JP2006192084A - 食器洗浄機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 洗浄槽内を清潔に保ち、異臭の発生を抑えた食器洗浄機を提供する。
【解決手段】
洗浄槽7底部に形成された排水口18の下方に接続管19を配設し、接続管19の仕切壁38に当接させるよう排水口18に仕切板49を形成し、該仕切板49と排水口18の側壁間に残滓排出口21aを挟持して排水口18の一部を覆いつつ、その他の部分を残滓フィルタ20によって覆っている。そして、排水口18には段状部51が形成されており、該段状部51に内外と連通可能な抗菌剤収納部52が配設され、該抗菌剤収納部52内には銀原子を固定化した無機性多孔質体から成る抗菌剤53が収納するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】
洗浄槽7底部に形成された排水口18の下方に接続管19を配設し、接続管19の仕切壁38に当接させるよう排水口18に仕切板49を形成し、該仕切板49と排水口18の側壁間に残滓排出口21aを挟持して排水口18の一部を覆いつつ、その他の部分を残滓フィルタ20によって覆っている。そして、排水口18には段状部51が形成されており、該段状部51に内外と連通可能な抗菌剤収納部52が配設され、該抗菌剤収納部52内には銀原子を固定化した無機性多孔質体から成る抗菌剤53が収納するようにした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、本体内部に抗菌剤を備えた食器洗浄機に関する。
従来、食器洗浄機においては、食器を洗浄槽に入れ、洗剤を洗浄槽内に投入して、洗い、すすぎ、乾燥を順次行う機能を有している。ところが、このような食器洗浄機では、食器に付着していた残滓等が洗い流され、洗浄槽底部に配設したフィルタに付着したり、洗浄水の循環経路中に残存したりして、この残滓から雑菌が繁殖して臭気を発生させることがあった。そして、一般に、洗浄運転後には残滓等を含んだ汚水は、排水ポンプにより排水処理されるが、洗浄槽底部や循環経路等の水溜部に、排水手段によっても排水し切れない一部の水(以下、残水という。)が残存するケースが多い。このため、この残水中の栄養分に富んだ残滓が雑菌の繁殖を促し、不衛生な状態になるとともに周囲に異臭を放ち、使用者に不快感を与えていた。
そこで、食器洗浄機を構成する部品に光触媒を担持させ、何らかの手段により前記光触媒に紫外線を照射し、光触媒機能により残滓によって発生する細菌を殺菌するように構成した食器洗浄機が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、洗浄槽底部や洗浄水循環経路等の水溜部に抗菌性を付与した食器洗浄機が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平10−276960号公報(図1)
特開2004−254929号公報(図1)
しかしながら、特許文献1に記載された食器洗浄機のように、構成部品に光触媒機能を持たせると、その部分に紫外線が照射されるように紫外線を発生させる光源を設ける必要が生じる。すなわち、殺菌効果を期待する部分に光触媒機能を持たせることに加え、紫外線を照射する光源を設けなければならず、多くのコストがかかる構成となっていた。そのうえ、光源は洗浄槽内を照らしつつ水のかからない位置に配設する必要性があるため、使用者が容易かつ安価に交換できる位置に配設することが不可能である。そのため、光源が寿命等により切れた場合には、交換するのに多くの手間がかかるという課題が残っていた。
また、特許文献2に記載された食器洗浄機のように、水溜部等の常に水没する熱可塑性樹脂から成る構成部品に抗菌成分を含有した無機性多孔質体等を混練して抗菌性を付与した場合、残水と接することができるのは表面にある抗菌成分のみであり、混練させた総量に比して抗菌効果に乏しく、すぐに抗菌成分が消費されていた。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、従ってその目的は、抗菌性能を長期間保持可能な食器洗浄機を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の食器洗浄機は、本体と、前記本体内に設けられた洗浄槽と、洗浄水を食器に噴射する噴射手段と、前記洗浄槽の下方に位置し、洗浄水を溜める水溜部と、前記水溜部に溜められた洗浄水を噴射手段に圧送する圧送手段と、水溜部内に溜めた洗浄水を食器に噴射して洗浄運転を行い、該洗浄運転終了後に水溜部内に溜めた洗浄水を排出する排水手段とを備えた食器洗浄機において、前記水溜部に抗菌作用を有する金属を無機性多孔質体に固定化して成る抗菌剤を配設したことを主たる特徴とするものである。
本発明の効果として、抗菌成分により水溜部に溜まった残水中の細菌の繁殖を抑制できるとともに、抗菌成分の無駄な消費を抑えて長期間抗菌機能を持続させることができる。
以下、本発明の一実施例につき、図1〜図8を参照して説明する。
そのうち、図2は扉の閉塞状態の食器洗浄機本体を示す斜視図であり、図3は扉を開放状態にした斜視図である。また、図4は食器洗浄機本体の縦断側面図を示している。
まず、図2を参照して食器洗浄機外観につき説明すると、本体1は外箱6により外殻が形成されており、前面には開口部2が形成さている。この開口部2は、下扉3及び上扉4により覆われている。また、本体1前部下方には操作パネル5が配設されている。この操作パネル5には、図示こそしないが、スタートキー、各種の運転コースを選択するコース設定キー、洗浄や乾燥等の条件設定キー等のキー入力部43(図6参照)、残り時間や運転状況等を表示する表示部48(図6参照)などを備えている。また、下扉3には、前面に取っ手8および押ボタン9を設けている。この押ボタン9は、押圧操作することにより、下扉3を本体に対して閉塞保持するロック機構(図示しない)を解除する働きをする。
そして、図2の下扉3の閉塞状態から、押ボタン9を押して扉ロック機構の係止を解除した後、取っ手8を掴んで下扉3を手前に回動すると、上扉4も図示しない連動機構により下扉3に連動して回動し、上下に開く(図3参照)よう構成されている。この開放状態においては、外箱6の内部に形成された洗浄槽7が露出し、食器の出し入れが可能な状態になる。なお、上扉4の上部には、前記洗浄槽7内の水蒸気を排出すべく機外に連通した排気口10を設けている。
次に、図3を参照して洗浄槽7の内部構成について説明する。洗浄槽7の底部は、本体前方に向けて僅かに下降傾斜した形状となっている。また、該洗浄槽7の底部中央には、噴射手段たる左右2つの噴射アーム11,11が回転可能に配設されている。この噴射アーム11,11の上面には、それぞれに複数の洗浄水を噴射するための洗浄ノズル12が形成されている。該洗浄ノズル12の位置、形状等を調整し、この噴射アーム11,11は後述する洗浄ポンプ13より圧送された水を洗浄ノズル12から噴射することにより、該噴射アーム11,11はその噴射の反動を利用して回転する。
また、洗浄槽7の底部前方には、本体1幅方向に長いヒータ配設部15が形成されており、該ヒータ配設部15には洗浄運転時の洗浄水の加熱又は乾燥運転時の温風の生成に供する加熱手段としてのシーズヒータ14(図6,7参照)が配設されている。そして、ヒータ配設部15の上面は、径大な孔部16が多数形成された金属製のヒータカバー17によって覆われている。これにより、万が一、箸等の小物類が落下した場合でもシーズヒータ14に接触することを防いでいる。加えて、このヒータ配設部15は、送風機47(図6参照)のファンケース(図示せず)と連通しており、乾燥時には洗浄槽7外から吸引された風が洗浄槽7内に向けて送風されるよう構成されている。
一方、ヒータ配設部15の隣には、詳細は後述するが、排水口18が設けられている。
該排水口18は、後述する接続管19(図4,5参照)の端部19bに連通され、残滓フィルタ20及び残滓排出口21a(図1参照)によって覆われている。この洗浄槽7の一部である排水口18と接続管19とを合わせて水溜部と呼んでいる。さらに、洗浄槽7の左右側面には段部22,22が設けられており、食器かご23を引き出し可能に載置している。
次に、図4を参照して、食器洗浄機本体1内の配管構成について説明する。本体1背面下方には、給水口24が配設されており、分岐水栓等の水源と他端が接続されたホース25が前記給水口24に接続されている。また、本体1内部には、給水口24に接続された給水経路26が配設されており、機外から洗浄槽7内部に給水できるよう構成されている。前記給水経路26には給水弁27が配設されており、該給水弁27を開閉することにより洗浄槽7への給水制御がなされている。
また、洗浄槽7の下方には接続管19が配設され、排水口18に接続管19の端部19bが接続されている。この接続管19は、詳細は後述するが、第1循環水路28及び第1排水路29(図1,5参照)が併設されたものであり、洗浄槽7よりも下方に位置しているため、洗浄槽7内に供給された洗浄水は常に該接続管19に流れ入って溜まるように構成されている。また、洗浄槽7の下方には、ポンプモータ46の回転駆動により圧送手段及び排水手段として機能する洗浄ポンプ13が配設されている。そして、この洗浄ポンプ13の入水側には接続管19の端部19cが接続されており、出水側には第2循環水路30及び第2排水路31が接続されている。さらに、洗浄槽7の背部には水位検知装置32が配設されている。この水位検知装置32は、ケース32aと接続ホース32bとからなり、接続ホース32bが接続管19を介して洗浄槽7と連通している。そして、詳細な構成は図示しないが、ケース32a内に浮設した容積の異なる複数のフロートが水位に応じて浮沈し、該フロートがケース32aに隣接された複数のマイクロスイッチを押圧することにより、水位を検知できるよう構成されているものである。また、外箱6前下部には、制御装置33(図6参照)等を組み込んだ制御ユニット34が配設されている。なお、具体的な電気的構成については図6を参照して後述する。
次に、図5に示す水溜部の分解斜視図を参照して、上記接続管19の構成について詳細に説明する。図5に示すように、水平配置の偏平な矩形筒状をなした中間部19aと、その両端から上方に立ち上がった短円筒状の端部19b,19cとから構成されている。そして、端部19bが環状のパッキン36により洗浄槽7の排水口18の接続部35と水密になるよう接続されている。また、端部19cは、環状のパッキン37により洗浄ポンプ13と接続されている。
そして、接続管19は第1循環水路28と第1排水路29とが仕切壁38により仕切られて形成され、この仕切壁38は中間部19aにおける高さと同じ高さのまま端部19b,19cまで延設されている。なお、この場合、第1排水路29の底部29a面積よりも
第1循環水路28の底部28a面積を広く形成している(図1参照)。
第1循環水路28の底部28a面積を広く形成している(図1参照)。
更に、接続管19の端部19cの内部には、固定された中蓋39を中間部19aの上壁と面一に一体形成し、この中蓋39に、上記第1循環水路28に連通する循環水出水口28bと、第1排水路29に連通する排水出水口29bとを形成している。
加えて、前記仕切壁38には、中間部19a内に位置する部分の例えば中央部二箇所にスリット状の連通孔40,40を形成し、これによって、第1循環水路28と第1排水路29とを部分的に連通させ、洗浄後における第1循環水路28から第1排水路29への残水の排出が行われるようにしている。なお、この連通孔40,40は米粒大の残滓が通過しない程度の大きさとなっている。また、第1循環水路28と第1排水路29とに関しては、第1排水路29の底部29aを第1循環水路28の底部28bより低く形成して(図1参照)、残水の排出がより確実に行われるようにしている。
図6は、本実施例の食器洗浄機の電気的構成を示すブロック図である。図6に示すように、制御ユニット34内には、制御装置33、駆動回路41、インバータ回路42が配設されている。このうち、制御装置33は、操作パネル5上のスタートキー等を押圧操作によりキー入力部43から入力した信号に応じて、制御プログラムに基づき指令を送るよう構成されているものである。そして、下扉3又は上扉4の開閉状態を検知する検知スイッチ44、洗浄槽7内部に設けられ水温を検知する水温センサ45、水位検知装置32等の信号も入力される。
また、制御装置33は、インバータ回路42を介してポンプモータ46をインバータ駆動することにより、ポンプモータ46の回転速度や回転方向を駆動制御している。これにより、ポンプモータ46を正転させると、洗浄ポンプ13は第1循環水路28を介して接続管19内の洗浄水を吸引するとともに、第2循環水路30を介して噴射アーム11,11に圧送する。このようにして、洗浄水を噴射アーム11,11の洗浄ノズル12から噴射することにより再び洗浄槽内7に供給することができるようになっている。反対に、ポンプモータ46を逆転させた場合には、洗浄ポンプ13は第1排水路29を介して接続管19内の洗浄水を吸引するとともに、第2排水路31を介して本体1外へと排水する。なお、第2排水路31は、図4に示すように、その中間部31aが洗浄槽7の底部上方に持ち上げられていて、排水弁を設けずとも洗浄槽7に所定量の洗浄水を溜めた状態でも機外に洗浄水が排出されないよう構成されている。
そのほか、制御装置33は、駆動回路41を介して、食器の乾燥に供する送風機47、温水や温風の生成に供するシーズヒータ14、運転コースや時間等を表示する表示部48、及び給水弁27等を制御する。
次いで、図7は洗浄槽7底部を示す横断面図で、ヒータカバー17を取外した状態を示している。また、図1は図7のA−A線で切断し矢印方向に見た断面図であり、特には排水口18の第1循環水路28に連通する部位に設けた残滓フィルタ20と、排水口18の第1排水路29に設けた残滓排出口21aとを示している。図7に示すように、前方にはシーズヒータ14が配設されたヒータ配設部15が形成され、該ヒータ配設部15の隣には、排水口18がヒータ配設部15よりも深く形成されている。そして、図1に示すように排水口18には仕切壁38に対応した位置に仕切板49が形成されていて、排水口18と接続管19が接続された状態で仕切壁38と当接している。排水口18のヒータ配設部15側には、主に固形の残滓を排出するための残滓排出口21aが配設されている。該残滓排出口21aは、排水口18に形成された仕切板49と排水口18の側壁との間に漏斗状部材21が挟設されて形成されている。そして、この残滓排出口21aは、残滓フィルタ20の小孔20aの一つ一つより充分に大きく、例えば米粒大以上の大きさの残滓を通すが、箸等の小物類が落下しない程度の大きさに設定されている。
残滓排出口21a以外の排水口18には、残滓フィルタ20が取り外し可能に載置されている。該残滓フィルタ20には、米粒大の小さな残滓を通さない大きさの小孔20aが形成されている。但し、洗浄槽7の左壁側部分は通水不能な無孔部位20bとなっている。この残滓フィルタ20は、金属製の細目のフィルタであり、これにより、洗浄水中の固形の残滓が第1循環水路28に侵入し、洗浄ポンプ13内部や洗浄ノズル12に詰まる危険を低減することができる。
以上のように、仕切板49及び仕切壁38により区画され、残滓フィルタ20は第1循環水路28に連通しており、残滓排出口21aは接続管19の第1排水路29に連通している。
また、図1に示すように、残滓フィルタ20は、残滓排出口21a側に傾斜して形成されており、洗浄水とともに洗浄水中の残滓が残滓排出口21aに向けて流れ込むような構成となっている。さらに、残滓フィルタ20の表面は、細目であることに加えて撥水処理が施されているので、洗浄水を弾き易いため、洗浄水が残滓排出口21aに向けて一層流れ込み易くなっている。この撥水処理は、残滓フィルタ20を金属製として、その表面にフッ素樹脂被膜や高分子被膜を施して成るもの、もしくは残滓フィルタ20を合成樹脂製として、その合成樹脂材料にフッ素を配合して成るものなどである。
さらに、図7に点線で示す給水経路26が洗浄槽7下方に配設されており、残滓フィルタ20に隣接して設けられた給水部材50に接続されているため、残滓フィルタ20の近傍から水を流すことにより残滓フィルタ20が上に堆積した残滓を流すことができる。
図1に示すように、排水口18には段状部51が形成されている。該段状部51の残滓フィルタ20の無孔部位20b下方には、多数の孔52aを形成した抗菌剤収納部52が配設されている。この抗菌剤収納部52は、樹脂製の箱状をなしており、壁面には内外が連通するように多数の孔部52aが形成されている。さらに、該抗菌剤収納部52の内部には、孔部52aよりも径大で、直径数ミリ程度の粒状の抗菌剤53が多数収容されている。該抗菌剤53は、アパタイト成分もしくはゼオライトなどの無機性多孔質体を母体として構成されており、抗菌成分として銀、銅、亜鉛等の金属もしくは金属イオンを原子又はクラスターの状態で無機性多孔質体の細孔に固定化したものである。
次いで、上記構成のものの作用を述べる。
上記した食器洗浄機は、「洗浄」、「すすぎ」、「乾燥」の行程からなる「標準コース」を有している。以下、この「標準コース」に従って抗菌剤53の作用について説明する。
使用者が操作パネル5上のコース設定キーを押圧し、「標準コース」を選択した場合、キー入力部43からそれに応じた入力信号が制御装置33に入る。制御装置33は、予め登録された制御プログラムに基づき、図6に示すように出力信号を送り、各駆動部を制御する。
まず、制御装置33の指令により給水弁27が解放され、給水経路26を介して洗浄槽7への給水が開始される。給水された洗浄水は接続管19及び排水口18を満たし、その後、水位検知装置32により、所定の水位X(図1参照)になったことが検知されると、制御装置33の指令により給水弁27が閉じられて給水が終了する。
給水終了後には、「洗浄」行程として、シーズヒータ14が通電されて発熱し、洗浄槽7及び接続管19内に貯水された水が温められる。これにより、洗浄水の温度は、最終的に約65度まで熱せられ、食器の汚れの除去を促進する。それとともに、インバータ回路42を介してポンプモータ46が制御駆動されて正転して、洗浄ポンプ13が圧送手段として稼働し、噴射アーム11,11を回転させながら洗浄ノズル12から洗浄水が噴射され、噴射された洗浄水は洗浄槽7の内壁を伝って、最終的に接続管19に戻るという循環が行われる。この洗浄ポンプ13が圧送手段として稼働している間中、洗浄槽7における洗浄水の水面は、図1に示すように水位Yの高さにあり、水位Xよりもかなり低くなる。
というのも、このポンプモータ46が駆動している状態においては、第2循環水路30及び噴射アーム11,11内を洗浄水が満たし、又は洗浄槽7中に噴射されて洗浄水の水面に達していない。したがって、このポンプモータ46の駆動時には、抗菌剤収納部52の下部よりも、水位Yが下方に位置するため、内部に収容された抗菌剤53が水に浸ることはない。なお、「すすぎ」行程も、洗浄時間(洗浄ポンプの駆動時間)が短くなる点や、水温が変更される点以外は、基本的に「洗浄」行程と同じ制御が行われ、水位に関しては上記した「洗浄」行程の例と同じである。
また、噴射アーム11,11によって噴射された洗浄水は、食器かご23に載置された食器等に衝突して散水し、洗浄槽7内面を伝って最終的に排水口18に流れ込むようになっている。したがって、洗浄水は排水口18に流れ込む際に、残滓フィルタ20の無孔部位20bの下方に位置する抗菌剤収納部52には洗浄水が接触しにくい。
さらに、「洗浄」行程や「すすぎ」行程において、ポンプモータ46が所定時間駆動し洗浄やすすぎが終了すると、常に洗浄ポンプ13のポンプモータ46が逆転して排水運転を行う。これにより、洗浄槽7や接続管19内の水は、第2排水路31を介して機外に排出される。これ以後、再び食器洗浄機を使用するまで、洗浄槽7には新たに給水されることはない。しかし、洗浄水は完全には排出されず、洗浄ポンプ13の設置高さ等の条件によっても異なるが少なからず残水と呼ばれる数百ccの洗浄水が接続管19内に残ることになる。このとき、残水は図1のように水位Yよりも高い水位Zとなり、抗菌剤収納部52内の抗菌剤53が残水に浸るため、抗菌剤53から抗菌成分が残水に溶け出す。なお、本実施例のように、洗浄機能と排水機能の両方の機能を備えた洗浄ポンプ13の場合は、排水時において、ポンプモータ46の逆回転につられて若干第2循環経路30にも送水されてしまうため、排水中にも一部の洗浄水が洗浄槽7内に噴射されるなどして、残水が多く残ってしまう傾向がある。この場合、水位Yと水位Zとの差はより生じやすい。
抗菌剤53が残水に浸ると、無機性多孔質体の細孔から抗菌成分が溶出する。抗菌成分である銀原子又は銀クラスターは残水中で銀イオンとなり、抗菌作用をより強く発揮できる状態となる。これにより、銀イオンは、残水中の雑菌の繁殖を抑えつつ、排水口18や接続管19等の表面に付着し、雑菌が表面に付着するのを防止する。
図8は、抗菌剤53を抗菌剤収納部52に約3g分だけ収納して毎日1回使用した場合の、残水中の銀イオン濃度と経過日数との関係を実験的に求めたグラフである。図8中の上側の線は、上記した構成にて使用したときのものであり、下側の線は樹脂材料からなる排水口18及び接続管19の壁面に銀イオンを固定化した無機性多孔質体を混練させた構成にて使用したときのものである。なお、グラフ中央の線は残水中で十分に抗菌効果を得られる濃度を示したものである。このグラフに示すように、洗浄水が連続して曝される水溜部の壁面に混練させたときには、数ヶ月で抗菌効果が失われているのに対して、本実施例のように洗浄中は洗浄水に当たらない構成とした場合には、約7年間経過後も銀イオンの有効な濃度を保ち続けることができる。
上記の実施例によれば、次のような効果がある。
排水終了後に排水口18又は接続管19に残された残水に浸るような高さ位置に抗菌剤53を配設したので、雑菌が繁殖しやすい残水中に抗菌成分が溶出する。そのため、雑菌の繁殖を抑制でき、以って、臭気発生や腐敗防止を行うことができ、衛生的に食器洗浄機を維持することができる。
また、無機性多孔質体に銀を固定化したものを抗菌剤53としたことにより、長期間抗菌効果を持続させることができ、以って使用者がメンテナンスする必要がなくなる。というのも、無機性多孔質体は数ナノメートル程度の直径の細孔を無数に設けた構造をしており、単位表面積あたりに固定化可能な銀原子数が飛躍的に増加する。また、従来のように直接水溜部を構成する樹脂材料に抗菌成分又は抗菌成分を固定化した多孔質体を混練させるのではないため、抗菌成分を固定化した無機性多孔質体のビースを直接残水に浸る位置に配設したことにより抗菌成分が残水中に溶出し易い。したがって、洗浄水に溶出可能な抗菌成分の量が増加するからである。
また、抗菌剤53を洗浄ポンプ13の稼働時に浸水しない位置に配設したので、多量の水に浸る「洗浄」行程及び「すすぎ」行程において給水時及び排水初期を除いて抗菌剤53が水に浸ることがない。そのため、抗菌する必要がない食器の「洗浄」行程及び「すすぎ」行程において、水温が比較的高い洗浄水中に抗菌成分が無駄に溶出することを抑えることができ、以って、長期間抗菌効果を維持することができる。
さらに、前記残滓フィルタ20の一部に無孔部位20bを設け、該無孔部位20bの下方に抗菌剤53を配設したから、循環する洗浄水が排水口18に集まって流れ込む場合でも、洗浄水が上方から抗菌剤53にかかり難く、抗菌剤53からの抗菌成分の溶出を抑えることができ、以って長期間抗菌効果を維持することができる。
また、第1循環水路28に通ずる排水口18の一部を残滓フィルタ20で覆い、第1排水路29に通ずる排水口18の残滓フィルタ20以外の部分に残滓を排出する残滓排出口21aを備えたから、固形の食品滓等の有機成分は強制的に第1排水路29を介して洗浄ポンプ13により機外に排出される。すなわち、洗浄水中に銀イオンとして溶出した抗菌成分としての銀は、残滓等の還元性のある有機成分が洗浄水中に存在すると、その有機成分の還元作用により電荷を受け取り、抗菌性の弱い中性の銀になってしまう。その点、残水中の残滓を洗浄水とともに機外に排出できるので、抗菌成分が無駄に消費されることを防止でき、以って、長期間抗菌作用を維持することができる。
なお、抗菌剤53には、有機系のものと、上記したような銀を含む無機系のものとがあるが、有機系の抗菌剤は抗菌効果が高いものの無機系と比較して溶出速度が速いため、長期にわたって抗菌効果を持続したい場合には無機系の方が好ましい。加えて、有機系のものは、それ自体の溶出が食品衛生法上問題となることが多く、これを食器に付着させることはあまり好ましくない。また、本発明は上記し且つ図面に示した一実施例に限定されず、洗浄ポンプ13は圧送手段と排水手段とを兼ねたものとしたが、それぞれ洗浄ポンプと排水ポンプとを別に設けて構成されたものでもよいなど、実施に際して本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施可能である。
6 外箱
7 洗浄槽
11,11 噴射アーム
12 洗浄ノズル
13 洗浄ポンプ
14 シーズヒータ
15 ヒータ配設部
17 ヒータカバー
18 排水口
19 接続管
19a 中間部
19b,19c 端部
20 残滓フィルタ
20a 孔部
20b 無孔部位
21a 残滓排出口
28 第1循環水路
29 第1排水路
30 第2循環水路
31 第2排水路
31a 中間部
32 水位検知装置
35 接続部
36,37 パッキン
38 仕切壁
39 中蓋
40,40 連通孔
46 ポンプモータ
49 仕切板
51 段状部
52 抗菌剤収納部
52a 孔
53 抗菌剤
7 洗浄槽
11,11 噴射アーム
12 洗浄ノズル
13 洗浄ポンプ
14 シーズヒータ
15 ヒータ配設部
17 ヒータカバー
18 排水口
19 接続管
19a 中間部
19b,19c 端部
20 残滓フィルタ
20a 孔部
20b 無孔部位
21a 残滓排出口
28 第1循環水路
29 第1排水路
30 第2循環水路
31 第2排水路
31a 中間部
32 水位検知装置
35 接続部
36,37 パッキン
38 仕切壁
39 中蓋
40,40 連通孔
46 ポンプモータ
49 仕切板
51 段状部
52 抗菌剤収納部
52a 孔
53 抗菌剤
Claims (4)
- 本体と、前記本体内に設けられた洗浄槽と、洗浄水を食器に噴射する噴射手段と、前記洗浄槽の下方に位置し、洗浄水を溜める水溜部と、前記水溜部に溜められた洗浄水を噴射手段に圧送する圧送手段と、水溜部内に溜めた洗浄水を食器に噴射して洗浄運転を行い、該洗浄運転終了後に水溜部内に溜めた洗浄水を排出する排水手段とを備えた食器洗浄機において、前記水溜部に抗菌作用を有する金属を無機性多孔質体に固定化して成る抗菌剤を配設したことを特徴とする食器洗浄機。
- 抗菌剤は、圧送手段の稼働時には浸水しない位置に配設したことを特徴とする請求項1記載の食器洗浄機。
- 水溜部に連通する排水口を覆う残滓フィルタを備えた食器洗浄機において、残滓フィルタの一部に通水不能な部位を設け、該部位の下方に抗菌剤を配設したことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の食器洗浄機。
- 排水口の一部に残滓を排出する残滓排出口を備えたことを特徴とする請求項3記載の食器洗浄機。
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JP2005006883A JP2006192084A (ja) | 2005-01-13 | 2005-01-13 | 食器洗浄機 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107320050A (zh) * | 2017-07-16 | 2017-11-07 | 蔡璟 | 一种用于家用清洗设备的存储式过滤结构 |
CN107970003A (zh) * | 2017-12-12 | 2018-05-01 | 浙江帅丰电器股份有限公司 | 一种易于清洁的洗碗机 |
CN108158531A (zh) * | 2018-02-08 | 2018-06-15 | 广东美的厨房电器制造有限公司 | 过滤提杯结构及过滤装置及洗涤电器 |
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2005
- 2005-01-13 JP JP2005006883A patent/JP2006192084A/ja active Pending
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CN108158531B (zh) * | 2018-02-08 | 2023-11-07 | 广东美的厨房电器制造有限公司 | 过滤提杯结构及过滤装置及洗涤电器 |
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