JP2006177430A - 防振支持装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】起振源を弾性支持する起振側弾性体1を挟んで車両幅方向で対向配置される2組の制振側弾性体2を備える。上記起振側弾性体1と上記2組の制振側弾性体2とは質量体3で連結される。上記制振側弾性体2と起振側弾性体1とは、車幅方向からみて重なる位置に配置される。
【選択図】 図1
Description
この防振支持装置は、防振マウントを設置するスペースがあれば、防振機能に加えてダイナミックダンパ機能を追加することができることが特徴である。
したがって、起振源の振動低減効果を大きくしようとするほど、外筒の外形寸法を大きくして対応せざるを得ず、場合によっては、レイアウト上適用できない場合もある。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、防振マウントとダイナミックダンパを組み合わせた防振支持装置において、ダイナミックダンパ機能を大きくしても配置自由度が大きな防振支持装置を提供することを課題としている。
なお、車幅方向で対向配置される上記2組の制振側弾性体は、必ずしも左右対称である必要はない。
すなわち、起振側弾性体と制振側弾性体の2つ以上の弾性体が防振機能を発揮すると共に、当該2つ以上の弾性体と質量体との組み合わせでダイナミックダンパ機能を発揮する。
また、質量体は、起振側弾性体と2組の制振側弾性体との2以上の弾性体で支持されるため、弾性体の容量が大きく、大きな制振力を発生させることができる。
さらに、配置を工夫したことにより、上記のように質量、弾性体の容量を増やしたとしても、高さ方向の寸法増加も最小限に抑えることができる。
図1は、本実施形態に係る防振支持装置を示す車両前後方向前方から見た図である。
まず構成を説明すると、起振源に接続する起振側弾性体1と、その起振側弾性体1を挟んで車両前後方向で対向配置される2組の制振側弾性体2と、その起振側弾性体1と左右の制振側弾性体2との間を一体的に連結する質量体3とから構成される。
上記質量体3は、車両前後方向からみて菱形形状をした鋼板などからなる板状部材であって、短辺方向の対角線が車両上下方向に、かつ、長辺方向の対角線が車両幅方向に向くように配置されている。また、質量体3の中心(重心)には上記起振側弾性体1を取り付けるための円形状の開口部が形成され、該開口部に対し上記起振側弾性体1が加硫接着などによって一体的に取り付けられている。
ここで、質量体3に対する、起振側弾性体1の取付け部中心点P1及び左右の制振側弾性体2の取付け部中心点P2は、車両前後方向及び平面視において一直線上若しくはほぼ一直線上に配置されている(図2参照)。
ここで、上記弾性体本体5は、軸体3の側面全周と接続した上述のような筒形状でも良いし、軸体3の側面に対し周方向に沿って断続的に接続されていても良い。
また、上記起振側弾性体1と左右の制振側弾性体2とが、車両幅方向みて一部重なるように配置している。
上記構成の防振支持装置にあっては、制振力の対応幅を大きくしつつ、必要な高さ方向の寸法の増加を小さくするなど、他の部材などの干渉等を考慮して配置自由度が大きい。
すなわち、起振側弾性体1と制振側弾性体2の2つ以上の弾性体が防振機能を発揮すると共に、当該2つ以上の弾性体と質量体3との組み合わせでダイナミックダンパ機能を発揮する。
また、質量体3は、起振側弾性体1と2組の制振側弾性体2との2以上の弾性体で支持されるため、弾性体の容量が大きくなり、大きな制振力を発生させることができる。
また、上記構成では、質量体3の断面積は、起振側弾性体1との連結部を最大とし、左右両端部の制振側弾性体2へ向かうにつれて小さくなっている。すなわち、車両幅方向への単位長さ当たりの質量が、起振側弾性体1の位置から制振側弾性体2の位置に向かうにつれて連続して小さくなるように設定されている結果、質量体3の質量が中央部である起振側弾性体1の近傍に集中している。
また、上記構成では、起振側弾性体1と質量体3との連結部中心点P1と、上記2個の制振側弾性体2と質量体3との各連結部中心点P2とが、図2のように、平面視及び車両前後方向からみて一直線上若しくはほぼ一直線上に配置されている。
また、上記構成では、起振側弾性体1の形状が環状となっている。なお、環状の外径輪郭は円形に限定されず、矩形など、他の環状形状であっても良い。
歯車機構を持つ構造体で発生する振動には、(i)歯車機構を持つ構造体自体が発生す
る歯打ちによる振動、(ii)エンジン振動が伝達されて発生する振動(エンジン要因振動
)の2つがある。加速時は、(ii)エンジン要因振動が大きく起振力が大きいため、上述
のように2重防振機能を発生させたい。しかし、加速時以外は、エンジン要因振動が小さいため、相対的に、歯打ちによる振動が大きくなり、室内で不快な音となるおそれがある。そこで、加速時以外は、(i)の歯打ちによる振動を車体に伝えにくくするために、弾
性体の剛性を小さくすることが好ましい。そのため、図4にように、すぐり6を入れることが好ましい。
このため、起振源によって発生する、質量体3の捩りモーメントが発生するとき、制振側弾性体2に対して軸直方向に入力が入ることになるため、その分だけ、制振側弾性体2の弾性力を小さく出来る。つまり制振効果が向上する。
ここで、図5に示すように、起振側弾性体1の弾性体容量について、車両上下方向に位置する弾性体の容量を、他の部分よりも大きく設定する良い。
また、制振側弾性体2の剛性と、質量体3の質量と、で決まる質量体3の共振周波数ωを、制振させたい周波数の(l/√2)以下に設定するとよい。このように設定すると、ダイナミックダンパ機能の効率を最大にすることができる。
ここで、上記質量体3の形状は、上記構成に限定されない。要は、質量が中心部に集中して車両幅方向外方に向かうにつれて小さくなっていればよい。したがって、例えば、図6〜図8に示すような、各種の形状を採用することができる。
トランスアクスル構造を持ち、エンジン21とトランスアクスル20がプロペラシャフト22で連結されている車両では、
(A)エンジン21を起振力に、プロペラシャフト22を伝達系とし、トランスアクスル20前端部を加振することで、車体に弾性体を介し力が入力される。当該入力は、エンジン21自体の弾性曲げにより発生する400Hzの入力が主入力となる。この時、特に問題となるのは、加速時騒音領域(250〜800Hz)である。
上記(A)、(B)による入力を低減させる為には、車両前後方向前側の弾性支持部を低剛性化することが考えられる。
但し、トランスアクスル20は、駆動反力を受けるため、車両前後方向前側の弾性支持部を低剛性とした場合、トランスアクスル20のワインドアップ量は大きくなり、レイアウト要件と、プロペラシャフト22の折れ角と駆動力とで発生するプロペラシャフト222次こもり音の要件とが成立しない。このことから、ワインドアップによる移動量規制で、上記低剛性化に制約がある。
ここで、ダイナミックダンパの作用は、ある起振源の主振動体(質量=M)と質量体3(質量=m)があり、その2体が、起振側弾性体1(弾性係数=K1)及び制振側弾性体2(弾性係数=K2)で繋がれているとき、質量体3の固有振動周波数f以上では、主振動体のエネルギが質量体3に渡され、質量体3が入力方向とは逆方向に大きく振動することで、質量体3の質量mと制振側弾性体2の弾性係数K2で決まる、車体に伝わる入力の低減が図れる、すなわち防振効果を発揮する。ここで、上記Mは、トランスアクスル20の前側弾性支持部の取付け点の等価質量である。
駆動反力により発生するトランスアクスル20の前部取付け点に入る力Fに対する移動量可能量Xに基づき、弾性体の各弾性係数K1,K2は、以下式で決まる剛件を選択すればよい。K1,K2の比率は任意に選択する。
K1×K2 F
───────≧───
K1+K2 X
例えば、
M=28.6kg、m=4kg、Kl=303N/mm、K2=151N/mmとした場合には、図10に示すような効果を得ることができる。
また、起振側弾性体1の車両前後方向の中心と、制振側弾性体2の車両前後方向の中心と、質量体3の重心位置は、平面視及び車両前後方向からみて一直線上に配置されている。これにより、各方向に力が入力されたときに、モーメント入力として弾性体に入り歪が生じ、狙いの特性から外れることを、小さく若しくは防ぐことができる。
また、起振側弾性体1と、制振側弾性体2には、トランスアクスル20を保持する機能と、前述したように、トランスアクスル20に発生するプロペラシャフト22の反力を保持する必要がある。これを効率的に保持し、高さ方向の寸法をより小さくするために、図11及び図12のように、左右の各組の制振側弾性体2を、それぞれ2個の弾性体で構成しても良い。これにより、トランスア々クスルの保持機能とプロペラシャフト22の反力保持機能を同一としつつ、各制振側弾性体2を1つの弾性体で構成した場合に比べて、高さ方向の寸法を小さくできる。
2 制振側弾性体
3 質量体
3 軸体
4 箱体
5 弾性体本体
6 すぐり
20 トランスアクスル
21 エンジン
22 プロペラシャフト
Claims (8)
- 起振源を弾性支持する起振側弾性体と、上記起振側弾性体を挟んで車両幅方向で対向配置される2組の制振側弾性体と、上記起振側弾性体と上記2組の制振側弾性体とを連結する質量体とを備え、且つ、上記制振側弾性体と起振側弾性体とは、車幅方向からみて重なる位置に配置されていることを特徴とする防振支持装置。
- 上記質量体は、起振側弾性体から制振側弾性体に向かうにつれて、車両幅方向への単位長さ当たりの質量が、連続して若しくは断続的に小さくなることを特徴とする請求項1に記載した防振支持装置。
- 起振側弾性体と質量体との連結部中心点と、上記2個の制振側弾性体と質量体との各連結部中心点とが、平面視及び車両前後方向からみて一直線上若しくはほぼ一直線上に配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した防振支持装置。
- 上記起振側弾性体は、軸を車両前後方向に向けた環状となっていて、その環状の内面側に起振源が接続され且つ環状の外面側に上記質量体が接続されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した防振支持装置。
- 起振源が歯車機構を持つ構造体である防振支持装置において、上記起振側弾性体にスグリを設けることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載した防振支持装置。
- 上記質量体の車両幅方向に延びる中心軸に対し、制振側弾性体の軸線が直角若しくは略直角に交わることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載した防振支持装置。
- 上記起振側弾性体は、車両上下方向に位置する弾性体の容量が、他の部分よりも多いことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載した防振支持装置。
- 制振側弾性体の剛性と質量体とで決まる、質量体の共振周波数ωを、制振させたい周波数の(l/√2)以下に設定することを特徴とする防振支持装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004370823A JP2006177430A (ja) | 2004-12-22 | 2004-12-22 | 防振支持装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2006177430A true JP2006177430A (ja) | 2006-07-06 |
Family
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Family Applications (1)
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JP2004370823A Pending JP2006177430A (ja) | 2004-12-22 | 2004-12-22 | 防振支持装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006177430A (ja) |
Citations (4)
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JPH0230553U (ja) * | 1988-08-22 | 1990-02-27 |
-
2004
- 2004-12-22 JP JP2004370823A patent/JP2006177430A/ja active Pending
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