JP2006199142A - タイヤスチールコード被覆用配合ゴム - Google Patents
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Abstract
【課題】 カレンダー速度を遅くしなくても、また、プロセスオイルを添加しなくても、はみ出しゴムがロール表面から確実に剥離でき、カレンダー速度を高いレベルに保ち、生産性を向上することができるタイヤスチールコード被覆用配合ゴムを提供する。
【課題手段】 タイヤ用スチールコードを被覆する天然ゴムを組成とする配合ゴムにおいて、該配合ゴムが40℃における50%伸長時のグリーンモジュラスが190KPa以上であることを特徴とするタイヤスチールコード被覆用配合ゴム。
好ましくは、40℃における50%伸長時のグリーンモジュラスが210KPa以上とすることが望ましい。
【選択図】なし
【課題手段】 タイヤ用スチールコードを被覆する天然ゴムを組成とする配合ゴムにおいて、該配合ゴムが40℃における50%伸長時のグリーンモジュラスが190KPa以上であることを特徴とするタイヤスチールコード被覆用配合ゴム。
好ましくは、40℃における50%伸長時のグリーンモジュラスが210KPa以上とすることが望ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、タイヤスチールコード被覆用配合ゴムに関し、更に詳しくは、タイヤスチールコードに被覆ゴムを貼りあわせるカレンダー工程において、カレンダー速度を高いレベルに保ち、生産性を向上することができるタイヤスチールコード被覆用配合ゴムに関する。
近年のタイヤは、ラジアル構造が主体であり、そのラジアルタイヤには、ブラスメッキを施したスチールコードが補強材として使用される。このスチールコードとの接着性を確保するために、有機酸コバルトを含有し、天然ゴムを組成とするスチールコード被覆ゴムが使用されている。
通常、スチールコード被覆ゴムは、天然ゴムにカーボンブラック、老化防止剤、亜鉛華、加硫促進剤、イオウ、有機酸コバルトなどが配合されたものを使用するのが一般的である。
このスチールコード被覆ゴムは、カレンダーロールによりスチールコード表面に圧着されることなどにより、帯状部材のスチール・ゴム複合体が形成される(例えば、特許文献1及び2参照)。
このスチールコード被覆ゴムは、カレンダーロールによりスチールコード表面に圧着されることなどにより、帯状部材のスチール・ゴム複合体が形成される(例えば、特許文献1及び2参照)。
このカレンダー工程では、被覆用ゴムは、予め約80℃前後に熱入れされ、カレンダーロールで0.3〜2.0mmの所定の厚さに圧延される。この工程では、配列されたスチールコードの幅全体を被覆するため、ゴムシートの幅は余裕をみてやや広幅に設定される。すなわち、得られる帯状部材は、両側に余分なはみ出しゴムを有する。
このはみ出しゴムは、カレンダー後に直ちに切り離して除去、具体的には、刃を帯状部材本体とはみ出しゴムとの境界に当てて切り、はみ出しゴムは引張られて除去される。ここで、はみ出しゴムがロールから引き剥がされなければならないが、往々にして、ロールに密着したまま剥がされずに除去できないという課題を生じている。これは、有機酸コバルトが配合された被覆ゴムは、金属すなわちロールに密着しやすいという性質を有することに基づくものと考えられる。
このはみ出しゴムは、カレンダー後に直ちに切り離して除去、具体的には、刃を帯状部材本体とはみ出しゴムとの境界に当てて切り、はみ出しゴムは引張られて除去される。ここで、はみ出しゴムがロールから引き剥がされなければならないが、往々にして、ロールに密着したまま剥がされずに除去できないという課題を生じている。これは、有機酸コバルトが配合された被覆ゴムは、金属すなわちロールに密着しやすいという性質を有することに基づくものと考えられる。
上記の課題に対しては、カレンダーロールのスピードを遅くすれば解決することができるが、生産性に悪影響を及ぼすこととなり、現実的な解消法でないものである。
また、ロールとの密着力を低減するため、プロセスオイルをゴムに添加することも考えられるが、加硫ゴムの物性が低下するため、好ましくない。
特開2003−278086号公報(特許請求の範囲、実施例等)
特開2004−306788号公報(特許請求の範囲、実施例等)
また、ロールとの密着力を低減するため、プロセスオイルをゴムに添加することも考えられるが、加硫ゴムの物性が低下するため、好ましくない。
本発明は、上記従来の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、カレンダー速度を遅くしなくても、また、プロセスオイルを添加しなくても、はみ出しゴムがロール表面から確実に剥離でき、カレンダー速度を高いレベルに保ち、生産性を向上することができるタイヤスチールコード被覆用配合ゴムを提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来の課題等について鋭意研究したところ、カレンダー工程で、はみ出しゴムがロールに密着してロールから離れない課題の現象をよく観察・分析した結果、次のことが判明した。
すなわち、ナイフで帯状部材から分離されたはみ出しゴムは、別に駆動する動力で引っ張られる。この引張応力により、はみ出しゴムはロールから引き剥がされる。ところが、はみ出しゴムが更に引っ張られて応力が増しても、図2に示すように、ロールから剥がれないときには(図2のA部分)、はみ出しゴムが伸びて細くなっていることが判明した(図2のB部分)。
更に、このような課題は、分子量が低かったり、ムーニー粘度が低い天然ゴムを使用した場合に生じることを種々の試験等で知見した。
すなわち、ナイフで帯状部材から分離されたはみ出しゴムは、別に駆動する動力で引っ張られる。この引張応力により、はみ出しゴムはロールから引き剥がされる。ところが、はみ出しゴムが更に引っ張られて応力が増しても、図2に示すように、ロールから剥がれないときには(図2のA部分)、はみ出しゴムが伸びて細くなっていることが判明した(図2のB部分)。
更に、このような課題は、分子量が低かったり、ムーニー粘度が低い天然ゴムを使用した場合に生じることを種々の試験等で知見した。
このような観察、試験、分析等の結果から、はみ出しゴムがロールから確実に剥がされるためには、ゴムシートの引張弾性率、すなわち、グリーンモジュラスが高くなければならないことが判明した。
そこで、本発明者は、タイヤ用スチールコードを被覆する天然ゴムを組成とする配合ゴムにおいて、該配合ゴムの40℃における50%伸長時のグリーンモジュラス(未加硫状態のモジュラス)を所定値以上に設定することにより、上記目的のタイヤスチールコード被覆用配合ゴムが得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
そこで、本発明者は、タイヤ用スチールコードを被覆する天然ゴムを組成とする配合ゴムにおいて、該配合ゴムの40℃における50%伸長時のグリーンモジュラス(未加硫状態のモジュラス)を所定値以上に設定することにより、上記目的のタイヤスチールコード被覆用配合ゴムが得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)及び(2)に存する。
(1) タイヤ用スチールコードを被覆する天然ゴムを組成とする配合ゴムにおいて、該配合ゴムが40℃における50%伸長時のグリーンモジュラスが190KPa以上であることを特徴とするタイヤスチールコード被覆用配合ゴム。
(2) 40℃における50%伸長時のグリーンモジュラスが210KPa以上である上記(1)記載のタイヤスチールコード被覆用配合ゴム。
(1) タイヤ用スチールコードを被覆する天然ゴムを組成とする配合ゴムにおいて、該配合ゴムが40℃における50%伸長時のグリーンモジュラスが190KPa以上であることを特徴とするタイヤスチールコード被覆用配合ゴム。
(2) 40℃における50%伸長時のグリーンモジュラスが210KPa以上である上記(1)記載のタイヤスチールコード被覆用配合ゴム。
本発明によれば、カレンダー速度を遅くしなくても、また、プロセスオイルを添加しなくても、はみ出しゴムがロール表面から確実に剥離でき、カレンダー速度を高いレベルに保ち、生産性を向上することができるタイヤスチールコード被覆用配合ゴムが提供される。
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
本発明のタイヤスチールコード被覆用配合ゴムは、タイヤ用スチールコードを被覆する天然ゴムを組成とする配合ゴムにおいて、該配合ゴムが40℃における50%伸長時のグリーンモジュラスが190KPa以上であることを特徴とするものである。
本発明のタイヤスチールコード被覆用配合ゴムは、タイヤ用スチールコードを被覆する天然ゴムを組成とする配合ゴムにおいて、該配合ゴムが40℃における50%伸長時のグリーンモジュラスが190KPa以上であることを特徴とするものである。
本発明において、タイヤ用スチールコードを被覆する天然ゴムを組成とする配合ゴムの40℃における50%伸長時のグリーンモジュラスを190KPa以上とするためには、1)用いる天然ゴム種及びその品質のバラツキに対応すること、2)素練り条件、または、2段練り条件を通常の練り条件より軽度とすること、3)これらの組み合わせのいずれかにより行うことができる。
なお、本発明において、「素練り」、「混練り」、「2段練り」、「1段練り」は、下記の内容等を意味する。
なお、本発明において、「素練り」、「混練り」、「2段練り」、「1段練り」は、下記の内容等を意味する。
「素練り」は、天然ゴムに機械的せん断力、あるいは化学的作用により、ゴム分子鎖を切断あるいは鎖状分子の相互のからみ合いをほぐし、分子量を低下させることにより粘弾性的性質を現象させ可塑性を増大させることをいう。この可塑性を得ることにより配合剤、充填剤の混合及び成形加工が容易となる。天然ゴムは分子量が大きく一定でない(品質にバラツキがある)。
「混練り」は、上記素練りを終了した原料ゴム(天然ゴム)にカーボンブラック、加硫剤等の配合剤を添加してバンバリーミキサー等で混練することをいい、この「混練り」には、一般的には、第1ステップとして、「2段練り」と、第2ステップとしての「1段練り」がある。
「2段練り」は、原料ゴムと加硫剤を除くゴム配合剤とをバンバリーミキサーで混練することをいい、「1段練り」は、上記2段練りのゴムを冷却した後に、加硫剤を含むゴム配合剤を添加して混練することをいう。
「混練り」は、上記素練りを終了した原料ゴム(天然ゴム)にカーボンブラック、加硫剤等の配合剤を添加してバンバリーミキサー等で混練することをいい、この「混練り」には、一般的には、第1ステップとして、「2段練り」と、第2ステップとしての「1段練り」がある。
「2段練り」は、原料ゴムと加硫剤を除くゴム配合剤とをバンバリーミキサーで混練することをいい、「1段練り」は、上記2段練りのゴムを冷却した後に、加硫剤を含むゴム配合剤を添加して混練することをいう。
タイヤスチールコード被覆用配合ゴムのグリーンモジュラスは、そのゴム成分のゾル分子量と正の相関が知られているので、当該グリーンモジュラスを一定値(190KPa)以上にするためには、ゾル分子量を上げることが必要である。なお、配合処方、すなわち、配合剤、カーボンブラックなどの種類や配合部数を変えることで、グリーンモジュラスは異なってくるがタイヤ性能を変えることとなるので、好ましくない。
本発明は、配合処方を変えることなく、上記1)〜3)のいずれかを好適に組み合わせることなどにより、当該グリーンモジュラスを190KPa以上とすることができる。
本発明は、配合処方を変えることなく、上記1)〜3)のいずれかを好適に組み合わせることなどにより、当該グリーンモジュラスを190KPa以上とすることができる。
〔用いる天然ゴム種及びその品質のバラツキに対応、練り条件の検討〕
天然ゴムは、その生産工程において、劣化を受けた原料を使用したり、過度の熱乾燥を施した天然ゴムは、一般的に分子量が低く、ムーニー粘度も低い。このような天然ゴムを使用すると、通常の素練り条件と配合剤との混練り条件では、ゾル分子量は低くなってしまい、結果としてグリーンモジュラスも低下するものとなる。
従って、低ムーニー粘度である劣化の進んだ天然ゴムを使用する場合には、バンバリーミキサー等での素練り条件と混練り条件とを通常(練り時間3分)よりも軽度(練り時間1.5分)に抑え、分子量を低下するのを極力防ぐことにより、グリーンモジュラスを調整することが可能となる。
天然ゴムは、その生産工程において、劣化を受けた原料を使用したり、過度の熱乾燥を施した天然ゴムは、一般的に分子量が低く、ムーニー粘度も低い。このような天然ゴムを使用すると、通常の素練り条件と配合剤との混練り条件では、ゾル分子量は低くなってしまい、結果としてグリーンモジュラスも低下するものとなる。
従って、低ムーニー粘度である劣化の進んだ天然ゴムを使用する場合には、バンバリーミキサー等での素練り条件と混練り条件とを通常(練り時間3分)よりも軽度(練り時間1.5分)に抑え、分子量を低下するのを極力防ぐことにより、グリーンモジュラスを調整することが可能となる。
また、劣化が生じていない通常の天然ゴムでは、分子量が大きく、通常の素練り条件と混練り条件とで、十分大きなゾル分子量が得られ、カレンダー速度を早く設定できる。ただし、過度(練り時間5分)の混練りを行えば、分子が切断され、分子量が小さくなり、結果としてカレンダー速度が上がらなくなるおそれがある。
例えば、技術的格付けゴムであるTSR20は、一般的に劣化が大きくリブド・スモークド・シート(RSS)に較べて、劣化が大きくすすんでいることが多い。従って、カレンダー速度は一般的に遅くならざるを得ない点があるので、練り時間を軽度とする。
更に、上記のように素練り条件、混練り(2段練り、1段練り)条件における練り時間、温度などを調整することにより、グリーンモジュラスを190KPa以上に設定することができるものとなる。
例えば、技術的格付けゴムであるTSR20は、一般的に劣化が大きくリブド・スモークド・シート(RSS)に較べて、劣化が大きくすすんでいることが多い。従って、カレンダー速度は一般的に遅くならざるを得ない点があるので、練り時間を軽度とする。
更に、上記のように素練り条件、混練り(2段練り、1段練り)条件における練り時間、温度などを調整することにより、グリーンモジュラスを190KPa以上に設定することができるものとなる。
更にまた、1段練り後のゴムのゾル分子量が大きくなれば、グリーンモジュラスは大きくなり、ロールに密着したゴムを引き剥がすことが可能となる。
このゾル分子量が変動する要因はいくつかある。例えば、天然ゴムの一つの種類である上述のTSR20は、原料であるカップランプが既に劣化しており、更にこの天然ゴムは120℃前後の高温で乾燥して生産されているため、乾燥中に劣化を生じ、リブド・スモークド・シート(RSS)よりも分子量が小さい。また、同じRSSであっても、その原料であるUSS(未燻製シート)が農家で生産されたり、流通している間に劣化することもある。更に、タイヤ工場でゴム素練りや混練りする際に、条件を変動させると当然ながら、混練りゴムの分子量が変動するものとなる。
この分子量が1段練り後のゴムグリーンモジュラスと相関し、カレンダー速度と密接に関係を有すること、すなわち、ゾル分子量をある一定値以上、本発明では、好ましくは、6.9×105以上に設定することにより、カレンダー速度を更に高いレベルに保持できるものとなる。
このゾル分子量が変動する要因はいくつかある。例えば、天然ゴムの一つの種類である上述のTSR20は、原料であるカップランプが既に劣化しており、更にこの天然ゴムは120℃前後の高温で乾燥して生産されているため、乾燥中に劣化を生じ、リブド・スモークド・シート(RSS)よりも分子量が小さい。また、同じRSSであっても、その原料であるUSS(未燻製シート)が農家で生産されたり、流通している間に劣化することもある。更に、タイヤ工場でゴム素練りや混練りする際に、条件を変動させると当然ながら、混練りゴムの分子量が変動するものとなる。
この分子量が1段練り後のゴムグリーンモジュラスと相関し、カレンダー速度と密接に関係を有すること、すなわち、ゾル分子量をある一定値以上、本発明では、好ましくは、6.9×105以上に設定することにより、カレンダー速度を更に高いレベルに保持できるものとなる。
本発明では、上述の如く、1)用いる天然ゴム種及びその品質のバラツキに対応すること、2)素練り条件、または、2段練り条件を通常の練り条件より軽度とすること、3)これらの組み合わせのいずれかにより、タイヤ用スチールコードを被覆する天然ゴムを組成とする配合ゴムの40℃における50%伸長時のグリーンモジュラスを190KPa以上に設定することができるものとなる。好ましくは、このグリーンモジュラスを210KPa以上、更に好ましくは210〜230KPaとすることが望ましい。
これにより、本発明では、カレンダー速度を遅くしなくても、また、プロセスオイルを添加しなくても、はみ出しゴムがロール表面から確実に剥離でき、カレンダー速度を高いレベルに保ち、生産性を向上することができるタイヤスチールコード被覆用配合ゴムが得られるものとなる。
更に、本発明の効果を更に発揮せしめるために、ゾル分子量を、好ましくは、7.0×105以上に設定することが好ましいものとなる。
これにより、本発明では、カレンダー速度を遅くしなくても、また、プロセスオイルを添加しなくても、はみ出しゴムがロール表面から確実に剥離でき、カレンダー速度を高いレベルに保ち、生産性を向上することができるタイヤスチールコード被覆用配合ゴムが得られるものとなる。
更に、本発明の効果を更に発揮せしめるために、ゾル分子量を、好ましくは、7.0×105以上に設定することが好ましいものとなる。
本発明において、タイヤ用スチールコードを被覆する天然ゴムを組成とする配合ゴムの40℃における50%伸長時のグリーンモジュラスが190KPa未満であると、本発明の効果、はみ出しゴムがロール表面からの剥離がうまくいかず、カレンダー速度を高いレベルに保ち、生産性を向上することができないものとなる。
また、本発明では、タイヤ性能を維持するために、配合処方を変えることなく、当該グリーンモジュラスを190KPa以上に設定するので、被覆ゴムに用いるカーボンブラックや、他の充填剤、補強剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤等は通常配合で行うものである。
更に、本発明において、用いるタイヤ用スチールコードは特に限定されず、例えば、
などを用いるものである。また、被覆ゴムの厚さは、0.3〜2.0mm程度である。
また、本発明では、タイヤ性能を維持するために、配合処方を変えることなく、当該グリーンモジュラスを190KPa以上に設定するので、被覆ゴムに用いるカーボンブラックや、他の充填剤、補強剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤等は通常配合で行うものである。
更に、本発明において、用いるタイヤ用スチールコードは特に限定されず、例えば、
などを用いるものである。また、被覆ゴムの厚さは、0.3〜2.0mm程度である。
次に、実施例及び比較例により、本発明を更に具体的かつ詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〜5及び比較例1〜5〕
天然ゴムの品質は、その原料であるUSSの品質、すなわち、長期保存などで劣化しているか否かによってバラツキがあり、分子量が変動するので、そのバラツキを実施例等に組み合わせて、また、天然ゴムの混練り条件により、混練り後のゴム分子量が変動するので、それも実施例等に組み合わせた。
下記に、被覆ゴムの厚さ、帯状部材、被覆ゴムの配合組成、下記表1に示す天然ゴム種及び原料、素練り条件、2段練り条件により、タイヤスチールコード被覆用配合ゴムを調製し、カレンダー用ロールにより所定の厚さ1mmのゴムシートを得、スチールコード表面に圧着する作業を実施した。カレンダー速度がどこまで上げられるかを測定し、記録した。
これらの結果を下記表1及び図1(グリーンモジュラス、ゾル分子量とカレンダー速度との関係図)に示す。
天然ゴムの品質は、その原料であるUSSの品質、すなわち、長期保存などで劣化しているか否かによってバラツキがあり、分子量が変動するので、そのバラツキを実施例等に組み合わせて、また、天然ゴムの混練り条件により、混練り後のゴム分子量が変動するので、それも実施例等に組み合わせた。
下記に、被覆ゴムの厚さ、帯状部材、被覆ゴムの配合組成、下記表1に示す天然ゴム種及び原料、素練り条件、2段練り条件により、タイヤスチールコード被覆用配合ゴムを調製し、カレンダー用ロールにより所定の厚さ1mmのゴムシートを得、スチールコード表面に圧着する作業を実施した。カレンダー速度がどこまで上げられるかを測定し、記録した。
これらの結果を下記表1及び図1(グリーンモジュラス、ゾル分子量とカレンダー速度との関係図)に示す。
被覆ゴムの厚さ:1.0mm
帯状部材:スチールコード種:直径1.0mm
スチールコード配列:15本/25mm
被覆ゴムの配合組成(共通成分):
天然ゴム(表1) 100質量部
カーボンブラック(HAF) 55質量部
亜鉛華 3質量部
老化防止剤(6C) 1質量部
有機酸コバルト 1.5質量部
加硫促進剤(CZ) 0.5質量部
イオウ 3質量部
帯状部材:スチールコード種:直径1.0mm
スチールコード配列:15本/25mm
被覆ゴムの配合組成(共通成分):
天然ゴム(表1) 100質量部
カーボンブラック(HAF) 55質量部
亜鉛華 3質量部
老化防止剤(6C) 1質量部
有機酸コバルト 1.5質量部
加硫促進剤(CZ) 0.5質量部
イオウ 3質量部
なお、表1に示す「劣化したUSS」とは、農家で生産される間に、日光にさらしすぎて劣化したり、保存が長期間に及んで劣化したりしたものをいい、「通常のUSS」とは、前記の劣化があまり見られないものをいい、「優良USS」とは、前記の劣化が全く見られないものをいう。
また、表1に示す天然ゴム種及び原料を用いて、バンバリーミキサー(神戸製鋼社製、以下同様)で80℃の循環水のもとで素練りを行った。表1中の通常とは、素練り時間3分、軽度とは、素練り時間1.5分、過度とは素練り時間5分を意味する。
更に、表1に示す2段練りは、バンバリーミキサーで80℃の循環水のもとで行うものである。表1中の通常とは、2段練り時間3分、軽度とは、2段練り時間1.5分、過度とは2段練り時間5分を意味する。また、素練り、1段練りとも通常の練り条件ではゴムの温度は約150℃、軽度では約140℃、過度では約160℃まで上昇した。
また、表1に示す天然ゴム種及び原料を用いて、バンバリーミキサー(神戸製鋼社製、以下同様)で80℃の循環水のもとで素練りを行った。表1中の通常とは、素練り時間3分、軽度とは、素練り時間1.5分、過度とは素練り時間5分を意味する。
更に、表1に示す2段練りは、バンバリーミキサーで80℃の循環水のもとで行うものである。表1中の通常とは、2段練り時間3分、軽度とは、2段練り時間1.5分、過度とは2段練り時間5分を意味する。また、素練り、1段練りとも通常の練り条件ではゴムの温度は約150℃、軽度では約140℃、過度では約160℃まで上昇した。
(グリーンモジュラスの測定方法)
未加硫ゴムシートからリング状試験片を作成し、これを40℃において、100mm/minで引張ったときの50%モジュラスを測定した。
未加硫ゴムシートからリング状試験片を作成し、これを40℃において、100mm/minで引張ったときの50%モジュラスを測定した。
(ゾル分子量の測定方法)
未加硫ゴム組成物をテトロヒドロフランに浸漬し、48時間後、カーボンゲルを除去した残液にて、東洋曹達社製High Speed Liquid Chrom atograph HLC−802Aを使用してゾル分の分子量を測定した。
未加硫ゴム組成物をテトロヒドロフランに浸漬し、48時間後、カーボンゲルを除去した残液にて、東洋曹達社製High Speed Liquid Chrom atograph HLC−802Aを使用してゾル分の分子量を測定した。
上記表1及び図1の結果ら明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜5では、グリーンモジュラスを190KPa以上とすることにより、カレンダー速度40m/分以上の高いレベルに保ち、生産性を向上することができることが判明した。
これに対して、本発明の範囲外となる比較例1〜5では、グリーンモジュラスが190KPa未満であると、本発明の効果を発揮できないことが判明した。
これに対して、本発明の範囲外となる比較例1〜5では、グリーンモジュラスが190KPa未満であると、本発明の効果を発揮できないことが判明した。
Claims (2)
- タイヤ用スチールコードを被覆する天然ゴムを組成とする配合ゴムにおいて、該配合ゴムが40℃における50%伸長時のグリーンモジュラスが190KPa以上であることを特徴とするタイヤスチールコード被覆用配合ゴム。
- 40℃における50%伸長時のグリーンモジュラスが210KPa以上である請求項1記載のタイヤスチールコード被覆用配合ゴム。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009131986A (ja) * | 2007-11-29 | 2009-06-18 | Bridgestone Corp | リボン積層体部材からなるタイヤ |
JP2014144993A (ja) * | 2013-01-25 | 2014-08-14 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | カレンダー成形用のゴム組成物及びこれを用いたトッピングゴムの製造方法 |
-
2005
- 2005-01-20 JP JP2005012899A patent/JP2006199142A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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