JP2003305786A - 外層被覆ポリオレフィン管 - Google Patents

外層被覆ポリオレフィン管

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Abstract

(57)【要約】 【構成】 外層被覆ポリオレフィン管10は、ポリオレ
フィン系合成樹脂からなる内層12を被覆する外層14
を含み、外層14にはこれを剥ぎ取るためのガイドとし
てのたとえば薄肉部16が設けられる。この薄肉部16
を手掛りとして、外層14を薄肉部16から切断したり
薄肉部16に沿って引き裂いたりすることができる。ま
た、外層14は、たとえば先に押出成形された内層12
に対して共押出されること等によって設けられ、内層1
2と一体化されていない。したがって、簡単に外層14
を剥ぎ取ることができる。 【効果】 作業性を向上できる。しかも、内層の外周面
に傷が付くおそれがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は外層被覆ポリオレフィ
ン管に関し、特にたとえば、ポリオレフィン系合成樹脂
からなる内層およびこの内層の外周面を被覆する外層を
有する、外層被覆ポリオレフィン管に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系合成樹脂からなるポリ
オレフィン管(ポリエチレン管,ポリブテン管等)の接
合には、管ないし継手の接合面を加熱溶融して接着させ
る熱融着接合または電気融着接合方法が一般的に用いら
れる。この接合方法では、融着面にゴミが付着していた
り、管表面の材料が酸化されていたりすると、完全には
接合し難く、接合不良を生じる。つまり、良好な接合の
ためには新しい清浄な融着面が必要となる。
【0003】従来、このような新しい面を得るために、
接合前に管表面を切削(スクレープ)する方法が主に用
いられていた。しかしながら、このスクレープ作業に
は、手動型または電動型の専用切削工具(スクレーパ)
等を用いる必要があり、作業が煩雑であり時間がかかる
という問題があった。
【0004】そこで、たとえば、平成7年1月6日付け
で出願公開された特開平7−1542号公報[B29C
47/02,47/20,65/02,65/78,B
32B1/08]、または平成7年6月27日付けで出
願公開された特開平7−164554号公報[B29D
23/00,F16L9/12]等に記載されているよ
うに、管の外周面に予め外層を設けておき、接合前に外
層を除去することによって新しい面を得るようにした技
術が提案されている。すなわち、特開平7−1542号
公報では、2層パイプ押出用ダイを用いた共押出により
内外層を同時に押出した管が開示される。この外層はた
とえば白亜またはタルク等の充填剤によって適度に堅く
されており、外層を除去する際には、たとえば叩くこと
によって破壊するとともに内層から剥離させたり、もし
くは、専用の工具を使って外層を剥離したりしていた。
また、特開平7−164554号公報では、熱収縮性の
チューブ状薄膜を収縮させて外周面に密着させた管が開
示される。このように除去のための何らの手掛りもなく
内層に密着している薄膜(外層)を除去するのは困難で
あり、たとえば分岐管取付けの際に所望の部分のみを剥
がしたり、調整管として使用する短管(切管)の薄膜を
剥がしたりすること等も困難となるが、この公報では外
層の所望の位置にナイフを当てて切断することによって
外層を剥がすようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術では、外層を叩き割ったり、または薄膜を切断
したりする必要があるので、特別な工具が必要でしかも
作業に時間がかかる等、作業性が悪かった。さらに、内
管(内層)の外周面に傷が付く等の悪影響を与えるおそ
れがあった。
【0006】それゆえに、この発明の主たる目的は、簡
単に外層を剥がすことができ、しかも内層を傷付けるこ
ともない、外層被覆ポリオレフィン管を提供することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、ポリオレ
フィン系合成樹脂からなる内層および内層の外周面を被
覆する外層を有する外層被覆ポリオレフィン管におい
て、外層を剥ぎ取るためのガイドを設けたことを特徴と
する、外層被覆ポリオレフィン管である。
【0008】第2の発明は、ポリオレフィン系合成樹脂
からなる内層および内層の外周面を被覆する外層を有す
る外層被覆ポリオレフィン管において、外層は任意の位
置から任意の方向へ引き裂き可能に形成された熱収縮シ
ートを収縮させることによって設けられたことを特徴と
する、外層被覆ポリオレフィン管である。
【0009】
【作用】第1の発明では、外層を剥ぎ取るためのガイド
が形成される。ガイドは、たとえば外層に形成される薄
肉部であり、またはミシン目等であってよい。このガイ
ドを手掛りとして、たとえば、外層をガイドから切断し
たりガイドに沿って引き裂いたりすることができる。ま
た、外層は、たとえば先に押出された内層に対して共押
出され、または熱収縮シートを収縮させて内層に密着さ
せること等によって設けられる。この外層は内層と一体
化されていないので、容易に除去できる。したがって、
簡単に外層を剥ぎ取ることができる。
【0010】第2の発明では、任意の位置から任意の方
向へ引き裂き可能に形成された熱収縮シートを収縮させ
ることによって、外層が設けられる。この熱収縮シート
は、たとえばその全面にわたって微細な傷等を付けるよ
うな粗面加工を施したものである。この場合には、外層
が何らの手掛りもなく内層に密着されていても、外層を
簡単に手で引き裂いて剥ぎ取ることができる。
【0011】
【発明の効果】この発明によれば、容易に外層を剥がす
ことができるので、作業性を向上できる。また、外層を
叩き割ったり内層に密着する薄膜外層をナイフで切断し
たりすることもなく、外層を剥ぎ取ればよいので、内層
の外周面に傷が付くおそれもない。
【0012】この発明の上述の目的,その他の目的,特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳
細な説明から一層明らかとなろう。
【0013】
【実施例】図1に示すこの実施例の外層被覆ポリオレフ
ィン管(以下単に「被覆管」という。)10は、ポリオ
レフィン系合成樹脂(ポリエチレン,ポリブテン,ポロ
プロピレン等)からなる内層12およびこの内層12の
外周面を被覆する外層14を含む。被覆管10は、予め
設けておいた外層14を、融着接合前に内層12から剥
ぎ取ることで、良好な接合のための新しい清浄な融着面
を得ることができるものである。
【0014】被覆管10は、所定長さ(たとえば5m
等)の定尺管であり、その内層12は所定の口径および
厚みに設定される。外層14は、内層12の外周面全体
にわたって設けられてこれを被覆している。外層14
は、たとえばポリオレフィン系(低密度ポリエチレン
等),塩化ビニル,ポリアミド系(ナイロン)またはエ
チレンビニルアルコール等からなる。そして、外層14
を内層12から剥ぎ取るためのガイドとして、この実施
例では、薄肉部16が、外層14の外周面において軸方
向に直線状に一端から他端へ延びて形成される。薄肉部
16は、たとえばV字またはU字状等の溝であり、その
深さは望ましくは外層14の厚みとほぼ同じかやや小さ
い程度に設定される。
【0015】この被覆管10は、たとえば、先に単独で
押出された内層ないし内管12に対して、さらに外層1
4を共押出して内管12の外周面を被覆することによっ
て製造される。具体的には、図2に示すような外層14
の形成のための第2押出機18および第2金型20が、
押出成形の製造ライン中において、たとえばサイジング
されて一旦ある程度冷却されている、すなわち、単独で
押出成形された状態の内管12に対して外層14を形成
できるような位置に介設される。たとえば、内層12を
押出すための第1押出機および第1金型,サイジングお
よび冷却のための第1から第3の真空水槽,印字機,引
取機,アニーリング装置,冷却水槽および切断機等を順
に備えるような周知の押出成形製造装置(図示せず)に
おいては、たとえばアニーリング装置と冷却水槽との間
に、この第2押出機18および第2金型20を介設すれ
ばよい。
【0016】第2金型20はクロスヘッドダイ(オフセ
ットダイ)であり、マンドレル(内ダイ)20aは内管
12を挿通可能なように中空に形成されている。また、
外ダイ20bの先端開口における所定位置には、図3か
ら分かるように、V字状またはU字状等の突起22が形
成されており、この突起22によって、開口から押出さ
れる溶融樹脂すなわち外層14の外周面の所定位置に、
溝すなわち薄肉部16が形成される。また、開口から押
出された外層14は内層12に密着される。密着は、た
とえば縮径テーパ状のスリーブ等を開口の先方に設けた
り、次の冷却水槽の入口等に外径を規定するスリーブ等
を設けたり、第2金型20の先方において内層12と外
層14との間を減圧下に置いたり、または第2金型20
の先端部で樹脂流路を縮径テーパ状に形成すること等に
より行われ得る。このようにして、内層12と外層14
とは密着されるが、外層被覆時に内層12は溶融状態に
ないので、内層12と外層14とは、場合によって弱く
接着されることがあり得るが、完全に融着するようなこ
とはなく、両者が完全に一体化されることはない。
【0017】この被覆管10を使用する際には、外層1
4で内層12が被覆されたままで施工現場に運搬され
る。そして、管どうしを融着接合するときに接合部分に
相当する部分の外層14が除去される。すなわち、融着
接合する際には、まず、薄肉部16で外層14を切断
し、または薄肉部16から外層14を切り開く。たとえ
ば、まず、図4(A)に示すように、管端部から薄肉部
16に沿って軸方向に所定長さ引き裂くようにし、図4
(B)に示すように、周方向の両方向または一方向にも
切り開くようにする。上述のように内層12と外層14
とは一体化していないので、外層14を簡単に内層12
から剥がすことができる。この実施例では、薄肉部16
が軸方向に直線状に形成されているので、管端から必要
な長さを引き裂くことができたかを容易に判断できる。
なお、このとき、必要に応じてナイフ等を用いて、引き
裂きの開始のために管端部における薄肉部16に切込み
を入れたり、また、周方向への引き裂きのために外層1
4の切り開かれた部分に切込みを入れたりしてもよい。
この場合にも、内層12にはナイフ等が当たることがな
いので傷が付くおそれはない。
【0018】このようにして、図4(C)に示すよう
に、被覆管10の管端部に新しい清浄な融着面24を得
ることができる。なお、外層14は、接合に必要な大き
さの融着面が得られるように必要な部分のみを剥ぎ取れ
ばよい。そして、図4(D)に示すように、この融着面
24と継手26の受口28の内周面28aとをヒータ等
で加熱溶融して、受口28に被覆管10の管端を差し込
んで融着する。融着面24は、直前まで外層14に被覆
されていた清浄な面であるため、良好な接合をすること
ができる。なお、接合される継手26は電気融着継手等
であってもよい。
【0019】なお、外層14およびガイドを内層12の
全外面にわたって形成しているので、管端部分だけでな
く所望の部分の外層14を剥がすことができる。たとえ
ば分岐管を接続するためのサドル等を設ける場合等に
も、同様にして、分岐部を形成する部分の外層14を剥
ぎ取ることで対応できる。また、定尺の被覆管10を所
定長さに切断して調整管として使用する場合にも対応で
きる。
【0020】この実施例によれば、外層14を剥ぎ取る
ためのガイドとしての薄肉部16を外層14に設けるよ
うにしたので、この薄肉部16を手掛りとして、薄肉部
16から外層14を切断し、また薄肉部16に沿って切
り開くことができる。また、内層12と外層14とは密
着されるが、一体化はされていない。したがって、特別
な工具なしに、容易に外層14を剥がすことができ、作
業性を向上できる。さらに、外層14を叩いて破壊する
等の必要もないので、内層12の外周面に傷が付くおそ
れがない。
【0021】なお、上述の実施例では、薄肉部16は軸
方向に直線状に形成されたが、薄肉部16の形態は任意
であり、たとえば図5に示すように一端から他端へ連続
して螺旋状に形成されてもよい。この場合、外層14
は、同様にこの薄肉部16に沿って引き裂いて、螺旋状
に剥ぎ取るようにすればよい。引き裂きを軸方向および
周方向の2段階に分けずに一度に行えるので簡便であ
る。この螺旋状の薄肉部16を形成するには、たとえ
ば、第2金型20の外ダイ20bの突起22が形成され
た部分を含む先端環状部分を軸周りに回転可能に設け
て、これを回転させながら外層14を押出すようにすれ
ばよい。
【0022】また、上述の各実施例では、連続する1本
の薄肉部16を形成しているが、薄肉部16は、たとえ
ば間隔を隔てて複数本形成されてもよい。この場合に
は、複数の位置から外層14を引き剥がすことができ、
さらに作業性を向上できる。
【0023】また、上述の各実施例では、外層14を剥
ぎ取るためのガイドとして、薄肉部16を形成するよう
にしているが、ガイドは外層14を剥ぐための手掛や外
層14を引き裂く方向の誘導等になればよいのであっ
て、たとえば図6に示す他の実施例の被覆管10のよう
に、ガイドは外層14に形成されたミシン目30であっ
てもよい。
【0024】図6実施例では、ミシン目30は被覆管1
0の一端から他端へ軸方向に直線状に延びて形成され
る。ミシン目30を構成する凹み30aの深さは外層1
4の厚みとほぼ同じかやや小さく設定される。このよう
なミシン目30を形成するには、たとえば、図7に示す
ように、第2金型20の先方において、ミシン目形成手
段として、周方向に延びる複数の刃ないし歯32aが外
周面に形成された円盤状等のローラ32を設けて、押出
される外層14の外周面に歯32aを食い込ませるよう
にすればよい。この実施例でも、ミシン目30から外層
14を切断し、またミシン目30に沿って切り開くこと
ができるので、簡単に外層14を剥ぎ取ることができ
る。したがって、作業性を向上できるとともに、内層1
2の融着面に傷が付くおそれもない。
【0025】なお、この実施例でも、ガイドとしてのミ
シン目30の形態は任意であってよく、たとえば図9に
示すように、一端から他端へ連続して螺旋状に形成され
てもよい。また、複数本のミシン目30が形成されても
よい。
【0026】また、上述の各実施例では、外層14は内
層12に対して共押出することによって形成されるもの
であったが、外層14は、たとえば熱収縮シートないし
フィルムを加熱収縮させることによって設けられてもよ
い。
【0027】すなわち、図9および図10に示す他の実
施例の被覆管10では、外層14は熱収縮シートからな
り、加熱収縮されることによって内層12の外周面に密
着される。熱収縮シートは、たとえばポリエチレン,ポ
リプロピレン,塩化ビニル等を素材として、Tダイ押出
法,インフレーション法,チューブ法または流延法等に
よって製膜され、延伸工程で一軸延伸または二軸延伸し
て、熱固定ないし冷却固化をすることによって、その後
の加熱による収縮性を付与されたものである。また、複
数層を共押出することにより、あるいは種々のラミネー
ション法によっても製造され得る。
【0028】そして、外層14には、外層14を剥ぎ取
るためのガイドとして、一端から他端へ軸方向に直線状
に延びるミシン目34が形成されている。なお、ミシン
目34を構成する1つ1つの凹みは、シール性確保およ
び内層12保護等の観点から、貫通しない孔であること
が望ましい。また、凹みとして貫通孔を形成する場合に
は、多層フィルムで構成した熱収縮シート42の基材と
なる層にこれを形成し、シート全体については貫通しな
いようにするのが望ましい。
【0029】また、外層14は、図10(A)から分か
るように、たとえば管端面をも被覆して保護するよう
に、その軸方向の両端部が内面側に折れ曲がって設けら
れ、その両端縁がシールされている。なお、図10で
は、分かり易くするために外層14の厚みは誇張して示
されている。また、外層14の両端部は後述のようにシ
ールされなくてもよい。
【0030】この被覆管10は、たとえば図11に示す
ような製造装置36を用いて、予め単層で押出成形され
た内層ないし内管12を熱収縮シートで包装し、その後
収縮させることによって製造され得る。製造装置36
は、周知のいわゆる長尺ピロー三方シール方式の包装装
置38とシュリンクトンネル40とを組み合わせたもの
である。この製造装置36では、一枚の熱収縮シート4
2がフォーマ44によって筒状にされたところに内管1
2が定ピッチ送りで供給される。なお、熱収縮シート4
2には、軸方向(送り方向)に延びるミシン目34が予
め形成されている。熱収縮シート42は、トップシーラ
46によって連続的にその端部どうしが重ねられて、た
とえば熱溶着によるヒートシールされる。なお、シール
される層には、たとえばヒートシール性を有する材料を
用いるのが望ましく、たとえば低密度ポリエチレン,ポ
リプロピレン,アイオノマー,エチレン酢酸ビニル共重
合体等が用いられ得る。
【0031】このようにして、内管12を熱収縮シート
42で包装しつつ、送りコンベア48によって前方へ送
る。そして、熱収縮シート42を挟んで対向する一対の
クロスシールバー50aおよび50bを備えるクロスシ
ーラ50によって、そこを通過した内管12の後端側で
熱収縮シート42を挟み込んで溶断シールする。
【0032】なお、この実施例では両端部をシールして
いるが、軸方向端部はたとえばシールせずに切断のみを
行い、または部分的なシールを行うこと等によって、熱
収縮時に収縮シート42内部の空気を逃がす空気口を両
端部に設けるようにしてもよい。また、たとえば、包装
後、熱収縮シート42の両端部(内管12の外面の範囲
外の部分)に空気抜き用の小孔を複数穿設するようにし
てもよいし、あるいは熱収縮シート42の全面にわたっ
てまたは部分的に予め空気抜き用の小孔を多数穿設して
おくようにしてもよい。
【0033】このようにして、熱収縮シート42によっ
て包装された内管12は、たとえばラインの延長上に設
けられたシュリンクトンネル40内にコンベア52によ
って送られる。シュリンクトンネル40は周知のもので
あり、内部を通過するとき、内管12を包む熱収縮シー
ト42にはヒータ等で加熱された熱風が吹き付けられ、
したがって、熱収縮シート42はトンネル内を通過しな
がら加熱されて収縮する。なお、熱収縮シート42内部
の空気は、上述した空気口または空気抜き孔等から逃が
される。このようにして、内管12の外周面に熱収縮シ
ート42が密着されて外層14を形成し、被覆管10が
製造される。外層14は内層12の外面に密着されるが
一体化はされない。
【0034】なお、外層14の装着方法は、上述のよう
なピロー三方シール方式に限定されず適宜変更されるの
は言うまでもなく、たとえば四方シール方式や三方シー
ル方式等であってよい。
【0035】この実施例では、外層14は熱収縮シート
42すなわち薄膜であり、ミシン目34を手掛りとして
ミシン目34に沿って手で簡単に引き裂くことができ
る。このようにして、簡単に外層14を剥ぎ取ることが
でき、作業性を向上できる。しかも、特別な工具を用い
ることなく手で剥ぎ取ることができるので、内層12の
融着面に傷が付くおそれもない。
【0036】なお、熱収縮シート42の引き裂き方向に
異方性があって、つまり、たとえば外層14の軸方向が
熱収縮シート42の延伸方向となるように配置され、そ
の直角方向である周方向に手で引き裂くのが困難な場合
等は、必要に応じてナイフ等を用いて外層14をその引
き裂き困難な方向へ引き裂くようにすればよい。この場
合でも、密着状態でなく内層12から剥がれた状態の外
層14にナイフ等を当てることができるので、内層12
の外周面を傷付けるようなことはない。
【0037】また、熱収縮シート42は、その延伸方向
が外層14の軸方向となるようにして配置されなくても
よく、被覆管10の製造方法に応じて、たとえばその配
置方向は内管12の周方向に平行であってよいし、軸方
向に対して傾斜したもの等であってもよい。これらの場
合には、たとえば周方向またはその傾斜方向等が外層1
4の易引き裂き方向となる。そして、同様にして、ミシ
ン目34から外層14を引き裂くことができ、そのミシ
ン目34に沿った裂け目からさらに易引き裂き方向へと
引き裂きを続けることができる。なお、引き裂き困難な
方向に対しては、同様に必要に応じてナイフ等を用いれ
ばよい。
【0038】また、この熱収縮シート42を用いた実施
例でも、ミシン目34の形態は任意であってよく、たと
えば図12に示すように、螺旋状に形成するようにして
もよい。この場合には、包装・収縮後にこのような螺旋
状となるように、熱収縮シート42には、予めたとえば
軸方向に対して傾斜した複数のミシン目34を所定間隔
で形成しておく。
【0039】また、上述の各実施例では、ミシン目34
の列を構成する1つ1つの凹みは、ミシン目34の延び
る方向に平行に配列されているが、その配列方向は適宜
変更され、たとえばその延びる方向に対して傾斜等して
配列されてもよい。また、凹みの形状は、図示のような
棒線状に限定されず、たとえば「V」字状または「ハ」
字状等であってもよい。つまり、このようなミシン目3
4は、線状または帯状等に連続的に形成される多数の傷
であってよい。
【0040】さらにまた、ミシン目34は、たとえば複
数本が間隔を隔てて形成されてもよい。また、ミシン目
34は、複数列が近接して形成されてもよく、この場合
には、たとえば引き裂き時の裂け目がその列から逸れよ
うとしても近接する列でそれを吸収して引き裂きを続行
することが可能となる。
【0041】また、図13に示す他の実施例の被覆管1
0は、ガイドとしてのテープ54を含む。テープ54は
合成樹脂等からなり、このテープ54は熱収縮シートか
らなる外層14と内層12との間において管軸方向にわ
たって設けられる。テープ54は、たとえば上述の製造
装置36(図11)において、フォーマ44で筒状にさ
れる熱収縮シート42の内面側へ連続的に供給されるこ
とによって、内管12とともに熱収縮シート42内に包
装される。なお、予めテープ54が装着された熱収縮シ
ート42を供給するようにしてもよい。そして、外層1
4の端縁に位置するテープ54の端部がつまみタブとな
り、このテープ54の端部を持ってこれを外面側へ引っ
張り上げることによって、テープ54を手掛として外層
14を端縁から引き裂き、さらにテープ54を引っ張る
ことで引き裂きを誘導させる。したがって、簡単に外層
14を剥ぎ取ることができて作業性を向上できるととも
に、内層12の外周面を傷つけるおそれもない。なお、
外層14の端部におけるテープ54と重なる部分にはノ
ッチ(切れ目ないし切込み)を入れることによって、引
き裂きの開始をより簡単に行えるようにしてもよい。
【0042】また、図14に示す他の実施例の被覆管1
0は、ガイドとして、外面側に突出する立ち上がり部5
6を含み、立ちあがり部56は軸方向に直線状に延びて
形成される。この立ち上がり部56は、たとえば上述の
製造装置36(図11)において、熱収縮シート42の
端部どうしを所定長さ立ち上がるような状態に重ね合わ
せてトップシーラ46でシールすることによって形成さ
れる。そして、引き裂きを開始させるために、立ち上が
り部56の端縁に、たとえば施工現場でナイフ等を用い
て、1つまたは複数のノッチ(図示せず)を入れる。な
お、予め製造時等にこのような1つもしくは複数のノッ
チまたは軸方向に連続するノッチ等を立ち上がり部56
の端縁に形成するようにしてもよい。この実施例では、
この立ち上がり部56を手掛りとして、所望の位置のノ
ッチから立ち上がり部56を引き裂くことによって、外
層14を簡単に引き裂いて剥ぎ取ることができる。ま
た、この立ち上がり部56も、被覆管10の全長にわた
って形成されているので、所望の部分の外層14を剥ぎ
取ることができる。
【0043】なお、たとえばノッチを入れるためにナイ
フ等を用いる場合でも、内層12の外面から突出して離
れている立ち上がり部56の先端に刃を当てればよいの
で、内層12の外周面に傷が付くようなおそれはない。
【0044】また、立ち上がり部56には、粗面(傷
痕)加工を施すようにしてもよい。つまり、立ち上がり
部56の軸方向にわたって微細な貫通孔または貫通しな
い孔(凹み)等の傷を多数、たとえば帯状等に設けるよ
うにしてもよい。このような立ち上がり部56は、たと
えばヒートシールの際に周面に微細な粒子や研磨材等が
設けられたローラ等を用いることによって、または予め
熱収縮シート42の所定位置(幅方向の両端縁等)に粗
面加工を施しておくこと等によって、形成され得る。こ
の場合には、立ち上がり部56の引き裂き性を向上でき
る。また、立ち上がり部56の先端縁にまでこのような
粗面加工を施した場合には、ノッチ等を設けなくても引
き裂きを任意の位置から開始できる。
【0045】また、内層12の素材であるポリオレフィ
ン系合成樹脂には、ガソリン,灯油または有機溶剤等の
ような汚染物質は浸透するおそれがある。しかし、外層
14を、汚染物質に対して耐浸透性を有する材料、たと
えばナイロン,エチレンビニルアルコールまたは塩化ビ
ニル等を素材として形成した場合、または、耐浸透性を
有する材料を素材とする層を含んで構成された単層また
は多層構造の熱収縮シート42によって外層14を形成
した場合等には、汚染物質が内層12内に浸透するのを
防止できる。したがって、このような場合、被覆管10
は、汚染物質によって土壌が汚染された地域またはその
おそれのある地域(たとえばガソリンスタンド,車両工
場,化学工場等の周辺地域)において埋設される管(た
とえば水道管等)に使用できる。
【0046】また、上述の各実施例では、外層14を剥
ぎ取るためのガイドを設けるようにしているが、外層1
4を、その任意の箇所で任意の方向に手で引き裂くこと
ができるように構成した場合には、ガイドを特に設けな
くてもよい。
【0047】すなわち、たとえば、微細な多数の貫通し
ない孔(凹み)等の傷を穿設する粗面加工を、その全面
にわたって施した熱収縮シート42を用いて、これを熱
収縮させることによって外層14を形成するようにして
もよい。粗面を形成するためには、たとえば周面に微細
な粒子や研磨材等が設けられたローラ等を圧着する方
法、またはサンドブラスト加工を施す方法等が用いられ
得る。なお、傷として貫通孔を含むものを施す場合に
は、シール性確保および内層12保護等の観点から、多
層フィルムとして構成した熱収縮シート42の基材とな
る(外面にならない)フィルム層に対してそのような粗
面加工を施し、シート全体を貫通しないようにするのが
望ましい。
【0048】これらの場合には、その全面にわたって粗
面加工が施されているので、外層14の任意の個所から
引き裂きを手で開始することができるとともに、熱収縮
シート42の延伸方向の配置の如何に拘らず、任意の方
向へ手で引き裂くことができる。このように、外層14
が何らの手掛りなく内層12に密着されていても、簡単
に外層14を剥ぎ取ることができる。したがって、作業
性を著しく向上でき、しかも工具等を用いる必要が全く
なく、内層12に傷が付くおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】図1実施例の製造工程の一部を示す図解図であ
る。
【図3】図2のIII−III矢視の図解図である。
【図4】図1実施例の使用方法を示す図解図である。
【図5】図1実施例の変形例を示す斜視図である。
【図6】この発明の他の実施例を示す斜視図である。
【図7】図6実施例の製造工程の一部を示す図解図であ
る。
【図8】図6実施例の変形例を示す斜視図である。
【図9】この発明の他の実施例を示す斜視図である。
【図10】図9実施例を示す図解図であり、(A)は軸
方向の断面図、(B)は軸方向に直交方向の断面図であ
る。
【図11】図9実施例の製造工程の一部を示す図解図で
ある。
【図12】図9実施例の変形例を示す斜視図である。
【図13】この発明の他の実施例を示す斜視図である。
【図14】この発明の他の実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】 10 …外層被覆ポリオレフィン管 12 …内層 14 …外層 16 …薄肉部 30,34 …ミシン目 42 …熱収縮シート 54 …テープ 56 …立ち上がり部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 陸生 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タビニルパイプ工場内 Fターム(参考) 3H111 AA04 BA15 CB03 CB23 CB28 CC13 DA19 EA04 EA14 4F100 AK03A AK03B AK04B AK07B AK46B AK69B BA02 BA10A BA10B BA31 DA11 DB08B DC13B DD31 JA03B JL01 JL05 JL14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン系合成樹脂からなる内層お
    よび前記内層の外周面を被覆する外層を有する外層被覆
    ポリオレフィン管において、 前記外層を剥ぎ取るためのガイドを設けたことを特徴と
    する、外層被覆ポリオレフィン管。
  2. 【請求項2】前記外層は熱収縮シートを収縮させること
    によって設けられた、請求項1記載の外層被覆ポリオレ
    フィン管。
  3. 【請求項3】ポリオレフィン系合成樹脂からなる内層お
    よび前記内層の外周面を被覆する外層を有する外層被覆
    ポリオレフィン管において、 前記外層は任意の位置から任意の方向へ引き裂き可能に
    形成された熱収縮シートを収縮させることによって設け
    られたことを特徴とする、外層被覆ポリオレフィン管。
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