JP2006189664A - コーナーキューブアレイの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ベース基板21にレジスト三角柱22を形成し、これに対するメッキ処理によってNi−P基板23を形成する。Ni−P基板23に切削加工を施して転写することで、三角柱状の凸部と三角錐プリズム(凹)とを1つおきに並べた反転型24を形成する。反転型24の正三角柱を、切削加工によって凸型の正三角錐に切削することで、MCCA25を得る。上記の2回の切削加工は、平板に微細な三角錐プリズムアレイを形成する加工と同じである。また、2つの三角錐プリズムアレイを重ねる必要もない。従って、再帰反射率の高い微細なMCCA25を容易に形成できる。
【選択図】 図1
Description
反射型LCDは、透過型液晶表示装置(透過型LCD)とは異なり、バックライト(内蔵光源)を必要としない。このため、バックライトのための電力が不要となるので、バッテリーを小型化できる。また、バックライトを備えないことによる省スペース化・軽量化も図れる。
また、このような機器では、不要となったバックライト用のスペースを、バッテリーのために使用できる。従って、大型のバッテリーを使用できるので、動作時間を飛躍的に延ばすことも期待できる。
例えば、発光型表示装置であるCRTでは、日中の屋外では、コントラスト比が大幅に低下する。
また、低反射処理の施された透過型LCDにおいても、周囲光が表示光(バックライト光)に比べて非常に強い環境下(直射日光下など)では、コントラスト比の大幅な低下を避けられない。
従って、反射型LCDは、携帯情報端末機器(携帯電話など),デジタルカメラ,携帯ビデオカメラといった、屋外での使用機会の多い機器に対し、好適に使用できる。
これは、反射型LCDでは、暗所において十分な表示輝度を得られないからである。
なお、この場合、表示装置から観察者に届く像は、観察者自身の目(角膜)であるので、「黒」表示状態を得られる。
このように、液晶層が散乱状態にあると、入射光が多様な方向に散乱されるため、再帰性反射板の再帰性が崩される。従って、入射光は光源に戻らず、観察者のいる方向に出射されるため、「白」表示状態を得られる。
これらの文献に示されている再帰性反射板は、図13に示すような、三角錐(三角錐プリズム)を最密に配列した形状(三角錐プリズムアレイ)を有している。
まず、図14(a)に示すように、平板に対して、互いに120°づつ異なる三方向から機械(切削)加工を施し、「V字型の溝」を有する板(原盤)を形成する。これにより、図14(b)に示すように、三角錐を最密に配列した形状を形成できる。
なお、図14(b)〜(d)では、三角錐の頂点を○,底点を●で示している。
すなわち、底点を中心とする3面のいずれかに入射した光は、これらの3面で1回づつ反射され、入射方向と同じ方向に反射(再帰)される。
しかしながら、三角錐プリズムアレイでは、その構造上、再帰反射板として機能する領域が、図15に示すような、1つの三角錐の中心(図14(c)(d)において○,●で示した点)を中心とする正六角形の領域だけである。
そして、それ以外の領域(非再帰領域)は、図16に示すように、3回目に反射する面が存在しないため再帰領域(再帰反射領域)とならない。
この再帰性反射板は、図17(a)の上面図,図17(b)の斜視図に示すように、正方形3面の構成(立方体の一部;コーナーキューブ)を単位構造とし、その単位構造を最密充填したもの(コーナーキューブアレイ(CCA))を有している。
このようなCCAでは、その全面が再帰領域として機能する。このため、散乱型液晶と組み合わせることで、高コントラストでの黒表示を実現できると考えられる。
すなわち、ディスプレイの再帰性反射板として用いるためには、ディスプレイの画素ピッチと同等、あるいはそれ以下の、微細な単位コーナーキューブを配列したものが必要である。
すなわち、隣接する2つの三角錐プリズムの一方を、三角錐プリズムの底辺を含む面(図中の線Bを通る面)を中心に反転させると、コーナーキューブを形成できる(隣接する三角錐プリズムの対向する2つの面(直角二等辺三角形;図18中の円A内の面)の一方を反転させると、コーナーキューブの単位面である正方形を形成できる)。そして、この反転を三角錐プリズム全体に渡って行うと、CCA形状となる。
また、上記のようにコーナーキューブを形成するために反転される三角錐プリズムは、「1つおき」である。また、「三角錐プリズムの底辺を含む面」は、「複数のコーナーキューブの鞍点を通る面」と一致する。
従って、CCAは、『鞍点』をつないだ面を基準とし、『凸の三角錐プリズム』と『凹の三角錐プリズム』が交互(1つおき)に配列した形状であるといえる。
すなわち、この方法では、図19に示すように、1枚の三角錐プリズムアレイの一部に反射板を形成し、これを裏向けにすることで、擬似的に凸型三角錐プリズムを生成する。そして、他の三角錐プリズムアレイ(凹型)と組み合わせることで、CCAを形成する。
この数字は、完全な三角錐プリズムアレイの再帰性反射率(66.7%)より小さいため、上記の隙間については、少なくとも1μmより小さくする必要があるといえる。
さらに、この場合には、複数の三角錐プリズム(凸)を三角錐プリズムアレイ(凹)に接着する必要が生じる。このため、図21(c)に示すように、コーナーキューブ領域に接着層材(接着剤)が漏れてしまうという問題もある。
なお、図21(b)(c)は、図21(a)に示したコーナーキューブ上に記した線分A−A‘での断面図である。
コーナーキューブアレイの製造方法において、
互いに合同の底面を有する正三角柱と凹型の三角錐プリズムとを交互に最密に配置したアレイ基板を形成する第1−1工程と、
アレイ基板上の正三角柱を、上記の凹型の三角錐プリズムの面と連続する面を有する凸型の三角錐プリズムに切削する第1−2工程とを含んでいることを特徴とする方法である。
ここで、上記したように、CCAは、複数の鞍点を通る面を基準とし、凸の三角錐プリズムと凹型の三角錐プリズムとが交互(1つおき)に配列された形状である。
ここで、凹型の三角錐プリズムとは、正三角錐形状の穴(窪み)のことである(穴の表面が正三角錐形状となっている)。
また、「凸の三角錐プリズムと凹型の三角錐プリズムとが交互に配された」状態とは、「凸の三角錐プリズムの1つの底辺に平行な方向とこれに垂直な方向とに、凸の三角錐プリズムに隣接して、その隙間を埋めるように、凹型の三角錐プリズムが形成されている状態」である。
また、隣り合う凹型の三角錐プリズムと凸型の三角錐プリズムとでは、プリズム面が連続した(面一の)状態となっている。
すなわち、このアレイ基板は、互いの頂点を接した状態で同じ向きに配列した三角柱群と、その隙間(三角形の隙間)に形成された、凹型の(窪んだ)三角錐(三角錐プリズム)とが交互に配されたものである。
ここで、平板に対する切削加工のみによって微細なCCAを形成することは困難である一方、三角錐プリズムアレイについては、高さ方向および平面方向の誤差を0.05〜0.1μm以内とするとした状態で、切削加工によって形成することが可能である。
従って、本製造方法によれば、微細なCCAを容易に形成することが可能である。
また、最終工程を切削加工としているため、凹型の三角錐プリズムと凸型の三角錐プリズムとのずれを修正することも容易である。
すなわち、まず、平坦なベース基板上に、複数の正三角柱を、互いの頂点を接した状態で同じ向きに配列する(第2−1工程)。
次に、この正三角柱の上部を、凸型の三角錐プリズム(正三角錐)に切削する(第2−2工程)。
その後、このベース基板を、メッキなどを用いて転写することによって、上記のアレイ基板を得られる。
すなわち、まず、平坦なベース基板上に、レジストからなる複数の正三角柱を、互いの頂点を接した状態で同じ向きに配列する(第3−1工程)。
次に、このベース基板上にメッキを施し、レジストを剥離する(第3−2工程)。これにより、複数の正三角柱を備えるベース基板を形成できる。
すなわち、まず、凹型の三角錐プリズムアレイ(凹型の三角錐プリズムを最密に並べたもの)に対し、その三角錐プリズム上に1つおきに正三角柱を形成する(第4−1工程)。
ここで、正三角柱の形成される凹型の三角錐プリズムは、三角錐プリズムアレイ上に1つおきに形成されている、互いに同じ向きに配されているものである。
すなわち、まず、凹型の三角錐プリズムアレイに対し、その三角錐プリズム上に1つおきにレジストの正三角柱を形成する(第5−1工程)。
その後、この三角錐プリズムアレイの全体にメッキを施す。これにより、レジストのない三角錐プリズム上に、三角柱形状のメッキ柱が形成される。その後、レジストを剥離する(第5−2工程)ことで、三角柱形状のメッキ柱の形成された、凹型の三角錐プリズムアレイを得られる。
なお、この正三角柱を高くしすぎると、切削工程で切削される材料が増加するため、切削時に加わるストレスにより、凸型の三角錐プリズムを変形させてしまう可能性がある。
H<h≦1.5×H
の範囲に設定することが好ましいといえる。
また、切削工程の切削誤差を考慮すると、正三角柱の高さh1を、
H<h≦H+5μm
の範囲に設定することも好ましいといえる。
次に、切削加工によって、メッキ膜に凸型の三角錐プリズムアレイを形成する(第9−2工程)。
この切削加工については、メッキからなる凸型の三角錐プリズムを、もとの凹型の三角錐プリズム上に配するように行う。
これにより、CCAが完成する。
従って、微細なコーナーキューブを容易に形成できる。
また、別体の三角錐プリズムアレイを重ねる必要がないため、凸型・凹型の三角錐プリズムのずれに起因する再帰性反射率の低下を防止できる。また、接着剤のもれによる悪影響も回避できる。
すなわち、まず、第9−1工程では、凹型の三角錐プリズムアレイに対し、その三角錐プリズム上に1つおきにレジスト膜を形成する。そして、このレジスト膜の上からメッキ膜を形成する。
この場合、第9−2工程におけるメッキ膜の切削加工によって、上記のレジスト膜が、凹型の三角錐プリズムと凸型の三角錐プリズムとの間から表出する。
このように、リフトオフを用いることで、第9−3工程での凸型の三角錐プリズムの除去を容易に行うことが可能となる。
この場合、凸型の三角錐プリズムアレイについては、平板に対する切削加工によって容易に形成できる。
コーナーキューブアレイの製造方法において、
互いに合同の底面を有する正三角柱と凹型の三角錐プリズムとを交互に最密に配置したアレイ基板を形成する第1−1工程と、
アレイ基板上の正三角柱を、上記の凹型の三角錐プリズムの面と連続する面を有する凸型の三角錐プリズムに切削する第1−2工程とを含んでいることを特徴とする方法である。
また、この切削は、平板に三角錐プリズムアレイを形成するための切削工程と同様のものである。これにより、CCAが完成する。
ここで、平板に対する切削加工のみによって微細なCCAを形成することは困難である一方、三角錐プリズムアレイについては、高さ方向および平面方向の誤差を0.05〜0.1μm以内とするとした状態で、切削加工によって形成することが可能である。
従って、本製造方法によれば、微細なCCAを容易に形成することが可能である。
また、最終工程を切削加工としているため、凹型の三角錐プリズムと凸型の三角錐プリズムとのずれを修正することも容易である。
本実施の形態にかかる液晶表示装置(本表示装置)は、外光を利用して表示を行う、反射型の液晶表示装置である。
図2は、本表示装置の構成を示す断面図である。
この図に示すように、本表示装置は、入射側基板6と反射側基板7との間に、液晶層(スイッチング層)1を設けた構成である。
これらの電極4・5は、液晶層1の各画素に電圧を印加するためのものである。電極4・5における液晶層1側の面には、水平配向膜2・3が、液晶層1と当接するように塗布されている。これらの水平配向膜2、3は、電圧を印加されていない状態の液晶層1を、水平配向状態とするように設定されている。
ここで、透過状態とは、入射された光の進行方向を維持する(入射光が屈折して通過する場合も含む)状態である。また、散乱状態とは、入射光の進行方向を変える(散乱作用を有する)状態である。
まず、白表示の動作について説明する。液晶層1に電圧を印加すると、液晶層1の各液晶分子1aが電場の方向に向く一方、高分子の液晶基1bは向きを変えない。このため、両者の間で屈折率が非整合をおこし、液晶層1は散乱状態になる。
そして、散乱状態の液晶層1に入射光が入射すると、液晶層1を透過する直進光および前方散乱された光は、再帰性反射板8で反射された後、再び散乱状態の液晶層1を通ることにより散乱作用を受ける。従って、後方散乱された光だけでなく、多くの光が観察方向に戻ることになる。
電圧を印加しない場合、液晶層1の各液晶分子1aは、高分子の液晶基1bと同じ方向に向く。このため、両者の間で屈折率が整合し、液晶層1は透過状態となる。
このとき、観察者の眼に入射する光のもとをたどっていくと、基板6や液晶層1などにより屈折作用を受け、再帰性反射板8により再帰され、同様に液晶層1や基板6などにより屈折作用を受け、最終的に観察者の眼のごく近傍に達する。
再帰性反射板8は、図17(a)(b)に示したような、コーナーキューブアレイ(CCA)からなるものである。そして、特に、再帰性反射板8は、隣り合う単位コーナーキューブ頂点間のピッチ(最短距離)が20μmである、微細なCCA(MCCA;Micro Corner Cube Array)から構成されている。
図17(a)(b)に示したように、このCCAは、図13に示した三角錐プリズムアレイのX・Y方向に並んでいる三角錐プリズム(凸)を、各方向に1つおきに下向きにした(凹型の三角錐プリズムとした)形状(1つの三角錐プリズム(上向き)のX方向およびY方向に隣あう4つの三角錐プリズムを下向きにした形状)である。
(1)凸の三角錐プリズムを一つおきに形成する。
(2)凸の三角錐プリズムの間に、凹の三角錐プリズムを形成する。
この工程では、φ3“の合成石英基板上に、フォトレジスト(PMER P−LA900PM:東京応化社製)を塗布する。
このレジスト膜を、図3に示すフォトマスクにより露光し、現像することで、図1(a)(f)に示す三角柱22の群を形成できる。
この工程では、マスター基板であるベース基板21を無電解メッキ浴(Ni−701:高純度化学社製)中に浸漬し、Ni−P(ニッケル−リン)の合金層をベース基板21の表面(マスター表面)に析出させることで行う。
Ni−Pの析出後、ベース基板21を剥離(レジスト剥離処理)することで、表面に三角柱が多数形成されたNi−P基板23ができる。
この切削は、図14(a)に示したように、互いに120°づつ異なる三方向から、三角柱の上部を三角錐とするように行われる。また、この切削では、三角錐の底面を、最終形状であるMCCAの鞍点の高さとするように行われる。
これにより、Ni−P基板23を、『三角錐プリズム(凸)と三角柱状の空間(凹)とを一つおきに並べた形状』とできる。
これにより、反転型24を、『三角柱状の凸部と三角錐プリズム(凹)とを一つおきに並べた形状』とできる。
これにより、MCCA25が完成する。
この接合痕は、工程5における切削加工時のパターンと、工程4で形成された凹部(凹プリズム)とのアライメントズレにより発生する。しかしながら、本実施形態で使用した加工装置(NANO−100)のアライメント精度は0.05〜0.1μmであり、最終形状に残った接合痕も同程度であった。
さらに、この接合痕に応じて、図4に示すような段差が発生するが、これは、アライメント精度と同程度となるため、0.05〜0.1μm程度と非常に小さい。このため、金型としての使用にもほとんど不都合は生じない範囲である。
従って、これ以上の精度(接合痕をなくすほどの精度)を求めるために、上記した工程1〜5の精度を高める必要はないといえる。
この測定は、図5に示したような、落射型の顕微鏡と同様の評価装置を用いた。
従って、光源からの出射光は、ハーフミラー43によって反射され、サンプルステージ41と垂直な方向に沿って配された対物レンズ42(集光角:例えば7.5度)を介して、サンプル(測定試料)上に測定スポットを形成する。
そして、サンプルからの反射光は、対物レンズ42およびハーフミラー43を通過して、対物レンズの真上に設けられた受光部に到達する。
なお、この測定に用いられた三角錐プリズムアレイは、工程3と同様の切削工程を平板に施して形成されたものである。
従って、測定にかかる三角錐プリズムアレイでは、その全面積が再帰性反射領域であれば、本表示装置の再帰性反射板8として十分に使用可能なものである。
ここで、実際には、三角錐プリズムアレイでは、再帰反射領域が全面積の2/3(再帰反射領域が66.7%)であり、残り1/3は光を散乱させる部分となる(この部分からの散乱光は、評価装置の対物レンズ42には入射しない)。
従って、MCCA25では、ほぼ全面が再帰性反射領域となっている(MCCA25の再帰反射領域が100%である)ことがわかった。
上記したように、平板に対する切削加工のみによってMCCAを形成することは困難である。一方、三角錐プリズムアレイについては、高さ方向および平面方向の誤差を0.05〜0.1μm以内とするとした状態で、切削加工によって形成することが可能である(特許文献2・3参照)。
従って、上記の製造方法では、微細なMCCA25を容易に形成することが可能である。
また、最終工程(工程14)を切削加工としているため、凹型の三角錐プリズムと凸型の三角錐プリズムとのずれを修正することも容易である。
ここで、図1(a)における三角柱22の高さ(レジストの膜厚)がMCCA25の凹凸高さに比べて小さい場合、最終的にできあがるMCCA25の一部が欠けることとなる。
H≦h1
とする必要がある。
H<h1
とすることが好ましい。
H<h1≦H×1.5
とすることが好ましいといえる。
また、1μm〜4μm程度であることがさらに好ましい。なお、4μmとは、切削により得られた三角錐プリズム(凸)の高さ(鞍点から頂点までの高さ;8μm)の、半分の値である(すなわち、H<h1≦H×1.25となる)。
すなわち、この形状は、三角錐プリズム(凹)を1つおきに形成し、その間隙に三角柱を形成したものと一致する。
従って、MCCA25の形成工程を、図1(a)に示したような三角柱22からではなく、三角錐プリズムから開始することも可能である。
図7(a)〜(f)は、この形成工程を示す断面図である。また、図7(g)〜(k)は、それぞれ、図7(a)〜(d)(f)に対応する上面図である。
なお、切削に使用した装置はNANO−100であり、バイトとして単結晶ダイヤモンドバイトを用いた。
すなわち、Ni−P型52上に、厚さ(Ni−P型52の最表面からの高さ)h2のレジスト膜を形成する。この厚さh2については、最終的にできあがるMCCAの凹凸高さをHとした場合、
1/2×H≦h2≦H
となるように設定する。これにより、MCCAの底点からのレジスト膜の高さh3(上記したh1と同様の高さ)を、H≦h1≦1.5×Hの範囲に設定できる。
そして、このレジスト膜を、図3に示したフォトマスクにより露光し現像する。このとき、フォトマスクの三角形パターンと、Ni−P型52の三角錐プリズム(凹)とを一致させるようアライメントする。
これにより、図7(f)(k)に示すように、MCCA25が完成する。
すなわち、三角柱23・53を形成するために用いたフォトレジストの材料や、メッキ材料については、上記のものに限らず、同様の効果を得られるものであれば、どのようなものでも利用できる。
また、工程2・4,工程12,14での形状の転写に用いるメッキ材料についても、後の切削加工で所望の形状を得られるものであれば、特に限定されない。例えば、NiやCuなどを用いてもよい。
また、三角柱穴を小さくしすぎたり、大きくしすぎたりしてしまう。このため、三角柱穴がMCCA25の鞍点に到達しない、あるいは鞍点を超過してしまうといった事態が発生する。
従って、このような機械加工によってNi−P23を形成することは困難であるといえる。
この工程で問題のなるのは、フォトレジストのパターニング精度である。この精度は、最終的にできあがるMCCA25の精度に大きく影響する。
以下に、上記した工程1および工程13において塗布するレジスト(マスキング用のフォトレジスト)の形状精度について説明する。
なお、これらの図では、最終形状のMCCA25の断面を点線で示している。
(i)膜厚不足
(ii)レジスト柱の細り
(iii)レジスト柱の太り
である。
また、図10(a)(b)に示した工程13に関しても、同様に(ii)(iii)の問題が発生する。
〔条件1〕三角柱22・53の「最終形態となるMCCA25の複数の鞍点を通る面での断面」が、最終形態となるMCCA25の鞍点を結んでできる三角形と一致する。
〔条件2〕三角柱22・53が、三角錐プリズム(凸)を形成するために十分な高さを有する。
以下に、この場合のMCCA25の形成方法について説明する。
図11(a)〜(h)は、この形成工程を示す断面図である。また、図11(i)〜(p)は、それぞれ、図11(a)〜(h)に対応する上面図である。
なお、切削に使用した装置はNANO−100であり、バイトとして単結晶ダイヤモンドバイトを用いた。
なお、この場合、レジスト膜は、三角錐プリズム(凹)の底点付近に溜まる。このため、レジスト最表面は椀状となる。
これにより、図11(c)(k)に示すように、Ni−P型52の三角錐プリズム(凹)の表面を覆うように、レジスト膜61が形成される(工程23)。
このメッキ工程では、上記した工程2,工程14のように、レジストの三角柱の隙間(穴)にメッキを埋め込む必要がない。このため、メッキ膜62に発生する内部応力を低減できる。
また、図7(c)(d)に示した工程のように、レジストの三角柱53間の微細な穴部分にメッキを埋め込む場合、メッキ膜中に、気泡などの噛みこみによる空隙部(ボイド)の発生が懸念される。これに対し、図11(d)(l)に示した工程では、メッキ膜62をほぼ平面状に形成するため、ボイドの発生を容易に回避できる。
これにより、メッキ膜62が、三角錐プリズムアレイ形状となる。
また、これにより、図11(c)に示したレジスト膜61の外周部が、メッキ膜62とNi−P型52との隙間から線状に露出(表出)する。
すなわち、メッキ膜62上に剥離剤を塗布することにより、レジスト膜61の表出部分から剥離剤を内部に侵入させる。これにより、全てのレジスト膜61を剥離できる。また、レジスト膜61上の三角錐プリズム(凸)についても、Ni−P型52および隣接する三角錐プリズム(凸)から離れた状態にあるため、レジスト膜61の除去とともに剥がれ落ちる(リフトオフ)。
このような工程21〜26によって形成されたMCCA25は、工程1〜5によって形成した場合と同様の形状・精度を有するものである。従って、このMCCA25を用いれば、十分な再帰反射率を有する再帰性反射板8を形成できる。
例えばフォトレジストとしてPFI−25A(住友化学社製)などを用いてもよい。また、メッキ材料についても、後の切削加工で所望の形状を得られるものであれば、特に限定されない。例えば、NiやCuなどを用いてもよい。
この場合、紫外線硬化型樹脂材料の一例として、MP−107(三菱レイヨン社製)を挙げられる。
また、液晶層1の材料としては、入射光を、その進行方向を維持して通過させる(入射光が屈折して通過する場合も含む)透過状態(第一状態)と、入射光の進行方向を変える、すなわち、少なくとも散乱作用を有する散乱状態(第二状態)との間でスイッチングできるものであればよい。例えば、このような材料である光散乱型液晶としては、例えば、ネマティック−コレステリック相転移型液晶、ホログラフィック機能や回折機能を有する高分子分散型液晶、液晶ゲル等を挙げられる。
サンプル(測定試料)は、複数の単位構造(例えば三角錐プリズムなど)が2次元的に配列された構成を有する。このサンプルをサンプルステージ41に固定する。続いて、光源から出射された光をハーフミラー43で反射させた後、集光角7.5°の対物レンズ42を通してサンプルに垂直方向に入射させる。このとき、サンプルには、入射光によるビームスポット(測定スポット;直径D(例えば1mm))が形成される。
集光角を20°よりも大きくすると、測定試料におけるビームスポットが小さくなる。このため、上記したように、ビームスポットの形成位置によって、再帰反射率の測定値にばらつきが生じる。また、また再帰反射されずに戻ってきた光(散乱成分等)まで集光してしまう確率が高くなる。
この点については『凸部』三角錐を形成する直前の形状が、図1(d)に示すように三角錐プリズム(凹)1つおきに、『最終的に形成される三角錐プリズム(凸)』以上の体積となる領域を形成すれば、切削加工により三角錐プリズムの凹、凸が繰り返し形成された『コーナーキューブ』形状が実現される。
すなわち、三角形頂点部分にはコーナーRが必然的に形成されると共に、仕上がった「穴」形状については、「穴が底辺まで達する(頂点は鞍点まで達しない)」場合、不要部分の削り残しが発生する。また、「穴の頂点が鞍点に達する(底辺を越え隣接するプリズムを削る)」場合、必要部分まで削り取ってしまう。この様な状況は、後の工程で調整(所望の形状に戻す)ことが不可能なため、所望の形状は機械加工のみで得ることができない。
また、レジスト柱が太い場合、メッキなどの転写工程にて実現される転写像がMCCAを形成する十分な高さを有していないため、最終形状に欠損が生じる。また、「三角錐プリズム凹+三角柱」場合も、同様の問題が想定される。これらの場合、いずれも上記三角柱の『最終形態となるMCCAの鞍点に相当する部分』での断面が、最終形態となるMCCAの鞍点を結んでできる三角形と一致することが第1条件である(第2の条件は先に述べた、三角柱が、三角錐プリズム凸を形成するのに十分な大きさを有することである)。本実施形態のレジストはこのようなパターニング精度を有したものであるが、大面積にわたり均一に形成するには、『厳密な条件だし』と転写前の『パターン全面に渡る形状評価』が好ましい。
また、第2方法は、第1方法において、削りだし用の凸形状は、最終形状のMCCAの鞍点以上のみに形成される方法である。また、第3方法は、第1方法において、先に形成される形状である凹型の三角錐プリズムは、凸型の三角錐プリズムの反転により得られるものである。
1a 液晶分子
1b 液晶基
2・3 配向膜
4・5 電極
6 入射側基板
7 反射側基板
8 再帰性反射板
21 ベース基板
22 三角柱
23 Ni−P基板
24 反転型
25 MCCA
41 サンプルステージ
42 対物レンズ
43 ハーフミラー
51 三角錐プリズムアレイ
52 Ni−P型
53 三角柱
54 反転型
61 レジスト膜
62 メッキ膜
Claims (11)
- コーナーキューブアレイの製造方法において、
互いに合同の底面を有する正三角柱と凹型の三角錐プリズムとを交互に細密に配置したアレイ基板を形成する第1−1工程と、
アレイ基板上の正三角柱の上部を、上記の凹型の三角錐プリズムの面と連続する面を有する凸型の三角錐プリズムに切削する第1−2工程とを含んでいることを特徴とする、コーナーキューブアレイの製造方法。 - 上記の第1−1工程は、
平坦なベース基板上に、複数の正三角柱を、互いの頂点を接した状態で同じ向きに配列する第2−1工程と、
上記の正三角柱の上部を凸型三角錐プリズムに切削する第2−2工程と、
第2工程で得られたベース基板を転写することによってアレイ基板を形成する第2−3工程と、
を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載のコーナーキューブアレイの製造方法。 - 上記第2−1工程は、
平坦なベース基板上に、レジストからなる複数の正三角柱を、互いの頂点を接した状態で同じ向きに配列する第3−1工程と、
このベース基板上にメッキを施し、レジストを剥離する第3−2工程と、
を含んでいることを特徴とする請求項2に記載のコーナーキューブアレイの製造方法。 - 上記の第1−1工程は、
凹型の三角錐プリズムアレイに対し、その三角錐プリズム上に1つおきに正三角柱を形成する第4−1工程を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載のコーナーキューブアレイの製造方法。 - 上記第4−1工程は、
凹型の三角錐プリズムアレイに対し、その三角錐プリズム上に1つおきにレジストの正三角柱を形成する第5−1工程と、
この三角錐プリズムアレイにメッキを施し、レジストを剥離する第5−2工程と、
を含んでいることを特徴とする、請求項4に記載のコーナーキューブアレイの製造方法。 - 上記第1−1工程で形成される凹型の三角錐プリズムの底点と、正三角柱の上面を含む面との距離が、製造後のコーナーキューブアレイの凹凸高さよりも高くなっていることを特徴とする、請求項1に記載のコーナーキューブアレイの製造方法。
- 上記正三角柱の高さh1と、製造後のコーナーキューブアレイの凹凸高さHとの関係を、
H<h≦1.5×H
の範囲に設定することを特徴とする、請求項6に記載のコーナーキューブアレイの製造方法。 - 上記正三角柱の高さh1が、製造後のコーナーキューブアレイの凹凸高さHとの関係を、
H<h≦H+5μm
の範囲に設定することを特徴とする、請求項6に記載のコーナーキューブアレイの製造方法。 - コーナーキューブアレイの製造方法において、
凹型の三角錐プリズムアレイ上にメッキ膜を形成する第9−1工程と、
切削加工によって、凹型の三角錐プリズム上に凸型の三角錐プリズムを配するように、メッキ膜に凸型の三角錐プリズムアレイを形成する第9−2工程と、
メッキ膜における凸型の三角錐プリズムを、1つおきに、凹型の三角錐プリズムが露出するまで除去する第9−3工程と、
を含んでいることを特徴とする、コーナーキューブアレイの製造方法。 - 上記第9−1工程が、凹型の三角錐プリズムアレイに対し、その三角錐プリズム上に1つおきにレジスト膜を形成し、その上からメッキ膜を形成するようになっており、
上記第9−3工程が、上記のレジスト膜を剥離することによって、レジスト膜上のメッキ部分を除去するようになっている、
ことを特徴とする、請求項9に記載のコーナーキューブアレイの製造方法。 - 上記凹型の三角錐プリズムアレイを、凸型の三角錐プリズムアレイを転写することで形成することを特徴とする、請求項4あるいは9に記載のコーナーキューブアレイの製造方法。
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