JP2006188801A - 運動着 - Google Patents

Abstract

【課題】競技者が競技中でも顔面の汗を拭き易く、しかも軽量で動きやすい運動着を提供する。
【解決手段】本発明の運動着１は、本質的に軽量で通気性のよいポリエステルのごとき非吸水性化学繊維からなり、競技者が競技中でも顔を拭きやすい部位のみ、例えば運動着１の前身頃１の下部や、袖５の袖付け上面に吸水性布帛からなる前身頃吸汗部３、袖吸汗部６を設ける。本発明の吸水性布帛には、吸水性の麻、木綿、紙のような天然繊維が望ましいが、化学繊維の特殊加工品、あるいは吸水性樹脂や不織布を化学繊維で積層したラミネートであってもよい。織り地は、パイル地、例えばタオル地が好適である。これにより、競技者は、競技を中断することなく顔の汗を簡単に拭うことができる。しかも、本来の化学繊維からなる布帛のもつ軽量、動き易さの特性はほとんど損なわれない。
【選択図】図１

Description

本発明は、運動着、特に競技中あるいは競技の練習中などに簡単に自分の顔面の汗を拭うことができる運動着に関するものである。

現在、多くの運動着は、競技者の体からでる汗を効率よく発散できるように、主としてポリエステルのような非吸水性化学的繊維、あるいはそれらの加工品でできている。しかしながら、競技者は、競技中に顔面から流れでる汗を拭きたくなる。多くの場合、競技の中断中にコートやピッチなどの競技場外に備えたタオルで汗を拭うのが普通であるが、競技種目によっては、競技の中断が叶わない場合も少なくない。また競技中に汗が目に入ると、競技の続行に支障をきたすばかりでなく、競技の結果に致命的な影響を受けかねない。

特許文献１は、スポーツ時の日焼け防止に適した上着であるが、その両腕の袖口に胴衣部よりも開口率が高く通気性のよい繊維からなる袖を縫いつけてある。しかし、この袖口は発汗の抑制または汗の発散には好適であっても、吸湿性がないので顔の汗を拭うのには不適である。特許文献２は、上着の肩に着脱自在に設けたタオル地からなるゴルフ用の肩パッドを開示している。このパッドは、吸湿性のタオル地ではあるが、ゴルフ競技者がスイングする際、顔の汗で上着の袖が汚れるのを防止するものであって、着脱自在の複雑な取付け構造から、ゴルフ競技はともかくとして、一般の競技用運動着としては競技者の敏捷な活動の妨げになるおそれがある。特許文献３は、吸湿性繊維のパイル地からなる作業用腕保護具を示している。この保護具は、作業者の下腕の保護と額の汗を拭うのに用いるとされているが、作業着と別体のスリーブからなり、工場での作業には適していても、激しい運動を前提とした運動着には適さない。
特開２０００−３１４０８１号 特開２００１−３３６０１３号 実開昭６３−５６２１１号

本発明は、競技者が競技中に顔面にでる汗を競技の中断をすることなく容易に拭うことができ、しかも運動に適して動きやすく軽量な運動着を提供することを目的としている。

前記目的を達成した本発明の運動着は、実質的に非吸水性繊維からなる運動着であって、肩及び／もしくは袖の少なくとも上腕部の一部並びに／または前身頃の下部の一部が吸水性布帛からなることを特徴としている。

吸水性布帛には木綿が好適であり、その織りはタオル地のようなパイル織りが汗の吸収性の観点から望ましい。

本発明では、肩、袖の一部、あるいは前身頃の下部が吸水性繊維からなるタオル地のようなパイル布帛で肩、袖、前身頃等と一体に構成されているので、下記の利点がある。
（１）競技者が競技中でも、顔の汗を容易に拭うことができる。
（２）汗を拭うために競技を中断する必要がない。
（３）顔に流れでる汗が競技成果に悪影響を及ぼすおそれがない。
（４）運動着としての動きやすさを阻害しない。

図面に従って、本発明の実施の形態を詳述する。図１及び図２において、本発明の運動着１は、本質的に軽量で通気性のよいナイロンやポリエステルごとき非吸水性の化学繊維からなる。化学繊維は、その異形糸、あるいは他の繊維との混紡糸などを含んでいてもよい。しかし、非吸水性化学繊維からなる運動着は、軽量で発汗蒸散性に優れている反面、繊維が本質的に吸水、吸湿性でないため、競技者が競技中に自分の顔の汗を拭うのには不適である。そこで本発明では、競技者が競技中でも顔を拭きやすい部位、例えば運動着１の前身頃２の下部に、吸水性布帛からなる前身頃吸汗部３を設ける。あるいはまた、サッカーのごとき競技で、走りながらでも顔の汗を拭きやすい袖５の少なくとも上腕部（袖付け近傍）上面に袖吸汗部６を設ける。この袖吸汗部６は必要に応じて肩４の部分のみに設けることも、肩４から袖５に及んで設けることもできる（図示せず）。運動着１が長袖の場合は、袖付け近傍の上面に設ければよい（図示せず）。図１に示すように、一着の運動着１に前身頃吸汗部３と袖吸汗部６の双方を設けることもできるが、多くの場合、いずれか一方だけで足りる（図示せず）。女性用の運動着にあっては、袖吸汗部６のみにするのが望ましい。また前身頃吸汗部３及び袖吸汗部６のパターンは、特に限定されない。一枚の吸水性布帛であっても、必要に応じて複数枚の吸水性布帛のパッチワークのごとき組み合わせであってもよい。吸汗部の取付けは、縫い付けによるのが望ましい。７は前身頃襟刳り、８は後身頃、９は後身頃襟刳りである。

本発明の吸水性布帛には、例えば本質的に吸水性の麻、木綿、紙のような天然繊維が望ましいが、近年著しく進歩した化学繊維の特殊異形糸や加工品であっても、超吸水性樹脂や不織布を化学繊維で包んだ積層体であってもよい。この場合、超吸水性の樹脂、不織布、織布のみを着脱自在に交換することも可能である。織りは、パイル地、例えばタオル地が好適である。

産業上に利用可能性

本発明では、運動着自体、実質的に軽量で動きやすい化学繊維からなり、かつ吸水性布帛からなる吸汗部を競技中でも簡単に汗を拭える部位、前身頃の下部や袖の袖付け近傍上面の双方または一方に設けることで、どんな種類のスポーツ競技用、あるいは練習用運動着としても広く用いることができる。特にサッカー、バレー、バスケットなど運動量が多く、しかも競技の中断が困難な種目に好適である。

本発明に係わる運動着の前身頃面を示す正面図である。 本発明に係わる運動着の後身頃面を示す背面図である。

符号の説明

１：運動着
２：前身頃
３：前身頃吸汗部
４：肩
５：袖
６：袖吸汗部
７：前襟刳り
８：後身頃
９：後襟刳り

Claims (3)

1. 実質的に非吸水性繊維からなる運動着であって、肩及び／もしくは袖の少なくとも上腕部の一部並びに／または前身頃の下部の一部に吸水性布帛からなる吸汗部を有することを特徴とする運動着。
2. 吸水性布帛が木綿であることを特徴とする請求項１記載の運動着。
3. 吸水性布帛がパイル地であることを特徴とする請求項１または２記載の運動着。

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