JP2006196369A - 導光板及びバックライト装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶表示装置の表示画面において、輝度むらが小さく、輝線と暗線が全く又は殆ど現れず、高画質の表示画面を与えることができる液晶表示装置用の導光板及びバックライト装置を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂を成形してなり、光入射面、光反射面及び光出射面を有する導光板において、光出射面に、平均底面積0.8〜31,000μm2、平均高さ0.5〜100μmの凸部又は平均開口部面積0.8〜31,000μm2、平均深さ0.5〜100μmの凹部を有し、光出射面の平坦部及び/又は凸部若しくは凹部の表面の算術平均粗さRaが0.2〜3.0μmであることを特徴とする導光板、及び、該導光板の光入射面に光源を備えてなることを特徴とするバックライト装置。
【選択図】図2
【解決手段】熱可塑性樹脂を成形してなり、光入射面、光反射面及び光出射面を有する導光板において、光出射面に、平均底面積0.8〜31,000μm2、平均高さ0.5〜100μmの凸部又は平均開口部面積0.8〜31,000μm2、平均深さ0.5〜100μmの凹部を有し、光出射面の平坦部及び/又は凸部若しくは凹部の表面の算術平均粗さRaが0.2〜3.0μmであることを特徴とする導光板、及び、該導光板の光入射面に光源を備えてなることを特徴とするバックライト装置。
【選択図】図2
Description
本発明は、導光板及びバックライト装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、液晶表示装置の表示画面において、輝度むらが小さく、輝線と暗線が全く又は殆ど現れず、高画質の表示画面を与えることができる液晶表示装置用の導光板及びバックライト装置に関する。
パーソナルコンピュータ、薄型テレビジョン、カーナビゲーションシステムなどの表示画面に、液晶表示装置が広く用いられている。液晶表示装置は、液晶表示パネルとバックライト装置とを備えている。液晶表示装置のバックライト装置としては、管状光源を導光板のエッジ部に設置するサイドライト型バックライトと、管状光源を光拡散板を介して表示画面の直下に設置する直下型バックライトが一般的に用いられている。サイドライト型バックライトは、透明なメタクリル樹脂などの成形品で作られた導光板のエッジ部の光入射面に、冷陰極管などの光源を配置する方式であり、薄型のバックライト装置を実現することができる。しかし、サイドライト型バックライトは、光出射面に輝度むらが生じやすい。冷陰極管などの線状の光源から発せられる光を、均一な面状の光としてバックライト装置から効率的に出射させるために、導光板の反射面側には反射シートが積層され、出射面側には拡散シートが積層され、その上に2枚のプリズムシートがプリズムの方向が直交するように積層され、さらにその上に拡散シートが積層される場合が多い。
サイドライト型バックライトの輝度を向上し、輝度むらを減少し、プリズムシートと拡散シートの使用枚数を減らし、薄型化とコストダウンを図る検討がなされている。図5は、サイドライト型バックライトの一例の説明図である。この例においては、導光板13の光入射面13Aに管状光源14と反射板15を配置し、光出射面13Bに略半球状の凸部を設け、光反射面13Cにプリズム形状を形成することにより、導光板の光出射面側に、プリズムを導光板側になるように設置したプリズムシート16と、その上に拡散シート17を積層し、光反射面側に反射シート18を積層するだけで輝度が向上したバックライト装置が得られている。
液晶表示装置の表示画面の輝度むらを低減し、高画質の表示画面を得るために、導光板の改良が図られている。例えば、輝線や暗線の出現を防止し、明るく均一な出射光を得ることができる導光板として、表面部又は裏面部に屈折や反射を行う光制御部を設けるとともに、表面部又は裏面部に入射端面部から反射端面部に延び、入射端面部に向かって陵部を斜めに切り取ったプリズム部を有する導光板が提案されている(特許文献1)。入射面と平行に発生する輝線と暗帯からなる輝度むらを低減するサイドライト型面光源装置として、入射面の中心線上において、算術平均粗さRaが0.05〜0.30μmの範囲内で粗面に形成された装置が提案されている(特許文献2)。
また、映り込みによる輝度むらを低減して、発光面の品位を向上することができる導光板として、算術平均粗さ0.05〜0.3μmの範囲で入射面を粗面に形成し、入射面の厚み方向における粗さに比して、入射面の長手方向における粗さの程度を粗くした導光板が提案されている(特許文献3)。均斉でかつ高輝度な大画面用の面光源を実現し得る指向性導光板として、入光端面が、その厚み方向に沿う縦筋からなる縞模様にて粗面化されている指向性導光板が提案されている(特許文献4)。
しかし、これらの導光板によっても、液晶表示装置の表示画面の輝度むらは十分に満足し得る水準までは減少していない。
特開2002−133930号公報(第2、4頁、図1)
特開平9−160035号公報(第2−3頁、図1)
特開2001−83512号公報(第2頁、図1)
特開2002−169032号公報(第2頁、図3)
サイドライト型バックライトの輝度を向上し、輝度むらを減少し、プリズムシートと拡散シートの使用枚数を減らし、薄型化とコストダウンを図る検討がなされている。図5は、サイドライト型バックライトの一例の説明図である。この例においては、導光板13の光入射面13Aに管状光源14と反射板15を配置し、光出射面13Bに略半球状の凸部を設け、光反射面13Cにプリズム形状を形成することにより、導光板の光出射面側に、プリズムを導光板側になるように設置したプリズムシート16と、その上に拡散シート17を積層し、光反射面側に反射シート18を積層するだけで輝度が向上したバックライト装置が得られている。
液晶表示装置の表示画面の輝度むらを低減し、高画質の表示画面を得るために、導光板の改良が図られている。例えば、輝線や暗線の出現を防止し、明るく均一な出射光を得ることができる導光板として、表面部又は裏面部に屈折や反射を行う光制御部を設けるとともに、表面部又は裏面部に入射端面部から反射端面部に延び、入射端面部に向かって陵部を斜めに切り取ったプリズム部を有する導光板が提案されている(特許文献1)。入射面と平行に発生する輝線と暗帯からなる輝度むらを低減するサイドライト型面光源装置として、入射面の中心線上において、算術平均粗さRaが0.05〜0.30μmの範囲内で粗面に形成された装置が提案されている(特許文献2)。
また、映り込みによる輝度むらを低減して、発光面の品位を向上することができる導光板として、算術平均粗さ0.05〜0.3μmの範囲で入射面を粗面に形成し、入射面の厚み方向における粗さに比して、入射面の長手方向における粗さの程度を粗くした導光板が提案されている(特許文献3)。均斉でかつ高輝度な大画面用の面光源を実現し得る指向性導光板として、入光端面が、その厚み方向に沿う縦筋からなる縞模様にて粗面化されている指向性導光板が提案されている(特許文献4)。
しかし、これらの導光板によっても、液晶表示装置の表示画面の輝度むらは十分に満足し得る水準までは減少していない。
本発明は、液晶表示装置の表示画面において、輝度むらが小さく、輝線と暗線が全く又は殆ど現れず、高画質の表示画面を与えることができる液晶表示装置用の導光板及びバックライト装置を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、導光板の光出射面に多数の微細な凸部又は凹部を設け、光出射面の算術平均粗さRaを0.2〜3.0μmとすることにより、導光板の輝度むらが著しく減少することを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)熱可塑性樹脂を成形してなり、光入射面、光反射面及び光出射面を有する導光板において、光出射面に、平均底面積0.8〜31,000μm2、平均高さ0.5〜100μmの凸部又は平均開口部面積0.8〜31,000μm2、平均深さ0.5〜100μmの凹部を有し、光出射面の平坦部及び/又は凸部若しくは凹部の表面の算術平均粗さRaが0.2〜3.0μmであることを特徴とする導光板、
(2)光出射面に有する凸部の形状が、略半球状である(1)記載の導光板、
(3)光反射面にプリズム形状を有し、光反射面の算術平均粗さRaが0.1μm以下である(1)又は(2)記載の導光板、
(4)光入射面の算術平均粗さRaが2.0μm以下である(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の導光板、及び、
(5)(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の導光板の光入射面に光源を備えてなることを特徴とするバックライト装置、
を提供するものである。
すなわち、本発明は、
(1)熱可塑性樹脂を成形してなり、光入射面、光反射面及び光出射面を有する導光板において、光出射面に、平均底面積0.8〜31,000μm2、平均高さ0.5〜100μmの凸部又は平均開口部面積0.8〜31,000μm2、平均深さ0.5〜100μmの凹部を有し、光出射面の平坦部及び/又は凸部若しくは凹部の表面の算術平均粗さRaが0.2〜3.0μmであることを特徴とする導光板、
(2)光出射面に有する凸部の形状が、略半球状である(1)記載の導光板、
(3)光反射面にプリズム形状を有し、光反射面の算術平均粗さRaが0.1μm以下である(1)又は(2)記載の導光板、
(4)光入射面の算術平均粗さRaが2.0μm以下である(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の導光板、及び、
(5)(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の導光板の光入射面に光源を備えてなることを特徴とするバックライト装置、
を提供するものである。
本発明の導光板を用いることにより、輝度むらが少なく、輝線と暗線が殆ど現れない優れた画質の表示画面を有する液晶表示装置を得ることができる。本発明のバックライト装置によれば、光出射面に積層するプリズムシート及び/又は拡散シートの枚数を少なくすることができ、厚さが薄く、優れた画質の表示画面を有する液晶表示装置を得ることができる。
本発明の導光板は、熱可塑性樹脂を成形してなり、光入射面、光反射面及び光出射面を有する導光板において、光出射面に、平均底面積0.8〜31,000μm2、平均高さ0.5〜100μmの凸部又は平均開口部面積0.8〜31,000μm2、平均深さ0.5〜100μmの凹部を有し、光出射面の平坦部及び/又は凸部若しくは凹部の表面の算術平均粗さRaが0.2〜3.0μmである導光板である。
図1は、本発明の導光板の一態様の模式的斜視図である。本態様の導光板は、一側面が光入射面1であり、下面が光反射面2であり、上面が光出射面3である。光入射面と対向する側面は、光入射面よりも厚さが小さく、他の二つの側面4は台形となり、導光板はくさび形の形状をなしている。本態様の導光板は、光反射面が単位プリズムが密接して並んだプリズム面5であり、光出射面に多数の略半球状の凸部6を有する。
本発明において、光出射面の凸部の平均底面積又は凹部の平均開口部面積は、0.8〜31,000μm2であり、より好ましくは15〜4,000μm2である。凸部の平均底面積又は凹部の平均開口部面積が0.8μm2未満であると、輝度が低くなりすぎるおそれがある。凸部の平均底面積又は凹部の平均開口部面積が31,000μm2を超えると、表示画面に凸部が見えて画質が低下するおそれがある。本発明において、光出射面の凸部の平均高さ又は凹部の平均深さは、0.5〜100μmであり、より好ましくは5〜30μmである。凸部の平均高さ又は凹部の平均深さが0.5μm未満であると、高い輝度が得られなくなるおそれがある。凸部の平均高さ又は凹部の平均深さが100μmを超えると、表示画面に凸部又は凹部が見えて画質が低下するおそれがある。
本発明の導光板においては、光出射面の凸部の底面積の合計又は凹部の開口部面積の合計が、光出射面の全面積の2〜50%であることが好ましく、4〜30%であることがより好ましい。凸部の底面積の合計又は凹部の開口部面積の合計が光出射面の全面積の2%未満であっても、50%を超えても、導光板の輝度が低下するおそれがある。凸部の底面積の合計と凹部の開口部面積の合計が等しい場合、光出射面に凸部を有する導光板の輝度の方が、光出射面に凹部を有する導光板の輝度よりも高いので、光出射面の形状は、凸部を有することがより好ましい。
図1は、本発明の導光板の一態様の模式的斜視図である。本態様の導光板は、一側面が光入射面1であり、下面が光反射面2であり、上面が光出射面3である。光入射面と対向する側面は、光入射面よりも厚さが小さく、他の二つの側面4は台形となり、導光板はくさび形の形状をなしている。本態様の導光板は、光反射面が単位プリズムが密接して並んだプリズム面5であり、光出射面に多数の略半球状の凸部6を有する。
本発明において、光出射面の凸部の平均底面積又は凹部の平均開口部面積は、0.8〜31,000μm2であり、より好ましくは15〜4,000μm2である。凸部の平均底面積又は凹部の平均開口部面積が0.8μm2未満であると、輝度が低くなりすぎるおそれがある。凸部の平均底面積又は凹部の平均開口部面積が31,000μm2を超えると、表示画面に凸部が見えて画質が低下するおそれがある。本発明において、光出射面の凸部の平均高さ又は凹部の平均深さは、0.5〜100μmであり、より好ましくは5〜30μmである。凸部の平均高さ又は凹部の平均深さが0.5μm未満であると、高い輝度が得られなくなるおそれがある。凸部の平均高さ又は凹部の平均深さが100μmを超えると、表示画面に凸部又は凹部が見えて画質が低下するおそれがある。
本発明の導光板においては、光出射面の凸部の底面積の合計又は凹部の開口部面積の合計が、光出射面の全面積の2〜50%であることが好ましく、4〜30%であることがより好ましい。凸部の底面積の合計又は凹部の開口部面積の合計が光出射面の全面積の2%未満であっても、50%を超えても、導光板の輝度が低下するおそれがある。凸部の底面積の合計と凹部の開口部面積の合計が等しい場合、光出射面に凸部を有する導光板の輝度の方が、光出射面に凹部を有する導光板の輝度よりも高いので、光出射面の形状は、凸部を有することがより好ましい。
本発明の導光板においては、光出射面の平坦部及び/又は凸部若しくは凹部の表面の算術平均粗さRaが0.2〜3.0μmであり、より好ましくは0.23〜2.0μmであり、さらに好ましくは0.26〜1.0μmである。表面の算術平均粗さRaは、JIS B 0601 3.に準拠して、対象面に直角な平面で対象面を切断したときにその切り口に現れる断面曲線から、所定の波長より長い成分を位相補償形高域フィルタで除去した粗さ曲線について求めることができ、あるいは、超深度形状測定顕微鏡などを用いて直読することもできる。光出射面の平坦部及び凸部若しくは凹部の表面の算術平均粗さRaのいずれもが0.2μm未満であっても、3.0μmを超えても、輝度むらが発生するおそれがある。
本発明の導光板においては、光出射面の平坦部の算術平均粗さRaと凸部若しくは凹部の表面の算術平均粗さRaを同一の値とすることができ、あるいは、光出射面の平坦部の算術平均粗さRaと凸部若しくは凹部の表面の算術平均粗さRaを異なる値とすることもできる。光出射面の平坦部の算術平均粗さRaと凸部若しくは凹部の表面の算術平均粗さRaが異なるとき、凸部若しくは凹部の表面の算術平均粗さRaが小さい方が、輝度がより高くなるので好ましい。
本発明の導光板においては、光出射面の平坦部の算術平均粗さRaと凸部若しくは凹部の表面の算術平均粗さRaを同一の値とすることができ、あるいは、光出射面の平坦部の算術平均粗さRaと凸部若しくは凹部の表面の算術平均粗さRaを異なる値とすることもできる。光出射面の平坦部の算術平均粗さRaと凸部若しくは凹部の表面の算術平均粗さRaが異なるとき、凸部若しくは凹部の表面の算術平均粗さRaが小さい方が、輝度がより高くなるので好ましい。
本発明においては、光出射面に有する凸部の形状が、略半球状であることが好ましい。本発明において、光出射面に略半球状の凸部又は凹部を有し、光出射面の算術平均粗さRaが0.2〜3.0μmである導光板の製造方法に特に制限はなく、例えば、導光板が凸部を有する場合は、表面の平滑性の良好なガラス基板とフォトレジストを用いてスタンパーの母型を作製し、スタンパーの母型に電鋳して得られる略半球状の凹部を有する金属板の表面をサンドブラストなどにより算術平均粗さRa0.2〜3.0μmに調整してスタンパーとし、そのスタンパーを金型の光出射面に対応する面に取り付けて、熱可塑性樹脂を射出成形することにより製造することができる。また、導光板が凹部を有する場合は、前記ガラス基板とフォトレジストを用いて作製したスタンパー母型に電鋳して得た略半球状の凹部を有する金属板に、再度電鋳を行って得られる金属板の表面をサンドブラストなどにより算術平均粗さRa0.2〜3.0μmに調整した板をスタンパーとして、射出成形することにより製造することができる。
算術平均粗さRaが0.2μm以下のガラス基板に、フォトレジストを塗付し、露光し、現像することにより、円柱状のフォトレジストを形成する。ガラス基板上の円柱状のフォトレジストをポストベークすることにより、フォトレジストは流動して略半球状に変形する。流動により形成される略半球状の凸部の表面は極めて滑らかであり、通常は算術平均粗さRa0.03μm以下である。必要とする略半球状の凸部の底面積と高さから、ガラス基板上に形成する円柱状のフォトレジストの寸法を定めることができる。本発明において、略半球状とは、高さが球の直径の0.3〜0.6倍である椀又はそれに近似する形状をいう。フォトレジストの露光条件とポストベーク条件を選択することにより、略半球状の凸部の形状を制御することができる。
表面に略半球状の凸部が形成されたガラス基板に、無電解メッキ、スパッタリングなどによりニッケルなどの被膜を形成して電気伝導性を付与したのち、ニッケルなどの金属を電鋳して略半球状の凹部を有するスタンパーを作製する。さらに、電鋳により形成された表面に略半球状の凹部を有するニッケルなどの板を母材とし、該母材の表面をプラズマ処理などにより酸化して剥離膜を形成し、該剥離膜上にさらにニッケルなどの金属を電鋳したのち剥離することにより、略半球状の凸部を有するスタンパーを作製する。スタンパーの厚さに特に制限はないが、0.1〜5mmであることが好ましく、0.2〜4mmであることがより好ましい。スタンパーの厚さが0.1mm未満であると、形状安定性と寸法安定性が不足するおそれがある。スタンパーの厚さは5mm以下で射出成形に耐える強度と安定性を有し、厚さが5mmを超えるスタンパーは電鋳に無駄な時間と原材料を費やすことになるおそれがある。
算術平均粗さRaが0.2μm以下のガラス基板に、フォトレジストを塗付し、露光し、現像することにより、円柱状のフォトレジストを形成する。ガラス基板上の円柱状のフォトレジストをポストベークすることにより、フォトレジストは流動して略半球状に変形する。流動により形成される略半球状の凸部の表面は極めて滑らかであり、通常は算術平均粗さRa0.03μm以下である。必要とする略半球状の凸部の底面積と高さから、ガラス基板上に形成する円柱状のフォトレジストの寸法を定めることができる。本発明において、略半球状とは、高さが球の直径の0.3〜0.6倍である椀又はそれに近似する形状をいう。フォトレジストの露光条件とポストベーク条件を選択することにより、略半球状の凸部の形状を制御することができる。
表面に略半球状の凸部が形成されたガラス基板に、無電解メッキ、スパッタリングなどによりニッケルなどの被膜を形成して電気伝導性を付与したのち、ニッケルなどの金属を電鋳して略半球状の凹部を有するスタンパーを作製する。さらに、電鋳により形成された表面に略半球状の凹部を有するニッケルなどの板を母材とし、該母材の表面をプラズマ処理などにより酸化して剥離膜を形成し、該剥離膜上にさらにニッケルなどの金属を電鋳したのち剥離することにより、略半球状の凸部を有するスタンパーを作製する。スタンパーの厚さに特に制限はないが、0.1〜5mmであることが好ましく、0.2〜4mmであることがより好ましい。スタンパーの厚さが0.1mm未満であると、形状安定性と寸法安定性が不足するおそれがある。スタンパーの厚さは5mm以下で射出成形に耐える強度と安定性を有し、厚さが5mmを超えるスタンパーは電鋳に無駄な時間と原材料を費やすことになるおそれがある。
本発明の導光板の製造方法においては、スタンパーの算術平均粗さRaを0.2〜3.0μmの範囲で適宜選択することができる。導光板の光出射面には、スタンパーの表面が略正確に転写されるので、スタンパーの算術平均粗さRaを選択することにより、導光板の光出射面の算術平均粗さRaを制御することができる。光出射面の平坦部の算術平均粗さRaと略半球状の凸部の表面の算術平均粗さRaは、個別に制御することができる。例えば、算術平均粗さRa0.50μmのガラス基板を用い、ガラス基板上にフォトレジストを塗付、露光、現像、ポストベークしてスタンパーの母型とし、母型上にニッケルなどを電鋳することにより、平坦部の算術平均粗さRaが0.50μmであり、略半球状の凹部の表面の算術平均粗さRaが0.03μm以下であるスタンパーを得ることができる。また、算術平均粗さRa0.30μmのガラス基板を用い、ガラス基板上にフォトレジストを塗付、露光、現像、ポストベークし、ガラス基板は粗面化せず、フォトレジストのみを粗面化する研磨材を用いてサンドブラストしてスタンパーの母型とし、母型上にニッケルなどを電鋳することにより、平坦部の算術平均粗さRaが0.30μmであり、略半球状の凹部の表面の算術平均粗さRaが2.0μmであるスタンパーを得ることができる。さらに、算術平均粗さRa0.20μmのガラス基板を用い、ガラス基板上にフォトレジストを塗付、露光、現像、ポストベークしてスタンパーの母型とし、母型上にニッケルを電鋳して略半球状の凹部を有するニッケル板とし、このニッケル板をサンドブラストすることにより、平坦部と凸部の表面の算術平均粗さRaが等しいスタンパーを得ることができる。これらのスタンパーを金型に組み込んで射出成形することにより、スタンパーの表面の形状と算術平均粗さRaが光出射面に転写された導光板を製造することができる。
本発明の導光板は、光反射面にプリズム形状を有し、光反射面の算術平均粗さRaが0.1μm以下であることが好ましく、0.05μm以下であることがより好ましく、0.02μm以下であることがさらに好ましい。光反射面の算術平均粗さRaが0.1μmを超えると、高い輝度が得られないおそれがある。光反射面のプリズム形状に特に制限はなく、例えば、底面の幅1〜100μm、頂角80〜160度の単位プリズムを密接して並べた形状とすることができる。単位プリズムの方向に特に制限はなく、例えば、光入射面と略垂直な方向とすることができ、あるいは、光入射面と平行な方向とすることもできるが、光入射面と略垂直な方向であることが好ましい。
本発明の導光板においては、光入射面の算術平均粗さRaが2.0μm以下であることが好ましく、0.4〜1.5μmであることがより好ましい。光入射面の算術平均粗さRaが2.0μmを超えると、高い輝度が得られないおそれがある。
本発明の導光板の寸法に特に制限はないが、短手方向の長さが80mm以上であることが好ましく、130mm以上であることがより好ましく、170mm以上であることがさらに好ましい。大型の導光板ほど光路長が長くなり、輝度むらが発生しやすくなるので、本発明の導光板の輝度むら発生防止効果が大きい役割を果たす。
本発明の導光板においては、光入射面の算術平均粗さRaが2.0μm以下であることが好ましく、0.4〜1.5μmであることがより好ましい。光入射面の算術平均粗さRaが2.0μmを超えると、高い輝度が得られないおそれがある。
本発明の導光板の寸法に特に制限はないが、短手方向の長さが80mm以上であることが好ましく、130mm以上であることがより好ましく、170mm以上であることがさらに好ましい。大型の導光板ほど光路長が長くなり、輝度むらが発生しやすくなるので、本発明の導光板の輝度むら発生防止効果が大きい役割を果たす。
本発明の導光板に用いる熱可塑性樹脂は、厚さ1mmの試験片を用いて測定した全光線透過率が、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。このような熱可塑性樹脂としては、例えば、脂環式構造を有する樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−芳香族ビニル化合物共重合体、ポリエーテルスルホンなどを挙げることができる。これらの中で、脂環式構造を有する樹脂、メタクリル樹脂及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル−芳香族ビニル化合物共重合体を好適に用いることができ、脂環式構造を有する樹脂を特に好適に用いることができる。脂環式構造を有する樹脂は、溶融樹脂の流動性が良好なので、低い射出圧力で金型のキャビティを充填することができ、吸湿性が極めて低いので、寸法安定性に優れ、導光板に反りを生ずることがなく、比重が小さいので導光板を軽量化することができる。また、脂環式構造を有する樹脂は、ウエルドラインが発生しにくい。
脂環式構造を有する樹脂としては、主鎖又は側鎖に脂環式構造を有する重合体樹脂を挙げることができる。主鎖に脂環式構造を有する樹脂は、機械的強度と耐熱性が良好なので、特に好適に用いることができる。脂環式構造は、飽和炭化水素構造であることが好ましく、その炭素数は、4〜30であることが好ましく、5〜20であることがより好ましく、5〜15であることがさらに好ましい。脂環式構造を有する樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましく、90重量%以上であることがさらに好ましい。
脂環式構造を有する樹脂としては、主鎖又は側鎖に脂環式構造を有する重合体樹脂を挙げることができる。主鎖に脂環式構造を有する樹脂は、機械的強度と耐熱性が良好なので、特に好適に用いることができる。脂環式構造は、飽和炭化水素構造であることが好ましく、その炭素数は、4〜30であることが好ましく、5〜20であることがより好ましく、5〜15であることがさらに好ましい。脂環式構造を有する樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましく、90重量%以上であることがさらに好ましい。
脂環式構造を有する樹脂としては、例えば、ノルボルネン系単量体の開環重合体若しくは開環共重合体又はそれらの水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加重合体若しくは付加共重合体又はそれらの水素添加物、単環の環状オレフィン系単量体の重合体又はその水素添加物、環状共役ジエン系単量体の重合体又はその水素添加物、ビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体若しくは共重合体又はそれらの水素添加物、ビニル芳香族炭化水素系単量体の重合体又は共重合体の芳香環を含む不飽和結合部分の水素添加物などを挙げることができる。これらの中で、ノルボルネン系単量体の重合体の水素添加物及びビニル芳香族炭化水素系単量体の重合体の芳香環を含む不飽和結合部分の水素添加物は、機械的強度と耐熱性に優れるので、特に好適に用いることができる。
メタクリル樹脂は、透明性に優れ、強靭でひびが入りにくいので好適に用いることができる。メタクリル樹脂としては、JIS K 6717−1に規定されるポリメタクリル酸メチル(PMMA)単独重合体、又は、80%(m/m)以上のMMAと20%(m/m)以下の他のモノマーの共重合体を挙げることができる。この規格に規定されるメタクリル樹脂の中で、ビカット軟化温度96〜104℃、メルトフローレート8〜16の指定分類コード100−120のメタクリル樹脂は、適度な流動性と強度を有するので、好適に用いることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル−芳香族ビニル化合物共重合体は、低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体と芳香族ビニル系単量体とを共重合することにより得ることができる。低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体としては、炭素数1〜4のアルキル基、好ましくは炭素数1又は2のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを挙げることができる。芳香族ビニル系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−クロルスチレン、p−クロルスチレンなどを挙げることができる。(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体と芳香族ビニル系単量体は、いずれも、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらの中で、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体を好適に用いることができる。
メタクリル樹脂は、透明性に優れ、強靭でひびが入りにくいので好適に用いることができる。メタクリル樹脂としては、JIS K 6717−1に規定されるポリメタクリル酸メチル(PMMA)単独重合体、又は、80%(m/m)以上のMMAと20%(m/m)以下の他のモノマーの共重合体を挙げることができる。この規格に規定されるメタクリル樹脂の中で、ビカット軟化温度96〜104℃、メルトフローレート8〜16の指定分類コード100−120のメタクリル樹脂は、適度な流動性と強度を有するので、好適に用いることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル−芳香族ビニル化合物共重合体は、低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体と芳香族ビニル系単量体とを共重合することにより得ることができる。低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体としては、炭素数1〜4のアルキル基、好ましくは炭素数1又は2のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを挙げることができる。芳香族ビニル系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−クロルスチレン、p−クロルスチレンなどを挙げることができる。(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体と芳香族ビニル系単量体は、いずれも、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらの中で、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体を好適に用いることができる。
本発明のバックライト装置は、導光板の光入射面に冷陰極管光源と反射板を備え、光反射面に反射シートを積層し、光出射面にプリズムシートと拡散シートを積層してなるバックライト装置である。図2は、本発明のバックライト装置の一態様の説明図である。本態様のバックライト装置は、導光板7の光入射面に冷陰極管8が取り付けられ、冷陰極管が反射板9で覆われている。導光板の光反射面に反射シート10が積層され、光出射面にプリズムシート11と拡散シート12がこの順に積層されている。導光板の光反射面がプリズム面であるときは、光反射面の単位プリズムの方向と、プリズムシートの単位プリズムの方向が、平行でないことが好ましい。
本発明の導光板は、一対の側面の形状が略台形若しくは略台形を組み合わせた形状又はすべての側面が略長方形である導光板とすることができる。導光板には、一対の側面の形状が略台形であり、厚さの大きい方の略長方形の側面を光入射面とする導光板と、一対の側面の形状が略台形を組み合わせた形状であり、それぞれの略台形の長辺に垂直な方向に光入射面を形成した導光板と、すべての側面が略長方形であって、相対する一対の側面のそれぞれを光入射面とする導光板がある。面積が広い一方の主面が光反射面となり、他方の主面が光出射面となる。略台形とは、例えば、台形又は台形の辺若しくは角に光源を組み込むための切り込みが入った形状であり、略長方形とは、長方形又は長方形の辺若しくは角に光源を組み込むための切り込みが入った形状である。図3は、略台形を組み合わせた形状の三態様の斜視図である。略台形を組み合わせた形状は、複数の略台形を、略台形の平行な二辺に垂直な方向に平行に配置して、平行な二辺のうちの一辺を、他の略台形の平行な二辺のうちの一辺に重ね合わせた形状である。このとき、隣接する略台形の平行な二辺の重ね合わせ方は、平行な二辺のうちの短辺同士でも、長辺同士でも、短辺と長辺とでもよい。平行な二辺のうちの長辺同士を重ね合わせた形状においては、重ね合わせ面に相当する箇所に光源を組み込むための切り込みを設けることが好ましい。短辺と長辺とを重ね合わせた形状においては、長辺側に接して光源を設けることができる。
本発明の導光板は、一対の側面の形状が略台形若しくは略台形を組み合わせた形状又はすべての側面が略長方形である導光板とすることができる。導光板には、一対の側面の形状が略台形であり、厚さの大きい方の略長方形の側面を光入射面とする導光板と、一対の側面の形状が略台形を組み合わせた形状であり、それぞれの略台形の長辺に垂直な方向に光入射面を形成した導光板と、すべての側面が略長方形であって、相対する一対の側面のそれぞれを光入射面とする導光板がある。面積が広い一方の主面が光反射面となり、他方の主面が光出射面となる。略台形とは、例えば、台形又は台形の辺若しくは角に光源を組み込むための切り込みが入った形状であり、略長方形とは、長方形又は長方形の辺若しくは角に光源を組み込むための切り込みが入った形状である。図3は、略台形を組み合わせた形状の三態様の斜視図である。略台形を組み合わせた形状は、複数の略台形を、略台形の平行な二辺に垂直な方向に平行に配置して、平行な二辺のうちの一辺を、他の略台形の平行な二辺のうちの一辺に重ね合わせた形状である。このとき、隣接する略台形の平行な二辺の重ね合わせ方は、平行な二辺のうちの短辺同士でも、長辺同士でも、短辺と長辺とでもよい。平行な二辺のうちの長辺同士を重ね合わせた形状においては、重ね合わせ面に相当する箇所に光源を組み込むための切り込みを設けることが好ましい。短辺と長辺とを重ね合わせた形状においては、長辺側に接して光源を設けることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例1
脂環式構造を有する樹脂[日本ゼオン(株)、ゼオノア1060R]を用いて、15インチ型導光板を射出成形により作製した。導光板の寸法は、縦230mm、横306mmであって、横306mm側の光入射面となる側面の厚さ2.0mm、光入射面と対向する側面の厚さ0.6mmであり、他の2側面の形状は台形である。
直径500mmのガラス基板にレジスト[日本ゼオン(株)、ZPP1700PG−30]を塗付し、露光したのち現像液[日本ゼオン(株)、ZTMA100−5L]を用いて現像することにより、直径13.9μm、高さ13.9μmの円柱状の凸部を形成した。この円柱状のレジストの凸部を有するガラス基板を、140℃でポストベークすることにより、凸部を変形させた。凸部は、底面の直径20.0μm、高さ10.0μmの略半球状となり、凸部の底面が占める全面積は、導光板の光出射面に相当する領域の面積の16%となった。
この略半球状の凸部を有するガラス基板の表面を無電解ニッケルメッキし、さらに厚さが0.6mmになるまでニッケルを電鋳し、ガラス基板から剥がして開口部の直径20.0μm、深さ10.0μmの略半球状の凹部を有するスタンパーを得た。得られたスタンパーの算術平均粗さRaを超深度形状測定顕微鏡[(株)キーエンス、VK−9500]を用いて測定した。算術平均粗さRaは、0.01μmであった。得られたスタンパーを#1200のアルミナ研磨材を用いて0.02MPaの圧力でサンドブラストすることにより、算術平均粗さRaを0.30μmに調整し、縦250mm、横330mmの寸法に切断してスタンパーを完成した。
金型の光出射面に対応する面に、上記のスタンパーを取り付け、金型の光反射面に対応する面に厚さ0.6mmのピッチ50μm、頂角120度で、光入射面と略直交するプリズム形状を有し、算術平均粗さRa0.01μmのスタンパーを取り付け、金型の光入射面に対応する面に厚さ0.6mm、算術平均粗さRa0.03μmのニッケル板からなるスタンパーを取り付けた。ゲートは、光入射面と直交する両側面の、光入射面から10mm離れ、厚さ方向の中央の位置に、ピンポイントゲート各1個を設けた。
型締力3,440kNの射出成形機を用い、溶融樹脂温度275℃、金型温度80℃、射出1秒、50MPaの保圧7秒、冷却17秒、取り出し5秒、合計30秒のサイクルタイムで射出成形を行った。成形品は金型から容易に取り出すことができ、目視では成形品にウエルドラインは認められなかった。成形品の光出射面の算術平均粗さRaは、0.30μmであった。
得られた導光板の光反射面に反射シート[東レ(株)、E60L]を積層し、光出射面に逆プリズムシート[三菱レイヨン(株)、M268Y]と拡散シート[(株)ツジデン、D117TF]を積層し、光入射面に冷陰極蛍光ランプ[ハリソン東芝ライティング(株)、MBVM16J]を取り付け、冷陰極蛍光ランプを内面が銀色の反射板で覆ってバックライト装置を作製した。
冷陰極蛍光ランプに点灯して1時間後に、図4に示す導光板の縦方向と横方向を6等分する直線の交点のうち、●で示す13個の点について、二次元色分布測定装置[ミノルタ(株)、CA−1500W]を用いて表示画面の輝度を測定し、輝度平均値及び輝度最小値と最大値の比としての輝度均斉度を算出した。輝度の平均値は2,637cd/m2であり、輝度均斉度は88%であった。また、暗線と輝線が表示画面にかすかに見られた。
実施例1
脂環式構造を有する樹脂[日本ゼオン(株)、ゼオノア1060R]を用いて、15インチ型導光板を射出成形により作製した。導光板の寸法は、縦230mm、横306mmであって、横306mm側の光入射面となる側面の厚さ2.0mm、光入射面と対向する側面の厚さ0.6mmであり、他の2側面の形状は台形である。
直径500mmのガラス基板にレジスト[日本ゼオン(株)、ZPP1700PG−30]を塗付し、露光したのち現像液[日本ゼオン(株)、ZTMA100−5L]を用いて現像することにより、直径13.9μm、高さ13.9μmの円柱状の凸部を形成した。この円柱状のレジストの凸部を有するガラス基板を、140℃でポストベークすることにより、凸部を変形させた。凸部は、底面の直径20.0μm、高さ10.0μmの略半球状となり、凸部の底面が占める全面積は、導光板の光出射面に相当する領域の面積の16%となった。
この略半球状の凸部を有するガラス基板の表面を無電解ニッケルメッキし、さらに厚さが0.6mmになるまでニッケルを電鋳し、ガラス基板から剥がして開口部の直径20.0μm、深さ10.0μmの略半球状の凹部を有するスタンパーを得た。得られたスタンパーの算術平均粗さRaを超深度形状測定顕微鏡[(株)キーエンス、VK−9500]を用いて測定した。算術平均粗さRaは、0.01μmであった。得られたスタンパーを#1200のアルミナ研磨材を用いて0.02MPaの圧力でサンドブラストすることにより、算術平均粗さRaを0.30μmに調整し、縦250mm、横330mmの寸法に切断してスタンパーを完成した。
金型の光出射面に対応する面に、上記のスタンパーを取り付け、金型の光反射面に対応する面に厚さ0.6mmのピッチ50μm、頂角120度で、光入射面と略直交するプリズム形状を有し、算術平均粗さRa0.01μmのスタンパーを取り付け、金型の光入射面に対応する面に厚さ0.6mm、算術平均粗さRa0.03μmのニッケル板からなるスタンパーを取り付けた。ゲートは、光入射面と直交する両側面の、光入射面から10mm離れ、厚さ方向の中央の位置に、ピンポイントゲート各1個を設けた。
型締力3,440kNの射出成形機を用い、溶融樹脂温度275℃、金型温度80℃、射出1秒、50MPaの保圧7秒、冷却17秒、取り出し5秒、合計30秒のサイクルタイムで射出成形を行った。成形品は金型から容易に取り出すことができ、目視では成形品にウエルドラインは認められなかった。成形品の光出射面の算術平均粗さRaは、0.30μmであった。
得られた導光板の光反射面に反射シート[東レ(株)、E60L]を積層し、光出射面に逆プリズムシート[三菱レイヨン(株)、M268Y]と拡散シート[(株)ツジデン、D117TF]を積層し、光入射面に冷陰極蛍光ランプ[ハリソン東芝ライティング(株)、MBVM16J]を取り付け、冷陰極蛍光ランプを内面が銀色の反射板で覆ってバックライト装置を作製した。
冷陰極蛍光ランプに点灯して1時間後に、図4に示す導光板の縦方向と横方向を6等分する直線の交点のうち、●で示す13個の点について、二次元色分布測定装置[ミノルタ(株)、CA−1500W]を用いて表示画面の輝度を測定し、輝度平均値及び輝度最小値と最大値の比としての輝度均斉度を算出した。輝度の平均値は2,637cd/m2であり、輝度均斉度は88%であった。また、暗線と輝線が表示画面にかすかに見られた。
実施例2
実施例1と同様にして、略半球状の凸部を有するガラス基板の表面を無電解ニッケルメッキし、さらに厚さが0.6mmになるまでニッケルを電鋳し、ガラス基板から剥がして開口部の直径20.0μm、深さ10.0μmの略半球状の凹部を有するスタンパーを得た。得られたスタンパーを#1200のアルミナ研磨材を用いて0.16MPaの圧力でサンドブラストすることにより、算術平均粗さRaを0.50μmに調整したのち、縦250mm、横330mmの寸法に切断してスタンパーを完成した。
このスタンパーを金型の光出射面に対応する面に取り付けた以外は、実施例1と同様にして、射出成形により導光板を作製した。成形品の光出射面の算術平均粗さRaは、0.50μmであった。得られた導光板を用いてバックライト装置を作製して評価を行った。輝度の平均値は2,631cd/m2であり、輝度均斉度は90%であった。また、暗線と輝線が表示画面にかすかに見られた。
実施例3
実施例1と同様にして、略半球状の凸部を有するガラス基板の表面を無電解ニッケルメッキし、さらに厚さが0.6mmになるまでニッケルを電鋳し、ガラス基板から剥がして開口部の直径20.0μm、深さ10.0μmの略半球状の凹部を有するスタンパーを得た。得られたスタンパーを#1200のアルミナ研磨材を用いて0.16MPaの圧力でサンドブラストすることにより、算術平均粗さRaを0.50μmに調整したのち、縦250mm、横330mmの寸法に切断してスタンパーを完成した。
このスタンパーを金型の光出射面に対応する面に取り付け、金型の光入射面に対応する面に厚さ0.6mmのニッケル板を#1200のアルミナ研磨材を用いて0.47MPaの圧力でサンドブラストして得られた算術平均粗さRa0.90μmからなるスタンパーを取り付けた以外は、実施例1と同様にして、射出成形により導光板を作製した。成形品の光出射面の算術平均粗さRaは、0.50μmであった。得られた導光板を用いてバックライト装置を作製して評価を行った。輝度の平均値は2,768cd/m2であり、輝度均斉度は93%であった。また、暗線と輝線は、いずれも全く認められなかった。
実施例4
実施例1と同様にして、略半球状の凸部を有するガラス基板の表面を無電解ニッケルメッキし、さらに厚さが0.6mmになるまでニッケルを電鋳し、ガラス基板から剥がして開口部の直径20.0μm、深さ10.0μmの略半球状の凹部を有するスタンパーを得た。得られたスタンパーを#1200のアルミナ研磨材を用いて0.16MPaの圧力でサンドブラストすることにより、算術平均粗さRaを0.50μmに調整したのち、縦250mm、横330mmの寸法に切断してスタンパーを完成した。
このスタンパーを金型の光出射面に対応する面に取り付け、樹脂としてメタクリル樹脂[旭化成(株)、デルペット70NHX]を用いた以外は、実施例1と同様にして、射出成形により導光板を作製した。成形品の光出射面の算術平均粗さRaは、0.47μmであった。得られた導光板を用いてバックライト装置を作製して評価を行った。輝度の平均値は2,557cd/m2であり、輝度均斉度は88%であった。また、暗線と輝線が表示画面にかすかに見られた。
実施例1と同様にして、略半球状の凸部を有するガラス基板の表面を無電解ニッケルメッキし、さらに厚さが0.6mmになるまでニッケルを電鋳し、ガラス基板から剥がして開口部の直径20.0μm、深さ10.0μmの略半球状の凹部を有するスタンパーを得た。得られたスタンパーを#1200のアルミナ研磨材を用いて0.16MPaの圧力でサンドブラストすることにより、算術平均粗さRaを0.50μmに調整したのち、縦250mm、横330mmの寸法に切断してスタンパーを完成した。
このスタンパーを金型の光出射面に対応する面に取り付けた以外は、実施例1と同様にして、射出成形により導光板を作製した。成形品の光出射面の算術平均粗さRaは、0.50μmであった。得られた導光板を用いてバックライト装置を作製して評価を行った。輝度の平均値は2,631cd/m2であり、輝度均斉度は90%であった。また、暗線と輝線が表示画面にかすかに見られた。
実施例3
実施例1と同様にして、略半球状の凸部を有するガラス基板の表面を無電解ニッケルメッキし、さらに厚さが0.6mmになるまでニッケルを電鋳し、ガラス基板から剥がして開口部の直径20.0μm、深さ10.0μmの略半球状の凹部を有するスタンパーを得た。得られたスタンパーを#1200のアルミナ研磨材を用いて0.16MPaの圧力でサンドブラストすることにより、算術平均粗さRaを0.50μmに調整したのち、縦250mm、横330mmの寸法に切断してスタンパーを完成した。
このスタンパーを金型の光出射面に対応する面に取り付け、金型の光入射面に対応する面に厚さ0.6mmのニッケル板を#1200のアルミナ研磨材を用いて0.47MPaの圧力でサンドブラストして得られた算術平均粗さRa0.90μmからなるスタンパーを取り付けた以外は、実施例1と同様にして、射出成形により導光板を作製した。成形品の光出射面の算術平均粗さRaは、0.50μmであった。得られた導光板を用いてバックライト装置を作製して評価を行った。輝度の平均値は2,768cd/m2であり、輝度均斉度は93%であった。また、暗線と輝線は、いずれも全く認められなかった。
実施例4
実施例1と同様にして、略半球状の凸部を有するガラス基板の表面を無電解ニッケルメッキし、さらに厚さが0.6mmになるまでニッケルを電鋳し、ガラス基板から剥がして開口部の直径20.0μm、深さ10.0μmの略半球状の凹部を有するスタンパーを得た。得られたスタンパーを#1200のアルミナ研磨材を用いて0.16MPaの圧力でサンドブラストすることにより、算術平均粗さRaを0.50μmに調整したのち、縦250mm、横330mmの寸法に切断してスタンパーを完成した。
このスタンパーを金型の光出射面に対応する面に取り付け、樹脂としてメタクリル樹脂[旭化成(株)、デルペット70NHX]を用いた以外は、実施例1と同様にして、射出成形により導光板を作製した。成形品の光出射面の算術平均粗さRaは、0.47μmであった。得られた導光板を用いてバックライト装置を作製して評価を行った。輝度の平均値は2,557cd/m2であり、輝度均斉度は88%であった。また、暗線と輝線が表示画面にかすかに見られた。
比較例1
メタクリル樹脂[旭化成(株)、デルペット70NHX]を用いて、15インチ型導光板を射出成形により作製した。導光板の寸法は、縦230mm、横306mmであって、横306mm側の光入射面となる側面の厚さ2.0mm、光入射面と対向する側面の厚さ0.6mmであり、他の2側面の形状は台形である。
直径500mmのガラス基板にレジスト[日本ゼオン(株)、ZPP1700PG−30]を塗付し、露光したのち現像液[日本ゼオン(株)、ZTMA100−5L]を用いて現像することにより、直径13.9μm、高さ13.9μmの円柱状の凸部を形成した。この円柱状のレジストの凸部を有するガラス基板を、140℃でポストベークすることにより、凸部を変形させた。凸部は、底面の直径20.0μm、高さ10.0μmの略半球状となり、凸部の底面が占める全面積は導光板の光出射面に相当する領域の面積の16%となった。
この略半球状の凸部を有するガラス基板の表面を無電解ニッケルメッキし、さらに厚さが0.6mmになるまでニッケルを電鋳し、ガラス基板から剥がして開口部の直径20.0μm、深さ10.0μmの略半球状の凹部を有するスタンパーを得た。得られたスタンパーの算術平均粗さRaを超深度形状測定顕微鏡[(株)キーエンス、VK−9500]を用いて測定した。算術平均粗さRaは、0.01μmであった。得られたスタンパーを#1200のアルミナ研磨材を用いて0.01MPaの圧力でサンドブラストすることにより、算術平均粗さRaを0.18μmに調整したのち、縦250mm、横330mmの寸法に切断してスタンパーを完成した。
金型の光出射面に対応する面に、上記のスタンパーを取り付け、金型の光反射面に対応する面に厚さ0.6mmのピッチ50μm、頂角120度で、光入射面と略直交するプリズム形状を有し、算術平均粗さRa0.01μmのスタンパーを取り付け、金型の光入射面に対応する面に厚さ0.6mm、算術平均粗さRa0.03μmのニッケル板からなるスタンパーを取り付けた。ゲートは、光入射面と直交する両側面の、光入射面から10mm離れ、厚さ方向の中央の位置に、ピンポイントゲート各1個を設けた。
型締力3,440kNの射出成形機を用い、溶融樹脂温度275℃、金型温度80℃、射出1秒、50MPaの保圧7秒、冷却17秒、取り出し5秒、合計30秒のサイクルタイムで射出成形を行った。成形品は金型から容易に取り出すことができ、目視では成形品にウエルドラインは認められなかった。成形品の光出射面の算術平均粗さRaは、0.15μmであった。
得られた導光板の光反射面に反射シート[東レ(株)、E60L]を積層し、光出射面に逆プリズムシート[三菱レイヨン(株)、M268Y]と拡散シート[(株)ツジデン、D117TF]を積層し、光入射面に冷陰極蛍光ランプ[ハリソン東芝ライティング(株)、MBVM16J]を取り付け、冷陰極蛍光ランプを内面が銀色の反射板で覆ってバックライト装置を作製した。
冷陰極蛍光ランプに点灯して1時間後に、図4に示す13点において、二次元色分布測定装置[ミノルタ(株)、CA−1500W]を用いて表示画面の輝度を測定し、輝度平均値及び輝度最小値と最大値の比としての輝度均斉度を算出した。輝度の平均値は2,636cd/m2であり、輝度均斉度は80%であった。また、暗線と輝線が表示画面に明らかに見られた。
メタクリル樹脂[旭化成(株)、デルペット70NHX]を用いて、15インチ型導光板を射出成形により作製した。導光板の寸法は、縦230mm、横306mmであって、横306mm側の光入射面となる側面の厚さ2.0mm、光入射面と対向する側面の厚さ0.6mmであり、他の2側面の形状は台形である。
直径500mmのガラス基板にレジスト[日本ゼオン(株)、ZPP1700PG−30]を塗付し、露光したのち現像液[日本ゼオン(株)、ZTMA100−5L]を用いて現像することにより、直径13.9μm、高さ13.9μmの円柱状の凸部を形成した。この円柱状のレジストの凸部を有するガラス基板を、140℃でポストベークすることにより、凸部を変形させた。凸部は、底面の直径20.0μm、高さ10.0μmの略半球状となり、凸部の底面が占める全面積は導光板の光出射面に相当する領域の面積の16%となった。
この略半球状の凸部を有するガラス基板の表面を無電解ニッケルメッキし、さらに厚さが0.6mmになるまでニッケルを電鋳し、ガラス基板から剥がして開口部の直径20.0μm、深さ10.0μmの略半球状の凹部を有するスタンパーを得た。得られたスタンパーの算術平均粗さRaを超深度形状測定顕微鏡[(株)キーエンス、VK−9500]を用いて測定した。算術平均粗さRaは、0.01μmであった。得られたスタンパーを#1200のアルミナ研磨材を用いて0.01MPaの圧力でサンドブラストすることにより、算術平均粗さRaを0.18μmに調整したのち、縦250mm、横330mmの寸法に切断してスタンパーを完成した。
金型の光出射面に対応する面に、上記のスタンパーを取り付け、金型の光反射面に対応する面に厚さ0.6mmのピッチ50μm、頂角120度で、光入射面と略直交するプリズム形状を有し、算術平均粗さRa0.01μmのスタンパーを取り付け、金型の光入射面に対応する面に厚さ0.6mm、算術平均粗さRa0.03μmのニッケル板からなるスタンパーを取り付けた。ゲートは、光入射面と直交する両側面の、光入射面から10mm離れ、厚さ方向の中央の位置に、ピンポイントゲート各1個を設けた。
型締力3,440kNの射出成形機を用い、溶融樹脂温度275℃、金型温度80℃、射出1秒、50MPaの保圧7秒、冷却17秒、取り出し5秒、合計30秒のサイクルタイムで射出成形を行った。成形品は金型から容易に取り出すことができ、目視では成形品にウエルドラインは認められなかった。成形品の光出射面の算術平均粗さRaは、0.15μmであった。
得られた導光板の光反射面に反射シート[東レ(株)、E60L]を積層し、光出射面に逆プリズムシート[三菱レイヨン(株)、M268Y]と拡散シート[(株)ツジデン、D117TF]を積層し、光入射面に冷陰極蛍光ランプ[ハリソン東芝ライティング(株)、MBVM16J]を取り付け、冷陰極蛍光ランプを内面が銀色の反射板で覆ってバックライト装置を作製した。
冷陰極蛍光ランプに点灯して1時間後に、図4に示す13点において、二次元色分布測定装置[ミノルタ(株)、CA−1500W]を用いて表示画面の輝度を測定し、輝度平均値及び輝度最小値と最大値の比としての輝度均斉度を算出した。輝度の平均値は2,636cd/m2であり、輝度均斉度は80%であった。また、暗線と輝線が表示画面に明らかに見られた。
比較例2
メタクリル樹脂[旭化成(株)、デルペット70NHX]を用い、比較例1と同じ寸法の15インチ型導光板を射出成形により作製した。
直径500mmのガラス基板にレジスト[日本ゼオン(株)、ZPP1700PG−30]を塗付し、露光したのち現像液[日本ゼオン(株)、ZTMA100−5L]を用いて現像することにより、直径13.9μm、高さ13.9μmの円柱状の凸部を形成した。この円柱状のレジストの凸部を有するガラス基板を、140℃でポストベークすることにより、凸部を変形させた。凸部は、底面の直径20.0μm、高さ10.0μmの略半球状となり、凸部の底面が占める全面積は導光板の光出射面に相当する領域の面積の16%となった。
この略半球状の凸部を有するガラス基板の表面を無電解ニッケルメッキし、さらに厚さが0.6mmになるまでニッケルを電鋳し、ガラス基板から剥がして開口部の直径20.0μm、深さ10.0μmの略半球状の凹部を有するスタンパーを得た。得られたスタンパーを#1200のアルミナ研磨材を用いて0.01MPaの圧力でサンドブラストすることにより、算術平均粗さRaを0.18μmに調整したのち、縦250mm、横330mmの寸法に切断してスタンパーを完成した。
金型の光出射面に対応する面に、上記のスタンパーを取り付け、金型の光反射面に対応する面に厚さ0.6mm、算術平均粗さRa0.01μmのニッケル板からなるスタンパーを取り付け、金型の光入射面に対応する面に厚さ0.6mm、算術平均粗さRa0.03μmのニッケル板からなるスタンパーを取り付けた。ゲートは、光入射面と直交する両側面の、光入射面から10mm離れ、厚さ方向の中央の位置に、ピンポイントゲート各1個を設けた。
型締力3,440kNの射出成形機を用い、溶融樹脂温度275℃、金型温度80℃、射出1秒、50MPaの保圧7秒、冷却17秒、取り出し5秒、合計30秒のサイクルタイムで射出成形を行った。成形品は金型から容易に取り出すことができ、目視では成形品にウエルドラインは認められなかった。成形品の光出射面の算術平均粗さRaは、0.15μmであった。
得られた導光板の光反射面に白インキで反射パターンを印刷し、光出射面に拡散シート[(株)ツジデン、D117TF]とプリズムシート[住友スリーエム(株)、BEFII]2枚をプリズムを直交させて積層し、光入射面に冷陰極蛍光ランプ[ハリソン東芝ライティング(株)、MBVM16J]を取り付け、冷陰極蛍光ランプを内面が白色の反射板で覆ってバックライト装置を作製した。
冷陰極蛍光ランプに点灯して1時間後に、図4に示す13点において、二次元色分布測定装置[ミノルタ(株)、CA−1500W]を用いて表示画面の輝度を測定し、輝度平均値及び輝度最小値と最大値の比としての輝度均斉度を算出した。輝度の平均値は1,582cd/m2であり、輝度均斉度は85%であった。また、暗線と輝線は、表示画面に全く認められなかった。
比較例3
光出射面に対応する面に、厚さ0.6mmのニッケル板を#1200のアルミナ研磨材を用いて0.01MPaの圧力でサンドブラストすることにより、算術平均粗さRa0.18μmのシボ模様を形成したスタンパーを取り付けた以外は、比較例1と同様にして、射出成形により導光板を作製した。成形品は金型から容易に取り出すことができ、目視では成形品にウエルドラインは認められなかった。成形品の光出射面の算術平均粗さRaは、0.15μmであった。
この導光板を用いて、比較例1と同様にして、バックライト装置を作製し、評価を行った。輝度の平均値は2,373cd/m2であり、輝度均斉度は80%であった。また、暗線と輝線が表示画面に明らかに見られた。
実施例1〜4及び比較例1〜3の結果を、第1表に示す。
メタクリル樹脂[旭化成(株)、デルペット70NHX]を用い、比較例1と同じ寸法の15インチ型導光板を射出成形により作製した。
直径500mmのガラス基板にレジスト[日本ゼオン(株)、ZPP1700PG−30]を塗付し、露光したのち現像液[日本ゼオン(株)、ZTMA100−5L]を用いて現像することにより、直径13.9μm、高さ13.9μmの円柱状の凸部を形成した。この円柱状のレジストの凸部を有するガラス基板を、140℃でポストベークすることにより、凸部を変形させた。凸部は、底面の直径20.0μm、高さ10.0μmの略半球状となり、凸部の底面が占める全面積は導光板の光出射面に相当する領域の面積の16%となった。
この略半球状の凸部を有するガラス基板の表面を無電解ニッケルメッキし、さらに厚さが0.6mmになるまでニッケルを電鋳し、ガラス基板から剥がして開口部の直径20.0μm、深さ10.0μmの略半球状の凹部を有するスタンパーを得た。得られたスタンパーを#1200のアルミナ研磨材を用いて0.01MPaの圧力でサンドブラストすることにより、算術平均粗さRaを0.18μmに調整したのち、縦250mm、横330mmの寸法に切断してスタンパーを完成した。
金型の光出射面に対応する面に、上記のスタンパーを取り付け、金型の光反射面に対応する面に厚さ0.6mm、算術平均粗さRa0.01μmのニッケル板からなるスタンパーを取り付け、金型の光入射面に対応する面に厚さ0.6mm、算術平均粗さRa0.03μmのニッケル板からなるスタンパーを取り付けた。ゲートは、光入射面と直交する両側面の、光入射面から10mm離れ、厚さ方向の中央の位置に、ピンポイントゲート各1個を設けた。
型締力3,440kNの射出成形機を用い、溶融樹脂温度275℃、金型温度80℃、射出1秒、50MPaの保圧7秒、冷却17秒、取り出し5秒、合計30秒のサイクルタイムで射出成形を行った。成形品は金型から容易に取り出すことができ、目視では成形品にウエルドラインは認められなかった。成形品の光出射面の算術平均粗さRaは、0.15μmであった。
得られた導光板の光反射面に白インキで反射パターンを印刷し、光出射面に拡散シート[(株)ツジデン、D117TF]とプリズムシート[住友スリーエム(株)、BEFII]2枚をプリズムを直交させて積層し、光入射面に冷陰極蛍光ランプ[ハリソン東芝ライティング(株)、MBVM16J]を取り付け、冷陰極蛍光ランプを内面が白色の反射板で覆ってバックライト装置を作製した。
冷陰極蛍光ランプに点灯して1時間後に、図4に示す13点において、二次元色分布測定装置[ミノルタ(株)、CA−1500W]を用いて表示画面の輝度を測定し、輝度平均値及び輝度最小値と最大値の比としての輝度均斉度を算出した。輝度の平均値は1,582cd/m2であり、輝度均斉度は85%であった。また、暗線と輝線は、表示画面に全く認められなかった。
比較例3
光出射面に対応する面に、厚さ0.6mmのニッケル板を#1200のアルミナ研磨材を用いて0.01MPaの圧力でサンドブラストすることにより、算術平均粗さRa0.18μmのシボ模様を形成したスタンパーを取り付けた以外は、比較例1と同様にして、射出成形により導光板を作製した。成形品は金型から容易に取り出すことができ、目視では成形品にウエルドラインは認められなかった。成形品の光出射面の算術平均粗さRaは、0.15μmであった。
この導光板を用いて、比較例1と同様にして、バックライト装置を作製し、評価を行った。輝度の平均値は2,373cd/m2であり、輝度均斉度は80%であった。また、暗線と輝線が表示画面に明らかに見られた。
実施例1〜4及び比較例1〜3の結果を、第1表に示す。
第1表に見られるように、導光板の光出射面に直径20μmの略半球状の凸部を有し、光出射面の算術平均粗さRaが0.30〜0.50μmである実施例1〜4のバックライト装置は、輝度均斉度が88〜93%と高く、暗線と輝線もかすかに見られる程度であり、表示画面の画質の良好な液晶表示装置が得られると推定される。
これに対して、導光板の光出射面の算術平均粗さRaが0.15μmである比較例1と比較例3のバックライト装置は、輝度均斉度が80%と低く、暗線と輝線も明らかに認められ、液晶表示装置に組み込んだとき、表示画面の画質が低いことが予想される。導光板の光出射面の算術平均粗さRaが0.15μmであっても、光出射面に拡散シートとプリズムシート2枚を積層した比較例2のバックライト装置は、輝度均斉度が85%になり、暗線と輝線も全く現れないが、平均輝度が著しく低下する。
これに対して、導光板の光出射面の算術平均粗さRaが0.15μmである比較例1と比較例3のバックライト装置は、輝度均斉度が80%と低く、暗線と輝線も明らかに認められ、液晶表示装置に組み込んだとき、表示画面の画質が低いことが予想される。導光板の光出射面の算術平均粗さRaが0.15μmであっても、光出射面に拡散シートとプリズムシート2枚を積層した比較例2のバックライト装置は、輝度均斉度が85%になり、暗線と輝線も全く現れないが、平均輝度が著しく低下する。
本発明の導光板は、光出射面に微細な略半球状の凸部を有し、光出射面の算術平均粗さRaが0.2〜3.0μmであり、輝度むらが小さく、暗線と輝線が目立たないバックライト装置とすることができる。本発明のバックライト装置を用いて作製した液晶表示装置は、優れた画質の表示画面を有する。
1 光入射面
2 光反射面
3 光出射面
4 側面
5 プリズム面
6 略半球状の凸部
7 導光板
8 冷陰極管
9 反射板
10 反射シート
11 プリズムシート
12 拡散シート
13 導光板
13A 光入射面
13B 光出射面
13C 光反射面
14 管状光源
15 反射板
16 プリズムシート
17 拡散シート
18 反射シート
2 光反射面
3 光出射面
4 側面
5 プリズム面
6 略半球状の凸部
7 導光板
8 冷陰極管
9 反射板
10 反射シート
11 プリズムシート
12 拡散シート
13 導光板
13A 光入射面
13B 光出射面
13C 光反射面
14 管状光源
15 反射板
16 プリズムシート
17 拡散シート
18 反射シート
Claims (5)
- 熱可塑性樹脂を成形してなり、光入射面、光反射面及び光出射面を有する導光板において、光出射面に、平均底面積0.8〜31,000μm2、平均高さ0.5〜100μmの凸部又は平均開口部面積0.8〜31,000μm2、平均深さ0.5〜100μmの凹部を有し、光出射面の平坦部及び/又は凸部若しくは凹部の表面の算術平均粗さRaが0.2〜3.0μmであることを特徴とする導光板。
- 光出射面に有する凸部の形状が、略半球状である請求項1記載の導光板。
- 光反射面にプリズム形状を有し、光反射面の算術平均粗さRaが0.1μm以下である請求項1又は請求項2記載の導光板。
- 光入射面の算術平均粗さRaが2.0μm以下である請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の導光板。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の導光板の光入射面に光源を備えてなることを特徴とするバックライト装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005008087A JP2006196369A (ja) | 2005-01-14 | 2005-01-14 | 導光板及びバックライト装置 |
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ID=36802263
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010045022A (ja) * | 2008-08-11 | 2010-02-25 | Advanced Optoelectronic Technology Inc | 側面照射式バックライトモジュール |
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JP2014505320A (ja) * | 2010-11-16 | 2014-02-27 | クゥアルコム・メムス・テクノロジーズ・インコーポレイテッド | 拡散光入力インターフェースをもつ光ガイド |
CN103727452A (zh) * | 2012-10-15 | 2014-04-16 | 群康科技(深圳)有限公司 | 显示装置及其发光模块与导光板 |
CN112965160A (zh) * | 2021-02-04 | 2021-06-15 | 东莞市元立电子科技有限公司 | 导光板出光面模仁、纹面导光板的加工工艺及纹面导光板 |
CN115244449A (zh) * | 2020-03-13 | 2022-10-25 | 三菱化学株式会社 | 导光板以及ar显示器 |
-
2005
- 2005-01-14 JP JP2005008087A patent/JP2006196369A/ja active Pending
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