JP2006200412A - 内燃機関のノッキング判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ノッキングが発生したか否かを精度よく判定する。
【解決手段】 エンジンECUは、記憶された振動波形とフューエルカット状態において検出された振動波形とから算出される補正係数により、フューエルカット状態とは異なる運転状態の振動波形を補正するステップ(S106)と、補正後の振動波形とノック波形モデルとから振動波形とノック波形との偏差に関する値である相関係数Kを算出するステップ(S110)と、相関係数に基づいてノック強度を算出するステップ(S112)と、ノック強度が予め定められた判定値よりも大きい場合(S114にてYES)、ノッキングが発生したと判定するステップ(S116)と、ノック強度が予め定められた判定値よりも大きくない場合(S114にてNO)、ノッキングが発生していないと判定するステップ(S120)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、ノッキング判定装置に関し、特に、内燃機関の振動の波形に基づいて、ノッキングが発生したか否かを判定する内燃機関のノッキング判定装置に関する。
従来より、内燃機関のノッキングを検出する技術が知られている。特開2001−227400号公報(特許文献1)は、ノッキングの発生の有無を正確に判定することができる内燃機関用ノック制御装置を開示する。特許文献1に記載の内燃機関用ノック制御装置は、内燃機関で発生する振動波形信号を検出する信号検出部と、信号検出部で検出された振動波形信号が予め定められた値以上となる期間を発生期間として検出する発生期間検出部と、発生期間検出部で検出された発生期間におけるピーク値を検出するピーク値検出部と、発生期間とピーク値との関係に基づき内燃機関におけるノック発生の有無を判定するノック判定部と、ノック判定部による判定結果に応じて内燃機関の運転状態を制御するノック制御部とを含む。ノック判定部は、ピーク値と発生期間との比が予め定められた範囲内にあるときにはノック発生有りと判定する。
この公報に記載の内燃機関用ノック制御装置によれば、内燃機関で発生する振動波形信号が信号検出部で検出され、その振動波形信号が予め定められた値以上となる発生期間とそのピーク値とが発生期間検出部およびピーク値検出部でそれぞれ検出される。このように、振動波形信号の発生期間とそのピーク値とが分かることで内燃機関におけるノック発生の有無がノック判定部にて判定され、このノック判定結果に応じて内燃機関の運転状態が制御される。ノック判定部では、ピーク値と発生期間との比が予め定められた範囲内にあるとき、すなわち、振動波形信号の予め定められた長さの発生期間に対してピーク値が大きな波形形状であるときには、ノック発生時に特有のものであると認識される。これにより、内燃機関の運転状態が急変する過渡時や電気負荷のON/OFF時においても、内燃機関におけるノック発生の有無が正確に判定され、内燃機関の運転状態を適切に制御することができる。
特開2001−227400号公報
しかしながら、内燃機関で検出される振動の強度(大きさ)には、内燃機関の個体差によるバラツキがある。すなわち、同じ運転状態でノッキングが発生した場合であっても、内燃機関の寸法やノックセンサなどの公差により、内燃機関によって検出される強度が高かったり、低かったりする。このような場合、特開2001−227400号公報に記載の内燃機関用ノック制御装置では、ノッキングが発生しているにも関わらず、ピーク値が低く検出されたため、ノッキングが発生していないと誤判定されるおそれがあるという問題点があった。また、ノッキングが発生していないにも関わらず、ピーク値が高く検出されたため、ノッキングが発生したと誤判定されるおそれがあるという問題点があった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ノッキングが発生したか否かを精度よく判定することができるノッキング判定装置を提供することである。
第1の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置は、内燃機関のクランク角を検出するためのクランク角検出手段と、クランク角についての予め定められた間隔における内燃機関の振動の波形を検出するための波形検出手段と、ノッキングが発生しない予め定められた運転状態における振動の波形として予め作成された第1の波形を記憶するための手段と、予め定められた運転状態において検出された波形および第1の波形を比較した結果に基づいて、予め定められた運転状態とは異なる運転状態において検出された波形を補正するための補正手段と、ノッキングが発生する場合の振動の波形として予め作成された第2の波形を記憶するための手段と、補正された波形と第2の波形とを比較した結果に基づいて、内燃機関にノッキングが発生したか否かを判定するための判定手段とを含む。
第1の発明によると、ノッキングが発生しない予め定められた運転状態(たとえば内燃機関への燃料供給が停止したという運転状態)において検出された波形および第1の波形を比較した結果に基づいて、予め定められた運転状態とは異なる運転状態において検出された波形が補正される。これにより、検出された波形における振動の強度が第1の波形における振動の強度よりも高く検出される傾向がある場合は、検出された波形における振動の強度を低くし、低く検出される傾向がある場合は、検出された波形における振動の強度を高くすることができる。そのため、検出される波形における振動の強度について、内燃機関の個体差によるバラツキを抑制することができる。このようにして補正された波形と第2の波形とが比較されて、ノッキングが発生したか否かが判定される。これにより、ノッキングが発生しているにも関わらず、振動の強度が低く検出されたため、ノッキングが発生していないと誤判定されることを抑制することができる。また、ノッキングが発生していないにも関わらず、振動の強度が高く検出されたため、ノッキングが発生したと誤判定されることを抑制することができる。そのため、精度よくノッキングが発生したか否かを判定することができる。その結果、精度よくノッキングが発生したか否かを判定することができるノッキング判定装置を提供することができる。
第2の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置においては、第1の発明の構成に加え、予め定められた運転状態は、内燃機関への燃料供給が停止しているという運転状態である。
第2の発明によると、フューエルカット状態において検出された波形と第1の波形とを比較することができる。フューエルカット状態では、燃焼室内に燃料が噴射されていないため、ノッキングが発生することがない。このようなフューエルカット状態において検出された波形と第1の波形とを比較することにより、検出される波形における振動の強度について、内燃機関の個体差によるバラツキを精度よく検出することができる。これにより、フューエルカット状態とは異なる運転状態で検出された波形を精度よく補正することができる。
第3の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置においては、第1または2の発明の構成に加え、補正手段は、予め定められた間隔よりも小さい間隔ごとに検出された波形を補正するための手段を含む。
第3の発明によると、検出された波形を詳細に補正することができる。
第4の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置においては、第1〜3の発明の構成に加え、第1の波形および第2の波形は、公差が中央値になるように製造された内燃機関の振動を検出することにより作成される。
第4の発明によると、第1の波形および第2の波形が、公差が中央値になるように製造された内燃機関(特性中央エンジン)の振動を検出することにより作成される。これにより、汎用性の高い第1の波形および第2の波形を作成することができる。そのため、特性中央エンジンの振動に基づいて作成された第1の波形および第2の波形を、複数の内燃機関(エンジン)について使用することができる。その結果、製造工数および製造コストを抑制することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るノッキング判定装置を搭載した車両のエンジン100について説明する。本実施の形態に係るノッキング判定装置は、たとえばエンジンECU(Electronic Control Unit)200が実行するプログラムにより実現される。
エンジン100は、エアクリーナ102から吸入された空気とインジェクタ104から噴射される燃料との混合気を、燃焼室内で点火プラグ106により点火して燃焼させる内燃機関である。
混合気が燃焼すると、燃焼圧によりピストン108が押し下げられ、クランクシャフト110が回転する。燃焼後の混合気(排気ガス)は、三元触媒112により浄化された後、車外に排出される。エンジン100に吸入される空気の量は、スロットルバルブ114により調整される。
エンジン100は、エンジンECU200により制御される。エンジンECU200には、ノックセンサ300と、水温センサ302と、タイミングロータ304に対向して設けられたクランクポジションセンサ306と、スロットル開度センサ308と、車速センサ310と、イグニッションスイッチ312とが接続されている。
ノックセンサ300は、圧電素子により構成されている。ノックセンサ300は、エンジン100の振動により電圧を発生する。電圧の大きさは、振動の大きさと対応した大きさとなる。ノックセンサ300は、電圧を表す信号をエンジンECU200に送信する。水温センサ302は、エンジン100のウォータージャケット内の冷却水の温度を検出し、検出結果を表す信号を、エンジンECU200に送信する。
タイミングロータ304は、クランクシャフト110に設けられており、クランクシャフト110と共に回転する。タイミングロータ304の外周には、予め定められた間隔で複数の突起が設けられている。クランクポジションセンサ306は、タイミングロータ304の突起に対向して設けられている。タイミングロータ304が回転すると、タイミングロータ304の突起と、クランクポジションセンサ306とのエアギャップが変化するため、クランプポジションセンサ306のコイル部を通過する磁束が増減し、コイル部に起電力が発生する。クランクポジションセンサ306は、起電力を表す信号を、エンジンECU200に送信する。エンジンECU200は、クランクポジションセンサ306から送信された信号に基づいて、クランク角を検出する。
スロットル開度センサ308は、スロットル開度を検出し、検出結果を表す信号をエンジンECU200に送信する。車速センサ310は、車輪(図示せず)の回転数を検出し、検出結果を表す信号をエンジンECU200に送信する。エンジンECU200は、車輪の回転数から、車速を算出する。イグニッションスイッチ312は、エンジン100を始動させる際に、運転者によりオン操作される。
エンジンECU200は、各センサおよびイグニッションスイッチ312から送信された信号、メモリ202に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて演算処理を行ない、エンジン100が所望の運転状態となるように、機器類を制御する。
本実施の形態において、エンジンECU200は、ノックセンサ300から送信された信号およびクランク角に基づいて、予め定められたノック検出ゲート(予め定められた第1クランク角から予め定められた第2クランク角までの区間)におけるエンジン100の振動の波形(以下、振動波形と記載する)を検出し、検出された振動波形に基づいて、エンジン100にノッキングが発生したか否かを判定する。本実施の形態におけるノック検出ゲートは、燃焼行程において上死点(0度)から90度までである。なお、ノック検出ゲートはこれに限らない。
ノッキングが発生したか否かを判定するため、エンジンECU200のメモリ202には、図2に示すように、エンジン100にノッキングが発生した場合の振動波形のモデルであるノック波形モデルが記憶されている。
ノック波形モデルにおいて、振動の強度は0〜1の無次元数として表され、振動の強度はクランク角と一義的には対応していない。すなわち、本実施の形態のノック波形モデルにおいては、振動の強度のピーク値以降、クランク角が大きくなるにつれ振動の強度が低減することが定められているが、振動の強度がピーク値となるクランク角は定められていない。また、ノック波形モデルは、各周波数帯の振動の合成波である。なお、図2におけるCAは、クランク角(Crank Angle)を示す。
本実施の形態におけるノック波形モデルは、ノッキングにより発生した振動の強度のピーク値以降の振動に対応している。なお、図3に示すように、ノッキングに起因した振動の立ち上がり以降の振動に対応したノック波形モデルを記憶してもよい。
ノック波形モデルは、実験などにより、強制的にノッキングを発生させた場合におけるエンジン100の振動波形を検出し、この振動波形に基づいて予め作成されて記憶される。
ノック波形モデルは、エンジン100の寸法やノックセンサ300の出力値が、寸法公差やノックセンサ300の出力値の公差の中央値であるエンジン100(以下、特性中央エンジンと記載する)を用いて作成される。すなわち、ノック波形モデルは、特性中央エンジンに強制的にノッキングを発生させた場合における振動波形である。
なお、ノック波形モデルを作成する方法は、これに限られず、その他、シュミレーションにより作成してもよい。エンジンECU200は、検出された波形と記憶されたノック波形モデルとを比較して、エンジン100にノッキングが発生したか否かを判定する。
また、メモリ202には、ノック波形モデルの他、図4に示すように、特性中央エンジンをフューエルカット状態(クランクシャフト110は回転しているが、燃料供給が停止された状態)で運転させた場合における振動波形が記憶される。振動波形における振動の強度は、ノックセンサ300の出力電圧値(振動の強度を表す値)を、クランク角で5度ごとに(5度分だけ)積算した値(以下、積算値と記載する)により表される。なお、振動の強度を、ノックセンサ300の出力電圧値と対応した値により表してもよい。
積算値の算出は、フューエルカット状態における各周波数帯の振動ごとに積算値が算出された後、各周波数帯の振動ごとの積算値が合成されることにより行なわれる。これにより、フューエルカット状態における特性中央エンジンの振動波形が検出される(作成される)。
なお、図4においては、振動波形を矩形的に表しているが、各積算値を線で結び、線を用いて振動の波形を表してもよい。また、各積算値のみを点で表して振動波形を表してもよい。さらに、シュミレーションによりフューエルカット状態における振動波形を作成してもよい。
本実施の形態においては、後述するように、フューエルカット状態における特性中央エンジンの振動波形を用いて、フューエルカット状態とは異なる運転状態(たとえば加速時)におけるエンジン100の振動波形を補正する。
図5を参照して、本実施の形態に係るノッキング判定装置において、エンジンECU200が実行するプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、エンジンECU200は、ノックセンサ300から送信された信号に基づいて、エンジン100の振動の強度を検出する。振動の強度は、ノックセンサ300の出力電圧値で表される。なお、ノックセンサ300の出力電圧値と対応した値で振動の強度を表してもよい。強度の検出は、燃焼行程において上死点から90度(クランク角で90度)までの間で行なわれる。
S102にて、エンジンECU200は、フューエルカット状態における積算値が算出されたか否か、すなわちフューエルカット状態におけるエンジン100の振動波形が検出されたか否かを判別する。エンジン100の運転状態はエンジンECU200が決定し、積算値の算出はエンジンECU200が行なうため、フューエルカット状態における積算値が算出されたか否かはエンジンECU200の内部で判別される。フューエルカット状態における積算値が算出された場合(S102にてYES)、処理はS104に移される。そうでない場合(S102にてNO)、処理はS100に移される。
S104にて、エンジンECU200は振動波形の補正係数を算出する。補正係数の算出は、積算値が算出されるクランク角ごと(5度ごと)に行なわれる。補正係数は、たとえば、メモリ202に記憶されたフューエルカット状態における特性中央エンジンの振動波形の積算値を、フューエルカット状態において検出された振動波形の積算値で除算することにより算出される。なお、補正係数の算出方法はこれに限らない。
S106にて、エンジンECU200は、フューエルカット状態とは異なる運転状態(たとえば加速時)において算出された積算値(検出された振動波形)を補正する。積算値の補正は、たとえば、算出された積算値に、対応するクランク角の補正係数を乗算することにより、各クランク角について行なわれる。
S108にて、エンジンECU200は、検出された振動波形の正規化を行なう。ここで、振動波形の正規化とは、補正後の積算値の最大値で各積算値で除算することにより、図6に示すように振動の強度を0〜1の無次元数で表すことである。
図5に戻って、S110にて、エンジンECU200は、正規化された振動波形とノック波形モデルとの偏差に関する値である相関係数Kを算出する。正規化後の振動波形において振動の強度が最大になるタイミングとノック波形モデルにおいて振動の強度が最大になるタイミングとを一致させた状態で、正規化後の振動波形とノック波形モデルとの偏差の絶対値(ズレ量)をクランク角ごと(5度ごと)に算出することにより、相関係数Kが算出される。
正規化後の振動波形とノック波形モデルとのクランク角ごとの偏差の絶対値をΔS(I)(Iは自然数)とし、ノック波形モデルにおける振動の強度をクランク角で積分した値(ノック波形モデルの面積)をSとおくと、相関係数Kは、K=(S−ΣΔS(I))/Sという方程式により算出される。ここで、ΣΔS(I)は、上死点から90度までのΔS(I)の総和である。なお、相関係数Kの算出方法はこれに限らない。
S112にて、エンジンECU200は、ノック強度Nを算出する。補正後の積算値の最大値をPとし、エンジン100にノッキングが発生していない状態におけるエンジン100の振動の強度を表す値をBGL(Back Ground Level)とおくと、ノック強度Nは、N=P×K/BGLという方程式で算出される。BGLはメモリ202に記憶されている。なお、ノック強度Nの算出方法はこれに限らない。
S114にて、エンジンECU200は、ノック強度Nが予め定められた判定値よりも大きいか否かを判別する。ノック強度Nが予め定められた判定値よりも大きい場合(S114にてYES)、処理はS116に移される。そうでない場合(S114にてNO)、処理はS120に移される。
S116にて、エンジンECU200は、エンジン100にノッキングが発生したと判定する。S118にて、エンジンECU200は、点火時期を遅角する。S120にて、エンジンECU200は、エンジン100にノッキングが発生していないと判定する。S122にて、エンジンECU200は、点火時期を進角する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係るノッキング判定装置のエンジンECU200の動作について説明する。
運転者がイグニッションスイッチ312をオン操作し、エンジン100が始動すると、ノックセンサ300から送信された信号に基づいて、エンジン100の振動の強度が検出される(S100)。
燃焼行程における上死点から90度までの間において、5度ごとの積算値が各周波数ごとに算出され、各周波数ごとに算出された積算値が合成される。これにより、エンジン100の振動波形が検出される。
5度ごとの積算値により振動波形を検出することにより、振動の強度が細かく変化する複雑な形状の振動波形が検出されることを抑制することができる。そのため、検出された振動波形とノック波形モデルとの比較を容易にすることができる。
図7において実線で示すように、フューエルカット状態における積算値が算出された場合(S102にてYES)、すなわちフューエルカット状態における振動波形が検出された場合、フューエルカット状態における特性中央エンジンの振動波形(図7における破線)の積算値を、検出された振動波形における積算値で各クランク角ごとに(5度ごとに)除算することにより、補正係数が算出される(S104)。
フューエルカット状態とは異なる運転状態の振動波形における積算値に、算出された補正係数が乗算され、算出された積算値(検出された振動波形)が補正される(S106)。積算値の補正は、各クランク角ごと(5度ごと)に行なわれる。これにより算出された積算値、すなわち検出された振動波形を詳細に補正することができる。
ここでは、図7に示すように、検出された振動波形における積算値(実線)が特性中央エンジンの振動波形における積算値(破線)よりも小さいと想定する。この場合、補正係数が1以上の値として算出されるため、図8に示すように、算出された積算値(破線)が実線で示す値まで大きくされる。
これにより、エンジン100の個体差による振動の強度のバラツキを補正することができる。なお、検出された振動波形における積算値が特性中央エンジンの振動波形における積算値よりも大きい場合は、算出された積算値を小さくするように補正すればよい。
このようにして補正された積算値の最大値を用いて振動波形の正規化が行なわれる(S108)。ここでは、15度から20度までの積算値を用いて正規化が行なわれたと想定する。
正規化では、各クランク角における積算値が15度から20度までの積算値で除算され、図9に示すように、振動波形における振動の強度が0〜1の無次元数で表される。この正規化により、振動の強度に関係なく検出された振動波形とノック波形モデルとの比較を行なうことができる。そのため、振動の強度に対応した多数のノック波形モデルを記憶しておく必要がなく、ノック波形モデルの作成を容易にすることができる。
図9に示すように、正規化後の振動波形において振動の強度が最大になるタイミングとノック波形モデルにおいて振動の強度が最大になるタイミングとを一致させ、この状態で、正規化後の振動波形とノック波形モデルとのクランク角ごとの偏差の絶対値ΔS(I)が算出される。このΔS(I)の総和ΣΔS(I)およびノック波形モデルにおいて振動の強度をクランク角で積分した値Sに基づいて、K=(S−ΣΔS(I))/Sにより相関係数Kが算出される(S110)。これにより、検出された振動波形とノック波形モデルとの一致度合を数値化して客観的に判定することができる。
さらに、算出された相関係数Kと補正後の積算値の最大値Pとの積をBGLで除算することにより、ノック強度Nが算出される(S112)。これにより、検出された振動波形とノック波形モデルとの一致度合に加えて、振動の強度に基づいて、エンジン100の振動がノッキングに起因した振動であるか否かをより詳細に分析することができる。
ノック強度Nが予め定められた判定値よりも大きい場合(S114にてYES)、ノッキングが発生したと判定され(S116)、点火時期が遅角される(S118)。これにより、ノッキングの発生が抑制される。
一方、ノック強度Nが予め定められた判定値よりも大きくない場合(S114にてNO)、ノッキングが発生していないと判定され(S120)、点火時期が進角される(S122)。
以上のように、本実施の形態に係るノッキング判定装置において、エンジンECUは、ノックセンサから送信された信号に基づいてエンジンの振動波形を検出する。検出された振動波形のうち、フューエルカット状態において検出された振動波形とメモリに記憶されたフューエルカット状態における特性中央エンジンの振動波形(第1の波形)とが比較され、各クランク角における補正係数が算出される。算出された補正係数により、フューエルカット状態とは異なる運転状態で検出された振動波形が補正される。これにより、エンジンの個体差による振動の強度のバラツキを抑制することができる。補正後の振動波形とノック波形モデル(第2の波形)とが比較され、相関係数Kが算出される。算出された相関係数Kと補正後の積算値の最大値Pとの積をBGLにより除算して、ノック強度Nが算出される。ノック強度Nが判定値よりも大きい場合、エンジンにノッキングが発生したと判定される。ノック強度Nが判定値よりも大きくない場合、エンジンにノッキングが発生していないと判定される。これにより、エンジンの個体差によるバラツキを抑制しつつ、振動を分析してノッキングが発生したか否かを判定することができる。そのため、ノッキングが発生していないにも関わらず、大きい強度の振動が検出されたために、ノッキングが発生したと誤判定されることを抑制することができる。また、ノッキングが発生したにも関わらず、小さい強度の振動が検出されたために、ノッキングが発生していないと誤判定されることを抑制することができる。その結果、精度よくノッキングが発生しているか否かを判定することができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係るノッキング判定装置により制御されるエンジンを示す概略構成図である。 エンジンECUのメモリに記憶されたノック波形モデルを示す図(その1)である。 エンジンECUのメモリに記憶されたノック波形モデルを示す図(その2)である。 フューエルカット状態における特性中央エンジンの振動波形を示す図である。 本発明の実施の形態に係るノッキング判定装置のエンジンECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 正規化後の振動波形を示す図である。 特性中央エンジンの振動波形と検出された振動波形とを比較した状態を示す図である。 補正前後の振動波形を示す図である。 正規化後の振動波形とノック波形モデルとを比較した状態を示す図である。
符号の説明
100 エンジン、104 インジェクタ、106 点火プラグ、110 クランクシャフト、200 エンジンECU、300 ノックセンサ、302 水温センサ、304 タイミングロータ、306 クランクポジションセンサ、308 スロットル開度センサ。

Claims (4)

  1. 内燃機関のクランク角を検出するためのクランク角検出手段と、
    クランク角についての予め定められた間隔における前記内燃機関の振動の波形を検出するための波形検出手段と、
    ノッキングが発生しない予め定められた運転状態における振動の波形として予め作成された第1の波形を記憶するための手段と、
    前記予め定められた運転状態において検出された波形および前記第1の波形を比較した結果に基づいて、前記予め定められた運転状態とは異なる運転状態において検出された波形を補正するための補正手段と、
    ノッキングが発生する場合の振動の波形として予め作成された第2の波形を記憶するための手段と、
    前記補正された波形と前記第2の波形とを比較した結果に基づいて、前記内燃機関にノッキングが発生したか否かを判定するための判定手段とを含む、内燃機関のノッキング判定装置。
  2. 前記予め定められた運転状態は、前記内燃機関への燃料供給が停止しているという運転状態である、請求項1に記載の内燃機関のノッキング判定装置。
  3. 前記補正手段は、前記予め定められた間隔よりも小さい間隔ごとに前記検出された波形を補正するための手段を含む、請求項1または2に記載の内燃機関のノッキング判定装置。
  4. 前記第1の波形および前記第2の波形は、公差が中央値になるように製造された内燃機関の振動を検出することにより作成される、請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関のノッキング判定装置。
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