JP2006195623A - 車両および車両駆動力制御方法 - Google Patents

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Katsuhiko Yamaguchi
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Abstract

【課題】車両走行中における障害物回避のための適切な駆動制御を行う。
【解決手段】障害物接近の危険性ありと判断された場合、マップ切替判定部22は、アクセル応答性の低い相関マップを利用するように判定信号を出力する。マップ記憶部24には、障害物が接近していない場合に利用される通常走行時の相関マップに加え、通常走行時よりもアクセル応答性が低い相関マップが記憶されている。障害物接近の危険性ありと判断された場合、駆動量算出部26は、判定信号に応じて、通常走行時よりもアクセル応答性が低い相関マップを選択する。そして、駆動量算出部26は、相関マップから得られる駆動量に応じた駆動力信号を駆動力発生部へ出力する。
【選択図】図2

Description

本発明は、障害物の検知結果に応じて駆動力を制御する技術に関する。
障害物センサにより障害物を検知し、検知結果に基づいて駆動制御を行う車両が知られている。例えば、特許文献1には、障害物センサにより障害物を検知した際にエンジンやモータといった動力源へのエネルギー供給を調整することによって、車両を加速不能または所定加速度以下となるように出力制限を行い、これにより、障害物との衝突を防止する技術が記載されている。また、特許文献2には、コーナーセンサにより障害物を検知してそれに応じて車両に制動力をかけることによって車両発進時の速度を制御し、これにより、障害物を乗り越えた後の急発進などを防止する技術が示されている。
特開2004−280489号公報 特開平09−39754号公報
ところが、上記従来の技術は、障害物を回避するための駆動制御として、最適な技術とは言えない面がある。例えば、特許文献1に記載の技術において、障害物を避ける方向へ車両を加速させようとした場合、加速不能または所定加速度以下に出力制限されてしまうため運転者の意図した回避動作が得られず、反って、回避操作の妨げになる可能性もある。また、特許文献2に記載の技術は、車両発進時の速度制御に関するものであり、車両走行中における障害物回避のための駆動制御を積極的に意図したものではない。
そこで本発明は、車両走行中における障害物回避のための適切な駆動制御を行うことを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の好適な態様である車両は、運転者による運転操作を検知する運転操作検知手段と、検知された運転操作に応じた駆動量を算出する駆動量算出手段と、算出された駆動量に応じた駆動力を発生する駆動力発生手段と、自車周辺に存在する障害物を検知する障害物検知手段と、を有し、前記駆動量算出手段は、前記障害物検知手段によって障害物が検知された場合に、運転操作に応じた駆動量の応答性を低下させる、ことを特徴とする。
望ましくは、前記運転操作検知手段は、前記運転操作として少なくともアクセル操作を検知し、前記駆動量算出手段は、前記障害物検知手段によって障害物が検知された場合、障害物が検知されない通常走行時と比較して、アクセル操作に応じた駆動量の応答を遅くする、ことを特徴とする。
望ましくは、前記駆動量算出手段は、前記障害物検知手段によって障害物が検知された場合、アクセル操作の操作量と駆動量とを対応付けた複数の相関マップのうち、通常走行時と比較してアクセル操作に応じた駆動量の応答が遅い相関マップを利用して駆動量を算出する、ことを特徴とする。
望ましくは、前記障害物検知手段は、車両の端部に設けられたコーナーセンサであることを特徴とする。望ましくは、前記駆動力発生手段はモータを含み、前記車両は動力源としてモータを利用する電気自動車であることを特徴とする。望ましくは、前記駆動力発生手段はモータおよびエンジンを含み、前記車両は動力源としてモータおよびエンジンを併用するハイブリッド車であることを特徴とする。
また上記目的を達成するために、本発明の好適な態様である車両駆動力制御方法は、車両に搭載される制御手段によって当該車両の駆動力を制御する方法において、運転者による運転操作を検知するステップと、検知された運転操作に応じた駆動量を算出するステップと、算出された駆動量に応じた駆動力を発生させるステップと、自車周辺に存在する障害物を検知するステップと、を有し、障害物が検知された場合に、運転操作に応じた駆動量の応答性を低下させる、ことを特徴とする。
本発明により、車両走行中における障害物回避のための適切な駆動制御が可能になる。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明に係る車両および車両駆動力制御方法の好適な実施形態が示されており、図1は、本発明に係る車両の全体構成を示す概念図である。
本実施形態の車両10は、コーナーセンサ12、アクセルセンサ14、車速センサ16、ECU20および駆動力発生部30を含んでいる。なお、車両10を実際に走行させるためには、ハンドルやブレーキなどの図示しない構成が必要であることは説明するまでもない。図1では、本発明を説明するために必要な構成を選択的に図示しているに過ぎない。また、図1はあくまでも概念図であり、図示する各構成の大きさや配置場所は、当業者による設計事項として適宜変更可能である。
車両10は、駆動力発生部30が発生する駆動力によって駆動する。駆動力発生部30が動力源としてエンジンを含む場合には車両10はエンジン車であり、駆動力発生部30が動力源としてモータを含む場合には車両10は電気自動車である。また、車両10は、動力源としてエンジンとモータとを併用するハイブリッド車であってもよい。
ECU20は、駆動力発生部30に対して、車両10を走行させるための各種制御を実行する。例えば、駆動力発生部30が動力源としてエンジンを含む場合、エンジンの運転状態を検出する各種センサから入力される信号を参照して燃料噴射制御、点火制御、吸入空気量調節制御などのエンジン制御を行い、運転者の運転操作に応じた駆動力が得られるようにエンジンを制御する。
また、駆動力発生部30が動力源としてモータを含む場合、ECU20は、モータの運転状態やモータに交流電流を供給するインバータの状態を検出する各種センサから入力される信号を参照してモータおよびインバータを制御することによって、運転者の運転操作に応じた駆動力が得られるようにモータを制御する。
なお、駆動力発生部30が動力源としてエンジンとモータを併用する場合、ECU20は、エンジンおよびモータの個々の制御とともに、車両の走行状態に応じてエンジンとモータの切替制御を行う。例えば、発進時や低速走行時のようにエンジン効率が低くなる領域ではエンジンを停止させてモータの動力を利用し、また、通常走行時にはエンジンを作動させてそのエンジンの動力を利用する。
本実施形態において、ECU20は、上記制御を行うにあたり、コーナーセンサ12、アクセルセンサ14および車速センサ16の各センサから出力される信号に基づいて、障害物回避のための制御を行う。
二つのコーナーセンサ12は、車両10の前方の左右端部にそれぞれ設けられる。例えば、車両10の前方のバンパに埋め込まれてもよい。各コーナーセンサ12は、ミリ波、超音波などを利用して、車両10の前方から側面方向にかけて存在する障害物を検知し、検知結果をコーナーセンサ信号としてECU20へ出力する。各コーナーセンサ12が出力するコーナーセンサ信号には、例えば、障害物の有無、障害物との距離などの情報が含まれる。ちなみに、車両10の後方にコーナーセンサ12を設けて、後方に存在する障害物を検知する構成にしてもよい。
アクセルセンサ14は、アクセルの近傍に設けられ、運転者によるアクセルの操作量を検知し、検知結果をアクセル信号としてECU20へ出力する。アクセルセンサ14が出力するアクセル信号には、例えば、アクセル踏み込み量などの情報が含まれる。また、車速センサ16は、変速機の出力軸の回転数を計測することにより、車両10の走行速度である車速情報を含んだ車速信号をECU20へ出力する。
図2は、図1の車両10に搭載されるECU20内部の機能構成図である。ECU20は、CPU、ROM、RAMなどを含んだハードウェア構成によって、図2に示すように、マップ切替判定部22、マップ記憶部24および駆動量算出部26の各機能を実現する。以下、図2を利用してECU20内部の各機能を説明する。なお、以下において図1に示した部分には図1の符号を付して説明する。
駆動量算出部26は、運転者の操作に応じた駆動力が得られるように、動力源(エンジンおよびモータの少なくとも一方)を含む駆動力発生部30に対して、駆動力信号を出力する。駆動量算出部26は、アクセル踏み込み量とそれに応じた要求駆動量とを対応付けた相関マップを利用して、運転者によるアクセル操作に応じた駆動量を算出する。相関マップは、例えば、車速が高速の場合に利用されるマップ、中速の場合のマップ、低速の場合のマップなどのように、走行状態に応じた複数のマップが用意されている。さらに、ハンドル操作やシフト操作などの他の運転操作量の相違に応じて、異なる相関マップが用意されてもよい。複数の相関マップは、マップ記憶部24に記憶されており、駆動量算出部26は、マップ記憶部24から必要なマップを選択的に読み込んで、駆動力信号の算出に利用する。
マップ切替判定部22は、コーナーセンサ信号および車速信号に基づいて相関マップの切替判定を行い、その結果を判定信号として駆動量算出部26へ出力する。コーナーセンサ信号には、障害物の有無、車両10と障害物との距離などの情報が含まれている。また、車速信号には、車両10の車速情報が含まれている。マップ切替判定部22は、障害物との距離(または障害物の有無)および車速に応じた相関マップが利用されるように、駆動量算出部26へ判定信号を出力する。
図3は、図2のECU20の動作を説明するためのフローチャートである。以下、図3を利用してECU20の動作を説明する。なお、以下において図2に示した部分には図2の符号を付して説明する。
(S301)障害物接近の危険性があるか否かを判断する。マップ切替判定部22は、コーナーセンサ信号に基づいて障害物が接近しているか否かを判断する。例えば、コーナーセンサ信号に障害物有の情報が含まれている場合、あるいは、コーナーセンサ信号に含まれる障害物との距離が所定距離以下の場合などに、障害物接近の危険性ありと判断する。また、コーナーセンサ信号に含まれる障害物との距離および車速信号に含まれる車速から障害物に到達するまでの時間を求めて、求めた時間が所定時間以下の場合に障害物接近の危険性ありと判断してもよい。
(S302)アクセル信号に対する駆動力応答性を低下させる。障害物接近の危険性ありと判断された場合、マップ切替判定部22は、アクセル応答性の低い相関マップが利用されるように判定信号を出力する。マップ記憶部24には、障害物が接近していない場合に利用される通常走行時の相関マップに加え、通常走行時よりもアクセル応答性が低い相関マップが記憶されている。アクセル応答性が低い相関マップとは、例えば、通常走行時のものに比べてアクセル操作に対する駆動力の出力タイミングをやや遅らせた相関マップや、通常走行時のものに比べてアクセル踏み込み量に対する駆動力の大きさを小さく抑えた相関マップなどである。また、マップ切替判定部22は、車速信号に応じて、その時の走行速度に対応した相関マップが利用さるように判定信号を出力する。
(S303)相関マップに基づいて駆動力信号を出力する。駆動量算出部26は、マップ記憶部24から必要なマップを選択的に読み込んで、アクセル信号に応じた駆動量を算出する。この際、マップ切替判定部22から出力される判定信号に対応した相関マップを選択する。例えば、アクセル応答性の低い相関マップを示している場合には通常走行時よりもアクセル応答性が低い相関マップを選択する。また、通常走行時の相関マップを示している場合には通常走行時の相関マップを選択する。そして、駆動量算出部26は、相関マップから得られる駆動量に応じた駆動力信号を駆動力発生部(図1の符号30)へ出力する。
このように、本実施形態では、障害物が接近している場合にアクセル信号に対する駆動力応答性を低下させている。このため、仮に運転者がブレーキペダルとアクセルペダルを踏み間違えるなどの誤操作を行った場合でも、誤って踏み込んだアクセル操作に対する駆動力の出力タイミングが遅れることなどにより、誤操作による急加速等の発生が防止され、障害物に衝突する危険性を低減させることができる。特に、低速走行時において誤操作による急加速が防止されることは、障害物回避操作の適切な支援となる。また、コーナーセンサによって車両の前方から側面方向にかけて存在する障害物が検知されるため、ハンドル操作に応じて車両が進行する方向の障害物を検知することができ、これにより、ハンドル操作を伴う障害物回避操作の支援としても有用である。
なお、本実施形態において、マップ切替判定部22は、障害物接近の危険性の度合いに応じた判定信号を出力してもよい。例えば、マップ切替判定部22が障害物との距離に応じて異なる判定信号を出力し、駆動量算出部26が障害物との距離に応じた相関マップを利用する構成にしてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上述した実施形態は、あらゆる点で単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。例えば、上述した実施形態では、相関マップを切り替えることによって駆動力応答性を低下させているが、トルク変動量を制限する、エンジンパワーを制限する、バッテリ放電量を制限するなどの方法で駆動力応答性を低下させてもよい。
本発明に係る車両の全体構成を示す概念図である。 図1の車両10に搭載されるECU20内部の機能構成図である。 図2のECU20の動作を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
12 コーナーセンサ、14 アクセルセンサ、16 車速センサ、20 ECU、22 マップ切替判定部、24 マップ記憶部、26 駆動量算出部。

Claims (7)

  1. 運転者による運転操作を検知する運転操作検知手段と、
    検知された運転操作に応じた駆動量を算出する駆動量算出手段と、
    算出された駆動量に応じた駆動力を発生する駆動力発生手段と、
    自車周辺に存在する障害物を検知する障害物検知手段と、
    を有し、
    前記駆動量算出手段は、前記障害物検知手段によって障害物が検知された場合に、運転操作に応じた駆動量の応答性を低下させる、
    ことを特徴とする車両。
  2. 請求項1に記載の車両において、
    前記運転操作検知手段は、前記運転操作として少なくともアクセル操作を検知し、
    前記駆動量算出手段は、前記障害物検知手段によって障害物が検知された場合、障害物が検知されない通常走行時と比較して、アクセル操作に応じた駆動量の応答を遅くする、
    ことを特徴とする車両。
  3. 請求項2に記載の車両において、
    前記駆動量算出手段は、前記障害物検知手段によって障害物が検知された場合、アクセル操作の操作量と駆動量とを対応付けた複数の相関マップのうち、通常走行時と比較してアクセル操作に応じた駆動量の応答が遅い相関マップを利用して駆動量を算出する、
    ことを特徴とする車両。
  4. 請求項3に記載の車両において、
    前記障害物検知手段は、車両の端部に設けられたコーナーセンサである、
    ことを特徴とする車両。
  5. 請求項4に記載の車両において、
    前記駆動力発生手段は、モータを含み、
    前記車両は、動力源としてモータを利用する電気自動車である、
    ことを特徴とする車両。
  6. 請求項4に記載の車両において、
    前記駆動力発生手段は、モータおよびエンジンを含み、
    前記車両は、動力源としてモータおよびエンジンを併用するハイブリッド車である、
    ことを特徴とする車両。
  7. 車両に搭載される制御手段によって当該車両の駆動力を制御する方法において、
    運転者による運転操作を検知するステップと、
    検知された運転操作に応じた駆動量を算出するステップと、
    算出された駆動量に応じた駆動力を発生させるステップと、
    自車周辺に存在する障害物を検知するステップと、
    を有し、
    障害物が検知された場合に、運転操作に応じた駆動量の応答性を低下させる、
    ことを特徴とする車両駆動力制御方法。

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