JP2006177368A - 排気ガス浄化用触媒コンバーター - Google Patents
排気ガス浄化用触媒コンバーター Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】排気ガス浄化用触媒コンバーターは、そのボディーであるシェルの内部に触媒担体1と保持シール体2とを有する。この保持シール体2を形成するに当たり、まず、触媒担体1の外周長さよりも長い無機繊維マット状物200を触媒担体1に巻き付ける。このとき、無機繊維マット状物200の一方の端部21には、余剰部分23ができる。そして、この余剰部分23を切断した後、無機繊維マット状物200における両方の端部21、22を対向配置して、保持シール体2を形成する。
【選択図】図1
Description
また、上記シェル95は、その内部に上記触媒担体1と保持シール体2とを配置した後、その前後の開口部に入口側接続部97、出口側接続部98を結合する。
或いは、シェル95を断面C形状、U形状としておきその中へ上記一体品を入れ、次いでシェル95を筒状に閉じる方法がある。
また、近年は、例えば、保持シール体の損傷、劣化を防止することを目的として、板状のセラミックファイバーを気密シートに入れる取付方法が、特開平7−197813号公報に開示されている。また、作業性向上、工程簡略化のため、後述する図2に示すごとく、最初から円筒状のシェル95を準備しておき、その中へ上記一体品20を圧入する圧入組付方法が採用されている。
このように加工した保持シール体2は、図7(B)に示すごとく、触媒担体1の外周に巻回し、上記凹部87に突状部88を嵌入する。保持シール体2は触媒担体1の外周にテープ及び接着剤により固定し、シェル95の中に組みつける。
また、排ガス規制に対応するため、保持シール体中の有機分もあらかじめ焼失させる検討もなされている。
これらに対応するため、まだ触媒成分を担持させていない未担持担体をシェル内に保持シール体を介して組み付けた後、触媒溶液を、未担持担体内壁に付着させ、加熱焼成し、担持する方法が検討されている。この方法によると、加熱焼成時に保持シール体中の有機分も同時に焼失処理することができる。
外周に保持シール体2を巻回した未担持担体11は、シェル95の中に組み付けした後、図8に示すごとく、未担持担体11に触媒成分を担持する。
即ち、上記組付後の一体品の下側及び上側にパイプ71、72を押し当てて上方及び下方より、スラリー状の触媒溶液70を未担持担体11内にその軸方向に供給する。これにより、触媒溶液70が未担持担体11のハニカム壁に付着する。
その後は、後述する図4に示すごとく、排気パイプ99の途中に配置する。
即ち、図9に示すごとく、触媒担体1及び保持シール体2には寸法公差があるため、巻回する際に、その端部881、871の間には、合せ間隙Cが形成される。そのため触媒溶液70を未担持担体11に供給する際(図8参照)に、上記合せ間隙Cから上記触媒溶液70が外部へ漏出する。触媒金属は貴金属であるため、漏出や触媒担体1以外への付着は製品としてコストアップにつながるという問題が発生していた。
上記巻回配設を行う際には、上記触媒担体の外周長さよりも長い上記無機繊維マット状物を上記触媒担体に巻き付け、該無機繊維マット状物の少なくとも一方の端部を切断した後、該無機繊維マット状物における両方の端部を対向配置して形成したことを特徴とする保持シール体にある。
本発明においては、上記巻回配設を行うに当たり、まず触媒担体の外周の長さよりも長い長さを持つ上記無機繊維マット状物を準備する。そして、この無機繊維マット状物を触媒担体に巻き付ける。このとき、無機繊維マット状物の一方の端部に他方の端部が重なる。この重なった部分は必要のない余剰部分であるため切断する。そして、切断後の無機繊維マット状物の端部と端部とを対向させて触媒担体の外周に収め、上記保持シール体を形成する。
また、そのため、触媒溶液が漏出してシェルに付着することがく、シェルに対して排気パイプ等を溶接する際に不都合を生ずることがない。
即ち、上記無機繊維マット状物は、上記余剰部分の切断を行った後には、テープ又は接着剤等の固定具により触媒担体に固定させて、一体品とする。次に、この一体品を上記シェルの内部に組み付ける。そして、上記のごとく触媒溶液を触媒担体に供給するが、その際に触媒溶液がシェル側へ漏出しない範囲での幅を、合せ隙間に許容される幅と考える。
上記巻回配設を行う際には、上記触媒担体の外周長さよりも短い上記無機繊維マット状物を上記触媒担体に巻き付け、上記無機繊維マット状物における両方の端部の間に形成された合せ間隙の幅が1mmを超える場合には、該合せ間隙に上記無機繊維マット状物と同じ材質よりなる充填用シートを充填して形成したことを特徴とする保持シール体にある。
上記巻回配設を行う際には、上記無機繊維マット状物の少なくとも一方の端部は厚み方向に対して斜状に形成された斜状端部であり、該斜状端部を他方の端部に重ね合わせて形成したことを特徴とする保持シール体にある。
即ち、上記傾斜端部の厚みは、無機繊維マット状物の厚みに比べて薄い。そのため、意図的に重なりを作っても、保持シール体をシェルの内部に収めることができ、かつ合せ隙間をなくすことができる。それ故、本発明によっても、触媒担体への触媒溶液の供給時に保持シール体の合せ間隙から触媒溶液の漏出がなく、触媒担体に触媒成分を担持させることができる排気ガス浄化用触媒コンバーターの保持シール体を提供することができる。
上記巻回配設を行う際には、上記触媒担体の外周長さよりも短い上記無機繊維マット状物を上記触媒担体に巻き付け、上記無機繊維マット状物における両方の端部の間に形成された合せ間隙の幅が1mmを超える場合には、該合せ間隙に上記無機繊維マット状物と同じ材質よりなる充填用シートを充填して上記保持シール体を形成したことを特徴とする排気ガス浄化用触媒コンバーターにある。
上記巻回配設を行う際には、上記無機繊維マット状物の少なくとも一方の端部は厚み方向に対して斜状に形成された斜状端部であり、該斜状端部を他方の端部に重ね合わせて上記保持シール体を形成したことを特徴とする排気ガス浄化用触媒コンバーターにある。
これにより、上記合せ間隙からの触媒溶液の漏出を一層確実に阻止することができる。
本発明の実施形態例につき、図1〜図4及び図8を用いて説明する。
図3に示すごとく、本例における排気ガス浄化用触媒コンバーター10は、触媒担体1と、該触媒担体1の外方を覆うシェル95と、該シェル95と触媒担体1との間に配置され、無機繊維マット状物200を触媒担体1の外周に巻回配設して形成される保持シール体2とを有する。
まず、排気ガス浄化用触媒コンバーター10を製作する際に用いた主要なものの形状、寸法及び材質等につき説明する。
上記触媒担体1には、外径130mm、長さ100mmの、ハニカム状のコージェライト製モノリス体を用いた。この触媒担体1には、その軸方向に沿って多数の角状穴111が設けてある。そして、この角状穴111の間には、その隔壁である多数のハニカム壁112が形成されており、該ハニカム壁112の壁厚は50μmである(図2参照)。
上記無機繊維マット状物200には、厚み8mm、嵩密度0.2g/cm3の結晶質アルミナ繊維を用いた。また、上記切断を行う前の無機繊維マット状物200は、長さLを有している。この長さLは、触媒担体1の外周長さRよりも長くなっている。
また、上記触媒溶液70には、白金、パラジウムを含む溶液を用いた。
まずは、図1(A)に示すごとく、触媒担体1の外周の長さよりも長い長さを持つ上記無機繊維マット状物200を準備する。そして、無機繊維マット状物200の一方の端部21が他方の端部22に嵌合するように、それら両方の端部21、22に形状を設ける。つまり、一方の端部21には、無機繊維マット状物200の幅方向における真ん中の部分が凸状になるように切断して、凸部211を形成する。また、他方の端部22には、無機繊維マット状物200の幅方向における真ん中の部分が凹状になるように切断して、上記凸部211に嵌合する形状を有する凹部221を形成する。
そして、上述した図8に示すと同様に、触媒担体1に触媒成分を担持させる準備を行う。つまり、圧入を行ったシェル95を縦に配置して、一体品20の内部にある触媒担体1の下端面にパイプ71を、触媒担体1の上端面にパイプ72を押し当てる。そして、スラリー状の触媒溶液70をパイプ72の上方より、触媒担体1内にその軸方向に沿って供給する。こうして、触媒担体1に触媒溶液70を浸透させる。
図3に示すごとく、こうして、排気ガス浄化用触媒コンバーター10ができ上がる。
そして、図4に示すごとく、パイプ71、72を外した後、シェル95の各端に、それぞれ入口側接続部97、出口側接続部98を結合し、この結合部に溶接を行い、それらを一体化する。そして、排気ガス浄化用触媒コンバーター10は、自動車エンジンEの排気パイプ99の途中に配置される。
また、本例においては、凸部211を有する端部21側を余剰部分23にしたが、凹部221を有する端部22側をこの余剰部分23にしても勿論よい。
また、触媒担体1に触媒溶液70を供給する際には、パイプ71のみを用い、それを触媒担体1の下端面に押し当て、パイプ71の下方よりスラリー状の触媒溶液70を触媒担体1内にその軸方向に沿って供給してもよい。
本例においては、無機繊維マット状物200を寸法誤差を持った実際の触媒担体1に合わせてから、該無機繊維マット状物200における余剰部分23を切断する。そのため、無機繊維マット状物200を、実際に保持シール体2に必要となる任意の長さに切断することができる。そのため、保持シール体2の一方の端部21と他方の端部22との間にできる合せ隙間Cをほとんどなくすことができる。
また、そのため、触媒溶液70が漏出してシェル95に付着することがない。そのため、シェル95の各端に、それぞれ上記入口側接続部97又は上記出口側接続部98を溶接する際に不都合を生ずることがない。
即ち、上記無機繊維マット状物200は、上記余剰部分23の切断を行った後には、テープ又は接着剤等の固定具により触媒担体1に固定させて、一体品20とする。次に、この一体品20を上記シェル95の内部に圧入する。そして、上記のごとく触媒溶液70を触媒担体1に供給するが、その際に該触媒溶液70がシェル95側へ漏出しない範囲での幅を、合せ隙間Cに許容される幅と考える。そして、この合せ隙間Cの幅が、1mm以下であれば漏出を確実に阻止できることがわかった。
本例においては、図5に示すごとく、上記合せ隙間Cが1mmを超える場合に、該合せ間隙Cに上記無機繊維マット状物200と同じ材質よりなる充填用シート3を充填して上記保持シール体2を形成している。
また、上記巻回配設を行う際には、触媒担体1の外周長さよりも短い無機繊維マット状物200を触媒担体1に巻き付けている。また、具体的には、合せ隙間Cは5mmであった。その他は上記実施形態例1と同様である。
その他、上記実施形態例1と同様の作用効果を得ることができる。
本例においては、図6(A)〜(C)に示すごとく、上記巻回配設を行う際に、無機繊維マット状物200の両方の端部を、それぞれ厚み方向に対して斜状に形成された斜状端部24、25としている。
即ち、図6(A)に示すごとく、一方の斜状端部24と他方の斜状端部25は、無機繊維マット状物200を平面状に広げた状態においては、厚み方向に対してほぼ平行な斜状に形成してある。また、一方の斜状端部24は凸部241を有し、他方の斜状端部25は凹部251を有している。
その他、上記実施形態例1と同様の作用効果を得ることができる。
また、斜状端部24、25のいずれか一方は、上記実施形態例1と同様に直角状に形成されていてもよい。
10...排気ガス浄化用触媒コンバーター、
2...保持シール体、
21、22...端部、
23...余剰部分、
200...無機繊維マット状物、
95...シェル、
Claims (6)
- 触媒担体と、該触媒担体の外方を覆うシェルとを有する排気ガス浄化用触媒コンバーターにおいて、上記シェルと上記触媒担体との間に配置され、無機繊維マット状物を上記触媒担体の外周に巻回配設して形成される保持シール体であって、
上記巻回配設を行う際には、上記触媒担体の外周長さよりも長い上記無機繊維マット状物を上記触媒担体に巻き付け、該無機繊維マット状物の少なくとも一方の端部を切断した後、該無機繊維マット状物における両方の端部を対向配置して形成したことを特徴とする保持シール体。 - 請求項1において、上記保持シール体における両端部の間に形成された合せ間隙の幅は、1mm以下であることを特徴とする保持シール体。
- 触媒担体と、該触媒担体の外方を覆うシェルとを有する排気ガス浄化用触媒コンバーターにおいて、上記シェルと上記触媒担体との間に配置され、無機繊維マット状物を上記触媒担体の外周に巻回配設して形成される保持シール体であって、
上記巻回配設を行う際には、上記触媒担体の外周長さよりも短い上記無機繊維マット状物を上記触媒担体に巻き付け、上記無機繊維マット状物における両方の端部の間に形成された合せ間隙の幅が1mmを超える場合には、該合せ間隙に上記無機繊維マット状物と同じ材質よりなる充填用シートを充填して形成したことを特徴とする保持シール体。 - 触媒担体と、該触媒担体の外方を覆うシェルとを有する排気ガス浄化用触媒コンバーターにおいて、上記シェルと上記触媒担体との間に配置され、無機繊維マット状物を上記触媒担体の外周に巻回配設して形成される保持シール体であって、
上記巻回配設を行う際には、上記無機繊維マット状物の少なくとも一方の端部は厚み方向に対して斜状に形成された斜状端部であり、該斜状端部を他方の端部に重ね合わせて形成したことを特徴とする保持シール体。 - 触媒担体と、該触媒担体の外方を覆うシェルと、該シェルと上記触媒担体との間に配置され、無機繊維マット状物を上記触媒担体の外周に巻回配設して形成される保持シール体とを有する排気ガス浄化用触媒コンバーターにおいて、
上記巻回配設を行う際には、上記触媒担体の外周長さよりも短い上記無機繊維マット状物を上記触媒担体に巻き付け、上記無機繊維マット状物における両方の端部の間に形成された合せ間隙の幅が1mmを超える場合には、該合せ間隙に上記無機繊維マット状物と同じ材質よりなる充填用シートを充填して上記保持シール体を形成したことを特徴とする排気ガス浄化用触媒コンバーター。 - 触媒担体と、該触媒担体の外方を覆うシェルと、該シェルと上記触媒担体との間に配置され、無機繊維マット状物を上記触媒担体の外周に巻回配設して形成される保持シール体とを有する排気ガス浄化用触媒コンバーターにおいて、
上記巻回配設を行う際には、上記無機繊維マット状物の少なくとも一方の端部は厚み方向に対して斜状に形成された斜状端部であり、該斜状端部を他方の端部に重ね合わせて上記保持シール体を形成したことを特徴とする排気ガス浄化用触媒コンバーター。
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