JP2006177247A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エンジントルクの制御仕様の簡素化や適合工数削減の要求を満たしながら精度の高いトルク発生効率を算出できるようにする。
【解決手段】 MBT運転時に燃焼質量割合が50%となるクランク角θMBT と、実際の点火遅角時に燃焼質量割合が50%となるクランク角θretardとの差分(θMBT −θretard)を演算し、この差分(θMBT −θretard)に基づいてマップ又は次の数式により実際の点火時期におけるトルク発生効率を演算する。差分(θMBT −θretard)は、次式により算出すれば良い。
θMBT −θretard=点火遅角量−着火遅れ期間の変化量+主燃焼期間の前半分の変化量ここで、着火遅れ期間は、点火時期から実際に燃焼が発生するまでの期間であり、主燃焼期間は、着火遅れ期間終了から燃焼完了以前で熱発生率が低下するまでの期間である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トルク発生効率又は要求点火時期を演算する機能を備えた内燃機関の制御装置に関する発明である。
内燃機関のトルクを制御するシステムでは、トルク発生効率が最大となる最適点火時期(以下「MBT」と表記する)からの点火遅角量に応じてトルク発生効率(点火時期効率)が変化することを考慮して、例えば特許文献1(特開2003−278591号公報)に示すように、予め点火遅角量とトルク発生効率との関係をマップ化しておき、このマップを用いて実際の点火遅角量に応じたトルク発生効率を算出するようにしている。
特開2003−278591号公報(第4頁、図3等)
しかし、点火遅角量とトルク発生効率との関係は、空燃比、排出ガス還流率(EGR率)、冷却水温等のエンジン運転条件によって変化するため、それらのエンジン運転条件毎に適合したトルク発生効率算出マップを作成する必要がある。このため、トルク発生効率算出精度を向上させるのに、多数のマップが必要となり、仕様の複雑化やマップ適合工数増加等を招くという問題があった。
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、仕様の簡素化や適合工数削減の要求を満たしながら精度の高いトルク発生効率を算出することができる内燃機関の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、燃焼質量割合が特定の割合となるクランク角とトルク発生効率との関係に基づいて、実際の点火時期におけるトルク発生効率を演算するトルク制御手段を備えた構成としたものである。
最近の本発明者の研究結果によれば、燃焼質量割合が特定の割合となるクランク角とトルク発生効率との関係は、内燃機関の運転条件とは関係なく、一意の曲線(図5参照)で近似できることが判明した。図4のPV線図には、トルク発生効率が最大となる最適点火時期(MBT)で運転した場合の理論サイクル(a→b→c→d→a)と、MBTから点火遅角された実際の点火時期で運転した場合のサイクル(a→b' →c' →d' →a)と、燃焼質量割合が特定の割合となるクランク角で燃焼が瞬間的に発生したと仮定した場合の仮想的なサイクル(a→b" →c" →d' →a)が示されている。燃焼質量割合が特定の割合となるクランク角で燃焼が瞬間的に発生したと仮定した場合、図示トルク効率は、次式で表される。
図示トルク効率=(B+C)/(A+C)
ここで、A、B、Cは、図4のPV線図の各部分の面積であり、(A+C)はMBTで運転した場合の理論サイクル(a→b→c→d→a)の面積であり、(B+C)は燃焼質量割合が特定の割合となるクランク角で燃焼が瞬間的に発生したと仮定した場合の仮想的なサイクル(a→b" →c" →d' →a)の面積である。実際には、燃焼が瞬間的に発生することはなく、図4に点線(b' →c' )で示すように、筒内圧(燃焼圧)が燃焼速度に応じた時間をかけて上昇するため、燃焼が瞬間的に発生する場合の面積(B+C)から増加する部分Dと減少する部分Eが発生する。実際の燃焼行程の筒内圧上昇曲線(b' →c' )は運転状態によって曲線形状が変化するが、実際の筒内圧上昇曲線(b' →c' )と燃焼が瞬間的に発生する場合の筒内圧上昇線(b" →c" )との交点は、内燃機関の運転条件とは関係なく、常に一定のクランク角(燃焼質量割合が特定の割合となるクランク角)となる。しかも、面積(B+C)から増加する部分Dと減少する部分Eとがほぼ対称の形状となって、両者の面積がほぼ同じになるため、燃焼質量割合が特定の割合となるクランク角とトルク発生効率との関係は、内燃機関の運転条件とは関係なく、一意の曲線で近似できる。
このような特性に着目して、本発明は、燃焼質量割合が特定の割合となるクランク角とトルク発生効率との関係に基づいて、実際の点火時期におけるトルク発生効率を演算するようにしたものである。これにより、トルク発生効率を演算する際に、トルク発生効率の特性曲線を表す1つのマップ(又は数式)を内燃機関の運転条件とは関係なく使用して、様々な点火時期におけるトルク発生効率を簡単に演算することができ、仕様の簡素化や適合工数削減の要求を満たしながら精度の高いトルク発生効率を算出することが可能となる。
この場合、特定の割合は、機種毎に実験やシミュレーション等によって適合しても良いが、本発明者の研究結果によれば、特定の割合は機種毎に多少のばらつきがあっても50%付近の値になることから、請求項2のように、特定の割合を50%に設定して、燃焼質量割合が50%となるクランク角とトルク発生効率との関係に基づいて、実際の点火時期におけるトルク発生効率を演算するようにしても良い。このようにすれば、特定の割合を適合する作業を省略して生産性を高めながら、トルク発生効率の算出精度向上の要求を満たすことができる。
更に、請求項3のように、MBTにおいて燃焼質量割合が特定の割合となるクランク角θMBT と、実際の点火時期において燃焼質量割合が特定の割合となるクランク角θretardとの差分(θMBT −θretard)を演算し、この差分(θMBT −θretard)に基づいて実際の点火時期におけるトルク発生効率を演算するようにすると良い。
差分(θMBT −θretard)は、MBTにおいて燃焼質量割合が特定の割合となるクランク角θMBT をクランク角の基準位置とし、実際の点火時期において燃焼質量割合が特定の割合となるクランク角θretardを基準位置θMBT からの相対的なクランク角で表現したものであり、これにより、燃焼質量割合が特定の割合となるクランク角(θMBT −θretard)とトルク発生効率との関係を、内燃機関の運転条件とは関係なく、一意の曲線で近似することが可能となる。
一般に、燃焼質量割合は、筒内圧(燃焼圧)を検出する筒内圧センサの出力波形に基づいて演算できるため、内燃機関の各気筒に筒内圧センサを設けたシステムに本発明を適用する場合は、請求項4のように、各気筒の筒内圧センサの出力波形から得られた燃焼質量割合に基づいて差分(θMBT −θretard)を演算するようにすると良い。
しかし、筒内圧センサを持たないシステムに本発明を適用する場合は、新たに筒内圧センサを設けると、かなりのコストアップになってしまう欠点がある。
そこで、筒内圧センサを持たないシステムに本発明を適用する場合は、請求項5のように、MBTから実際の点火時期までの点火遅角量、着火遅れ期間の変化量、及び、主燃焼期間開始(着火遅れ期間終了)から燃焼質量割合が特定の割合となるまでの期間の変化量に基づいて差分(θMBT −θretard)を演算するようにすると良い。ここで、着火遅れ期間は、点火時期から実際に燃焼が発生するまでの期間であり、主燃焼期間は、着火遅れ期間終了から燃焼完了以前で熱発生率が低下するまでの期間である。点火遅角量、着火遅れ期間の変化量、及び、主燃焼期間開始(着火遅れ期間終了)から燃焼質量割合が特定の割合となるまでの期間の変化量を求めれば、これらの値から差分(θMBT −θretard)を演算することができる。
この場合、請求項6のように、着火遅れ期間の変化量を実際の点火時期(点火時のクランク角)に基づいて演算し、主燃焼期間開始から燃焼質量割合が特定の割合となるまでの期間の変化量をMBTから実際の点火時期までの点火遅角量に基づいて演算するようにすれば良い。ここで、着火遅れ期間と、主燃焼期間開始から燃焼質量割合が特定の割合となるまでの期間は、内燃機関の運転条件によって変化するが、本発明者の研究結果によれば、各々の変化量と点火時期(点火時のクランク角)又は点火遅角量との関係は、内燃機関の運転条件とは関係なく、一意の曲線で近似できることが判明した。この特性を利用することで、簡素な仕様で各々の変化量を精度良く演算することができる。
また、請求項7のように、MBTにおいて燃焼質量割合が特定の割合となるクランク角θMBT と、実際の点火時期において燃焼質量割合が特定の割合となるクランク角θretardとの差分(θMBT −θretard)からトルク発生効率を演算するモデルの逆モデルを用いて、要求トルク発生効率と実際の運転条件におけるMBTとに基づいて要求点火時期を演算するようにしても良い。このようにすれば、要求点火時期を演算する際に、トルク発生効率の特性曲線を表す1つのマップ(又は数式)を内燃機関の運転条件とは関係なく使用して、様々な運転条件における要求点火時期を簡単に演算することができ、仕様の簡素化や適合工数削減の要求を満たしながら精度の高い要求点火時期を算出することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した一実施例を図面に基づいて説明する。まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。内燃機関であるエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量Gnを検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、DCモータ等のモータ15aによって開度調節されるスロットルバルブ15と、スロットル開度を検出するスロットル開度センサ16とが設けられている。
更に、スロットルバルブ15の下流側には、サージタンク17が設けられ、このサージタンク17には、吸気管圧力Pmを検出する吸気管圧力センサ18が設けられている。また、サージタンク17には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド19が設けられ、各気筒の吸気マニホールド19の吸気ポート近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁20が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ21が取り付けられ、各点火プラグ21の火花放電によって筒内の混合気に着火される。
一方、エンジン11の排気管22には、排出ガス中のCO,HC,NOx等を浄化する三元触媒等の触媒23が設けられ、この触媒23の上流側に、排出ガスの空燃比を検出する空燃比センサ24が設けられている。
また、エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ25や、エンジン11のクランク軸が一定クランク角回転する毎にパルス信号を出力するクランク角センサ26が取り付けられている。このクランク角センサ26の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度Neが検出される。
これら各種センサの出力は、エンジン制御回路(以下「ECU」と表記する)27に入力される。このECU27は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁20の燃料噴射量や点火プラグ21の点火時期を制御する。
また、ECU27は、エンジン11のトルクを制御するトルク制御手段としての機能も備え、図2に示すように、アクセル開度と運転状態(実エンジン回転速度Ne等)に基づいて要求軸トルクを算出すると共に、運転状態に応じた機関ロストルク(エンジン11の内部損失トルクや外部負荷トルク)を算出して、この機関ロストルクにより要求軸トルクを補正し、補正後の要求軸トルクをトルク発生効率で割り算して要求図示トルクを算出する。そして、ECU27は、この要求図示トルクを実現するための要求吸気量を算出し、この要求吸気量に基づいて要求スロットル開度を算出してスロットル開度を制御する。この場合、トルク発生効率は、後述する図10の要求トルク発生効率演算モデルを用いて、燃焼質量割合が特定の割合となるクランク角とトルク発生効率との関係に基づいて算出される。
更に、ECU27は、図3に示すように、要求トルク発生効率と最適点火時期(MBT)とに基づいて要求点火時期を算出する機能(点火時期制御手段)も備えている。この場合、要求トルク発生効率の算出方法は、アンチロックブレーキシステム(ABS)、車両安定性制御システム(VSC)等の信号に基づいて瞬間的要求図示トルクを算出すると共に、運転状態に応じた機関ロストルク(エンジン11の内部損失トルクや外部負荷トルク)を算出して、この機関ロストルクにより瞬間的要求図示トルクを補正し、補正後の瞬間的要求図示トルクを推定図示トルクで割り算して要求トルク発生効率を算出する。推定図示トルクの算出方法は、エアフローメータ14の出力信号Gnと吸気管圧力センサ18の出力信号Pmに基づいて吸入空気量を算出し、この吸入空気量に基づいて推定図示トルクを算出する。要求トルク発生効率と最適点火時期(MBT)とに基づいて要求点火時期を算出するモデルは、トルク発生効率を演算するモデル(図10参照)の逆モデルが使用される。
次に、燃焼質量割合が特定の割合となるクランク角とトルク発生効率との関係に基づいて、実際の点火時期におけるトルク発生効率を演算する方法を説明する。
最近の本発明者の研究結果によれば、燃焼質量割合が特定の割合となるクランク角とトルク発生効率との関係は、エンジン11の運転条件とは関係なく、一意の曲線(図5参照)で近似できることが判明した。以下、これについて説明する。
図4のPV線図には、MBTで運転した場合の理論サイクル(a→b→c→d→a)と、MBTから点火遅角された実際の点火時期で運転した場合(点火遅角時)のサイクル(a→b' →c' →d' →a)と、燃焼質量割合が特定の割合となるクランク角で燃焼が瞬間的に発生したと仮定した場合の仮想的なサイクル(a→b" →c" →d' →a)が示されている。燃焼質量割合が特定の割合となるクランク角で燃焼が瞬間的に発生したと仮定した場合、図示トルク効率は、次式で表される。
図示トルク効率=(B+C)/(A+C)
ここで、A、B、Cは、図4のPV線図の各部分の面積であり、(A+C)はMBTで運転した場合の理論サイクル(a→b→c→d→a)の面積であり、(B+C)は燃焼質量割合が特定の割合となるクランク角で燃焼が瞬間的に発生したと仮定した場合の仮想的なサイクル(a→b" →c" →d' →a)の面積である。実際には、燃焼が瞬間的に発生することはなく、図4に点線(b' →c' )で示すように、筒内圧(燃焼圧)が燃焼速度に応じた時間をかけて上昇するため、燃焼が瞬間的に発生する場合の面積(B+C)から増加する部分Dと減少する部分Eが発生する。実際の燃焼行程の筒内圧上昇曲線(b' →c' )は運転状態によって曲線形状が変化するが、実際の筒内圧上昇曲線(b' →c' )と燃焼が瞬間的に発生する場合の筒内圧上昇線(b" →c" )との交点は、エンジン運転条件とは関係なく、常に一定のクランク角(燃焼質量割合が特定の割合となるクランク角)となる。しかも、面積(B+C)から増加する部分Dと減少する部分Eとがほぼ対称の形状となって、両者の面積がほぼ同じになるため、燃焼質量割合が特定の割合となるクランク角とトルク発生効率との関係は、エンジン運転条件とは関係なく、一意の曲線で近似できる。
このような特性に着目して、本実施例では、燃焼質量割合が特定の割合となるクランク角とトルク発生効率との関係に基づいて、実際の点火時期におけるトルク発生効率を演算するようにしたものである。これにより、トルク発生効率を演算する際にトルク発生効率の特性曲線を表す1つのマップ(又は数式)をエンジン運転条件とは関係なく使用して、様々な点火時期におけるトルク発生効率を簡単に演算することができ、仕様の簡素化や適合工数削減の要求を満たしながら精度の高いトルク発生効率を算出することが可能となる。
この場合、特定の割合は、機種毎に実験やシミュレーション等によって適合しても良いが、本発明者の研究結果によれば、特定の割合は機種毎に多少のばらつきがあっても50%付近の値になることから、本実施例では、特定の割合を50%に設定して、燃焼質量割合が50%となるクランク角とトルク発生効率との関係に基づいて、実際の点火時期におけるトルク発生効率を演算するようにしている。このようにすれば、特定の割合を適合する作業を省略して生産性を高めながら、トルク発生効率の算出精度向上の要求を満たすことができる。
更に、本実施例では、MBT運転時に燃焼質量割合が50%となるクランク角θMBT と、実際の点火遅角時に燃焼質量割合が50%となるクランク角θretardとの差分(θMBT −θretard)を演算し、この差分(θMBT −θretard)に基づいて、図5のマップTable1又は次の数式により実際の点火時期におけるトルク発生効率を演算するようにしている。
トルク発生効率=Table1(x)=a1 x2 +b1 x+c1
x=θMBT −θretard
ここで、a1 ,b1 ,c1 は係数である。
差分(θMBT −θretard)は、MBT運転時に燃焼質量割合が50%となるクランク角θMBT をクランク角の基準位置とし、実際の点火遅角時に燃焼質量割合が50%となるクランク角θretardを、基準位置θMBT からの相対的なクランク角で表現したものであり、これにより、燃焼質量割合が50%となるクランク角(θMBT −θretard)とトルク発生効率との関係を、エンジン運転条件とは関係なく、1つのマップ又は数式で近似することが可能となる。
一般に、燃焼質量割合は、筒内圧(燃焼圧)を検出する筒内圧センサの出力波形に基づいて演算できるため、エンジン11の各気筒に筒内圧センサを設けたシステムに本発明を適用する場合は、各気筒の筒内圧センサの出力波形から得られた燃焼質量割合に基づいて差分(θMBT −θretard)を演算するようにすると良い。
しかし、筒内圧センサを持たないシステムに本発明を適用する場合は、新たに筒内圧センサを設けると、かなりのコストアップになってしまう欠点がある。
そこで、本実施例では、図6及び図10に示すように、MBTから実際の点火時期までの点火遅角量、着火遅れ期間の変化量、及び、主燃焼期間開始(着火遅れ期間終了)から燃焼質量割合が50%となるまでの期間(すなわち主燃焼期間の前半分)の変化量に基づいて、次式により差分(θMBT −θretard)を演算する。
θMBT −θretard=点火遅角量−着火遅れ期間の変化量+主燃焼期間の前半分の変化量
ここで、図7に示すように、着火遅れ期間は、点火時期から実際に燃焼が発生するまでの期間(燃焼質量割合が0%から例えば10%に上昇するまでの期間)であり、主燃焼期間は、着火遅れ期間終了から燃焼完了以前で熱発生率が低下するまでの期間(燃焼質量割合が例えば10%から95%に上昇するまでの期間)である。
この場合、着火遅れ期間と、主燃焼期間開始から燃焼質量割合が50%となるまでの期間(すなわち主燃焼期間の前半分)は、エンジン運転条件によって変化するが、本発明者の研究結果によれば、図8に示すように、着火遅れ期間の変化量と点火時期(点火時のクランク角)との関係は、エンジン運転条件とは関係なく、一意の曲線で近似できることが判明した。また、図9に示すように、主燃焼期間の前半分の変化量と点火遅角量(MBT−点火時期)との関係を見ると、エンジン運転条件とは関係なく、一意の曲線で近似することができ、点火遅角量が大きくなるほど、主燃焼期間の前半分の変化量が大きくなることが判明した。
このような特性に着目して、本実施例では、エンジン運転条件とは関係なく、図8に示すマップTable2又は下記の数式を用いて、着火遅れ期間の変化量を実際の点火時期に基づいて演算する。
着火遅れ期間の変化量=Table2(x)=a2 x2 +b2 x+c2
(x:点火時期、a2 ,b2 ,c2 :係数)
実際には、エンジン運転条件に応じてMBTが変化し、それに応じてMBT運転時の着火遅れ期間が変化するため、着火遅れ期間の変化量は、MBT運転時の着火遅れ期間の変化量Table2(MBT)と実際の点火時期で運転したときの着火遅れ期間の変化量Table2(点火時期)との差によって求められる。
着火遅れ期間の変化量=Table2(MBT)−Table2(点火時期)
また、図9に示すマップTable3又は下記の数式を用いて、主燃焼期間の前半分の変化量を点火遅角量(MBT−点火時期)に基づいて演算する。
主燃焼期間の前半分の変化量=Table3(x)=a3 x2 +b3 x+c3
(x:点火遅角量、a3 ,b3 ,c3 :係数)
図10に示すように、トルク発生効率を演算するモデルは次式で表される。
θMBT −θretard=点火遅角量−着火遅れ期間の変化量+主燃焼期間の前半分の変化量 =(MBT−点火時期)−{Table2(MBT)−Table2(点火時期)} +Table3(MBT−点火時期)
トルク発生効率=Table1(θMBT −θretard)
従って、図10に示すモデルを用いれば、MBTと実際の点火時期からトルク発生効率を演算することができる。
前述したように、ECU27は、図10のトルク発生効率演算モデルの逆モデルを用いて要求トルク発生効率とMBTとに基づいて要求点火時期を算出する機能を備えている。この要求点火時期を演算するモデル(図10のトルク発生効率演算モデルの逆モデル)は次式で表される。
θMBT −要求点火時期=Table1-1(要求トルク発生効率)
θMBT −要求点火時期=(MBT−要求点火時期)
−{Table2(MBT)−Table2(要求点火時期)} +Table3(MBT−要求点火時期)
Table2(x)=a2 x2 +b2 x+c2
Table3(x)=a3 x2 +b3 x+c3
これらの式から“θMBT −要求点火時期”を消去して、要求点火時期について解くと、次式が導き出される。
Figure 2006177247
上式を用いれば、要求トルク発生効率とMBTとに基づいて要求点火時期を算出することが可能となる。
ECU27は、エンジン運転中に図11のトルク発生効率演算ルーチンを所定周期で実行することで、図10のトルク発生効率演算モデルによってトルク発生効率を次のようにして演算する。まず、ステップ101で、MBT運転時の着火遅れ期間変化量1=Table2(MBT)を図8のマップTable2又は数式を用いて演算する。この後、ステップ102に進み、実際の点火時期で運転したときの着火遅れ期間変化量2=Table2(点火時期)を図8のマップTable2又は数式を用いて演算する。
この後、ステップ103に進み、図9に示すマップTable3又は数式を用いて、主燃焼期間の前半分の変化量を点火遅角量(MBT−点火時期)に基づいて演算する。
主燃焼期間の前半分の変化量=Table3(MBT−点火時期)
この後、ステップ104に進み、“θMBT −θretard”を次式により算出する。
θMBT −θretard=(MBT−点火時期)
−(着火遅れ期間変化量1−着火遅れ期間変化量2)
+主燃焼期間の前半分の変化量
この後、ステップ105に進み、“θMBT −θretard”を用いて図5のマップTable1又は数式により実際の点火時期におけるトルク発生効率を演算する。
トルク発生効率=Table1(θMBT −θretard)
以上説明した本実施例によれば、燃焼質量割合が特定の割合(50%)となるクランク角とトルク発生効率との関係に基づいてMBTと実際の点火時期からトルク発生効率を演算するようにしたので、トルク発生効率を演算する際に、トルク発生効率の特性曲線を表す1つのマップTable1又は数式をエンジン運転条件とは関係なく使用して、様々な点火時期におけるトルク発生効率を簡単に演算することができ、仕様の簡素化や適合工数削減の要求を満たしながら精度の高いトルク発生効率を算出することが可能となる。
しかも、本実施例では、トルク発生効率演算モデルの逆モデルを用いて、要求トルク発生効率とMBTとに基づいて要求点火時期を算出するようにしたので、要求点火時期を演算する際に、トルク発生効率の特性曲線を表す1つのマップTable1又は数式をエンジン運転条件とは関係なく使用して、様々なエンジン運転条件における要求点火時期を簡単に演算することができ、仕様の簡素化や適合工数削減の要求を満たしながら精度の高い要求点火時期を算出することが可能となる。
尚、本発明は、図1に示すような吸気ポート噴射エンジンに限らず、筒内噴射エンジンにも適用して実施できる等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
本発明の一実施例におけるエンジン制御システム全体の概略構成図である。 要求スロットル開度を算出する機能を表すブロック図である。 要求点火時期を算出する機能を表すブロック図である。 PV線図である。 燃焼質量割合が50%となるクランク角とトルク発生効率との関係を表すマップTable1の一例を示す図である。 MBT運転時に燃焼質量割合が50%となるクランク角θMBT と、実際の点火遅角時に燃焼質量割合が50%となるクランク角θretardとの差分(θMBT −θretard)の演算方法を説明する図である。 着火遅れ期間と主燃焼期間と燃焼質量割合との関係を説明する図である。 着火遅れ期間の変化量と点火時期との関係を表すマップTable2の一例を示す図である。 主燃焼期間の前半分の変化量と点火遅角量との関係を表すマップTable3の一例を示す図である。 トルク発生効率演算モデルを説明する図である。 トルク発生効率演算ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、14…エアフローメータ、15…スロットルバルブ、18…吸気管圧力センサ、20…燃料噴射弁、21…点火プラグ、22…排気管、23…触媒、26…クランク角センサ、27…ECU(トルク制御手段,点火時期制御手段)

Claims (7)

  1. 内燃機関のトルクを制御するトルク制御手段を備えた内燃機関の制御装置において、
    前記トルク制御手段は、燃焼質量割合が特定の割合となるクランク角とトルク発生効率との関係に基づいて、実際の点火時期におけるトルク発生効率を演算することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記特定の割合は50%であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記トルク制御手段は、トルク発生効率が最大となる最適点火時期において燃焼質量割合が前記特定の割合となるクランク角θMBT と、実際の点火時期において燃焼質量割合が前記特定の割合となるクランク角θretardとの差分(θMBT −θretard)を演算し、この差分(θMBT −θretard)に基づいて実際の点火時期におけるトルク発生効率を演算することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 内燃機関の各気筒に筒内圧を検出する筒内圧センサを設け、
    前記トルク制御手段は、前記筒内圧センサの出力波形から得られた燃焼質量割合に基づいて前記差分(θMBT −θretard)を演算することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記トルク制御手段は、前記最適点火時期から前記実際の点火時期までの点火遅角量、着火遅れ期間の変化量、及び、主燃焼期間開始から燃焼質量割合が前記特定の割合となるまでの期間の変化量に基づいて前記差分(θMBT −θretard)を演算することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記トルク制御手段は、前記着火遅れ期間の変化量を実際の点火時期に基づいて演算し、前記主燃焼期間開始から燃焼質量割合が前記特定の割合となるまでの期間の変化量を前記最適点火時期から前記実際の点火時期までの点火遅角量に基づいて演算することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 内燃機関の点火時期を制御する点火時期制御手段を備えた内燃機関の制御装置において、
    前記点火時期制御手段は、トルク発生効率が最大となる最適点火時期において燃焼質量割合が特定の割合となるクランク角θMBT と、実際の点火時期において燃焼質量割合が前記特定の割合となるクランク角θretardとの差分(θMBT −θretard)からトルク発生効率を演算するモデルの逆モデルを用いて、要求トルク発生効率と実際の運転条件における最適点火時期とに基づいて要求点火時期を演算することを特徴とする内燃機関の制御装置。
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