JP2006187946A - 印刷制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 バッテリの残容量に応じた印刷可能残数をユーザが認知できる印刷制御装置を提供する。
【解決手段】 電池を電源として作動する印刷ユニットの前記電池の残容量と相関する残容量指数を計測する計測回路と、前記残容量指数に基づいて前記印刷ユニットの印刷可能残数を特定する残数特定手段と、前記印刷可能残数を出力する残数出力手段と、を備えることを特徴とする印刷制御装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は印刷制御装置に関し、特に電池を電源とする印刷ユニットの印刷制御装置に関する。
近年、ディジタルカメラの普及に伴ってプリンタによる写真印刷が行われる場所が多様化している。しかし、従来のプリンタは一般に建築物の電気配線から電力を取り出しているため、屋外での使用ができず、またコンセントの抜き差しが必要となるため設置場所を移動させる作業が煩雑である。このような状況においては、電池を電源とするプリンタに対する潜在的需要が相当あると見込まれる。しかし、電池を電源とする限り、電池の残容量によって印刷可能な残り時間が決まるため、電池の残容量を認知できなければユーザは安心してプリンタを利用することができない。電池の残容量を検出する方法としては、例えば特許文献1に開示された方法が知られている。ところが、電池の残容量が認知できたとしても、あるタイミングにおける電池の残容量であと何ページ印刷できるかを知ることは極めて困難である。
特開平9−171065号公報
本発明は、上述の問題に鑑みて創作されたものであって、電池の残容量に応じた印刷可能残数をユーザが認知できる印刷制御装置を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するための印刷制御装置は、電池を電源として作動する印刷ユニットの前記電池の残容量を特定可能な残容量指数を計測する計測回路と、前記残容量指数に基づいて前記印刷ユニットの印刷可能残数を特定する残数特定手段と、前記印刷可能残数を出力する残数出力手段と、を備える。
本発明によると、電池の残容量を特定可能な残容量指数を計測し、残容量指数に基づいて印刷可能残数を出力するため、ユーザは電池残容量に応じた印刷可能残数を認知することができる。
(2)前記印刷制御装置は、前記印刷ユニットの印刷モードを設定する印刷モード設定手段をさらに備えてもよい。前記残数特定手段は、設定されている印刷モードに応じて前記印刷可能残数を特定してもよい。
本発明によると、印刷モード毎に単位ページ当たりに消費する電池の容量が異なる場合であっても、ユーザは電池残容量に応じた印刷可能残数を正しく認知することができる。
(3)前記残容量指数は前記電池の端子電圧であってもよい。前記印刷制御装置は、未放電状態からの累積印刷ページ数に対応する基準印刷計数と前記電池の基準端子電圧とを対応付ける写像情報と所定の上限値とが格納されている不揮発性記録媒体をさらに備えてもよい。前記残数特定手段は、前記端子電圧と等しい前記基準端子電圧に対応する前記基準印刷計数を前記写像情報に基づいて特定し、特定された前記基準印刷計数と前記上限値とに基づいて前記印刷可能残数を特定してもよい。
本発明によると、未放電状態からの累積印刷ページ数に対応する基準印刷計数と電池の基準端子電圧とを対応付ける写像情報と所定の上限値とが不揮発性記録媒体に予め格納されているため、計測された電池の端子電圧に基づいて、電池の残容量を特定することなく印刷可能残数を特定することができる。基準印刷計数としては、印刷対象物が同一の場合、単位ページあたりの印刷時間は一定であるため、例えば未放電状態からの累積印刷時間を用いることができる。また未放電状態からの累積印刷ページ数を基準印刷計数として用いてもよい。所定の上限値とは、例えば未放電状態の電池の標準固体を用いて印刷可能な最大ページ数である。
(4)前記電池は二次電池であり、前記基準印刷計数は基準累積印刷時間であってもよい。前記印刷制御装置は、複数回検出された前記残容量指数とそれぞれ等しい複数の前記基準端子電圧に対応する複数の前記基準累積印刷時間を前記写像情報に基づいて特定し、特定された前記基準累積印刷時間に基づいて単位ページ当たりの理論印刷時間を特定し、特定された前記理論印刷時間と単位ページ当たりの基準印刷時間との比に基づいて前記印刷可能残数を補正する残数補正手段をさらに備えてもよい。前記残数出力手段は、補正された前記印刷可能残数を出力してもよい。
一般に二次電池の放電容量は充電と放電とを繰り返すことにより減少(所謂サイクル劣化)する。すると、二次電池が放電した電流量に対する端子電圧の降下は加速される。換言すれば、二次電池の累積印刷時間と端子電圧との関係を示す特性曲線は、二次電池の放電容量の減少に応じて時間軸方向に圧縮される。そのため基準累積印刷時間と端子間電圧とを対応付ける写像情報と上述の特性曲線との相関は低くなる。つまり、写像情報により特定した印刷可能残数と実際の印刷可能残数との誤差は二次電池のサイクル劣化の進行とともに増大する。しかしながら、本発明によると、基準端子電圧を複数回検出して理論印刷時間を特定し、理論印刷時間と基準印刷時間との比に基づいて印刷可能残数を補正する。ここで理論印刷時間と基準印刷時間との比は、上述の特性曲線の時間軸方向への圧縮率と相関する。したがって本発明によれば、写像情報により特定した印刷可能残数を上述の比に基づいて補正するため、二次電池がサイクル劣化しても、ユーザは二次電池残容量に応じた印刷可能残数を正しく認知することができる。
(5)前記印刷制御装置は、前記印刷ユニットの印刷モードを設定する印刷モード設定手段をさらに備えてもよい。前記残数特定手段は、設定されている印刷モードに応じて前記印刷可能残数を特定してもよい。
本発明によると、印刷モード毎に単位ページ当たりに消費する電池の容量が異なる場合であっても、ユーザは電池残容量に応じた印刷可能残数を正しく認知することができる。
(6)前記写像情報が前記印刷モード毎に前記不揮発性記録媒体に格納されていてもよい。前記残数特定手段は、設定されている前記印刷モードに応じた前記印刷可能残数を前記印刷モードに応じた前記写像情報に基づいて特定してもよい。
本発明によると、不揮発性記録媒体に格納されている印刷モード毎の写像情報に基づいて印刷可能残数を特定するため、印刷モード毎に電池残容量に応じた印刷可能残数を正しく特定することができる。
(7)前記残数特定手段は、唯一の前記写像情報に基づいて特定した前記印刷可能残数を、設定されている前記印刷モードに応じて補正してもよい。
本発明によると、写像情報に基づいて特定された印刷可能残数を印刷モード毎に補正するため、印刷モード毎に電池残容量に応じた印刷可能残数を正しく特定することができる。
(8)前記印刷制御装置は、前記印刷ユニットの印刷モードのメニューを前記印刷モード毎の前記印刷可能残数とともに表示するメニュー表示手段をさらに備えてもよい。
本発明によると、印刷モード毎の印刷可能残数とともに印刷モードのメニューが表示されるため、ユーザは印刷しようとする枚数に応じた印刷モードを選択することができる。
(9)前記残数特定手段は、前記印刷ユニットが1ページ印刷する毎に前記印刷可能残数を更新してもよい。前記残数出力手段は、更新された前記印刷可能残数を印刷中に出力してもよい。
本発明によると、印刷中に更新される印刷可能残数を出力するため、残容量低下のために印刷不能になる前に、ユーザは印刷中止、充電等の適切な処置を取ることができるため、例えばページの途中で印刷が終了して用紙やインクを無駄にするといった問題を未然に防ぐことができる。
(10)前記残数出力手段は、前記残容量指数が基準値以上である場合、前記残容量指数を出力し、前記残容量指数が前記基準値未満である場合、前記印刷可能残数を出力してもよい。
尚、本発明に備わる複数の手段の各機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、又はそれらの組み合わせにより実現される。また、これら複数の手段の各機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
以下、本発明の実施の形態を複数の実施例に基づいて説明する。各実施例において同一の符号が付された構成要素は、その符号が付された他の実施例の構成要素と対応する。
(第一実施例)
図2は、本発明による印刷制御装置の一実施例としてのプリンタ1の外観を示す斜視図である。図3は、プリンタ1のハードウェア構成を示すブロック図である。プリンタ1は二次電池42を電源として作動し、持ち運びの利便性を高めるための取っ手12(図2参照)を備えている。プリンタ1は、リムーバブルメモリ32、ディジタルカメラ60、携帯型電話端末62等に格納された画像を取得する機能を有し、PC(Personal Computer)58等の制御下でなくとも、単独で画像を印刷可能な所謂スタンドアロン型の写真印刷専用プリンタである。
外部メモリコントローラ34は、カードスロット28に挿入されるリムーバブルメモリ32に接続される。リムーバブルメモリ32に格納されたデータは外部メモリコントローラ34によって読み出され、RAM36に転送される。
外部インタフェース部54は、PC58、ディジタルカメラ60、携帯型電話端末62等の外部システムと通信するためのUSBコントローラ、USBコネクタ等を備える。尚、外部インタフェース部54は、IEEE1394、IrDA(Infrared Data Association)、Bluetoothなどのインタフェースを備えてもよい。
印刷ユニットとしての画像処理部38は、ガンマ補正、シャープネス補正、解像度変換、色空間変換(分版処理)、二値化、インタレース処理等を実行するASICである。画像処理部38は、印刷対象の画像に対してガンマ補正、シャープネス補正、印刷解像度への解像度変換、sRGB等の色空間で定義された印刷対象の画像をCMY等のインク色に対応する色空間に変換する分版処理、二値化及びインタレース処理を施し、2値の印刷データを出力する。
印刷ユニットとしての印刷エンジン40は、インクジェット方式で用紙24(図2参照)に画像を形成するための記録ヘッド、記録ヘッドを往復移動させる駆動部、送紙部等を備える。記録ヘッドは、インクカートリッジが搭載されるキャリッジに搭載され、ノズル、ピエゾ素子、駆動回路等を備える。キャリッジの駆動部は、モータ、駆動ベルト、駆動回路等を備え、ガイドに沿ってキャリッジを用紙24の搬送方向と垂直に往復移動させる。送紙部は、用紙搬送ローラを回転させることにより用紙24を給紙トレイ26から排紙口30に向かって搬送する(図2参照)。尚、印刷エンジン40の印刷方式は、レーザ方式、熱転写方式等であってもよい。
RAM36は、制御プログラムや制御プログラムの処理対象となるデータが一時的に格納される揮発性メモリである。RAM36には、例えば外部メモリコントローラ34又は外部インタフェース部54がリムーバブルメモリ32、PC58、ディジタルカメラ60、携帯型電話端末62等から取得したデータが格納される。
残数出力手段、残数特定手段、残数補正手段、印刷モード設定手段、及びメニュー表示手段としてのCPU52は、不揮発性記録媒体としてのフラッシュメモリ50に格納されている制御プログラムを実行してプリンタ1の各部を制御する。尚、制御プログラムは、リムーバブルメモリ32等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体からフラッシュメモリ50に格納してもよいし、遠隔地のサーバからネットワークを経由してフラッシュメモリ50に格納してもよい。
印刷モード設定手段としての操作部48は、ユーザのメニュー操作を受け付けるための十字キー14と決定キー16とキャンセルキー18と印刷開始キー20とを備える。
残数出力手段及びメニュー表示手段としての表示部46は、グラフィックコントローラ及びLCD等の液晶表示装置を備える。液晶表示装置の画面22(図2参照)には、各種のメニューやステータスが表示される。
電池としての二次電池42は、リチウムイオン二次電池、ニッカド二次電池、ニッケル水素二次電池、リチウムポリマ二次電池等である。二次電池42は、プリンタ1の各部に電力を供給する。尚、電池はアルカリ電池、マンガン電池などの一次電池でもよいし、燃料電池でもよい。
計測回路44は、二次電池42の端子電圧を残容量指数として計測するアナログデジタル回路である。二次電池42の端子電圧は内部抵抗により印刷中と待機中とで異なる。そのため計測回路44は、待機状態では、印刷中の内部抵抗による電圧降下を加味して実測の端子電圧を補正し、補正された電圧をデジタル信号に変換し端子電圧としてCPU52に出力する。
尚、計測回路44は、二次電池42の残容量そのものを残容量指数として計測してもよい。二次電池42の残容量を計測する方法は、例えば特開平9−171065号公報に開示されており、開放端子電圧検出方式でもよいし、積算方式でもよいし、その他の方式であってもよい。二次電池42の残容量そのものを正確に検出できる場合、CPU52は、1ページ当たりの印刷に消費される電力と二次電池42の残容量とにより印刷可能残数を特定することができる。以上、プリンタ1のハードウェア構成を説明した。
図4はプリンタ1の作動を示すフローチャートである。図4に示す作動は電源オンにより起動し、電源オフにより終了する。
S100、S102では、プリンタ1は印刷設定操作を受け付ける。具体的には例えば次のようにして印刷設定操作が受け付けられる。CPU52が表示部46を制御して図5に示すメニュー66、92を画面22に表示させた状態では、ユーザは十字キー14を操作することにより設定項目76、78、80、82のいずれかを選択可能である(S100)。設定項目としての印刷サイズ82、用紙種類80及び印刷品質78の設定値68、70、72の組み合わせによって印刷モードが設定される。特定の項目(選択されている設定項目は強調表示される。)が選択されている状態で決定キー16が押されると、その項目に対応する設定値68、70、72、74のいずれかを変更可能なメニューに遷移する(S102)。メニュー83は印刷品質の選択肢84、86の一覧を表示している。メニュー83が表示された状態では、ユーザは十字キー14を操作することにより選択肢84、86のいずれかを選択可能である。特定の選択肢が選択されている状態で決定キー16が押されると、その選択肢が設定値となる(メニュー92参照)。尚、CPU52は、PC58、ディジタルカメラ60、携帯型電話端末62等の外部システムからの要求に応じて印刷モードを設定してもよい。この場合、CPU52が印刷モード設定手段として機能する。
S104では、プリンタ1は印刷開始要求を受け付ける。具体的には例えば、図5に示すメニュー66、92が画面22に表示された状態で印刷開始キー20が押されると印刷開始要求が受け付けられる。
印刷開始要求が受け付けられると、CPU52は画像処理部38及び印刷エンジン40を制御して印刷を実行させる(S106)。
図5に示すように、プリンタ1はメニュー66、83、91、92に印刷可能残数64、88、90を表示する。以下、印刷可能残数を表示する処理について説明する。
図6は、印刷可能残数を表示する処理の流れを示すフローチャートである。印刷可能残数を表示する処理では、CPU52が制御プログラムを実行し、計測回路44から取得される二次電池42の端子電圧に基づいて印刷可能残数を特定し、表示部46に印刷可能残数を画面表示させる。すなわち、CPU52は残数特定手段として機能し、CPU52及び表示部46は残数出力手段として機能する。
S200では、CPU52は計測回路44から出力されている二次電池42の端子電圧を読み込むことにより二次電池42の端子電圧を検出する。
S202では、CPU52は二次電池42の端子電圧に基づいて印刷可能残数を特定する。具体的には例えば次のように印刷可能残数が特定される。
特定の印刷モードで一定の負荷を二次電池42の標準個体にかけながらプリンタ1を連続駆動すると、時間の経過に伴って二次電池42の残容量は減少し、それに伴って二次電池42の端子電圧は降下する。そして満充電の状態(未放電状態)から所定の時間が経過すると、二次電池42の端子電圧はプリンタ1が印刷可能な最低電圧(図7に示すVterm)を下回り、プリンタ1は印刷不能となる。満充電の二次電池42の標準個体を使用して印刷を開始してから任意の時間が経過したときの二次電池42の端子電圧を特定の印刷モードで連続印刷しながら計測すると、累積印刷計数としての累積印刷時間(以下、基準累積時間という。)と二次電池42の標準個体の端子電圧(以下、基準端子電圧という。)との対応関係を特定可能な写像(図7に実線で示された特性曲線参照)を定義することができる。
ここで、満充電された二次電池42の標準個体を使用した特定の印刷モードにおける、印刷可能な最大ページ数と、単位ページ当たりの基準印刷時間(図7に示すT)とは当然特定できる。したがって、上述の基準累積印刷時間と基準端子電圧との対応関係を特定する写像情報と、満充電された二次電池42の標準個体を使用して印刷可能な最大ページ数と、上述の基準印刷時間とが特定の印刷モードについて予め記録されていれば、基準印刷時間は特定の印刷モードで一定であるため、二次電池42の残容量を直接特定しなくとも、特定の印刷モードで印刷を実行している期間中の特定のタイミングで検出された二次電池42の端子電圧に基づいて未放電状態からの累積印刷ページ数を特定することができる。さらに印刷可能な最大ページ数から累積印刷ページ数を差し引くことにより、そのタイミングでの印刷可能残数を特定することができる。また、印刷待機中であっても、任意の時期にCPU52で検出される二次電池42の端子電圧が、印刷中の電圧降下を加味して実測の端子電圧が補正された値であれば、上述した印刷中の印刷可能残数の特定方法と同じ方法で印刷可能残数を特定することができる。
ただし、二次電池42の放電容量は充電と放電を繰り返すことにより減少(所謂サイクル劣化)するため、サイクル劣化を加味して印刷可能残数を補正する必要がある。サイクル劣化を加味した印刷可能残数の補正は例えば次のようにして実現できる。二次電池42の放電容量がサイクル劣化により減少すると、二次電池42が放電した電流量にこのまま二次電池42の端子電圧の降下は加速する。このことは、サイクル劣化した二次電池42を使用したときの累積印刷時間と二次電池42の実測端子電圧との写像を示す特性曲線が、基準累積印刷時間と二次電池42の基準端子電圧との写像を示す特性曲線をサイクル劣化に応じて時間軸の方向に圧縮した形状になることを意味する(図7に点線で示された特性曲線参照)。したがって、単位ページの印刷開始時に検出される二次電池42の端子電圧(図7に示すv_start参照)から上述の写像情報によって求まる基準累積印刷時間と、単位ページの印刷終了時に検出される二次電池42の端子電圧(図7に示すv_end参照)から上述の写像情報によって求まる基準累積印刷時間との差(以下、理論印刷時間という。)を算出し、理論印刷時間と二次電池42の標準固体を用いた場合の単位ページ当たりの印刷時間の実測値である上述の基準印刷時間(図7に示すT)との比に応じて、サイクル劣化を加味せずに特定された印刷可能残数を補正すれば、現実に使用されている二次電池42について正しい印刷可能残数を特定することができる。以下、上述した方法の具体的実現方法の一例について説明する。
上述の基準累積印刷時間と基準端子電圧との対応関係を特定する上述の写像情報は、フラッシュメモリ50にテーブルとして印刷モード毎に記憶することができる。尚、写像情報は制御プログラムで関数として定義してもよい。図8には用紙サイズ=L判、用紙種類=写真用紙、印刷品質=はやい、という組み合わせの印刷モードに対応するテーブル93が示されている。テーブル93には、1ページ印刷する毎に実測した印刷終了直後の基準端子電圧(vn)と基準累積印刷時間(tn)とが記録されている。ここでvn及びtnの添え字nは、その時点での累積印刷ページ数を示している。例えばv1とt1は、それぞれ累積1ページ目の印刷終了直後の基準端子電圧と基準累積印刷時間である。尚、1ページ印刷する毎に基準端子電圧と基準累積印刷時間とを複数回実測して、テーブル93にその測定結果を記録してもよい。CPU52は、二次電池42の端子電圧Vsを検出すると、テーブル93を参照して次式(1)の関係を満たすaを特定する。aは端子電圧Vsが満充電の二次電池42の標準個体を使用している期間中の累積何ページ目の印刷を実行中に検出される端子電圧であるかを示す値である。
V[a-1]>Vs≧V[a]・・・式(1)
上式(1)でaが特定されると、CPU52は次式(2)の関係を満たすNtemp(v)を特定する。Ntemp(v)は、二次電池42が標準個体である場合(すなわち二次電池42がサイクル劣化していない標準個体である場合)には正しい印刷可能残数である。
Ntemp(v)=N-a・・・式(2)
上式(2)でNtemp(v)が特定されると、CPU52は次式(3)の関係を満たすkを特定する。上述のようにTは、二次電池42の標準個体を使用して、設定されている印刷モードで単位ページを印刷するのに要する時間(基準印刷時間)である。t[v_end]とt[v_start]は、テーブル93を参照して求まる基準累積印刷時間であって、それぞれ直前に印刷を終えたページの印刷開始時に対応する基準累積印刷時間と直前に印刷を終えたページの印刷終了時に対応する基準累積印刷時間である。すなわち、t[v_end]-t[v_start]は単位ページ当たりの理論印刷時間である。
k=T / (t[v_end]-t[v_start])・・・式(3)
上式(3)でkが求まると、CPU52は次式(4)を満たすN(v)を印刷可能残数として特定する。
N(v)=kNtemp(v)・・・式(4)
以上印刷可能残数の特定方法の具体例について説明した。
S204(図6参照)では、CPU52は特定した印刷可能残数N(v)が所定値(例えば20。以下、所定値を20として説明する。)未満か否かを判定する。
印刷可能残数N(v)が20未満である場合、CPU52は表示部46を制御して印刷可能残数N(v)を画面22に表示させる(S206)。印刷可能残数N(v)が20より多い場合、CPU52は二次電池42の端子電圧に基づいて二次電池42の残容量を特定し、表示部46を制御して二次電池42の残容量を画面22に表示させる(S208)。
次に印刷可能残数の表示形態の具体例を説明する。
図1に示すように、印刷可能残数が20より多い場合、印刷開始要求を受付可能なメニュー102、108に二次電池42の残容量を示すインジケータ100が画面22に表示される。インジケータ100は、二次電池42の残容量が多いほど塗りつぶしの領域が広くなる。印刷可能残数が20未満である場合、印刷開始要求を受付可能なメニュー104、106、110に印刷可能残数64が表示される。上述のように印刷モード毎に写像情報としてのテーブル又は関数を定義しているため、印刷モードの設定を変更すると変更後の印刷モードに応じた印刷可能残数を表示することができる。これにより、ユーザは設定されている印刷モードの印刷があと何ページ可能かを認知することができる。
また図5に示すように、CPU52は表示部46を制御して、印刷モードを選択するためのメニュー83、91に印刷可能残数88、90を、印刷モードを決定付ける選択肢84、86毎に表示させてもよい。これにより、ユーザは印刷可能残数に応じて印刷モードを選択することができる。
また図9に示すように、CPU52は印刷中に二次電池42の端子電圧を検出し、検出結果に応じて印刷可能残数を、1ページ印刷する毎に更新し、更新した印刷可能残数94を表示部46に表示させてもよい。これにより、印刷可能残数よりも予定されている印刷残数が多い場合、ユーザは印刷中に印刷中止を要求することができるため、インクや紙の無駄な消費を未然に防止できる。
尚、印刷可能残数は、数そのものを画面表示することによりユーザに出力してもよいし、数に対応する画面オブジェクトの構成要素(例えばバー)の長さや面積の変化で出力してもよいし、音声で出力してもよいし、所定数以下になると順次消灯する複数のLED等で構成されるインジケータで出力してもよい。
(第二実施例)
第一実施例では印刷モード毎にテーブルが1つ定義される例を説明したが、第二実施例では全印刷モードに共通のテーブルが1つだけ定義される例について説明する。図10に示すように、CPU52は全印刷モードに共通のテーブル120を参照して第一実施例の印刷可能残数Nに相当する値を特定する。第二実施例ではこの値をNtempとする。次にCPU52は、印刷モード毎に補正係数を定義したテーブル122を参照し、設定されている印刷モードに対応する補正係数rを特定し、次式(5)を満たす正しい印刷可能残数Nを特定する。
N=rNtemp・・・式(5)
以上説明した第一実施例及び第二実施例では、印刷機能のみを備えるプリンタについて説明したが、印刷機能以外に画像読み取り機能を備えた所謂複合機、複写機、ファクシミリに本発明を適用することもできる。また本発明は、PCとプリンタとを組み合わせた印刷システムに適用することもできる。具体的には、プリンタで印刷可能残数を特定し、特定した印刷可能残数をプリンタからPCに出力し、PCの画面に印刷可能残数を表示することもできる。またPCで印刷可能残数を特定し、特定した印刷可能残数をPCの画面に表示してもよい。
本発明の第一実施例に係る画面遷移図。 本発明の第一実施例に係る斜視図。 本発明の第一実施例に係る模式図。 本発明の第一実施例に係るフローチャート。 本発明の第一実施例に係る画面遷移図。 本発明の第一実施例に係るフローチャート。 本発明の第一実施例に係る特性図。 本発明の第一実施例に係る説明図。 本発明の第一実施例に係る画面遷移図。 本発明の第二実施例に係る説明図。
符号の説明
1:プリンタ(印刷制御装置)、22:画面、38:画像処理部(印刷ユニット)、40:印刷エンジン(印刷ユニット)、42:二次電池(電池)、44:計測回路、46:表示部(残数出力手段、メニュー表示手段)、48:操作部(印刷モード設定手段)、50:フラッシュメモリ(不揮発性記録媒体)、64、:印刷可能残数、87、87:メニュー、88、94:印刷可能残数、93、120:テーブル

Claims (10)

  1. 電池を電源として作動する印刷ユニットの前記電池の残容量と相関する残容量指数を計測する計測回路と、
    前記残容量指数に基づいて前記印刷ユニットの印刷可能残数を特定する残数特定手段と、
    前記印刷可能残数を出力する残数出力手段と、
    を備えることを特徴とする印刷制御装置。
  2. 前記印刷ユニットの印刷モードを設定する印刷モード設定手段をさらに備え、
    前記残数特定手段は、設定されている印刷モードに応じて前記印刷可能残数を特定することを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
  3. 前記残容量指数は前記電池の端子電圧であって、
    未放電状態からの累積印刷ページ数に対応する基準印刷計数と前記電池の基準端子電圧とを対応付ける写像情報と所定の上限値とが格納されている不揮発性記録媒体をさらに備え、
    前記残数特定手段は、前記端子電圧と等しい前記基準端子電圧に対応する前記基準印刷計数を前記写像情報に基づいて特定し、特定された前記基準印刷計数と前記上限値とに基づいて前記印刷可能残数を特定することを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
  4. 前記電池は二次電池であり、
    前記基準印刷計数は基準累積印刷時間であって、
    複数回検出された前記残容量指数とそれぞれ等しい複数の前記基準端子電圧に対応する複数の前記基準累積印刷時間を前記写像情報に基づいて特定し、特定された前記基準累積印刷時間に基づいて単位ページ当たりの理論印刷時間を特定し、特定された前記理論印刷時間と単位ページ当たりの基準印刷時間との比に基づいて前記印刷可能残数を補正する残数補正手段をさらに備え、
    前記残数出力手段は、補正された前記印刷可能残数を出力することを特徴とする請求項3に記載の印刷制御装置。
  5. 前記印刷ユニットの印刷モードを設定する印刷モード設定手段をさらに備え、
    前記残数特定手段は、設定されている印刷モードに応じて前記印刷可能残数を特定することを特徴とする請求項3又は4に記載の印刷制御装置。
  6. 前記写像情報が前記印刷モード毎に前記不揮発性記録媒体に格納されており、
    前記残数特定手段は、設定されている前記印刷モードに応じた前記印刷可能残数を前記印刷モードに応じた前記写像情報に基づいて特定することを特徴とする請求項5に記載の印刷制御装置。
  7. 前記残数特定手段は、唯一の前記写像情報に基づいて特定した前記印刷可能残数を、設定されている前記印刷モードに応じて補正することを特徴とする請求項5に記載の印刷制御装置。
  8. 前記印刷ユニットの印刷モードのメニューを前記印刷モード毎の前記印刷可能残数とともに表示するメニュー表示手段をさらに備えることを特徴とする請求項2、5〜7のいずれか一項に記載の印刷制御装置。
  9. 前記残数特定手段は、前記印刷ユニットが1ページ印刷する毎に前記印刷可能残数を更新し、
    前記残数出力手段は、更新された前記印刷可能残数を印刷中に出力することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の印刷制御装置。
  10. 前記残数出力手段は、前記残容量指数が基準値以上である場合、前記残容量指数を出力し、前記残容量指数が前記基準値未満である場合、前記印刷可能残数を出力することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の印刷制御装置。
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