JP2006183008A - 透過性に優れるフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】
電池用セパレータフィルムやキャパシタフィルム、コンデンサー用フィルム、液体フィルタ・ガスフィルタ等のろ過材等に好適な、透過性に優れしかも、平均孔径が小さく、孔径の分布も小さいフィルムを提供する。
【解決手段】
(1)ガーレー法デンソメーターで測定した透気度が4.5sec/300ml以下
(2)平均孔径が0.1μmないし5.0μm
(3)最大孔径と平均孔径の比(最大孔径/平均孔径)が1.1ないし3.0
であることを特徴とするフィルム。

Description

本発明は、孔径分布が狭く、かつ、著しく優れた透過性を持つフィルムに関するものである。
原子、分子、イオンをなどを選択的に透過するなどを目的したフィルムは種々知られており、例えば、高分子量ポリオレフィン微多孔フィルムは、特許文献1、2特公平7−17782号公報、特開平5−98065公報等に開示された方法で製造可能であり、電池用のセパレーターなどに利用できる。
一方、クリーンルーム用のエアフィルター等用途においては、フィルターにおける圧力損失を最小にするために、さらに優れた透過性、特に気体の透過性が要求されるとともに、捕捉性能を最大化するため、約0.1μmから5μmの孔径範囲において孔径分布が非常に狭いフィルムが要求されている。
特許文献3に開示された方法では孔径については上記要求を満足するものが製造できるが、透過性については十分とはいえない。
特公平7−17782号公報 特開平5−98065号公報 特開平10−306168号公報
本発明が解決しようとする課題は、透過性に優れしかも、平均孔径が小さく、孔径の分布も小さいフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記フィルムを得るために、種々検討した結果、材料と方法を組合わせることで極めて優れた性能の多孔性フィルムが得られることを見出し本発明を完成した。
すなわち本発明は、
(1)ガーレー法デンソメーターで測定した透気度が4.5sec/300ml以下
(2)平均孔径が0.1μmないし5.0μm
(3)最大孔径と平均孔径の比(最大孔径/平均孔径)が1.1ないし3.0
であることを特徴とするフィルムである。
本発明はまた、高分子量ポリオレフィンを溶融押出して得た、フィルムを拘束下で、処理温度以上の沸点を持ち、高分子量ポリオレフィンを溶解可能な第一の液体中において、該フィルムの溶解温度−2℃ないし該不透気性フィルムの溶解温度で熱処理し、続いて、乾燥、延伸、ヒートセットすることからなる透過性に優れるフィルムの製造方法である。
本発明によれば、透過性に極めて優れており、平均孔径が一定の範囲でしかも孔径分布の小さいフイルムを提供でき工業的に極めて価値がある。
本発明のフイルムは非常に高い透過性(ガーレ法デンソメーターで測定した透気度が4.5sec/300ml以下)を示し、しかもその平均孔径が0.1〜5.0μmと小さくしかも最大孔径と平均孔径の比が1.1〜3.0である限りどのようなものでも良い。従来、上記3つの要件を満足するフイルムは発明者らが知る限り知られていない。
ここで、ガーレ法デンソメーターで測定した透気度が4.5sec/300ml以下であるとは、JISP8117で定義された方法であり、原理としては、流体に浮かぶ垂直の内筒(中空)の重さによって空気が圧縮され、この空気が試験片を通り抜け、内筒が下降する。この内筒下降時、一定の空気が試験片を通り抜けるのに要した時間を測定し、計算することによって求めるものであり、具体的には、JISP8117の条件を満足するとされる装置、例えば、株式会社東洋製作所のB型ガーレーデンソメーター2000年製、を用いて上記規格にしめされた手順で測定される。透気度が4.5sec/300mlより小さいことで極めて気体の透過性に優れることが判る。
次ぎに、最大孔径および平均孔径は、ASTM F316−86およびASTM E1294−89に従がって測定された値であり、原理としては、液体によく浸されたサンプルが、液体を満たした毛細管と同様の特性を示し、毛細管内の液体表面張力に打ち勝ち、液体をその細孔から押出す圧力を測定することによって細孔直径を算出するものである。最大孔径は、最初に検出される気泡の地点であり、バブルポイントともいう。また平均孔径は、昇圧しながら実施されるバブルポイントテスト時、測定される濡れ流量曲線(液体含浸時)および乾き流量曲線(液体非含浸時)から得られる1/2乾き流量曲線の交点から計算される。具体的にはASTM F316−86、ASTME1294−89の対応した測定ができる装置、例えば、Porous Materials,Inc 製 Automated Perm Porometer1999年製を用いて上記規格にしめされた手順で測定することで測定される。
平均孔径が0.1〜5.0μmであることで、細菌であるとか浮遊塵などを目詰まりを起さず有効に捕らえることができる。
また最大孔径と平均孔径の比が1.1〜3.0であることは、上限は一部の小さい浮遊塵などが通過してしまうような不具合が起こり難く好ましい範囲であり、下限は、径がそろいすぎることなどによる目詰まりやすい不具合が起こり難く好ましい範囲である。
本発明においては上記要件に加え、フィルムの独立保持性あるいは、フィルターとしての利用のしやすさなどの点から厚さとしては5μm〜10mm、好ましくは、10μ〜1mm、特に、20μm〜200μmである。
以下に、本発明のフィルムについて製造方法の一例を示しながら詳しく説明する。使用する材料としては、フィルム状に成形できしかも機械強度に優れておればどのようなものでも良いが、熱可塑性樹脂、特に結晶性のそれが好ましく利用できる。中でもポリオレフィンは安価であり、取り扱い易く好ましい。特に、高分子量ポリオレフィンを利用すると好ましいことがある。
好ましく利用される、高分子量ポリオレフィンとは、エチレン、プロピレンおよび炭素数4ないし8のα−オレフィンを、公知の方法により重合したものを用いることができ、市場で種々の構造、分子量、分子量分布のものが入手でき利用できる。例えば、極限粘度〔η〕が6.0dl/gよりも大きく20.0dl/gより小さいポリエチレンを利用して、以下の方法で本発明のフィルムとすることは好ましい例である。
上記、ポリエチレンを用いまず、フィルム状に成形する。成形方法としては、どのような方法であっても良いがインフレーションフィルム成形法または、Tダイ成形、カレンダー成形またはベルトプレス成形等によるシート成形後の延伸によるフィルム成形が使用できる。インフレーション法で成形したものが好ましく利用できポリエチレンを用いる場合には成形に際しての好ましいドラフト比は、5ないし18であり、より好ましくは4ないし15である。また好ましい膨比は、5ないし14であり、より好ましくは7ないし12である。さらに、ドラフト比と膨比の積(面倍率)は150倍以下、より好ましくは140倍以下である。ドラフト比とはインフレーションフィルムダイのリップ出口でのフィルム樹脂の流出速度(線速度)に対する冷却固化したチューブフィルムの引き取り速度の比であり、また膨比とは、インフレーションフィルムダイ出口における膨張前のチューブ円周長さに対する冷却固化したチューブフィルムの円周長さの比である。次ぎの処理を行なう前に、フィルムは、二軸配向していることが好ましいことがある。
上記工程で得られたフィルムは拘束下で、処理温度以上の沸点を持ち、高分子量ポリオレフィンと親和性があり且つ溶解可能な第一の液体中において、該不透気性フィルムの溶解温度−2℃ないし該不透気性フィルムの溶解温度で熱処理し、続いて、第一の液体と相溶性があり、第一の液体より沸点が低い第二の液体に浸漬した後、乾燥およびヒートセットされることで本発明のフィルムとすることができる。
この一例の方法においては、フィルムを特定温度で溶媒中で加熱処理することが重要である。特定温度とは、処理前フィルムの溶解温度(第一の液体中において溶解破膜してフィルム形状を維持できないもっとも低い温度)−2℃ないし溶解温度、より好ましくは、処理前フィルムの溶解温度−2℃ないし溶解温度−0.5℃であると効率よく本発明のフィルムを製造することができる。これらの処理の際には、収縮を妨げるように、好ましくは少なくとも一方向で、最も好ましくは、直交する二方向で固定されて拘束される。収縮が余儀なくされる場合は長さおよび幅方向で10%以下とするのが好ましい。
多孔化処理により、全体としてはフィルム結晶化度が上がる現象が生じるのが一般的である。
第一の液体としては、2種または2種以上の混合物として使用することもできる。ベンゼン、キシレン、テトラリンは、高分子量ポリオレフィンを多孔化処理温度で処理前フィルムの全部を溶解するため、好ましくない。ポリエチレンおよびポリプロピレンに対する好適な第一の液体は、オクタン、デカン、ドデカン、パラフィンオイル、溶融パラフィンワックスやそれらを主成分とする液体、これらの少なくとも一種類以上の組成物の液体である。
ここで、処理時間は、処理すべきポリオレフィンフィルムの種類等により異なるが、処理前フィルムが処理温度に到達後、10秒ないし10分間、好ましくは30秒ないし5分間、特に好ましくは1分ないし5分間保持される。
前記第一の液体中で熱処理を行ったフィルムは、乾燥処理が行われる。処理に用いた液体の種類にもよるが、通常第一の液体と相溶性があり、その液体より沸点が低くかつその液体よりも高分子量ポリオレフィンとの親和性に劣る第二の液体に浸漬して、乾燥することが好ましい。さらに、乾燥する際にも、処理フィルムは収縮を抑えるように、好ましくは少なくとも一方向で、最も好ましくは直交する二方向で固定される。収縮が余儀なくされる場合の好ましい収縮の許容範囲は長さおよび幅方向で10%以下である。
ここで高分子量ポリオレフィンと親和性を持つとは、高分子量ポリオレフィンフィルムに液体が充分に馴染むことであり、表面張力が小さいと言い換えることもできる。そしてその尺度としては、接触角で100度以下、好ましくは90度以下、更に好ましくは80度以下の液体である。なお、表面張力は、市販の自動接触角計を用い、常法で測定できる。
用いることのできる第二の液体の例としては、ヘキサン、ヘプタンのような低沸点炭化水素、塩化メチレンのような塩素置換低沸点炭化水素、1,2−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1、1ージクロロー1ーフルオロエタン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノールのような塩素フッ素置換低沸点炭化水素、エチルパーフルオロイソブチルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテルのようなフッ素置換炭化水素基を少なくとも1つ有するエーテル化合物等である。浸漬温度や浸漬時間は、熱処理温度以下で液体の置換が完全に行われる条件のうち、最低の温度と最短の時間が選ばれる。
特に、高透過性を得ようとする場合、結晶化速度を制御するため、第二の液体がフッ素置換炭化水素化合物またはフッ素置換炭化水素基を少なくとも1つ有するエーテル化合物であることが好ましく、さらに好ましくは、第一の液体がパラフィンオイルであり、第二の液体がフッ素置換炭化水素化合物またはフッ素置換炭化水素基を少なくとも1つ有するエーテル化合物であることがさらに好ましい。
乾燥処理の方法としては特に制限はないが、30ないし50℃の比較的低温で溶媒を除去した後、温度を高くして完全に溶媒を除去するのが好ましい。乾燥に際しあるいは乾燥の後、高分子量ポリオレフィン多孔フィルムは、皺の除去、空孔率やフィルム厚みの調整、シート表面摩擦抵抗の低減、熱収縮の低減のために、ヒートセットを行ってもよい。ヒートセットとは、上記多孔フィルムの直交する二方向を固定した状態で加熱することをいい、その際の条件は、気体(空気)雰囲気下で所望の物性値を得るために必要な温度や処理時間などが適宜選ばれるが、通常、多孔化処理後のフィルムの融点以下で最適な温度と時間が決められる。
本発明においては、高透過性を得るため、上記多孔化処理後のフィルムを少なくとも一方向に延伸することが好適である。延伸する場合の温度としては、多孔化処理後のフィルムの融点以下で行われる。延伸温度の下限は高分子量ポリオレフィンの種類による。高分子量ポリオレフィンがポリエチレンであれば、80℃ないし熱処理後フィルムの融点以下、好ましくは100ないし130℃、最も好ましくは115℃ないし125℃であるである。延伸倍率は、一軸延伸の場合1.1倍以上、好ましくは1.5倍以上、より好ましくは3倍以上7倍未満である。一軸延伸の場合には一定幅一軸延伸が好ましい。二軸延伸の場合には、延伸倍率の積(一方向の延伸倍率×一方向に直行する方向の延伸倍率)で10倍以上、好ましくは12倍以上である。延伸方法は、横方向の幅の収縮(幅落ち)を最小限に抑えた一軸延伸、もしくは、テンタークリップで横方向の収縮を妨げた一軸延伸や、通常の二軸延伸試験機で行われる全テンタークリップ方式による逐次もしくは同時二軸延伸、さらには、一段目を一対のロールで延伸し、次いでテンタークリップで横方向に延伸する連続逐次二軸延伸、または連続テンタークリップ方式の連続同時二軸延伸が適用できる。このうち最も好ましいのは、連続テンタークリップ方式の連続同時二軸延伸である。延伸後のヒートセットは、多孔化処理後と同様な方法で実施されるが、延伸による融点上昇も加味し、高分子量ポリエチレンの場合概ね120℃ないし140℃が好ましい。
上記、説明から明らかなようにヒートセット、乾燥、延伸の順序については工夫が可能であり、特に乾燥とヒートセットは少なくとも部分的に同時に行なうことが可能であるし、連続的に行なうことも可能であり必ずしも上記記載の順序にとらわれる必要はない。
さらに、本発明の高分子量ポリオレフィン多孔フィルムは、各種用途に使用するため公知の化学的表面処理や物理的表面処理を実施してもよい。例えば、界面活性剤で処理する方法、フッ素コートする方法、スルホン化剤により表面改質する方法、フッ素ガス等のガス処理を行って官能基を付加する方法、またはコロナ放電処理、プラズマ処理および電子線処理からなる群より選ばれる1種の方法で表面処理するか、あるいはフィルムの表面に、親水性基を有するビニル単量体を重合させる方法ならびにこれらの方法の組み合わせによる方法等が挙げられる。
本発明のフィルムは請求項1に記載した要件を満足するだけでなく、上記方法で製造した場合には以下の特性を有するものが得られ、用途によっては好ましい態様となる。
重量法で測定した空孔率は、65%以上であるものが得られる。用途によっては、好ましくは75%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは87%以上のものである。空孔率が65%を下回るものでは、透過性が比較的劣るものがある。また、空孔率の上限は特に定めないが、実用的な強度を得るためには通常95%以下であるのが好ましい。
本発明のフィルムのイソプロパノール流量は、5ml/min・cm2以上である場合があり、上記方法で得られたものは、10ml/min・cm2以上、特に、20ml/min・cm2以上、条件が整えば30ml/min・cm2以上であるような特性を有する。
上記方法で得られたフィルムの50kPaでの空気流量は、120L/min以上、特に140L/min以上、条件が整えば、160L/min以上である。
本発明における前記特性は、下記の方法によって測定されたものである。
〈極限粘度〉本明細書中での極限粘度は、デカリン溶媒にて135℃で測定する値である。測定法はASTM D4020に基づいて行う。
〈膜厚〉
株式会社セイコーイーエム製、計太郎Gにて測定した。コンタクトアンビルは908H(φ12、R30)を使用した。
〈空孔率〉
重量法で測定した。試料フィルム重量を測定し、密度を0.95g/cm3 として、緻密フィルムとしての厚み(T)を計算で求め、上述の膜厚測定機による値(T)との関係で求めた。
空孔率(容積%)=(T-T)÷T×100
〈透気度〉
JIS P8117に従がって、東洋精機製作所製B型ガーレーデンソメーターにより測定した。
〈最大孔径・平均孔径〉
ASTM F316−86に従がって、Porous Materials,Inc.製 Automated Perm Porometerを使用し、測定液体フロリナートFC−40(3M製)で測定した。
〈空気流量〉
ASTM F316−86に従がって、Porous Materials,Inc.製 Automated Perm Porometerを使用して測定した。測定値は、ドライ測定時の流量曲線から、50kPa時の流量を算出した。測定サンプル面積は、直径4.25cmφで実施した。
〈イソプロパノール流量〉
JIS K3831に従って、加圧法で、差圧0.01MPaで室温23℃で測定した。測定セルには、ステンレス製フィルターホルダーKS−47(東洋濾紙株式会社製)を使用した。
〈処理前フィルムの溶解温度〉
溶解温度は、直交する二方向で固定されて拘束された処理前フィルムを、各温度の第一の液体浸漬し、1分間で破膜する温度とした。
以下に実施例を示し、本発明について具体的な一例を示す。
特公平6−55433号公報に示すインフレーションフィルムの成形装置において、下記の仕様による装置を用いて高分子量ポリエチレン製の処理前フィルムを成形した。
装置の仕様
押出機の第1スクリュー外径50mmφ;スクリュー有効長さ1100mm;フライトピッチ30mm一定;スクリュー圧縮比1.8;押出機に対して立設してなるスクリューダイ有効長さ1490mm(L/D=28);ダイ出口アウターダイ内径53mmφ、ダイ出口マンドレル外径45mmφ;S1/S2=1.17;S2/S3=3.14;スクリューダイの第2スクリュー外径70mmφ;第2スクリュー有効長さ238mm;フライトピッチ25mm一定;第2スクリュー圧縮比1.0;安定棒の外径39mmφ;安定棒長さ600mm;第2スクリュー内部、マンドレル内部及び安定棒シャフト内部に延在してなる8mmφの気体流路、安定板、ピンチロール及び製品巻取機を具備してなる。ここで、S1は、第2スクリュー先端部20Aの樹脂流路の断面積、S2は、スクリューダイ中間部20B5の樹脂流路の断面積、S3は、スクリューダイ出口部20Cでの樹脂流路の断面積である。
(実験例)
処理前フィルム成形
高分子量ポリエチレンの粉末樹脂を用い、押出機、ジョイント部(J)、ダイ基部(D1)及びダイ先端部(D2)の設定温度を各々205℃、180℃、160℃、160℃にし、第1スクリュー回転数を21rpm、第2スクリュー回転数を4.5rpmに設定し、ピンチロールで各ドラフト比で引取りながら、第2スクリュー内部、マンドレル及び安定棒シャフトの内部に延在してなる8mmφの気体流路から圧搾空気を吹込んで、膨比8.9倍に膨らませて、高分子量ポリエチレンインフレーションフィルムを成形した。使用した原料の極限粘度〔η〕は、7.0dl/g、ドラフト比は、10.8(ドラフト比と膨比の積96.1)、得られたフィルムの溶解温度は123.9℃であった。
多孔化処理
多孔化処理は、第1の液体には、パラフィンオイル(粘度4.3cSt/40℃)を使用し、処理時間は、280secとした。第二の液体には、50℃に加温したハイドロフルオロエーテル(HFE−7200:3M社製)を使用し、約30分浸漬した。多孔化処理温度は123.1℃で実施した。多孔化処理後のヒートセットは、125℃で1分実施した。多孔化処理およびヒートセットは、直交する二方向で固定した状態で実施した。得られた多孔フィルムの物性を表1に示す。
(実施例1および2)
延伸
上記実験例の高分子量ポリエチレン多孔フィルムを岩本製作所製バッチ式二軸延伸機にて、延伸温度120℃、延伸速度約1m/min、延伸倍率3×3倍(実施例1)および3.5×3.5倍(実施例2)で同時二軸延伸を実施した。ヒートセットは、直交する二方向で固定した状態で121℃で5分間実施した。表2に得られたフィルムの特性を示す。
本発明によれば、従来にない著しく優れた透過性と適度な孔径を有する高分子量ポリオレフィン多孔フィルムが提供され、その優れた特性を利用して、電池用セパレータフィルムやキャパシタフィルム、コンデンサー用フィルム、液体フィルタ・ガスフィルタ等のろ過材に使用した場合、保液性や粒子等の捕捉性を向上させると同時に、イオンや液体・ガスの著しく優れた透過性を得ることが可能となる。また、通気性フィルムの用途、ハウスラップ等の透湿防水用途、その他衣料・包装・印刷分野の用途に好適に供される。

Claims (8)

  1. (1)ガーレー法デンソメーターで測定した透気度が4.5sec/300ml以下
    (2)平均孔径が0.1μmないし5.0μm
    (3)最大孔径と平均孔径の比(最大孔径/平均孔径)が1.1ないし3.0
    であることを特徴とするフィルム。
  2. ポリオレフィン製である請求項1に記載のフィルム。
  3. イソプロパノール流量が5.0ml/min・cm2以上である請求項1のフィルム。
  4. 50kPaでの空気流量が120L/min以上である請求項1記載のフィルム。
  5. 高分子量ポリオレフィンを溶融押出して得た、フィルムを拘束下で、処理温度以上の沸点を持ち、高分子量ポリオレフィンを溶解可能な第一の液体中において、該フィルムの溶解温度−2℃ないし該不透気性フィルムの溶解温度で熱処理し、続いて、乾燥、延伸、ヒートセットすることからなる透過性に優れるフィルムの製造方法。
  6. 請求項1に記載のフィルムからなるフィルター。
  7. 請求項1に記載のフィルムをセパレーターとして用いた電池。
  8. 請求項1に記載のフィルムをフィルターとして用いたクリーンルーム。

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