制される。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇が抑制される。
一方、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合は(S702にてNO)、エンジン100の吸入吸気量が少なく、そのため燃料噴射量も少ない状態、すなわち負荷が小さい状態であるといえる。
この場合、高負荷時に比べて、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が低く、排気ガスの温度も低い。そのため、高負荷時に比べて、エキゾーストマニホールド108の温度が上昇し難い状態にあるといえる。この場合、バルブ7006が閉じた状態にされる(S706)。
バルブ7006が閉じた状態にされると、オイル通路7002にはオイルが供給されず、また、オイル通路7002に残存していたオイルは流出通路7008から流出する。これにより、排気ガスからオイルを介してエンジン100に伝達される熱量を抑制することができる。また、オイル通路7002内にオイルの代わりに空気が満たされることにより、熱伝達率が抑制され、排気ガスからシリンダヘッド104に伝達される熱量を抑制することができる。そのため、冷却水の温度上昇を抑制して、エンジン100の温度上昇を抑制することができる。
このとき、排気ガスからオイルへの熱伝達が抑制されるため、排気ガスが失う熱量は、バルブ7006が開いた状態に比べて抑制される。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量が促進される。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇が促進される。
ここで、低負荷時は、排気ガスの温度自体が高くないため、低負荷時にバルブ7006を閉じた状態にした場合にエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量と高負荷時にバルブ7006を開いた状態にした場合にエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量との差は大きくない。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールド108が熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る温度調整装置のECUは、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合、オイル通路に設けられたバルブを開いた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達を抑制する。一方、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合、ECUは、オイル通路に設けられたバルブを閉じた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達を促進する。これにより、エキゾーストマニホールドに伝達される熱量の変化を抑制することができる。そのため、エキゾーストマニホールドの温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールドが熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、エンジン100の負荷に関する値としてスロットル開度THに基づいて、バルブ7006を制御していたが、スロットル開度THの代わりにエンジン100の負荷率に基づいて、バルブ7006を制御してもよい。この場合、負荷率が予め定められた負荷率よりも高い場合、バルブ7006を開いた状態にし、負荷率が予め定められた負荷率よりも低い場合、バルブ7006を閉じた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりに吸気圧に基づいて、バルブ7006を制御してもよい。この場合、吸気圧が予め定められた圧力よりも高い場合、バルブ7006を開いた状態にし、吸気圧が予め定められた圧力よりも低い場合、バルブ7006を閉じた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりにシフトポジションに基づいて、バルブ7006を制御してもよい。この場合、シフトポジションが予め定められたシフトポジションである場合、バルブ7006を開いた状態にし、そうでない場合、バルブ7006を閉じた状態にしてもよい。
さらに、図52に示すように、バルブ7006の代わりに、3方弁7012を用いてよい。図52に示すように、オイル通路7002にオイルが流入される場合、3方弁7012により、流出通路7008がオイル通路7002から遮断される。一方、図53に示すように、3方弁7012によりオイル通路7002と流出通路7008とが連通する場合、オイル通路7002にはオイルが流入しない。
さらに、冷却水の温度が予め定められた温度よりも高い場合、バルブ7006を閉じた状態にしてもよい。このように構成すれば、エンジン100のオーバーヒートを抑制することができる。
<第14の実施の形態>
図54を参照して、本発明の第14の実施の形態について説明する。前述の第13の実施の形態においては、スロットル開度THに基づいて排気ポート内に設けられたバルブを制御していた。本実施の形態においては、スロットル開度THおよび車速Vに基づいて排気ポート内に設けられたバルブを制御する。その他の構造については、前述の第13の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図54を参照して、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500が実行するプログラムの制御構造について説明する。
S750にて、ECU500は、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THを検出する。S752にて、ECU500は、車速センサ522から送信された信号に基づいて、車速Vを検出する。
S754にて、ECU500は、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低いか否かを判別する。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合(S754にてYES)、処理はS756に移される。そうでない場合(S754にてNO)、処理はS758に移される。
S756にて、ECU500は、バルブ7006を開いた状態にする。その後、この処理は終了する。S758にて、ECU500は、バルブ7006を閉じた状態にする。その後、この処理は終了する。
以上のような構造、およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500の動作について説明する。
エンジン100の運転中において、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THが検出され(S750)、車速センサ522から送信された信号に基づいて、車速Vが検出される(S752)。
スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合は(S754にてYES)、エンジン100の吸入吸気量が多く、そのため燃料噴射量も多い状態、すなわち負荷が大きい状態であり、かつ車両内(エンジンルーム内)に十分な量の外気が導入されない状態であるといえる。
この場合、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が高くなり、排気ガスの温度も高くなる。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に熱が伝達され易い状態にあるといえる。また、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が不十分である状態であるといえる。この場合、バルブ7006が開いた状態にされる(S756)。
バルブ7006が開いた状態である場合、オイル通路7002内にオイルポンプ7000から圧送されたオイルが流入する。このとき、流出通路7008から流出するオイルの量は、オイル通路7002に流入するオイルの量よりも少ない。そのため、オイルは、オイル通路7002を通って、シリンダヘッド104の下方から上方に流れ、シリンダヘッド104の上部に流出する。
これにより、排気ガスから受熱し得るオイルの量を増大させ、排気ガスからオイルに伝
達される熱量を増大させることができる。オイルに伝達された熱は、オイルがエンジン100内を循環することにより、エンジン100に伝達され、最終的にエンジン100を冷却する冷却水に伝達される。そのため、エンジン100の温度上昇を促進し、速やかに冷却水の温度を上げることができる。その結果、ヒータ300の暖房性能を確保することができる。
このとき、排気ガスからオイルに伝達された熱量だけ、排気ガスが熱量を失い、排気ガスの温度が低下する。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量が抑制される。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇が抑制される。
一方、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合(S754にてNO)、エンジン100の吸入吸気量が少なく、そのため燃料噴射量も少ない状態、すなわち負荷が小さい状態であるといえる。この場合、高負荷時に比べて、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が低く、排気ガスの温度も低い。
また、車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合(S754にてNO)、車両内(エンジンルーム内)に十分な量の外気が導入される状態であるといえる。この場合、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が十分に行なわれる。そのため、低負荷時や高車速時は、エキゾーストマニホールド108の温度が上昇し難い状態にあるといえる。この場合、バルブ7006が閉じた状態にされる(S758)。
バルブ7006が閉じた状態にされると、オイル通路7002にはオイルが供給されず、また、オイル通路7002に残存していたオイルは流出通路7008から流出する。これにより、排気ガスからオイルを介してエンジン100に伝達される熱量を抑制することができる。また、オイル通路7002内にオイルの代わりに空気が満たされることにより、熱伝達率が抑制され、排気ガスからシリンダヘッド104に伝達される熱量を抑制することができる。そのため、冷却水の温度上昇を抑制して、エンジン100の温度上昇を抑制することができる。
このとき、排気ガスからオイルへの熱伝達が抑制されるため、排気ガスが失う熱量は、バルブ7006が開いた状態に比べて抑制される。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量が促進される。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇が促進される。
ここで、低負荷時は、排気ガスの温度自体が高くなく、高車速時は、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が十分に行なわれる。そのため、低負荷時や高車速時にバルブ7006を閉じた状態にした場合と高負荷時かつ低車速時にバルブ7006を開いた状態にした場合とでは、エキゾーストマニホールド108の温度に大きな差はない。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールド108が熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る温度調整装置のECUは、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、オイル通路に設けられたバルブを開いた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達を抑制する。一方、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、ECUは、オイル通路に設けられたバルブを閉じた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達を促進する。これにより、エキゾーストマニホールドの温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールドが熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、エンジン100の負荷に関する値としてスロットル開度THに基づいて、バルブ7006を制御していたが、スロットル開度THの代わりにエンジン100の負荷率に基づいて、バルブ7006を制御してもよい。この場合、負荷率が予め定められた負荷率よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ7006を開いた状態にし、負荷率が予め定められた負荷率よりも低い場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、バルブ7006を閉じた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりに吸気圧に基づいて、バルブ7006を制御してもよい。この場合、吸気圧が予め定められた圧力よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ7006を開いた状態にし、吸気圧が予め定められた圧力よりも低い場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、バルブ7006を閉じた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりにシフトポジションに基づいて、バルブ7006を制御してもよい。この場合、シフトポジションが予め定められたシフトポジションであり、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ7006を開いた状態にし、そうでない場合、バルブ7006を閉じた状態にしてもよい。
さらに、冷却水の温度が予め定められた温度よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ7006を閉じた状態にしてもよい。このように構成すれば、エンジン100のオーバーヒートを抑制することができる。
<第15の実施の形態>
図55および図56を参照して、本発明の第15の実施の形態について説明する。前述の第1〜第12の実施の形態においては、排気ポート内に設けられたバルブを開閉することにより、エキゾーストマニホールドの温度を調整していた。本実施の形態においては、排気ポート内には、排気ガスの流速分布を変化させるバルブが設けられておらず、シリンダブロックから冷却水が流出するように設けられた流路上に設けられたバルブを開閉することにより、エキゾーストマニホールドの温度を調整する。その他の構造については、前述の第1の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図55に示すように、冷却水通路400には、バルブ8000が設けられる。また、冷却水通路400は、シリンダブロック102およびシリンダヘッド104を流通した冷却水が流出する第1の流路8002と、シリンダブロック102を流通した冷却水が流出する第2の流路8004とを含む。
バルブ8000は、冷却水通路400の第2の流路8004に対して設けられる。バルブ8000はECU500から送信される制御信号に基づいて制御される。なお、バルブ8000は、どのような形式のバルブであってもよい。
バルブ8000が開いた状態に制御された場合、シリンダブロック102を流通した冷却水が、第2の流路8004に流出する。バルブ8000が閉じた状態に制御された場合、冷却水は、第2の流路8004に流出しない。
図56を参照して、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500が実行するプログラムの制御構造について説明する。
S800にて、ECU500は、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THを検出する。S802にて、ECU500は、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きいか否かを判別する。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合(S802にてYES)、処理はS804に移される。そうでない場合(S802にてNO)、処理はS806に移される。
S804にて、ECU500は、バルブ8000を開いた状態にする。その後、この処理は終了する。S806にて、ECU500は、バルブ8000を閉じた状態にする。その後、この処理は終了する。
以上のような構造、およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500の動作について説明する。
エンジン100の運転中において、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THが検出される(S800)。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合は(S802にてYES)、エンジン100の吸入吸気量が多く、そのため燃料噴射量も多い状態、すなわち負荷が大きい状態であるといえる。
この場合、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が高くなり、排気ガスの温度も高くなる。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度が上昇し易い状態にあるといえる。この場合、バルブ8000が開いた状態にされる(S804)。
バルブ8000が開いた状態である場合、シリンダブロック102を流通した冷却水が、第2の流路8004に流出する。この場合、冷却水は、シリンダヘッド104を流通せずに、シリンダブロック102を流通して第2の流路8004に流出する。そのため、シリンダヘッド104を流れない分だけ流路抵抗が減少し、流路抵抗による圧損が抑制される。その結果、冷却水の流量が増大し、シリンダブロック102から冷却水に伝達される熱量を大きくすることができる。そのため、速やかに冷却水の温度を上げて、エンジン100の温度上昇を促進することができる。その結果、ヒータ300の暖房性能を確保することができる。
このとき、排気ガスからシリンダブロック102を介して冷却水に伝達された熱量だけ、排気ガスが熱量を失い、排気ガスの温度が低下する。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量が抑制される。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇が抑制される。
一方、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合は(S802にてNO)、エンジン100の吸入吸気量が少なく、そのため燃料噴射量も少ない状態、すなわち負荷が小さい状態であるといえる。
この場合、高負荷時に比べて、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が低く、排気ガスの温度も低い。そのため、高負荷時に比べて、エキゾーストマニホールド108の温度が上昇し難い状態にあるといえる。この場合、バルブ8000が閉じた状態にされる(S806)。
バルブ8000が閉じた状態にされると、エンジン100に供給される冷却水は、シリンダブロック102およびシリンダヘッド104を流通して、第1の流路8002に流出する。そのため、流路抵抗による圧損が抑制されず、シリンダブロック102を流通する冷却水の流量の増大が中止されて、シリンダブロック102から冷却水に伝達される熱量の増大が中止される。すなわち、排気ガスからシリンダブロック102を介して冷却水に伝達される熱量の増大が中止される。したがって、排気ガスが失う熱量は、バルブ8000が開いた状態に比べて抑制される。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量は抑制されない。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇の抑制が中止される。
ここで、低負荷時は、排気ガスの温度自体が高くないため、低負荷時にバルブ8000を閉じた状態にした場合のエキゾーストマニホールド108の温度と高負荷時にバルブ8000を開いた状態にした場合のエキゾーストマニホールド108の温度との差は大きくない。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールド108が熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る温度調整装置のECUは、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合、第2の流路に対して設けられたバルブを開いた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達を抑制する。一方、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合、ECUは、オイル通路に設けられたバルブを閉じた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達の抑制を中止する。これにより、エキゾーストマニホールドに伝達される熱量の変化を抑制することができる。そのため、エキゾーストマニホールドの温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールドが熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、エンジン100の負荷に関する値としてスロットル開度THに基づいて、バルブ8000を制御していたが、スロットル開度THの代わりにエンジン100の負荷率に基づいて、バルブ8000を制御してもよい。この場合、負荷率が予め定められた負荷率よりも高い場合、バルブ8000を開いた状態にし、負荷率が予め定められた負荷率よりも低い場合、バルブ8000を閉じた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりに吸気圧に基づいて、バルブ8000を制御してもよい。この場合、吸気圧が予め定められた圧力よりも高い場合、バルブ8000を開いた状態にし、吸気圧が予め定められた圧力よりも低い場合、バルブ8000を閉じた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりにシフトポジションに基づいて、バルブ8000を制御してもよい。この場合、シフトポジションが予め定められたシフトポジションである場合、バルブ8000を開いた状態にし、そうでない場合、バルブ8000を閉じた状態にしてもよい。
さらに、冷却水の温度が予め定められた温度よりも高い場合、バルブ8000を閉じた状態にしてもよい。このように構成すれば、エンジン100のオーバーヒートを抑制することができる。
<第16の実施の形態>
図57を参照して、本発明の第16の実施の形態について説明する。前述の第15の実施の形態においては、スロットル開度THに基づいて第2の流路に対して設けられたバルブを制御していた。本実施の形態においては、スロットル開度THおよび車速Vに基づいて第2の流路に対して設けられたバルブを制御する。その他の構造については、前述の第15の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図57を参照して、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500が実行するプログラムの制御構造について説明する。
S850にて、ECU500は、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THを検出する。S852にて、ECU500は、車速センサ522から送信された信号に基づいて、車速Vを検出する。
S854にて、ECU500は、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低いか否かを判別する。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合(S854にてYES)、処理はS856に移される。そうでない場合(S854にてNO)、処理はS858に移される。
S856にて、ECU500は、バルブ8000を開いた状態にする。その後、この処理は終了する。S858にて、ECU500は、バルブ8000を閉じた状態にする。その後、この処理は終了する。
以上のような構造、およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500の動作について説明する。
エンジン100の運転中において、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THが検出され(S850)、車速センサ522から送信された信号に基づいて、車速Vが検出される(S852)。
スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合は(S854にてYES)、エンジン100の吸入吸気量が多く、そのため燃料噴射量も多い状態、すなわち負荷が大きい状態であり、かつ車両内(エンジンルーム内)に十分な量の外気が導入されない状態であるといえる。
この場合、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が高くなり、排気ガスの温度も高くなる。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に熱が伝達され易い状態にあるといえる。また、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が不十分である状態であるといえる。この場合、バルブ8000が開いた状態にされる(S856)。
バルブ8000が開いた状態である場合、シリンダブロック102を流通した冷却水が、第2の流路8004に流出する。この場合、冷却水は、シリンダヘッド104を流通せずに、シリンダブロック102を流通して第2の流路8004に流出する。そのため、シリンダヘッド104を流れない分だけ流路抵抗が減少し、流路抵抗による圧損が抑制される。その結果、冷却水の流量が増大し、シリンダブロック102から冷却水に伝達される熱量を大きくすることができる。そのため、速やかに冷却水の温度を上げて、エンジン100の温度上昇を促進することができる。その結果、ヒータ300の暖房性能を確保することができる。
このとき、排気ガスからシリンダブロック102を介して冷却水に伝達された熱量だけ、排気ガスが熱量を失い、排気ガスの温度が低下する。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量が抑制される。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇が抑制される。
一方、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合(S854にてNO)、エンジン100の吸入吸気量が少なく、そのため燃料噴射量も少ない状態、すなわち負荷が小さい状態であるといえる。この場合、高負荷時に比べて、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が低く、排気ガスの温度も低い。
また、車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合(S854にてNO)、車両内(エンジンルーム内)に十分な量の外気が導入される状態であるといえる。この場合、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が十分に行なわれる。そのため、低負荷時や高車速時は、エキゾーストマニホールド108の温度が上昇し難い状態にあるといえる。この場合、バルブ8000が閉じた状態にされる(S858)。
バルブ8000が閉じた状態にされると、エンジン100に供給される冷却水は、シリンダブロック102およびシリンダヘッド104を流通して、第1の流路8002に流出する。そのため、流路抵抗による圧損が抑制されず、シリンダブロック102を流通する冷却水の流量の増大が中止されて、シリンダブロック102から冷却水に伝達される熱量の増大が中止される。すなわち、排気ガスからシリンダブロック102を介して冷却水に伝達される熱量の増大が中止される。したがって、排気ガスが失う熱量は、バルブ8000が開いた状態に比べて抑制される。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量は抑制されない。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇の抑制が中止される。
ここで、低負荷時は、排気ガスの温度自体が高くなく、高車速時は、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が十分に行なわれる。そのため、低負荷時や高車速時にバルブ8000を閉じた状態にした場合と高負荷時かつ低車速時にバルブ8000を開いた状態にした場合とでは、エキゾーストマニホールド108の温度に大きな差はない。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールド108が熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る温度調整装置のECUは、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、第2の流路に対して設けられたバルブを開いた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達を抑制する。一方、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、ECUは、第2の流路に対して設けられたバルブを閉じた状態にして、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達の抑制を中止する。これにより、エキゾーストマニホールドに伝達される熱量の変化を抑制することができる。そのため、エキゾーストマニホールドの温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールドが熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、エンジン100の負荷に関する値としてスロットル開度THに基づいて、バルブ8000を制御していたが、スロットル開度THの代わりにエンジン100の負荷率に基づいて、バルブ8000を制御してもよい。この場合、負荷率が予め定められた負荷率よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ8000を開いた状態にし、負荷率が予め定められた負荷率よりも低い場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、バルブ8000を閉じた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりに吸気圧に基づいて、バルブ8000を制御してもよい。この場合、吸気圧が予め定められた圧力よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ8000を開いた状態にし、吸気圧が予め定められた圧力よりも低い場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、バルブ8000を閉じた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりにシフトポジションに基づいて、バルブ8000を制御してもよい。この場合、シフトポジションが予め定められたシフトポジションであり、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ8000を開いた状態にし、そうでない場合、バルブ8000を閉じた状態にしてもよい。
さらに、冷却水の温度が予め定められた温度よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バルブ8000を閉じた状態にしてもよい。このように構成すれば、エンジン100のオーバーヒートを抑制することができる。
<第17の実施の形態>
図58〜図61を参照して、本発明の第17の実施の形態について説明する。前述の第1〜第12の実施の形態においては、排気ポート内に設けられたバルブを開閉することにより、エキゾーストマニホールドの温度を調整していた。本実施の形態においては、排気ポート内には、排気ガスの流速分布を変化させるバルブが設けられておらず、シリンダブロックのウォータジャケット内に設けられたスペーサの位置を変更することにより、エキゾーストマニホールドの温度を調整する。その他の構造については、前述の第1の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図58を参照して、本実施の形態に係る温度調整装置が搭載された車両のエンジン100について説明する。本実施の形態において、エンジン100はV型エンジンとして説明する。なお、エンジン100はV型エンジンに限らない。
図58に示すように、シリンダブロック102には、冷却水が流通するウォータジャケット9000が形成される。ウォータジャケット9000内には、ウォータジャケット9000内を移動可能であるように、ウォータジャケットスペーサ9100が設けられる。
ウォータジャケットスペーサ9100は、アクチュエータ9200により移動される。ウォータジャケットスペーサ9100とアクチュエータ9200とは、ロッド9202により連結される。本実施の形態において、ウォータジャケットスペーサ9100は2分割されている。なお、ウォータジャケットスペーサ9100は、2分割されたものに限られず、その他、複数に3分割以上に分割してもよい。またウォータジャケットスペーサ9100を可撓性の部材を用いて形成し、ウォータジャケットスペーサ9100を一体的に形成してもよい。
ウォータジャケットスペーサ9100は、アクチュエータ9200により、シリンダ9300に近接した位置とシリンダ9300から離間した位置との間で移動される。アクチュエータ9200は、油圧シリンダであってもよく、モータであってもよい。また、アクチュエータ9200をシリンダブロック102に内蔵してもよい。
図58におけるA−A断面を、図59に示す。図59に示すように、ウォータジャケットスペーサ9100がシリンダ9300から離間した第1の位置にある場合、ウォータジャケット9000の内壁9002とウォータジャケットスペーサ9100との隙間が大きくなる。そのため、ウォータジャケット9000の内壁9002とウォータジャケットスペーサ9100との隙間に流れる冷却水の流量が大きくなる。したがって、ボア壁9302から冷却水への熱伝達、すなわちシリンダ9300内の排気ガス(燃焼ガス)から冷却水への熱伝達が促進される。
一方、図60に示すように、ウォータジャケットスペーサ9100がシリンダ9300に近接した第2の位置にある場合、ウォータジャケット9000の内壁9002とウォータジャケットスペーサ9100との隙間が小さくなる。そのため、ウォータジャケット9000の内壁9002とウォータジャケットスペーサ9100との隙間に流れる冷却水の流量が小さくなる。また、ウォータジャケットスペーサ9100に対してシリンダ9300の反対側を流れる冷却水への熱伝達は、ウォータジャケットスペーサ9100により遮られる。すなわち、ウォータジャケットスペーサ9100が断熱部材として機能する。したがって、ボア壁9302から冷却水への熱伝達が抑制される。すなわちシリンダ9300内の排気ガス(燃焼ガス)から冷却水への熱伝達が抑制される。
図61を参照して、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500が実行するプログラムの制御構造について説明する。
S900にて、ECU500は、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THを検出する。S902にて、ECU500は、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きいか否かを判別する。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合(S902にてYES)、処理はS904に移される。そうでない場合(S902にてNO)、処理はS906に移される。
S904にて、ECU500は、ウォータジャケットスペーサ9100を、ウォータジャケット9000の外側、すなわちシリンダ9300から離間した第1の位置にする。その後、この処理は終了する。
S906にて、ECU500は、ウォータジャケットスペーサ9100を、ウォータジャケット9000の内側、すなわちシリンダ9300に近接した第2の位置にする。その後、この処理は終了する。
以上のような構造、およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500の動作について説明する。
エンジン100の運転中において、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THが検出される(S900)。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合は(S902にてYES)、エンジン100の吸入吸気量が多く、そのため燃料噴射量も多い状態、すなわち負荷が大きい状態であるといえる。
この場合、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が高くなり、排気ガスの温度も高くなる。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度が上昇し易い状態にあるといえる。この場合、ウォータジャケットスペーサ9100が、ウォータジャケット9000の外側、すなわちシリンダ9300から離間した第1の位置に移動される(S904)。
ウォータジャケットスペーサ9100がシリンダ9300から離間した第1の位置にある場合、ウォータジャケット9000の内壁9002とウォータジャケットスペーサ9100との隙間が大きくなる。そのため、ウォータジャケット9000の内壁9002とウォータジャケットスペーサ9100との隙間に流れる冷却水の流量が大きくなる。したがって、ボア壁9302から冷却水への熱伝達が促進される。そのため、速やかに冷却水の温度を上げて、エンジン100の温度上昇を促進することができる。その結果、ヒータ300の暖房性能を確保することができる。
このとき、シリンダ9300内の排気ガス(燃焼ガス)から冷却水に伝達された熱量だけ、排気ガスが熱量を失い、排気ガスの温度が低下する。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量が抑制される。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇が抑制される。
一方、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合は(S902にてNO)、エンジン100の吸入吸気量が少なく、そのため燃料噴射量も少ない状態、すなわち負荷が小さい状態であるといえる。
この場合、高負荷時に比べて、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が低く、排気ガスの温度も低い。そのため、高負荷時に比べて、エキゾーストマニホールド108の温度が上昇し難い状態にあるといえる。この場合、ウォータジャケットスペーサ9100が、ウォータジャケット9000の内側、すなわちシリンダ9300に近接した第2の位置に移動される(S906)。
ウォータジャケットスペーサ9100がシリンダ9300に近接した第2の位置にある場合、ウォータジャケット9000の内壁9002とウォータジャケットスペーサ9100との隙間が小さくなる。そのため、ウォータジャケット9000の内壁9002とウォータジャケットスペーサ9100との隙間に流れる冷却水の流量が小さくなる。また、ウォータジャケットスペーサ9100に対してシリンダ9300の反対側を流れる冷却水への熱伝達は、ウォータジャケットスペーサ9100により遮られる。すなわち、ウォータジャケットスペーサ9100が断熱部材として機能する。したがって、ボア壁9302から冷却水への熱伝達が抑制される。そのため、エンジン100の温度上昇を抑制することができる。
このとき、シリンダ9300内の排気ガス(燃焼ガス)から冷却水への熱伝達が抑制されるため、排気ガスが失う熱量は、ウォータジャケットスペーサ9100を第1の位置にした状態に比べて抑制される。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量が促進される。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇が促進される。
ここで、低負荷時は、排気ガスの温度自体が高くないため、低負荷時にウォータジャケットスペーサ9100をシリンダ9300に近接させた場合と高負荷時にウォータジャケットスペーサ9100をシリンダ9300にから離間させた場合とでは、エキゾーストマニホールド108の温度に大きな差はない。
そのため、エキゾーストマニホールド108の温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールド108が熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る温度調整装置のECUは、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合、ウォータジャケット内に設けられたウォータジャケットスペーサをシリンダから離間した第1の位置にし、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達を抑制する。一方、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合、ECUは、ウォータジャケット内に設けられたウォータジャケットスペーサをシリンダに近接した第2の位置にし、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達を促進する。これにより、エキゾーストマニホールドに伝達される熱量の変化を抑制することができる。そのため、エキゾーストマニホールドの温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールドが熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、エンジン100の負荷に関する値としてスロットル開度THに基づいて、ウォータジャケットスペーサ9100の位置を制御していたが、スロットル開度THの代わりにエンジン100の負荷率に基づいて、バルブ8000を制御してもよい。この場合、負荷率が予め定められた負荷率よりも高い場合、ウォータジャケットスペーサ9100をシリンダ9300から離間した第1の位置にし、負荷率が予め定められた負荷率よりも低い場合、ウォータジャケットスペーサ9100をシリンダ9300に近接した第2の位置にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりに吸気圧に基づいて、バルブ8000を制御してもよい。この場合、吸気圧が予め定められた圧力よりも高い場合、ウォータジャケットスペーサ9100をシリンダ9300から離間した第1の位置にし、吸気圧が予め定められた圧力よりも低い場合、ウォータジャケットスペーサ9100をシリンダ9300に近接した第2の位置にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりにシフトポジションに基づいて、バルブ8000を制御してもよい。この場合、シフトポジションが予め定められたシフトポジションである場合、ウォータジャケットスペーサ9100をシリンダ9300から離間した第1の位置にし、そうでない場合、ウォータジャケットスペーサ9100をシリンダ9300に近接した第2の位置にしてもよい。
さらに、冷却水の温度が予め定められた温度よりも高い場合、ウォータジャケットスペーサ9100をシリンダ9300に近接した第2の位置にしてもよい。このように構成すれば、エンジン100のオーバーヒートを抑制することができる。
<第18の実施の形態>
図62を参照して、本発明の第18の実施の形態について説明する。前述の第17の実施の形態においては、スロットル開度THに基づいてウォータジャケットスペーサの位置を制御していた。本実施の形態においては、スロットル開度THおよび車速Vに基づいてウォータジャケットスペーサの位置を制御する。その他の構造については、前述の第17の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図62を参照して、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500が実行するプログラムの制御構造について説明する。
S950にて、ECU500は、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THを検出する。S952にて、ECU500は、車速センサ522から送信された信号に基づいて、車速Vを検出する。
S954にて、ECU500は、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低いか否かを判別する。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合(S954にてYES)、処理はS956に移される。そうでない場合(S954にてNO)、処理はS958に移される。
S956にて、ECU500は、ウォータジャケットスペーサ9100を、ウォータジャケット9000の外側、すなわちシリンダ9300から離間した第1の位置にする。その後、この処理は終了する。
S958にて、ECU500は、ウォータジャケットスペーサ9100を、ウォータジャケット9000の内側、すなわちシリンダ9300に近接した第2の位置にする。その後、この処理は終了する。
以上のような構造、およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500の動作について説明する。
エンジン100の運転中において、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THが検出され(S950)、車速センサ522から送信された信号に基づいて、車速Vが検出される(S952)。
スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合は(S954にてYES)、エンジン100の吸入吸気量が多く、そのため燃料噴射量も多い状態、すなわち負荷が大きい状態であり、かつ車両内(エンジンルーム内)に十分な量の外気が導入されない状態であるといえる。
この場合、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が高くなり、排気ガスの温度も高くなる。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に熱が伝達され易い状態にあるといえる。また、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が不十分である状態であるといえる。この場合、ウォータジャケットスペーサ9100が、ウォータジャケット9000の外側、すなわちシリンダ9300から離間した第1の位置に移動される(S956)。
ウォータジャケットスペーサ9100がシリンダ9300から離間した第1の位置にある場合、ウォータジャケット9000の内壁9002とウォータジャケットスペーサ9100との隙間が大きくなる。そのため、ウォータジャケット9000の内壁9002とウォータジャケットスペーサ9100との隙間に流れる冷却水の流量が大きくなる。したがって、ボア壁9302から冷却水への熱伝達が促進される。そのため、速やかに冷却水の温度を上げて、エンジン100の温度上昇を促進することができる。その結果、ヒータ300の暖房性能を確保することができる。
このとき、シリンダ9300内の排気ガス(燃焼ガス)から冷却水に伝達された熱量だけ、排気ガスが熱量を失い、排気ガスの温度が低下する。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量が抑制される。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇が抑制される。
一方、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合(S954にてNO)、エンジン100の吸入吸気量が少なく、そのため燃料噴射量も少ない状態、すなわち負荷が小さい状態であるといえる。この場合、高負荷時に比べて、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が低く、排気ガスの温度も低い。
また、車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合(S954にてNO)、車両内(エンジンルーム内)に十分な量の外気が導入される状態であるといえる。この場合、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が十分に行なわれる。そのため、低負荷時や高車速時は、エキゾーストマニホールド108の温度が上昇し難い状態にあるといえる。この場合、ウォータジャケットスペーサ9100が、ウォータジャケット9000の内側、すなわちシリンダ9300に近接した第2の位置に移動される(S958)。
ウォータジャケットスペーサ9100がシリンダ9300に近接した第2の位置にある場合、ウォータジャケット9000の内壁9002とウォータジャケットスペーサ9100との隙間が小さくなる。そのため、ウォータジャケット9000の内壁9002とウォータジャケットスペーサ9100との隙間に流れる冷却水の流量が小さくなる。また、ウォータジャケットスペーサ9100に対してシリンダ9300の反対側を流れる冷却水への熱伝達は、ウォータジャケットスペーサ9100により遮られる。すなわち、ウォータジャケットスペーサ9100が断熱部材として機能する。したがって、ボア壁9302から冷却水への熱伝達が抑制される。そのため、エンジン100の温度上昇を抑制することができる。
このとき、シリンダ9300内の排気ガス(燃焼ガス)から冷却水への熱伝達が抑制されるため、排気ガスが失う熱量は、ウォータジャケットスペーサ9100を第1の位置にした状態に比べて抑制される。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に伝達される熱量が促進される。その結果、エキゾーストマニホールド108の温度上昇が促進される。
ここで、低負荷時は、排気ガスの温度自体が高くなく、高車速時は、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が十分に行なわれる。そのため、低負荷時や高車速時にウォータジャケットスペーサ9100をシリンダ9300に近接させた場合と高負荷時かつ低車速時にウォータジャケットスペーサ9100をシリンダ9300にから離間させた場合とでは、エキゾーストマニホールド108の温度に大きな差はない。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールド108が熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る温度調整装置のECUは、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、ウォータジャケット内に設けられたウォータジャケットスペーサをシリンダから離間した第1の位置にし、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達を抑制する。一方、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、ECUは、ウォータジャケット内に設けられたウォータジャケットスペーサをシリンダに近接した第2の位置にし、排気ガスからエキゾーストマニホールドへの熱伝達を促進する。これにより、エキゾーストマニホールドに伝達される熱量の変化を抑制することができる。そのため、エキゾーストマニホールドの温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールドが熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、エンジン100の負荷に関する値としてスロットル開度THに基づいて、ウォータジャケットスペーサ9100の位置を制御していたが、スロットル開度THの代わりにエンジン100の負荷率に基づいて、ウォータジャケットスペーサ9100の位置を制御してもよい。この場合、負荷率が予め定められた負荷率よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、ウォータジャケットスペーサ9100をシリンダ9300から離間した第1の位置にし、負荷率が予め定められた負荷率よりも低い場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、ウォータジャケットスペーサ9100をシリンダ9300に近接した第2の位置にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりに吸気圧に基づいて、ウォータジャケットスペーサ9100の位置を制御してもよい。この場合、吸気圧が予め定められた圧力よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、ウォータジャケットスペーサ9100をシリンダ9300から離間した第1の位置にし、吸気圧が予め定められた圧力よりも低い場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、ウォータジャケットスペーサ9100をシリンダ9300に近接した第2の位置にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりにシフトポジションに基づいて、ウォータジャケットスペーサ9100の位置を制御してもよい。この場合、シフトポジションが予め定められたシフトポジションであり、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、ウォータジャケットスペーサ9100をシリンダ9300から離間した第1の位置にし、そうでない場合、ウォータジャケットスペーサ9100をシリンダ9300に近接した第2の位置にしてもよい。
さらに、冷却水の温度が予め定められた温度よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、ウォータジャケットスペーサ9100をシリンダ9300に近接した第2の位置にしてもよい。このように構成すれば、エンジン100のオーバーヒートを抑制することができる。
<第19の実施の形態>
図63〜図65を参照して、本発明の第19の実施の形態について説明する。前述の第1〜第12の実施の形態においては、排気ポート内に設けられたバルブを開閉することにより、エキゾーストマニホールドの温度を調整していた。本実施の形態においては、排気ポート内には、排気ガスの流速分布を変化させるバルブが設けられておらず、エンジンのバンク間に導かれる外気を調整することにより、エキゾーストマニホールドの温度を調整する。その他の構造については、前述の第1の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図63を参照して、本実施の形態に係る温度調整装置が搭載された車両のエンジン100について説明する。本実施の形態において、エンジン100はV型エンジンとして説明する。なお、エンジン100はV型エンジンに限らない。
エンジン100は、V字状に組み合わされた左バンク170および右バンク172を備える。左バンク170と右バンク172との間には、車両前方から車両後方に向けて溝状に延びる空間174が形成される。
車両前部に設けられたフロントグリル10000の後方には、フロントエアガイド10002が設けられる。フロントエアガイド10002は、フロントグリル10000を通った外気を、エンジン100の前端部に導く。エンジン100の前端部に導かれた外気は、左右のバンク間の空間174を通り、エンジン100の後端部に流れる。
このとき、外気は各バンクからの放射熱により暖められる。暖められた外気は、エンジン100の後端部から、リヤエアガイド10004により空調装置302に導かれる。空調装置302に導かれた外気は、ヒータ300によりエンジン100の冷却水との間で熱交換され、さらに暖められる。暖められた外気が車室内の暖房などに用いられる。
図63におけるB−B断面を図64に示す。図64に示すように、フロントエアガイド10002は、ラジエータアセンブリ10006の上方に設けられる。フロントエアガイド10002の前端部には、フロントエアガイド10002に流入する外気を調整するシャッタ10008が設けられる。ラジエータアセンブリ10006の前部には、バンパーレインフォースメント10010が設けられる。
シャッタ10008が開いた状態にされると、フロントエアガイド10002への外気の流入が許容され、外気が左右バンク間の空間174を通る。シャッタ10008を開閉させるアクチュエータには、たとえば、油圧シリンダや電動モータなどを用いることができる。外気が左右バンク間の空間174を通る際、前述したように、外気が各バンクからの放射熱により暖められる。すなわち、エンジン100が外気により冷却される。そのため、エンジン100の温度上昇が抑制される。
また、フロントグリル10000からエンジンルーム内に導入された外気のうち、エンジン100の冷却に用いられる外気の量が増大されるため、相対的にエキゾーストマニホールド108の冷却に用いられる外気の量が減少する。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度上昇が促進される。
一方、シャッタ10008が閉じた状態にされると、左右バンク間の空間174への外気の流入が抑制され、エンジン100の冷却が抑制される。そのため、エンジン100の温度上昇の抑制が中止される。
また、フロントグリル10000からエンジンルーム内に導入された外気のうち、エンジン100の冷却に用いられる外気の量が増大されないため、エキゾーストマニホールド108の冷却に用いられる外気の量が減少されない。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度上昇の促進が中止される。
図65を参照して、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500が実行するプログラムの制御構造について説明する。
S1000にて、ECU500は、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THを検出する。S1002にて、ECU500は、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きいか否かを判別する。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合(S1002にてYES)、処理はS1004に移される。そうでない場合(S1002にてNO)、処理はS1006に移される。
S1004にて、ECU500は、シャッタ10008を閉じた状態にする。その後、この処理は終了する。S1006にて、ECU500は、シャッタ10008を開いた状態にする。その後、この処理は終了する。
以上のような構造、およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500の動作について説明する。
エンジン100の運転中において、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THが検出される(S1000)。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合は(S1002にてYES)、エンジン100の吸入吸気量が多く、そのため燃料噴射量も多い状態、すなわち負荷が大きい状態であるといえる。
この場合、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が高くなり、排気ガスの温度も高くなる。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度が上昇し易い状態にあるといえる。この場合、シャッタ10008が閉じた状態にされる(S1004)。
シャッタ10008が閉じた状態にされると、左右バンク間の空間174への外気の流入が抑制され、エンジン100の冷却が抑制される。そのため、エンジン100の温度上昇の抑制が中止される。その結果、エンジン100自体の発熱によりエンジン100の温度を速やかに上昇させ、冷却水の温度を上げてヒータ300の暖房性能を確保することができる。
また、フロントグリル10000からエンジンルーム内に導入された外気のうち、エンジン100の冷却に用いられる外気の量が増大されないため、エキゾーストマニホールド108の冷却に用いられる外気の量が減少されない。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度上昇の促進が中止される。
一方、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合は(S1002にてNO)、エンジン100の吸入吸気量が少なく、そのため燃料噴射量も少ない状態、すなわち負荷が小さい状態であるといえる。
この場合、高負荷時に比べて、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が低く、排気ガスの温度も低い。そのため、高負荷時に比べて、エキゾーストマニホールド108の温度が上昇し難い状態にあるといえる。この場合、シャッタ10008が開いた状態にされる(S1006)。
シャッタ10008が開いた状態にされると、フロントエアガイド10002への外気の流入が許容され、外気が左右バンク間の空間174を通る。外気が左右バンク間の空間174を通る際、外気が各バンクからの放射熱により暖められる。
各バンクからの放射熱により暖められた空気がヒータ300によりさらに暖められて、車室内の暖房などに用いられる。そのため、たとえば外気温が低い寒冷地などにおいて、十分な暖房性能を確保することができる。
また、フロントグリル10000からエンジンルーム内に導入された外気のうち、エンジン100の冷却に用いられる外気の量が増大される。これにより、相対的にエキゾーストマニホールド108の冷却に用いられる外気の量が減少する。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度上昇が促進される。
ここで、低負荷時は、排気ガスの温度自体が高くないため、低負荷時にシャッタ10008を開いた状態にした場合と高負荷時にシャッタ10008を閉じた状態にした場合とでは、エキゾーストマニホールド108の温度に大きな差はない。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度変化が抑制され、エキゾーストマニホールド108が熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る温度調整装置のECUは、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合、フロントエアガイドの前端部に設けられたシャッタを閉じた状態にし、エキゾーストマニホールドの温度上昇の促進を中止する。一方、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合、ECUは、フロントエアガイドの前端部に設けられたシャッタを開いた状態にし、エキゾーストマニホールドの温度上昇を促進する。これにより、エキゾーストマニホールドの温度変化を抑制することができる。そのため、エキゾーストマニホールドが熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、エンジン100の負荷に関する値としてスロットル開度THに基づいて、シャッタ10008を制御していたが、スロットル開度THの代わりにエンジン100の負荷率に基づいて、バルブ8000を制御してもよい。この場合、負荷率が予め定められた負荷率よりも高い場合、シャッタ10008を閉じた状態にし、負荷率が予め定められた負荷率よりも低い場合、シャッタ10008と開いた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりに吸気圧に基づいて、バルブ8000を制御してもよい。この場合、吸気圧が予め定められた圧力よりも高い場合、シャッタ10008を閉じた状態にし、吸気圧が予め定められた圧力よりも低い場合、シャッタ10008を開いた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりにシフトポジションに基づいて、バルブ8000を制御してもよい。この場合、シフトポジションが予め定められたシフトポジションである場合、シャッタ10008を閉じた状態にし、そうでない場合、シャッタ10008を開いた状態にしてもよい。
さらに、冷却水の温度が予め定められた温度よりも高い場合、シャッタ10008を開いた状態にしてもよい。このように構成すれば、エンジン100のオーバーヒートを抑制することができる。
<第20の実施の形態>
図66を参照して、本発明の第20の実施の形態について説明する。前述の第19の実施の形態においては、スロットル開度THに基づいてシャッタを制御していた。本実施の形態においては、スロットル開度THおよび車速Vに基づいてシャッタを制御する。その他の構造については、前述の第19の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図66を参照して、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500が実行するプログラムの制御構造について説明する。
S1050にて、ECU500は、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THを検出する。S1052にて、ECU500は、車速センサ522から送信された信号に基づいて、車速Vを検出する。
S1054にて、ECU500は、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低いか否かを判別する。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合(S1054にてYES)、処理はS1056に移される。そうでない場合(S1054にてNO)、処理はS1058に移される。
S1056にて、ECU500は、シャッタ10008を閉じた状態にする。その後、この処理は終了する。S1058にて、ECU500は、シャッタ10008を開いた状態にする。その後、この処理は終了する。
以上のような構造、およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500の動作について説明する。
エンジン100の運転中において、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THが検出され(S1050)、車速センサ522から送信された信号に基づいて、車速Vが検出される(S1052)。
スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合は(S1054にてYES)、エンジン100の吸入吸気量が多く、そのため燃料噴射量も多い状態、すなわち負荷が大きい状態であり、かつ車両内(エンジンルーム内)に十分な量の外気が導入されない状態であるといえる。
この場合、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が高くなり、排気ガスの温度も高くなる。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に熱が伝達され易い状態にあるといえる。また、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が不十分である状態であるといえる。この場合、シャッタ1008が閉じた状態にされる(S1056)。
シャッタ10008が閉じた状態にされると、左右バンク間の空間174への外気の流入が抑制され、エンジン100の冷却が抑制される。そのため、エンジン100の温度上昇の抑制が中止される。その結果、エンジン100自体の発熱によりエンジン100の温度を速やかに上昇させ、冷却水の温度を上げてヒータ300の暖房性能を確保することができる。
また、フロントグリル10000からエンジンルーム内に導入された外気のうち、エンジン100の冷却に用いられる外気の量が増大されないため、エキゾーストマニホールド108の冷却に用いられる外気の量が減少されない。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度上昇の促進が中止される。
一方、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合(S1054にてNO)、エンジン100の吸入吸気量が少なく、そのため燃料噴射量も少ない状態、すなわち負荷が小さい状態であるといえる。この場合、高負荷時に比べて、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が低く、排気ガスの温度も低い。
また、車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合(S1054にてNO)、車両内(エンジンルーム内)に十分な量の外気が導入される状態であるといえる。この場合、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が十分に行なわれる。そのため、低負荷時や高車速時は、エキゾーストマニホールド108の温度が上昇し難い状態にあるといえる。この場合、シャッタ1008が開いた状態にされる(S1058)。
シャッタ10008が開いた状態にされると、フロントエアガイド10002への外気の流入が許容され、外気が左右バンク間の空間174を通る。外気が左右バンク間の空間174を通る際、外気が各バンクからの放射熱により暖められる。
各バンクからの放射熱により暖められた空気がヒータ300によりさらに暖められて、車室内の暖房などに用いられる。そのため、たとえば外気温が低い寒冷地などにおいて、十分な暖房性能を確保することができる。
また、フロントグリル10000からエンジンルーム内に導入された外気のうち、エンジン100の冷却に用いられる外気の量が増大されるため、相対的にエキゾーストマニホールド108の冷却に用いられる外気の量が減少する。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度上昇が促進される。
ここで、低負荷時は、排気ガスの温度自体が高くなく、高車速時は、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が十分に行なわれる。そのため、低負荷時や高車速時にシャッタ10008を開いた状態にした場合と高負荷時かつ低車速時にシャッタ10008を閉じた状態にした場合とでは、エキゾーストマニホールド108の温度に大きな差はない。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールド108が熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る温度調整装置のECUは、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、フロントエアガイドの前端部に設けられたシャッタを閉じた状態にし、エキゾーストマニホールドの温度上昇を抑制する。一方、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、ECUは、フロントエアガイドの前端部に設けられたシャッタを開いた状態にし、エキゾーストマニホールドの温度上昇の抑制を中止する。これにより、エキゾーストマニホールドの温度変化を抑制することができる。そのため、エキゾーストマニホールドが熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、エンジン100の負荷に関する値としてスロットル開度THに基づいて、シャッタ10008を制御していたが、スロットル開度THの代わりにエンジン100の負荷率に基づいて、シャッタ10008を制御してもよい。この場合、負荷率が予め定められた負荷率よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、シャッタ10008を閉じた状態にし、負荷率が予め定められた負荷率よりも低い場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、シャッタ10008を開いた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりに吸気圧に基づいて、シャッタ10008を制御してもよい。この場合、吸気圧が予め定められた圧力よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、シャッタ10008を閉じた状態にし、吸気圧が予め定められた圧力よりも低い場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、シャッタ10008を開いた状態にしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりにシフトポジションに基づいて、シャッタ10008を制御してもよい。この場合、シフトポジションが予め定められたシフトポジションであり、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、シャッタ10008を閉じた状態にし、そうでない場合、シャッタ10008を開いた状態にしてもよい。
さらに、冷却水の温度が予め定められた温度よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、シャッタ10008を開いた状態にしてもよい。このように構成すれば、エンジン100のオーバーヒートを抑制することができる。
<第21の実施の形態>
図67〜図71を参照して、本発明の第21の実施の形態について説明する。前述の第1〜第12の実施の形態においては、排気ポート内に設けられたバルブを開閉することにより、エキゾーストマニホールドの温度を調整していた。本実施の形態においては、排気ポート内には、排気ガスの流速分布を変化させるバルブが設けられておらず、冷却水がエキゾーストマニホールドからの輻射熱を受熱する量を調整することにより、エキゾーストマニホールドの温度を調整する。その他の構造については、前述の第1の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図67を参照して、本実施の形態に係る温度調整装置が搭載された車両のエンジン100について説明する。本実施の形態において、エンジン100は直列4気筒エンジンとして説明する。なお、エンジン100は直列4気筒エンジンに限らない。
図67に示すように、エンジン100内を流通した冷却水は、ラジエータ200に導かれる他、ヒータパイプ410により、ヒータ300に導かれる。
ヒータパイプ410は、エキゾーストマニホールド108の近傍を通過するように、エキゾーストマニホールド108の下方をシリンダの配列方向に沿って延在する。なお、本実施の形態では、ヒータパイプ410は、エキゾーストマニホールド108の下方を通過しているが、エキゾーストマニホールド108の上方を通るように延びていてもよい。また、ヒータパイプ410は、エキゾーストマニホールド108の周りで、ジグザグ状に屈曲しながら延びていても良く、エキゾーストマニホールド108の一方端と他方端との間を、複数回、往復するように延びていてもよい。
ヒータパイプ410の周りには、エキゾーストマニホールド108からの輻射熱を断熱するインシュレータ11000が設けられる。インシュレータ11000は、アクチュエータ11100により、ヒータパイプ410の周りを周方向に回転される。アクチュエータ11100は、油圧シリンダであっても良く、電動モータであってもよい。また、これらに限定されず、エンジン100の吸気ポート内で発生する負圧を利用した機構であってもよい。
図68を参照して、インシュレータ11000についてさらに説明する。インシュレータ11000には、周方向の一部が開口するように設けられた開口部11002が設けられる。
図69に示すように、開口部11002がエキゾーストマニホールド108側を向くように、インシュレータ11000が回転移動された場合、エキゾーストマニホールド108からの輻射熱が、ヒータパイプ410に伝達される。
一方、図70に示すように、開口部11002がエキゾーストマニホールド108の反対側側を向くように、インシュレータ11000が回転移動された場合、エキゾーストマニホールド108からの輻射熱が、ヒータパイプ410に伝達されることが抑制される。
図71を参照して、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500が実行するプログラムの制御構造について説明する。
S1100にて、ECU500は、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THを検出する。S1102にて、ECU500は、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きいか否かを判別する。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合(S1102にてYES)、処理はS1104に移される。そうでない場合(S1102にてNO)、処理はS1106に移される。
S1104にて、ECU500は、開口部11002をエキゾーストマニホールド108側の位置にする。その後、この処理は終了する。S1106にて、ECU500は、開口部11002をエキゾーストマニホールド108とは反対側の位置にする。その後、この処理は終了する。
以上のような構造、およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500の動作について説明する。
エンジン100の運転中において、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THが検出される(S1100)。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合は(S1102にてYES)、エンジン100の吸入吸気量が多く、そのため燃料噴射量も多い状態、すなわち負荷が大きい状態であるといえる。
この場合、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が高くなり、排気ガスの温度も高くなる。そのためエキゾーストマニホールド108の温度が上昇し易い状態にあるといえる。この場合、開口部11002がエキゾーストマニホールド108側を向くように、インシュレータ11000が回転移動される(S1104)。
開口部11002がエキゾーストマニホールド108側を向くように、インシュレータ11000が回転移動された場合、エキゾーストマニホールド108からの輻射熱が、ヒータパイプ410に伝達される。
これにより、ヒータパイプ410内を流れる冷却水の温度上昇を促進して、ヒータ300の暖房性能を確保することができるとともに、エキゾーストマニホールド108の温度上昇を抑制することができる。
一方、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合は(S1102にてNO)、エンジン100の吸入吸気量が少なく、そのため燃料噴射量も少ない状態、すなわち負荷が小さい状態であるといえる。
この場合、高負荷時に比べて、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が低く、排気ガスの温度も低い。そのため、高負荷時に比べて、エンジン100の温度が上昇し難い状態にあるといえる。この場合、開口部11002がエキゾーストマニホールド108の反対側を向くように、インシュレータ11000が回転移動される(S1106)
開口部11002がエキゾーストマニホールド108の反対側側を向くように、インシュレータ11000が回転移動された場合、エキゾーストマニホールド108からの輻射熱が、ヒータパイプ410に伝達されることが抑制される。
これにより、ヒータパイプ410内を流れる冷却水の温度が過度に上昇することが抑制され、冷却水の温度を適切な温度に保つことができる。また、エキゾーストマニホールド108の温度上昇の抑制を中止することができる。
ここで、低負荷時は、排気ガスの温度自体が高くないため、低負荷時に開口部11002をエキゾーストマニホールド108の反対側に向けた場合と高負荷時に開口部11002をエキゾーストマニホールド108側に向けた場合とでは、エキゾーストマニホールド108の温度に大きな差はない。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度変化を抑制して、エキゾーストマニホールド108が熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る温度調整装置のECUは、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合、インシュレータの開口部をエキゾーストマニホールド側に向け、エキゾーストマニホールドの温度上昇を抑制する。一方、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合、ECUは、インシュレータの開口部をエキゾーストマニホールドの反対側に向け、エキゾーストマニホールドの温度上昇の抑制を中止する。これにより、エキゾーストマニホールドの温度変化を抑制することができる。そのため、エキゾーストマニホールドが熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、エンジン100の負荷に関する値としてスロットル開度THに基づいて、インシュレータ11000を制御していたが、スロットル開度THの代わりにエンジン100の負荷率に基づいて、インシュレータ11000を制御してもよい。この場合、負荷率が予め定められた負荷率よりも高い場合、開口部11002をエキゾーストマニホールド108側に向け、負荷率が予め定められた負荷率よりも低い場合、開口部11002をエキゾーストマニホールド108の反対側に向けてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりに吸気圧に基づいて、インシュレータ11000を制御してもよい。この場合、吸気圧が予め定められた圧力よりも高い場合、開口部11002をエキゾーストマニホールド108側に向け、吸気圧が予め定められた圧力よりも低い場合、開口部11002をエキゾーストマニホールド108の反対側に向けてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりにシフトポジションに基づいて、インシュレータ11000を制御してもよい。この場合、シフトポジションが予め定められたシフトポジションである場合、開口部11002をエキゾーストマニホールド108側に向け、そうでない場合、開口部11002をエキゾーストマニホールド108の反対側に向けてもよい。
さらに、冷却水の温度が予め定められた温度よりも高い場合、開口部11002をエキゾーストマニホールド108の反対側に向けてもよい。このように構成すれば、エンジン100のオーバーヒートを抑制することができる。
<第22の実施の形態>
図72を参照して、本発明の第22の実施の形態について説明する。前述の第21の実施の形態においては、スロットル開度THに基づいて排気ポート内に設けられたバルブを制御していた。本実施の形態においては、スロットル開度THおよび車速Vに基づいて排気ポート内に設けられたバルブを制御する。その他の構造については、前述の第21の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図72を参照して、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500が実行するプログラムの制御構造について説明する。
S1150にて、ECU500は、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THを検出する。S1152にて、ECU500は、車速センサ522から送信された信号に基づいて、車速Vを検出する。
S1154にて、ECU500は、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低いか否かを判別する。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合(S1154にてYES)、処理はS1156に移される。そうでない場合(S1154にてNO)、処理はS1158に移される。
S1156にて、ECU500は、開口部11002をエキゾーストマニホールド108側の位置にする。その後、この処理は終了する。S158にて、ECU500は、開口部11002をエキゾーストマニホールド108とは反対側の位置にする。その後、この処理は終了する。
以上のような構造、およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500の動作について説明する。
エンジン100の運転中において、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THが検出され(S1150)、車速センサ522から送信された信号に基づいて、車速Vが検出される(S1152)。
スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合は(S1154にてYES)、エンジン100の吸入吸気量が多く、そのため燃料噴射量も多い状態、すなわち負荷が大きい状態であり、かつ車両内(エンジンルーム内)に十分な量の外気が導入されない状態であるといえる。
この場合、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が高くなり、排気ガスの温度も高くなる。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に熱が伝達され易い状態にあるといえる。また、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が不十分である状態であるといえる。この場合、開口部11002がエキゾーストマニホールド108側を向くように、インシュレータ11000が回転移動される(S1156)。
開口部11002がエキゾーストマニホールド108側を向くように、インシュレータ11000が回転移動された場合、エキゾーストマニホールド108からの輻射熱が、ヒータパイプ410に伝達される。
これにより、ヒータパイプ410内を流れる冷却水の温度上昇を促進して、ヒータ300の暖房性能を確保することができるとともに、エキゾーストマニホールド108の温度上昇を抑制することができる。
一方、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合(S1154にてNO)、エンジン100の吸入吸気量が少なく、そのため燃料噴射量も少ない状態、すなわち負荷が小さい状態であるといえる。この場合、高負荷時に比べて、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が低く、排気ガスの温度も低い。
また、車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合(S1154にてNO)、車両内(エンジンルーム内)に十分な量の外気が導入される状態であるといえる。この場合、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が十分に行なわれる。そのため、低負荷時や高車速時は、エキゾーストマニホールド108の温度が上昇し難い状態にあるといえる。この場合、開口部11002がエキゾーストマニホールド108の反対側を向くように、インシュレータ11000が回転移動される(S1158)。
開口部11002がエキゾーストマニホールド108の反対側側を向くように、インシュレータ11000が回転移動された場合、エキゾーストマニホールド108からの輻射熱が、ヒータパイプ410に伝達されることが抑制される。
これにより、ヒータパイプ410内を流れる冷却水の温度が過度に上昇することが抑制され、冷却水の温度を適切な温度に保つことができる。また、エキゾーストマニホールド108の温度上昇の抑制を中止することができる。
ここで、低負荷時は、排気ガスの温度自体が高くなく、高車速時は、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が十分に行なわれる。そのため、低負荷時や高車速時に開口部11002をエキゾーストマニホールド108の反対側に向けた場合と開口部11002をエキゾーストマニホールド108側に向けた場合とでは、エキゾーストマニホールド108の温度に大きな差はない。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールド108が熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る温度調整装置のECUは、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、インシュレータの開口部をエキゾーストマニホールド側に向け、エキゾーストマニホールドの温度上昇を抑制する。一方、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、ECUは、インシュレータの開口部をエキゾーストマニホールドの反対側に向け、エキゾーストマニホールドの温度上昇の抑制を中止する。これにより、エキゾーストマニホールドの温度変化を抑制することができる。そのため、エキゾーストマニホールドが熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、エンジン100の負荷に関する値としてスロットル開度THに基づいて、インシュレータ11000を制御していたが、スロットル開度THの代わりにエンジン100の負荷率に基づいて、インシュレータ11000を制御してもよい。この場合、負荷率が予め定められた負荷率よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、開口部11002をエキゾーストマニホールド108側に向け、負荷率が予め定められた負荷率よりも低い場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、開口部11002をエキゾーストマニホールド108の反対側に向けてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりに吸気圧に基づいて、インシュレータ11000を制御してもよい。この場合、吸気圧が予め定められた圧力よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、開口部11002をエキゾーストマニホールド108側に向け、吸気圧が予め定められた圧力よりも低い場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、開口部11002をエキゾーストマニホールド108の反対側に向けてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりにシフトポジションに基づいて、インシュレータ11000を制御してもよい。この場合、シフトポジションが予め定められたシフトポジションであり、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、開口部11002をエキゾーストマニホールド108側に向け、そうでない場合、開口部11002をエキゾーストマニホールド108の反対側に向けてもよい。
さらに、冷却水の温度が予め定められた温度よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、開口部11002をエキゾーストマニホールド108の反対側に向けてもよい。このように構成すれば、エンジン100のオーバーヒートを抑制することができる。
<第23の実施の形態>
図73〜図75を参照して、本発明の第23の実施の形態について説明する。前述の第21の実施の形態においては、インシュレータを回転移動させることにより、エキゾーストマニホールドの温度を調整していた。本実施の形態においては、インシュレータは設けられておらず、ヒータパイプ自体を移動させることでエキゾーストマニホールドの温度を調整する。その他の構造については、前述の第21の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図73に示すように、ヒータパイプ410は、パイプ移動装置12000により支持される。パイプ移動装置12000は、ヒータパイプ410およびエキゾーストマニホールド108が当接した位置と、ヒータパイプ410およびエキゾーストマニホールド108が離間した位置との間で、ヒータパイプ410を移動させる。
パイプ移動装置12000は、ECU500により制御される。パイプ移動装置12000には、油圧シリンダや電動モータを用いることができ、その他の適当な機構を用いることもできる。
エキゾーストマニホールド108には、ヒータパイプ410と当接する位置に、ヒータパイプ410の外周面に沿った形状を有する当接部12002が設けられる。この当接部12002により、ヒータパイプ410とエキゾーストマニホールド108との接触面積を大きくすることができる。
図73に示すように、ヒータパイプ410およびエキゾーストマニホールド108が当接した場合、エキゾーストマニホールド108からヒータパイプ410に熱が伝達される。
一方、図74に示すように、ヒータパイプ410およびエキゾーストマニホールド108が離間した場合、エキゾーストマニホールド108とヒータパイプ410との間に空間が介在する。これにより、エキゾーストマニホールド108からヒータパイプ410への熱伝達が抑制される。
図75を参照して、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500が実行するプログラムの制御構造について説明する。
S1200にて、ECU500は、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THを検出する。S1202にて、ECU500は、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きいか否かを判別する。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合(S1202にてYES)、処理はS1204に移される。そうでない場合(S1202にてNO)、処理はS1206に移される。
S1204にて、ECU500は、ヒータパイプ410とエキゾーストマニホールド108との間の距離を小さくする。すなわち、ヒータパイプ410がエキゾーストマニホールド108に当接される。その後、この処理は終了する。
S1206にて、ECU500は、ヒータパイプ410とエキゾーストマニホールド108との間の距離を大きくする。すなわち、ヒータパイプ410がエキゾーストマニホールド108から離間される。その後、この処理は終了する。
以上のような構造、およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500の動作について説明する。
エンジン100の運転中において、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THが検出される(S1200)。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合は(S1202にてYES)、エンジン100の吸入吸気量が多く、そのため燃料噴射量も多い状態、すなわち負荷が大きい状態であるといえる。
この場合、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が高くなり、排気ガスの温度も高くなる。そのため、エンジン100の温度が上昇し易い状態にあるといえる。この場合、ヒータパイプ410とエキゾーストマニホールド108との間の距離が小さくされる(S1204)。すなわち、ヒータパイプ410がエキゾーストマニホールド108に当接される。
ヒータパイプ410がエキゾーストマニホールド108に当接された場合、エキゾーストマニホールド108からヒータパイプ410に熱が伝達される。これにより、ヒータパイプ410内を流れる冷却水の温度上昇を促進して、ヒータ300の暖房性能を確保することができるとともに、エキゾーストマニホールド108の温度上昇を抑制することができる。
一方、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合は(S1202にてNO)、エンジン100の吸入吸気量が少なく、そのため燃料噴射量も少ない状態、すなわち負荷が小さい状態であるといえる。
この場合、高負荷時に比べて、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が低く、排気ガスの温度も低い。そのため、高負荷時に比べて、エンジン100の温度が上昇し難い状態にあるといえる。この場合、ヒータパイプ410とエキゾーストマニホールド108との間の距離が大きくされる(S1206)。すなわち、ヒータパイプ410がエキゾーストマニホールド108から離間される。
ヒータパイプ410およびエキゾーストマニホールド108が離間した場合、エキゾーストマニホールド108からヒータパイプ410への熱伝達が抑制される。これにより、ヒータパイプ410内を流れる冷却水の温度が過度に上昇することが抑制され、冷却水の温度を適切な温度に保つことができる。また、エキゾーストマニホールド108の温度上昇の抑制を中止することができる。
ここで、低負荷時は、排気ガスの温度自体が高くないため、低負荷時にヒータパイプ410をエキゾーストマニホールド108から離間させた場合と高負荷時にヒータパイプ410をエキゾーストマニホールド108に当接させた場合とでは、エキゾーストマニホールド108の温度に大きな差はない。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度変化を抑制して、エキゾーストマニホールド108が熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る温度調整装置のECUは、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合、ヒータパイプとエキゾーストマニホールドとの間の距離を小さくし、エキゾーストマニホールドの温度上昇を抑制する。一方、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合、ECUは、ヒータパイプとエキゾーストマニホールドとの間の距離を大きくし、エキゾーストマニホールドの温度上昇の抑制を中止する。これにより、エキゾーストマニホールドの温度変化を抑制することができる。そのため、エキゾーストマニホールドが熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、エンジン100の負荷に関する値としてスロットル開度THに基づいて、ヒータパイプ410を制御していたが、スロットル開度THの代わりにエンジン100の負荷率に基づいて、ヒータパイプ410を制御してもよい。この場合、負荷率が予め定められた負荷率よりも高い場合、ヒータパイプ410とエキゾーストマニホールド108との間の距離を小さくし、負荷率が予め定められた負荷率よりも低い場合、ヒータパイプ410とエキゾーストマニホールド108との間の距離を大きくしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりに吸気圧に基づいて、ヒータパイプ410を制御してもよい。この場合、吸気圧が予め定められた圧力よりも高い場合、ヒータパイプ410とエキゾーストマニホールド108との間の距離を小さくし、吸気圧が予め定められた圧力よりも低い場合、ヒータパイプ410とエキゾーストマニホールド108との間の距離を大きくしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりにシフトポジションに基づいて、ヒータパイプ410を制御してもよい。この場合、シフトポジションが予め定められたシフトポジションである場合、ヒータパイプ410とエキゾーストマニホールド108との間の距離を小さくし、そうでない場合、ヒータパイプ410とエキゾーストマニホールド108との間の距離を大きくしてもよい。
さらに、冷却水の温度が予め定められた温度よりも高い場合、ヒータパイプ410とエキゾーストマニホールド108との間の距離を大きくしてもよい。このように構成すれば、エンジン100のオーバーヒートを抑制することができる。
<第24の実施の形態>
図76を参照して、本発明の第24の実施の形態について説明する。前述の第23の実施の形態においては、スロットル開度THに基づいてヒータパイプを制御していた。本実施の形態においては、スロットル開度THおよび車速Vに基づいてヒータパイプを制御する。その他の構造については、前述の第23の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図76を参照して、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500が実行するプログラムの制御構造について説明する。
S1250にて、ECU500は、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THを検出する。S1252にて、ECU500は、車速センサ522から送信された信号に基づいて、車速Vを検出する。
S1254にて、ECU500は、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低いか否かを判別する。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合(S1254にてYES)、処理はS1256に移される。そうでない場合(S1254にてNO)、処理はS1258に移される。
S1256にて、ECU500は、ヒータパイプ410とエキゾーストマニホールド108との間の距離を小さくする。すなわち、ヒータパイプ410がエキゾーストマニホールド108に当接される。その後、この処理は終了する。S1258にて、ECU500は、ヒータパイプ410とエキゾーストマニホールド108との間の距離を大きくする。すなわち、ヒータパイプ410がエキゾーストマニホールド108から離間される。その後、この処理は終了する。
以上のような構造、およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500の動作について説明する。
エンジン100の運転中において、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THが検出され(S1250)、車速センサ522から送信された信号に基づいて、車速Vが検出される(S1252)。
スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合は(S1254にてYES)、エンジン100の吸入吸気量が多く、そのため燃料噴射量も多い状態、すなわち負荷が大きい状態であり、かつ車両内(エンジンルーム内)に十分な量の外気が導入されない状態であるといえる。
この場合、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が高くなり、排気ガスの温度も高くなる。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に熱が伝達され易い状態にあるといえる。また、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が不十分である状態であるといえる。この場合、ヒータパイプ410とエキゾーストマニホールド108との間の距離が小さくされる(S1256)。すなわち、ヒータパイプ410がエキゾーストマニホールド108に当接される。
ヒータパイプ410がエキゾーストマニホールド108に当接された場合、エキゾーストマニホールドからヒータパイプ410に熱が伝達される。これにより、ヒータパイプ410内を流れる冷却水の温度上昇を促進して、ヒータ300の暖房性能を確保することができるとともに、エキゾーストマニホールド108の温度上昇を抑制することができる。
一方、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合(S1254にてNO)、エンジン100の吸入吸気量が少なく、そのため燃料噴射量も少ない状態、すなわち負荷が小さい状態であるといえる。この場合、高負荷時に比べて、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が低く、排気ガスの温度も低い。
また、車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合(S1254にてNO)、車両内(エンジンルーム内)に十分な量の外気が導入される状態であるといえる。この場合、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が十分に行なわれる。そのため、低負荷時や高車速時は、エキゾーストマニホールド108の温度が上昇し難い状態にあるといえる。この場合、ヒータパイプ410とエキゾーストマニホールド108との間の距離が大きくされる(S1258)。すなわち、ヒータパイプ410がエキゾーストマニホールド108から離間される。
ヒータパイプ410およびエキゾーストマニホールド108が離間した場合、エキゾーストマニホールド108からヒータパイプ410への熱伝達が抑制される。これにより、ヒータパイプ410内を流れる冷却水の温度が過度に上昇することが抑制され、冷却水の温度を適切な温度に保つことができる。また、エキゾーストマニホールド108の温度上昇の抑制を中止することができる。
ここで、低負荷時は、排気ガスの温度自体が高くなく、高車速時は、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が十分に行なわれる。そのため、低負荷時や高車速時にヒータパイプ410をエキゾーストマニホールド108から離間させた場合と高負荷時かつ低車速時にヒータパイプ410をエキゾーストマニホールド108に当接させた場合とでは、エキゾーストマニホールド108の温度に大きな差はない。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールド108が熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る温度調整装置のECUは、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、ヒータパイプとエキゾーストマニホールドとの間の距離を小さくし、エキゾーストマニホールドの温度上昇を抑制する。一方、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、ECUは、ヒータパイプとエキゾーストマニホールドとの間の距離を大きくし、エキゾーストマニホールドの温度上昇の抑制を中止する。これにより、エキゾーストマニホールドの温度変化を抑制することができる。そのため、エキゾーストマニホールドが熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、スロットル開度THの代わりにエンジン100の負荷率に基づいて、ヒータパイプ410を制御してもよい。この場合、負荷率が予め定められた負荷率よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、ヒータパイプ410とエキゾーストマニホールド108との間の距離を小さくし、負荷率が予め定められた負荷率よりも低い場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、ヒータパイプ410とエキゾーストマニホールド108との間の距離を大きくしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりに吸気圧に基づいて、ヒータパイプ410を制御してもよい。この場合、吸気圧が予め定められた圧力よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、ヒータパイプ410とエキゾーストマニホールド108との間の距離を小さくし、吸気圧が予め定められた圧力よりも低い場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、ヒータパイプ410とエキゾーストマニホールド108との間の距離を大きくしてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりにシフトポジションに基づいて、ヒータパイプ410を制御してもよい。この場合、シフトポジションが予め定められたシフトポジションであり、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、ヒータパイプ410とエキゾーストマニホールド108との間の距離を小さくし、ヒータパイプ410とエキゾーストマニホールド108との間の距離を大きくしてもよい。
さらに、冷却水の温度が予め定められた温度よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、ヒータパイプ410とエキゾーストマニホールド108との間の距離を大きくしてもよい。このように構成すれば、エンジン100のオーバーヒートを抑制することができる。
<第25の実施の形態>
図77および図78を参照して、本発明の第25の実施の形態について説明する。前述の第21の実施の形態においては、インシュレータを回転移動させることにより、エキゾーストマニホールドの温度を調整していた。本実施の形態においては、インシュレータは設けられておらず、ヒータパイプを流れる冷却水を調整することでエキゾーストマニホールドの温度を調整する。その他の構造については、前述の第21の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図77に示すように、ヒータパイプ410にバイパスパイプ420が接続されている。バイパスパイプ420により、冷却水がエキゾーストマニホールド108の下方を通過せずに、ヒータ300に導かれる。すなわち、バイパスパイプ420は、エキゾーストマニホールド108からの輻射熱を受熱させないで、冷却水をヒータ300に導く。
ヒータパイプ410とバイパスパイプ420との分岐点には、冷却水の流れる方向を制御するバルブ13000が設けられる。バルブ13000は、ECU500からの制御信号により制御されるソレノイドバルブである。なお、バルブ13000はソレノイドバルブに限られず、その他どのような形式のバルブであってもよい。
図78を参照して、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500が実行するプログラムの制御構造について説明する。
S1300にて、ECU500は、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THを検出する。S1302にて、ECU500は、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きいか否かを判別する。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合(S1302にてYES)、処理はS1304に移される。そうでない場合(S1302にてNO)、処理はS1306に移される。
S1304にて、ECU500は、ヒータパイプ410に冷却水を流通し、バイパスパイプ420への冷却水の流通を遮断する。その後、この処理は終了する。なお、バイパスパイプ420への冷却水の流通を遮断する代わりに、バイパスパイプ420への流量を減少させてもよい。
S1306にて、ECU500は、バイパスパイプ420に冷却水を流通し、ヒータパイプ410への冷却水の流通を遮断する。その後、この処理は終了する。なお、ヒータパイプ410への冷却水の流通を遮断する代わりに、ヒータパイプ410への流量を減少させてもよい。
以上のような構造、およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500の動作について説明する。
エンジン100の運転中において、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THが検出される(S1300)。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合は(S1302にてYES)、エンジン100の吸入吸気量が多く、そのため燃料噴射量も多い状態、すなわち負荷が大きい状態であるといえる。
この場合、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が高くなり、排気ガスの温度も高くなる。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度が上昇し易い状態にあるといえる。この場合、冷却水がヒータパイプ410に流通され、バイパスパイプ420への冷却水の流通が遮断される(S1304)。
冷却水がヒータパイプ410に流通され、バイパスパイプ420への冷却水の流通が遮断された場合、エキゾーストマニホールド108からの輻射熱により、冷却水が温められる。これにより、冷却水の温度上昇を促進して、ヒータ300の暖房性能を確保することができるとともに、エキゾーストマニホールド108の温度上昇を抑制することができる。
一方、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合は(S1302にてNO)、エンジン100の吸入吸気量が少なく、そのため燃料噴射量も少ない状態、すなわち負荷が小さい状態であるといえる。
この場合、高負荷時に比べて、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が低く、排気ガスの温度も低い。そのため、高負荷時に比べて、エキゾーストマニホールド108の温度が上昇し難い状態にあるといえる。この場合、冷却水がバイパスパイプ420に流通され、ヒータパイプ410への冷却水の流通が遮断される(S1306)。
冷却水がバイパスパイプ420に流通され、ヒータパイプ410への冷却水の流通が遮断された場合、エキゾーストマニホールド108からの輻射熱を冷却水が受熱することが抑制される。これにより、冷却水の温度が過度に上昇することが抑制され、冷却水の温度を適切な温度に保つことができる。また、エキゾーストマニホールド108の温度上昇の抑制を中止することができる。
ここで、低負荷時は、排気ガスの温度自体が高くないため、低負荷時に冷却水をバイパスパイプ420に流通させた場合と高負荷時に冷却水をヒータパイプ410に流通させた場合とでは、エキゾーストマニホールド108の温度に大きな差はない。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度変化を抑制して、エキゾーストマニホールド108が熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る温度調整装置のECUは、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも大きい場合、ヒータパイプに冷却水を流通してエキゾーストマニホールドの温度上昇を抑制する。一方、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合、ECUは、バイパスパイプに冷却水を流通してエキゾーストマニホールドの温度上昇の抑制を中止する。これにより、エキゾーストマニホールドの温度変化を抑制することができる。そのため、エキゾーストマニホールドが熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、エンジン100の負荷に関する値としてスロットル開度THに基づいて、冷却水が流れる方向を制御していたが、スロットル開度THの代わりにエンジン100の負荷率に基づいて、冷却水が流れる方向を制御してもよい。この場合、負荷率が予め定められた負荷率よりも高い場合、ヒータパイプ410に冷却水を流通させ、負荷率が予め定められた負荷率よりも低い場合、バイパスパイプ420に冷却水を流通させてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりに吸気圧に基づいて、冷却水が流れる方向を制御してもよい。この場合、吸気圧が予め定められた圧力よりも高い場合、ヒータパイプ410に冷却水を流通させ、吸気圧が予め定められた圧力よりも低い場合、バイパスパイプ420に冷却水を流通させてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりにシフトポジションに基づいて、冷却水が流れる方向を制御してもよい。この場合、シフトポジションが予め定められたシフトポジションである場合、ヒータパイプ410に冷却水を流通させ、そうでない場合、バイパスパイプ420に冷却水を流通させてもよい。
さらに、冷却水の温度が予め定められた温度よりも高い場合、バイパスパイプ420に冷却水を流通させてもよい。このように構成すれば、エンジン100のオーバーヒートを抑制することができる。
<第26の実施の形態>
図79を参照して、本発明の第26の実施の形態について説明する。前述の第25の実施の形態においては、スロットル開度THに基づいてヒータパイプとバイパスパイプとの分岐点に設けられたバルブを制御していた。本実施の形態においては、スロットル開度THおよび車速Vに基づいてヒータパイプとバイパスパイプとの分岐点に設けられたバルブを制御する。その他の構造については、前述の第25の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
図79を参照して、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500が実行するプログラムの制御構造について説明する。
S1350にて、ECU500は、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THを検出する。S1352にて、ECU500は、車速センサ522から送信された信号に基づいて、車速Vを検出する。
S1354にて、ECU500は、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低いか否かを判別する。スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合(S1354にてYES)、処理はS1356に移される。そうでない場合(S1354にてNO)、処理はS1358に移される。
S1356にて、ECU500は、ヒータパイプ410に冷却水を流通し、バイパスパイプ420への冷却水の流通を遮断する。その後、この処理は終了する。なお、バイパスパイプ420への冷却水の流通を遮断する代わりに、バイパスパイプ420への流量を減少させてもよい。
S1358にて、ECU500は、バイパスパイプ420に冷却水を流通し、ヒータパイプ410への冷却水の流通を遮断する。その後、この処理は終了する。なお、ヒータパイプへの冷却水の流通を遮断する代わりに、ヒータパイプ410への流量を減少させてもよい。
以上のような構造、およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る温度調整装置のECU500の動作について説明する。
エンジン100の運転中において、スロットルポジションセンサ504から送信された信号に基づいて、スロットル開度THが検出され(S1350)、車速センサ522から送信された信号に基づいて、車速Vが検出される(S1352)。
スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合は(S1354にてYES)、エンジン100の吸入吸気量が多く、そのため燃料噴射量も多い状態、すなわち負荷が大きい状態であり、かつ車両内(エンジンルーム内)に十分な量の外気が導入されない状態であるといえる。
この場合、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が高くなり、排気ガスの温度も高くなる。そのため、排気ガスからエキゾーストマニホールド108に熱が伝達され易い状態にあるといえる。また、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が不十分である状態であるといえる。この場合、冷却水がヒータパイプ410に流通され、バイパスパイプ420への冷却水の流通が遮断される(S1356)。
冷却水がヒータパイプ410に流通され、バイパスパイプ420への冷却水の流通が遮断された場合、エキゾーストマニホールド108からの輻射熱により、冷却水が温められる。これにより、冷却水の温度上昇を促進して、ヒータ300の暖房性能を確保することができるとともに、エキゾーストマニホールド108の温度上昇を抑制することができる。
一方、スロットル開度THが、予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合(S1354にてNO)、エンジン100の吸入吸気量が少なく、そのため燃料噴射量も少ない状態、すなわち負荷が小さい状態であるといえる。この場合、高負荷時に比べて、燃焼室112内の混合気の燃焼温度が低く、排気ガスの温度も低い。
また、車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合(S1354にてNO)、車両内(エンジンルーム内)に十分な量の外気が導入される状態であるといえる。この場合、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が十分に行なわれる。そのため、低負荷時や高車速時は、エキゾーストマニホールド108の温度が上昇し難い状態にあるといえる。この場合、冷却水がバイパスパイプ420に流通され、ヒータパイプ410への冷却水の流通が遮断される(S1358)。
冷却水がバイパスパイプ420に流通され、ヒータパイプ410への冷却水の流通が遮断された場合、エキゾーストマニホールド108からの輻射熱を冷却水が受熱することが抑制される。これにより、冷却水の温度が過度に上昇することが抑制され、冷却水の温度を適切な温度に保つことができる。また、エキゾーストマニホールド108の温度上昇の抑制を中止することができる。
ここで、低負荷時は、排気ガスの温度自体が高くなく、高車速時は、外気によるエキゾーストマニホールド108の冷却が十分に行なわれる。そのため、低負荷時や高車速時に冷却水をバイパスパイプ420に流通させた場合と高負荷時かつ低車速時に高負荷時に冷却水をヒータパイプ410に流通させた場合とでは、エキゾーストマニホールド108の温度に大きな差はない。そのため、エキゾーストマニホールド108の温度変化を抑制することができる。その結果、エキゾーストマニホールド108が熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る温度調整装置のECUは、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも大きく、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、ヒータパイプに冷却水を流通してエキゾーストマニホールドの温度上昇を抑制する。一方、スロットル開度THが予め定められた開度TH(0)よりも小さい場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、ECUは、バイパスパイプに冷却水を流通してエキゾーストマニホールドの温度上昇の抑制を中止する。これにより、エキゾーストマニホールドの温度変化を抑制することができる。そのため、エキゾーストマニホールドが熱膨張と収縮とを繰り返すことを抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、エンジン100の負荷に関する値としてスロットル開度THに基づいて、冷却水が流れる方向を制御していたが、スロットル開度THの代わりにエンジン100の負荷率に基づいて、冷却水が流れる方向を制御してもよい。この場合、負荷率が予め定められた負荷率よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、ヒータパイプ410に冷却水を流通させ、負荷率が予め定められた負荷率よりも低い場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、バイパスパイプ420に冷却水を流通させてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりに吸気圧に基づいて、冷却水が流れる方向を制御してもよい。この場合、吸気圧が予め定められた圧力よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、ヒータパイプ410に冷却水を流通させ、吸気圧が予め定められた圧力よりも低い場合や車速Vが予め定められた車速V(0)よりも高い場合、バイパスパイプ420に冷却水を流通させてもよい。
さらに、スロットル開度THの代わりにシフトポジションに基づいて、冷却水が流れる方向を制御してもよい。この場合、シフトポジションが予め定められたシフトポジションであり、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、ヒータパイプ410に冷却水を流通させ、そうでない場合、バイパスパイプ420に冷却水を流通させてもよい。
さらに、冷却水の温度が予め定められた温度よりも高く、かつ車速Vが予め定められた車速V(0)よりも低い場合、バイパスパイプ420に冷却水を流通させてもよい。このように構成すれば、エンジン100のオーバーヒートを抑制することができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の第1の実施の形態に係る温度調整装置を搭載した車両のエンジンを示す概略構成図(その1)である。 本発明の第1の実施の形態に係る温度調整装置を搭載した車両を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る温度調整装置のエンジンのシリンダをクランクシャフトの回転軸に対して垂直に切った断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る温度調整装置のバルブを示す図(その1)である。 本発明の第1の実施の形態に係る温度調整装置のバルブを示す図(その2)である。 バルブを開閉駆動させるアクチュエータを示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る温度調整装置を搭載した車両のエンジンを示す概略構成図(その2)である。 本発明の第1の実施の形態に係る温度調整装置のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る温度調整装置のバルブが閉じた状態を示す図(その1)である。 本発明の第1の実施の形態に係る温度調整装置のバルブが開いた状態を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る温度調整装置のバルブが閉じた状態を示す図(その2)である。 本発明の第2の実施の形態に係る温度調整装置のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係る温度調整装置のエンジンのシリンダをクランクシャフトの回転軸に対して垂直に切った断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る温度調整装置のバルブを示す図(その1)である。 本発明の第3の実施の形態に係る温度調整装置のバルブを示す図(その2)である。 本発明の第3の実施の形態に係る温度調整装置のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係る温度調整装置のバルブが開いた状態を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る温度調整装置のバルブが閉じた状態を示す図である。 本発明の第4の実施の形態に係る温度調整装置のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第5の実施の形態に係る温度調整装置のエンジンのシリンダをクランクシャフトの回転軸に対して垂直に切った断面図である。 本発明の第5の実施の形態に係る温度調整装置のバルブを示す図(その1)である。 本発明の第5の実施の形態に係る温度調整装置のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第5の実施の形態に係る温度調整装置のバルブが閉じた状態を示す図である。 本発明の第5の実施の形態に係る温度調整装置のバルブが開いた状態を示す図(その1)である。 本発明の第5の実施の形態に係る温度調整装置のバルブが開いた状態を示す図(その2)である。 本発明の第5の実施の形態に係る温度調整装置のバルブを示す図(その2)である。 本発明の第6の実施の形態に係る温度調整装置のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第7の実施の形態に係る温度調整装置のエンジンのシリンダをクランクシャフトの回転軸に対して垂直に切った断面図である。 本発明の第7の実施の形態に係る温度調整装置のバルブを示す図(その1)である。 本発明の第7の実施の形態に係る温度調整装置のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第7の実施の形態に係る温度調整装置のバルブが開いた状態を示す図(その1)である。 本発明の第7の実施の形態に係る温度調整装置のバルブが閉じた状態を示す図である。 本発明の第7の実施の形態に係る温度調整装置のバルブが開いた状態を示す図(その2)である。 本発明の第7の実施の形態に係る温度調整装置のバルブを示す図(その2)である。 本発明の第8の実施の形態に係る温度調整装置のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第9の実施の形態に係る温度調整装置のエンジンのシリンダをクランクシャフトの回転軸に対して垂直に切った断面図である。 本発明の第9の実施の形態に係る温度調整装置のバルブを示す図である。 本発明の第9の実施の形態に係る温度調整装置のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第9の実施の形態に係る温度調整装置のバルブが開いた状態を示す図である。 本発明の第9の実施の形態に係る温度調整装置のバルブが断熱部材側に閉じた状態を示す図である。 本発明の第10の実施の形態に係る温度調整装置のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第11の実施の形態に係る温度調整装置のバルブが開いた状態を示す図である。 本発明の第11の実施の形態に係る温度調整装置のバルブを示す図である。 本発明の第11の実施の形態に係る温度調整装置のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第11の実施の形態に係る温度調整装置のバルブが開いた状態を示す図である。 本発明の第11の実施の形態に係る温度調整装置のバルブがフィン側に閉じた状態を示す図である。 本発明の第11の実施の形態に係る温度調整装置のバルブが断熱部材側に閉じた状態を示す図である。 本発明の第12の実施の形態に係る温度調整装置のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第13の実施の形態に係る温度調整装置の排気ポートを、排気ガスが流れる方向に対して垂直に切った断面図(その1)である。 本発明の第13の実施の形態に係る温度調整装置の排気ポートを、排気ガスが流れる方向に対して垂直に切った断面図(その2)である。 本発明の第13の実施の形態に係る温度調整装置のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第13の実施の形態に係る温度調整装置の排気ポートを、排気ガスが流れる方向に対して垂直に切った断面図(その3)である。 本発明の第13の実施の形態に係る温度調整装置の排気ポートを、排気ガスが流れる方向に対して垂直に切った断面図(その4)である。 本発明の第14の実施の形態に係る温度調整装置のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第15の実施の形態に係る温度調整装置を搭載した車両のエンジンを示す概略構成図である。 本発明の第15の実施の形態に係る温度調整装置のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第16の実施の形態に係る温度調整装置のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第17の実施の形態に係る温度調整装置が搭載された車両のエンジンを示す平面図である。 図58におけるA−A断面を示す断面図(その1)である。 図58におけるA−A断面を示す断面図(その2)である。 本発明の第17の実施の形態に係る温度調整装置のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第18の実施の形態に係る温度調整装置のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第19の実施の形態に係る温度調整装置が搭載された車両のエンジンを示す平面図である。 図63におけるB−B断面を示す断面図である。 本発明の第19の実施の形態に係る温度調整装置のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第20の実施の形態に係る温度調整装置のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第21の実施の形態に係る温度調整装置が搭載された車両のエンジンを示す平面図である。 エキゾーストマニホールドを示す斜視図である。 本発明の第21の実施の形態に係る温度調整装置のインシュレータの開口部がエキゾーストマニホールド側に向かって位置した場合を示す図である。 本発明の第21の実施の形態に係る温度調整装置のインシュレータの開口部がエキゾーストマニホールドの反対側に向かって位置した場合を示す図である。 本発明の第21の実施の形態に係る温度調整装置のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第22の実施の形態に係る温度調整装置のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第23の実施の形態に係る温度調整装置のヒータパイプがエキゾーストマニホールドに当接した状態を示す図である。 本発明の第23の実施の形態に係る温度調整装置のヒータパイプがエキゾーストマニホールドから離間した状態を示す図である。 本発明の第23の実施の形態に係る温度調整装置のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第24の実施の形態に係る温度調整装置のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第25の実施の形態に係る温度調整装置が搭載された車両のエンジンを示す平面図である。 本発明の第25の実施の形態に係る温度調整装置のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第26の実施の形態に係る温度調整装置のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
符号の説明
100 エンジン、102 シリンダブロック、104 シリンダヘッド、106 ウォータポンプ、108 エキゾーストマニホールド、110 三元触媒、112 燃焼室、120 吸気ポート、122 吸気バルブ、130 排気ポート、132 排気バルブ、134 一方端、136 他方端、138 曲り部、140,142 ウォータジャケット、150 アクチュエータ、152 ダイヤフラム、154 ハウジング、156 ロッド、158 大気圧室、160 負圧室、162 コイルバネ、164 バキュームタンク、166 スイッチングバルブ、168 チェック弁、170 左バンク、172 右バンク、174 空間、200 ラジエータ、202 サーモスタット、300 ヒータ、302 空調装置、306 他方端、400 冷却水通路、410 ヒータパイプ、420 バイパスパイプ、500 ECU、502 スロットルバルブ、504 スロットルポジションセンサ、508 吸気管、506 エアフローメータ、510 吸気圧センサ、512 水温センサ、516 アクセルポジションセンサ、518 シフトレバー、520 ポジションスイッチ、522 車速センサ、1000,1100,2000,3000,4000,5000,7006,8000,13000 バルブ、1002,1102,2002,3002,4002,5002 弁軸、1004,1104,2004,3004,4004,5004 弁体、1006,2006,3006,4006,5006 軸受け部材、1008,2008,3008,4008,5008 回転軸、2010,4010,4200 開口部、2100,3200,6000 フィン、
3100,4100 ガス案内管、5100 断熱部材、7000 オイルポンプ、7002 オイル通路、7004 堰、7008 流出通路、7010 オイル通路、7012 三方弁、8002 第1の流路、8004 第2の流路、9000 ウォータジャケット、9002 内壁、9100 ウォータジャケットスペーサ、9200 アクチュエータ、9202 ロッド、9300 シリンダ、9302 ボア壁、10000 フロントグリル、10002 フロントエアガイド、10004 リヤエアガイド、10006 ラジエータアセンブリ、10008 シャッタ、10010 バンパーレインフォースメント、11000 インシュレータ、11002 開口部、11100 アクチュエータ、12000 パイプ移動装置、12002 当接部。

Claims (27)

  1. 内燃機関に接続された排気管の温度を調整するための調整手段と、
    前記内燃機関の負荷に関する情報を検出するための検出手段と、
    前記負荷に関する情報が予め定められた負荷に関する条件を満たす場合、第1のモードで前記排気管の温度を調整するように前記調整手段を制御し、前記予め定められた負荷に関する条件を満たさない場合は、前記第1のモードに比べて前記排気管の温度上昇が促進される第2のモードで前記排気管の温度を調整するように前記調整手段を制御するための制御手段とを含む、排気管の温度調整装置。
  2. 前記温度調整装置は、車両の車速を検出するための手段をさらに含み、
    前記制御手段は、前記予め定められた負荷に関する条件に加え、前記検出された車速が予め定められた車速よりも低いという条件が満たされた場合、前記第1のモードで前記排気管の温度を調整するように前記調整手段を制御し、前記予め定められた負荷に関する条件および前記車速が前記予め定められた車速よりも低いという条件の少なくともいずれか一方の条件が満たされない場合、前記第2のモードで前記排気管の温度を調整するように前記調整手段を制御するための手段を含む、請求項1に記載の排気管の温度調整装置。
  3. 前記負荷に関する情報は、スロットル開度であって、
    前記予め定められた負荷に関する条件は、前記スロットル開度が前記予め定められたスロットル開度よりも大きいという条件である、請求項1または2に記載の排気管の温度調整装置。
  4. 前記負荷に関する情報は、前記内燃機関の負荷率であって、
    前記予め定められた負荷に関する条件は、前記負荷率が予め定められた負荷率よりも大きいという条件である、請求項1または2に記載の排気管の温度調整装置。
  5. 前記負荷に関する情報は、前記内燃機関に吸入される空気の圧力であって、
    前記予め定められた負荷に関する条件は、前記圧力が予め定められた圧力よりも高いという条件である、請求項1または2に記載の排気管の温度調整装置。
  6. 前記調整手段は、前記内燃機関の排気ポートに流れる排気ガスの流速分布が変化するように、前記排気ポート内に設けられたバルブを含み、
    前記制御手段は、前記第1のモードで前記排気管の温度を調整する場合、前記バルブを開いた状態と比較して、前記排気ポートの内周面に沿って流れる排気ガスの流速が大きくなるように前記バルブを制御し、前記第2のモードで前記排気管の温度を調整する場合、前記バルブを開いた状態にするための手段を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の排気管の温度調整装置。
  7. 前記調整手段は、
    前記内燃機関の排気ポートに流れる排気ガスの流速分布が変化するように、前記排気ポート内に設けられたバルブと、
    前記バルブに対して前記排気ポートに流れる排気の下流側に位置するように、前記排気ポートの内周面に設けられた吸熱部材とを含み、
    前記制御手段は、前記第1のモードで前記排気管の温度を調整する場合、前記バルブを開いた状態に制御し、前記第2のモードで前記排気管の温度を調整する場合、前記バルブを開いた状態と比較して、前記吸熱部材に沿って流れる排気ガスの流速が小さくなるように前記バルブを制御するための手段を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の排気管の温度調整装置。
  8. 前記バルブは、リング形状である、請求項7に記載の排気管の温度調整装置。
  9. 前記吸熱部材は、フィンである、請求項7または8に記載の排気管の温度調整装置。
  10. 前記調整手段は、
    前記内燃機関の排気ポートの内周面から離隔し、前記排気ポートに沿って延びるように設けられた筒状部材と、
    前記筒状部材の内周面よりも径方向で内側に設けられたバルブとを含み、
    前記制御手段は、前記第1のモードで前記排気管の温度を調整する場合、前記バルブを閉じた状態にし、前記第2のモードで前記排気管の温度を調整する場合、前記バルブを開いた状態にするための手段を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の排気管の温度調整装置。
  11. 前記調整手段は、前記内燃機関の排気ポートに流れる排気ガスの流速分布が変化するように、前記排気ポート内に設けられたバルブを含み、
    前記制御手段は、前記第1のモードで前記排気管の温度を調整する場合、前記バルブを開いた状態に制御し、前記第2のモードで前記排気管の温度を調整する場合、前記バルブを開いた状態と比較して、前記排気ポートの内周面に沿って流れる排気の流速が小さくなるように前記バルブを制御するための手段を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の排気管の温度調整装置。
  12. 前記バルブは、リング形状である、請求項11に記載の排気管の温度調整装置。
  13. 前記調整手段は、前記バルブに加えて、前記バルブに対して前記排気ポートに流れる排気の下流側に設けられ、前記排気ポートの内周面と離隔し、前記排気ポートに沿って延びるように設けられた筒状部材を含む、請求項11または12に記載の排気管の温度調整装置。
  14. 前記調整手段は、
    前記内燃機関の排気ポートに流れる排気ガスの流速分布が変化するように、前記排気ポート内に設けられたバルブと、
    前記排気ポートの内周面に沿って、前記内周面の一部に設けられた断熱部材とを含み、
    前記制御手段は、前記第1のモードで前記排気管の温度を調整する場合、前記第2のモードで前記排気管の温度を調整する場合に比べて前記断熱部材の反対側の内周面に沿って流れる排気ガスの流速が大きくなるように前記バルブを制御し、前記第2のモードで前記排気管の温度を調整する場合、前記第1のモードで前記排気管の温度を調整する場合に比べて前記断熱部材に沿って流れる排気の流速が大きくなるように前記バルブを制御するための手段を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の排気管の温度調整装置。
  15. 前記調整手段は、前記バルブおよび前記断熱部材に加えて、前記断熱部材の反対側の内周面に沿って、前記内周面の一部に設けられた吸熱部材を含む、請求項14に記載の排気管の温度調整装置。
  16. 前記吸熱部材はフィンである、請求項15に記載の排気管の温度調整装置。
  17. 前記調整手段は、
    オイルが流れることにより、前記内燃機関の排気ポートを流れる排気ガスと前記オイルとの間で熱交換が行なわれるように設けられたオイル通路と、
    前記オイル通路へのオイルの流入を制御するバルブとを含み、
    前記制御手段は、前記第1のモードで前記排気管の温度を調整する場合、前記オイル通路にオイルが流入するように、前記バルブを制御し、前記第2のモードで前記排気管の温度を調整する場合、前記オイル通路へのオイルの流入を抑制するように前記バルブを制御するための手段を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の排気管の温度調整装置。
  18. 前記排気ポートは複数設けられ、
    前記オイル通路は、隣合う排気ポートの間を通るように設けられる、請求項17に記載の排気管の温度調整装置。
  19. 前記オイル通路は、前記排気ポートを横切るように設けられる、請求項17に記載の排気管の温度調整装置。
  20. 前記温度調整装置は、前記オイル通路からオイルを流出させる流出通路をさらに含む、請求項17〜19のいずれかに記載の排気管の温度調整装置。
  21. 前記調整手段は、
    前記内燃機関のシリンダブロックおよびシリンダヘッドを流通した冷却水が、前記シリンダヘッドから流出する第1の流路と、
    前記シリンダブロックを流通した冷却水が、前記シリンダブロックから流出する第2の流路と、
    前記シリンダブロックから前記第2の流路に流出する冷却水を制御するバルブとを含み、
    前記制御手段は、前記第1のモードで前記排気管の温度を調整する場合、前記シリンダブロックから前記第2の流路に冷却水が流出するように、前記バルブを制御し、前記第2のモードで前記排気管の温度を調整する場合、前記シリンダブロックから前記第2の流路に流出する冷却水を抑制するように前記バルブを制御するための手段を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の排気管の温度調整装置。
  22. 前記調整手段は、
    前記内燃機関に形成されたウォータジャケットと、
    前記ウォータジャケット内において、第1の位置および前記第1の位置よりも前記内燃機関の気筒に近接した第2の位置の間を移動可能に設けられた断熱部材とを含み、
    前記制御手段は、前記第1のモードで前記排気管の温度を調整する場合、前記断熱部材を前記第1の位置にし、前記第2のモードで前記排気管の温度を調整する場合、前記断熱部材を前記第2の位置にするための手段を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の排気管の温度調整装置。
  23. 前記調整手段は、
    前記内燃機関の端部に対して空気を導く第1のガイドと、
    前記第1のガイドにより空気が導かれた端部とは反対側の端部から車室内に空気を導く第2のガイドと、
    前記第1のガイドおよび前記第2のガイドの少なくともいずれか一方により導かれる空気の流れを調整する弁体とを含み、
    前記制御手段は、前記第1のモードで前記排気管の温度を調整する場合、前記弁体が開いた状態に比べて前記空気の流れを抑制し、前記第2のモードで前記排気管の温度を調整する場合、前記弁体を開いた状態にするための手段を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の排気管の温度調整装置。
  24. 前記内燃機関は、クランクシャフトが車両前後方向を指向するように設けられたV型エンジンであり、
    前記第1のガイドは前記V型エンジンの前端に対して空気を導き、
    前記第2のガイドは前記V型エンジンの後端から前記車室内に空気を導く、請求項23に記載の排気管の温度調整装置。
  25. 前記温度調整装置は、前記内燃機関を冷却する冷却媒体が流通し、前記排気管からの輻射熱を受熱するように設けられたパイプをさらに含み、
    前記調整手段は、前記パイプが受熱する熱量を調整するための手段を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の排気管の温度調整装置。
  26. 前記調整手段は、第1の位置および前記第1の位置よりも前記パイプが受熱する熱量を抑制する第2の位置の間を移動可能に設けられた断熱部材とを含み、
    前記制御手段は、前記第1のモードで前記排気管の温度を調整する場合、前記断熱部材を前記第1の位置にし、前記第2のモードで前記排気管の温度を調整する場合、前記断熱部材を前記第2の位置にするための手段を含む、請求項25に記載の排気管の温度調整装置。
  27. 前記調整手段は、前記パイプを、第1の位置および前記第1の位置よりも前記排気管から離隔した第2の位置の間で移動させるための手段を含み、
    前記制御手段は、前記第1のモードで前記排気管の温度を調整する場合、前記断熱部材を前記第1の位置にし、前記第2のモードで前記排気管の温度を調整する場合、前記パイプを前記第2の位置にするための手段を含む、請求項25に記載の排気管の温度調整装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110500169A (zh) * 2019-09-20 2019-11-26 潍柴动力股份有限公司 一种改善排放的整车热管理控制方法及装置

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