JP2006193693A - 感光性樹脂組成物及びその硬化皮膜を有するフィルム - Google Patents

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浩和 狩野
Daisuke Watakabe
大介 渡壁
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Abstract

【課題】放射線によって硬化し、耐擦傷性、耐摩耗性、耐アルカリ性、耐溶剤性に優れ、低屈折率で反射防止フィルムに使用した場合、反射率の低い硬化皮膜を与える樹脂組成物、更にはその硬化皮膜を有するフィルムを提供する。
【解決手段】幹部分が炭化水素系ポリマーからなり、枝部分がシリコーンで構成され、且つ水酸基を有する高分子化合物(A)、置換基を有していても良いアルコキシケイ素化合物(B)、エポキシ基を有する化合物(C)及び光カチオン重合開始剤(D)を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。

Description

本発明は、光カチオン開始剤の光硬化システム及び酸発生剤としての機能を利用した感光性樹脂組成物及びその硬化皮膜を有するフィルムに関する。
現在、プラスチックは自動車業界、家電業界、電気電子業界を初めとして種々の産業界で大量に使われている。このようにプラスチックが大量に使われている理由は、その加工性、透明性に加えて軽量、安価、光学特性が優れているなどの理由による。しかしながら、ガラスなどに比べて柔らかく、表面に傷が付きやすいなどの欠点を有している。これらの欠点を改良するために、表面にハードコート剤をコーティングする事が一般的な手段として行われている。このハードコート剤には、シリコーン系塗料、アクリル系塗料、メラミン系塗料などの熱硬化型のハードコート剤が用いられている。この中でも特に、シリコーン系ハードコート剤は、ハードネスが高く、品質が優れているため多く用いられている。しかしながら、硬化時間が長く、高価であり、連続的に加工するフィルムに設けられるハードコート層には適しているとは言えない。
近年、感光性のアクリル系ハードコート剤が開発され、利用されるようになった(特許文献1参照。)。感光性ハードコート剤は、紫外線などの放射線を照射することにより、直ちに硬化して硬い皮膜を形成するため、加工処理スピードが速く、またハードネス、耐擦傷性などに優れた性能を持ち、トータルコスト的に安価になるため、今やハードコート分野の主流になっている。特に、ポリエステルなどのフィルムの連続加工には適している。プラスチックのフィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリアクリレートフィルム、アクリルフィルム、ポリカーボネートフィルム、塩化ビニルフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリエーテルスルホンフィルムなどがあるが、ポリエステルフィルムが種々の優れた特性から最も広く使用されている。このポリエステルフィルムは、ガラスの飛散防止フィルム、あるいは、自動車の遮光フィルム、ホワイトボード用表面フィルム、システムキッチン表面防汚フィルム、電子材料的には、タッチパネル、液晶ディスプレイ、CRTフラットテレビなどの機能性フィルムとして広く用いられている。これらはいずれもその表面に傷が付かないようにするためにハードコートを塗工している。
更に近年におけるハードコート剤をコーティングしたフィルムを設けたCRT、LCD、PDPなどの表示体では、反射により表示体画面が見難くかったり、目が疲れやすいと言う問題が生ずるため、用途によっては、表面反射防止能のあるハードコート処理が必要となっている。表面反射防止の方法としては、感光性樹脂中に無機フィラーや有機フィラーを分散させたものをフィルム上にコーティングし、表面に凹凸をつけて反射防止する方法(AG処理)、フィルム上に高屈折率層、低屈折率層の順に多層構造を設け、屈折率の差による光の干渉を利用し映り込み、反射を防止する方法(AR処理)、または上記2つの方法を合わせたAG/AR処理の方法などがある。(特許文献2参照。)
AR処理に用いられる最上層の低屈折率層にはゾル−ゲル法によるシラン化合物を縮合させるような熱硬化タイプ(特許文献3参照。)が用いられているが、硬化に時間が掛かり生産性が悪いことや、ハードコート層が加熱により収縮しクラックが入るといった問題がある。一方、フッ素原子を有する(メタ)アクリレートを用いた放射線硬化型樹脂も開発されている(特許文献4参照。)が、耐擦傷性が十分ではなかったり、(メタ)アクリレートを十分硬化させるために真空中または窒素雰囲気下で硬化させる必要があり設備も高価になり問題がある。
生産性や加熱によるクラックの発生等の問題から放射線硬化タイプの低屈折率ハードコートが求められている。しかし、放射線硬化型樹脂は、耐擦傷性が十分ではなかったり、窒素置換など現状ラインに新たに設備を入れないと行けないというのが実状である。
特開平9−48934号公報 特開平9−145903号公報 特開平10−000726号公報 特開平10−182745号公報
本発明は、窒素置換等をしなくても放射線により容易に硬化し、耐擦傷性、耐摩耗性、耐汚染性に優れ、反射防止フィルムに使用した場合、反射率が低い感光性樹脂組成物及びその硬化皮膜を有するフィルムを提供することを課題とする。
本発明者らは前記課題を解決するため、鋭意検討を行った結果、特定の化合物を含有する感光性樹脂組成物が前記課題を解決することを見いだし、本発明に到達した。
即ち本発明は、
(1)幹部分が炭化水素系ポリマーからなり、枝部分がシリコーンで構成され、且つ水酸基を有する高分子化合物(A)、置換基を有していても良いアルコキシケイ素化合物(B)、エポキシ基を有する化合物(C)及び光カチオン重合開始剤(D)を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物、
(2)高分子化合物(A)がフッ素原子とエチレン性不飽和基を有する化合物、水酸基を有する炭化水素系モノマー及び反応性シリコーンの共重合体である前項(1)に記載の感光性樹脂組成物、
(3)置換基を有していても良いアルコキシケイ素化合物(B)の置換基がエポキシ基である前項(1)又は(2)に記載の感光性樹脂組成物、
(4)置換基を有していても良いアルコキシケイ素化合物(B)の置換基がフッ素原子を1〜20個有する基である前項(1)ないし(3)のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物、
(5)エポキシ基を有する化合物(C)がフッ素系エポキシ化合物であることを特徴とする前項(1)ないし(4)のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物、
(6)フッ素系エポキシ化合物の一分子中のフッ素の数が3〜20である前項(5)に記載の感光性樹脂組成物、
(7)一次粒径が1〜200ナノメートルのコロイダルシリカ(E)を含有することを特徴とする前項(1)ないし(6)のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物、
(8)希釈剤(F)を含有することを特徴とする前項(1)ないし(7)のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物、
(9)希釈剤(F)がテトラフルオロプロパノールであることを特徴とする前項(8)に記載の感光性樹脂組成物、
(10)希釈剤(F)を除いた成分の液屈折率が25℃で1.48以下である前項(1)ないし(9)のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物、
(11)基材フィルム上に第一のハードコート剤の硬化層、屈折率が1.55以上の第二のハードコート剤の硬化層及び前項(1)ないし(10)のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の硬化層をこの順に有する反射防止ハードコートフィルム、
(12)第二のハードコート剤が、多官能(メタ)アクリレート(G)、1次粒径が1〜200ナノメートルの金属酸化物(H)及び光ラジカル重合開始剤(I)を含有する感光性樹脂組成物であることを特徴とする前項(11)に記載の反射防止ハードコートフィルム、
(13)1次粒径が1〜200ナノメートルの金属酸化物(H)が、導電性金属酸化物(J)である前項(12)に記載の反射防止ハードコートフィルム、
に関する。
本発明の感光性樹脂組成物を硬化して得られる膜は、強靭、且つ耐擦傷性、耐摩耗性、耐汚染性、耐薬品性に優れている。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の感光性樹脂組成物では、幹部分が炭化水素系ポリマーからなり、枝部分がシリコーンで構成され、且つ水酸基を有する高分子化合物(A)使用する。この化合物(A)においては、水酸基は幹部分、枝部分のいずれに有しているものでも使用出来る。上記化合物(A)としては、例えば幹部分がアクリル系ポリマーで、枝部分がシリコーンで構成された櫛型グラフトポリマーが挙げられ、この化合物は、側鎖(枝部分)に(ポリ)シロキサン構造と水酸基を有しており、末端二重結合を有する変性シリコーンと重合可能なモノマーとの共重合により得ることができる。市販品としては、例えばサイマックUS−270(東亞合成製)を挙げることができる。
更に、幹部分が炭化水素系ポリマーからなり、枝部分がシリコーンで構成され、且つ水酸基を含有する高分子化合物(A)は、フッ素原子を含有することが好ましい。化合物(A)においてフッ素原子を含有させた化合物を得るには、種々のフッ素原子を有する化合物を水酸基を有するモノマーと共重合させることにより得ることができる。例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンや、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4,−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1H,1H,2H,3H,3H−ノナフルオロへプチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1H,1H,2H,3H,3H−トリデカフルオロノニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチル−1H,1H,2H,3H,3H−オクタフルオロへプチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−8−トリフルオロメチル−1H,1H,2H,3H,3H−ドデカフルオロノニル(メタ)アクリレートなどのフッ素原子とエチレン性不飽和基を有する化合物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、ヒドロキシアルキルビニルエーテル等の水酸基を有する炭化水素モノマー、及び(メタ)アクリル変性ポリシロキサン等の反応性シリコーンとの共重合により得ることができ、これらは幹部分にフッ素原子と水酸基を有し、枝部分がシリコーンで構成された櫛型グラフトポリマーである。ポリマーにシリコーンをグラフトさせることにより、塗膜表面からのシリコーンのブリードアウトを抑制し、主鎖のフッ素樹脂により撥水發油性、防汚性を付与することができる。また、炭化水素系ポリマーにより、一般的な溶剤にも可溶である。具体的には、関東電化工業(株)製超防汚性含シリコーンフッ素樹脂エフクリアKD270(OH価:115mgKOH/g,フッ素含有量:40wt%)、ダイキン工業(株)製汚れ防止用塗料エフトーンAT−100等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物において、(A)成分の含有量は、本発明の樹脂組成物中、通常、0.5〜60重量%である。
本発明の感光性樹脂組成物では、置換基を有していてもよいアルコキシケイ素化合物(B)を使用する。置換基を有していてもよいアルコキシケイ素化合物(B)としては、アルコキシ基を有するケイ素化合物であれば特に制限はないが、置換基がエポキシ基、又はフッ素原子を1〜20個有する基であることが好ましい。
エポキシ基を有する置換基としては、例えばβ−グリシドキシエチル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−グリシドキシブチル基等のグリシドキシC1〜C4、好ましくはグリシドキシC1〜C3アルキル基、グリシジル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘプチル)エチル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ペンチル基等のオキシラン基を持ったC5〜C8のシクロアルキル基で置換されたC1〜C3アルキル基が挙げられる。
これらの中でβ−グリシドキシエチル基、γ−グリシドキシプロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基が好ましい。
エポキシ基で置換されたアルコキシケイ素化合物の具体例としては、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、反応性の点で、メトキシ、エトキシが好ましい。
フッ素原子を1〜20個有する基で置換されたアルコキシケイ素化合物の具体例としては、例えばトリエトキシフルオロシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、ペンタフルオロフェニルトリエトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−ヘプタフルオロイソプロポキシプロピルトリメトキシシラン、(トリデカフルオロー1,1,2,2、−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリメトキシシラン、(ヘプタデカフルオロー1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリエトキシシラン、ノナフルオロへキシルトリメトキシシラン、ノナフルオロへキシルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピルペンタデカフルオロオクテート、3−トリエトキシシリルプロピルペンタデカフルオロオクテート、3−トリメトキシシリルプロピルペンタデカフルオロオクチルアミド、3−トリエトキシシリルプロピルペンタデカフルオロオクチルアミド、2−トリメトキシシリルエチルペンタデカフルオロプロピルスルフィド、2−トリエトキシシリルエチルペンタデカフルオロデカニルスルフィド等が挙げられ、容易に入手でき、またエポキシ基を有するアルコキシケイ素化合物との相溶性からトリフルオロプロピルトリメトキシシランが好ましい。
前記アルコキシ基としては、反応性の点で、メトキシ、エトキシが好ましい。
これら置換基を有していてもよいアルコキシケイ素化合物(B)は、単独又は2種以上を混合して使用しても良い。また、これら置換基を有していてもよいアルコキシケイ素化合物(B)の中でエポキシ基を有するアルコキシケイ素化合物の使用が好ましい。
また、エポキシ基を有するアルコキシケイ素化合物が、下記で説明するエポキシ基を有する化合物(C)を兼ねることもできる。
本発明の感光性樹脂組成物において、(B)成分の含有量は、本発明の樹脂組成物中、通常、0.1〜30重量%である。
本発明の感光性樹脂組成物では、エポキシ基を有する化合物(C)を使用する。エポキシ基を有する化合物(C)としては、エポキシ基を有する化合物であれば特に制限はないが、屈折率が低いエポキシ変性シリコーン、フッ素原子含有エポキシ化合物であることが好ましい。
エポキシ変性シリコーンとしては、側鎖や末端にエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンが挙げられ、例えばKF−105、X−22−163A、X−22−163B、X−22−163C、KF−1001、KF−101、X−22−2000、X−22−169AS、X−22−169B、KF−102、X−22−173DX(いずれも信越化学(株)製)、SF8411,SF−8413、BY16−875、BY16−839、BY16−855、BY16−855B(いずれも東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)等を挙げられる。
また、エポキシ基を有するアルコキシケイ素化合物同士又はエポキシ基を有するアルコキシケイ素化合物とフッ素原子を含有するアルコキシケイ素化合物とを、塩基性触媒の存在下に縮合させて、得られるエポキシ変性シリコーンを使用することもできる。
フッ素原子含有エポキシ化合物としては、例えばヘキサフルオロエポキシプロパン、3−パーフルオロブチル−1,2−エポキシプロパン、3−パーフルオロヘキシル−1,2−エポキシプロパン、3−パーフルオロオクチル−1,2−エポキシプロパン、3−パーフルオロデシル−1,2−エポキシプロパン、3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−1,2−エポキシプロパン、3−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−1,2−エポキシプロパン、3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−1,2−エポキシプロパン、3−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)−1,2−エポキシプロパン、3−(1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルオキシ)−1,2−エポキシプロパン、3−(1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプルオキシ)−1,2−エポキシプロパン、3−(1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニルオキシ)−1,2−エポキシプロパン、1,4−ビス(2’,3’−エポキシプロピル)−パーフルオロ−n−ブタン等のフルオロアルキレンオキシドが挙げられる。
これらフッ素原子含有エポキシ化合物の一分子中のフッ素の数は3〜20であることが好ましい。
これらエポキシ基を有する化合物(C)は、単独又は2種以上を混合して使用しても良い。また、上記置換基を有していてもよいアルコキシケイ素化合物(B)を、エポキシ基を有する化合物(C)が兼ねることも可能であり、該置換基を有していてもよいアルコキシケイ素化合物(B)とエポキシ基を有する化合物(C)が兼ねた化合物を使用するのが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物において、(C)成分の含有量は、本発明の樹脂組成物中、通常、0.5〜60重量%である。
本発明の感光性樹脂組成物では、光カチオン重合開始剤(D)を使用する。光カチオン重合開始剤(D)は、光照射下にカチオン重合反応を促進する触媒であり、紫外線等を照射することでルイス酸などのカチオン重合触媒を生成するものを用いることができる。例えば、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩等が挙げられる。具体的には、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロボレート、4,4’−ビス[ビス(2−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホニオ]フェニルスルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられ、好ましくは、ヨードニウム塩類である。これらは、単独又は2種以上を混合して使用しても良い。
これらの光カチオン重合開始剤(D)は市場から容易に入手が可能である。
光カチオン重合開始剤(D)の市販品としては例えば、UVI−6990、UVI−6992(商品名:いずれもダウ・ケミカル社製)、アデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−170(商品名:いずれも旭電化社製)、CIT−1370、CIT−1682、CIP−1866S、CIP−2048S、CIP−2064S(商品名:いずれも日本曹達社製)、IBPF、IBCF、TS−01、TS−02(商品名:いずれも三和ケミカル社製)、DPI−101、DPI−102、DPI−103、DPI−105、MPI−103、MPI−105、BBI−101、BBI−102、BBI−103、BBI−105、TPS−101、TPS−102、TPS−103、TPS−105、MDS−103、MDS−105、DTS−102、DTS−103(商品名:いずれも、みどり化学社製)等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物において、(D)成分の含有量は、本発明の樹脂組成物中、通常、0.01〜10重量%である。
本発明の感光性樹脂組成物には、さらに必要に応じて、増感剤を併用することができる。使用しうる増感剤は、光カチオン重合を促進するものが用いられる。具体的には、アントラセン、9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジプロポキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジ(メトキシエトキシ)アントラセン、フルオレン、ピレン、スチルベン、4'−ニトロベンジル−9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、4'−ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート、4'−ニトロベンジル−9,10−ジプロポキシアントラセン−2−スルホネート等が挙げられるが、溶解性及び感光性樹脂組成物への相溶性の点で特に2−エチル−9,10−ジ(メトキシエトキシ)アントラセンが好ましい。これら増感剤を用いる場合の使用量は、光カチオン重合開始剤(D)100重量部に対して1〜200重量部、好ましくは5〜150重量部である。
本発明の感光性樹脂組成物では、一次粒径が1〜200ナノメートルのコロイダルシリカ(E)を使用することができる。使用しうるコロイダルシリカ(E)としては、例えば、溶媒にコロイダルシリカを分散させたコロイド溶液、又は分散溶媒を含有しない微粉末のコロイダルシリカがある。
溶媒にコロイダルシリカを分散させたコロイド溶液の分散溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール類、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの多価アルコール類及びその誘導体、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジメチルアセトアミドなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、トルエン、キシレンなどの非極性溶媒、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類及びその他一般有機溶剤類が使用できる。分散溶媒の量は、通常コロイダルシリカ100重量部に対し100〜900重量部である。
これらのコロイダルシリカは、周知の方法で製造され市販されているものを使用できる。粒径は、一次粒径が1〜200ナノメートルのものを使用することが必要であり、好ましくは、一次粒径が5〜100ナノメートル、更に好ましくは一次粒径が10〜80ナノメートルである。また、コロイダルシリカは、本発明においてはpH=2〜6のものを使用することが好ましい。
コロイダルシリカ(E)の市販品としては、例えば、MEK−ST、MIBK−ST、IPA−ST、PGM−ST、PMA−ST、MEK−ST−UP、MEK−ST−L、MEK−ST−ZL(商品名:いずれも日産化学工業(株)製)が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物において、(E)成分の含有量は、本発明の樹脂組成物中、通常、0〜30重量%である。
また、コロイダルシリカの表面をシランカップリング剤等で表面処理しても良い。
また、コロイダルシリカの表面を、前記置換基を有していてもよいアルコキシケイ素化合物(B)で表面処理することができる。
処理方法は、公知の方法で処理することができる。具体的には、乾式法と湿式法があり、乾式法はシリカ粉末に処理する方法で、撹拌機によって高速撹拌しているシリカ粉末にアルコキシケイ素化合物の原液または溶液を均一に分散させて処理する方法である。また、湿式法は溶剤などにシリカを分散させスラリー化したものにアルコキシケイ素化合物を添加・撹拌することで処理する方法である。本発明では、どちらの方法を用いても良い。処理量は、処理量(g)=シリカ重量(g)×シリカの比表面積(m2/g)/アルコキシケイ素化合物の最小被覆面積(m2/g)から求められる量以下であれば良い。
本発明の感光性樹脂組成物には、希釈剤(F)を使用することができる。使用しうる希釈剤(F)としては、例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−ヘプタラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン等のラクトン類;ジオキサン、1,2−ジメトキシメタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン類;フェノール、クレゾール、キシレノール等のフェノール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;トルエン、キシレン、ジエチルベンゼン、シクロヘキサン等の炭化水素類;トリクロロエタン、テトラクロロエタン、モノクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類等、石油エーテル、石油ナフサ等の石油系溶剤等の有機溶剤類、2H,3H−テトラフルオロプロパノール等のフッ素系アルコール類、パーフルオロブチルメチルエーテル、パーフルオロブチルエチルエーテル等のハイドロフルオロエーテル類などが挙げられる。これらは、単独又は2種以上を混合して使用しても良い。
本発明の感光性樹脂組成物において、(F)成分の含有量は、本発明の樹脂組成物中、通常、0〜98重量%である。
更に、本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じてレベリング剤、消泡剤、紫外線吸収剤、光安定化剤などを本発明の感光性樹脂組成物に添加し、それぞれ目的とする機能性を付与することも可能である。レベリング剤としてはフッ素系化合物、シリコーン系化合物、アクリル系化合物等が、紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物等、光安定化剤としてはヒンダードアミン系化合物、ベンゾエート系化合物等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、上記(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分並びに必要に応じて(E)成分、(F)成分及びその他の成分を任意の順序で混合することにより得ることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、希釈剤(F)を除いた成分についての(感光性樹脂組成物中の不揮発成分を100%とした場合の)液屈折率が、25℃で1.48以下であることが好ましく、より好ましくは1.45以下、更に好ましくは1.40以下である。尚、上記液屈折率は、25℃において、各成分の液屈折率を測定し、それぞれの成分の含有量との比率で算出することが出来る。
本発明の感光性樹脂組成物の屈折率を下げることにより、得られた皮膜の屈折率も低下し、結果として反射防止の機能が向上する。
本発明の反射防止ハードコートフィルムは、基材フィルム(ベースフィルム)上に第一のハードコート層、第二のハードコート層及び本発明の感光性樹脂組成物層の順に各層を設けることにより得られる。まず、基材フィルム上に第一のハードコート剤を乾燥後膜厚が1〜30μm、好ましくは3〜20μmになるように塗布し、乾燥後放射線を照射して硬化皮膜を形成させる。その後、形成されたハードコート層の上に、屈折率が1.55以上の第二のハードコート剤を乾燥後膜厚が0.05〜5μm、好ましくは0.05〜3μm(反射率の最大値を示す波長が500〜700nmになるように膜厚を設定するのが好ましい)になるように塗布し、乾燥後、放射線を照射して硬化皮膜を形成させる。さらに、その高屈折率ハードコート層の上に本発明の感光性樹脂組成物を乾燥後膜厚が0.05〜0.5μm、好ましくは0.05〜0.3μm(反射率の最小値を示す波長が500〜700nm、好ましくは520〜650nmになるように膜厚を設定するのが好ましい)になるように塗布し、乾燥後放射線を照射し、その後熱処理またはエージング処理を行なうことにより硬化皮膜を得ることができる。
基材フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリエーテルスルホン、シクロオレフィン系ポリマーなどが挙げられる。フィルムはある程度厚いシート状のものであっても良い。使用するフィルムは、柄や易接着層を設けたもの、コロナ処理等の表面処理をしたものであっても良い。
本発明の感光性樹脂組成物の塗布方法としては、例えば、バーコーター塗工、メイヤーバー塗工、エアナイフ塗工、グラビア塗工、リバースグラビア塗工、マイクログラビア塗工、ダイコーター塗工、ディップ塗工、スピンコート塗工などが挙げられる。
硬化のために照射する放射線としては、例えば、紫外線、電子線などが挙げられる。紫外線により硬化させる場合、光源としては、キセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプなどを有する紫外線照射装置が使用され、必要に応じて光量、光源の配置などが調整される。高圧水銀灯を使用する場合、80〜120W/cm2のエネルギーを有するランプ1灯に対して搬送速度5〜60m/分で硬化させるのが好ましい。
放射線硬化後の熱処理またはエージングとしては、80℃/30分の加熱で十分な性能を得ることができるが、高温での処理が難しい場合は、室温または40℃程度の温度でも一晩以上の放置で同じ性能を得ることができる。
本発明の反射防止ハードコートフィルムの1層目に使用する第一のハードコート剤としては、市販されているハードコート剤をそのまま用いてもよいし、多官能(メタ)アクリレート(G)と光ラジカル重合開始剤(I)、希釈剤(F)を配合して使用してもよい。多官能(メタ)アクリレート(G)の具体例としては、例えばポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリレート(例えば、日本化薬(株)製、KAYARAD HX−220、HX−620など)、ビスフェノールAのEO付加物のジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、ポリグリシジル化合物(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルなど)と(メタ)アクリル酸の反応物であるエポキシ(メタ)アクリレート、水酸基を有する多官能(メタ)アクリレート(ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートなど)とポリイソシアネート化合物(トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなど)の反応物である多官能ウレタン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、単独または2種以上を混合して使用しても良い。好ましいものは、3官能以上の(メタ)アクリレートである。
本発明の反射防止ハードコートフィルムに用いられる第二のハードコート剤を製造する場合に用いうる多官能(メタ)アクリレート(G)成分の含有量は、高屈折率ハードコート剤を得るための感光性樹脂組成物中、通常、80〜99.5重量%である。
光ラジカル重合開始剤(I)としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オンなどのアセトフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド、4,4'−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシドなどのホスフィンオキシド類等が挙げられる。
(I)成分の市販品としては、例えば、Irg.184、Irg.907、Irg.369、Irg.500(商品名:いずれもチバスペシャリティケミカルズ社製)、ルシリンTPO(商品名:BASF社製)が挙げられる。
本発明の反射防止ハードコートフィルムに用いられる第二のハードコート剤を製造する場合に用いうる光ラジカル重合開始剤(I)成分の含有量は、高屈折率ハードコート剤を得るための感光性樹脂組成物中、通常、0.5〜20重%である。
これらは単独または2種以上の混合物として使用でき、更にはトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミンなどの第3級アミン、ジエタノールアミンなどの第2級アミン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステルなどの安息香酸誘導体などの重合促進剤などと組み合わせて使用することができる。
上記ハードコート剤で使用する希釈剤(F)は、前記の希釈剤(F)を使用することができる。
本発明の反射防止ハードコートフィルムに用いられる第二のハードコート剤を製造する場合に用いうる希釈剤(F)成分の含有量は、高屈折率ハードコート剤を得るための感光性樹脂組成物中、通常、0〜90重量%である。
前記ハードコート剤に使用する(G)成分、(I)成分、(F)成分は、任意の順序で配合・混合することができ、必要に応じレベリング剤、消泡剤等を添加することができる。
本発明の反射防止ハードコートフィルムの2層目に使用する第二のハードコート剤は、屈折率1.55以上のものであれば良いが、好ましくは、多官能(メタ)アクリレート(G)、1次粒径が1〜200ナノメートルの金属酸化物(H)と光ラジカル重合開始剤(I)、希釈剤(F)から得られる感光性樹脂組成物が良い。
多官能(メタ)アクリレート(G)及び光ラジカル重合開始剤(I)、希釈剤(F)は、前記記載の化合物を使用することができる。
1次粒径が1〜200ナノメートルの金属酸化物(H)としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化インジウム錫(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、アンチモン酸亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、錫ドープアンチモン酸亜鉛などが挙げられる。これらは、微粉末もしくは有機溶剤に分散させた分散液として入手することができる。
分散液に使用する有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール類、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどの多価アルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、トルエン、キシレンなどの非極性溶媒などが挙げられる。有機溶剤の量は、通常、金属酸化物100重量部に対して70〜900重量部である。
また、本発明の反射防止ハードコートフィルムに帯電防止性能を付与するため1次粒径が1〜200nmの金属酸化物(H)として、導電性金属酸化物(J)を用いることができる。導電性金属酸化物(J)としては、例えば、酸化錫、酸化インジウム錫(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、アンチモン酸亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛などが挙げられる。価格、安定性、分散性などからアンチモン酸亜鉛が好ましい。
第二のハードコート剤に使用する(G)成分、(H)成分、(I)成分、(F)成分は、任意の順序で配合・混合することができ、必要に応じてレベリング剤、消泡剤等を添加することができる。各成分は、第二のハードコート剤組成中、通常(G)成分19.5〜79.5重量部、(H)成分20〜80重量部、(I)成分0.5〜20重量部で、(F)成分は0〜99重量部、好ましくは50〜98重量部含有される。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。また、実施例中、特に断りがない限り、部は重量部を示す。
製造例1
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、KAYARAD DPHA)42部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート((株)化薬サートマー製、KS−HDDA)5部、イルガキュア184(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)3部、メチルエチルケトン25部、メチルイソブチルケトン25部を混合、溶解し、第一のハードコート剤を得た。
得られた第一のハードコート剤をマイクログラビアコーターでPETフィルム(東洋紡績(株)製、A−4300、膜厚188μm)上に膜厚が約5μmになるように塗布し、80℃で乾燥後、紫外線照射器により硬化させ、ハードコート層の設けられたPETフィルムを得た。硬化膜の鉛筆硬度は3Hであった。
製造例2
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、KAYARAD DPHA)1.2部、イルガキュア184(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)0.15部、イルガキュア907(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)0.15部、セルナックスCX−Z600M−3F2(日産化学工業(株)製、アンチモン酸亜鉛のメタノール分散ゾル、固形分60%、一次粒径10〜20nm)7.5部、メタノール31部、プロピレングリコールモノメチルエーテル60部を混合し、固形分6%の第二のハードコート剤を得た。
次いで、製造例1で得たハードコート層を形成したPETフィルム上にこの高屈折率ハードコート剤をマイクログラビアコーターで塗布し、80℃で乾燥後、紫外線照射器により硬化させ、ハードコート上に第二のハードコート層の設けられたPETフィルムを得た。この時、反射率の最大値が500〜700nmになるように膜厚を調整した。硬化膜の密着性は良好であった。
実施例1〜4及び比較例1〜2
表1に示す材料を配合した感光性樹脂組成物を製造例2で得られた第一のハードコート層及び第二のハードコート層の設けられたPETフィルム上に塗布し、80℃で乾燥後、紫外線照射器により硬化させた後、80℃30分熱処理し反射防止ハードコートフィルムを得た。この時、反射率の最小値が520〜650nmになるように膜厚を調整した。尚、表1において単位は「部」を表す。
表1
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 比較例1 比較例2
KD270 4.27
NK−13 4.27 4.27 2.85 4.27 4.27
KBM303 0.40 0.57 0.40
KBM403 0.40 0.40
H010 1.24 1.24 1.24 1.43 1.24 1.24
開始剤1 0.08
開始剤2 0.08 0.08 0.15 0.08
MEK 94.01 94.01 94.01 55.00 94.01 94.01
TFP 40.00
合計 100.00 100.00 100.00 100.00 99.92 99.60
(注)
KD270:関東電化工業(株)製、水酸基含有シリコーングラフトフッ素系ポリマー(固形分30%)
NK−13:関東電化工業(株)製、水酸基含有シリコーングラフトフッ素系ポリマー(固形分30%)
KBM303:信越化学(株)製、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
KBM403:信越化学(株)製、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
H010:東ソーエフテック(株)製、3−パーフルオロオクチル−1,2−エポキシプロパン
開始剤1:(トリルクミル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート
開始剤2:ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート
MEK:メチルエチルケトン
TFP:テトラフルオロプロパノール
実施例1〜4、比較例1〜2で得られた本発明及び比較用反射防止ハードコートフィルムにつき、下記項目を評価しその結果を表2に示した。
(鉛筆硬度)
JIS K 5400に従い、鉛筆引っかき試験機を用いて、各フィルムの鉛筆硬度を測定した。詳しくは、測定する各フィルム上に、鉛筆を45度の角度で、上から1kgの荷重を掛け5mm程度引っかき、5回中、4回以上傷の付かなかった鉛筆の硬さで表した。
(耐擦傷性)
学振耐摩擦性試験機(大栄科学工業株式会社製、RT−200)を用いて、スチールウール#0000上に500g/cm2の荷重を掛けて10往復させ、傷の状況を目視で判定した。
評価 A:0〜5傷なし
B:6〜9本の傷発生
C:10本以上の傷発生
(耐摩耗性)
学振耐摩擦性試験機(大栄科学工業株式会社製、RT−200)を用いて、市販のクロス(眼鏡拭き)上に1kg/cm2の荷重を掛けて200往復させ、傷の状況、剥がれを目視で観察した。
評価 A:変化なし
B:傷あるが色目に変化なし
C:剥がれ発生
(密着性)
JIS D 0202に従い、測定する各フィルムの表面に1mm間隔で縦、横11本の切れ目を入れて100個の碁盤目を作る。セロハンテープをその表面に密着させた後、一気に剥がしたときに剥離せずに残存したマス目の個数を示した。
(液屈折率)
アッベの屈折率計にて測定した。各成分について25℃での液屈折率を測定し、不揮発分を100重量%とした場合の屈折率を算出した。(各成分の含有量の比率から屈折率を算出。)
(耐アルカリ性)
3重量%水酸化ナトリウム水溶液を、測定する各フィルム上に直径で約1cmとなるようにのせ、室温で30分放置する。30分後、3重量%水酸化ナトリウム水溶液を静かに取り除き、表面を目視で観察した。
評価 A:変化なし
B:跡は確認できるが色目に変化なし
C:剥がれ発生
(耐MEKラビング)
メチルエチルケトンを含浸させキムワイプ((株)クレシア製)で測定する各フィルム上を手で10往復させ、その後の表面を観察した。
評価 A:変化なし
B:傷発生、剥がれなし
C:剥がれ発生
(マジック汚染性)
測定する硬化皮膜上にマジックインキ極太黒(油性、筆記線幅18mm)で線を引き、ハジキ度合と描いてから1分後のキムワイプでの拭取り性を確認した。
評価 ハジキ A:線を引いた直後にマジックインキがハジく
B:インキがゆっくりハジいてくる
C:インキがハジかない
評価 拭取り A:5回以内で完全に拭取れる
B:6回以上で拭取れる
C:拭取れない
表2
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 比較例1 比較例2
鉛筆硬度 2H 2H 2H 2H 2H 2H
耐擦傷性 B A A A C B
耐摩耗性 A A A A − −
密着性 100/100 100/100 100/100 100/100 100/100 100/100
液屈折率 1.38 1.38 1.39 1.38 1.39 1.39
耐アルカリ性 A A A A C B
耐MEKラビング A A A A C B
マジックハジキ A A A A − −
マジック拭取り A A A A − −
(注)−は未実施
実施例1〜4の感光性樹脂組成物は液屈折率がいずれも1.4以下で低いことから硬化皮膜の反射率も低く、更には実施例1〜4の反射防止ハードコートフィルムは、鉛筆硬度、耐擦傷性、耐摩耗性、密着性についてはもとより、耐アルカリ性、耐MEKラビングもクリアし、更に耐汚染性についても良好な結果を示した。また、実施例4においてはTFPを使用したことにより、塗工面が非常に均一で良好となった。光カチオン開始剤(D)を用いなかった比較例1については、耐擦傷性、耐アルカリ性、耐MEKラビングにて劣る結果となった。また、アルコキシケイ素化合物(B)を用いなかった比較例2についても、耐擦傷性、耐アルカリ性、耐MEKラビングにて劣る結果となった。
幹部分が炭化水素系ポリマーからなり、枝部分がシリコーンで構成され、且つ水酸基を有する高分子化合物(A)、置換基を有していても良いアルコキシケイ素化合物(B)、エポキシ基を有する化合物(C)及び光カチオン重合開始剤(D)を含有する本発明の感光性樹脂組成物を硬化して得られた硬化皮膜は、耐擦傷性、耐摩耗性、密着性、耐アルカリ性、耐溶剤性に優れ、また、高屈折率層の上に塗工し硬化させることにより反射率の低い反射防止フィルムを製造するのに適している。この様な本発明のフィルムは、特にプラスチック光学部品、タッチパネル、フラットパネルディスプレイ、携帯電話、フィルム液晶素子など反射防止機能を必要とする分野に好適である。

Claims (13)

  1. 幹部分が炭化水素系ポリマーからなり、枝部分がシリコーンで構成され、且つ水酸基を有する高分子化合物(A)、置換基を有していても良いアルコキシケイ素化合物(B)、エポキシ基を有する化合物(C)及び光カチオン重合開始剤(D)を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 高分子化合物(A)がフッ素原子とエチレン性不飽和基を有する化合物、水酸基を有する炭化水素系モノマー及び反応性シリコーンの共重合体である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 置換基を有していても良いアルコキシケイ素化合物(B)の置換基がエポキシ基である請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 置換基を有していても良いアルコキシケイ素化合物(B)の置換基がフッ素原子を1〜20個有する基である請求項1ないし3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. エポキシ基を有する化合物(C)がフッ素系エポキシ化合物であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. フッ素系エポキシ化合物の一分子中のフッ素の数が3〜20である請求項5に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 一次粒径が1〜200ナノメートルのコロイダルシリカ(E)を含有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 希釈剤(F)を含有することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  9. 希釈剤(F)がテトラフルオロプロパノールであることを特徴とする請求項8に記載の感光性樹脂組成物。
  10. 希釈剤(F)を除いた成分の液屈折率が25℃で1.48以下である請求項1ないし9のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  11. 基材フィルム上に第一のハードコート剤の硬化層、屈折率が1.55以上の第二のハードコート剤の硬化層及び請求項1ないし10のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の硬化層をこの順に有する反射防止ハードコートフィルム。
  12. 第二のハードコート剤が、多官能(メタ)アクリレート(G)、1次粒径が1〜200ナノメートルの金属酸化物(H)及び光ラジカル重合開始剤(I)を含有する感光性樹脂組成物であることを特徴とする請求項11に記載の反射防止ハードコートフィルム。
  13. 1次粒径が1〜200ナノメートルの金属酸化物(H)が、導電性金属酸化物(J)である請求項12に記載の反射防止ハードコートフィルム。
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