JP2006195668A - 電子会議システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の端末が同じ会議資料文書を共有しながら電子会議を行う場合に、秘密性のある部分は全ての端末で共有されないようにする。
【解決手段】 サーバ1にある画面データをクライアント端末3〜6へ送信し、クライアント端末3〜6は受信した画面データをディスプレイに表示させながら電子会議を行う電子会議システムにおいて、サーバ1が各クライアント端末3〜6へ送信する画面データ中の特定領域を任意のデータに置換する画面データ置換手段を備え、特定のクライアント端末に対して画面データ置換手段を有効にするようにした。
【選択図】 図1

Description

複数のクライアントが1つのサーバに接続して各クライアントにてサーバにある情報を閲覧あるいは編集可能なサーバ/クライアント型電子会議システム。
任意の端末にある情報を他の全ての端末にて閲覧あるいは編集可能な端末間データ通信型の電子会議システム。
近年、複数のクライアントが1つのサーバに接続して各クライアントにてサーバにある情報を閲覧あるいは編集可能なサーバ/クライアント型のシステムが提案されている。
例えば特許文献1には、複数の使用者に共有可能な共有データと各使用者の個人情報を有するホストコンピュータにて、個人情報に基づいて共有データを編集して端末へ送信することができるデータ通信装置が開示されている。
また特許文献2には1台のコンピュータで起動されたアプリケーションを他のコンピュータにおいて共有するシステムが開示されている。
また特許文献3には1つの情報端末に対して複数の端末から共有操作を行い、表示データも複数の端末間で共有するマルチメディア情報操作ウィンドウの共有操作方法が開示されている。
また特許文献4には個別画面での操作を共有画面に対して反映させることができる電子会議システムが開示されている。
また、既存技術としては、例えばRealVNC社製のVNC(Virtual Network Computing)と呼ばれるシステムがある。このシステムでは、1つのクライアントにおいて共有画面モードにあるサーバの画面バッファと個別画面モードにあるサーバの画面バッファとの両方の画面データをマルチウィンドウで同時に表示することができる。複数のアプリケーションプロセスが1つの文書ファイルに対して多重オープンできるようなファイルシステムを使用すると、これらの画面に同じ文書を表示させる。また、個々の画面(ウィンドウ)に対して別々の編集操作を行うことができる。クライアントはサーバにある1つの画面バッファにアタッチし、サーバからその画面バッファの画面データを受信して1つのウィンドウに表示させる。同じクライアントはさらに、サーバにある他の1つの画面バッファにアタッチし、サーバからその画面バッファの画面データを受信して他の1つのウィンドウに表示させることができる。この時、クライアントからサーバへはキーボードやマウスのイベントデータが送信され、サーバからクライアントへは画面データが送信される。
また、Microsoft社製のNetMeetingと呼ばれるシステムでは、1つの端末あるいはサーバで実行されているアプリケーションを他の複数の端末にて共有する機能(アプリケーション共有機能)がある。OS(Operating System)にMicrosoft Windows(登録商標)を使用している場合、フォルダの共有機能を使用して、NetMeetingのアプリケーション共有機能と同時に他の端末の共有化されたフォルダにあるファイルを開くことができる。
特開平8−202655号公報 特開平9−091228号公報 特開2001−197461公報 特開2003−281101公報
しかしながら、上記特許文献2、特許文献3、特許文献4では、1台のコンピュータで起動されたアプリケーションや会議資料文書の表示データ等を他のコンピュータにおいて共有することができるが、共有されるデータに秘密情報があり、その秘密情報の開示を許可されたユーザのみに限定したい場合に、特定のコンピュータに対して共有データ中の秘密情報の部分のみを隠蔽させることはできなかった。
また特許文献1では、個人情報を有するホストコンピュータにて、個人情報に基づいて共有データを編集して端末へ送信することができるが、共有データの配信とその編集されたデータの配信とを同時に行うことには言及されておらず、即ち、複数の端末に対して共有された会議資料データと個別に編集された会議資料データとを同期をとって送信することはできなかった。
そこで、本発明はこのような問題点を鑑みて成されたものであり、複数の端末が同じ会議資料文書を共有しながら電子会議を行う場合に、秘密性のある部分は全ての端末で共有されないようにすることができる電子会議システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、サーバにある画面データをクライアント端末へ送信し、前記クライアント端末は受信した画面データをディスプレイに表示させながら電子会議を行う電子会議システムにおいて、前記サーバが各クライアント端末へ送信する画面データ中の特定領域を任意のデータに置換する画面データ置換手段を備え、特定のクライアント端末に対して、前記画面データ置換手段を有効にする電子会議システムであることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記画面データ置換手段により置換する画面データ領域は任意に設定できる請求項1に記載の電子会議システムであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記画面データ置換手段により置換する画面データ領域は、クライアント端末毎に任意に設定できる請求項1に記載の電子会議システムであることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記画面データ置換手段を有効にされた画面データの送信先である特定のクライアント端末は、予めサーバに登録されている請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の電子会議システムであることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、電子会議通信を実行しているクライアント端末の中で議長権を持った端末が、画面データ置換手段を有効にされた画面データの送信先であるクライアント端末を選択、指定する請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の電子会議システムであることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、サーバにある画面データをクライアント端末へ送信し、前記クライアント端末は受信した画面データをディスプレイに表示させながら電子会議を行う電子会議システムにおいて、前記サーバが更新された画面データを全てのクライアント端末へ送信して全ての端末が同じ画面データを表示する完全画面共有モードと、前記更新された画面データを特定のクライアント端末へ送信して、特定のクライアント端末が更新された画面データを表示する限定画面共有モードとを備える電子会議システムであることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、前記限定画面共有モード時に更新された画面データの送信先である特定のクライアント端末は、予めサーバに登録されている請求項6に記載の電子会議システムであることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、電子会議通信を実行しているクライアント端末の中で議長権を持った端末が、限定画面共有モード時に更新された画面データの送信先であるクライアント端末を選択、指定する請求項6に記載の電子会議システムであることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、サーバにある画面データをクライアント端末へ送信し、前記クライアント端末は受信した画面データをディスプレイに表示させながら電子会議を行う電子会議システムにおいて、サーバが各クライアント端末へ送信する画面データ中の全てまたは特定領域を暗号化する画面データ暗号化手段を備え、前記画面データ暗号化手段により暗号化された画面データに対して復号化するためのキーを持ったクライアント端末のみが前記暗号化された画面データを復号化してディスプレイに表示させる電子会議システムであることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、ディスプレイを備えた複数の端末がネットワークに接続され、前記端末間で相互にデータの送受信を行う端末間データ通信型の電子会議システムにおいて、1つの端末が他の全ての端末へ送信する画面データ中の特定領域を任意のデータで置換する画面データ置換手段を備え、前記特定の端末に対して前記画面データ置換手段を有効にする電子会議システムであることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、前記画面データ置換手段により置換する画面データ領域は任意に設定できる請求項10に記載の電子会議システムであることを特徴とする。
請求項1、2に記載の本発明によれば、サーバにある共有画面データ中の秘密性のある部分を、特定のクライアント端末に対してのみ任意のデータで置換して送信できるため、個々の会議参加者に対応した秘密保持制御を行うことができ、電子会議システムの利便性を向上させることができる。
請求項3に記載の本発明によれば、サーバにある共有画面データ中の秘密性のある部分を複数の秘密レベルに階層化し、送信先のクライアント端末毎にその秘密レベルを選択して、データの隠蔽領域をクライアント端末毎にそれぞれ設定できるため、個々の会議参加者に対応した秘密保持制御を行うことができ、電子会議システムの利便性を向上させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、秘密性のある共有画面データの送信先クライアント端末を会議開始前に予めサーバに登録しておくことで、会議中における登録操作を不要とし、また会議中における登録の誤操作を防止でき、電子会議システムの利便性を向上させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、秘密性のある共有画面データの送信先クライアント端末を議長端末にて選択、指定できるため、秘密のレベルに対応した秘密保持制御を行うことができ、電子会議システムの利便性を向上させることができる。
請求項6に記載の発明によれば、共有画面に対して秘密性のある操作をした場合、その操作によって更新された共有画面データを、特定のクライアント端末に対してのみ送信できるため、個々の会議参加者に対応した秘密保持制御を行うことができ、電子会議システムの利便性を向上させることができる。
請求項7に記載の発明によれば、秘密性のある共有画面データの送信先クライアント端末を、会議開始前に予めサーバに登録しておくことで、会議中における登録操作を不要とし、また会議中における登録の誤操作を防止でき、電子会議システムの利便性を向上させることができる。
請求項8に記載の発明によれば、秘密性のある共有画面データの送信先クライアント端末を議長端末にて選択、指定できるため、秘密のレベルに対応した秘密保持制御を行うことができ、電子会議システムの利便性を向上させることができる。
請求項9に記載の発明によれば、サーバにある共有画面データ中の秘密性のある部分を暗号化し、これを復号化するためのキーを持ったクライアント端末のみが秘密性のある情報を見ることができるため、個々の会議参加者に対応した秘密保持制御を行うことができ、電子会議システムの利便性を向上させることができる。
請求項10、11に記載の発明によれば、議長端末にある共有画面データ中の秘密性のある部分を、特定の端末に対してのみ任意のデータで置換して送信できるため、個々の会議参加者に対応した秘密保持制御を行うことができ、電子会議システムの利便性を向上させることができる。
以下、発明の電子会議システムの実施形態について説明する。
なお、本実施の形態では、サーバに記憶された会議資料文書を複数のクライアントが閲覧、編集しながら会議を行う電子会議システムを例にとって説明する。
〔サーバ/クライアントシステムの実施形態〕
図1はサーバ/クライアントシステムのシステム構成例を示した図である。
本実施の形態のシステムはサーバ1とそれに接続された大型ディスプレイ装置2、及び各会議参加者が使用するクライアント3〜6から構成されており、これらの機器は無線LAN(例えばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11b)で接続されている。
サーバ1は、例えばPC−AT(The Personal Computer for Advanced Technologies)アーキテクチャ(IBM社が1984年に発表)のコンピュータであり、そのPCI(Peripheral Component Interconnect)バスに接続されたPCIアダプタボードを介して無線LAN用PCカード(PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)規格に準拠)が装着されている。
また、サーバ1にはOSとしてLinux、ウィンドウシステムとしてXウィンドウが実装されている。なお、図1中、サーバ1に接続されたキーボードの図示は省略している。
大型ディスプレイ装置2は、例えばPDP(Plasma Display Panel)の表示面にタッチパネルが付着されており、VGAケーブルとRS−232Cケーブルによってサーバ1と接続され、サーバ1の表示装置として機能すると共に、サーバ1のタッチ入力装置として機能する。なお、VGAケーブルはサーバ1からPDPへ画面表示信号を出力し、RS−232Cケーブルはタッチパネルが検出したタッチ入力座標データをサーバ1へ入力する。また、サーバ1は入力されるタッチ入力座標データを、マウス入力データと同様に処理する。
クライアント3〜6は、ユーザにより入力されたテキストデータや手書きデータをサーバ1へ送信し、またサーバ1から受信した画面データの表示を行うという機能に特化された携帯型表示パッドであり、電子ペン7〜10が付属されている。
図2は、クライアントである携帯型表示パッドのハードウェア構成図である。
この図2に示す携帯型表示パッド20は、CPU21、クロック22、スイッチ回路23、編集同期ボタン24、秘密設定ボタン25、メインメモリ26、ROM27、RTC28、無線LANコントローラ29、アンテナ30、LCD表示コントローラ31、LCD32、タッチパネルコントローラ33、タッチパネル34、USBコントローラ35、USB I/F36、システムバス37、バッテリ38、DC−DCコンバータ39、充電回路40、ACアダプタ41等から構成されている。
CPU21は、ROM(Read Only Memory)27に記憶された制御処理プログラム、OSや各種のアプリケーションプログラムを実行、処理する。
クロック22は、水晶発振子と分周回路から構成されており、CPU21やシステムバス37の動作タイミングを制御するためのクロックを生成している。
スイッチ回路23は、編集同期ボタン24や秘密設定ボタン25のオンを検出すると、CPU21に割り込みによりボタンのオンを通知する。
メインメモリ26は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)より構成されており、CPU21のワークエリア等で使用される。
ROM27は、システム全体の制御を行うためのプログラムが予め書き込まれている。
RTC(Real Time Clock)28は、日付時計であり、専用バッテリ(図示を省略)によりバックアップされている。
無線LANコントローラ29は、IEEE802.11b規格に準拠した無線通信を実行、制御する。
LCD表示コントローラ31は、文字やグラフィックデータ、またサーバ1から受信した画面データをD/A(Digital/Analog)変換すると共に、これらのデータをLCD32に表示するための制御を行う。
タッチパネルコントローラ33は、タッチパネル34上でタッチペン(電子ペン)7のペン先が接触した部分を検出し、その位置情報を取り込む。タッチパネル34はLCD32と重ね合わせて密着している。
USB(Universal Serial Bus)コントローラ35は、USB規格に準拠したデータ転送を実行、制御する。
バッテリ38は、充電が可能な例えばリチウムイオンバッテリ等である。
DC−DCコンバータ39は、ACアダプタ41またはバッテリ38から供給される電源を所定の電圧に変換して携帯型表示パッド20内部に供給すると共に、ACアダプタ41からの電源供給が無い場合はバッテリ38からの電源供給に切り換える。
充電回路40は、ACアダプタ41から電源が供給されている時にバッテリ38を充電する。
ACアダプタ41は、着脱可能な電源ケーブルと一体化しており、内蔵されたAC−DCコンバータにより、交流電源を所定の電圧の直流に変換する。
携帯型表示パッド20にはOSとしてLinux、ウィンドウシステムとしてXウィンドウが実装されている。
次に、サーバ1にある画面データがクライアント3〜6へ送信され、クライアント3〜6からサーバ1へはユーザの入力データが送信されるサーバ/クライアントソフトウェアの動作について説明する。このサーバ/クライアントソフトウェアとして、VNCを使用した場合の動作を、図3に示すVNCプロトコル(RFBプロトコル)とXプロトコルとの関係を示した図を参照しながら説明する。
VNCサーバプロセス(以降、VNCサーバと記載)45は、その起動時に1つの画面バッファを生成し、VNCクライアントプロセス(以降、「VNCクライアント」と記載)46は、この画面バッファにある画面データを自装置のディスプレイに表示する。
VNCサーバ45からVNCクライアント46へ送信される画面データ及びVNCクライアントからVNCサーバへ送信されるユーザの入力データはRFB(Remote Frame Buffer)プロトコルを使用して転送される。
RFBプロトコルは、1画面のデータを小領域(矩形)に分割し、さらにこの小領域の画像データを圧縮して送信する機能を持っている。この小領域の最小ブロックはタイルと呼ばれ、16×16画素である。
このように、VNCサーバは1画面のデータを分割して送信することができるため、1画面の中で変更のあった領域のみを選択して送信することができる。なお、サーバ1に存在するVNCサーバプロセスとクライアント3〜6に存在するVNCクライアントプロセスとはソケットにより通信できるようになっている。
VNCサーバ45はVNCクライアント46から受信したユーザの入力データをキーイベントまたはポインタイベントとして処理する。これらのイベントを受けると、VNCサーバ45はXサーバとして動作し、Xクライアント47に対してXイベントを通知するため、VNCクライアント46はサーバ1で動いているアプリケーション(Xクライアント)を操作できるようになっている。
次に、クライアント3〜6がサーバ1に接続してサーバ1で動いているアプリケーション(Xウィンドウ)を操作して、文書を表示できるようになるまでの動作シーケンスについて説明する。
サーバ1ではまず、必要とされる画面バッファの数だけ、VNCサーバプロセスを起動しておく。この画面バッファが複数のクライアントにより共有されないようにする、即ち、1つのクライアントのみがアタッチするように設定する場合、VNCサーバの起動コマンドには画面番号のみを指定する。例えば、画面番号を2とした場合のVNCサーバの起動コマンドは以下のようになる。
vncserver :2
サーバ1の画面バッファが複数のクライアントにより共有されるようにする場合には、VNCサーバの起動コマンドに画面番号に加えて共有を指示するオプションを指定する。例えば、画面番号1を共有とする場合のVNCサーバの起動コマンドは以下のようになる。
vncserver −alwaysshared :1
このようにして、サーバ1にて画面番号1をクライアント3〜6が共有画面として、また画面番号2を議長端末(クライアント3〜6のいずれか1つ)が個別にアタッチするようにVNCサーバプロセスを起動しておく。そして、各クライアント3〜6はサーバ1のIP(Internet Protocol)アドレスとアタッチする画面番号を指定してVNCクライアントプロセスを起動する。アタッチする画面番号を1とした場合のVNCクライアントの起動コマンド例を以下に示す。
vncviewer 192.168.1.1:1

IPアドレス
各クライアント3〜6は共有画面(画面番号1)用のVNCクライアントを、また議長端末はさらに個別画面(画面番号2)用のVNCクライアントをそれぞれ起動する。起動されたVNCクライアントはサーバ1のVNCサーバプロセスと接続すると、パスワードの入力画面を表示する。
ここで、ユーザによりパスワードが入力されると、このパスワードをサーバ1へ送信し、サーバ1にてこのパスワードを予め登録されたパスワードと照合して一致した場合にはコネクションを確立し、一致しない場合には接続を拒否する。このようにして、各クライアント3〜6にて共有画面を表示させるウィンドウを、また議長端末はさらに個別画面を表示させるウィンドウをLCD32に表示させる。
サーバ1では、共有画面を大型ディスプレイ装置2に表示させるために、自装置のIPアドレスと画面番号1を指定してVNCクライアントプロセスを起動する。このようにして、大型ディスプレイ装置2には共有画面のみが表示され、各クライアント3〜6には共有画面が、また議長端末はさらに個別画面がそれぞれ表示される。
次に、クライアント3〜6の1つのクライアントにて、共有画面表示ウィンドウに所定のアプリケーションを使用して任意の文書を表示させると、同じ文書が大型ディスプレイ装置2とクライアント3〜6の内、残りのクライアントの共有画面表示ウィンドウに表示される。続いて、議長端末にて、共有画面に文書を表示させた時に使用したのと同じアプリケーションを使用して共有画面に表示されたのと同じ文書を個別画面表示ウィンドウに表示させる。
ここまでは、既存のVNCサーバ/クライアントソフトウェアを使用して実現可能な動作である。
次に、同じ文書が共有画面表示ウィンドウと個別画面表示ウィンドウに表示されており、かつ2つのウィンドウでの文書の表示位置が同じ場合、即ち共有画面表示ウィンドウと個別画面表示ウィンドウに表示された文書データが同じ場合に、個別画面表示ウィンドウに表示された文書を編集した時にその同じ編集が所定のタイミング後に共有画面表示ウィンドウに表示された文書に対してなされる動作について、特許文献4を引用して説明する。
個別画面を管理するVNCサーバは、個別画面表示ウィンドウに表示された文書が編集されているときにVNCクライアントから受信したキーイベントデータとポインタイベントデータを全て記憶しておく。そして、所定のタイミングでこれらの記憶されたイベントを順次共有画面を管理するVNCサーバに通知する。
共有画面を管理するVNCサーバは、個別画面を管理するVNCサーバから受信するキーイベントとポインタイベントに対してVNCクライアントから受信する時と同様な処理を実行する。即ち、個別画面を管理するVNCサーバがVNCクライアントから受信したキーイベントやポインタイベントに対してリアルタイムに実行していたのと同じ処理を、所定のタイミング期間後に共有画面を管理するVNCサーバが実行する。
なお、これらの2つのVNCサーバ間でのキーイベントデータやポインタイベントデータの受け渡しは、ソケットを使用したプロセス間通信により行う。
〔第1の実施形態〕
次に本発明の第1の実施形態としてクライアントを議長端末として電子会議を実行する場合について説明する。
今、図1に示す全てのクライアントにて同じ文書が共有画面表示ウィンドウに表示されている。また、議長端末であるクライアント3では共有画面表示ウィンドウと個別画面表示ウィンドウが表示されており、且つこれら2つのウィンドウに同じ文書が同じ表示位置から表示されている。例えば共有画面表示ウィンドウと個別画面表示ウィンドウに同じ文書の1ページ目の先頭から表示されている。
まず、クライアント3の個別画面表示ウィンドウに表示された文書に対してユーザ(議長)が電子ペンを用いた編集操作をしており、編集同期ボタンが押されると、それまでの編集処理が共有画面に表示された文書に対しても実行される処理について説明する。
図4は、サーバのVNCサーバプロセスとクライアント間のデータの流れを示した図である。
サーバ1では、共有画面(画面番号A)を管理する第1のVNCサーバ51とクライアント3の個別画面(画面番号B)を管理する第2のVNCサーバ52、クライアント3〜6のいずれかの共有画面を操作して起動された第1の文書編集アプリケーション53、クライアント3の個別画面を操作して起動された第2の文書編集アプリケーション54、共有画面(画面番号A)の画面データを大型ディスプレイ装置2に表示するVNCクライアント55の各プロセスが起動されている。
また、クライアント3では画面番号Aの共有画面を表示、操作するVNCクライアント3−Aのプロセスと画面番号Bの個別画面を表示、操作するVNCクライアント3−Bのプロセスが起動されている。クライアント4〜6では画面番号Aの共有画面を表示、操作するVNCクライアントプロセスがそれぞれ起動されている。
クライアント3の個別画面表示ウィンドウに表示された文書に対して文字(テキスト)入力する位置にカーソルを移動するために電子ペン7でポイントされると、クライアント3のVNCクライアント3−Bはこのポイント位置データ(座標データ)をサーバ1の第2のVNCサーバ52へ送信する(図4の矢印a)。第2のVNCサーバ52はこの座標データをポインタイベントとして受信し、この座標データを第2の文書編集アプリケーション54へ渡す(矢印b)と共に、このイベントデータをキュー(キュー2)に入れる。このキューはプログラム中に定義された配列である。そして、第2の文書編集アプリケーション54は受信した座標データの位置にカーソルを移動し、第2のVNCサーバ52へ描画リクエストを出す(矢印c)。第2のVNCサーバ52はカーソルの表示位置を変えると共に更新された画面データをクライアント3へ送信する(矢印d)。
続いて、クライアント3にてキーボードウィンドウを使用して電子ペンで文字(テキスト)が入力されると、VNCクライアント3−Bはこの文字コードを第2のVNCサーバ52へ送信する(矢印a)。第2のVNCサーバ52はこの文字コードをキーイベントとして受信し、これらの文字コードを第2の文書編集アプリケーション54へ渡す(矢印b)と共に、このイベントデータをキュー2に入れる。第2の文書編集アプリケーション54はこの文字コードを受信すると、この文字コードを文書データに追加すると共に、第2のVNCサーバ52へ描画リクエストを出す(矢印c)。第2のVNCサーバ52は、文字コードに対応した文字フォントをカーソル位置に表示させると共に更新された画面データをクライアント3へ送信する(矢印d)。
このようにして、ユーザにより文字列が入力され、編集同期ボタン24が押されると、クライアント3は第2のVNCサーバ52へ編集同期を指示するリクエストを出し、第2のVNCサーバ52はキュー2に入っているイベントデータをファーストイン・ファーストアウトの順番で順次、第1のVNCサーバ51へ送信する(矢印e)。
なお、キュー2に入っているイベントデータを送信する前後に、これらのイベントデータ群の開始を示すデータ(イベント群開始データ)と終了であることを示すデータ(イベント群終了データ)を含めたイベントデータも第1のVNCサーバ51へ送信する。第1のVNCサーバ51はイベント群開始データとイベント群終了データとの間にあるこれらのイベントデータを第1の文書編集アプリケーション53へ渡し(矢印f)、第1の文書編集アプリケーション53は、これらのイベントデータに対応した処理を行い、即ち、先に実行された第2の文書編集アプリケーション54と同じ処理を行う(矢印g)。
第1のVNCサーバ51は、イベント群開始データを受信してからイベント群終了データを受信する前までの間は更新された画面データ(共有画面データ)をクライアント3〜6へ送信しない。そして、第1のVNCサーバ51はイベント群終了データを受信すると、その時の画面データをクライアント3〜6(矢印h、i、j、k)及びVNCクライアント55へ送信する(矢印l)。
このようにして、クライアント3の共有画面表示ウィンドウに表示された文書と個別画面表示ウィンドウに表示された文書の内容が同じとなる。また、クライアント4〜6はこれらの共有画面データをLCD32に表示し、VNCクライアント55は大型ディスプレイ装置2に表示する。
第1のVNCサーバ51は、特定のクライアントまたはVNCサーバからのイベントデータのみを処理し、他のクライアントまたはVNCサーバからのイベントデータは処理しない排他制御機能を持っており、今、クライアント3または第2のVNCサーバ52からのイベントデータのみを処理するようになっている。
次に、クライアント3の個別画面表示ウィンドウに表示された文書に対してユーザ(議長)が電子ペンを用いた編集操作をしており、秘密性のあるデータ領域を指定した後に編集同期ボタン24が押される場合について説明する。
秘密性のあるデータ領域は、クライアントに設けられた秘密設定ボタン25が押され、秘密化したい矩形領域の左上及び右下の2点が指定されることにより確定する。
図5は文書に追加された文章の一部を秘密領域に指定した例を示した図であり、この図5に示す文書70に対して点Aと点Bを対角とした矩形領域71を指定する例が示されている。
秘密設定ボタン25が押された時の処理を説明する。
秘密設定ボタン25が押されると、図4に示したクライアント3は現在のフォーカスウィンドウである個別画面表示ウィンドウの画面データを持っている第2のVNCサーバ52へ秘密モードに設定するリクエストを出す。第2のVNCサーバ52はこのリクエストを受信すると秘密モードに設定すると共に、秘密領域の指定のために使用する仮想的な透明スクリーン(以降、単に「透明スクリーン」と記す)を画面データに重畳する。
図6は、第2のVNCサーバの画面バッファにある画面データと透明スクリーンを論理的なプレーンに階層化して表した図である。
図6に示すように、画面表示データはデスクトップ画面61、第2の文書編集アプリケーション54のウィンドウ62、透明スクリーン63に階層化されている。透明スクリーン63の重畳と除去は、ウィンドウマネージャが行い、その透明スクリーン63上のデータの管理は重畳描画プロセスが行う。ウィンドウマネージャと重畳描画プロセスはXクライアントであり、VNCサーバとインターフェイスを持っている。そして、透明スクリーンが重畳された状態になると、ウィンドウマネージャはその透明スクリーン63が重畳された領域に対するポインタイベントを重畳描画プロセスへ送信する。重畳描画プロセスは受信したポインタイベントに対して、ポイント処理や秘密領域を示す矩形を描画するための処理を行う。
クライアント3にて個別画面表示ウィンドウに表示された文書に対して文章(文字列)の追加や手書き描画等の編集操作が行われ、秘密設定ボタン25が押された後に秘密領域が指定されると、第2のVNCサーバ52はこの秘密領域の位置情報(画面データ中のポイントされた2点の画素位置)を記憶する。その後、クライアント3にて編集同期ボタンが押されると、第2のVNCサーバ52へ編集同期を指示するリクエストを出す。第2のVNCサーバ52はこれを受信すると、秘密モードとなっているため、イベント群開始データを含めたイベントデータに先だって、秘密モードの通知情報と秘密領域の位置情報を第1のVNCサーバ51へ送信する。
第1のVNCサーバ51はこれを受信すると秘密モードになり、秘密モードの間は第2のVNCサーバ52以外からのイベントデータの受け付けは行わない。第2のVNCサーバ52は続いてキュー2に入っているイベントデータを第1のVNCサーバ51へ送信する。第1のVNCサーバ51はこれらのイベントデータを第1の文書編集アプリケーション53へ渡し、第1の文書編集アプリケーション53はこれらのイベントデータに対応した処理を行う。即ち、先に実行された第2の文書編集アプリケーション54と同じ処理を行う。そして、第1のVNCサーバ51はイベント群終了データを受信すると、秘密モードにあるため、秘密情報の開示を許可されたクライアント端末が存在するか否かをチェックする。会議に参加する個々のクライアント端末に対する秘密情報の開示許可の情報は、会議開始前に予めサーバ1に登録しておく。VNC接続時にクライアントからサーバに送信されるパスワードをクライアント端末の識別情報とする。サーバのシステム管理者がサーバにクライアント端末のパスワードを登録する時に、クライアントの所有者の氏名もパスワードと対応付けて登録しておく。そして、会議主催者が会議開催前に個々の会議参加者について秘密情報の開示を許可するか否かの設定をしておく。第1のVNCサーバ51はこの設定をチェックして、現在接続しているクライアント端末について秘密情報の開示許可の判断をする。そして、秘密情報の開示を許可されたクライアント端末に対しては、画面データ(共有画面データ)をそのまま送信する。第1のVNCサーバ51は続いて、第2のVNCサーバ52から受信した秘密領域の位置情報に基づいて、画面データ(共有画面データ)中のその領域に該当する画面データを全て値がゼロのデータに置換する。そして、秘密情報の開示を許可されていないクライアント端末に対して、この画面データ(共有画面データ)を送信する。クライアント端末は受信した画面データを表示する。
クライアント(議長端末)3にて図5のような秘密領域が指定された時に、秘密情報の開示を許可されていないクライアント端末における更新された画面データは図7に示すような画面70Aになる。このようにして、秘密情報の開示を許可されたクライアント端末のみが秘密情報を見ることが可能となる。これまで説明した第1の実施形態における第1のVNCサーバの動作フローは、図8に示すステップS1〜S9により示される。また、この場合は、第1のVNCサーバ51が画面データ置換手段として機能することになる。
なお、上記第1の実施形態では、クライアント3の共有画面表示ウィンドウと個別画面表示ウィンドウに同じ文書の1ページ目の先頭から表示されている場合であったが、共有画面と個別画面に表示される文書の位置が常に同じになるように、特許文献4に開示された共有画面データのミラーリングを用いることも可能である。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態として会議に参加している各クライアント端末が、それぞれ異なった秘密レベルを有している場合について説明する。
例えば、秘密のレベルが高レベル、低レベルの2段階あり、クライアント3とクライアント4は両方のレベルの秘密情報を見ることができ、クライアント5は低レベルの秘密情報しか見ることができず、さらにクライアント6はいずれの秘密情報も見ることができない場合について説明する。
各クライアント端末についての秘密レベルは、サーバ1に予め登録しておく。即ち、会議主催者が会議開催前に個々の会議参加者について秘密情報(2段階)の開示を許可するか否かの設定をしておく。クライアント3(議長端末)とクライアント4のユーザに対しては2段階の秘密開示を許可し、クライアント5のユーザに対しては低レベルの秘密開示を許可し、クライアント6のユーザに対してはいずれの秘密開示も許可しないように設定しておく。
第1の実施形態と同様に、全てのクライアントにて同じ文書が共有画面表示ウィンドウに表示されており、クライアント3では共有画面表示ウィンドウと個別画面表示ウィンドウが表示されている。またクライアント3のこれら2つのウィンドウには同じ文書が同じ表示位置から表示されている。
また、クライアント3の個別画面表示ウィンドウに表示された文書に対してユーザ(議長)が電子ペンを用いた編集操作をしており、編集同期ボタンが押されると、それまでの編集処理が共有画面に表示された文書に対しても実行されるようになっている。
秘密データ領域は、クライアントに設けられた秘密設定ボタン25が押され、秘密化したい矩形領域の左上及び右下の2点が指定されることにより確定する。また、秘密レベルは、秘密設定ボタン25が1回押された時に低レベルに、2回連続して押された時に高レベルに設定される。
図9は、文書に追加された文章の一部を2段階の秘密領域に指定した例である。
この図9に示す文書70では、点Aと点Bを対角とした矩形領域72が低レベル秘密領域に、点Cと点Dを対角とした矩形領域73が高レベル秘密領域に指定されている。
クライアント3(議長端末)にて個別画面表示ウィンドウに表示された文書に対して文章(文字列)の追加や手書き描画等の編集操作が行われ、秘密設定ボタンが1回押された後に低レベル秘密領域が指定されると、第2のVNCサーバ52はこの秘密領域の位置情報(画面データ中のポイントされた2点の画素位置)を低レベル秘密領域として記憶する。
続いて、秘密設定ボタンが2回押された後に高レベル秘密領域が指定されると、第2のVNCサーバ52は同様にしてこの秘密領域の位置情報を高レベル秘密領域として記憶する。その後、クライアント3にて編集同期ボタンが押されると、第2のVNCサーバ52へ編集同期を指示するリクエストを出す。第2のVNCサーバ52はこれを受信すると、秘密モードとなっているため、イベント群開始データを含めたイベントデータに先だって、秘密モードの通知情報と低レベル秘密領域の位置情報及び高レベル秘密領域の位置情報を第1のVNCサーバ51へ送信する。第1のVNCサーバ51はこれを受信すると秘密モードになる。第2のVNCサーバ52は、続いてキュー2に入っているイベントデータを第1のVNCサーバ51へ送信する。
第1のVNCサーバ51は、これらのイベントデータを第1の文書編集アプリケーション53へ渡し、第1の文書編集アプリケーション53はこれらのイベントデータに対応した処理を行う。即ち、先に実行された第2の文書編集アプリケーション54と同じ処理を行う。そして、第1のVNCサーバ51はイベント群終了データを受信すると、秘密モードにあるため、現在接続しているクライアント端末について秘密情報の開示許可の判断をする。そして、高レベルな秘密情報の開示を許可されたクライアント4に対しては、画面データ(共有画面データ)をそのまま送信する。
第1のVNCサーバ51は続いて、第2のVNCサーバ52から受信した高レベルな秘密領域の位置情報に基づいて、画面データ(共有画面データ)中のその領域に該当する画面データを全て値がゼロのデータに置換する。そして、低レベルな秘密情報の開示を許可されたクライアント5に対して、この画面データ(共有画面データ)を送信する。さらに、第1のVNCサーバ51は、第2のVNCサーバ52から受信した低レベルな秘密領域の位置情報に基づいて、画面データ(共有画面データ)中のその領域に該当する画面データを全て値がゼロのデータに置換する。そして、秘密情報の開示を許可されていないクライアント6に対して、この画面データ(共有画面データ)を送信する。
クライアント端末は受信した画面データを表示する。クライアント(議長端末)3により図9に示すような秘密領域が指定された場合、クライアント5における更新された画面データの表示は図7に示す画面70Aのようになり、またクライアント6における更新された画面データの表示は図10に示す画面70Bのようになる。
このようにして、各レベルの秘密情報の開示を許可されたクライアント端末のみが、秘密レベルに応じた秘密情報を見ることが可能となる。これまで説明した第2の実施形態における第1のVNCサーバの動作フローは、図11に示すステップS11〜S22により示される。
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
この場合は、サーバ1にて、共有画面(画面番号A)と議長用個別画面(画面番号B)に加えて、秘密開示許可端末の指定等といった会議用の情報設定を行うためのVNCサーバプロセス(画面番号Cを指定)を起動しておく。そして、議長端末は共有画面(画面番号A)用のVNCクライアント、個別画面(画面番号B)用のVNCクライアント、さらに会議情報設定用の個別画面(画面番号C)用のVNCクライアントをそれぞれ起動して、サーバ1の各VNCサーバプロセスと接続する。
第1の実施形態と同様に、全てのクライアントにて同じ文書が共有画面表示ウィンドウに表示されており、クライアント(議長端末)3では共有画面表示ウィンドウと個別画面表示ウィンドウが表示されている。また、クライアント3のこれら2つのウィンドウには同じ文書が同じ表示位置から表示されている。
また、クライアント3の個別画面表示ウィンドウに表示された文書に対してユーザ(議長)が電子ペンを用いた編集操作をしており、編集同期ボタンが押されると、それまでの編集処理が共有画面に表示された文書に対しても実行されるようになっている。
また、秘密設定ボタンが押されてから編集同期ボタンが押されるまでの間の操作が秘密モードでの操作となる。
議長は秘密モードでの操作に先だって、会議情報設定用の個別画面を使用して、秘密情報の開示許可端末の指定を行う。例えば、クライアント4とクライアント5に対して秘密開示を許可する設定を行う。この設定情報はサーバ1のハードディスクに記憶される。続いて、議長がクライアント3にて個別画面表示ウィンドウをフォーカスウィンドウにして秘密設定ボタンを押すと、第2のVNCサーバ52は秘密操作モードとなる。そして、クライアント3の個別画面表示ウィンドウに表示された文書に対して文章(文字列)の追加や手書き描画等の編集操作が行われ、編集同期ボタンが押されると、第2のVNCサーバ52へ編集同期を指示するリクエストを出す。
第2のVNCサーバ52はこれを受信すると、秘密操作モードとなっているため、イベント群開始データを含めたイベントデータに先だって、秘密モードの通知情報を第1のVNCサーバ51へ送信する。第1のVNCサーバ51はこれを受信すると秘密モードになる。第2のVNCサーバ52は続いてキュー2に入っているイベントデータを第1のVNCサーバ51へ送信する。
第1のVNCサーバ51はこれらのイベントデータを第1の文書編集アプリケーション53へ渡し、第1の文書編集アプリケーション53はこれらのイベントデータに対応した処理を行う。即ち、先に実行された第2の文書編集アプリケーション54と同じ処理を行う。そして、第1のVNCサーバ51はイベント群終了データを受信すると、秘密モードにあるため、先にハードディスクに記憶された秘密開示許可端末情報を参照して、現在接続しているクライアント端末について秘密情報の開示許可の判断をする。そして、秘密情報の開示を許可されたクライアント端末(クライアント4とクライアント5)に対して、画面データ(共有画面データ)をそのまま送信する。
クライアント4とクライアント5は受信した画面データを表示する。秘密情報の開示を許可されていないクライアント6に対しては、この更新された画面データ(共有画面データ)は送信しない。
このようにして、秘密情報の開示を許可されたクライアント端末のみが、秘密情報を見ることが可能となる。これまで説明した第3の実施形態における第1のVNCサーバの動作フローは、図12に示すステップS31〜S37により示される。
〔第4の実施形態〕
第1の実施形態では、秘密情報の開示を許可されないクライアントに対して秘密領域の画面データを全て値がゼロのデータに置換する場合を示したが、本実施形態では秘密領域の画面データを暗号化することにより、秘密保持制御を行う場合について説明する。
本実施形態では、この画面データの暗号化方式として、共通鍵暗号法であるDES(Data Encryption Standard)方式を使用する。
ここで、DES方式について説明する。暗号化する前の文(平文)を64ビット毎のブロックに分けて、ブロック毎に暗号化、復号化を行う。鍵は56ビットであるが、パリティ8ビットを付加して64ビットとしている。平文を鍵により暗号化したデータも64ビットである。DES方式は、鍵の生成と暗号処理の2つの処理があり、暗号処理では入力パターンのビット順序を並び換える転字法と、入力パターンと出力パターンの関係をあるテーブルに従って変換する換字法を用いて平文データを暗号化する。
DES方式では暗号化で使用した鍵を暗号文と共に相手端末へ送信し、受信端末ではこの受信した鍵を使用して暗号文を復号化する。
第4の実施形態では、会議に参加する個々のクライアント端末に対する秘密情報の開示許可の情報は、会議開始前に予めサーバ1に登録しておく。
クライアント3にて個別画面表示ウィンドウに表示された文書に対して文章(文字列)の追加や手書き描画等の編集操作が行われ、秘密設定ボタンが押された後に秘密領域が指定されると、第2のVNCサーバ52はこの秘密領域の位置情報(画面データ中のポイントされた2点の画素位置)を記憶する。その後、クライアント3にて編集同期ボタンが押されると、第2のVNCサーバ52へ編集同期を指示するリクエストを出す。第2のVNCサーバ52はこれを受信すると、秘密モードとなっているため、イベント群開始データを含めたイベントデータに先だって、秘密モードの通知情報と秘密領域の位置情報を第1のVNCサーバ51へ送信する。第1のVNCサーバ51はこれを受信すると秘密モードになる。第2のVNCサーバ52は続いてキュー2に入っているイベントデータを第1のVNCサーバ51へ送信する。
第1のVNCサーバ51はこれらのイベントデータを第1の文書編集アプリケーション53へ渡し、第1の文書編集アプリケーション53はこれらのイベントデータに対応した処理を行う。即ち、先に実行された第2の文書編集アプリケーション54と同じ処理を行う。そして、第1のVNCサーバ51はイベント群終了データを受信すると、秘密モードにあるため、第2のVNCサーバ52から受信した秘密領域の位置情報に基づいて、画面データ(共有画面データ)中のその領域に該当する画面データをDES方式で暗号化する。そして、第1のVNCサーバ51は会議開始前に予め登録された設定をチェックして、現在接続しているクライアント端末について秘密情報の開示許可の判断をする。そして、秘密情報の開示を許可されたクライアント端末に対して、暗号化で使用した鍵と暗号化した領域の位置情報を送信する。
続いて、秘密領域を暗号データで置換した画面データ(共有画面データ)を全てのクライアント端末へ送信する。鍵と暗号化領域の位置情報を受信したクライアント端末は、これらの情報から暗号化領域のデータを復号化して、この復号化された画面データを暗号化領域の画面データと置換して表示する。他のクライアント端末は受信した画面データをそのまま表示する。
このようにして、秘密情報の開示を許可されたクライアント端末のみが、暗号データを復号化して秘密情報を見ることが可能となる。これまで説明した第4の実施形態における第1のVNCサーバの動作フローは、図13に示すステップS41〜S49により示される。なお、第3の実施形態で示したように、会議中に個々のクライアント端末に対する秘密情報の開示許可の操作を議長端末から適宜行うようにしてもよい。
〔端末同士のデータ通信システムの実施形態〕
本実施例では、ディスプレイを持った端末が複数個ネットワークに接続し、全ての端末で共有化された文書と各端末に個別に所有する文書を閲覧、編集しながら会議を行う場合を例にとって説明する。
まず、図14は複数の端末からなるネットワーク構成例を示した図である。
この図に示すネットワークは各会議参加者が使用する端末100〜104のみから構成されており、これらの端末100〜104は無線LANで接続されている。端末100〜104はハードディスクを内蔵した携帯型表示パッドであり、電子ペン105〜109が付属されている。
図15は端末である携帯型表示パッドのハードウェア構成を示した図である。なお、図15では、図2と同一の構成要素については同一の番号を付している。
この図15に示す携帯型表示パッド110は、CPU21、クロック22、スイッチ回路23、編集同期ボタン24、秘密モードボタン113、秘密操作ボタン114、メインメモリ26、ROM27、RTC28、無線LANコントローラ29、アンテナ30、LCD表示コントローラ31、LCD32、タッチパネルコントローラ33、タッチパネル34、USBコントローラ35、USB I/F36、システムバス37、バッテリ38、DC−DCコンバータ39、充電回路40、ACアダプタ41、HD(Hard Disc)コントローラ111、ハードディスク112等から構成されている。
携帯型表示パッド110にはOSとしてLinux、ウィンドウシステムとしてXウィンドウが実装されている。
次に、端末100〜104の間でデータの送受信を行いながら電子会議を実行する方法について説明する。この電子会議を実行するための通信プロトコルとして例えばITU−T勧告T.120シリーズを使用する。
このプロトコル構成を図16に示す。
図16に示す会議アプリケーション120は、アプリケーション共有機能、ホワイトボード機能、ファイル転送機能等を実行するための各アプリケーションの集合である。
ASCE(Application Sharing Conference Entity)121は、会議に参加した全ての端末でアプリケーションを共有するためのエンティティであり、ITU−T勧告T.128に準拠した動作を実行する。
SICE(Still Image Conferencing Entity)122は、ビットマップデータや手書きの描画データ等を送受信するためのエンティティであり、ITU−T勧告T.126に準拠した動作を実行する。なお、SICE122は主にホワイトボード機能で使用される。BFTE(Binary File Transfer Entity)123は、ファイル転送を行うためのエンティティであり、ITU−T勧告T.127に準拠した動作を実行する。
ノードコントローラ124とGCC(Generic Conference Control)125は、ネットワークに接続した端末が議長の制御に従って会議を実行したり、各端末の能力や属性等の端末情報のリストを管理したりする会議制御アプリケーションであり、ITU−T勧告T.124に準拠した動作を実行する。
MCS(Multipoint Communication Service)126は、複数端末間のセッションレイヤプロトコルを実行し、ITU−T勧告T.125に準拠した動作を実行する。
TCP(Transmission Control Protocol)127は、再送制御やフロー制御等のトランスポートレイヤプロトコルを実行する。
IP(Internet Protocol)128は、データパケットの送受信を制御するネットワークレイヤプロトコルを実行する。
無線LANドライバ129は、IP128と無線LANコントローラ29との間のI/Fとして動作する。
ここで、MCS126、GCC125、ノードコントローラ124の通信動作について説明する。
MCS126は、MCSプロバイダと呼ばれ、端末100〜104から成る無線ネットワークをMCSプロバイダ間のネットワークとして見たものは、MCSドメインと呼ばれる。図14に示すネットワーク構成において、端末100を議長端末とした場合、MCSドメインは、図17に示すような階層構造を持つ。
議長である端末100のMCSプロバイダ131は、トップMCSプロバイダであり、他の端末のMCSプロバイダ132〜135よりも上位に位置する。
各端末はMCSコネクションの確立後、MCSドメインにアタッチする。このアタッチにより、各端末はMCSドメイン内での端末識別子であるMCSユーザIDを取得する。
次に、各端末はMCSチャネルに加入する。MCSチャネルはMCSドメイン内のアドレスであり、同一チャネルに加入した全ての端末が、そのチャネルに送られるデータを受信する。
ここで、端末101が全ての端末が加入しているチャネルに対してデータを送信すると、このデータはトップMCSプロバイダである端末100へ転送される。そして、端末100はこのデータを端末102〜端末104へ転送する。このように、全ての端末が同一チャネルに加入することにより、データを全ての端末へ送信することができる。
なお、MCSドメイン内での端末識別子であるMCSユーザIDはMCSチャネル番号としても使用され、個別宛先へデータを送信する場合にMCSチャネル番号として使用する。
GCC125はGCCプロバイダと呼ばれ、また、トップMCSプロバイダである端末のGCCプロバイダはトップGCCプロバイダと呼ばれる。
各GCCプロバイダは会議に参加すると、アプリケーション共有機能、ホワイトボード機能、ファイル転送機能等の会議用アプリケーションのリストやMCSドメイン内での端末識別子であるMCSユーザID等の端末情報(会議ノードリスト)を他の全てのGCCプロバイダへ送信する。なお、この同報送信は全ての端末が加入しているMCSチャネルに対してデータを送信することで実現される。
これらの端末情報は、各端末にて受信し、ノードコントローラ124にて管理される。
またGCCは、議長権の割り当て等の制御も行い、会議開始時にはトップGCCプロバイダが議長権を持っている。ノードコントローラ124はユーザからの要求に従ってGCC125へ各種のプリミティブを発行したり、自端末及び他の全ての端末のアプリケーションリストや会議ノードリスト等を管理したりする。
次に1つの端末が持っている文書を無線ネットワークに接続された全ての端末で共有化する方法について説明する。
この文書の共有は、ITU−T勧告T.128に従ったアプリケーション共有機能を使用して実現する。今、議長端末である端末100が共有文書を持っており、端末101〜端末104がこの文書を共有する場合について説明する。端末100が共有文書を表示させている共有ウィンドウ(ホストウィンドウ)の表示データはASCE121間のプロトコルにより他の全ての端末(端末101〜端末104)へ送信し、端末101〜端末104はこのデータを自端末の共有ウィンドウ(シャドーウィンドウ)に表示させる。
端末100は共有ウィンドウ(ホストウィンドウ)の表示データに変更があった場合に、その変更部分の表示データを他の全ての端末へ送信する。端末100以外の端末、即ち、端末101〜端末104は共有ウィンドウ(シャドーウィンドウ)に対してテキスト入力や手書き入力が行われると、キーイベントやポインタイベントを端末100へ送信し、端末100はこれらのイベントを共有ウィンドウ(ホストウィンドウ)に対するイベントとして処理する。
即ち、端末101〜端末104にて共有ウィンドウ(シャドーウィンドウ)に対してテキスト入力や手書き入力が行われると、それらの入力データ(キーコード、座標データ)は端末100へ送信され、端末100はこれらの入力データに対応した文字や描画線データを共有化された文書へ追加する。そして、端末100はこれらの文字や手書き描画線を共有ウィンドウ(ホストウィンドウ)に表示すると共に、この更新された表示データを端末101〜端末104へ送信する。端末101〜端末104はこの更新された表示データを共有ウィンドウ(シャドーウィンドウ)に表示する。端末101〜端末104にて共有ウィンドウ(シャドーウィンドウ)に対して入力されるキーデータ(キーボード入力データ)とポインタデータ(ペン入力座標データ)は全て端末100へ送信されるため、共有文書を持たない端末においても共有文書を編集することが可能となる。ここまでは、従来技術を使用した動作である。
議長端末である端末100は秘密モードでの表示データの操作をするための秘密データ処理用ウィンドウを持っている。共有ウィンドウを管理するアプリケーション(以降、共有Winアプリと記す)と秘密データ処理用ウィンドウを管理するアプリケーション(以降、秘密Winアプリと記す)はXクライアントであり、これらは画面表示やキー入力、ポインタ入力を行うXサーバとXプロトコルによりデータの受け渡しを行う。
共有Winアプリは、アプリケーション共有機能を実行するアプリケーションであり、ASCE121ともインターフェイスを持つ。
また秘密Winアプリも通信相手端末を制御するためにASCE121とインターフェイスを持つ。秘密Winアプリと共有Winアプリとの間は、クライアント間の情報交換を行うためのセレクションを使用した方法によりデータの受け渡しを行う。
なお、セレクションを使用したクライアント間の通信方法は、Xプロトコル仕様の一部であるICCCM(Inter Client Communication Conventions Manual)の規格書に記載されており、その概要を説明する。
共有Winアプリからファイル名を秘密Winアプリに渡す場合について説明する。
セレクションは、任意の時点で1つのアプリケーションのみが所有できるトークンである。秘密モードになると、共有WinアプリはXライブラリであるXSetSelectionOwnerをコールしてセレクションを所有する。
秘密Winアプリは、XGetSelectionOwnerをコールしてセレクションを所有しているウィンドウID、即ち共有ウィンドウのウィンドウIDを取得する。
そして、秘密WinアプリはXConvertSelectionをコールし、Xサーバが共有WinアプリへSelectionRequestイベントを通知して、ファイル名をプロパティに格納するよう依頼する。
共有Winアプリは、ファイル名をプロパティに格納した後、XSendEventをコールして秘密WinアプリへSelectionNotifyイベントを通知する。秘密Winアプリはこのイベントを受けると、プロパティからファイル名を取得する。
秘密Winアプリ141、共有Winアプリ142、Xサーバ143、ASCE121の関係は図18に示すようになる。
〔第5の実施形態〕
端末100の秘密データ処理用ウィンドウにて入力された手書きデータが共有文書に追加され、この手書きデータの追加表示が秘密情報の開示を許可された端末の共有ウィンドウに対してなされる場合について説明する。
図19は、議長端末と秘密情報の開示が許可された端末の共有Winアプリ、Xサーバ、ASCE、及び端末の秘密Winアプリの各プロセス間のデータの流れを示した図である。以下、この図19を参照しながら説明する。
議長端末である端末100の共有ウィンドウには共有文書が表示され、端末101〜端末104の共有ウィンドウには端末100が所有の共有文書が表示されている。議長端末100の秘密モードボタン113が押されると、端末100は秘密モードになる。秘密モードになると、端末100は秘密Winアプリ141aを起動すると共に、全ての端末間で共有される共有文書とこの文書をコピーして生成されたローカルな文書(データ内容は共有文書と同じ)を持つ。このローカルな文書は以下のようにして生成される。
秘密モードになると、共有Winアプリ142aは共有ウィンドウに表示された文書ファイルのファイル名を、上述したセレクションを使用した方法により秘密Winアプリ141aへ渡す(矢印a)。秘密Winアプリ141aはこのファイルをテンポラリなファイルにコピーし、このテンポラリなファイルをオープンして文書ファイルのデータを秘密データ処理用ウィンドウに表示する。
続いて、秘密Winアプリ141aはポップアップウィンドウを生成、表示し、このウィンドウに、共有ウィンドウに表示された文書データの表示開始位置と秘密データ処理用ウィンドウに表示された文書データの表示開始位置を合わせる操作を催促するメッセージを表示する。
端末100のユーザ(議長)は、共有ウィンドウに表示された文書データの表示開始位置と秘密データ処理用ウィンドウに表示された文書データの表示開始位置を合わせる。例えば、同じページの先頭に合わせる。ここで、秘密操作ボタン114が押されると、秘密操作モードになる。そして、議長により、秘密データ処理用ウィンドウにて秘密性のある文章が手書き入力される。秘密操作モードになると、Xサーバ143aは秘密Winアプリ141aに通知するキー入力イベントとポインタ入力イベント(矢印b)のイベントデータをキューにも入れる。このキューはプログラム中に定義された配列である。そして、秘密データ処理用ウィンドウにて秘密性のあるデータ領域を黒で矩形塗りつぶし描画が行われ(矢印b、c)、編集同期ボタン24が押されると、秘密操作モードを解除し、端末100のXサーバ143aはキューに貯めておいたイベントデータを共有Winアプリ142aに渡す(矢印d)。共有Winアプリ142aは秘密Winアプリ141aと同じ動作処理を行い、秘密性のあるデータ領域を黒で矩形塗りつぶし描画する(矢印e)。そして、この更新された表示データをASCE121間のプロトコルにより他の全ての端末(端末101〜端末104)へ送信し(矢印f、g)、端末101〜端末104は共有Winアプリ142bにより、このデータを自端末の共有ウィンドウ(シャドーウィンドウ)に表示させる(矢印h、i)。
この時、端末100のASCE121aは、更新領域のビットマップデータをUpdatePDU(Update Protocol Data Unit)に含めて送信する。表示データの送信が終了すると、共有Winアプリ142aはセレクションを使用したクライアント間通信により秘密Winアプリ141aへ送信終了を通知する(矢印a)。秘密Winアプリ141aは送信終了通知を受けると、秘密情報の開示禁止端末に対して表示データの共有を解除するために、ASCE121aにdeactivateIDパラメータとして秘密開示禁止端末のMCSユーザIDを含めたDeactivateOtherPDUの送信を要求する(矢印j)。
なお、会議に参加する個々の端末に対する秘密情報の開示許可の情報は、会議開始前に予め議長端末100に登録しておく。
ASCE121aは、指定された宛先端末にDeactivateOtherPDUを送信し、これを受信した端末は共有ウィンドウを非アクティブな状態にする。続いて、秘密Winアプリ141aは、Undo(元に戻す)コマンドを、セレクションを使用したクライアント間通信により共有Winアプリ142aに通知する(矢印k)。共有Winアプリ142aはこの通知を受けると矩形塗りつぶし描画に対してUndo処理を行い、秘密性のあるデータが再び表示される(矢印e)。この更新された表示データはASCE121間のプロトコルにより他の全ての端末(端末101〜端末104)へ送信される(矢印f、g)。そして、秘密性のあるデータは、共有ウィンドウがアクティブな状態となっている端末では表示される(矢印h、i)が、非アクティブな状態となっている端末には表示されない。その後、議長により、秘密データ処理用ウィンドウを閉じる操作が行われると、秘密Winアプリ141aは終了、削除され、また秘密モードを解除する。
これまで説明した第5の実施形態における議長端末100の動作フローは、図20、図21に示すステップS51〜S70により示される。
上記第5の実施形態では、端末100〜端末104との間の通信手段として無線LANを使用した場合について説明したが、Bluetoothや有線LAN(イーサネット;登録商標)等の他の通信手段を使用することも可能である。また、端末100〜端末104は携帯型表示パッドとして説明したが、上記の動作を実行できる端末であれば何でもよく、例えばノートPC等も使用可能である。
端末間データ通信型の電子会議システムにおいても、1つの端末にて更新された画面データを他の全ての端末へ送信して全ての端末が同じ画面データを表示する完全画面共有モードと、前記更新された画面データを特定の端末のみへ送信して、特定の端末のみが更新された画面データを表示する限定画面共有モードとを持たせることができる。
限定画面共有モードは、上記の議長端末において、あるアプリケーション(例えば秘密Winアプリ)から秘密情報の開示禁止端末に対して表示データの共有を解除するために、ASCE121にdeactivateIDパラメータとして秘密開示禁止端末のMCSユーザIDを含めたDeactivateOtherPDUの送信を要求し、ASCE121が指定された宛先端末にDeactivateOtherPDUを送信することで実現できる。これを受信した端末は共有ウィンドウを非アクティブな状態にするため、この端末ではこれ以降、議長端末の共有ウィンドウの更新画面データは表示されないことになる。
サーバ/クライアントシステムのシステム構成例を示した図。 クライアントである携帯型表示パッドのハードウェア構成図。 VNCプロトコル(RFBプロトコル)とXプロトコルとの関係を示した図。 サーバのVNCサーバプロセスとクライアント間のデータの流れを示した図。 文書に追加された文章の一部を秘密領域に指定した例を示した図。 第2のVNCサーバの画面バッファにある画面データと透明スクリーンを論理的なプレーンに階層化して表した図。 秘密情報の開示を許可されていないクライアント端末における更新画面の一例を示す図。 第1の実施形態における第1のVNCサーバの動作フロー図。 文書に追加された文章の一部を2段階の秘密領域に指定した例を示した図。 秘密情報の開示を許可されていないクライアント端末における更新画面の一例を示す図。 第2の実施形態における第1のVNCサーバの動作フロー図。 第3の実施形態における第1のVNCサーバの動作フロー図。 第4の実施形態における第1のVNCサーバの動作フロー図。 複数の端末からなるネットワーク構成例を示した図。 端末である携帯型表示パッドのハードウェア構成を示した図。 会議通信のプロトコル構成を示した図。 端末100を議長端末とした場合のMCSドメインの階層構造を示した図。 秘密Winアプリ、共有Winアプリ、Xサーバ、ASCEの関係を示した図。 議長端末と秘密情報の開示が許可された端末の共有Winアプリ、Xサーバ、ASCE、及び端末の秘密Winアプリの各プロセス間のデータの流れ図。 第5の実施形態における議長端末の動作フロー図。 第5の実施形態における議長端末の動作フロー図。
符号の説明
1 サーバ、2 大型ディスプレイ装置、3〜6 クライアント、7〜10 105〜109 電子ペン、20 携帯型表示パッド、21 CPU、22 クロック、23 スイッチ回路、24 編集同期ボタン、25 秘密設定ボタン、26 メインメモリ、27 ROM、28 RTC、29 無線LANコントローラ、30 アンテナ、31 LCD表示コントローラ、32 LCD、33 タッチパネルコントローラ、34 タッチパネル、35 USBコントローラ、36 USB I/F、37 システムバス、38 バッテリ、39 DC−DCコンバータ、40 充電回路、41 ACアダプタ、45 VNCサーバ(Xサーバ)、46 VNCクライアント、47 Xクライアント、51 第1のVNCサーバ、52 第2のVNCサーバ、53 第1の文書編集アプリケーション、54 第2の文書編集アプリケーション、55 VNCクライアント、100〜104 端末、110 携帯型表示パッド、111 HDコントローラ、112 ハードディスク、120 会議アプリケーション、121 ASCE、122 SICE、123 BFTE、124 ノードコントローラ、125 GCC、126 MCS、127 TCP、128 IP、129無線LANドライバ、131 議長端末のMCSプロバイダ、132〜135 他の端末のMCSプロバイダ、141 秘密Winアプリ、142 共有Winアプリ、143 Xサーバ

Claims (11)

  1. サーバにある画面データをクライアント端末へ送信し、前記クライアント端末は受信した画面データをディスプレイに表示させながら電子会議を行う電子会議システムにおいて、前記サーバは各クライアント端末へ送信する画面データ中の特定領域を任意のデータに置換する画面データ置換手段を備え、特定のクライアント端末に対して、前記画面データ置換手段を有効にすることを特徴とする電子会議システム。
  2. 前記画面データ置換手段により置換する画面データ領域は任意に設定できることを特徴とする請求項1に記載の電子会議システム。
  3. 前記画面データ置換手段により置換する画面データ領域は、クライアント端末毎に任意に設定できることを特徴とする請求項1に記載の電子会議システム。
  4. 前記画面データ置換手段を有効にされた画面データの送信先である特定のクライアント端末は、予めサーバに登録されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の電子会議システム。
  5. 電子会議通信を実行しているクライアント端末の中で議長権を持った端末が、画面データ置換手段を有効にされた画面データの送信先であるクライアント端末を選択、指定することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の電子会議システム。
  6. サーバにある画面データをクライアント端末へ送信し、前記クライアント端末は受信した画面データをディスプレイに表示させながら電子会議を行う電子会議システムにおいて、前記サーバは更新された画面データを全てのクライアント端末へ送信して全ての端末が同じ画面データを表示する完全画面共有モードと、前記更新された画面データを特定のクライアント端末へ送信して、特定のクライアント端末が更新された画面データを表示する限定画面共有モードとを備えることを特徴とする電子会議システム。
  7. 前記限定画面共有モード時に更新された画面データの送信先である特定のクライアント端末は、予めサーバに登録されていることを特徴とする請求項6に記載の電子会議システム。
  8. 電子会議通信を実行しているクライアント端末の中で議長権を持った端末が、限定画面共有モード時に更新された画面データの送信先であるクライアント端末を選択、指定することを特徴とする請求項6に記載の電子会議システム。
  9. サーバにある画面データをクライアント端末へ送信し、前記クライアント端末は受信した画面データをディスプレイに表示させながら電子会議を行う電子会議システムにおいて、サーバは各クライアント端末へ送信する画面データ中の全てまたは特定領域を暗号化する画面データ暗号化手段を備え、前記画面データ暗号化手段により暗号化された画面データに対して復号化するためのキーを持ったクライアント端末のみが前記暗号化された画面データを復号化してディスプレイに表示させることを特徴とする電子会議システム。
  10. ディスプレイを備えた複数の端末がネットワークに接続され、前記端末間で相互にデータの送受信を行う端末間データ通信型の電子会議システムにおいて、1つの端末が他の全ての端末へ送信する画面データ中の特定領域を任意のデータで置換する画面データ置換手段を備え、前記特定の端末に対して前記画面データ置換手段を有効にすることを特徴とする電子会議システム。
  11. 前記画面データ置換手段により置換する画面データ領域は任意に設定できることを特徴とする請求項10に記載の電子会議システム。
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