JP2006182617A - 急結剤及びこれを用いた吹付材 - Google Patents

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Abstract

【課題】セメントと急結剤を除く混和材料に含まれる石膏の合計が、セメント100重量部に対しSO換算で5重量部を超えるベースコンクリートに急結剤を添加する場合に、吹付材の初期強度がセメントの品質変動の影響を受け難く且つ高い急結剤及び吹付材を提供すること。
【手段】セメントと急結剤を除く混和材料に含まれる石膏の合計が、セメント100重量部に対しSO換算で5重量部を超えるベースコンクリートに添加する急結剤であって、カルシウムアルミネート類と、NaO/Alのモル比が0.65以上1.00未満であるアルミン酸ナトリウムとを含む急結剤。また、SO換算で5重量部を超えるベースコンクリートと、上記の急結剤とを含有する吹付材。
【選択図】なし

Description

本発明は、トンネル、地下空間、法面等の建設工事に適する吹付け工法に用いる吹付材及びこれに用いる急結剤に関し、特に、初期強度がセメントの品質変動の影響を受け難く且つ高い吹付材及びこれに用いる急結剤に関する。
トンネル、地下空間、法面等の建設工事においてコンクリートを打設する方法として、吹付けコンクリート即ち吹付材を用いた吹付け工法が用いられている。一般の吹付け工法においては、ベースコンクリートと急結剤を別々の輸送管を通して別経路で圧送し、圧送途中で合流混合した後に吹付けノズルの筒先より地山等に吹き付けている。近年、吹付材には、施工サイクルを短縮させることや安全性を向上させることを目的として、高い初期強度となる吹付材が求められている。その例として、セメントとセッコウとを主成分とするベースコンクリートと、カルシウムアルミネートを主成分とする急結剤とを含有してなる吹付材が知られている(例えば特許文献1参照。)。
しかしながら、本発明者らの研究により、セメントと急結剤を除く混和材料に含まれる石膏の合計が、セメント100重量部に対しSO換算で5重量部を超えるベースコンクリートに急結剤を添加すると、吹付材の初期強度がセメントの品質変動の影響を受けやすいという現象が見られた。例えば、吹付材の材齢10分における圧縮強度が2.0N/mm以上必要な場合に、セメントの品質が変わったために材齢10分における圧縮強度が3.0N/mmから0.8N/mmに低下した。吹付けコンクリートが所要の強度を満たしていない場合に次工程の作業を行うと、地山が崩落するといった重大事故につながる虞がある。解決策として、吹付材施工毎に試験吹付けを行い、初期強度を確認し、強度が低すぎる場合には急結剤添加量等の調整により初期強度を高め、その後に吹付け施工を行なう方法も考えられるが、試験回数が極めて多くなるため、現実的ではない。セメントの品質変動は、特に異なった製造元の複数のセメントを用い且つこれらを予め混合せずに用いる場合に大きく、その影響も大きい。
特許第3412794号公報
本発明は前記問題の解決、即ち、セメントと急結剤を除く混和材料に含まれる石膏の合計が、セメント100重量部に対しSO換算で5重量部を超えるベースコンクリートに急結剤を添加する場合に、吹付材の初期強度がセメントの品質変動の影響を受け難く且つ高い急結剤を提供することを目的とする。また、本発明は、初期強度がセメントの品質変動の影響を受け難く且つ高い吹付材を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題解決のため鋭意検討した結果、用いる急結剤及び用いるベースコンクリートを各々特定のものにすることで、吹付材の初期強度がセメントの品質変動の影響を受け難く且つ高くなることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は、以下の(1)〜(3)で表す急結剤、並びに(4)で表す吹付材である。
(1)セメントと急結剤を除く混和材料に含まれる石膏の合計が、セメント100重量部に対しSO換算で5重量部を超えるベースコンクリートに添加する急結剤であって、カルシウムアルミネート類と、NaO/Alのモル比が0.65以上1.00未満であるアルミン酸ナトリウムとを含む急結剤。(2)セメントと急結剤を除く混和材料に含まれる石膏の合計が、セメント100重量部に対しSO換算で5重量部を超えるベースコンクリートに添加する急結剤であって、カルシウムアルミネート類とアルミン酸ナトリウムの合計100重量部に対し、カルシウムアルミネート類70〜98重量部と、NaO/Alのモル比が0.65以上1.00未満であるアルミン酸ナトリウム2〜30重量部とを含む上記(1)の急結剤。(3)更に、カルシウムアルミネート類とアルミン酸ナトリウムの合計100重量部に対し、水和活性アルミナ類5〜20重量部を含む上記(1)又は(2)の急結剤。(4)セメントと急結剤を除く混和材料に含まれる石膏の合計が、セメント100重量部に対しSO換算で5重量部を超えるベースコンクリートと、上記(1)〜(3)の急結剤とを含有する吹付材。
本発明によれば、セメントと急結剤を除く混和材料に含まれる石膏の合計が、セメント100重量部に対しSO換算で5重量部を超えるベースコンクリートに急結剤を添加する場合に、吹付材の初期強度がセメントの品質変動の影響を受け難く且つ高い急結剤が得られる。また、初期強度がセメントの品質変動の影響を受け難く且つ高い吹付材が得られる。地山等に吹き付けた吹付材の初期強度が安定して高いので、施工サイクルを短縮させることができ且つ安全性が高い吹付材及び吹付け工法が得られる。
本発明の急結剤は、セメントと急結剤を除く混和材料に含まれる石膏の合計が、セメント100重量部に対しSO換算で5重量部を超えるベースコンクリートに添加する急結剤であって、カルシウムアルミネート類と、NaO/Alのモル比が0.65以上1.00未満であるアルミン酸ナトリウムとを含むものとする。好ましくは、カルシウムアルミネート類とアルミン酸ナトリウムの合計100重量部に対し、カルシウムアルミネート類70〜98重量部と、NaO/Alのモル比が0.65以上1.00未満であるアルミン酸ナトリウム2〜30重量部とを含むものとする。より好ましくは、更に、カルシウムアルミネート類とアルミン酸ナトリウムの合計100重量部に対し、水和活性アルミナ類5〜20重量部を含むものとする。尚、本発明の急結剤をベースコンクリートに添加する方法は、特に限定されない。
本発明に使用するカルシウムアルミネート類としては、カルシウムアルミネート、カルシウムハロアルミネート、カルシウムナトリウムアルミネート、カルシウムサルホアルミネート並びにこれらにSiO、KO、Fe、TiO等が固溶又は化合したもの群から選ばれる一種又は二種以上を用いることができる。これらのカルシウムアルミネート類は、化合物、固溶体、ガラス質又はこのうち二種以上が共存するものであっても良い。用いるカルシウムアルミネート類の粉末度は、吹付材の初期強度が高いことから、ブレーン比表面積で4000cm/g以上が好ましく、5000cm/g以上がより好ましい。
本発明の急結剤におけるカルシウムアルミネート類の含有量は、カルシウムアルミネート類とアルミン酸ナトリウムの合計100重量部に対し、カルシウムアルミネート類70〜98重量部とすることが好ましい。70重量部未満の場合、急結性が低下するとともに吹付材の長期強度が低くなるので好ましくない。98重量部を超えると、セメントと急結剤を除く混和材料に含まれる石膏の合計が、セメント100重量部に対しSO換算で5重量部を超えるベースコンクリートに急結剤を添加する場合に、吹付材の初期強度がセメントの品質変動の影響を受け易くなるので好ましくない。より好ましいカルシウムアルミネート類の含有量は、カルシウムアルミネート類とアルミン酸ナトリウムの合計100重量部に対し、カルシウムアルミネート類80〜90重量部とする。
本発明に使用するアルミン酸ナトリウムは、NaO/Alのモル比が0.65以上1.00未満であるアルミン酸ナトリウムとする。NaO/Alのモル比が1.00以上では、セメントと急結剤を除く混和材料に含まれる石膏の合計が、セメント100重量部に対しSO換算で5重量部を超えるベースコンクリートに急結剤を添加する場合に、吹付材の初期強度がセメントの品質変動の影響を受け易い。また、NaO/Alのモル比が0.65未満では、急結性が低下し、吹付材の初期強度が低下する。好ましくは、NaO/Alのモル比が0.72〜0.95であるアルミン酸ナトリウムとする。
本発明の急結剤におけるアルミン酸ナトリウムの含有量は、カルシウムアルミネート類とアルミン酸ナトリウムの合計100重量部に対し、アルミン酸ナトリウム2〜30重量部とすることが好ましい。2重量部未満の場合、セメントと急結剤を除く混和材料に含まれる石膏の合計が、セメント100重量部に対しSO換算で5.0重量部を超えるベースコンクリートに急結剤を添加する場合に、吹付材の初期強度がセメントの品質変動の影響を受け易くなるので好ましくない。30重量部を超えると、急結性が低下するとともに吹付材の長期強度が低くなるので好ましくない。より好ましいアルミン酸ナトリウムの含有量は、カルシウムアルミネート類とアルミン酸ナトリウムの合計100重量部に対し、アルミン酸ナトリウム10〜20重量部とする。
本発明の急結剤に、更に、カルシウムアルミネート類とアルミン酸ナトリウムの合計100重量部に対し、水和活性アルミナ類5〜20重量部を含むと、急結性が高まるので好ましい。より好ましくは、5〜15重量部とする。最も好ましくは、10〜15重量部とする。20重量部を超えると、カルシウムアルミネート類及びアルミン酸ナトリウムの含有量が減るために急結性が高まらず、吹付材の初期強度又は長期強度が不足することがある。また、5重量部未満では、水和活性アルミナ類を含有させた効果が得難い。
本発明で使用する水和活性アルミナ類としては、水又は水の存在下においてその他の急結成分やセメントと速やかに反応する活性の高い非晶質又は結晶度の低いアルミナ物質、或いは水酸化アルミニウムで、例えば活性アルミナ、水硬性アルミナ、γ−アルミナ、ベーマイト、水酸化アルミニウム等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を使用することができる。尚、α−アルミナは結晶度が高く、活性が低いので適当ではない。当該水和活性アルミナ類の平均粒子径は200μm以下が好ましく、より好ましくは30μm以下、最も好ましくは15μm以下とする。尚、ここで平均粒子径とは、レーザー回折・散乱法により求めたものとする。
本発明の吹付材は、セメントと急結剤を除く混和材料に含まれる石膏の合計が、セメント100重量部に対しSO換算で5重量部を超えるベースコンクリートと、上記の急結剤とを含有する。上記の急結剤の使用量は、セメント100重量部に対し、3〜15重量部が好ましく、より好ましくは7〜12重量部とする。3重量部未満では吹付材の初期強度又は/及び長期強度が不足することがあり、15重量部を超えると吹付材の長期強度が低下することがある。
本発明で使用するベースコンクリートは、セメントと急結剤を除く混和材料に含まれる石膏の合計が、セメント100重量部に対しSO換算で5重量部を超えるコンクリートを用いる。5重量部以下では吹付材の初期強度が不足する。吹付材の長期強度が高くなることから、好ましくはセメントと急結剤を除く混和材料に含まれる石膏の合計が、セメント100重量部に対しSO換算で5重量部を超え20重量部以下とし、より好ましくは5重量部を超え15重量部以下、最も好ましく5重量部を超え10重量部以下はとする。セメントと急結剤を除く混和材料に含まれる石膏の合計が20重量部を超えると、吹付材の長期強度が低下するので好ましくない。使用する石膏の種類は特に限定されず、無水石膏、半水石膏、ニ水石膏から選ばれる一種を単独使用又二種以上を併用してもよい。また、石膏の粉末度は、より少ない石膏の使用量で高い初期強度が得られることから、ブレーン比表面積で4000cm/g以上が好ましく、6000cm/g以上がより好ましい。ベースコンクリートへ石膏を含有させる方法は特に限定されず、例えばセメント中に含有させても、急結剤を除く混和材料中に含有させても、又別途石膏単独でベースコンクリートに混和しても良く、これらを組み合わせても良い。
本発明で使用するベースコンクリートには、少なくともセメント及び水が含まれ、本発明の効果を損なわない範囲で、必要により更にモルタルやコンクリートで使用可能な骨材や混和材料を添加しても良い。セメントとしては、例えば、普通,早強,中庸熱,低熱ポルトランドセメント等のポルトランドセメントや、高炉セメント,フライアッシュセメント等の混合セメント、或いは、都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰等の廃棄物を原料として利用したエコセメント等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を使用することができる。また、骨材としては、例えば、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、川砂利、陸砂利、砕石及び人工骨材等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を使用することができる。また、混和材料としては、例えば、高性能減水剤,高性能AE減水剤,AE減水剤及び流動化剤を含む減水剤、シリカフューム等のポゾラン、高炉スラグ等の潜在水硬性物質、石粉、樹脂エマルション、膨張材、起泡剤、発泡剤、防錆剤、顔料、繊維、撥水剤、防水材、消泡剤、凝結遅延剤、硬化促進剤、粉塵低減剤、収縮低減剤、水中不分離性混和剤等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を本発明による効果を阻害しない範囲で使用することができる。
本発明の吹付材を製造する方法及び使用する方法は、特に限定されない。
以下、実施例により本発明を説明する。
[使用材料]
セメント:表1に化学組成を示す市販品の普通ポルトランドセメントA〜Eの5種
高性能減水剤:ポリカルボン酸系高性能減水剤(商品名;NT−1000S、(株)エヌエムビー製)
細骨材:海砂(密度:2.56g/cm,粗粒率:2.26)と石灰石砕砂(密度:2.66g/cm,粗粒率:3.04)の6:4(質量比)の混合物
粗骨材:砕石(密度:2.72g/cm,最大寸法:15mm)
カルシウムアルミネート類:12CaO・7Al組成の非晶質(以下略称「C12」という。)
アルミン酸ナトリウム1:NaO/Alのモル比が1.21であるアルミン酸ナトリウム(以下略称「AN1」という。)
アルミン酸ナトリウム2:NaO/Alのモル比が0.95であるアルミン酸ナトリウム(以下略称「AN2」という。)
アルミン酸ナトリウム3:NaO/Alのモル比が0.81であるアルミン酸ナトリウム(以下略称「AN3」という。)
アルミン酸ナトリウム4:NaO/Alのモル比が0.72であるアルミン酸ナトリウム(以下略称「AN4」という。)
アルミン酸ナトリウム5:NaO/Alのモル比が0.55であるアルミン酸ナトリウム(以下略称「AN5」という。)
水和活性アルミナ類:非晶質アルミナ、平均粒子径;15μm(堀場社製レーザー回折・散乱式粒子径測定装置(型番:LA−900)で得た値)
石膏:無水石膏(ブレーン比表面積で6000cm/g)
Figure 2006182617
[急結剤の製造]
上記カルシウムアルミネート類、アルミン酸ナトリウム1〜5、及び水和活性アルミナ類を表2に示す配合で、ヘンシェルミキサを用いて混合し、各種急結剤(急結剤A〜M)を製造した。
Figure 2006182617
[貫入抵抗試験による初期強度発現性評価]
内径12cm、深さ16cmの円筒型ポリ容器にセメント500gに石膏50g混合した粉体550gを投入し、水244gと高性能減水剤6gを加え、直径4cmの撹拌羽付ハンドミキサーを用いて1,000rpmの回転数で1分間混合しベースコンクリートに相当するセメントペーストを製造した後、急結剤45gを添加して5秒間攪拌し、吹付材に相当する急結性セメントペーストを作製した。この作製した急結性セメントペーストに、先端が平面な直径2mmの丸鋼からなる貫入針を1インチ貫入させたときの抵抗値、即ちプロクター貫入抵抗値を、急結剤の添加10分後に測定した。このプロクター貫入抵抗値は、吹付材の初期強度特性を示すものである。表3及び表4に、用いたセメントの種類、用いた急結剤の種類、各急結性セメントペーストのプロクター貫入抵抗値の結果及びその評価を示した。評価基準は、材齢10分後のプロクター貫入抵抗値が50N/mm以上である場合を良好とし、50N/mm未満を不良と評価した。プロクター貫入抵抗値が50N/mm以上であれば、圧縮強度で2N/mm以上であることを意味する。また、ベースコンクリートに相当する各セメントペーストにおける、セメントと急結剤を除く混和材料に含まれる石膏の合計は、セメント100重量部に対しSO換算で、セメントA、B、C及びEを用いたものが8.2重量部、セメントDを用いたものが8.3重量部であった。
Figure 2006182617
Figure 2006182617
セメントが異なっても、本発明の急結剤(急結剤A〜I)を用いた試験No.1−1〜1−33全ての材齢10分におけるプロクター貫入抵抗値とも、50N/mm以上であった。特に、カルシウムアルミネート類とアルミン酸ナトリウムの合計100重量部に対し、水和活性アルミナ類5〜20重量部を含む急結剤(急結剤G〜I)を用いた試験No.1−19〜1−33は、プロクター貫入抵抗値が全て80N/mm以上、特に試験No.1−24〜1−33は、全て90N/mm以上と高い値であった。
それに比べ、アルミン酸ナトリウムを含まない急結剤(急結剤J)を用いたNo.1−34〜1−38の材齢10分におけるプロクター貫入抵抗値は、何れも50N/mm未満であった。また、NaO/Alのモル比が1.00以上であるアルミン酸ナトリウムを含む急結剤(急結剤K)を用いたNo.1−39〜1−43の材齢10分におけるプロクター貫入抵抗値は、50N/mmを大幅に越える値もあるが、15N/mmも見られ、セメントにより大きく異なった。NaO/Alのモル比が0.65未満であるアルミン酸ナトリウムを含む急結剤(急結剤M)を用いたNo.1−45〜1−49の材齢10分におけるプロクター貫入抵抗値は、50N/mmを越える値もあるが、50N/mm未満のものも見られ、また、本発明の急結剤(急結剤A〜I)を用いた場合に比べて小さい値であった。
[吹付材の引抜き方法による初期強度試験]
表5に示す配合のベースコンクリートを200リットルのパン型ミキサーで練混ぜ製造した。製造したベースコンクリートを吹付け装置(商品名「アリバー260」)を使用して圧送し、急結剤を急結剤供給装置(日本プライブリコ(株)製,商品名「Qガン」)を使用して圧送し、Y字管でベースコンクリートと急結剤とを合流混合させ吹付けコンクリート即ち吹付材を製造した。このときの急結剤の添加量は、セメント100重量部に対して9.0重量部とした。吹付材の初期強度として、JSCE−G 561−1999「引抜き方法による吹付けコンクリートの初期強度試験方法」に従い材齢10分の引抜き強度を測定し、この引抜き強度の値を4倍することで、圧縮強度を求めた。引抜き強度を換算することで求めた圧縮強度、使用したセメントの種類及び使用した急結剤の種類を、合わせて表6に示す。なお、各ベースコンクリートにおける、セメントと急結剤を除く混和材料に含まれる石膏の合計は、セメント100重量部に対しSO換算で、セメントA、B、C及びEを用いたものが7.0重量部、セメントDを用いたものが7.1重量部であった。
Figure 2006182617
Figure 2006182617
本発明の実施例に相当する試験No.2−1〜2−10全てにおいて、材齢10分の圧縮強度が3.0N/mm以上と高く且つセメントの品質変動に影響され難かった。
本発明によれば、地山等に吹き付けた吹付材の初期強度がセメントの品質変動の影響を受け難く且つ高いので、トンネル等のコンクリートを吹き付ける建設工事に好適に用いることができる。吹き付けたコンクリートの初期強度が安定的に高いので、工期を短くする必要のある建設工事に、特に好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. セメントと急結剤を除く混和材料に含まれる石膏の合計が、セメント100重量部に対しSO換算で5重量部を超えるベースコンクリートに添加する急結剤であって、カルシウムアルミネート類と、NaO/Alのモル比が0.65以上1.00未満であるアルミン酸ナトリウムとを含む急結剤。
  2. セメントと急結剤を除く混和材料に含まれる石膏の合計が、セメント100重量部に対しSO換算で5重量部を超えるベースコンクリートに添加する急結剤であって、カルシウムアルミネート類とアルミン酸ナトリウムの合計100重量部に対し、カルシウムアルミネート類70〜98重量部と、NaO/Alのモル比が0.65以上1.00未満であるアルミン酸ナトリウム2〜30重量部とを含む請求項1記載の急結剤。
  3. 更に、カルシウムアルミネート類とアルミン酸ナトリウムの合計100重量部に対し、水和活性アルミナ類5〜20重量部を含む請求項1又は請求項2記載の急結剤。
  4. セメントと急結剤を除く混和材料に含まれる石膏の合計が、セメント100重量部に対しSO換算で5重量部を超えるベースコンクリートと、請求項1〜請求項3記載の急結剤とを含有する吹付材。
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