JP2006196345A - 配線用碍子の塩害防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の耐塩型碍子では対応することのできない超重塩害地域でも塩害を発生させることなく、風向きの変化にも対応することができ、碍子の軸方向が鉛直方向から斜めとなる場合でも用いることができる配線用碍子の塩害防止装置を提供する。
【解決手段】 配線用碍子1の軸周り全周を取り囲むように配置した防風カバー2を設けてなることを特徴とする配線用碍子の塩害防止装置である。防風カバー2は純チタン又はチタン合金もしくはステンレス鋼によって形成され、配線用碍子1に固定されてなる。1個の防風カバー2で構成する場合は、配線用碍子の全長又はほぼ全長を覆い、防風カバー2の一方の端部は配線用碍子1に固定され、他方の端部は開いている。2個の防風カバー(3、4)で構成する場合、2個の防風カバーの開いた端部はお互いに接触せずに重なりを有してなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、配線用碍子の塩害防止装置に関するものである。
高圧線等の配電線と送電塔との間を絶縁するため、配線用碍子が用いられる。海岸に近い地域では、強い風に運ばれてくる塩分が碍子に付着し、碍子の湿潤時に交流フラッシュオーバ電圧が低下して沿面閃路を生じる。
従来、耐塩型碍子として、例えば特許文献1に記載のように、スカート型の笠の形状によって塩分などを含む汚損液の浸入を少なくして漏洩電流を防止している。
また、海岸付近の高圧配電線を絶縁支持する高圧ピン碍子として、特許文献2に記載のような耐塩構造のものが用いられている。この耐塩高圧ピン碍子は、多重深ヒダ笠の下面に耐塩皿を設けたもので、全体は中心ピンにより電柱アームに固定されている。多重深ヒダ笠は外笠の内側に内リブを備えており、耐塩皿の上部は外笠と内リブとの間に挿入されている。耐塩皿は碍子下方からの風の巻き込みによる笠裏面への塩分付着を防止している。
さらに、特許文献3には、配電線用コンポジット碍子の防塩カバーが記載されている。これにより、配電線用コンポジット碍子の一部を常に乾いた状態に保つことができ、簡単に塩害対策を行うことができる。
しかし、強い潮風が吹き荒れる海岸の近く等の超重塩害地域では、上記のような耐塩碍子を用いたとしても、碍子全面に塩分が付着し、更に耐塩碍子のスカートや笠の内部までも塩分が付着することがある。そのため、碍子の表面湿潤時に沿面トラッキングが発生して碍子が破損する事故が多発している。
特許文献4においては、ケーブルヘッドに限定して、超重塩害地域でも塩害が発生させないための塩害防止方法と装置が開示されている。即ち、ケーブルヘッドを固定した支持部材上に、絶縁材料からなるコ状の風防を、開口側を風下側に向けて各ケーブルヘッド毎にケーブルヘッドの碍子部を囲むようにしている。強い潮風が吹き荒れて塩分が風防に付着してもケーブルヘッドの碍子への付着は少なく、風防の内部に巻き込まれる塩分の量よりも吸い出される量が多く、潮風の碍子への影響を少なくすることができる。また風防の風下側は開いているので、ケーブルヘッドの汚染状況は巡視点検に用いている双眼鏡によって監視することができ、しかも、ジェット水による碍子の洗浄をそのままの状態で行うことができるとしている。
特開平9−92058号公報 特開2001−332148号公報 特開平10−312721号公報 特開2002−343165号公報
特許文献4に記載の塩害防止装置おいては、ケーブルヘッドの碍子を囲む風防をコ状にすることにより、内部に巻き込まれる塩分よりも吸い出される量が多くなるとしている。しかし実際には、物体の風下側にも渦は発生するのであり、コ状とすることでかえって風下側に安定した渦を形成し、風防が開口した風下側は風防がないよりもむしろ塩分の付着が増加する。また、風防の開口方向は固定されているため、台風などにおける風向きの変化に対応することは難しい。また、風防が大きく重たいために腕金に固定することが必要である。従って、碍子の軸方向が鉛直方向から斜めとなる耐張碍子を塩害から守る場合には、このような風防を用いることができない。
本発明は、従来の耐塩型碍子では対応することのできない超重塩害地域でも塩害を発生させることなく、風向きの変化にも対応することができ、碍子の軸方向が鉛直方向から斜めとなる場合でも用いることができる配線用碍子の塩害防止装置を提供することを目的とする。
即ち、本発明の要旨とするところは以下の通りである。
(1)配線用碍子1の軸周り全周を取り囲むように配置した防風カバー2を設けてなることを特徴とする配線用碍子の塩害防止装置。
(2)防風カバー2は純チタン又はチタン合金もしくはステンレス鋼によって形成されてなることを特徴とする上記(1)に記載の配線用碍子の塩害防止装置。
(3)防風カバー2は配線用碍子1に固定されてなることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の配線用碍子の塩害防止装置。
(4)1個の防風カバー2が配線用碍子の全長又はほぼ全長を覆い、防風カバー2の一方の端部は配線用碍子1に固定され、他方の端部は開いていることを特徴とする上記(3)に記載の配線用碍子の塩害防止装置。
(5)開いている端部は、防風カバー軸方向中央部の内断面積に比較して小さな開口断面積となる形状であることを特徴とする上記(4)に記載の配線用碍子の塩害防止装置。
(6)2個の防風カバーを配置し、2個の防風カバーはいずれも一方の端部は配線用碍子のそれぞれの端部に固定され、いずれも他方の端部は開いており、2個の防風カバーの開いた端部はお互いに接触せずに重なりを有してなることを特徴とする上記(3)に記載の配線用碍子の塩害防止装置。
(7)3個以上の防風カバーを配置し、第1、第2の防風カバーはいずれも一方の端部が配線用碍子のそれぞれの端部に固定され、いずれも他方の端部は開いており、第1、第2以外の防風カバーは第1、第2の防風カバーの間の部分において配線用碍子をカバーし、それぞれの防風カバーの端部はお互いに接触せずに重なりを有してなることを特徴とする上記(3)に記載の配線用碍子の塩害防止装置。
(8)防風カバーの形状は円筒状、円錐状、又は円筒状と円錐状とを組み合わせた形状をなし、防風カバーを構成する板は褶曲形状を有してなることを特徴とする上記(1)乃至(7)のいずれかに記載の配線用碍子の塩害防止装置。
本発明は、配線用碍子の軸周り全周を取り囲むように配置した防風カバーを設け、さらに防風カバーは純チタン又はチタン合金もしくはステンレス鋼によって形成することにより、施工が簡単で低コストで、効果的に配線用碍子の塩害を防止することができる。
図1、図2に基づいて本発明の説明を行う。図1は本発明の塩害防止装置を示す断面図であり、図1において、防風カバー2は配線用碍子1の全周を取り囲むように軸対称に形成されている。また、図2は本発明の塩害防止装置を示す部分断面図であり、図2において、防風カバー2は耐塩型碍子1aの全周を取り囲むように軸対称に形成されている。
本発明の配線用碍子の塩害防止装置においては、図1、図2に示すように、配線用碍子1の軸周り全周を取り囲むように配置した防風カバー2を設けている。特許文献4に記載のように、碍子を囲む風防をコ状にすると、風防が開口した風下側は風防がないよりもむしろ塩分の付着が増加する。これに対し本発明は碍子1の軸周り全周を取り囲むように防風カバー2を配置しているので、碍子1への塩分の付着をほぼ完全に防止することができる。また周方向に開口部がないので、どのような方向から風が吹いても、碍子への塩分付着を防止することができる。また本発明の防風カバー2は、配線用碍子1の全長又はほぼ全長を覆うように配置されると好ましい。これにより、内部に配置された碍子1への塩分の付着を十分に防止することが可能となる。
特許文献4に記載のものにおいては、碍子の汚染状況の点検やジェット水による碍子の洗浄を行う必要があったが、本発明においては、碍子への塩分の付着がほとんど完全に防止できるので、監視も洗浄もまったく必要なくなった。従って、監視や洗浄のための切り欠き部を不要とするのみならず、保守点検費用やメンテナンス費用を大幅に削減するという効果を併せ持つ。
特許文献4に記載のものは、風防の材質として絶縁材料を用いることとしている。碍子が絶縁を目的として配置されているので、碍子を守るための風防も絶縁材料が必要であろうとの固定観念に基づくものと思われる。風防を絶縁材料によって構成するため、風防は大きくかつ重くなり、碍子に直接固定することができなかった。しかし、配電線と送電塔側との間の絶縁は碍子が担っているのであるから、碍子の絶縁状態さえ確保すれば、防風カバーそのものを絶縁材料で構成する必要はないのである。本発明はこの着想に基づき、防風カバー2の材質を絶縁材料に限定しない点を特徴とする。そのため、金属材料を用いて防風カバー2を形成することが可能となった。これにより、防風カバー2を軽量化することができ、防風カバー2を碍子1に直接固定することも可能となる。
特許文献1〜3に記載の耐塩型碍子においては、塩分の浸入を防ぐための笠やスカートそのものが碍子材料によって形成されている。笠やスカートが絶縁機能をも担っているからである。従って、笠やスカートの表面に塩分が付着しかつ湿潤状態になると、絶縁が破られることとなる。
本発明においては、防風カバー2はその内部に配置された碍子1への塩分付着を防止することのみが目的であり、内部の碍子さえ絶縁性を保持していれば、防風カバー2が導電性であっても絶縁に対する影響はない。そのため、従来の耐塩型碍子のように耐塩構造への塩分付着が問題となることはなく、防風カバーへの塩分付着があってもまったく問題がないのである。
特許文献4に記載のものは、風防の内部に配置する碍子として耐塩型碍子を用いていた。これに対し本発明では、防風カバーの内部に配置する碍子にはほとんど塩分が付着しないので、該碍子として耐塩型ではない通常の碍子を用いることとしてもまったく問題がない。
本発明においては、防風カバー2をチタン材料(純チタン又はチタン合金)やステンレス鋼のような比弾性係数の大きな部材を用いて形成すると特に好ましい。比弾性係数とは、材料の比重を弾性係数で除した値である。表1には各種材料の比弾性係数を示す。特許文献4に記載の風防には絶縁材料である塩化ビニールが用いられているが、塩化ビニールの比弾性係数(単位:g/GPa・cm3)は0.467と大きな値である。これに対し、チタン合金は0.038、ステンレス鋼は0.040であり、いずれも小さな値となるので、これら材料を用いて防風カバーを形成すると、防風カバー2を軽量化することが可能となる。
Figure 2006196345
チタン材料やステンレス鋼を用いて防風カバー2を形成する際においては、形状を円錐形状や円筒形状として加工工程を簡素化でき、低コスト化を図ることができる。またチタン系材料は質量当たりの単価は高価であるものの、高強度かつ低比重のチタンを用いることによって使用素材量の減量が可能となり、かえって低コストで製造することができる。
防風カバー2の固定方法としては、特許文献4に記載のように、碍子を固定した支持材料等に支持される固定方法を用いてもよいが、最も好ましくは、防風カバー2は配線用碍子1に固定されてなる。本発明で用いる防風カバー2としてチタン材料やステンレス鋼によって形成する場合には、防風カバー2が軽量化されるので、防風カバー2を配線用碍子1に直接固定することが可能となる。防風カバー2を配線用碍子1に固定することとすれば、図3に示すように、耐張碍子のように碍子の軸方向が鉛直方向から角度をなすような配置においても用いることができ、本発明の塩害防止装置を適用することが可能となる。
本発明において、1個の防風カバー2を用いる場合には、図1(a)、図2に示すように、当該1個の防風カバー2が配線用碍子1の全長又はほぼ全長を覆い、防風カバー2の一方の端部は配線用碍子1に固定され、他方の端部は開いていることとすると好ましい。防風カバー2が配線用碍子1の全長又はほぼ全長を覆っているので、碍子への塩分付着を最大限防止することができる。防風カバー2の一方の端部は配線用碍子1に固定するので、風防カバー2の取付けが容易であり、かつ配線用碍子1の向きが鉛直方向でなくても碍子を適切にカバーすることができる。防風カバー2の他方の端部は開いているので、碍子両端間の絶縁を確保することができる。
防風カバー2の開いている側の端部における開口部6は、防風カバー軸方向中央部の内断面積に比較して小さな開口断面積となる形状とすると好ましい。これにより、防風カバー2の開口断面積を小さくすることができ、開口部6から浸入する塩分の量を最小限とすることができる。
図2に示す例では、配線用碍子1として通常の耐塩型ケーブルヘッド碍子1aを用いた。防風カバー2はステンレス鋼製である。ケーブルヘッド碍子の上端部に防風カバー2の上端部を固定した。防風カバーの上端部から途中までの2aの部分は円錐形状とし、そこから下端部付近までの2bの部分は円筒形状としている。防風カバー下端部の2cの部分には平板ドーナツ状の部材を配置し、防風カバー開口部6の開口断面積を小さくしている。
図1(a)に示す例では、配線用碍子1として、耐塩型を用いず、通常の高圧耐張碍子を用いている。防風カバー2はチタン合金製である。碍子の上端部に防風カバー2の上端部を固定した。防風カバー2の上端部から途中までの2aの部分は円錐形状とし、2bの部分に円筒形状部を有し、さらに下端部までの2cの部分は先すぼまりの円錐形状としている。防風カバー下端部の開口部6の開口断面積は、円筒部の断面積よりも小さな面積としている。
本発明の配線用碍子の塩害防止装置は、図1(b)に示すように、2個の防風カバー(3、4)を配置することとしても良い。2個の防風カバーのうち、一方の防風カバー(第1の防風カバー3)はその上端部が配線用碍子1の上端部に固定され、他方の防風カバー(第2の防風カバー4)はその下端部が配線用碍子1の下端部に固定されている。2個の防風カバーの他方の端部はいずれも開いており、2個の防風カバーの開いた端部はお互いに接触せずに重なりを有している。防風カバーはこのような形状を有しているため、配線用碍子1は完全に防風カバーに囲まれることとなり、強風下においても塩分が碍子に付着することがない。1個の防風カバーで碍子の全長をカバーする場合と比較し、各防風カバーの長さを短くすることができるので、防風カバーの剛性を低くすることが可能となり、防風カバーを構成する材料の肉厚を薄くすることができる。
2個の防風カバーの重なり部分においては、防風カバー間の間隔が狭いほど、この隙間を通って内部に浸入する塩分を減少することができる。一方、この間隔が狭すぎると、碍子両端間の耐圧が十分に保持できないこととなる。間隔については、耐圧を保持するための最小間隔に加え、種々の原因で防風カバーが変形した際における変形代を考慮に入れて定めることとなる。逆に、最大変形代を規定し、種々の変形原因が発生した場合における変形量がこの最大変形代以下になるように防風カバーの剛性を実現することとしても良い。
強風時の風圧による防風カバーのたわみのうち、防風カバー円筒部のたわみについては、片持ち梁のたわみ計算式を用いて計算することができる。ただし、防風カバーの開いている端部と碍子との間の距離の変動量は、主に防風カバーと碍子との固定部付近における防風カバー弾性変形量によって定まる。従って、固定部付近における防風カバーの剛性を十分に確保する必要がある。
風圧によるたわみの他、強風時に異物が衝突することによる衝撃起因の変形、当該碍子を用いての送電線設置時におけるハンドリング起因の変形も考慮し、防風カバーの剛性設計を行う。
2個の防風カバー同士の重なり長さについては、この隙間を通して流入する潮風を防止することのできる十分な長さを確保する。図7に示すように、防風カバー内外の圧力差をΔP、防風カバー相互間の隙間間隔をh、重なり長さをlとし、圧力差ΔPによって防風カバー内に浸入する流量に対する影響を評価する。同一の圧力差ΔPにおいて、隙間間隔hが1/2になると流入量は1/8となる。また、重なり長さlが2倍になると流入量は1/2となる。従って、流入量を十分に少なくするために、可能な限り隙間間隔hを小さくし、さらに所要な重なり長さlを確保することとなる。
碍子の長さがさらに長い場合には、図1(c)に示すように、3個以上の防風カバー(3、4、5)を配置することとすると良い。第1の防風カバー3の上端部を配線用碍子1の上端部に固定し、第2の防風カバー4の下端部を配線用碍子1の下端部に固定する。第1、第2いずれの防風カバーも固定部と反対側の端部は開いている。第1、第2以外の防風カバーは第1、第2の防風カバーの間の部分において配線用碍子を包囲することによってカバーする。図1(c)に示すように第1〜第3の防風カバーを有する場合、第3の防風カバー5は円筒形状であり、第1と第2、第2と第3防風カバーの端部はお互いに接触せずに重なりを有している。第3の防風カバー5については、碍子の中間部分に固定することとすると良い。各重なり部分の隙間間隔と重なり長さについては、上記2個の防風カバーの場合と同様に設計することができる。
防風カバーの形状は、上述の通り円筒状、円錐状、又は円筒状と円錐状とを組み合わせた形状とすることにより、十分な剛性を有しかつ軽量の防風カバーとすることができる。図4(a)に示す例では、円錐状の部分2a、円筒状の部分2b、底部2cを別々に加工し、これらを嵌合部9による嵌め合いによって結合することができる。これにより、きわめて安価な防風カバーとすることができ、かつ現場で嵌め合い結合をすることによって防風カバーの形状を完成することができる。防風カバーと碍子との固定側端部である2a、2bの部分をまず碍子に固定し、その後に開いている側の端部である2cの部分を嵌め合い結合すると良い。このような組み立て順番とすることにより、防風カバーの開口部6の開口直径を碍子の外形最大直径よりも小さくすることができ、潮風の浸入を最小限に抑えることが可能となる。防風カバーの構成要素間の結合については、図4(b)に示すようにねじ込み式としても良い。図4(b)に示す例では、円筒状の部分2b、底部2cを別々に加工し、これらにはそれぞれネジ部10を形成し、両者をねじ込むことによって結合することができる。
もちろん、防風カバーの形状として、三角錐状−三角柱の構成や四角錐状−四角柱の構成とすることも可能である。
さらに本発明において、防風カバーを構成する板は褶曲形状7を有していると良い。
図5に示す例は、円筒形状の防風カバーの表面に、円筒の軸方向に向く峰を有するコルゲート形状7aを有している。図5は防風カバー2の軸方向から見た断面図であり、褶曲形状の各稜線部および谷部の曲率半径が防風カバー直径DAの1/10程度であり、内側に向かって開く面のなす角度が120°、外側に向かって開く面のなす角度が160°である。
また図6に示す例は、円筒形状の防風カバー2の表面に、円筒の周方向に向く峰を有するコルゲート形状7bを有している。図6は防風カバー2の横方向から見た断面図であり、褶曲部谷間の直径DAに対して峰部の直径DBは1.1倍であり、褶曲部のピッチPは防風カバーの直径の1/2程度である。
これら褶曲形状を有することにより、同じ質量の防風カバーの場合には剛性を高めることができ、あるいは同一の剛性を確保しつつより軽量の防風カバーとすることが可能となる。
防風カバーを配線用碍子に固定した本発明の場合、図3に示すように配線用碍子の軸方向角度は任意の角度とすることができるので、耐張碍子の塩害防止装置として用い、碍子の軸方向角度を鉛直方向と異なる方向としても良い。
高圧中実耐張碍子を対象に、本発明の塩害防止装置を適用した。塩害防止装置の形状として、図7に示す形状を用いた。碍子の長さは290mm、碍子の最大直径は110mmであり、防風カバーの材質としてチタン合金を用い、防風カバーの板厚は200μm、防風カバーの全長は290mmである。
防風カバーは図7に示すように2つの部分からなり、第1の防風カバー3と第2の防風カバー4それぞれの直径を表2に示すように変化させ、2個の防風カバーの開いた端部相互間の隙間間隔h、重なり長さlについても表2に示すように変化させた。
以上のような塩害防止装置を用い、碍子表面への塩分付着状況の評価を行った。塩分が全く付着しなかった場合を「非常に良い」、ほとんど付着しなかった場合を「良い」、塩分の付着があった場合を「悪い」と評価した。結果を表2に示す。
Figure 2006196345
表2から明らかなように、防風カバー相互の重なり部を形成することにより、碍子表面への塩分付着が防止できることが明らかである。また、隙間間隔hが狭いほど、必要な重なり長さlが少なくなることも明らかである。
本発明の塩害防止装置を示す断面図である。 本発明の塩害防止装置を示す部分断面図である。 碍子の軸方向が鉛直から斜めに向かう場合における本発明の塩害防止装置を示す部分断面図である。 本発明の防風カバーの構造を示す断面図である。 褶曲形状を有する本発明の防風カバーの形状を示す断面図である。 褶曲形状を有する本発明の防風カバーの形状を示す断面図である。 防風カバー重なり部の形状を説明する断面図である。
符号の説明
1 配線用碍子
1a 耐塩型碍子
2 防風カバー
3 第1の防風カバー
4 第2の防風カバー
5 第3の防風カバー
6 開口部
7 褶曲形状(コルゲート形状)
8 固定具
9 嵌合部
10 ネジ部
11 ケーブルヘッド
12 電柱
13 腕金
17a ケーブル
17b ケーブル取り付けワイヤー

Claims (8)

  1. 配線用碍子の軸周り全周を取り囲むように配置した防風カバーを設けてなることを特徴とする配線用碍子の塩害防止装置。
  2. 前記防風カバーは純チタン又はチタン合金もしくはステンレス鋼によって形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の配線用碍子の塩害防止装置。
  3. 前記防風カバーは配線用碍子に固定されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の配線用碍子の塩害防止装置。
  4. 1個の防風カバーが配線用碍子の全長又はほぼ全長を覆い、該防風カバーの一方の端部は配線用碍子に固定され、他方の端部は開いていることを特徴とする請求項3に記載の配線用碍子の塩害防止装置。
  5. 前記開いている端部は、防風カバー軸方向中央部の内断面積に比較して小さな開口断面積となる形状であることを特徴とする請求項4に記載の配線用碍子の塩害防止装置。
  6. 2個の防風カバーを配置し、2個の防風カバーはいずれも一方の端部は配線用碍子のそれぞれの端部に固定され、いずれも他方の端部は開いており、2個の防風カバーの開いた端部はお互いに接触せずに重なりを有してなることを特徴とする請求項3に記載の配線用碍子の塩害防止装置。
  7. 3個以上の防風カバーを配置し、第1、第2の防風カバーはいずれも一方の端部が配線用碍子のそれぞれの端部に固定され、いずれも他方の端部は開いており、第1、第2以外の防風カバーは第1、第2の防風カバーの間の部分において配線用碍子をカバーし、それぞれの防風カバーの端部はお互いに接触せずに重なりを有してなることを特徴とする請求項3に記載の配線用碍子の塩害防止装置。
  8. 防風カバーの形状は円筒状、円錐状、又は円筒状と円錐状とを組み合わせた形状をなし、防風カバーを構成する板は褶曲形状を有してなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の配線用碍子の塩害防止装置。
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