JP2006189794A - シームレスベルトの製造方法 - Google Patents

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哲 宮西
Naoto Matsuo
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Abstract

【課題】ベルト基体が変形する虞がなく、弾性体層が劣化せず、弾性体層をベルト基体と離型層との間に密着して形成でき密着性に優れ、薄い合成樹脂製のスリーブからなる離型層を皺無く、空気が混入せず形成できる生産性、信頼性に優れたシームレスベルトの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ベルト基体2を凹部6に嵌合するベルト基体嵌合工程と、中子7をベルト基体2に挿入固定する中子挿入工程と、注入器8をベルト基体2の下端外周に装着する注入器装着工程と、スリーブ取付工程によりスリーブ13が内壁に密着された円筒金型14をベルト基体2の外周に挿通する金型挿通工程と、樹脂注入管9によりベルト基体2とスリーブ13との間に合成樹脂を注入する合成樹脂注入工程と、合成樹脂を加熱処理する弾性体層形成工程と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式の複写機やレーザービームプリンタ(以下、LBPと記す)等の画像形成装置の定着器に用いられるシームレスベルトの製造方法であって、ベルト基体と、ベルト基体の外周に配設された合成樹脂スリーブからなる離形層と、ベルト基体と離形層との間に配設された合成樹脂からなる弾性体層と、を有するシームレスベルトの製造方法に関するものである。
従来、電子写真方式の複写機やLBP等の画像形成装置の定着器は、記録媒体上に転写されたトナーにより顕像化されたトナー像に、温度及び圧力を付与することにより記録媒体にトナー像を定着させ、記録媒体に画像を形成している。そして、このような定着器に用いられるシームレスベルトとしては、金属製のベルト基体と、ベルト基体の外周に形成されたシリコーンゴムからなる弾性体層と、弾性体層の外周に形成されたフッ素樹脂スリーブからなる離型層と、を有するものが、画像形成装置の高速化に対して高耐久性、及びトナーに対する離型安定性に優れているという理由により用いられている。
このようなシームレスベルトの製造方法としては、まず第1の方法として、塗布方法、金型成形等により金属のベルト基体の外周にゴム層を形成し、その後、焼成により弾性体層として成形する。その弾性体層の外周にフッ素樹脂の紛体又は液体の塗料を塗布し、その後、焼成してフッ素樹脂スリーブを形成する方法が知られている。また、第2の方法としては、同様に弾性体層を成形した後、弾性体層の外周に接着剤を塗布し、フッ素樹脂製の熱収縮性チューブを被せ、ドライヤー等でこの熱収縮性チューブを加熱して収縮せしめると共に、弾性体層と接着させる方法が知られている。
また、(特許文献1)に記載の方法においては、まず、円筒形の金型にフッ素樹脂チューブを通し、その中に耐熱樹脂層を設けた芯体を固定する。そして、樹脂チューブと耐熱性樹脂層との間にシリコーンゴム前躯体を注入した後、全体を過熱することで一体成形して定着用フィルムを得ることが記載されている。
特許第3051085号公報
しかしながら上記従来の技術では、以下のような課題を有していた。
(1)第1の方法及び第2の方法では、ベルト基体が、薄い金属等で形成され可撓性を有する場合には、弾性体層又はフッ素樹脂スリーブの形成時の外力により形状が変形し精度よく成型できず信頼性に欠けるという課題を有していた。
(2)第1の方法では、フッ素樹脂の焼成温度を高温にする必要があり、弾性体を校正するゴムが高温により劣化するという課題を有していた。
(3)第2の方法では、フッ素樹脂製の熱収縮性チューブの厚さが相当の厚さを有するものでないと加熱時の収縮力が不足して接着材層の厚さが不均一となり外径が精度よく形成できないと共に、弾性体層とチューブの間に空気が混入するという課題を有していた。
(4)(特許文献1)に記載の方法では、シリコーンゴム前駆体を注入する注入口が一箇所しかないため、樹脂チューブと耐熱性樹脂層との間にシリコーンゴム前駆体が均一に満遍なくいきわたり難く、弾性材料層の密着性に欠けるという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、可撓性のあるベルト基体が変形する虞がなく、弾性体層が劣化せず信頼性に優れ、弾性体層をベルト基体と合成樹脂製のスリーブからなる離型層との間に密着して形成でき密着性に優れ、薄い合成樹脂製のスリーブからなる離型層を皺無く、空気が混入することなく形成できる生産性、信頼性に優れたシームレスベルトの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のシームレスベルトの製造方法は、円筒状のベルト基体の下端部を台座に形成された凹部に嵌合するベルト基体嵌合工程と、ベルト基体の内径と同等の外径を有する中実円柱状又は円筒状に形成された中子をベルト基体の中空部に挿入して固定する中子挿入工程と、外周に複数の樹脂注入管を有する円環状の注入器を前記ベルト基体の下端外周に装着する注入器装着工程と、スリーブ取付工程により合成樹脂製のスリーブが内壁に密着された円筒金型をベルト基体の外周に挿通する金型挿通工程と、樹脂注入管によりベルト基体とスリーブとの間に合成樹脂を注入する合成樹脂注入工程と、合成樹脂を過熱処理することにより硬化させる弾性体層形成工程と、を備えた構成を有している。
これにより、可撓性のあるベルト基体が変形する虞がなく、弾性体層が劣化せず信頼性に優れ、弾性体層をベルト基体と合成樹脂製のスリーブからなる離型層との間に密着して形成でき密着性に優れ、薄い合成樹脂のスリーブからなる離型層を皺無く、空気が混入することなく形成できる生産性、信頼性に優れたシームレスベルトの製造方法を提供することができる。
以上説明したように本発明のシームレスベルトの製造方法によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)中子挿入工程において、ベルト基体の内径と同等の外径を有する中実円柱状又は円筒状に形成された中子をベルト基体の中空部に挿入することにより、合成樹脂製のスリーブからなる離型層又は弾性体層の形成時に外力が加わっても可撓性のあるベルト基体が変形する虞がない信頼性に優れたシームレスベルトの製造方法を提供することができる。
(2)合成樹脂注入工程により、ベルト基体の外周面とスリーブの内周面との間に合成樹脂を注入して弾性体層を形成するので、弾性体層が高温に晒されず劣化する虞のない信頼性に優れたシームレスベルトの製造方法を提供することができる。
(3)合成樹脂注入工程において、複数の樹脂注入管を有する注入器により、ベルト基体の外周面とスリーブの内周面との間に合成樹脂を注入するので、合成樹脂をベルト基体の外周面とスリーブの内周面との間に均一に満遍なくいきわたらせることができ弾性体層の密着性に優れたシームレスベルトの製造方法を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)スリーブ取付工程が、スリーブの内周面に接するように弾性体を挿入しスリーブの外周面を円筒金型の内壁に密着させるスリーブ密着工程を備えており、弾性体がスリーブの外周面と円筒金型の内壁間の空気を徐々に押出しながら通過することで、薄い合成樹脂製のスリーブからなる離型層を皺無く、空気が混入することなく形成できる生産性、信頼性に優れたシームレスベルトの製造方法を提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)スリーブ取付工程が、円筒金型から突出した合成樹脂スリーブの突出端部を外側に折り返す突出端部折り返し工程を備えているので、合成樹脂製のスリーブが内壁に取付けられた円筒金型をベルト基体の外周に挿通する際、及びベルト基体の外周面とスリーブの内周面との間に合成樹脂を注入する際に、不要な部分へのスリーブの巻き込み、合成樹脂のはみ出しを防止することができる信頼性に優れたシームレスベルトの製造方法を提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の内いずれか1の効果に加え、
(1)ベルト基体嵌合工程の前工程として、ベルト基体の外周面を活性化する活性化工程、ベルト基体の外周面を脱脂する脱脂工程、ベルト基体の外周面をプライマー処理するプライマー処理工程のいずれか1以上を備えているので、弾性体層がベルト基体の外周面に密着し易く密着性に優れたシームレスベルトの製造方法を提供することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の内いずれか1の効果に加え、
(1)合成樹脂注入工程において、弾性体層として用いる合成樹脂の可塑度が120(ウィリアムスプラストメーター、25℃、3min)以下であり(以降、可塑度については前記条件とする)、かつ前記弾性体層の厚みが150μm以上に設定されているため、均一な厚みの弾性体層が成形でき信頼性に優れたシームレスベルトの製造方法を提供することができる。
本発明は、可撓性のあるベルト基体が変形する虞がなく、弾性体層が劣化せず信頼性に優れ、弾性体層をベルト基体と合成樹脂製のスリーブからなる離型層との間に密着して形成でき密着性に優れ、薄い合成樹脂製のスリーブからなる離型層を皺無く、空気が混入することなく形成できる生産性、信頼性に優れたシームレスベルトの製造方法を提供するという目的を、円筒状のベルト基体の下端部を台座に形成された凹部に嵌合するベルト基体嵌合工程と、ベルト基体の内径と同等の外径を有する中実円柱状又は円筒状に形成された中子をベルト基体の中空部に挿入して固定する中子挿入工程と、外周に複数の樹脂注入管を有する円環状の注入器をベルト基体の下端外周に装着する注入器装着工程と、スリーブ取付工程によりスリーブが内壁に密着された円筒金型をベルト基体の外周に挿通する金型挿通工程と、樹脂注入管によりベルト基体と前記スリーブとの間に合成樹脂を注入する合成樹脂注入工程と、合成樹脂を過熱処理することにより硬化させる弾性体層形成工程と、を備えることにより実現した。
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明は、円筒状のベルト基体の下端部を台座に形成された凹部に嵌合するベルト基体嵌合工程と、ベルト基体の内径と同等の外径を有する中実円柱状又は円筒状に形成された中子をベルト基体の中空部に挿入して固定する中子挿入工程と、外周に複数の樹脂注入管を有する円環状の注入器をベルト基体の下端外周に装着する注入器装着工程と、スリーブ取付工程によりスリーブが内壁に密着された円筒金型をベルト基体の外周に挿通する金型挿通工程と、樹脂注入管によりベルト基体とスリーブとの間に合成樹脂を注入する合成樹脂注入工程と、合成樹脂を過熱処理することにより硬化させる弾性体層形成工程と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下の作用を有する。
(1)中子挿入工程において、ベルト基体の内径と同等の中実円柱状又は円筒状に形成された中子をベルト基体の中空部に挿入することにより、合成樹脂製のスリーブからなる離型層又は弾性体層の形成時に外力が加わっても可撓性のあるベルト基体が変形する虞がない。
(2)合成樹脂注入工程により、ベルト基体の外周面とスリーブの内周面との間に合成樹脂を注入して弾性体層を形成するので、弾性体層が高温に晒されず、劣化する虞がない。
(3)合成樹脂注入工程において、複数の樹脂注入管を有する注入器により、ベルト基体の外周面とスリーブの内周面との間に合成樹脂を注入するので、合成樹脂をベルト基体の外周面とスリーブの内周面との間に均一に満遍なくいきわたらせることができる。
ここで、ベルト基体の素材としては、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、表面に防錆用のメッキを施した鉄鋼、樹脂等が用いられる。金属製のものを用いた場合は、機械的強度が強く耐久性、耐熱性に優れ好ましい。樹脂製のものを用いた場合は、ベルト基体の端部における屈曲耐久性に優れ好ましく、熱硬化性の耐熱樹脂を用いることにより絶縁性、耐熱性が確保され好ましい。熱硬化性の耐熱樹脂としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリベンズオキサゾール等が用いられ、特に熱硬化性の高いポリイミド、ポリアミドイミドが好適に用いられる。また、樹脂単体では熱伝導率が低いので、絶縁性で熱伝導性の無機粒子を含有させるのが好ましい。
ベルト基体は、絞り加工や電鋳等によって成型される。絞り加工で成型する場合は、量産コスト性、機械的強度に優れ好ましい。電鋳で成型する場合は、成型精度に優れ好ましい。
また、ベルト基体の厚さは、10μm〜100μmのものが好適に用いられる。10μmより薄くなるにつれシームレスベルト自体の製造が困難になる傾向があり、100μmより厚くなるにつれ、ベルト基体の熱容量が増加してしまう傾向があり、いずれも好ましくない。
中子としては、ベルト基体の変形を防止できる剛性を持つものであればよい。
弾性体層としては、弾性を有する合成樹脂であればよく、シリコーンゴムやフッ素ゴム等が好適に用いられる。シリコーンゴムの素材としては、ビニル基を含有したポリオルガノシロキサン組成物が用いられる。シリコーンゴムとしては、付加反応触媒により硬化可能な2液性の液状シリコーンゴムや過酸化物からなる加硫剤により加硫(硬化)可能な熱加硫型シリコーンゴムが用いられる。また、弾性体層には、シームレスベルトの使用目的、設計目的などに応じて、充填剤、増量充填剤、加硫剤、着色剤、導電性物質、耐熱剤、顔料等の種々の配合剤を添加することができる。また、配合剤の添加量などにより合成樹脂の可塑度は変化するが、硬化前の剛性樹脂の可塑度としては、120以下のものが好適に用いられる。可塑度が120より高くなると、ベルト基体とスリーブとの間に合成樹脂を注入する際に、スムーズな注入が行えなくなり、結果的に均一な厚みの弾性体層の成形が困難になる。
また、弾性体層の厚さは、0.15mm〜0.5mmのものが好適に用いられる。これにより、熱容量が少なくなり、画像形成装置の消費電力の削減やウォームアップタイムの短縮化を図ることができ好ましい。0.15mmより薄くなるにつれ、離型層の剛性を緩和するのが困難になる傾向があり、かつ合成樹脂の注入もスムーズに行えなくなり、均一な厚みの弾性体層の成形が困難になる傾向にある。0.5mmより厚くなるにつれ、弾性体層の熱容量が増加してしまう傾向があり、いずれも好ましくない。
合成樹脂製のスリーブとしては、フッ素樹脂スリーブが好適に用いられる。フッ素樹脂スリーブの素材としては、高温で連続使用可能な耐熱性に優れたものが好ましい。例えば、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)が屈曲耐性、離型性に優れ好ましく、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、MFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体)、EPA(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロイソプロピルビニルエーテル三元共重合体)等が用いられる。
フッ素樹脂スリーブの厚さは、10μm〜100μmのものが好適に用いられる。10μmより薄くなるにつれ耐久性を満足できない傾向があり、100μmより厚くなるにつれ、弾性体層と協働して定着ニップを容易に形成することが困難になる傾向があり、いずれも好ましくない。
また、フッ素樹脂スリーブには、内面処理が施された後に、プライマー処理が施されたものが好適に用いられる。内面処理方法としては、テトラH(株式会社潤工社製商品名)のようなTHF(テトラヒドロフラン)もしくはエチレングリコールジメチルエーテルに金属ナトリウムとナフタリンを溶解させたような溶液で化学処理する方法、液体アンモニアに金属ナトリウムを溶解させた溶液で化学処理する方法、リチウムのようなアルカリ金属の水銀アマルガムにより化学処理する方法、電解還元法、コロナ放電処理法、ヘリウムやアルゴンのような不活性ガスプラズマで処理する方法、エキシマレーザにより処理する方法等が例示される。
また、プライマー処理としては、ケムロック607(ロード・ファー・イースト・インコーポレイテッド製商品名)のようなシリコーン系プライマー等を塗布すること等が例示される。
注入器の内径はベルト基体の外径より大きめに形成されスリーブの内径と同等程度が好ましい。合成樹脂を注入するベルト基体の外周面とスリーブの内周面との間分程度大きく形成される。また、注入器の樹脂注入管の数は、3本〜8本が好ましい。これにより、合成樹脂のベルト基体の外周面とスリーブの内周面との間への注入を良好に行うことができる。樹脂注入管の数が、3本より少なくなるにつれ、ベルト基体の外周面とスリーブの内周面との間に合成樹脂を均一に満遍なく注入するのが困難になる傾向があり、8本より多くなるにつれ、注入器自体が複雑化して生産性に欠けると共に、作業が煩雑化する傾向があり、いずれも好ましくない。また、注入器は台座と一体に形成してもよい。この場合は作業工程が1つ減ることとなり、作業性に優れ好ましい。
ベルト基体を台座の凹部に嵌合した後、中子をベルト基体の中空部に挿入して固定するが、まず中子をベルト基体の中空部に挿入して、ベルト基体の中空部に中子が挿入された状態で台座の凹部に嵌合してもよい。また、ベルト基体と中子を台座の凹部に嵌合した後、注入器をベルト基体の下端外周に挿通するが、まず注入器を台座に取付けてからベルト基体や中子を注入器に挿通させてもよい。
注入器は、注入器の内周面とベルト基体の下端外周面との隙間が全周でほぼ一定になるように装着する。例えば、注入器を位置決めピン等で台座に固定する等して注入器の内周面とベルト基体の下端外周面との隙間が全周でほぼ一定になるように装着することができる。位置決めピンは注入器が備えていても台座が備えていてもよい。また、合成樹脂製のスリーブが内壁に密着された円筒金型は、スリーブの内周面とベルト基体の外周面との隙間が全周でほぼ一定になるように挿通する。例えば、円筒金型の外周面とほぼ同等の内周面をもつ金型支持凹部を注入器の上部に設けた場合は、注入器の金型支持凹部に円筒金型を嵌合することにより、スリーブの内周面とベルト基体の外周面との隙間が全周でほぼ一定になるように挿通することができる。また、円筒金型の外周面とほぼ同等の内周面をもつ金型嵌合部と、金型嵌合部に段差状に形成され中子の外周面とほぼ同等の内周面をもつ中子嵌合部を有するキャップ状の固定治具を、金型嵌合部に円筒金型の上端部を嵌合すると共に、中子嵌合部に中子の上端部を嵌合して装着した場合は、スリーブの内周面とベルト基体の外周面との隙間が一定になるように円筒金型を上下で位置決め固定することができ、隙間の長手方向の間隔をより一定にすることができ好ましい。また、固定治具を用いる場合は、スリーブの内周面とベルト基体との間に充填される合成樹脂を外部に逃がすための逃げ孔を金型嵌合部の側面に貫通して複数形成することにより、空気抜けがよくなり、樹脂注入管で合成樹脂をベルト基体の外周面とスリーブの内周面との間に均一に満遍なくいきわたらせることができる。
上記課題を解決するためになされた請求項2の発明は、請求項1の発明に記載のシームレスベルトの製造方法であって、スリーブ取付工程が、スリーブの内側に弾性体を挿入しスリーブを円筒金型の内壁に密着させるスリーブ密着工程を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1の発明の作用に加え、以下の作用を有する。
(1)スリーブ取付工程が、スリーブの内側に弾性体を挿入しスリーブの外周面を円筒金型の内壁に密着させるスリーブ密着工程を備えており、弾性体がスリーブの外周面と円筒金型の内壁間の空気を徐々に押出しながら通過することで、薄い合成樹脂製のスリーブからなる離型層を皺無く、空気が混入することなく形成できる。
ここで、弾性体としては、スポンジ等の男性物質で形成された略球状体や略楕円球状体等で円形金型の内径と同等の外径を持つものが好適に用いられる。これにより、弾性体を円形金型に挿通させるだけで、弾性体の最大径の部分が、スリーブの外周面と円筒金型の内壁間の空気を徐々に押出しながら通過することで、スリーブを円形金型の内壁に密着させることができ、作業性に優れ好ましい。
上記課題を解決するためになされた請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明に記載のシームレスベルトの製造方法であって、スリーブ取付工程が、円筒金型から突出したスリーブの突出端部を外側に折り返す突出端部折り返し工程を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1又は請求項2の発明の作用に加え、以下の作用を有する。
(1)スリーブ取付工程が、円筒金型から突出した合成樹脂スリーブの突出端部を外側に折り返す突出端部折り返し工程を備えているので、台座に固定されたベルト基体の中空部に中子を挿入する際、及び合成樹脂の注入時に、不要な部分へのスリーブの巻き込み、合成樹脂のはみ出しを防止することができる。
ここで、突出端部折り返し工程を備えるので、合成樹脂スリーブの長さは円筒金型の長さより長いものを用いることができ、容易かつ確実に円筒金型の内壁全体を覆うことができる。これにより、合成樹脂スリーブの正確な位置決めが不要で作業性、信頼性に優れる。
上記課題を解決するためになされた請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3の発明の内いずれか1に記載のシームレスベルトの製造方法であって、ベルト基体嵌合工程の前工程として、ベルト基体の外周面を活性化する活性化工程、ベルト基体の外周面を脱脂する脱脂工程、ベルト基体の外周面をプライマー処理するプライマー処理工程のいずれか1以上を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1乃至請求項3の発明の内いずれか1の作用に加え、以下の作用を有する。
(1)ベルト基体嵌合工程の前工程として、ベルト基体の外周面を活性化する活性化工程、ベルト基体の外周面を脱脂する脱脂工程、ベルト基体の外周面をプライマー処理するプライマー処理工程のいずれいか1以上を備えているので、弾性体層がベルト基体の外周面に密着し易い。
ここで、活性化工程においては、不活性ガス中でプラズマ処理する等でベルト基体の外周面を活性化する。
脱脂工程においては、メチレンクロライドやエタノール等でベルト基体の外周面を脱脂する。
プライマー処理工程においては、プライマーNo.101(信越化学工業株式会社製商品名)等のシリコーン系プライマーが好適に用いられる。処理方法としては、スプレーや浸漬等が行われる。
上記の課題を解決するためになされた請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4の発明に記載のシームレスベルトの製造方法であって、合成樹脂注入工程において、弾性体層として用いる合成樹脂の可塑度が120以下であり、かつ前記弾性体層の厚みが150μm以上に設定された構成を有している。
この構成により、請求項1乃至請求項4の発明の作用に加え、以下の作用を有する。
(1)合成樹脂注入工程において、可塑度が120以下の合成樹脂を用い、かつ弾性体層の厚みを150μm以上に設定することにより、合成樹脂をスムーズに注入することができ、均一な厚みの信頼性に優れた弾性体層が成形できる。
以下、本発明の実施の形態について、各図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1におけるシームレスベルトの要部断面斜視図である。
図1中、1は本実施の形態1におけるシームレスベルト、2はアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属製で円筒状に形成されたベルト基体、3はベルト基体2の外周に形成されたシリコーンゴムからなる弾性体層、4は弾性体層3の外周に形成されたフッ素樹脂スリーブからなる離型層である。
実施の形態1においては、ベルト基体2は、金属製であるが、樹脂を用いて形成してもよい。また、ベルト基体2の厚さは40μm、長さは280mmに形成した。ベルト基体2の厚さが10μmより薄くなるにつれシームレスベルト自体の製造が困難になる傾向があり、100μmより厚くなるにつれ、ベルト基体2の熱容量が増加してしまう傾向があることがわかったためである。
実施の形態1においては、弾性体層3を構成するシリコーンゴムの素材としては、ビニル基を含有したポリオルガノシロキサン組成物を用いた。シリコーンゴムとしては、付加反応触媒により硬化可能な2液性のシリコーンゴムを用いた。また、液状シリコーンゴムの硬化前の可塑度としては96のものをもちいた。可塑度が120より高くなると、ベルト基体とスリーブとの間にシリコーンゴムを注入する際に、スムーズな注入が行えなくなり、結果的に均一な厚みの弾性体層の成形が困難になる。
また、弾性体層3の厚さは0.2mmに形成した。弾性体層3の厚さは0.15mmより薄くなるにつれ、離型層4の剛性を緩和するのが困難になる傾向があり、かつ合成樹脂の注入もスムーズに行えなくなり、均一な厚みの弾性体層の成形が困難になる傾向にある。0.5mmより厚くなるにつれ、弾性体層3の熱容量が増加してしまう傾向があることがわかったためである。
実施の形態1においては、離型層4を構成するフッ素樹脂スリーブの素材として、PFAを用いた。また、離型層4の厚さは40μmに形成した。離型層4の厚さが10μmより薄くなるにつれ耐久性を満足できない傾向があり、100μmより厚くなるにつれ、弾性体層3と協働して定着ニップを容易に形成することが困難になる傾向があることがわかったためである。
以上のように構成された実施の形態1におけるシームレスベルトについて、以下その製造方法を図面を用いて説明する。
図2(a)はベルト基体嵌合工程を示す側面断面図であり、図2(b)は中子挿入工程を示す側面断面図であり、図2(c)は注入器装着工程を示す側面断面図であり、図2(d)は金型挿通工程を示す側面断面図である。
図2中、2aは円筒状のベルト基体2の外周面、2bはベルト基体2の内周面、5はベルト基体2の下端部を嵌合するための凹部6が形成された台座、7はベルト基体2の内径と同等の外径を有する中実円柱状に形成された中子、7aは中子7の外周面、8は外周に6本の樹脂注入管9を有する円環状の注入器、8aは注入器8の内周面、10は円筒金型14の外周面とほぼ同等の内周面をもつ注入器8の上部に形設された金型支持凹部、11は注入器8の下面に突設され孔部5aに挿通され注入器8を台座5に位置決め固定するための位置決めピン、12は中子7と円筒金型14を位置決め固定するためのキャップ状の固定治具、12aは円筒金型14の外周面とほぼ同等の内周面をもち円筒金型14の上端部を嵌合するための固定治具12の金型嵌合部、12bは金型嵌合部12aに段差状に形成され中子7の外周面7aとほぼ同等の内周面をもち中子7の上端部を嵌合するための固定治具12の中子嵌合部、12cは金型嵌合部12aの側面に貫通して複数形成されベルト基体2の外周面2aとスリーブ13の内周面13aとの間に充填される合成樹脂を外部に逃すための固定治具12の逃げ孔、13は円筒金型14の内壁に密着された合成樹脂製のスリーブ、13aはスリーブ13の内周面である。
ここで、樹脂注入管9の数を6本にしたのは、樹脂注入管9の数が、3本より少なくなるにつれ、ベルト基体2の外周面2aとスリーブ13の内周面13aとの間に合成樹脂を均一に満遍なく注入するのが困難になる傾向があり、8本より多くなるにつれ、注入器8自体の構造が複雑化して生産性に欠けると共に、作業が煩雑化する傾向があることがわかったためである。また、位置決めピン11は台座5の上面に突設してもよい。この場合は位置決めピン11を挿通する孔部5aは注入器8の下面に樹脂注入管9に貫通しないように穿設する。
まず、ベルト基体2の外周面2aを不活性ガス中でプラズマ処理する等して活性化する活性化工程、ベルト基体2の外周面2aをメチレンクロライド等で脱脂する脱脂工程、ベルト基体2の外周面2aをプライマーNo.101等のシリコーン系のプライマー等によって処理するプライマー処理工程のいずれいか1以上を行う。これにより、弾性体層3がベルト基体2の外周面2aに密着し易くなる。
次に、図2(a)に示すように、円筒状のベルト基体2の下端部を台座5に形成された凹部6に嵌合する(ベルト基体嵌合工程)。
次に、図2(b)に示すように、ベルト基体2の内径と同等の中実円柱状に形成された中子7をベルト基体2の中空部に挿入して、ベルト基体2の内周面2bと中子7の外周面7aが密着することでベルト基体2を固定する(中子挿入工程)。ここで、中子7をベルト基体2の中空部に挿入して、ベルト基体2の中空部に中子7が挿入された状態で台座5の凹部に嵌合してもよい。また、中子7を凹部6に設置した後、ベルト基体2を凹部6に嵌合してもよい。
次に、図2(c)に示すように、円環状の注入器8をベルト基体2の下端外周に挿通する(注入器装着工程)。注入器8の内径はベルト基体2の外径より合成樹脂を注入するベルト基体2の外周面2aとスリーブ13の内周面13aとの間分程度大きく形成した。位置決めピン11を孔部5aに挿通して注入器8を台座5に固定することにより、ベルト基体2の中心と注入器8の中心が一致し、ベルト基体2と同心円上に注入器8が装着され、注入器8の内周面8aとベルト基体2の下端外周面2aとの隙間を全周でほぼ一定にすることができる。
次に、図2(d)に示すように、スリーブ取付工程によりスリーブ13が内壁に密着された円筒金型14をベルト基体2の外周に挿通する(金型挿通工程)。円筒金型14の外周面とほぼ同等の内周面をもつ注入器8の上部に形設された金型支持凹部10に円筒金型14を嵌合することにより、スリーブ13の内周面13aとベルト基体2の外周面2aとの隙間が全周でほぼ一定になるように挿通することができる。また、円筒金型14の外周面とほぼ同等の内周面をもつ金型嵌合部12aと、金型嵌合部12aに段差状に形成され中子7の外周面7aとほぼ同等の内周面をもつ中子嵌合部12bを有するキャップ状の固定治具12を、金型嵌合部12aに円筒金型14の上端部を嵌合すると共に、中子嵌合部12bに中子7の上端部を嵌合して装着したので、スリーブ13の内周面13aとベルト基体2の外周面2aとの隙間が一定になるように円筒金型14を上下で位置決め固定することができ、隙間の長手方向の間隔をより一定にすることができる。
次に、樹脂注入管9によりベルト基体2の外周面2aとスリーブ13の内周面13aとの間に合成樹脂を注入する(合成樹脂注入工程)。ここで、注入器8を内周面8aとベルト基体2の下端外周面2aとの隙間が全周でほぼ一定になるように挿通すると共に、円筒金型14をスリーブ13の内周面13aとベルト基体2の外周面2aとの隙間が全周でほぼ一定になるように挿通しているので、樹脂注入管9により合成樹脂をベルト基体2の外周面2aとスリーブ13の内周面13aとの間に均一に満遍なくいきわたらせることができる。また、固定治具12の金型嵌合部12aの側面に合成樹脂の逃げ孔12cを金型嵌合部12aの側面に貫通して複数形成したので、空気抜けがよくスムーズに合成樹脂を注入することができる。
次に合成樹脂を加熱処理することにより硬化させる(弾性体層形成工程)。ここで、未硬化の合成樹脂を過熱硬化して弾性体層3を形成すると共に、弾性体層3とスリーブ13との相互間、及び弾性体層3とベルト基体2の相互間の接着を同時に行い、ベルト基体2と弾性体層3と離型層4を一体成型する。尚、加熱温度、時間等は使用するシリコーンゴムの種類等に応じて変更できる。
次に円筒金型14を冷却後、円筒金型14から成型品を取外す。両端部の余分な離型層4及び弾性体層3を除去し、中子7を取外すことによりシームレスベルト1が得られる。尚、後に必要に応じて200℃、4時間程度の加硫を行ってもよい。
次に、スリーブ取付工程について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図3(a)はスリーブ取付工程を示す側面断面図であり、図3(b)は突出端部折り返し工程を示す側面断面図であり、図3(c)はスリーブ密着工程を示す側面断面図である。
図3中、13aはスリーブ13の内周面、13bはスリーブ13の外周面、13cは円形金型14から突出したスリーブ13の突出端部、14aは円筒金型14の内壁、15はスポンジ等の弾性物質で形成された略球状体で円形金型14の内径と同等の外径を持つ弾性体である。
まず、図3(a)に示すように、スリーブ13を円筒金型14の内壁に取付ける(スリーブ取付工程)。
次に、図3(b)に示すように、円筒金型14から突出したスリーブ13の突出端部13cを外側に折り返す(突出端部折り返し工程)。これにより、台座5に固定されたベルト基体2の中空部に中子7を挿入する際、及び合成樹脂の注入時に、不要な部分へのスリーブ13の巻き込み、合成樹脂のはみ出しを防止することができる。また、スリーブ13の長さは円筒金型14の長さより長いものを用いることができ、容易かつ確実に円筒金型14の内壁14a全体を覆うことができる。
次に、図3(c)に示すように、スリーブ13の内周面13aに接するように弾性体15を挿入しスリーブ13の外周面13bを円筒金型14の内壁14aに密着させる(スリーブ密着工程)。略球状体に形成された弾性体15の最大径の部分が、スリーブ13の外周面13bと円筒金型14の内壁14a間の空気を徐々に押出しながら上方から下方へ通過することで、スリーブ13の外周面13bを円形金型14の内壁14aに密着させることができる。
以上のように本実施の形態1におけるシームレスベルトの製造方法は構成されているので、以下のような作用を有する。
(1)中子挿入工程において、ベルト基体2の内径と同等の中実円柱状又は円筒状に形成された中子7をベルト基体2の中空部に挿入することにより、合成樹脂製のスリーブ13からなる離型層4又は弾性体層3の形成時に外力が加わっても可撓性のあるベルト基体2が変形する虞がない。
(2)合成樹脂注入工程により、ベルト基体2の外周面2aとスリーブ13の内周面13aとの間に合成樹脂を注入して弾性体層3を形成するので、弾性体層3が高温に晒されず、劣化する虞がない。
(3)位置決めピン11を孔部5aに挿通することにより、注入器8の内周面8aとベルト基体2の下端外周面2aとの隙間が全周でほぼ一定になるように、注入器8を台座5に固定することができる。
(4)金型支持凹部10に円筒金型14を嵌合することにより、スリーブ13の内周面13aとベルト基体2の外周面2aとの隙間が全周でほぼ一定になるように、円筒金型14をベルト基体2の外周に挿通することができる。
(5)固定治具12を、金型嵌合部12aに円筒金型14の上端部を嵌合すると共に、中子嵌合部12bに中子の上端部を嵌合して装着したので、スリーブ13の内周面13aとベルト基体2の外周面2aとの隙間が全周でほぼ一定になるように円筒金型14を上下で位置決め固定することができ、隙間の長手方向の間隔をより一定にすることができる。
(6)合成樹脂注入工程において、注入器8は6本の樹脂注入管9を通して合成樹脂を注入すると共に、円筒金型14をスリーブ13の内周面13aとベルト基体2の外周面2aとの隙間が全周でほぼ一定になるように挿通しているので、合成樹脂をベルト基体2の外周面2aとスリーブ13の内周面13aとの間に均一に満遍なくいきわたらせることができる。
(7)合成樹脂注入工程において、弾性体層3として用いる合成樹脂の可塑度が120以下であり、かつ前記弾性体層3の厚みが150μm以上に設定された構成を有しているので、合成樹脂をベルト基体2の外周面2aとスリーブ13の内周面13aとの間にスムーズかつ均一に満遍なくいきわたらせることができる。
(8)固定治具12の金型嵌合部12aの側面に合成樹脂の逃げ孔12cを金型嵌合部12aの側面に貫通して複数形成したので、空気抜けがよく、合成樹脂をベルト基体2の外周面2aとスリーブ13の内周面13aとの間にスムーズかつ均一に満遍なくいきわたらせることができる。
(9)スリーブ取付工程が、スリーブ13の内周面13aに接するように弾性体15を挿入しスリーブ13の外周面13bを円筒金型14の内壁14aに密着させるスリーブ密着工程を備えており、略球状体で形成された弾性体15の最大径の部分がスリーブ13の外周面13bと円筒金型14の内壁14a間の空気を徐々に押出しながら通過することで、薄い合成樹脂製のスリーブ13からなる離型層4を皺無く、空気が混入することなく形成できる。
(10)スリーブ取付工程が、円筒金型14から突出したスリーブ13の突出端部13cを外側に折り返す突出端部折り返し工程を備えているので、台座5に固定されたベルト基体2の中空部に中子7を挿入する際、及び合成樹脂の注入時に、不要な部分へのスリーブ13の巻き込み、合成樹脂のはみ出しを防止することができると共に、スリーブ13の長さは円筒金型14の長さより長いものを用いることができ、容易かつ確実に円筒金型14の内壁14a全体を覆うことができ作業性の向上を図ることができる。
(11)ベルト基体嵌合工程の前工程として、ベルト基体2の外周面2aを活性化する活性化工程、ベルト基体2の外周面2aを脱脂する脱脂工程、ベルト基体2の外周面2aをプライマー処理するプライマー処理工程のいずれか1以上を備えているので、弾性体層3がベルト基体2の外周面に密着し易い。
(12)ベルト基体2の厚さは、40μmで形成されているので、耐久性を保ちつつ、ベルト基体2の熱容量を小さくすることができる。
(13)弾性体層3の厚さは、0.2mmで形成されているので、離型層4の剛性を緩和すると共に、弾性体層3の熱容量を小さくすることができる。また、合成樹脂の注入もスムーズに行え、均一な厚みの弾性体層の成形ができる。
(14)離型層4の厚さは、40μmで形成されているので、耐久性を保ちつつ、弾性体層3と協働して定着ニップを容易に形成することができる。
(15)シームレスベルト1の厚さを非常に薄く製造することができるので、熱容量が小さく、画像形成装置の消費電力の削減やウォームアップタイムの短縮を図ることができる。
本発明は、可撓性のあるベルト基体が変形する虞がなく、弾性体層が劣化せず信頼性に優れ、弾性体層をベルト基体と合成樹脂製のスリーブからなる離型層との間に密着して形成でき密着性に優れ、薄い合成樹脂製のスリーブからなる離型層を皺無く、空気が混入することなく形成できる生産性、信頼性にすぐれたシームレスベルトの製造方法を提供することができる。
実施の形態1におけるシームレスベルトの要部断面斜視図 (a)ベルト基体嵌合工程を示す側面断面図、(b)中子挿入工程を示す側面断面図、(c)注入器装着工程を示す側面断面図、(d)金型挿通工程を示す側面断面図 (a)スリーブ取付工程を示す側面断面図、(b)突出端部折り返し工程を示す側面断面図、(c)スリーブ密着工程を示す側面断面図
符号の説明
1 シームレスベルト
2 ベルト基体
2a 外周面
2b 内周面
3 弾性体層
4 離型層
5 台座
5a 孔部
6 凹部
7 中子
7a 外周面
8 注入器
8a 内周面
9 樹脂注入管
10 金型支持凹部
11 位置決めピン
12 固定治具
12a 金型嵌合部
12b 中子嵌合部
12c 逃げ孔
13 スリーブ
13a 内周面
13b 外周面
13c 突出端部
14 円筒金型
14a 内壁
15 弾性体

Claims (5)

  1. 画像形成装置の定着器に用いられるシームレスベルトの製造方法であって、円筒状のベルト基体の下端部を台座に形成された凹部に嵌合するベルト基体嵌合工程と、前記ベルト基体の内径と同等の外径を有する中実円柱状又は円筒状に形成された中子を前記ベルト基体の中空部に挿入して固定する中子挿入工程と、外周に複数の樹脂注入管を有する円環状の注入器を前記ベルト基体の下端外周に装着する注入器装着工程と、スリーブ取付工程により合成樹脂製のスリーブが内壁に密着された円筒金型を前記ベルト基体の外周に挿通する金型挿通工程と、前記樹脂注入管により前記ベルト基体と前記スリーブとの間に合成樹脂を注入する合成樹脂注入工程と、前記合成樹脂を過熱処理することにより硬化させる弾性体層形成工程と、を備えていることを特徴とするシームレスベルトの製造方法。
  2. 前記スリーブ取付工程が、前記スリーブの内側に弾性体を挿入し前記スリーブを前記円筒金型の前記内壁に密着させるスリーブ密着工程を備えていることを特徴とする請求項1に記載のシームレスベルトの製造方法。
  3. 前記スリーブ取付工程が、前記円筒金型から突出した前記スリーブの突出端部を外側に折り返す突出部折り返し工程を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシームレスベルトの製造方法。
  4. 前記ベルト基体嵌合工程の前工程として、前記ベルト基体の外周面を活性化する活性化工程、前記ベルト基体の外周を脱脂する脱脂工程、前記ベルト基体の外周面をプライマー処理するプライマー処理工程のいずれか1以上を備えていることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1に記載のシームレスベルトの製造方法。
  5. 前記合成樹脂注入工程において、合成樹脂の可塑度が120(ウィリアムスプラストメーター、25℃、3min)以下であり、かつ合成樹脂による前記弾性体層の厚みが150μm以上に設定されていることを特徴とする請求項1乃至4に記載のシームレスベルトの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10185259B2 (en) 2016-03-18 2019-01-22 Ricoh Company, Ltd. Endless belt, fixing device, image forming apparatus, and method of manufacturing endless belt

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