JP2006193512A - 外用剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定性のより高い松樹皮抽出物を含有する外用剤を提供すること。
【解決手段】本発明は、(A)松樹皮抽出物と、(B)コエンザイムQ10、コエンザイムQ10誘導体、α−リポ酸、およびα−リポ酸誘導体からなる群から選択される少なくとも1種類とを含有する外用剤を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、外用剤に関する。
松の樹皮より得られる抽出物(以下、「松樹皮抽出物」ともいう)は、ポリフェノールを豊富に含有する。松樹皮抽出物は、活性酸素を除去する強い抗酸化作用を示し、そしてメラニン生成抑制作用、コラーゲン分解抑制作用、エラスチン分解抑制作用、ヒアルロン酸分解抑制作用などの様々な作用を有することが明らかとなっている(例えば、特許文献1〜3を参照)。
しかし、松樹皮抽出物は、水分を含有する製品(特に外用剤)中に配合されて長期間保管される場合、この松樹皮抽出物中の成分の変性によって、沈殿または変色が生じる問題点がある。そこで、松樹皮抽出物にアスコルビン酸、トコフェロール、カロテノイドなどの抗酸化成分を同時に配合して、これらの成分の変性を抑制することが考えられているが、その効果は十分ではない。
特開2004−315476号公報 特開2003−238426号公報 特開2003−238425号公報
そこで、安定性のより高い松樹皮抽出物を含有する外用剤が求められている。
本発明は、(A)松樹皮抽出物と、(B)コエンザイムQ10、コエンザイムQ10誘導体、α−リポ酸、およびα−リポ酸誘導体からなる群から選択される少なくとも1種類とを含有する外用剤を提供する。
本発明はさらに、松樹皮抽出物と、コエンザイムQ10もしくはコエンザイムQ10誘導体と、α−リポ酸もしくはα−リポ酸誘導体とを含有する外用剤を提供する。
本発明によれば、コエンザイムQ10、コエンザイムQ10誘導体、α−リポ酸、およびα−リポ酸誘導体(B成分)が松樹皮抽出物(A成分)の安定化剤として作用するため、変色および凝集が抑制された安定な組成物を提供することができる。この組成物は、上述のように安定性に優れ、特に、松樹皮抽出物が有する肌の改善効果などの薬効を長期間保持することが可能である。さらに、この組成物は、上記A成分および上記B成分単独では得られない、優れた血流改善効果および脂質に対する抗酸化効果を発揮し、外用剤として好ましく用いられる。
以下、本発明の外用剤について説明する。なお、以下に説明する構成は、本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができることは当業者に明らかである。
本発明の外用剤は、(A)松樹皮抽出物と、(B)コエンザイムQ10、コエンザイムQ10誘導体、α−リポ酸、およびα−リポ酸誘導体からなる群から選択される少なくとも1種類とを含有する。コエンザイムQ10、コエンザイムQ10誘導体、α−リポ酸、およびα−リポ酸誘導体は、これらのうちのいずれかの物質を単独で含んでも、または組み合わせて含んでもよい。
(松樹皮抽出物)
松樹皮抽出物の原料となる松樹皮としては、フランス海岸松(Pinus Martima)、カラマツ、クロマツ、アカマツ、ヒメコマツ、ゴヨウマツ、チョウセンマツ、ハイマツ、リュウキュウマツ、ウツクシマツ、ダイオウマツ、シロマツ、カナダのケベック地方のアネダ等の樹皮が好ましく用いられる。中でも、フランス海岸松(Pinus Martima)の樹皮が好ましく用いられる。
フランス海岸松は、南仏の大西洋沿岸の一部に生育している海洋性松をいう。このフランス海岸松の樹皮には、プロアントシアニジン、有機酸、糖類などの生理活性成分が含有され、そして下記のOPCが豊富に含まれている。
プロアントシアニジンとは、フラバン−3−オールおよび/またはフラバン−3,4−ジオールを構成単位とする重合度が2以上の縮重合体からなる化合物群をいう。プロアントシアニジンとしては、重合度が低い縮重合体を含むものが好ましい。重合度の低い縮重合体としては、重合度が2〜30の縮重合体(2〜30量体)が好ましく、重合度が2〜10の縮重合体(2〜10量体)がより好ましく、重合度が2〜4の縮重合体(2〜4量体)がさらに好ましい。この重合度が2〜4の縮重合体を、オリゴメリック・プロアントシアニジン(oligomeric proanthocyanidin;以下、OPCという)という。プロアントシアニジンは、抗酸化作用などの種々の活性を有することが知られている。
本発明に用いられる松樹皮抽出物は、上記の松の樹皮を水または有機溶媒(特に、極性溶媒)で抽出して得られる。水を用いる場合には、温水または熱水が用いられる。抽出効率を向上させる点から、これらの水に塩化ナトリウムなどの塩を添加することが好ましい。有機溶媒を用いる場合には、薬剤の製造に許容される溶媒が用いられ、このような有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、アセトン、ヘキサン、シクロヘキサン、プロピレングリコール、含水エタノール、含水プロピレングリコール、メチルエチルケトン、グリセリン、酢酸メチル、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、食用油脂、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、および1,1,2−トリクロロエテンが挙げられる。抽出のための水および有機溶媒は、単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。好ましくは、水、熱水、エタノール、含水エタノール、プロピレングリコール、および含水プロピレングリコールが用いられる。医薬品に用いる場合の安全性の観点から、水、熱水、エタノール、および含水エタノールがより好ましく、熱水がさらに好ましく用いられる。
松樹皮からの抽出方法に特に制限はないが、例えば、加温抽出法、超臨界流体抽出法などが用いられる。
超臨界流体抽出法は、物質の気液の臨界点(臨界温度、臨界圧力)を超えた状態の流体である超臨界流体を用いて抽出を行う方法である。超臨界流体としては、二酸化炭素、エチレン、プロパン、亜酸化窒素(笑気ガス)などが用いられ、二酸化炭素が好ましく用いられる。
超臨界流体抽出法では、目的成分を超臨界流体によって抽出する抽出工程および目的成分と超臨界流体とを分離する分離工程とを行う。分離工程では、圧力変化による抽出分離、温度変化による抽出分離、または吸着剤・吸収剤を用いた抽出分離のいずれを行ってもよい。
また、エントレーナー添加法による超臨界流体抽出を行ってもよい。この方法は、超臨界流体に、例えば、エタノール、プロパノール、n−ヘキサン、アセトン、トルエン、その他の脂肪族低級アルコール類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、またはケトン類を2〜20W/V%程度添加し、この流体で超臨界流体抽出を行うことによって、プロアントシアニジン、カテキン類などの目的とする抽出物の抽出溶媒に対する溶解度を飛躍的に上昇させる、あるいは分離の選択性を増強させる方法であり、効率的な松樹皮抽出物を得る方法である。
超臨界流体抽出法は、比較的低い温度で操作できるため、高温で変質・分解する物質にも適用できるという利点;抽出流体が残留しないという利点;および溶媒の循環利用が可能であり、脱溶媒工程などが省略でき、工程がシンプルになるという利点がある。
また、松樹皮からの抽出は、上記の方法以外に、液体二酸化炭素回分法、液体二酸化炭素還流法、超臨界二酸化炭素還流法などにより行ってもよい。
松樹皮からの抽出は、複数の抽出方法を組み合わせてもよい。複数の抽出方法を組み合わせることにより、種々の組成の松樹皮抽出物を得ることが可能となる。
本発明の外用剤に用いられる松樹皮抽出物は、具体的には、以下のような方法により調製されるが、これは例示であり、この方法に限定されない。
フランス海岸松の樹皮1kgを、塩化ナトリウムの飽和水溶液3Lに入れ、100℃にて30分間抽出し、抽出液を得る(抽出工程)。その後、抽出液を濾過し、得られる不溶物を塩化ナトリウムの飽和溶液500mLで洗浄し、洗浄液を得る(洗浄工程)。この抽出液と洗浄液とを合わせて、松樹皮の粗抽出液を得る。
次いで、この粗抽出液に酢酸エチル250mLを添加して分液し、酢酸エチル層を回収する工程を5回行う。回収した酢酸エチル溶液を合わせて、無水硫酸ナトリウム200gに直接添加して脱水する。その後、この酢酸エチル溶液を濾過し、濾液を元の5分の1量になるまで減圧濃縮する。濃縮された酢酸エチル溶液を2Lのクロロホルムに注ぎ、攪拌して得られる沈殿物を濾過して回収する。その後、この沈殿物を酢酸エチル100mLに溶解した後、再度1Lのクロロホルムに添加して沈殿させる操作を2回繰り返す洗浄工程を行う。この方法により、例えば、OPCを20質量%以上含み、かつカテキン類を5質量%以上含有する、約5gの松樹皮抽出物が得られる。
上記抽出により得られた松樹皮抽出物は、プロアントシアニジン(特に、OPC)含有量を増加させる目的で精製してもよい。精製には、通常、酢酸エチルなどの溶媒が用いられるが、安全性などの面から、溶媒を使用しない方法、例えば、限外濾過、あるいはポリフェノールに対して吸着性を示す担体(例えば、ダイヤイオンHP−20、Sephadex−LH20、アンバーライト)を用いたカラム法またはバッチ法により精製することが好ましい。
本発明に用いられる松樹皮抽出物では、プロアントシアニジンの含有量には特に制限はないが、プロアントシアニジンを抽出物中に乾燥質量換算で95質量%未満、好ましくは40質量%以上95質量%未満、より好ましくは40質量%以上90質量%未満、さらに好ましくは40質量%以上75質量%未満、最も好ましくは40質量%以上60質量%未満の割合で含有し得る。松樹皮抽出物中に含まれるプロアントシアニジンの含有量が95質量%以上になると、松樹皮抽出物中のプロアントシアニジン以外の成分含有量が減少するため、水への溶解性が悪くなったり、抽出物の持つ生理活性が低下するなどの問題が生ずる場合がある。
本発明においては、OPCを乾燥質量換算で15質量%以上含有する松樹皮抽出物が好ましく用いられ、より好ましくは20質量%以上である。
松樹皮抽出物は、さらにカテキン(catechin)類を含有し得る。このカテキン類は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上の割合で含有される。カテキン類は、上記抽出方法によって、プロアントシアニジン(OPC)とともに抽出され得る。カテキン類とは、ポリヒドロキシフラバン−3−オールの総称である。カテキン類としては、(+)−カテキン(狭義のカテキンといわれる)、(−)−エピカテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、アフゼレキンなどが知られている。上記松樹皮抽出物は、(+)−カテキン、ガロカテキン、アフゼレキン、ならびに(+)−カテキンまたはガロカテキンの3−ガロイル誘導体を含み得る。カテキン類には、発癌抑制作用、動脈硬化予防作用、脂肪代謝異常の抑制作用、血圧上昇の抑制作用、血小板凝集抑制作用、抗アレルギー作用、抗ウイルス作用などがあることが知られている。カテキン類は、OPCの存在下で水溶性が増すと同時に、OPCを活性化する性質を有し、OPCとともに摂取することで効果的に作用する。
本発明に用いられる松樹皮抽出物は、5質量%以上の割合でカテキン類を含有することが好ましい。抽出物のカテキン類含量が5質量%未満の場合、カテキン類を添加し、最終的な含量が5質量%以上となるように調整してもよい。
本発明に用いられる松樹皮抽出物は、OPCを20質量%以上の割合で含有し、かつ、カテキン類を5質量%以上の割合で含有することが非常に好ましい。
本発明の外用剤に用いられる松樹皮抽出物は、医薬上に有用な種々の効果を有し得る。松樹皮抽出物は、活性酸素を除去する強い抗酸化作用を示す。さらに、肌を構成するタンパク質(コラーゲン、エラスチンなど)の酸化および分解の阻害効果も有し、これは、アトピー性皮膚炎の予防または治療に有用である。松樹皮抽出物は、血流改善効果、ヒアルロニダーゼ阻害効果、口臭予防効果、う蝕予防効果なども有し得る。
(コエンザイムQ10およびその誘導体)
コエンザイムQ10は、ユビキノンまたはユビデカレノンとも呼ばれる。コエンザイムQ10は、生体内においては、ミトコンドリア内膜でエネルギーの源となるATP(アデノシン三リン酸)の生成に大きく関わることが知られている。また、コエンザイムQ10は、抗酸化作用を有することも知られている。コエンザイムQ10は、生体内でユビキノールに変換されて、抗酸化能を発揮する。コエンザイムQ10は、老化とともに生体内の濃度が減少することも知られている。近年では、このようなコエンザイムQ10は、補助栄養食品として摂取されるようになっており、食品原料または化粧品原料として入手することが可能である。
本発明の外用剤には、上記コエンザイムQ10およびその誘導体が用いられ得る。コエンザイムQ10誘導体としては、コエンザイムQ10の水可溶性を向上させたもの、コエンザイムQ10のリン酸化合物などが挙げられるが、本発明の効果を妨害しない限り、これらに限定されない。
このようなコエンザイムQ10およびその誘導体は、天然に存在するコエンザイムQ10およびその誘導体を当業者が通常用いる方法によって分離精製すること、および必要に応じて修飾加工を行うことによって得られ得る。化学合成によっても製造され得る。食品、化粧品、医薬品などとして市販されているものも用いられ得る。医療用に通常使用される純度にまで精製されたものが好適である。
(α−リポ酸およびその誘導体)
α−リポ酸は、チオクト酸とも呼ばれ、動植物界に広く分布する物質である。α−リポ酸は、生体内においてはクレブス回路での生化学反応において特にピルビン酸および他のケト酸の脱炭酸において、補酵素として働くことが分かっている。α−リポ酸もまた、補助栄養食品として摂取されるようになっており、食品原料として入手することが可能である。
本発明の外用剤には、上記α−リポ酸およびその誘導体が用いられ得る。α−リポ酸誘導体としては、α−リポ酸の塩類(例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩など)、アミン塩、アンモニウム塩)、エステル類(例えば、アルキルおよびアルケニルエステル)、アミド類(例えば、リポアミドおよびリポイルリシン)、還元体であるジヒドロリポ酸、そのエステル類(例えば、アルキルおよびアルケニルエステル)、およびアミド類(例えば、リポアミドおよびリポイルリシン)が挙げられるが、本発明の効果を妨害しない限り、これらに限定されない。
このようなα−リポ酸およびその誘導体は、天然に存在するα−リポ酸およびその誘導体を当業者が通常用いる方法によって分離精製すること、および必要に応じて修飾加工を行うことによって得られ得る。化学合成によっても製造され得る。食品、医薬品などとして市販されているものも用いられ得る。医療用に通常使用される純度にまで精製されたものが好適である。
(外用剤の組成)
本発明の外用剤中の各成分の含有量については、剤形によっても変わるため、特に制限はない。松樹皮抽出物の優れた生理活性を得ることを目的とする場合は、松樹皮抽出物を0.00001質量%〜5質量%含有することが好ましく、0.0001質量%〜2質量%がより好ましく、0.001質量%〜1質量%がさらに好ましい。
本発明の外用剤中のコエンザイムQ10またはその誘導体の含有量についても特に制限はない。コエンザイムQ10および/またはその誘導体の含有量は、好ましくは0.0001質量%〜25質量%、より好ましくは0.001質量%〜10質量%である。特に、本発明の外用剤が優れた安定性を有する観点から、松樹皮抽出物の乾燥質量100質量部に対して、コエンザイムQ10および/またはその誘導体が、好ましくは1〜300質量部、より好ましくは10〜200質量部、さらにより好ましくは10〜100質量部となるように含有される。
本発明の外用剤中のα−リポ酸またはその誘導体の含有量についても特に制限はない。α−リポ酸および/またはその誘導体の含有量は、好ましくは0.0001質量%〜10質量%、より好ましくは0.001質量%〜5質量%である。特に、本発明の外用剤が優れた安定性を有する観点から、松樹皮抽出物の乾燥質量100質量部に対して、α−リポ酸および/またはその誘導体が、好ましくは1〜300質量部、より好ましくは10〜200質量部、さらにより好ましくは10〜100質量部となるように含有される。
本発明の外用剤は、松樹皮抽出物とコエンザイムQ10(および/またはその誘導体)とα−リポ酸(および/またはその誘導体)とを含有することが好ましい。上記三成分の組み合わせによって、特に優れた安定性を示す。この場合、松樹皮抽出物の乾燥質量100質量部に対して、コエンザイムQ10(および/またはその誘導体)が1〜300質量部、より好ましくは10〜200質量部、さらにより好ましくは10〜100質量部およびα−リポ酸(および/またはその誘導体)が1〜300質量部、より好ましくは10〜200質量部、さらにより好ましくは10〜100質量部となるように含有されることが好ましい。
本発明の外用剤は、外観、使用感および保存安定性をより向上させるために、必要に応じて、当業者が外用剤に通常用いる基剤および添加剤を含有してもよい。さらに、本発明の外用剤の有する機能をより増強したり、補填したりする目的で、様々な助剤を添加することもできる。
上記基剤としては、グリセロール、エタノール、パラベン、またはブチレングリコールなどが挙げられる、上記添加剤としては、賦形剤(デキストリンなど)、香料、色素、保存剤(パラベンなど)、増粘剤(シリコン系ポリマー、アクリル系ポリマー、カルボキシビニル系ポリマーなど)、キレート剤(EDTAなど)、甘味料(スクラロースなど)、清涼剤(メントールなど)、防腐防黴剤(フェノキシエタノールなど)などが挙げられる。
上記助剤としては、例えば、他の薬効成分や他の油剤(リノール酸、リノレン酸、パルミチン酸、DHA、EPAなどの不飽和脂肪酸及びその誘導体や亜麻仁油、ヤシ油、ホホバ油、オリーブ油、スクワラン、スクワレン、馬油、コメヌカ油、ヒマシ油などの動植物より抽出された油及びその誘導体など)、保湿剤(コラーゲンまたはその分解物、カロットエキスなどに含まれるコラーゲン類似ペプチド、大豆ペプチド、アミノ酸、ヒアルロン酸などのムコ多糖類、コンドロイチンなどのアミノ糖、トレハロースなどの糖類、海藻類、アルギン酸、グルコマンナン、ペクチンなどの水溶性食物繊維、リン脂質など)、界面活性剤(レシチンや脂肪酸エステル、アミノ酸誘導体など)、紫外線吸収剤(酸化亜鉛や酸化チタンなど)、吸収促進剤などが挙げられる。
上記助剤の1つである薬効成分としては、ポリフェノール化合物、ビタミン剤(ビタミン類、ビタミン様作用因子、これらの塩または誘導体など)、抗炎症剤、細胞賦活剤、ホルモン剤などやこれらの効能を有する動植物由来の抽出物が挙げられる。
ポリフェノール化合物としては、例えば、カテコール、ガロカテキン、エピガロカテキン、ガロカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、タンニン酸(ガロイル没食子酸)、ハマメリタンニン(1、5−ジガロイルハマメロース)、カフェー酸誘導体、および没食子酸が挙げられる。ポリフェノール化合物には、種々のピロガロールタンニン、カテコールタンニンなども含まれる。
ビタミン剤としては、ビタミンA類(レチノール、レチナール、レチノイン酸、3−デヒドロレチノール、3−デヒドロレチナール、3−デヒドロレチノイン酸など);プロビタミンA類(α−カロテン、β−カロテン、γ−カロテン、クリプトキサンチンなど);ビタミンB群(チアミン(ビタミンB)、リボフラビン(ビタミンB)、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン(以上ビタミンB)、コバラミン(ビタミンB12)、ニコチン酸、ニコチンアミド、パントテン酸、ビオチン(ビタミンH)、葉酸(ビタミンM)など);アスコルビン酸(ビタミンC);ビタミンD類(エルゴカルシフェロール(ビタミンD)、コレカルシフェロール(ビタミンD)など);プロビタミンD類(7−デヒドロコレステロール、エルゴステロールなど);ビタミンE類(α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノールなど);ビタミンK類(フィロキノン(ビタミンK)、メナキノン(ビタミンK)、メナジオン(ビタミンK)など)などが挙げられる。立体異性体や光学異性体を有するものについては、いずれの異性体も用いることができ、cis体およびtrans体混合物やラセミ体を用いることもできる。
ビタミン様作用因子としては、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などの必須脂肪酸(ビタミンF)類;オロト酸(ビタミンB13)、カルニチン(ビタミンBT)、myo−イノシトール、コリン、ルチン、ヘスペリジン、エリオシトルリンなどのビタミンP類;メチオニンメチルスルホニウム(ビタミンU);パントテニルアルコールなどが挙げられる。立体異性体や光学異性体を有するものについては、いずれの異性体も用いることができ、cis体およびtrans体混合物やラセミ体を用いることもできる。
上記ビタミン類またはビタミン様作用因子の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩;塩酸塩、硫酸塩、アンモニウム塩などの無機塩;乳酸塩、酢酸塩、トリエタノールアミン塩などの有機塩が挙げられる。上記ビタミン類またはビタミン様作用因子の誘導体としては、アルキルエステル、アルケニルエステル、アリールエステル、リン酸エステル、硫酸エステル、ホスファチジルエステル、グルコシド、ガラクトシド、マルトシド、ラクトシドなどの配糖体などが挙げられる。
本発明においては、上記ビタミン類、ビタミン様作用因子、またはこれらの塩もしくは誘導体として、動植物や藻類及び微生物などより抽出、精製して得られた天然由来のものや、化学的もしくは酵素反応を利用して合成したものを用いることができる。
細胞賦活剤としては、酵母抽出物および酵母培養上清、アスパラガス(Asparagus)属植物、アボカド(Persea americana Mill.)、アロエ(Aloe)属植物、アンズ(Prunus armeniaca L. var. ansu Maxim.)、イチョウ(Ginkgo biloba L.)、イヌブナ(Fagus japonica Maxim.)、オオニンニク(Allium sativum L. f. pekinense Makino)、オタネニンジン(Panax ginseng C.A.Meyer)、カミツレ(Matricaria chamomilla L.)、キハダ(Phellodendron amurense Rupr.)およびその同属植物、キュウリ(Cucumis sativus L.)、キンセンカ(Calendula arvensis L.)、シイタケ(Lentinus edodes Sing.)、シナサルナシ(キウイ)(Actinidia chinensis Planch.)、スギナ(Equisetum arvense L.)、セイヨウトチノキ(Aesculus hippocastanum L.)、セイヨウニンニク(Allium sativum L.)、センブリ(Swertia japonica Makino)、タマサキツヅラフジ(Stephania cepharantha Hayata)、チシャ(レタス)(Lactuca sativa L.)、トウガラシ(Capsicum annuum L.)、トウキンセンカ(Calendula officinalis L.)、トチノキ(Aesculus turbinata Blume)、ニンジン(Daucus carota L.)、ブクリョウ(マツホド)(Poria cocos Wolf)、ブドウ(Vitis vinifera L.)、ブナ(Fagus crenata Blume)、ヘチマ(Luffa cylindrica M.Roemen)、ベニバナ(Carthamus tinctorius L.)、マンネンロウ(Rosmarinus officinalis L.)、ミカン(Citrus)属植物、ムクロジ(Sapindus mukurossi Gaertn.)、ムラサキ(Lithospermum officinale L. var. erythrorhizon Maxim.)、ユーカリノキ(Eucalyptus)属植物、ユリ(Lilium)属植物の各抽出物、ヒドロキシ脂肪酸およびその誘導体ならびにそれらの塩、核酸およびその関連物質、卵殻膜より抽出されたタンパク質および異性化糖の混合物などが挙げられる。細胞賦活剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
リン脂質もまた細胞賦活剤として用いることができる。リン脂質は、保湿効果も有するため有用である。リン脂質としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール(カルジオリピン)、ホスファチジン酸などのグリセロリン脂質、リゾホスファチジルコリン(リゾレシチン)、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルセリン、リゾホスファチジルイノシトール、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジン酸などのリゾグリセロリン脂質、スフィンゴミエリンなどのスフィンゴリン脂質、及びこれらの水素添加物などが挙げられる。リン脂質は、例えば、大豆、卵黄など動植物から抽出、分離したり、あるいは化学的もしくは酵素的方法により合成することによって得られる。
抗炎症剤としては、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、ベクロメタゾン、これらの塩(リン酸塩、プロピオン酸塩、酢酸塩、コハク酸塩など)などのステロイド性抗炎症剤;サリチル酸、サリチル酸誘導体(アスピリン、サリチルアミド、エテンザミド、サリチル酸メチルなど)、インドール酢酸誘導体(インドメタシン、スリンダクなど)、ピラゾリジンジオン誘導体(フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾンなど)、アントラニル酸誘導体(メフェナム酸、フルフェナム酸など)、プロピオン酸誘導体(イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセンなど)、フェニル酢酸誘導体(ジクロフェナック、フェンブフェン、ブフェキサマクなど)、ベンゾチアジン誘導体(ピロキシカムなど)などの非ステロイド性抗炎症剤;グリチルリチン酸またはその塩もしくは誘導体(グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウムなど);グリチルレチン酸またはその塩もしくは誘導体(グリチルレチン酸ステアリル、ステアリン酸グリチルレチニル、3−サクシニルオキシグリチルレチン酸二ナトリウムなど);アズレン誘導体(グアイアズレン、グアイアズレンスルホン酸エチル、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、カマズレンなど);アラントイン;アロイン;アロエエモジン;シコニンまたはその誘導体(イソブチルシコニン、アセチルシコニン、イソバレリルシコニンなど);ギンセノシド(ギンセノシドRa、ギンセノシドRa、ギンセノシドRbなど);ギンセノシド誘導体(20−グルコギンセノシドRfなど);ペオニフロリン;ペオノールおよびその誘導体(ペオノシド、ペオノリド)などが挙げられる。
抗炎症剤としては、植物抽出物も利用できる。例えば、オウゴン(Scutellariae Radix)、カンゾウ(Glycyrrhizae Radix)、クジン(Sophorae Radix)、サイコ(BupleuriRadix)、シャクヤク(Paeoniae Radix)、ショウマ(Cimicifugae Rhizoma)、タイソウ(Zizyphi Fructus)、チモ(Anemarrhenae Rhizoma)、ボタンピ(Moutan Cortex)、リュウタン(Gentianae Scabrae Radix)、レンギョウ(Forsythiae Fructus)などの抽出物が挙げられる。
ホルモン剤としては、エストラジオールまたはその誘導体、植物性のホルモン様物質(例えば、ゲネスチンやダイゼンなどのイソフラボン類)が挙げられる。
本発明の外用剤を口腔の粘膜などに適用する場合、必要に応じて、以下に列挙する成分が含有され得る。このような成分としては、例えば、ローヤルゼリー、プロポリス、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、ナイアシン、C、D、E、K、葉酸、パントテン酸、ビオチン、これらの誘導体など)、ミネラル(鉄、マグネシウム、カルシウム、亜鉛など)、セレン、キチン、キトサン、レシチン、ポリフェノール(フラボノイド、これらの誘導体など)、カロテノイド(リコピン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、ルテインなど)、キサンチン誘導体(カフェインなど)、タンパク質またはペプチド(大豆タンパク、コラーゲン、エラスチン、シルク、これらの分解物など)、ムコ多糖類(ヒアルロン酸、コンドロイチン、デルマタン、ヘパラン、ヘパリン、ケタラン、これらの誘導体など)、アミノ糖(グルコサミン、アセチルグルコサミン、ガラクトサミン、アセチルガラクトサミン、ノイラミン酸、アセチルノイラミン酸、ヘキソサミン、それらの塩など)、アミノ酸(プロリン、グリシン、アルギニン、グルタミン酸など)、オリゴ糖(イソマルトオリゴ糖、環状オリゴ糖など)、リン脂質(ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリンなど)、スフィンゴ脂質およびその誘導体(スフィンゴミエリン、セラミドなど)、含硫化合物(アリイン、セパエン、タウリン、グルタチオン、メチルスルホニルメタンなど)、リグナン類(セサミンなど)、真珠粉末、ゴレンシ抽出物、ザクロ種子抽出物、およびこれらを含有する動植物抽出物、根菜類(ショウガなど)などが挙げられる。特に、ムコ多糖類、アミノ糖、カロテノイド、タンパク質またはペプチド(特にコラーゲン、エラスチン、ラミニンおよびこれらの分解物)、アミノ酸、リン脂質、スフィンゴ脂質が好ましく含有され得る。
本発明の外用剤は、経皮投与および経粘膜投与のために、皮膚または粘膜(口腔内粘膜を含む)に適用可能である任意の形態をとり得る。本発明の外用剤の剤形は、例えば、ローション剤、乳剤、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、粉末剤、顆粒剤、錠剤などにすることができる。本発明の外用剤は、化粧品、医薬品、医薬部外品、トイレタリー用品、口腔用製剤などとして使用できる。これらは、必要に応じて当業者が通常用いる成分を含有し、当業者が通常用いる方法に従って調製され得る。
化粧品の場合、例えば、洗浄用化粧料、基礎化粧料、仕上げ化粧料、頭髪用化粧料として利用することもできる。極性水と有効成分とを予め混合した後、当業者が通常用いる成分を添加することによって、有効成分の効果を高めた化粧料を得ることができる。洗浄用化粧料としては、洗顔剤、石鹸、シャンプー、ヘアリンス、トリートメント、ボディシャンプーなどが挙げられる。基礎化粧料としては、化粧水、化粧クリーム、乳液、パックなどが挙げられる。仕上げ用化粧料としては、ファンデーション、白粉、口紅、リップグロス、頬紅、アイシャドーなどが挙げられる。医薬品としては、育毛剤、水性軟膏、油性軟膏、目薬、アイウォッシュ、シップ、ゲルなどが挙げられる。口腔へ適用する口腔用製剤としては、歯磨剤、マウスウォッシュ、スプレー、トローチなどが挙げられる。
本発明の外用剤は、経皮投与および経粘膜投与のために、皮膚または粘膜(口腔内粘膜を含む)に適用可能である。本発明の外用剤は、上記で説明したような形態とされ、その形態での投与または適用に通常用いられる手順(例えば、塗布、口腔内での溶解など)に従って、個体に投与または適用され得る。
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。なお、この実施例は、本発明を制限することを意図しない。
(実施例1)
プロアントシアニジンを70質量%含有する松樹皮抽出物(OPCを20質量%含有、株式会社東洋新薬)とコエンザイムQ10(日清ファルマ株式会社)とを含む化粧水を常法にて調製した。化粧水中の成分の配合量は、表1に記載の通りである(表1中の成分の単位は質量%である)。1本あたり100mLの化粧水を10本、瓶詰めとした。次いで、上記化粧水の5本は40℃に、残りの5本は0℃に、暗所にて密封状態で保管した。
保管1ヵ月後に、0℃で保管した化粧水と40℃で保管した化粧水とを比較し、製剤の安定性の評価を行った。この評価は、成分の変性によって見られる変色または粒状の凝集物について、以下の安定性の基準に基づいた。なお、0℃保管の各化粧水間の変化は見られなかった:
(安定性の判定基準)
0℃保管の化粧水に対し、40℃保管の化粧水には凝集物が見られる・・・−1点
0℃保管の化粧水に対し、40℃保管の化粧水には変色が見られる ・・・ 0点
0℃保管の化粧水に対し、40℃保管の化粧水に変化は見られない ・・・ 1点
5本の化粧水の判定の合計を結果として表す。したがって、点数が高いほど安定性に優れる。この結果を表1に併せて示す。
(実施例2)
松樹皮抽出物とα−リポ酸(オリザ油化株式会社)とを含む化粧水であること以外は、実施例1と同様に調製し、保管し、そして安定性の評価を行った。化粧水中の成分の配合量および安定性評価の結果を、表1に併せて示す。
(実施例3)
松樹皮抽出物とコエンザイムQ10とα−リポ酸とを含む化粧水であること以外は、実施例1と同様に調製し、保管し、そして安定性の評価を行った。化粧水中の成分の配合量および安定性評価の結果を、表1に併せて示す。
(比較例1)
実施例1と同じ松樹皮抽出物とアスコルビン酸とを含む化粧水であること以外は、実施例1と同様に調製し、保管し、そして安定性の評価を行った。化粧水中の成分の配合量および安定性評価の結果を、表1に併せて示す。
Figure 2006193512
表1の結果から、実施例1〜3の化粧水は、比較例1の化粧水に比べ、凝集物または変色の発生が抑制されていることが分かる。このことは、本発明の外用剤が、40℃ほどの高温での保管においても、優れた安定性を有することを示す。このように、コエンザイムQ10およびα−リポ酸が、松樹皮抽出物の安定化剤として有用であることが分かる。
(実施例4:血流改善効果の評価)
実施例1〜3、ならびに比較例1の化粧水を上記実施例1に記載の通りに保管し、保管後の化粧水を外用剤として塗布したときの血流改善効果を評価した。それぞれ、0℃保管時と40℃保管時との結果を比較した。
評価は、以下に示す手順で行った。20〜50歳の健常人7人を被験者とした。各被験者の左右前腕部の各3箇所ずつ計6箇所に2.0cm平方のマーキングをし、そして血流計(レーザー血流画像化装置PIM II;SwedenPermied社)を用いて皮下の血流量を測定した。この平均値をaとした。測定後、各化粧水を0.1mlずつ各マーキング部位に塗布し、そして塗布後2時間後に皮下の血流量を測定した。この平均値をbとした。得られた各時間における血流量の平均値から、下記の式(I)を用いて血流改善率を算出した:
血流改善率(%)=(b−a)/a×100 ・・・(I)
結果を表2に示す。
Figure 2006193512
表2の結果から、実施例1〜3の化粧水(0℃保管)は、比較例1の化粧水(0℃保管)に比べて優れた血流改善効果を有することが分かる。この血流改善効果は、40℃にて1ヶ月保管してもなお、優れていることが分かる。このように、松樹皮抽出物とコエンザイムQ10またはα−リポ酸とを含有する外用剤は、松樹皮抽出物とアスコルビン酸とを含有する化粧水に比べ、優れた血流改善効果を有し、長期保存後も松樹皮抽出物の薬効を維持することができることが分かった。
(実施例5:脂質の抗酸化効果の評価)
実施例1と同じ松樹皮抽出物と、コエンザイムQ10(DAEWOONG Chemical社)とα−リポ酸(仙味エキス株式会社)とを用いて、以下のようにして脂質に対する抗酸化効果を評価した。
Tris−HCl(インビトロジェン株式会社)0.25mmol、塩化カリウム(和光純薬工業株式会社)0.75mmol、ドデシル硫酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社)0.2%を含むTris−HCl緩衝液(pH7.4)を調製した。この緩衝液に、リノール酸エチル(和光純薬工業株式会社)1.5mg/mL、二塩化鉄(和光純薬工業株式会社)1μmol、過酸化水素(和光純薬工業株式会社)0.5μmolとなるように添加し、そしてさらに松樹皮抽出物、コエンザイムQ10、およびα−リポ酸を各々30μg/mLとなるように添加し、よく攪拌した。
この溶液を5mL分取し、37℃で16時間保持することにより脂質を酸化させた。その後、ジブチルヒドロキシトルエン(和光純薬工業株式会社)50μLを添加して酸化を停止させた。
酸化を停止させた溶液を0.3mL分取し、この溶液に、8%ドデシル硫酸ナトリウムを0.2mL、1M酢酸を1.5mL、0.67%チオバルビツール酸を1.5mL添加してよく攪拌し、90℃で60分間加熱した。
加熱後に溶液を室温まで冷却し、水飽和ブタノール溶液5mLを添加した後に、3000rpmで20分間遠心分離し、上清(ブタノール層)を回収した。回収した上清の532nmにおける吸光度を測定した。この吸光度を吸光度Aとした。
松樹皮抽出物、コエンザイムQ10、およびα−リポ酸を含まない溶液もまた調製し、上記と同様の操作を行い、そしてこの溶液の532nmにおける吸光度を測定した。この吸光度を吸光度Bとした。
脂質の抗酸化率は、以下の式(II)に基づいて算出した:
抗酸化率(%)=(吸光度B−吸光度A)/吸光度B×100 ・・・(II)
結果を表3に示す。
(比較例2)
松樹皮抽出物とコエンザイムQ10とα−リポ酸とを用いる代わりに、松樹皮抽出物のみを30μg/mL用いて、実施例5と同様に操作し、抗酸化率を決定した。結果を表3に併せて示す。
(比較例3)
松樹皮抽出物とコエンザイムQ10とα−リポ酸とを用いる代わりに、コエンザイムQ10のみを30μg/mL用いて、実施例5と同様に操作し、抗酸化率を決定した。結果を表3に併せて示す。
(比較例4)
松樹皮抽出物とコエンザイムQ10とα−リポ酸とを用いる代わりに、α−リポ酸のみを30μg/mL用いて、実施例5と同様に操作し、抗酸化率を決定した。結果を表3に併せて示す。
(比較例5)
松樹皮抽出物とコエンザイムQ10とα−リポ酸とを用いる代わりに、コエンザイムQ10のみを270μg/mL用いて、実施例5と同様に操作し、抗酸化率を決定した。結果を表3に併せて示す。
(比較例6)
松樹皮抽出物とコエンザイムQ10とα−リポ酸とを用いる代わりに、α−リポ酸のみを270μg/mL用いて、実施例5と同様に操作し、抗酸化率を決定した。結果を表3に併せて示す。
Figure 2006193512
表3の結果から、松樹皮抽出物、コエンザイムQ10、およびα−リポ酸を用いる場合(実施例5)は、各成分を単独で用いた場合(比較例2〜6)に比べて、高い抗酸化率を示し、脂質の抗酸化効果を有することが分かった。なお、コエンザイムQ10単独の場合は、逆に脂質の酸化を促進する作用を示し、9倍量で使用しても抗酸化効果は得られなかった(比較例3、5)。α−リポ酸単独の場合、比較例4は脂質の酸化を促進する作用を示し、9倍量で使用した比較例6では、抗酸化率は、20%程度であった。これらのことから、松樹皮抽出物にコエンザイムQ10およびα−リポ酸を組み合わせることにより、脂質に対する抗酸化効果が得られることが分かる。
(実施例6:口腔用製剤の製造)
以下の成分を配合して、口腔用製剤(1錠当たり200mgのタブレット)を調製した:
<組成物の成分> 配合比(質量部)
顆粒状糖 57.0
トレハロース 20.0
還元麦芽糖 20.6
ショ糖脂肪酸エステル 2.0
二酸化ケイ素 1.0
コエンザイムQ10 0.1
α−リポ酸 0.1
松樹皮抽出物(実施例1と同じ抽出物) 0.2
(実施例7:エモリエントクリームの製造)
以下の成分を配合して、エモリエントクリームを調製した:
<クリームの成分> 配合比(質量%)
ペンタステアリン酸デカグリセリル 1.0
ステアロイル乳酸ナトリウム 1.0
水素添加パーム油 0.5
オリーブスクワラン 10.0
トリオクタノイン 5.0
ホホバ油 2.0
ベヘニルアルコール 2.0
セトステアリルアルコール 0.5
キサンタンガム 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
1,3−ブチレングリコール 10.0
α−リポ酸 0.01
松樹皮抽出物(実施例1と同じ抽出物) 0.01
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 残部
本発明の外用剤は、安定性に優れ、特に、松樹皮抽出物が有する肌の改善効果などの薬効を長期間保持することが可能である。さらに、本発明の外用剤は、優れた血流改善効果および脂質に対する抗酸化効果を発揮する。本発明の外用剤は、化粧品、医薬品、医薬部外品、トイレタリー用品、口腔用製剤などとして利用され得る。特に、成分として脂質を含む外用剤(例えば、肌の抗酸化に優れた化粧料)においても、長期間保存可能とできる。

Claims (2)

  1. (A)松樹皮抽出物と、(B)コエンザイムQ10、コエンザイムQ10誘導体、α−リポ酸、およびα−リポ酸誘導体からなる群から選択される少なくとも1種類とを含有する外用剤。
  2. 松樹皮抽出物と、コエンザイムQ10もしくはコエンザイムQ10誘導体と、α−リポ酸もしくはα−リポ酸誘導体とを含有する外用剤。
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