JP2006185704A - 基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明は、基板1枚当りに要する処理時間を短くでき処理コストを低減できる基板処理装置を提供することを課題とする。
【解決手段】処理装置21は、真空引き可能なチャンバ21aを有し、チャンバ内を昇降移動可能な第1可動棚31、第2可動棚32、および第3可動棚33を有する。第1乃至第3可動棚31〜33は、入れ子状に重ねることのできる構造を有し、シャッタSに対向した載置位置より上方の収納位置で基板を載置した状態の複数の可動棚を重ねて収納でき、載置位置より下方の退避位置で複数の可動棚を重ねて退避させることができる。
【選択図】 図5
【解決手段】処理装置21は、真空引き可能なチャンバ21aを有し、チャンバ内を昇降移動可能な第1可動棚31、第2可動棚32、および第3可動棚33を有する。第1乃至第3可動棚31〜33は、入れ子状に重ねることのできる構造を有し、シャッタSに対向した載置位置より上方の収納位置で基板を載置した状態の複数の可動棚を重ねて収納でき、載置位置より下方の退避位置で複数の可動棚を重ねて退避させることができる。
【選択図】 図5
Description
この発明は、真空装置に対して基板を出し入れする基板処理装置に係り、特に、表示装置を製造するときに、蛍光体スクリーンを有する前面基板、電子放出素子、スペーサ、側壁などを有する背面基板、およびこれらを接合した表示パネルを真空装置に対して出し入れする基板処理装置に関する。
近年、偏平な平面パネル構造の真空外囲器を有する表示装置として、液晶ディスプレイ(LCD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、プラズマディスプレイ(PDP)等が知られている。また、FEDの一種として、表面伝導型の電子放出素子を備えた表示装置(以下、SEDと称する)の開発が進められている。
SEDは、所定の隙間を置いて対向配置された前面基板および背面基板を有する。これらの基板は、矩形枠状の側壁を介して周縁部を互いに接合され、内部を真空にされて偏平な表示パネルを構成している。
前面基板の内面には3色の蛍光体層に重ねてメタルバックを有する蛍光体スクリーンが形成され、背面基板の内面には蛍光体層を励起発光させる電子を放出する多数の電子放出素子が整列配置されている。また、背面基板の内面上には、電子放出素子を駆動するための多数本の配線がマトリックス状に設けられ、その端部は真空外囲器の外部に引き出されている。
前面基板と背面基板の間には板状或いは柱状の複数のスペーサが設けられている。これらスペーサは、前面基板および背面基板の内面に当接することで、大気圧荷重を支えて基板間の隙間を維持するよう機能する。
このSEDを動作させる場合、基板間に10[kV]程度の高電圧を与え、配線に接続した駆動回路を介して各電子放出素子に選択的に駆動電圧を印加する。これにより、各電子放出素子から選択的に電子ビームが放出され、これら電子ビームが、対応する蛍光体層に照射され、蛍光体層が励起発光されてカラー画像が表示されるようになっている。
SEDの表示パネルを製造する場合、蛍光体スクリーンを形成した前面基板、および複数の電子放出素子および配線を形成し複数のスペーサおよび側壁を接合した背面基板を用意する。そして、これらの基板を真空装置へ投入して対向させ、封着材を溶融して側壁上面と前面基板の周縁部を封着する(例えば、特許文献1参照。)。
この方法によると、前面基板および背面基板を真空装置へ投入した後、両者を封着するチャンバを真空引きする必要があり、前面基板と背面基板を接合した表示パネルをチャンバから払い出す際に、チャンバ内を大気圧に戻す必要がある。このようにチャンバを頻繁に大気圧に戻すと真空度を維持することが困難となるため、一般に、チャンバの手前に基板を投入および払い出すための予備室を設け、チャンバ内の真空度を維持するようにしている。
しかし、予備室を真空引きする際、予備室の容積に応じて真空引きに要する処理時間が異なる。つまり、複数枚の基板を同時に投入して真空引きするためには予備室の容積を大きくする必要があり、真空引きに多くの時間を要する。反面、予備室の容積を小さくして真空引きに要する時間を短くすることも考えられるが、これでは一度に多くの基板を処理できないので結果として基板1枚当りに対する処理時間が長くなってしまう。さらに、表示パネルが大型化すると、予備室の容積も大きくなり、真空引きに要する処理時間が長くなってしまう。このように、基板の処理時間が長くなると、基板1枚当りに要する処理コストが増大し、表示パネルの製造コストが増大する問題を生じる。
特開2003−068238号公報
この発明の目的は、基板1枚当りに要する処理時間を短くでき処理コストを低減できる基板処理装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、この発明の基板処理装置は、基板を出し入れするゲートを有する真空引き可能なチャンバと、このチャンバ内の上記ゲートに対向する載置位置で第1基板を載置し、載置した第1基板を上記載置位置より上方の収納位置へ収納するとともに、上記載置位置より下方の退避位置へ退避するように昇降移動する第1可動棚と、この第1可能棚の下方で昇降移動可能に設けられ、上記載置位置で第2基板を載置し、載置した第2基板を上記収納位置へ収納するとともに、上記退避位置へ退避する第2可動棚と、この第2可動棚の下方で昇降移動可能に設けられ、上記載置位置で第3基板を載置し、載置した第3基板を上記退避位置へ退避させる第3可動棚と、を有する。
また、この発明の基板処理装置は、第1および第2基板を第1ゲートを介して受け入れて上記第1ゲートに対向した第2ゲートを介して組立部へ供給し、組立部で組み立てられた第3基板を上記第2ゲートを介して受け入れて上記第1ゲートを介して払い出す装置であって、上記第1および第2ゲートを有する真空引き可能なチャンバと、このチャンバ内の上記第1および第2ゲートに対向する載置位置で第1基板を載置し、載置した第1基板を上記載置位置より上方の収納位置へ収納するとともに、上記載置位置より下方の退避位置へ退避するように昇降移動する第1可動棚と、この第1可動棚の下方で昇降移動可能に設けられ、上記載置位置で第2基板を載置し、載置した第2基板を上記収納位置へ収納するとともに、上記退避位置へ退避する第2可動棚と、この第2可動棚の下方で昇降移動可能に設けられ、上記載置位置で上記第2ゲートを介して上記組立部から送り込まれた第3基板を載置し、載置した第3基板を上記退避位置へ退避させる第3可動棚と、を有する。
上記発明によると、ゲート(第1ゲート)を開いて第1および第2基板をチャンバ内に投入すると同時に第3基板をチャンバから払い出すことができる。このとき、ゲート(第1ゲート)を開く前に第3基板を退避位置へ退避させておき、ゲート(第1ゲート)を開いた後、受け入れた第1および第2基板を収納位置で重ねて収納し、第3基板を載置位置へ上昇させてゲート(第1ゲート)を介して払い出す。
更に、この発明の基板処理装置は、基板を出し入れするゲートを有する真空引き可能なチャンバと、このチャンバ内の上記ゲートに対向する載置位置で基板を載置し、載置した基板を上記載置位置より上方の収納位置へ収納するとともに、上記載置位置より下方の退避位置へ退避するように上記チャンバ内で昇降移動する複数の可動棚と、を有し、上記複数の可動棚は、それぞれ載置した基板を上記収納位置で重ねて収納し、且つ上記退避位置で重なるように、入れ子状に形成されていることを特徴とする。
上記発明によると、ゲートに対向した載置位置で1つの可動棚に基板を載置するとき、既にチャンバ内に受け入れた基板を収納位置で重ねて収納でき、退避位置で可動棚を重ねて退避させることができる。これにより、複数枚の基板を同時に処理できるとともに、基板の処理スペース、すなわちチャンバの容積を小さくでき、真空引きに要する時間を短縮でき、基板1枚当りの処理効率を高めることができる。
この発明の基板処理装置は、上記のような構成および作用を有しているので、基板1枚当りに要する処理時間を短くでき処理コストを低減できる。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について詳細に説明する。
始めに、図1乃至図3を参照して、本発明の実施の形態に係る表示装置の一例として、SED(Surface-conduction Electron-emitter Display)について説明する。図1は、前面基板2を部分的に切り欠いた状態のSEDの真空外囲器10(以下、表示パネル10と称する場合もある)を示す斜視図であり、図2は、図1の真空外囲器10を線II-IIで切断した断面図であり、図3は、図2の断面を部分的に拡大した部分拡大断面図である。図1乃至図3において、表示パネル10の内部構造は、説明を分かり易くするため、適宜、構成を拡大して或いは概略的に示してある。
始めに、図1乃至図3を参照して、本発明の実施の形態に係る表示装置の一例として、SED(Surface-conduction Electron-emitter Display)について説明する。図1は、前面基板2を部分的に切り欠いた状態のSEDの真空外囲器10(以下、表示パネル10と称する場合もある)を示す斜視図であり、図2は、図1の真空外囲器10を線II-IIで切断した断面図であり、図3は、図2の断面を部分的に拡大した部分拡大断面図である。図1乃至図3において、表示パネル10の内部構造は、説明を分かり易くするため、適宜、構成を拡大して或いは概略的に示してある。
図1乃至図3に示すように、表示パネル10は、それぞれ矩形のガラス板からなる前面基板2および背面基板4を備え、これらの基板は約1.0〜2.0mmの隙間をおいて互いに平行に対向配置されている。なお、背面基板4は、前面基板2より1回り大きいサイズを有する。また、前面基板2および背面基板4は、ガラスからなる矩形枠状の側壁6を介して周縁部同士が接合され、内部が真空の扁平な平面パネル構造の表示パネル10を構成している。
前面基板2の内面には画像表示面として機能する蛍光体スクリーン12が形成されている。この蛍光体スクリーン12は、赤、青、緑の蛍光体層R、G、B、および遮光層11を並べて構成され、重ねてアルミニウム等からなるメタルバック14を有する。蛍光体層R、G、Bは、ストライプ状あるいはドット状に形成されている。
背面基板4の内面には、蛍光体スクリーン12の蛍光体層R、G、Bを励起発光させるための電子ビームを放出する多数の表面伝導型の電子放出素子16が設けられている。これらの電子放出素子16は、画素毎、すなわち蛍光体層R、G、B毎に対応して複数列および複数行に配列されている。各電子放出素子16は、図示しない電子放出部、この電子放出部に電圧を印加する一対の素子電極等で構成されている。また、背面基板4の内面上には、各電子放出素子16に駆動電圧を与えるための多数本の配線18がマトリックス状に設けられ、その端部は真空外囲器10の外部に引き出されている。
接合部材として機能する側壁6は、例えば、低融点ガラス、低融点金属等の封着材19により、前面基板2の周縁部および背面基板4の周縁部に封着され、これらの基板同士を接合している。本実施の形態では、背面基板4と側壁6をフリットガラス19aを用いて接合し、前面基板2と側壁6をインジウム19bを用いて接合した。
また、表示パネル10は、前面基板2と背面基板4の間にガラスからなる複数の細長い板状のスペーサ8を備えている。本実施の形態において、スペーサ8は、複数の細長いガラス板としたが、多数の柱状のスペーサでも良い。各スペーサ8は、上述した蛍光体スクリーン12のメタルバック14および遮光層11を介して前面基板2の内面に当接する上端8a、および背面基板4の内面上に設けられた配線18上に当接する下端8bを有する。しかして、これら複数のスペーサ8は、前面基板2および背面基板4の外側から作用する大気圧荷重を支持し、基板間の間隔を所定値に維持している。
さらに、SEDは、前面基板2のメタルバック14にアノード電圧を印加する図示しない電圧供給部を備えている。電圧供給部は、例えば、メタルバック14に10[kV]程度の高電圧を印加することにより、蛍光体スクリーン12の電位を高くする。これにより、接地された背面基板4と前面基板2との間に10[kV]程度の電位差が形成される。
そして、上記SEDにおいて、画像を表示する場合、配線18に接続した図示しない駆動回路を介して電子放出素子16の素子電極間に電圧を与え、任意の電子放出素子16の電子放出部から電子ビームを放出するとともに、メタルバック14にアノード電圧を印加する。電子放出部から放出された電子ビームは、アノード電圧により加速され、蛍光体スクリーン12に照射される。これにより、蛍光体スクリーン12の蛍光体層R、G、Bが励起されて発光し、カラー画像を表示する。
また、上記構造の表示パネル10を製造する場合、予め、蛍光体スクリーン12の設けられた前面基板2を用意し、電子放出素子16および配線18が設けられているとともに側壁6およびスペーサ8が接合された背面基板4を用意しておく。そして、これら前面基板2、および背面基板4を以下に説明する真空装置20へ投入し、側壁6を介して前面基板2を背面基板4に接合する。
図4には、上述した前面基板2と背面基板4を接合して表示パネル10を組み立てるための真空装置20(AIO;オールインワン)の概略構造を示してある。
真空装置20は、投入・払出室21、ロボット室22、ベーク室23、封着室24、およびゲッタ室25を有する。投入・払出室21、ベーク室23、封着室24は、ロボット室22に隣接して配置され、ゲッタ室25は、ロボット室22から離間した側で封着室24に連続して並設されている。なお、投入・払出室21はこの発明の基板処理装置として機能し、ロボット室22、ベーク室23、封着室24、およびゲッタ室25はこの発明の組立部として機能する。
各チャンバ21、22、23、24、25には、図示しない真空ポンプが取り付けられており、各チャンバを独立して真空引きすることができるようになっている。また、隣接した2つのチャンバ間には、それぞれシャッタSが設けられており、隣接した2つのチャンバを選択的に連通可能となっている。さらに、ロボット室22内には、投入・払出室21、ベーク室23、封着室24との間でそれぞれ基板(前面基板2、背面基板4、表示パネル10)を受け渡しするためのロボット26が配設されている。
上記構造の真空装置20を用いて表示パネル10を組み立てる場合、まず、予め、蛍光体スクリーン12の設けられた前面基板2を用意し、電子放出素子16および配線18が設けられているとともに側壁6およびスペーサ8が接合された背面基板4を用意しておく。なお、側壁6の背面基板4から離間した上端および対向する前面基板2の内面周縁部には、予めインジウム19bを充填しておく。また、真空装置20の投入・払出室21を除く4つのチャンバ22、23、24、25は、それぞれ真空ポンプPによって真空引きした状態としておく。
そして、上述した前面基板2、および背面基板4を投入・払出室21を介して真空装置20へ投入する。このとき、投入・払出室21のロボット室22から離間した入口側のシャッタSが開放され、真空装置20の外側に配置されたここでは図示しないロボットアームによって2枚の基板2、4が内面を上向きにして投入される。また、このとき、真空装置20で組み立てられた表示パネル10がロボットアームによって投入・払出室21から払い出される。この後、上述した入口側のシャッタSが閉じられて、図示しない真空ポンプによって投入・払出室21が真空引きされ、ロボット室22に連通するためのシャッタSが開放される。
さらに、ロボット室22とベーク室23を連通するシャッタSが開放され、ロボット室22のロボット26が動作され、投入・払出室21から2枚の基板2、4が取り出されてベーク室23へ投入される。このとき、各基板2、4は、ロボット26の4本のアーム27によって支持されて移動される。
この後、投入・払出室21とロボット室22の間のシャッタS、およびベーク室23とロボット室22の間のシャッタSが閉じられて、ベーク室23内の図示しないヒータが動作され、前面基板2および背面基板4が加熱焼成されて脱ガスされる。このとき、各基板2、4がそれぞれ内面を上向きにしてベーク室23に投入されているため、側壁6の上端に充填された封着材19が溶融されて垂れることはなく、前面基板2の内面に充填された封着材19が垂れることもない。この状態で、2枚の基板2、4がある程度冷却され、インジウム19bが固化される。
ベーク終了後、ロボット室22に連通するシャッタSが開放されて2枚の基板2、4がロボットアーム27によって取り出され、封着室24との間のシャッタSを開放後、封着室24へ投入される。そして、ベーク室23とロボット室22との間のシャッタSが閉じられる。このとき、前面基板2は、その背面を封着室内の図示しない静電チャック上に載置されて吸着保持される。一方、背面基板4は、その内面を上向きにしたまま前面基板2の下方に配置される。
この後、封着室24とゲッタ室25との間のシャッタSが開放されて、前面基板2を吸着した静電チャックがゲッタ室25へ移動される。さらに、2つのチャンバ24、25間のシャッタSが閉じられて、ゲッタ室25内の静電チャックが反転され、前面基板2が表裏反転される。このとき、前面基板2内面の周縁部に充填された封着材19は個化されているため、垂れることはない。
そして、ゲッタ室25の底部に設けられた図示しない蒸着機構が動作され、ゲッタ材が前面基板2の内面に蒸着される。この後、チャンバ24、25間のシャッタSが再び開放されて、前面基板2を反転させたまま吸着した静電チャックが封着室24へ移動される。
このようにして2枚の基板2、4が封着室24内に再び配置されると、静電チャックによって吸着された状態の前面基板2に向けて背面基板4が上昇され、2枚の基板2、4が近接されて位置決めされる。このとき、チャンバ24、25間のシャッタSは閉じられる。
この後、側壁6の上端に充填されたインジウム19bおよび前面基板2内面の周縁部に充填されたインジウム19bが加熱溶融され、両者が溶融されたインジウム19bによって封着される。封着後、2枚の基板2、4が所定温度まで冷却され、表示パネル10が組み立てられる。
そして、ロボット室22と封着室24との間のシャッタS、およびロボット室22と投入・払出室21との間のシャッタSが開放され、表示パネル10が封着室24から取り出されて投入・払出室21へ移動され、開放した2つのシャッタSが閉じられる。この後、投入・払出室21の入口側のシャッタSが開放されて大気に連通され、外部に配置したここでは図示しない後述するロボットアームによって表示パネル10が真空装置20から払い出される。
次に、この発明の基板処理装置として機能する上述した投入・払出室21(以下、単に処理装置21と称する)について、図5および図6を参照してさらに詳細に説明する。図5には、図4の線V-Vで処理装置21を切断した概略断面図を示してあり、図6には、図5の処理装置21内に配置された第2可動棚32の概略斜視図を代表して示してある。この他の棚、すなわち第1および第3可動棚31、33も、第2可動棚32と略同様の構造を有するため、ここではその詳細な説明を省略する。
図5に示すように、処理装置21は、真空装置20に対して基板を出し入れするためのシャッタS(ゲート、第1ゲート)およびロボット室22に対して基板を出し入れするためのシャッタS(第2ゲート)(図5では図示せず)を備え且つ図示しないポンプによって真空引き可能なチャンバ21aを有する。ここで言う基板とは、蛍光体スクリーン12を有する前面基板2(第1基板)と、電子放出素子16、配線18、側壁6、スペーサ8を有する背面基板4(第2基板)と、表示パネル10(第3基板)とを含む。
2つのシャッタSは、チャンバ21aの対向する2つの側壁に設けられ、水平方向に対向する同じ高さ位置にそれぞれ形成されている。しかして、チャンバ21a内には、各シャッタSを介して上述したロボットアーム27および4本のロボットアーム51が挿通可能となっている。なお、図5では、真空装置20の外部から挿通されたロボットアーム51を図示してある。
チャンバ21a内には、前面基板2を載置して昇降移動する第1可動棚31、第1可動棚31の下方で背面基板4を載置して昇降移動する第2可動棚32、および第2可動棚32の下方で表示パネル10を載置して昇降移動する第3可動棚33が配置されている。
第1可動棚31は、図示しないベローズを介してチャンバ21aの外側から挿通された駆動シャフト34を有する周知の第1駆動機構(図示省略)によって昇降移動される。また、第2可動棚32は、図示しないベローズを介してチャンバ21aの外側から挿通された駆動シャフト35を有する周知の第2駆動機構(図示省略)によって昇降移動される。さらに、第3可動棚33は、複数本の連結シャフト36によって第2可動棚32に連結されており、第2可動棚32に従動して昇降移動される。
図6に代表して示すように、第2可動棚32は、背面基板4の外面に当接して支持する複数本の支持ピン41を基板4の短手方向に並設した5本のブリッジ42を有する。各ブリッジ42の両端は、同じ方向に鈍角に折り曲げられており、それぞれの端部が略矩形枠状のフレーム40の向かい合う2本の長辺部43に同じ姿勢で接続されている。
つまり、各ブリッジ42は、フレーム40の向かい合う2つの短辺部44と略平行に取り付けられ、フレーム40より上方に突出した位置に複数本の支持ピン41を配置するように折り曲げられている。なお、ブリッジ42の本数は、後述するロボットアームの本数より1本多い数に設定されており、ロボットアームの本数に合わせて変更可能である。また、各ブリッジ42に固設された支持ピン41の本数も任意に変更可能である。
また、第2可動棚32のフレーム40の2つの短辺部44には、上述した第2駆動機構の3本の駆動シャフト35の上端が固設され、ここでは図示しない第1駆動機構の上述した駆動シャフト34を挿通するための3つの孔34aが形成されている。また、長辺部43の端部近くには、上述した複数本の連結シャフト36をそれぞれスライド自在に挿通するための孔36aが形成されている。
図5に戻って、第2可動棚32の上方に配置された第1可動棚31のフレームには、第2可動棚32のフレーム40の孔34aを通って延びた駆動シャフト34の上端が固設されている。第1可動棚31も第2可動棚32と同様に前面基板2を載置するための複数の支持ピン、およびこれら支持ピンを備えた5本のブリッジを有するが、フレームの短辺部には、他のスライドロッドを挿通するための孔は形成されていない。
また、第2可動棚32の下方に配置された第3可動棚33も複数本の支持ピンを備えた5本のブリッジを有する。第3可動棚33のフレームの短辺部には、第1可動棚31の3本の駆動シャフト34にスライド自在に取り付けられた3つのスライダ37が固設され、第2可動棚32の3本の駆動シャフト35を挿通するための3つの孔が形成されている。
さらに、第2可動棚32と第3可動棚33は、少なくとも3本(本実施の形態では4本)の連結シャフト36によって連結されている。すなわち、各連結シャフト36の下端が第3可動棚33のフレームに固設され、各連結シャフト36が第2可動棚32の上述した孔36aに挿通され、孔36aを通過した各連結シャフト36の上端がフランジ部を形成して第2可動棚32のフレームに係止される。
しかして、上記構造の可動棚31、32、33は、昇降移動の途中で互いに入れ子状に重なることができ、チャンバ21a内における上下方向のスペースを少なくできる。つまり、5本のブリッジ42の両端を鈍角に折り曲げて形成される凹所に、他の可動棚のブリッジを収容配置でき、上下方向の省スペース化を実現できる。
以下、上記構造の処理装置21の動作について、図7乃至図24を参照して説明する。
まず、図7に示すように、真空装置20の外部に連通するシャッタSが解放されて、予め用意された前面基板2が4本のロボットアーム51上に載置されて処理装置21内に投入される。このとき、組立部で組み立てられた完成品としての表示パネル10が第3可動棚33の複数の支持ピン41上に載置されてチャンバ21aの底部近くの退避位置に退避されている。また、このとき、第1および第2可動棚31、32も、退避位置で第3可動棚33に重ねて退避されている。第1乃至第3可動棚31、32、33が上述した入れ子構造を有するため、退避位置に重ねた3つの棚の上下方向の省スペース化が図られている。
まず、図7に示すように、真空装置20の外部に連通するシャッタSが解放されて、予め用意された前面基板2が4本のロボットアーム51上に載置されて処理装置21内に投入される。このとき、組立部で組み立てられた完成品としての表示パネル10が第3可動棚33の複数の支持ピン41上に載置されてチャンバ21aの底部近くの退避位置に退避されている。また、このとき、第1および第2可動棚31、32も、退避位置で第3可動棚33に重ねて退避されている。第1乃至第3可動棚31、32、33が上述した入れ子構造を有するため、退避位置に重ねた3つの棚の上下方向の省スペース化が図られている。
この後、図8に示すように、第1駆動機構によって1番上の第1可動棚31が載置位置へ上昇され、ロボットアーム51によって支持されている前面基板2が、アーム51の間で第1可動棚31の複数本の支持ピン41に当接され、第1可動棚31に受け渡される。そして、図9に示すように、ロボットアーム51がチャンバ21a内から一旦退避される。
次に、図10に示すように、前面基板2を載置した第1可動棚31が載置位置より上方の収納位置へさらに上昇され、ロボットアーム51によって背面基板4がチャンバ21a内に投入される。この装置では、基板の投入位置は1箇所に設定されており、開口部の数および開口面積を少なくすることで、チャンバ21aの耐圧を高めている。
そして、図11に示すように、第2駆動機構によって2番目の第2可動棚32が載置位置へ上昇され、背面基板4がアーム51から第2可動棚32へ受け渡される。この後、ロボットアーム51が退避され、図12に示すように、第2可動棚32が収納位置へ向けてさらに上昇される。すると、第2可動棚32の上昇の途中で、複数の連結シャフト36の上端が第2可動棚32のフレーム40に係合し、第3可動棚33が従動を開始する。複数本の連結シャフト36は、図13に示すように、第2可動棚32が第1可動棚31に重ねて収納位置に配置されたときに、完成品の表示パネル10を載置した第3可動棚33が載置位置に配置される長さに設定されている。
表示パネル10を載置した第3可動棚33が載置位置に配置されると、図14に示すように、ロボットアーム51が再びチャンバ21a内に挿通され、図15に示すように、第3可動棚33がわずかに下降され、ロボットアーム51上に表示パネル10が受け渡される。なお、このとき、第3可動棚33は、第2駆動機構によって第2可動棚32を下降させることにより下降される、つまり、第3可動棚33を独立して駆動する駆動機構はなく、3つの棚を2つの駆動機構で駆動するようにしている。
表示パネル10を受け取ったロボットアーム51がチャンバ21a内から退避すると、図16に示すように、真空装置20の外部に連通するシャッタSが閉じられてチャンバ21a内が真空排気される。そして、この後、ロボット室22に連通する反対側のシャッタSが開放されて、図17に示すように、組立部で組み立てられた表示パネル10がロボットアーム27によってチャンバ21a内に投入される。このとき、外部のロボットアーム51とロボット室22内のロボットアーム27の高さが同じ高さに設定されており、処理装置21から払い出された表示パネル10と同じ位置に次の表示パネル10が配置されることになる。
この後、第2駆動機構によって第2可動棚32を上昇させ、第3可動棚33を従動させて上昇させ、図18に示すように、表示パネル10が第3可動棚33の複数の支持ピン41上に受け渡される。そして、ロボットアーム27がロボット室22へ退避された後、今度は、第2駆動機構によって第2可動棚32および第3可動棚33が下降され、図19に示すように、表示パネル10を載置した第3可動棚33が退避位置へ退避され、第2可動棚32が載置位置に配置される。
そして、図20に示すように、再び、ロボットアーム27がチャンバ21a内に挿通され、図21に示すように、第2可動棚32が下降されてロボットアーム27上に背面基板4が受け渡され、ロボットアーム27が退避されて背面基板4が組立部へ供給される。第2可動棚32は、さらに下降されて退避位置に退避している第3可動棚33に重ねて退避される。
この後、図22に示すように、第1駆動機構によって第1可動棚31が載置位置まで下降され、図23に示すように、ロボットアーム27がチャンバ21a内に挿通されて、第1可動棚31がさらに下降され、前面基板2がロボットアーム27に受け渡される。第1可動棚31を最下端まで下降させると、3つの棚31、32、33が入れ子状に重なった状態で退避位置に退避され、上下方向の省スペース化が図られる。
そして、前面基板2を受け取ったロボットアーム27がチャンバ21aから退避した後、図24に示すように、ロボット室22に連通するシャッタSが閉じられて、チャンバ21a内にN2が充填される。この後、真空装置20の外部に連通する反対側のシャッタSが開放されてチャンバ21a内が大気に開放され、図7で説明したように次の基板の投入が待機される。
以上のように、本実施の形態によると、処理装置21のチャンバ21aを1回真空引きする度に、前面基板2および背面基板4を真空装置20内に投入することができると同時に、完成品としての表示パネル10を真空装置20から払い出すことができ、複数枚の基板を同時に処理でき、真空引きの回数を少なくでき、基板1枚当りの処理時間を短縮できる。
また、本実施の形態によると、チャンバ21aの対向する側壁の2箇所にシャッタSを設け、基板を出し入れする高さを固定したため、シャッタSの開口の幅を極めて狭くでき、チャンバ21aの耐圧を高めることができた。また、この構造を採用した上で、シャッタSに対向する載置位置より上方の収納位置で基板を載置した状態の複数の可動棚を重ねて収納し、載置位置より下方の退避位置で複数の可動棚を重ねて退避するようにしたため、多くの基板を同時に処理可能であるにも拘わらず、チャンバ21aの上下方向のスペースを小さくできた。これにより、チャンバ21aの耐圧を向上させることができた上に、真空引きに要する処理時間を短縮できた。
なお、この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。
例えば、上述した実施の形態では、チャンバ21a内に3つの可動棚を配置した例を説明したが、可動棚の数は任意に変更可能であり、チャンバ21aに設けるシャッタSの位置および数も任意に変更可能である。
また、例えば、図25(b)に示すように、可動棚の支持ピン41の高さを変えることで、基板の反りや歪みを抑制することができる。
つまり、図25(a)に示すように、同じ高さの支持ピン41によって基板を支持した場合、基板の自重によって可動棚のフレーム40やブリッジ42が撓むことが考えられ、それに伴い、基板も撓んでしまう。これに対し、図25(b)に示すように、基板中央が下方に撓む量に応じて予め中央の支持ピン41を比較的長くしておくことで、図25(c)に示すように、基板の撓みを抑制することができる。
つまり、図25(a)に示すように、同じ高さの支持ピン41によって基板を支持した場合、基板の自重によって可動棚のフレーム40やブリッジ42が撓むことが考えられ、それに伴い、基板も撓んでしまう。これに対し、図25(b)に示すように、基板中央が下方に撓む量に応じて予め中央の支持ピン41を比較的長くしておくことで、図25(c)に示すように、基板の撓みを抑制することができる。
複数の支持ピン41の長さは、基板に設けられた構造物の種類、基板の重さ、サイズなどにより適当に調整する必要があるが、少なくとも中央の支持ピン41を長くして端部に向けて徐々に短くすることで、基板の歪みを大まかに補正できる。
2…前面基板、4…背面基板、6…側壁、8…スペーサ、10…真空外囲器(表示パネル)、12…蛍光体スクリーン、14…メタルバック、16…電子放出素子、18…配線、20…真空装置、21…処理装置、21a…チャンバ、31…第1可動棚、32…第2可動棚、33…第3可動棚、34、35…駆動シャフト、36…連結シャフト、40…フレーム、41…支持ピン、42…ブリッジ。
Claims (7)
- 基板を出し入れするゲートを有する真空引き可能なチャンバと、
このチャンバ内の上記ゲートに対向する載置位置で第1基板を載置し、載置した第1基板を上記載置位置より上方の収納位置へ収納するとともに、上記載置位置より下方の退避位置へ退避するように昇降移動する第1可動棚と、
この第1可能棚の下方で昇降移動可能に設けられ、上記載置位置で第2基板を載置し、載置した第2基板を上記収納位置へ収納するとともに、上記退避位置へ退避する第2可動棚と、
この第2可動棚の下方で昇降移動可能に設けられ、上記載置位置で第3基板を載置し、載置した第3基板を上記退避位置へ退避させる第3可動棚と、
を有することを特徴とする基板処理装置。 - 第1および第2基板を第1ゲートを介して受け入れて上記第1ゲートに対向した第2ゲートを介して組立部へ供給し、組立部で組み立てられた第3基板を上記第2ゲートを介して受け入れて上記第1ゲートを介して払い出す基板処理装置であって、
上記第1および第2ゲートを有する真空引き可能なチャンバと、
このチャンバ内の上記第1および第2ゲートに対向する載置位置で第1基板を載置し、載置した第1基板を上記載置位置より上方の収納位置へ収納するとともに、上記載置位置より下方の退避位置へ退避するように昇降移動する第1可動棚と、
この第1可動棚の下方で昇降移動可能に設けられ、上記載置位置で第2基板を載置し、載置した第2基板を上記収納位置へ収納するとともに、上記退避位置へ退避する第2可動棚と、
この第2可動棚の下方で昇降移動可能に設けられ、上記載置位置で上記第2ゲートを介して上記組立部から送り込まれた第3基板を載置し、載置した第3基板を上記退避位置へ退避させる第3可動棚と、
を有することを特徴とする基板処理装置。 - 上記第1乃至第3可動棚は入れ子状に重なる構造を有し、第1および第2基板を上記収納位置で重ねて収納し、上記退避位置で上記第3基板を載置した上記第3可動棚に第1および第2可動棚を重ねて退避させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の基板処理装置。
- 上記第1可動棚を上記チャンバ内で昇降移動させる第1駆動機構と、
上記第2可動棚を上記チャンバ内で昇降移動させる第2駆動機構と、
上記第2可動棚と第3可動棚を移動可能に連結した連結部材と、をさらに有し、
上記連結部材は、上記第2可動棚が上記載置位置と収納位置との間を移動するとき、上記第3可動棚を上記退避位置と載置位置との間で従動させるよう機能することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の基板処理装置。 - 上記第1乃至第3可動棚は、各棚で基板を支持したときの撓みを抑制するように長さを調節した複数本の支持ピンを有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の基板処理装置。
- 基板を出し入れするゲートを有する真空引き可能なチャンバと、
このチャンバ内の上記ゲートに対向する載置位置で基板を載置し、載置した基板を上記載置位置より上方の収納位置へ収納するとともに、上記載置位置より下方の退避位置へ退避するように上記チャンバ内で昇降移動する複数の可動棚と、を有し、
上記複数の可動棚は、それぞれ載置した基板を上記収納位置で重ねて収納し、且つ上記退避位置で重なるように、入れ子状に形成されていることを特徴とする基板処理装置。 - 上記複数の可動棚は、それぞれ、基板を支持したときの撓みを抑制するように長さを調節した複数本の支持ピンを有することを特徴とする請求項6に記載の基板処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004376898A JP2006185704A (ja) | 2004-12-27 | 2004-12-27 | 基板処理装置 |
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JP2004376898A JP2006185704A (ja) | 2004-12-27 | 2004-12-27 | 基板処理装置 |
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JP2006185704A true JP2006185704A (ja) | 2006-07-13 |
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JP2004376898A Pending JP2006185704A (ja) | 2004-12-27 | 2004-12-27 | 基板処理装置 |
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JP (1) | JP2006185704A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014096436A (ja) * | 2012-11-08 | 2014-05-22 | Tokyo Electron Ltd | ロードロック装置 |
-
2004
- 2004-12-27 JP JP2004376898A patent/JP2006185704A/ja active Pending
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