JP2006181474A - マイクロプロセス方法及び装置並びにマイクロ分析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 流体に含まれる流体成分の沸点以上の温度で行われるプロセスを含むプロセス系への応用に好適な、マイクロプロセス方法を提供すること。
【解決手段】 本発明のマイクロプロセス方法は、プロセスが行われる微小流路21を有するマイクロ流体デバイス2及び微小流路21に連通する移送流路25を含むマイクロプロセス系内に原流体を供給しつつ、前記プロセスを経て微小流路21から流出されるプロセス流体を、移送流路25を通して移送する工程を具備する。前記原流体及び前記プロセス流体に含まれる最低沸点流体成分の蒸気圧以上の圧力下で、前記マイクロプロセス系内に前記原流体を供給しつつ前記プロセス流体を微小流路21外に移送する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、化学反応等の各種のプロセスが微小流路内で行われるマイクロ流体デバイスを用いたマイクロプロセス方法及び装置並びにマイクロ分析方法に関する。
近年、幅数μm〜数百μmの微小流路を有するマイクロ流体デバイスをマイクロチップに集積し、各マイクロ流体デバイス内で化学反応等の各種プロセスを行って物質の合成や分析等のプロセス系に応用するマイクロプロセス技術に関する種々の提案がなされている(下記特許文献1及び2参照)。
特開2004−105962号公報 特開2003−279584号公報
ところで、マイクロプロセス技術を応用するプロセス系によっては、該プロセス系に供される流体をそれに含まれる流体成分の沸点以上の温度に加熱するプロセスが含まれる場合がある。このようなプロセスが含まれていると、該プロセス系においてその後に続くプロセスに前記流体成分の沸騰による物質分布の変動の影響が及ばないようにする必要がある。
そこで、上述のようなプロセスがプロセス系に含まれる場合には、特許文献1のように、プロセスをバッチ化し、該プロセスが行われるマイクロ流体デバイスに流体を供給した後、該流体の供給を一旦停止し、該デバイスの両端を密閉した状態で加熱し、さらに冷却してから該デバイスの密閉を解き、その後に続くプロセスのデバイスに流体を移行させることが考えられる。しかし、この手法では、多数の手間がかかり、実用的ではない。また、適用するプロセス系によっては、各プロセス間における連続的な物質移動(いわゆるインライン化)が望まれる場合もある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、流体に含まれる流体成分の沸点以上の温度で行われるプロセスを含むプロセス系への応用に好適な、マイクロプロセス方法及び装置並びにマイクロ分析方法を提供することを目的とする。
本発明は、プロセスが行われる微小流路を有するマイクロ流体デバイス及び該微小流路に連通する移送流路を含むマイクロプロセス系内に、原流体を供給しつつ前記プロセスを経て前記微小流路から流出されるプロセス流体を前記移送流路を通して移送する工程を具備するマイクロプロセス方法であって、前記原流体及び前記プロセス流体に含まれる最低沸点流体成分の前記プロセスの温度における蒸気圧以上の圧力下で、前記マイクロプロセス系内に前記原流体を供給しつつ前記プロセス流体を前記微小流路外に移送するマイクロプロセス方法を提供することにより、前記目的を達成したものである。
また、本発明は、プロセスが行われる微小流路を有するマイクロ流体デバイスと、前記微小流路に原流体を供給する流体供給手段と、前記微小流路に連通された容量変動型の圧力調整手段とを備えているマイクロプロセス装置であって、前記圧力調整手段が、前記原流体及び前記プロセスを経て前記微小流路から流出されるプロセス流体に含まれる最低沸点流体成分の該プロセスの温度における蒸気圧以上の圧力で可動するように設けられているマイクロプロセス装置を提供することにより、前記目的を達成したものである。
また、本発明は、前記本発明のマイクロプロセス方法を用いたマイクロ分析方法であって、前記微小流路で行われる前記プロセスが分解反応及び該分解反応に続いて行われる蛍光誘導体化反応を具備し、前記プロセスを経て前記移送流路に移動された蛍光誘導体を含むプロセス流体に基づいて蛍光分析を行うマイクロ分析方法を提供するものである。
本発明において、マイクロプロセス系とは、各種の反応、混合、分離、吸着、分配、抽出、希釈、濃縮、熱交換(加熱・冷却)又はこれらの組み合わせ等の各種のプロセスが行われる系をいう。原流体とは、マイクロ流体デバイスで行われるプロセスに供される流体をいう。プロセス流体とは、マイクロ流体デバイスによって原流体にプロセスが行われた流体をいう。
本発明によれば、流体に含まれる流体成分の沸点以上の温度で行われるプロセスを含むプロセス系への応用に好適な、マイクロプロセス方法、装置及びマイクロ分析方法が提供される。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づいて、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明のマイクロプロセス装置を、スフィンゴ脂質の分解反応分析装置(以下、単に分析装置ともいう。)に適用した一実施形態を模式的に示すものである。図1において、符号1は分析装置を示している。
図1に示すように、本実施形態の分析装置1は、各反応(プロセス)が行われる微小流路21を有するマイクロ流体デバイス(以下、プロセス用デバイスともいう。)2と、検出用デバイス3と、微小流路21に原流体を供給する流体供給手段4と、微小流路21に連通された容量変動型の圧力調整手段5と、微小流路21内の温度を制御する温度制御手段6と、蛍光顕微鏡7と、蛍光顕微鏡7の撮像を画像化するカメラ8と、カメラ8から取り込んだ画像に基づいて分析を行うコンピュータシステム9とを備えている。
プロセス用デバイス2は、主流路である微小流路21の上流で二つの供給流路22、23が合流され、蛇行した流路を経て微小流路21にさらに別の供給流路24が合流されている。
プロセス用デバイスの材質は、前述したプロセスの種類、プロセス流体の種類および物性、流体に含まれる化学種組成、プロセス温度などに応じて選択される。プロセス用デバイス2、3の材質は、プロセスに有機溶媒を用いること、プロセスに高温を用いること、強アルカリ性のプロセス流体を用いること、流路中で蛍光測定を行うことなどを考慮し、ガラスまたはパイレックス(登録商標)を用いることが好ましい。
プロセス用デバイス2は、板ガラスの積層基板20で構成されている。プロセス用デバイス2は、板ガラスの表面に前記各流路に対応する溝が形成され、該溝を覆うように別の板ガラスが重ね合わされ、接合されて封止されている。各流路の端部には、後述する各シリンジの針や膨張変形しないキャピラリーチューブが接続される液密性のジョイント(図示せず)が接続される。プロセス用デバイス2におけるプロセスが行われる微小流路の形態、断面積、容積は、プロセス種、プロセス数、プロセス(反応)時間に応じて設定される。後述する供給速度、反応時間、圧力、プロセスの効率等を考慮すると、本実施形態では微小流路21の断面積は、102〜106μm2、長さは100〜1000mmとされる。
上記構成のプロセス用デバイス2は、二つ(複数)のプロセスが行われる微小流路を備えたデバイスを具備している。即ち、プロセス用デバイス2では、供給流路22、23を通して原流体であるスフィンゴ脂質を含む流体及びスフィンゴ脂質の分解試薬が微小流路21内に供給されてスフィンゴ脂質の分解反応(プロセス)が行われ、分解生成されたスフィンゴシンに供給流路24から原流体である蛍光誘導化試薬が供給され、これらが混合されてスフィンゴシンの蛍光誘導体化反応(プロセス)が行われる。
微小流路21の末端部には、前記図示しないジョイントを介してキャピラリーチューブからなる移送流路25が接続されている。そして、この移送流路25を介してプロセス用デバイス2と後述する検出用デバイス3とが接続されている。プロセス用デバイス2で蛍光誘導体化されたスフィンゴシンを含む流体(プロセス流体)は、移送流路25を通して検出用デバイス3側に移送される。
検出用デバイス3は、前記プロセス流体が移送される蛇行した移送流路31を有している。検出用デバイス3は、プロセス用デバイス2と同様に、板ガラスの積層基板30で構成されており、板ガラスの表面に前記移送流路31に対応する溝が形成され、該溝を覆うように別の板ガラスが重ね合わされ、接合されて封止されている。移送流路31の端部には、プロセス用デバイス2と同様に、キャピラリーチューブが接続される液密性のジョイント(図示せず)が接続される。検出用デバイス3の移送流路31の材質、形態、断面積、容積は、検出に用いる光の波長、検出波長における透過率、検出感度、検出に要する時間に応じて設定される。検出のし易さ、例えば検出感度や時間等を考慮すると、移送流路31の断面積は、10〜106μm2、長さは10〜500mmとされる。また、適宜、検出に有利な材質、断面積、長さを要する窓を設置しても良い。
流体供給手段4は、原流体及びプロセス流体に含まれる最低沸点流体成分のプロセスの温度における蒸気圧以上の圧力下で、プロセス用デバイス2に原流体を供給が可能なものであればよい。本実施形態における流体供給手段4は、三本のマイクロシリンジ41、42、43を備えたポンプ(図示せず)で構成されており、原流体及びプロセス流体に含まれる最低沸点流体成分のプロセスの温度における蒸気圧以上の圧力下で、各原流体を供給する。これらのシリンジ41〜43の針は、前記図示しないジョイントを介して供給流路22、23、24の末端に接続されている。
圧力調整手段5は、前記原流体及び前記プロセス流体に含まれる最低沸点流体成分中のプロセス用デバイス2によるプロセスの温度における蒸気圧以上の圧力で可動するものであればよい。本実施形態における圧力調整手段5は、シリンダー51とシリンダー51内で摺動するピストン52とを具備するシリンジ50で構成されている。シリンジ50の針は、移送流路31の下流側の末端に接続されている。圧力調整手段5におけるピストン52の可動圧力は、プロセス温度とプロセス流体に含まれる最低沸点流体成分の蒸気圧曲線を用いて決定される。蒸気圧曲線は、Clapeyron-Clausiusの式を用いて求めるのが最も一般的であるが、常用の圧力範囲においては、例えばAntoine式も用いることができる。ピストン52の可動圧力は、プロセス温度とプロセス流体に含まれる最低沸点流体成分の蒸気圧曲線との交点より求めた蒸気圧よりも高い圧力に設定すればよい。ピストン52に圧力を付加する方法としては、スプリングを用いる方法、加重する方法、外部の加圧装置を用いる方法などを用いることができる。最も簡便な方法としては、プロセス温度におけるプロセス流体に含まれる最低沸点流体成分の蒸気圧よりも高い圧力で伸縮するばね定数が既知のスプリングをピストン52の終端と固定された壁との間に設置することによって達成できる。この方法によれば、特別な装置を導入すること無しにプロセス用デバイス流路内の圧力をプロセスの温度における蒸気圧以上の圧力で、かつ常に一定に保つことができる。
温度制御手段6は、シート状のヒーター61で構成されている。ヒーター61は、プロセス用デバイス2の積層基板20の裏面に配置されている。ヒーター61による加熱温度は、温度計(図示せず)による計測温度に基づいて制御される。
蛍光顕微鏡7は、市販の蛍光顕微鏡で構成され、プロセス用デバイス2から移送流路25を通して検出用デバイス3の移送路31内に移送されてきたプロセス流体を連続的に撮像する。励起波長λEx及び蛍光波長λEmは、蛍光誘導体化物の吸収スペクトル、発光スペクトル、励起に用いる光源の波長特性、プロセス用デバイスに用いる材質の光透過性、材質自体の蛍光の有無に応じて設定される。
カメラ8は、本実施形態では市販の冷却CCD(電荷結合素子)カメラで構成され、接続ケーブル80を介して蛍光顕微鏡7から取り込んだ撮像を画像データ(電子データ)化する。
コンピュータシステム9は、本実施形態では分析用のソフトウェアが搭載されたパーソナルコンピュータシステムで構成され、接続ケーブル90を介してカメラ8から前記画像データを取り込み、該画像データに基づいて、後述するように所望の分析を行う。
次に、本発明のマイクロプロセス方法の好ましい実施形態を、分析装置1を用いたマイクロ分析方法に基づいて説明する。
先ず、分析装置1により、プロセス用デバイス2及び検出用デバイス3にそれぞれシリンジ41〜43及び50を接続するとともに、移送流路25でプロセスデバイス2及び検出用デバイス3接続し、微小流路21に連通する移送流路25、30及びシリンジ50を含むマイクロプロセス系を設ける。シリンジ41〜43には、プロセスを行う流体(スフィンゴ脂質を含む流体、スフィンゴ脂質の分解試薬及びスフィンゴシンの蛍光誘導化試薬)を予め入ておく。また、シリンジ50はピストン51が押し込まれた状態にしておく。この状態では、このマイクロプロセス系は閉じた状態となっている。
スフィンゴ脂質を含む流体としては、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、ジエチルエーテル、ヘキサン、クロロホルム、水又はこれらの組み合わせ等を溶媒とする溶液が挙げられる。これらのうち、プロセスの反応速度、化学種の溶解度、さらには続いて行われるプロセスに用いるプロセス流体との相溶性を考慮するとメタノール、エタノール、プロパノールが好ましい。スフィンゴ脂質を含む溶液を用いる場合、その濃度は、溶解度、検出のし易さを考慮すると0.001〜1000質量μg/mLが好ましい。
スフィンゴ脂質の分解試薬としては、水酸化カリウムの水−メタノール系溶液、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、ジエチルエーテル、ヘキサン、クロロホルム、水又はこれらの組み合わせ等が挙げられる。これらのうち、プロセスの反応速度、化学種の溶解度、さらには続いて行われるプロセスに用いるプロセス流体との相溶性を考慮すると水酸化カリウムの水−メタノール、水-エタノール、水-プロパノール系溶液が好ましい。水酸化カリウムの水−メタノール系溶液を用いる場合、その濃度は、プロセスの反応速度、送液性、化学種の溶解度を考慮すると0.01〜5mol/Lが好ましい。水−メタノールの体積比は、1:9〜9:1が好ましい。
スフィンゴシンの蛍光誘導化試薬としては、オルトフタルアルデヒドの水溶液、あるいは水と相溶性のある有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、アセトンとを組み合わせたものが挙げられる。これらのうち、スフィンゴシンの溶解度、さらには前段にて行われたプロセスに用いたプロセス流体との相溶性、プロセス溶媒のpH緩衝能を考慮するとオルトフタルアルデヒドのメタノール溶液が好ましい。オルトフタルアルデヒドのメタノール溶液を用いる場合、その濃度は、スフィンゴ脂質の濃度、誘導体化反応の効率、検出時のバックグラウンド蛍光強度を考慮すると0.1〜1質量mg/mLが好ましい。
次に、シリンジ41、42によって、前記スフィンゴ脂質を含む流体及び前記スフィンゴ脂質の分解試薬(原流体)、並びにこれらが微小流路21で分解反応のプロセスが行われたプロセス流体であるスフィンゴシンを含有する流体に含まれる最低沸点流体成分の該分解反応の温度における蒸気圧以上の圧力下で、前記マイクロプロセス系内に前記原流体を供給する。各流体の供給速度は、プロセスの種類と目的とする効率、プロセス流体の試薬濃度、液量に応じて設定される。本実施形態では、スフィンゴ脂質の種類によっては大量の試薬を準備するのが困難であること、また充分なプロセス効率を得るために、共に0.1〜10μL/分とされる。
続いて、シリンジ43によって、蛍光誘導化試薬が供給され、誘導体化反応の原流体として、該試薬と前記分解生成物であるスフィンゴシンを含有する流体とが混合される。該流体及び該蛍光誘導化試薬のマイクロプロセス系内への供給は、当該原流体である混合流体に含まれる最低沸点流体成分の該誘導体化反応温度における蒸気圧以上の圧力下で行われる。各流体の供給速度は、プロセスの種類と目的とする効率、プロセス流体の試薬濃度、液量に応じて設定される。本実施形態では、充分な誘導体化率プロセスの効率を得るために0.1〜10μL/分とされる。
プロセス用デバイス2における前記分解反応及び誘導体化反応は、反応促進の観点から微小流路21内の前記原流体を23〜100℃程度の温度で行わせることができる。加温が必要な場合には、前記温度制御手段6のヒーター61を作動させる。特に、高いプロセス効率を必要とする場合には、該原流体に含まれる最低融点流体成分の沸点以上の温度に加熱する。
そして、シリンジ41〜43によるプロセス系内への前記各原流体の供給を続け、前記圧力調整手段5のピストン52を可動させる。これに伴い、分解反応・誘導化反応の各プロセスを経たプロセス流体を、移送流路25を通して検出用デバイス3の移送流路31内に移送する。
次いで、前記蛍光顕微鏡7で、移送流路31内の前記プロセス流体の所定の撮影領域の蛍光像を撮影する。効率の良い検出、すなわち、最も低いバックグラウンドの励起、最も高いオルトフタルアルデヒド誘導体化物の励起を行うこと、また、励起光が外乱光として検出に影響することを避けるという観点から蛍光顕微鏡7の励起波長λExは330〜385nm、蛍光波長λEmは420〜520nmが好ましい。
次いで、撮影された蛍光像をカメラ8で取り込んで画像データ化し、該画像データをさらにコンピュータシステム9に取り込む。
そして、画像内の流路に相当する領域、すなわちプロセス流体が存在している箇所の一部あるいは全部を選択し、その領域の各々の画素における輝度を平均して蛍光強度とし、該蛍光強度に基づいて反応率の分析等の各種の分析を行う。
以上説明したように、本実施形態の分析装置1及びこれを用いた分析方法によれば、適用するマイクロプロセス系において、前のプロセスにおける原流体やプロセス流体の物質分布の変動(体積変動)の影響が、その後に続くプロセスに及ぶのを防いでこれらの流体の移動を行うことができる。特に、プロセスの温度を前記流体に含まれる最低沸点流体成分の沸点より高くする場合においても支障なく移送を行うことができる。よって、本実施形態のように、スフィンゴ脂質分解反応、スフィンゴシン蛍光誘導化反応及び蛍光誘導体の蛍光撮影と続く複数のプロセスを経て行われるマイクロ化学分析であっても、原流体及びプロセス流体の移送を止めず且つインラインによって好適に行うことができ、反応率や最適反応条件等を素早く把握することができる。
本発明のマイクロプロセス方法及び装置は、前記実施形態の分析方法及び装置に制限されない。
また、本発明のマイクロプロセス方法は、前記実施形態における分析方法に制限されず、各種のプロセスを含むプロセス系に適用することができる。本発明の適用されるプロセス系において、マイクロ流体デバイスの微小流路で行われるプロセスとしては、各種の反応、混合、分離、吸着、分配、抽出、希釈、濃縮、熱交換(加熱・冷却)又はこれらの組み合わせ等が挙げられる。デバイスの微小流路の形態(断面寸法形状、流路長、容積)は、当該微小流路で行われるこれらのプロセスに応じて適宜設定される。また、原流体やプロセス流体、それらの供給条件、プロセス温度についても、本発明の適用されるプロセス系に応じて適宜設定される。
また、分析方法も、追跡物質の蛍光誘導体化による蛍光顕微鏡観察による分析に限られず、各種の分析方法を採用することができる。
本発明のマイクロプロセス装置では、流体供給手段は、シリンジ(マイクロシリンジ)を備えたポンプのほかに、電気浸透流、デバイスを回転させたときの遠心力等を利用したものでもよい。
また、前記実施形態では、プロセス用デバイス2と検出用デバイス3を移送流路25で接続したが、これらのデバイスを一つの積層基板に備えるマイクロ流体デバイスとして一体化して設けてもよい。
また、前記実施形態では、プロセス流体の移送流路の末端に圧力調節手段を接続したが、圧力調整手段は、該移送流路の中間部に接続してもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。本発明は本実施例により何ら制限されるものではない。
〔実施例1〕
図1に示される分析装置を用いてマイクロプロセス系を設け、メタノールを原流体とし、下記条件でプロセス用デバイスに供給した(ただし、供給側のシリンジは一本のみ使用)。そして、各温度における流体の微小流路内における挙動を目視で観察した。
<プロセス条件>
流体供給圧:最低融点流体であるメタノールのプロセス温度における蒸気圧以上
流体供給速度:0.4μL/分
微小流路内流体温度:室温23、70、80、90、110℃
〔比較例1〕
流路の終端を開放し、マイクロプロセス系を開放系とした以外は、実施例1と同様にしてプロセスを行った。
実施例1では、室温(23℃)〜110℃に至る温度範囲において、メタノールを沸騰なく安定的に移送流路へ移送できた。これに対し、比較例では、大気圧におけるメタノールの沸点である69℃において微小流路内でメタノールが沸騰し、流体の移送が安定的に行えなかった。
〔実施例2〕
実施例1と同様の装置を用い、下記プロセス条件において、スフィンゴ脂質の分解反応分析行った。そして、微小流路内の流体の挙動を目視観察するとともに、移送流路に移送されたプロセス流体(スフィンゴシンの蛍光誘導体化物を含む流体)を蛍光撮影し、画像内の流路に相当する領域の100μm×200μmを選択し、領域内の各々の画素における輝度を平均して蛍光強度とし、該蛍光強度に基づいて分析を行った。
<プロセス条件>
試料溶液:スフィンゴ脂質のメタノール溶液(濃度:100μg/mL)
分解試薬:1molのKOHの水−メタノール系溶液(水/メタノール体積比=1/9)
蛍光誘導化試薬:オルトフタルアルデヒド(OPA)のメタノール溶液(OPA/メタノール体積比=1/1)
流体供給圧:最低融点流体であるメタノールのプロセス温度における蒸気圧以上
試料溶液及び分解試薬供給速度:0.1μL/分
蛍光誘導化試薬供給速度:0.2μL/分
微小流路内流体温度:室温23、70、80、90、100℃
反応時間:約5分
〔比較例2〕
流路の終端を開放し、マイクロプロセス系を開放系とした以外は、実施例2と同様にしてプロセスを行った。
実施例2では、約100℃まで微小流路内で原流体及びプロセス流体に沸騰が生じなかった。また、プロセス温度が高くなるにつれて、スフィンゴ脂質の分解反応が上昇することが確認できた。実施例2の装置による単位時間当たりの分解反応率は、栓付き試験管と乾式熱電器を用いて行った分解反応率の10倍相当以上であった。これに対し、比較例2では、大気圧におけるメタノールの沸点である69℃において微小流路内で原流体及びプロセス流体に含まれるメタノールが沸騰し、流体の移送が安定的に行えず、分析も困難であった。
本発明のマイクロプロセス装置の一実施形態を模式的に示す斜視図である。
符号の説明
1 マイクロ化学分析装置(マイクロプロセス装置)
2 プロセス用デバイス(マイクロ流体デバイス)
21 微小流路
25 移送流路
3 検出用デバイス
31 移送流路
4 流体供給手段
41、42、43 シリンジ
5 圧力調整手段
50 シリンジ
6 温度制御手段
60 ヒーター
7 蛍光顕微鏡
8 カメラ
9 コンピュータシステム

Claims (8)

  1. プロセスが行われる微小流路を有するマイクロ流体デバイス及び該微小流路に連通する移送流路を含むマイクロプロセス系内に、原流体を供給しつつ前記プロセスを経て前記微小流路から流出されるプロセス流体を前記移送流路を通して移送する工程を具備するマイクロプロセス方法であって、
    前記原流体及び前記プロセス流体に含まれる最低沸点流体成分の前記プロセスの温度における蒸気圧以上の圧力下で、前記マイクロプロセス系内に前記原流体を供給しつつ前記プロセス流体を前記微小流路外に移送するマイクロプロセス方法。
  2. 前記プロセスの温度を前記最低沸点流体成分の沸点より高くする請求項1記載のマイクロプロセス方法。
  3. プロセスが行われる微小流路を有するマイクロ流体デバイスと、前記微小流路に原流体を供給する流体供給手段と、前記微小流路に連通された容量変動型の圧力調整手段とを備えているマイクロプロセス装置であって、
    前記圧力調整手段が、前記原流体及び前記プロセスを経て前記微小流路から流出されるプロセス流体に含まれる最低沸点流体成分の該プロセスの温度における蒸気圧以上の圧力で可動するように設けられているマイクロプロセス装置。
  4. 前記微小流路の下流側に連通する移送流路の末端に前記圧力調整手段を備えている請求項3記載のマイクロプロセス装置。
  5. 前記微小流路内の温度を制御する温度制御手段を備えている請求項3又は4記載のマイクロプロセス装置。
  6. 前記圧力調整手段がシリンダーと該シリンダー内で摺動するピストンとを具備している請求項3〜5の何れかに記載のマイクロプロセス装置。
  7. 請求項1記載のマイクロプロセス方法を用いたマイクロ分析方法であって、
    前記微小流路で行われる前記プロセスが分解反応及び該分解反応に続いて行われる蛍光誘導体化反応を具備し、
    前記プロセスを経て前記移送流路に移動された蛍光誘導体を含む前記プロセス流体に基づいて蛍光分析を行うマイクロ分析方法。
  8. 前記分解反応がスフィンゴ脂質の分解反応であり、前記蛍光誘導体化反応が前記分解反応で生成したスフィンゴシンの蛍光誘導体化反応である請求項7記載のマイクロ分析方法。

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