JP2006183715A - 被覆ポリオレフィン管およびその製造方法 - Google Patents

被覆ポリオレフィン管およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【構成】 被覆ポリオレフィン管10はポリオレフィン系樹脂を用いた本管12に被覆層14を被覆して形成される。被覆層14は最内層16、第1接着層18、中間層20、第2接着層22および最外層24を含み、本管12に対して容易に剥がすことができるように設けられている。最内層16は防湿性に優れ、本管12の硬度と近い硬度を有す。
【効果】 被覆ポリオレフィン管10の接合時にスクレープ作業なしで被覆層14だけを本管12から容易に除去できる。また、衝撃を受けても最内層16は本管12から分離しにくい。さらに、最内層16は中間層20への水の浸入を防止し、吸水による中間層20の耐溶剤浸透性能の劣化を防止する。
【選択図】 図1

Description

この発明は被覆ポリオレフィン管に関し、特にたとえばポリオレフィン系樹脂で形成される本管および本管の外周面を被覆する被覆層を備え、水道用管やガス用管等に使用され得る、被覆ポリオレフィン管に関する。
従来の被覆ポリオレフィン管の一例が、特許文献1〜5に開示されている。
この特許文献1の図2に示す多層樹脂管はポリオレフィン系樹脂からなる主要層、耐有機溶剤性に優れる樹脂からなる中間層、および最外層に設けられ、ポリレフィン系樹脂からなる被覆層を含む。各層間に接着層が設けられて、各層は接着されている。
特許文献2の飲料水の移送パイプは、ポリオレフィンで作られた移送パイプに炭化水素を通さない熱可塑性ポリマーの層を被覆して形成される。移送パイプと熱可塑性ポリマーの層との間にバインダが配置されて、これらは接着されている。
特許文献3の多層ポリオレフィン管は本管の外周面に被覆層を被覆して形成される。被覆層は耐溶剤浸透性能に優れる被覆内層、被覆接着層、および防湿性に優れる被覆外層を含む。被覆内層は本管に対して密着状態にあるが、接着されていない。
特許文献4の多層樹脂管はポリオレフィン系樹脂からなる主要層、耐有機溶剤性に優れる樹脂からなるバリア層、および紫外線吸収能力を有しかつある程度の強度を有する保護層を含む。主要層とバリア層とは非接着で一体化されている。
特許文献5の図2に示す多層樹脂管はポリオレフィン系樹脂からなる主要層、および酸素透過性が低い樹脂からなる第1被覆層、および比較的硬い樹脂からなる第2被覆層を含む。主要層と被覆層とは成形時に非相溶状態に一体化され、接着されていない。
特開2004−223910号公報[B32B 27/32、B32B 1/08、F16L 9/12、F16L 11/06] 特許第3339614号[E03B 7/00、B32B 1/08、B32B 27/32、E03C 1/00] 特開2004−270852号公報[F16L 11/12] 特開2004−225820号公報[F16L 9/12、B29C 47/06、B29C 47/08、B32B 1/08、B32B 27/32] 特開2004−225821号公報[F16L 9/12、B32B 1/08、B32B 27/32]
特許文献1の従来技術では、中間層が主要層に接着剤により接着されている。また、特許文献2の従来技術では、熱可塑性ポリマーの層が移送パイプにバインダにより接着されている。このため、電気融着接合等を行う際に、新しい清浄な接合面を得るために、専用工具を用いて煩雑で手間のかかるスクレープ(切削)作業を行わねばならず、施工性が悪い。
特許文献3〜5の従来技術では、被覆内層(バリア層、第1被覆層)は本管(主要層)に対して接着されていないため、被覆層を容易に剥がすことができる。しかし、その一方、管に衝撃が加わると、被覆内層が本管から分離してしまう恐れがある。このため、管の輸送中などにその衝撃で被覆層が本管からずれる、あるいは、管の施工時の衝撃などにより被覆層が本管から分離して、管を地中に埋設した場合に分離した被覆内層と本管との間に水が浸透して水道(みずみち)が形成されることがある。
そして、被覆内層と本管との間に水道が形成されると、被覆内層は水に接触して、ナイロンやエチレンビニルアルコールなど吸水性のある樹脂を用いた被覆内層は水を吸収する。これにより被覆内層の樹脂は加水分解して、被覆内層は劣化し、その耐有機溶剤浸透性能が著しく低下してしまう。
また、特許文献2、4および5の従来技術では、被覆層(熱可塑性ポリマーの層、バリア層)は共押し出し成形にて成形されているため、被覆層と本管(移送パイプ、主要層)とは一般的に相溶化してしまう。よって、特許文献4および5で記載されているように、被覆層を本管から容易に剥離できるように非相溶状態に成形することは困難である。
それゆえに、この発明の主たる目的は、耐有機溶剤浸透性能を維持しつつ、施工性に優れる、被覆ポリオレフィン管およびその製造方法を提供することである。
請求項1の発明は、ポリオレフィン系樹脂で形成される本管および本管の外周面を被覆する被覆層を備える被覆ポリオレフィン管において、被覆層は、ポリオレフィン系樹脂で形成される最内層、耐溶剤浸透性を有する中間層、防湿性を有するかつ着色顔料の添加された最外層、最内層と中間層とを接着するための第1接着層、および中間層と最外層とを接着するための第2接着層を含み、さらに本管に対して容易に剥がすことができるように重ねられたことを特徴とする、被覆ポリオレフィン管である。
請求項1の発明では、被覆層の層はそれぞれ第1接着層または第2接着層により接着され、被覆層は強固に一体化され、しかも本管と被覆層とは容易に剥がすことができる状態にあるため、たとえば、カッターで被覆層に切り込みを入れれば、手で被覆層だけを本管から容易に剥ぎ取って除去できる。このため、被覆ポリオレフィン管の接合時に面倒なスクレープ作業をすることなく、被覆ポリオレフィン管の表面に清浄な面を簡単に得ることができる。
しかし、このように被覆層を本管から容易に剥ぎ取ることができると、衝撃による被覆層と本管との分離が懸念されるが、本管の外側にポリオレフィン系樹脂で形成される最内層を設けることにより、これらは分離しにくい。つまり、最内層を本管と同じポリオレフィン系樹脂で形成すると、本管の硬度と最内層の硬度とが近いため、被覆ポリオレフィン管に衝撃が加わっても、被覆層は本管から分離しにくい。このため、本管と被覆層とがずれたり、これらの間に水道が形成されたりしにくい。
仮に、最内層と本管との間に水道が形成されても、中間層の内側にポリオレフィン系樹脂で形成される最内層を設け、これらの層を第1接着層により接着するため、中間層は最内層により水から遮断される。よって、吸湿性を有する中間層が吸水して、その耐溶剤浸透性能が低下することはない。
請求項2の発明は、最内層および最外層がポリプロピレンで形成された、請求項1記載の被覆ポリオレフィン管である。
請求項2の発明では、ポリプロピレンの層は特に裂け易い特性を有するため、最内層および最外層をポリプロピレンで形成すれば、本管から被覆層を剥がす際の剥離性が特に優れた被覆ポリオレフィン管を得られる。
また、ポリプロピレンの層は耐水性および耐薬品性に優れるため、最内層をポリプロピレンで形成すれば、最内層と本管との間に水道が形成されても、最内層は中間層への水の浸透を遮断し、中間層の耐溶剤浸透性能を維持する。
さらに、ポリプロピレンの層は耐摩耗性に優れるため、最外層をポリプロピレンで形成すれば、最外層は傷が付きにくく、被覆層および本管を保護する。よって、被覆ポリオレフィン管を推進工法対策管として使用できる。
請求項3の発明は、請求項1または2記載の被覆ポリオレフィン管の製造方法であって、被覆層を被覆押出し成形により本管上に形成したことを特徴とする、被覆ポリオレフィン管の製造方法である。
請求項3の発明では、被覆押出し成形により被覆層を本管上に形成すれば、被覆層は本管に物理的に密着はするが、接着や融着などはされないため、被覆層を本管から容易に剥がすことができる。
この発明によれば、中間層の内側にポリオレフィン系樹脂で形成される最内層を設けることにより、被覆ポリオレフィン管の耐有機溶剤浸透性能を維持することができる。
また、被覆層を一体化し、かつ本管と被覆層とは容易に剥がすことができる状態にすることにより、施工性に優れる、
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
図1(A)および図1(B)に示すこの発明の一実施例である被覆ポリオレフィン管10は、本管12の外周面に被覆層14を被覆して形成される。
本管12は所定径および厚みを有し、ポリオレフィン系樹脂で形成される。ポリオレフィン系樹脂は、たとえばポリエチレン(低密度,中密度,高密度,超高密度など),ポリプロピレンまたはポリブテンであり、これらの樹脂にはその樹脂組成物も含まれる。
なお、ポリオレフィン系樹脂に着色顔料を添加して、本管12を着色してもよい。本管12を着色すれば、管の用途の識別がし易くなる。その一方、ポリオレフィン系樹脂に着色顔料を添加せずに本管12を無着色にすれば、本管12の材料コストを低減できる。
被覆層14は、最内層16、第1接着層18、中間層20,第2接着層22および最外層24を含み、内側からこの順に積層された5層構造を有する。
最内層16は防湿性に優れ、本管12の硬度と近い硬度を有する。ポリオレフィン系樹脂で形成され、たとえばポリプロピレンやポリエチレンが用いられる。その厚さは0.1mm以上である。
第1接着層18は、最内層16と中間層20とを接着するためのものである。たとえば、接着性ポリオレフィンであり、製品としてはたとえば三井化学株式会社製の「アドマー(登録商標)」が用いられ得る。
中間層20は優れた耐溶剤浸透性能を有し、本管12のポリオレフィン系樹脂よりも耐溶剤浸透性の高い樹脂で形成される。たとえば、ナイロンなどポリアミド系樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(PTFE)などフッ素系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリロニトリルである。
中間層20の厚さは0.1〜0.5mmが好ましく、その中でも0.1〜0.3mmが特に好ましい。この厚さが厚過ぎると、中間層20を引き裂きにくくなり、一方、厚さが薄すぎると、中間層20の耐溶剤浸透性能を確保することができないので、その厚さは上記の数値程度に設定するのが望ましい。
第2接着層22は中間層20と最外層24とを接着するためのものである。第1接着層18と同様に、たとえば接着性ポリオレフィンであり、製品としては三井化学株式会社製の「アドマー(登録商標)」が用いられ得る。
最外層24は優れた防湿性を有し、たとえばポリプロピレンや軟質塩化ビニル樹脂で形成される。このポリプロピレンは防湿性を有するだけでなく比較的硬く、しかも引裂き性が良い。特に、ポリプロピレンの中でもブロックポリプロピレンの引裂き性は良い。
最外層24の厚さは0.3mm以上であり、特に推進工法に使用する場合では0.5mm以上である。
なお、最外層24に着色顔料(着色剤)が添加される。これを添加することにより、被覆ポリオレフィン管10は色分けされ、その用途を容易に見分けられる。具体的には、水道用途の場合には青色に、ガス用途の場合には黄色に着色される。なお、着色顔料は光遮断性の高いものが好ましい。
また、最外層24に充分な量の耐候剤が添加されて、優れた耐候性が付与される。耐候剤は紫外線吸収剤などであり、たとえばサリチル酸エステル系、ベンゾトリアゾール系、ヒドロキシベンゾフェノン系などが用いられ得る。
この被覆ポリオレフィン管10は、たとえば、先に本管12を単独で押し出して冷却固化し、その本管12の外周面に被覆層14を被覆押出し成形により被覆することによって製造され得る。
たとえば、本管12を押出すための第1押出機および第1金型,サイジングおよび冷却のための第1〜第3の水槽,印字機,引取機,アニーリング装置,冷却水槽および切断機等を順に備えるような周知の押出成形製造装置(図示せず)において、第3の水槽と印字機との間に、被覆押出工程のための設備が設けられる。この設備は、たとえば被覆押出設備、被覆押出後のサイジングおよび冷却のための水槽(図示せず)であり、被覆押出設備に、図2に示す第2金型26、第2押出機28,第3押出機30、第4押出機32、第5押出機33および第6押出機34が組み込まれる。
第2金型26は多層(5層)押出のためのクロスヘッドダイであり、各層の溶融材料を押出すための第2押出機28、第3押出機30、第4押出機32、第5押出機33および第6押出機34の先端部がそれぞれ接続される。第2押出機28、第3押出機30、第4押出機32、第5押出機33および第6押出機34はそれぞれ最内層16、第1接着層18、中間層20、第2接着層22および最外層24の原材料を加熱溶融して第2金型26に供給する。この第2金型26では、各層の溶融材料が進行方向へ進むにつれて順次合流されながら積層されて、積層状態の被覆層14となって出口から押し出される。
押し出された被覆層14は第2金型26内を挿通されて送られてきた本管12の外周面に密着される。密着は、たとえば、縮径テーパ状のスリーブ等を第2金型26の開口の先方に設けたり、第2金型26の次に配置した冷却水槽の入口等に本管12の外径を規定するスリーブ等を設けたり、第2金型26の先方で本管12と被覆層14との間を減圧下に置いたり、あるいは、第2金型26の先端部で樹脂流路を縮径テーパ状に形成すること等により行われ得る。
このようにして、図1(A)および図1(B)に示す本管12と被覆層14とは密着されるが、被覆時に本管12は既に冷却固化されて溶融状態にないので、本管12と被覆層14とが融着あるいは接着することはなく、両者が完全に一体化されるようなことはない。一方、被覆層14の最内層16と中間層20とは第1接着層18により接着され、中間層20と最外層24とは第2接着層22により接着されるため、これらの層は強固に一体化されて被覆層14が形成される。
このように、被覆層14は本管12の外周面に重ねられるので、最内層16は本管12に対して密着状態ではあるが接着されているわけではない。したがって、最内層16は本管12に非接着状態で、すなわち、容易に剥がすことができる状態で設けられており、この意味で、最内層16は本管12に対して易ピール(peel)性を有して設けられていると言える。
この被覆ポリオレフィン管10を使用する際、本管12を被覆層14で被覆した状態のままで施工現場に運搬する。そして、図3(A)に示すように、たとえば、カッターナイフを用いて、被覆層14を貫通しない程度の切込みを入れ、その部分から被覆層14を引き裂いて剥ぎ取り、接合に供する部分のみの被覆層14を本管12から除去する。
この実施例では、最外層24はポリプロピレンなど引裂き性の良い材料で形成されるので、最外層24を簡単に引き裂くことができる。特に、最外層24の厚みの5割程度の深さの切込みを最外層24に入れれば、被覆層14を手で容易に引き裂くことができる。
そして、第1接着層18および第2接着層22により最内層16、最外層24および中間層20は一体化されるため、最外層24を引き裂くことによって被覆層14全体を簡単に引き裂くことができる。
さらに、被覆層14の各層は第1接着層18および第2接着層22により一体化されるが、本管12と被覆層14とは上述のように接着されていないので、被覆層14だけを本管12から容易に剥ぎ取って除去することができる。
このようにして、面倒なスクレープ作業をすることなく、図3(B)に示すように、被覆ポリオレフィン管10の管端部に新しい清浄な融着面36を得ることができる。そして、融着面36の清掃作業を行った後、図4に示すように、この融着面36と電気融着継手38の受口の内面とを電気融着によって接合する。融着面36は、直前まで被覆層14で保護されていた無傷で清浄な面であるため、良好な接合をすることができる。その後、接合部の外側に、たとえばポリアミド層またはアルミ層等を有するスリーブ等を被覆することによって、接合部の耐溶剤浸透性を確保することが望ましい。
なお、接合される継手は電気融着継手38に限られず、熱融着継手等であってもよい。また、管端の接合だけでなく、たとえば分岐管を接続するためのサドル等を設ける場合等にも、同様にして、分岐部を形成する部分の被覆層14を剥ぎ取ることで対応できるし、また、定尺の被覆ポリオレフィン管10を所定長さに切断して調整管として使用する場合等にも同様に対応できる。
この被覆ポリオレフィン管10について、上記の通り最内層16は本管12に接着されてないため、最内層16を本管12から容易に引き剥がすことができる。しかし、最内層16の硬度が本管12の硬度と近いため、衝撃を受けても最内層16は本管12から剥がれにくい。最内層16と本管12との硬度差が小さいほど、最内層16と本管12とは分離しにくい。このため、たとえば、ポリエチレンの本管12では、本管12と同じポリエチレンで最内層16を形成すれば、その最内層16の硬度が本管12の硬度と最も近くなるため、最内層16は本管12から分離しにくくなる。
これに対して、最内層16にポリプロピレンを用いると、ポリエチレンの本管12に対するポリプロピレンの最内層16の硬度差はポリエチレンの最内層16の硬度差より大きくなる。しかし、表1に示すように、ポリエチレンの硬度は、中間層20に用いられ得るナイロン、PTFEおよびPETの硬度と比べてポリエチレンの硬度に近い。また、ポリプロピレンの最内層16の引裂き性が良いため、ポリプロピレンで形成された最内層16はポリエチレンの本管12に対してある程度分離しにくく、しかも引き裂かれ易い。そして、ポリプロピレンの本管12に対しては当然、ポリプロピレンの最内層16の密着性が最もよい。
Figure 2006183715
このため、被覆ポリオレフィン管10の被覆層14の要求性能や本管12の材料などを考慮して、最内層16の樹脂は選択される。たとえば、本管12をポリエチレンで形成し、最内層16と本管12との密着性が要求される場合には最内層16にポリエチレンが用いられ、最内層16に引裂き性が要求される場合には最内層16にポリプロピレンが用いられる。
このように、本管12の外側にポリオレフィン系樹脂で形成される最内層16を設けることにより、被覆層14は本管12から分離しにくいため、被覆ポリオレフィン管10の運搬中の振動などで被覆層14が本管12からずれたり、これらの間に水道が形成されたりしにくい。
仮に、最内層16と本管12との間に水道が形成されても、中間層20の内側に防湿性を有する最内層16を設け、これらの層を第1接着層18により接着するため、中間層20の内側への水分の透過は最内層16により遮断される。よって、中間層20がポリアミド系およびエチレンビニルアルコール等のような吸湿性を有するもので形成されていても、吸水による中間層20の耐溶剤浸透性能が低下することはない。
また、この中間層20の外側に防湿性に優れた最外層24を設けたので、中間層20の外側は最外層24により水から遮断されて、中間層20の吸水による耐溶剤浸透性の低下を防止できる。したがって、中間層20がその耐溶剤浸透性能を充分に発揮し、本管12内への有機溶剤等の汚染物質の浸透を防止するので、この被覆ポリオレフィン管10は耐溶剤浸透対策管として使用することができる。
さらに、被覆ポリオレフィン管10の最外層24をポリプロピレンで形成すると、ポリプロピレンは防湿性を有するだけでなく比較的硬く、耐摩耗性に優れるため、最外層24に傷が付きにくい。また、最外層24の厚さを0.5mm以上に設定すると、推進工法による施工時に傷が最外層24を貫通せず、耐溶剤浸透性を有したまま、本管12に傷が付くことを防止できるため、この被覆ポリオレフィン管10を推進工法に使用できる。
なお、上述の実施例では、着色顔料を最外層24のみに添加したが、着色顔料をさらに最内層16および/または中間層20にも添加されてよい。この場合、最内層16も着色されるので、被覆層14を確実に除去できたことを目視にて容易に確認することができ、施工性はより向上する。
また、上述の各実施例では、被覆層14の除去の際にカッターナイフ等で切込みを入れるようにしているが、他の実施例では、最外層24に対して、被覆層14を剥ぎ取るためのガイドを形成するようにしてもよい。
(A)はこの発明の一実施例の被覆ポリオレフィン管を示す断面図であり、(B)は(A)における一部拡大図である。 被覆ポリオレフィン管の製造工程の一部を示し、本管への被覆層の被覆押出工程の一例を示す断面図である。 (A)は被覆ポリオレフィン管の接合工程において被覆層を除去する様子を示す斜視図であり、(B)は被覆層が除去された管端部を示す斜視図である。 被覆ポリオレフィン管の接合工程における融着接合された接合部を示す断面図である。
符号の説明
10 …被覆ポリオレフィン管
12 …本管
14 …被覆層
16 …最内層
18 …第1接着層
20 …中間層
22 …第2接着層
24 …最外層

Claims (3)

  1. ポリオレフィン系樹脂で形成される本管および前記本管の外周面を被覆する被覆層を備える被覆ポリオレフィン管において、
    前記被覆層は、
    ポリオレフィン系樹脂で形成される最内層、
    耐溶剤浸透性を有する中間層、
    防湿性を有するかつ着色顔料の添加された最外層、
    前記最内層と前記中間層とを接着するための第1接着層、および
    前記中間層と前記最外層とを接着するための第2接着層を含み、さらに
    前記本管に対して容易に剥がすことができるように重ねられたことを特徴とする、被覆ポリオレフィン管。
  2. 前記最内層および前記最外層がポリプロピレンで形成された、請求項1記載の被覆ポリオレフィン管。
  3. 請求項1または2記載の被覆ポリオレフィン管の製造方法であって、
    被覆層を被覆押出し成形により本管上に形成したことを特徴とする、被覆ポリオレフィン管の製造方法。
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