JP2006177508A - スプラグ型の一方向クラッチおよび該一方向クラッチを備える動力伝達装置等 - Google Patents

スプラグ型の一方向クラッチおよび該一方向クラッチを備える動力伝達装置等 Download PDF

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Abstract

【課題】軸方向移動規制部品を用いずに、かつ、スプラグの軸方向幅を短縮することもなく、一方向クラッチの軸方向設置スペースの縮小短縮化を可能にすること。
【解決手段】円周方向に複数のポケット孔5b1を備えた外保持器(保持器)5bと、ポケット孔5b1に保持されている複数のスプラグ5aと、スプラグ5aを外輪1と内輪3に噛み込ませる方向に付勢するスプリング5dとを備えた一方向クラッチ5において、外保持器5bは、その軸方向一端側に、外輪1の内径面1aに設けた環状溝1bに嵌入されて該一方向クラッチ5の軸方向移動を規制する鍔部5b2を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、スプラグ型の一方向クラッチおよびこれを備えた動力伝達装置等に関するものである。本発明による動力伝達装置は、自動車のプーリユニット、自動変速機、エンジンスタータ等に組み込まれる。一方向クラッチは、駆動側または従動側の一方側となる径外側部材(外輪)と他方側となる径内側部材(内輪)との間に介装されるスプラグを備え、両部材の相対回転に応じたスプラグの傾動運動により、両部材の一方側の回転動力を他方側に伝達あるいはその伝達の遮断を行うスプラグ型の一方向クラッチである。なお、本明細書では、スプラグが両部材に噛み込んで該両部材が一体回転する状態に連結されて回転動力が伝達される状態をロック状態と言い、スプラグの上記噛み込みが解除されて回転動力の伝達が遮断される状態をフリー状態と言う。
従来の一方向クラッチは、内・外輪間の環状空間に配置される。一方向クラッチは、外保持器と、内保持器と、スプラグと、リボンスプリングとを備える。両保持器およびリボンスプリングは、円周方向に複数のポケット孔を備える。スプラグはこれらポケット孔に装着される。リボンスプリングは、スプラグを外輪と内輪に噛み込ませる方向に付勢している。かかる構成を備えた一方向クラッチにおいては、例えば、外輪が内輪に対して相対的に例えば時計回り方向に回転すると、スプラグが外輪と内輪に噛み込み、内・外輪がロック状態となる。外輪が内輪に対して相対的に例えば反時計回り方向に回転すると、スプラグは、上記噛み込みを解除され、内・外輪はフリー状態となる。このような一方向クラッチにおいては、当該一方向クラッチの軸方向移動を規制するべく、その軸方向両側に断面C字形状のスナップリング(軸方向移動規制部品)を外輪の内径面に設けた環状溝に固定している(特許文献1参照。)。
上記一方向クラッチにおいては、内輪と外輪との対向間に一方向クラッチ以外の部品の配置スペースの確保とか、内・外輪の軸方向幅(内輪幅、外輪幅)の短縮化とかにより、一方向クラッチの軸方向設置に必要とするスペース(スナップリングを含める)の縮小化を図ることが要求されている。このような要求に対して、スプラグの軸方向幅を短縮し、それに伴ない、保持器の軸方向幅の短縮、ならびに軸方向両側のスナップリングの対向間隔の狭小化により、一方向クラッチの軸方向設置スペースの縮小化を図ることが行われている。しかしながら、スプラグの軸方向幅を短縮すると、動力伝達(トルク)容量が低下するから、トルク容量を所定の値以上に確保する場合、スプラグの軸方向幅短縮に基づく一方向クラッチの軸方向設置スペースの縮小化には限界がある。
特開平11−141576公報
本発明は、軸方向移動規制部品を用いずに、かつ、スプラグの軸方向幅を短縮することなく、すなわち、所要のトルク容量を確保して、一方向クラッチの軸方向設置スペースの縮小ないし短縮化を可能にすることを解決すべき課題としている。
(1)本発明による一方向クラッチは、円周方向に複数のポケット孔を備えた保持器と、ポケット孔に保持されている複数のスプラグと、スプラグを外輪と内輪に噛み込ませる方向に付勢するスプリングとを備えた一方向クラッチにおいて、保持器は、その軸方向一端側に、外輪の内径面に設けた環状溝に嵌入されて当該一方向クラッチの軸方向移動を規制する鍔部を備えていることを特徴するものである。
上記保持器の配置個数は、1つでも複数でもよく、内保持器と外保持器との2つの保持器構成とする場合、外保持器の軸方向一端側に上記鍔部を設けることができる。鍔部は、保持器の軸方向一端側に環状をなし、円周方向に複数に分割されてもよく、円周方向に環状に連続するものでもよい。鍔部を複数に分割する場合、外輪の環状溝に嵌入した鍔部は弾性的に変形しやすくなり、鍔部を環状溝から外して一方向クラッチを外輪から取り外し易くなる。上記保持器は、金属製でもよいが、軽量化および素材のコスト削減を図る場合は樹脂製としてもよい。
保持器を上記外保持器と内保持器とで構成し、外保持器の軸方向一端側に上記鍔部を設ける場合、外保持器の任意の隣接するポケット孔の鍔部の部分を切除し、一対のポケット孔を開放すると、この開放した一対のポケット孔間の鍔部はより弾性変形しやすくなり、鍔部を環状溝から外して一方向クラッチを外輪から取り外し易くなる。
上記外輪は、半径方向外側に配置する駆動または従動の一方側の部材であり、内輪は半径方向外側に配置する駆動または従動の他方側の部材である。外輪および内輪の形状は、円筒状に限定されるものではなく、当該一方向クラッチが組み込まれる装置の使用態様に応じて種々の形状に形成することができる。内輪は中実または中空の回転軸であってもよい。
本発明の一方向クラッチによれば、上記鍔部により当該一方向クラッチの軸方向の移動を規制することができるので、従来のごとく、スナップリング等の軸方向移動規制部品を軸方向両側に配置する必要がなくなり、部品点数の削減ならびに一方向クラッチの軸方向設置スペースの縮小化を図ることができる。軸方向設置スペースの縮小化に当たっては、スプラグの軸方向幅を短縮する必要がないから、トルク容量を低下させずに済み、一方向クラッチの機能を高く維持しつつ、内輪と外輪との対向間に一方向クラッチ以外の部品の配置スペースを確保したり、内・外輪の軸方向幅(内輪幅、外輪幅)を短縮したりすることができる。これによって、当該一方向クラッチを組み込む動力伝達装置の小型化を図ることができ、この動力伝達装置を組み込む機器、例えば、自動車のプーリユニット、自動変速機、カーコンプレッサ、エンジンスタータ等の軸方向幅の縮小化の促進に大きく貢献することができるものとなる。
以上のごとく、本発明の一方向クラッチによれば、スナップリング等の一方向クラッチとは別体構成である軸方向移動規制部品を用いずに、かつ、同時にトルク容量を低下させることなく、一方向クラッチの軸方向設置スペースの縮小化が可能であるから、軸方向両側の軸方向移動規制部品とそれら部品の組付工数とを共に削減可能となり、コストを大幅に低減することができる。
(2)本発明による動力伝達装置は、外輪と、この外輪の半径方向内側に配置される内輪と、両輪間に配置されて該両輪間での回転動力の伝達とその遮断を行う一方向クラッチとを備えた動力伝達装置において、上記外輪は、その内径面に環状溝を備え、上記一方向クラッチは、円周方向に複数のポケット孔を備えた保持器と、ポケット孔に保持されている複数のスプラグと、スプラグを外輪と内輪に噛み込ませる方向に付勢するスプリングとを備え、保持器はその軸方向一端側に、外輪の環状溝に嵌入して当該一方向クラッチの軸方向の移動を規制する鍔部を備えていることを特徴とするものである。
外輪および内輪の一方は駆動側、他方は従動側である。
本発明の動力伝達装置によると、上記(1)と同様の一方向クラッチを備えるので、上記(1)で述べた作用効果を得ることができ、当該動力伝達装置を組み込む機器、例えば、自動車のプーリユニット、自動変速機、カーコンプレッサ、エンジンスタータ等において、一方向クラッチ以外の各種部品の設置スペースの拡大ないし増大に貢献することができるものとなる。
(3)本発明による動力伝達装置は、外輪と、この外輪の半径方向内側に配置される内輪と、両輪間に配置されて該両輪間の回転動力の伝達とその遮断を行う一方向クラッチとを備えた動力伝達装置において、上記外輪は、その内径面に環状溝を備え、かつ、環状溝の位置から半径方向に貫通し、かつ、半径方向外側から一方向クラッチの取り外し用治具の挿入を許容する治具挿入用貫通孔を備えており、上記一方向クラッチは、円周方向に複数のポケット孔を備えた保持器と、ポケット孔に保持されている複数のスプラグと、スプラグを外輪と内輪に噛み込ませる方向に付勢するスプリングとを備え、保持器はその軸方向一端側に、外輪の環状溝に嵌入されて当該一方向クラッチの軸方向の移動を規制する鍔部を備えていることを特徴とするものである。
本発明によると上記(2)の作用効果に加えて、外輪の治具挿入用貫通孔に取り外す治具を挿入して、外輪の環状溝に嵌入されている一方向クラッチの保持器の鍔部を内径側に押圧して環状溝外に押し出して、一方向クラッチを外輪から容易に取り外すことができる。
(4)本発明による一方向クラッチ取り外し用治具は、上記動力伝達装置が備える一方向クラッチを外輪から取り外す治具であって、ねじ部を備えかつそのねじ部の先端が外輪端面に係止可能な取り外し操作体と、上記ねじ部に螺入可能なねじ孔部と、一方向クラッチに係止可能な一方向クラッチ係止部とを備えた取り外し移動体とを備えたことを特徴とするものである。
本発明の一方向クラッチ取り外し用治具を用いると、後記(4)に説明するように、一方向クラッチを外輪から容易に取り外すことができる。
(5)本発明による一方向クラッチの取り外し方法は、上記(4)の一方向クラッチ取り外し用治具を用いるものであり、上記取り外し操作体のねじ部先端を外輪に係止する工程と、上記取り外し移動体のねじ孔部を上記ねじ部に螺入するとともに一方向クラッチ係止部を一方向クラッチに係止する工程と、取り外し操作体を操作することにより取り外し移動体を移動させて、一方向クラッチ係止部に係止している一方向クラッチを外輪から取り外す工程とを含むことを特徴とするものである。
本発明の取り外し方法によると、取り外し操作体を操作することにより、取り外し移動体を取り外し方向に移動させ、この移動に従い、取り外し移動体の一方向クラッチ係止部が一方向クラッチに係止させた状態で取り外し方向に移動するので、一方向クラッチは外輪から強制的に取り外しされる。
(6)本発明による動力伝達装置は、ハウジングと、このハウジングの内周面に圧入される外輪と、この外輪の半径方向内側に配置される回転軸と、外輪と回転軸との間に配置されてこれら間での回転動力の伝達とその遮断とを行う一方向クラッチとを備えた動力伝達装置において、上記ハウジングは、その内径面に、環状溝を備え、上記一方向クラッチは、円周方向に複数のポケット孔を備えた保持器と、ポケット孔に保持されている複数のスプラグと、スプラグを外輪と内輪に噛み込ませる方向に付勢するスプリングとを備え、保持器は、ハウジングの環状溝に嵌入して当該一方向クラッチの軸方向の移動を規制する鍔部を備えていることを特徴とするものである。
本発明の動力伝達装置によると、上記一方向クラッチを備えるので、この一方向クラッチが備える上記鍔部により当該一方向クラッチの軸方向の移動を規制することができることにより、従来のごとく、スナップリング等の軸方向移動規制部品を軸方向両側に配置する必要がなくなり、その分、一方向クラッチの軸方向設置スペースの縮小化を図ることができる。この軸方向設置スペースの縮小化に当たっては、スプラグの軸方向幅を短縮する必要がないから、トルク容量を低下させずに、つまり一方向クラッチの機能を高く維持しつつ、ハウジングと回転軸との対向間に一方向クラッチ以外の部品の配置スペースを確保するとか、ハウジング・回転軸の軸方向幅を短縮するとかが可能となる。これによって、本発明の動力伝達装置においては、当該一方向クラッチを組み込むことにより、装置全体の小型化を図ることができ、この動力伝達装置を組み込む機器、例えば、自動車のプーリユニット、自動変速機、等の小型化の促進に大きく貢献することができるものとなる。
本発明によれば、一方向クラッチとは別体の軸方向移動規制部品を用いなくても、また、スプラグの軸方向幅を短縮することもなく、一方向クラッチの軸方向設置スペースの縮小化を図ることができる。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態に係るスプラグ型一方向クラッチ(以下、単に一方向クラッチと称する)、これを備えた動力伝達装置、ならびにスプラグ型一方向クラッチの取り外し方法を説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1を図1ないし図3を参照して説明する。図1は、動力伝達装置の正面断面図、図2は、同動力伝達装置の部分的な側面図、図3(a)は、スプラグ型一方向クラッチの外保持器の部分的な側面図、図3(b)は同外保持器の部分的な平面図である。これらの図に示す実施の形態1の動力伝達装置は、動力伝達輪である外輪1と、動力被伝達輪である内輪3と、両輪1,3間での動力の伝達を媒介する動力伝達媒介部材である一方向クラッチ5とを備えている。
外輪1は、その素材は特に限定されないが、金属製が好ましい。外輪1は、内径面1aに、半径方向に所定溝深さでかつ軸方向に所定の溝幅を有する環状溝1bを備えている。内輪3はその素材は特に限定されないが、金属製が好ましい。内輪3は、外輪1の半径方向内側にかつ該外輪1と同心配置されている。一方向クラッチ5は、内・外輪1,3間に円周方向等間隔に配置される複数のスプラグ5aと、スプラグ5aの外径部5a1を保持する環状の外保持器5bと、外保持器5bの半径方向内側でかつ該外保持器5bと同心に配置され、スプラグ5aの内径部5a2を保持する環状の内保持器5cと、外保持器5bと内保持器5cとの間に配置されてスプラグ5aをロック側に付勢する環状のリボンスプリング5dとから構成されている。
スプラグ5aは、外輪1の内径面(軌道面)1aに摩擦接触により噛み込む外径部5a1と、内輪3の外径面(軌道面)3aに摩擦接触により噛み込む内径部5a2と、外径部5a1と内径部5a2との間の胴部5a3とから側面視瓢箪形状をなしている。スプラグ5aはまた、その外径部5a1と内径部5a2とが共に外輪内径面1aと内輪外径面3aに噛み込んで外輪1と内輪3とを一体回転するロックの状態にして外輪1の回転動力を内輪3に伝達可能とし、上記噛み込み状態を解除して外輪1と内輪3とを相対回転するフリーの状態にし、外輪1から内輪3への回転動力の伝達を遮断する。外保持器5bはスプラグ5aの外径部5a1を保持するポケット孔5b1を、内保持器5cはスプラグ5aの内径部5a2を保持するポケット孔5c1を有する。リボンスプリング5dは、スプラグ5aの胴部5a3を保持するポケット孔5d1を有し、かつ、スプラグ5aをロック方向に付勢する。
外保持器5bの構成をさらに詳しく説明すると、外保持器5bは、軸方向一端側端部が折り曲げられるとともに外輪1の内径面1aよりも外径方向に延ばされて、外輪1の環状溝1bに嵌入される環状の鍔部5b2を有する。この鍔部5b2は、外輪1の環状溝1bに嵌入されることにより、外保持器5bの軸方向移動を規制する部材を構成している。
鍔部5b2においては、外保持器5bの任意の隣接するポケット孔5b1の鍔部5b2の部分を切除し、一対のポケット孔5b1を開放している。鍔部5b2は、このように円周方向複数に分割されており、この分割された鍔部5b2において、軸方向一端側が開放した一対のポケット孔5b1間の鍔部5b2はTバーを形成している。鍔部5b2は複数に分割する必要は必ずしも無く、円周方向に連続していてもよい。
以上の構成を備えた一方向クラッチ5においては、外輪1が図2で示す時計回りに回転すると、スプラグ5aはその外径部5a1が外輪内径面1aと摩擦接触することにより、リボンスプリング5dの弾性に付勢されつつ起立する方向に傾動して内輪外径面3aと外輪内径面1aとに噛み込まされて内・外輪1,3を一体回転可能に連結する。この連結により、外輪1の回転動力が内輪3に伝達される。外輪1が反時計回りに回転すると、スプラグ5aはリボンスプリング5dの弾性に抗して、上記噛み込み方向とは反対の方向に傾動して噛み込みが解除され、内・外輪1,3を相対回転可能とする。これにより、外輪1の回転トルクは内輪3に伝達されず、内・外輪1,3間の動力伝達を遮断する。
以上の構成および動作を行う一方向クラッチ5は、外保持器5bの鍔部5b2が外輪1の環状溝1bに嵌入していることにより、その軸方向の移動を規制することができるので、従来のように、スナップリング等の軸方向移動規制部品を軸方向両側に配置する必要がなくなり、その分、一方向クラッチ5の軸方向設置スペースの縮小化を図ることができる。
(実施の形態2)
図4ないし図6を参照して本発明の実施の形態2に係る動力伝達装置を示す。図4は、図1に対応するもので、実施の形態2の動力伝達装置の正面断面図、図5は、一方向クラッチ5において外輪1と外保持器5bと内保持器5cの部分的な斜視図、図6は、一方向クラッチ3の外輪1からの取り外し工程の説明に供する断面図である。図5では図解の都合で、一方向クラッチ5のスプラグ5aとリボンスプリング5dの図示は省略している。
実施の形態2においては、図4および図5で示すように、外輪1に、環状溝1bの円周方向1箇所または数箇所から半径方向に貫通した1つまたは複数の治具挿入用貫通孔1cを設けたことを特徴とするものである。治具挿入用貫通孔1cの孔径は、環状溝1bの軸方向の溝幅より小さいが、該溝幅以上であってもよい。治具挿入用貫通孔1cの孔断面形状は好ましくは円形であるが、特に円形に限定されない。
それ以外の構成は、実施の形態1と同様である。
実施の形態2においては、図6(a)から図6(b)で示すように、治具挿入用貫通孔1cに半径方向外側から押し込み用治具7を挿入して、一方向クラッチ5の鍔部5b2を半径方向内方に押し込むことにより、鍔部5b2を環状溝1b外に押し出し、次いで、図6(c)で示すように、矢印方向に図示略の押圧治具で一方向クラッチ5を押圧して外輪1から取り外せるようにしたものである。
実施の形態2の一方向クラッチ5においては、外保持器5bの鍔部5b2が外輪1の環状溝1bに嵌入していることにより、その軸方向の移動を規制することができるので、従来のように、スナップリング等の軸方向移動規制部材を軸方向両側に配置する必要がなくなり、その分、一方向クラッチ5の軸方向設置スペースの縮小化を図ることができる。実施の形態2では、これら実施の形態1と同等の作用効果に加えて、外輪1の治具挿入用貫通孔1cに治具7を挿入して一方向クラッチ3を外輪1から簡単に取り外すことができる。
(実施の形態3)
図7および図8を参照して本発明の実施の形態3を説明する。実施の形態3は、一方向クラッチ取り外し治具9を用いて一方向クラッチを外輪1から取り外す方法である。この取り外し方法では、図7で説明する一方向クラッチ取り外し治具9を用いる。
この治具9は、取り外し操作体9aと、取り外し移動体9bとから構成されている。取り外し操作体9aは、ねじ頭に相当する操作部9a1と、軸方向に延びるねじ部9a2とを有し、そのねじ部9a2先端が外輪1の端面1cに係止可能となっている。
取り外し移動体9bは、軸方向に対向する一対の径方向板材9b1,9b2と両径方向板材9b1,9b2の半径方向内端を軸方向に接続する軸方向板材9b3とにより側面視コの字形状をなしている。径方向板材9b1は、取り外し操作体9aのねじ部9a1に螺着可能なねじ孔9b4を備え、また、径方向板材9b2は、一方向クラッチ5の内保持器5cの鍔部5c2の外側面に係止可能となっている。
上記一方向クラッチ取り外し治具を用いて、外輪1から一方向クラッチ5を取り外す方法を説明すると、まず、取り外し操作体9aのねじ部9a2の先端を外輪1の端面1cに係止する。この係止状態で、取り外し操作体9aのねじ部9a2に、取り外し移動体9bの径方向板材9b1のねじ孔9b4を螺着するとともに径方向板材9b2を一方向クラッチ5の内保持器5cの鍔部5c2の外側面に係止する。この係止の状態で、取り外し操作体9aの操作部9a1を回転操作する。この回転操作に伴ない、取り外し移動体9bは取り外し操作体9aのねじ部9a2に沿い、取り外し方向に移動する。この移動により、一方向クラッチ5は、その内保持器5cの鍔部5c2が径方向板材9b2に押圧されることにより、取り外し方向に移動し、この結果、外輪1の環状溝1bに嵌入している外保持器5bの鍔部5b2は、該環状溝1b外に抜け出される。さらに、取り外し操作体9aの操作部9a1を回転操作すると、取り外し移動体9bはさらに取り外し方向に移動する。この移動により、一方向クラッチ5は、外輪1の内径面1a上を取り外し方向に移動し、外輪1外に取り外される。
(実施の形態4)
図9を参照して実施の形態4を説明すると、この動力伝達装置においては、ハウジング11と、このハウジング11の内周面に圧入される外輪1と、この外輪1の半径方向内側に配置される内輪3と、外輪1と内輪3との間に配置されてこれら間の回転動力伝達を行う一方向クラッチ5とを備えている。
ハウジング11は、その内径面11aに、環状溝11bを備えている。一方向クラッチ5は、実施の形態1と同様の構成を備えるとともに、外保持器5bの鍔部5b2が、ハウジング11の環状溝11bに嵌入されて該一方向クラッチ5の軸方向の移動を規制するようになっている。
以上において、本発明は上記実施の形態だけに限定されるものではなく、特許請求の範囲を超えない種々な変更を含むものである。
本発明の実施の形態1に係る動力伝達装置の正面断面図である。 同動力伝達装置の部分的な側面図である。 (a)実施の形態1の外保持器の部分的な側面図、(b)同平面図である。 本発明の実施の形態2に係る動力伝達装置の断面図である。 実施の形態2の外輪と外保持器と内保持器の部分的な斜視図である。 実施の形態2の一方向クラッチの取り外しの説明に供する図である。 本発明の実施の形態3に係り、動力伝達装置の一部と、外輪から一方向クラッチを取り外すための治具とを示す斜視図である。 実施の形態3において、図7の治具を用いて外輪から一方向クラッチを取り外す方法の説明に供する図である。 本発明の実施の形態4に係る動力伝達装置の断面図である。
符号の説明
1 外輪
1a 内径面
1b 環状溝
1c 端面
3 内輪
3a 外径面
5 一方向クラッチ
5a スプラグ
5b 外保持器
5b1 ポケット孔
5b2 環状鍔部
5c 内保持器
5d リボンスプリング

Claims (6)

  1. 円周方向に複数のポケット孔を備えた保持器と、ポケット孔に保持されている複数のスプラグと、スプラグを外輪と内輪に噛み込ませる方向に付勢するスプリングとを備えた一方向クラッチにおいて、保持器は、その軸方向一端側に、外輪の内径面に設けた環状溝に嵌入されて当該一方向クラッチの軸方向移動を規制する鍔部を備えている、ことを特徴する一方向クラッチ。
  2. 外輪と、この外輪の半径方向内側に配置される内輪と、両輪間に配置されて該両輪間の回転動力の伝達とその遮断を行う一方向クラッチとを備えた動力伝達装置において、
    上記外輪は、その内径面に環状溝を備え、
    上記一方向クラッチは、円周方向に複数のポケット孔を備えた保持器と、ポケット孔に保持されている複数のスプラグと、スプラグを外輪と内輪に噛み込ませる方向に付勢するスプリングとを備え、保持器はその軸方向一端側に、外輪の環状溝に嵌入されて当該一方向クラッチの軸方向の移動を規制する鍔部を備えている、ことを特徴とする動力伝達装置。
  3. 外輪と、この外輪の半径方向内側に配置される内輪と、両輪間に配置されて該両輪間の回転動力の伝達とその遮断を行う一方向クラッチとを備えた動力伝達装置において、
    上記外輪は、その内径面に環状溝を備え、かつ、環状溝の位置から半径方向に貫通し、かつ、半径方向外側から一方向クラッチの取り外し用治具の挿入を許容する治具挿入用貫通孔を備えており、
    上記一方向クラッチは、円周方向に複数のポケット孔を備えた保持器と、ポケット孔に保持されている複数のスプラグと、スプラグを外輪と内輪に噛み込ませる方向に付勢するスプリングとを備え、保持器はその軸方向一端側に、外輪の環状溝に嵌入されて当該一方向クラッチの軸方向の移動を規制する鍔部を備えている、ことを特徴とする動力伝達装置。
  4. 請求項2または3に記載の動力伝達装置が備える一方向クラッチを外輪から取り外すのに用いる一方向クラッチ取り外し用治具であって、
    ねじ部を備えかつそのねじ部の先端が外輪端面に係止可能な取り外し操作体と、
    上記ねじ部に螺入可能なねじ孔部と、一方向クラッチに係止可能な一方向クラッチ係止部とを備えた取り外し移動体と、
    を備えた、ことを特徴とする一方向クラッチ取り外し用治具。
  5. 上記請求項4の一方向クラッチ取り外し用治具を用いて一方向クラッチを外輪から取り外す方法であって、
    上記取り外し操作体のねじ部先端を外輪に係止する工程と、
    上記取り外し移動体のねじ孔部を上記ねじ部に螺入するとともに一方向クラッチ係止部を一方向クラッチに係止する工程と、
    取り外し操作体を操作することにより取り外し移動体を移動させて、一方向クラッチ係止部に係止している一方向クラッチを外輪から取り外す工程とを含む、ことを特徴とする一方向クラッチの取り外し方法。
  6. ハウジングと、このハウジングの内周面に圧入される外輪と、この外輪の半径方向内側に配置される回転軸と、外輪と回転軸との間に配置されてこれら間で回転動力の伝達とその遮断を行う一方向クラッチとを備えた動力伝達装置において、
    上記ハウジングは、その内径面に環状溝を備え、
    上記一方向クラッチは、円周方向に複数のポケット孔を備えた保持器と、ポケット孔に保持されている複数のスプラグと、スプラグを外輪と内輪に噛み込ませる方向に付勢するスプリングとを備え、保持器は、ハウジングの環状溝に嵌入されて当該一方向クラッチの軸方向の移動を規制する鍔部を備えている、ことを特徴とする動力伝達装置。
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