JP2006176848A - プラスチックの炉内への吹き込み方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラスチックを多量に炉内に吹込む場合にもプラスチックが充分な燃焼性を有し、低コストで炉に吹き込むことが可能なプラスチックの炉内への吹き込み方法を提供すること。
【解決手段】プラスチックを加熱した後に冷却して固化体とするに際し、前記固化体の形成前にプラスチック以外の固体粒状物を前記プラスチックに混合し、前記固化体を粉砕して得られた粉体を炉に吹き込むことを特徴とするプラスチックの炉内への吹き込み方法を用いる。または、プラスチックと有機溶媒とを混合して、前記プラスチックを有機溶媒により膨潤させた後に冷却して固化体とするに際し、前記固化体の形成前にプラスチック以外の固体粒状物を前記プラスチックと前記有機溶媒とに混合し、前記固化体を粉砕して得られた粉体を炉に吹き込むことを特徴とするプラスチックの炉内への吹き込み方法を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般廃棄物や産業廃棄物としてのプラスチック系廃棄物である使用済みプラスチック等のプラスチックを高炉等の炉内への吹き込み原料に用いる、プラスチックの炉内への吹き込み方法に関する。
廃棄物としての使用済みプラスチックは、従来埋め立ておよび焼却による処理が行われていた。しかしながら、使用済みプラスチックの嵩高さのために埋め立て処分場が不足し、また、焼却した際に有害成分が発生するので環境汚染が問題であった。そこで、使用済みプラスチックを大量にリサイクル処理するために、コークスや微粉炭の代替原料として高炉等の竪型炉に羽口から吹き込む技術が知られている。
プラスチックを固体燃料として高効率に利用するために、プラスチックを破砕機で破砕する技術が知られている。しかし、直接破砕機で破砕する場合、プラスチックは1〜2mmの粒度にまでしか破砕できず、しかも、破砕工程に時間がかかり費用も高くコスト高であり、さらに、繊維状やフィルム状のプラスチックは破砕が困難なため、別途溶融固化処理を行った後に破砕しなければならず、工程が複雑になる等の問題がある。また、プラスチックは破砕時の摩擦熱により溶融するため、0.1mm以下の粒子径に粉砕するためには液体窒素等の高価な冷却剤を必要とするので、処理コストが増大するなどの問題があった。
このようなプラスチックの粉砕性を向上させるために、プラスチックの分解を促進して、低分子量化することが有効であり、プラスチックを溶媒の存在下で加熱する技術や、プラスチックの分解を促進する触媒を添加する技術が知られている。
一方で、使用済みプラスチック中に塩素含有プラスチックが含まれていると、高炉等の竪型炉で利用する際に塩化水素が発生し、炉の腐食が発生する等の問題がある。このため使用済みプラスチックを加熱して脱塩素処理を行う場合があり、塩素含有プラスチックを加熱して脱塩素処理を行った後に上記の触媒として酸化鉄等の鉄含有物質を添加して、さらに熱処理後に冷却、固化処理を行うことで、塩素含有プラスチックの脱塩素処理をするとともに粉砕性を向上させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2000−256687号公報
使用済みプラスチックを高炉等の竪型炉に羽口から吹き込み大量にリサイクル処理するためには、プラスチックを炉内で効率よく確実にガス化させることが望ましく、短時間で完全に燃焼させることが重要である。したがって、よりいっそうプラスチックの粉砕性を向上させてプラスチックの燃焼性を向上させることが望ましい。
特許文献1に記載の技術を用いれば、プラスチックの粉砕性をある程度向上させることは可能であるが、鉄含有物質を触媒に用いてプラスチックの分解を促進する際には、その触媒効果を高める必要があり、溶融して液体状態のプラスチックとの接触面積を増加させるために、微粉状態の鉄含有物質を用いる必要がある。また、加熱による脱塩素処理を行った後に鉄含有物質を添加してさらに熱処理を行うため、プラスチックの処理工程が複雑であり、コスト高である。
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、プラスチックを多量に炉内に吹込む場合にもプラスチックが充分な燃焼性を有し、低コストで炉に吹き込むことが可能なプラスチックの炉内への吹き込み方法を提供することにある。
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
(1)プラスチックを加熱した後に冷却して固化体とするに際し、前記固化体の形成前にプラスチック以外の固体粒状物を前記プラスチックに混合し、前記固化体を粉砕して得られた粉体を炉に吹き込むことを特徴とするプラスチックの炉内への吹き込み方法。
(2)プラスチックと有機溶媒とを混合して、前記プラスチックを有機溶媒により膨潤させた後に冷却して固化体とするに際し、前記固化体の形成前にプラスチック以外の固体粒状物を前記プラスチックと前記有機溶媒とに混合し、前記固化体を粉砕して得られた粉体を炉に吹き込むことを特徴とするプラスチックの炉内への吹き込み方法。
(3)固化体の形成前に有機溶媒を除去することを特徴とする(2)に記載のプラスチックの炉内への吹き込み方法。
(4)固体粒状物が、固体炭素質物質であることを特徴とする(1)ないし(3)のいずれかに記載のプラスチックの炉内への吹き込み方法。
(5)固体粒状物の粒度が3mm以下であることを特徴とする(1)ないし(4)のいずれかに記載のプラスチックの炉内への吹き込み方法。
(6)粉体が粒径500μm以下が80mass%以上の粒度分布を有することを特徴とする(1)ないし(4)のいずれかに記載のプラスチックの炉内への吹き込み方法。
(7)粉体と微粉炭とを高炉に吹き込むに際し、粉体と微粉炭とを同一の羽口から吹き込むことを特徴とする(1)ないし(6)のいずれかに記載のプラスチックの炉内への吹き込み方法。
本発明によれば、プラスチックを微粉化することができ、燃焼性を向上させることができる。このため、コークス代替としてプラスチックを多量に炉内に吹込むことが可能となり、製鉄コストを削減できる。
また、プラスチックの破砕には製鉄所等で通常使用されている粉砕設備が使用可能であり、プラスチックを数mm程度に造粒するための事前処理設備が不要となる。
さらに、従来から高炉に吹込んでいる微粉炭の吹込み配管がプラスチックの吹き込みに利用可能となり、気流輸送に必要なガス量も軽減できる。
なお、プラスチックとして使用済みプラスチックを使用する場合は、使用済みプラスチックのリサイクルが容易となり、製鉄コストも更に削減することができる。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討を重ね、プラスチックを炉内への吹き込み原料として用いる炉の操業において、プラスチックが燃焼してガス化する際のガス化効率を向上させるために、プラスチックの粉砕性を向上させる方法について検討し、プラスチックを加熱した後に冷却して固化体とするに際し、固化体の形成前にプラスチック以外の固体粒状物をプラスチックに混合することで固化体の粉砕性が向上し、プラスチックを微粉に粉砕可能であり、結果としてプラスチックの燃焼性が向上可能であることを見出し、本発明を完成した。
本発明で用いるプラスチックは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル、ポリビニルアルコール、セルロイド等のC、H、Oを主体としたプラスチックであり、廃棄物のリサイクル利用を推進する観点からは、使用済みプラスチックを用いることが特に好ましい。
使用済みプラスチックとは、一般家庭からゴミとして排出されるプラスチック製品や、工場等でのプラスチックの製造・加工時に生じる屑や不良品(産業廃棄物)等であり、プラスチック以外の異物(金属、紙、その他の無機物および有機物)が付着もしくは混入しているプラスチック類を含むものである。このような使用済みプラスチック(廃プラスチック)の具体例としては、プラスチックボトル、プラスチック袋、プラスチック包み、プラスチックフィルム、プラスチックトレイ、プラスチックカップ、磁気カード、磁気テープ、ICカード、フレキシブルコンテナ、プリント基板、プリントシート、電線被覆材、事務機器または家電製品用ボディーおよびフレーム、化粧合板、パイプ、ホース、合成繊維および衣料、プラスチック成型ペレット、ウレタン材、梱包用シート、梱包用バンド、梱包用クッション材、電気用部品、玩具、文房具、トナー、自動車用部品(例えば、内装品、バンパー)、自動車または家電製品等のシュレッダーダスト、イオン交換樹脂、合成紙、合成樹脂接着樹剤、合成樹脂塗料、固形化燃料(廃棄プラスチック減容物)等が例示され、これらを廃棄物としての状態のまま、あるいは必要に応じて所定の処理を施したものを利用することができる。また、これら使用済みプラスチックと製品プラスチックとの混合物を利用してもよい。
プラスチックと混合する固体粒状物としては、プラスチックと熱的性質が異なるものが望ましく、したがって、プラスチック以外の(プラスチックを除く)固体粒状物とする。本発明においてプラスチックが微粉砕可能となるメカニズムは、加熱によるプラスチックの低分子化の他に、各種のプラスチックを混合して溶融固化する際に界面に残留応力が発生することによるものが考えられる。残留応力は各種プラスチックの加熱冷却時の収縮率の違いによるものである。特に、塩素含有プラスチックが含まれている場合は、加熱により脱塩素されて生成する、衝撃等により粉化しやすい脆い物質が破壊の起点になるため、粉砕性が一層向上する。本発明では、さらに固体粒状物を添加することにより固化体内にさらに残留応力を発生させることができ、プラスチックの粉砕性を向上させるものである。
プラスチック以外の(プラスチックを除く)固体粒状物としては、プラスチックを加熱、冷却する際の処理工程においてプラスチックと膨張率の異なる、比熱、熱伝導率などの熱的性質が異なるもの、前記処理工程において安定しているか、または安定な物質となるもの、脆化しやすい、衝撃等により粉砕工程での粉砕の容易なものが望ましい。プラスチック溶融時に固体を保持する物質であることが望ましい。一方で、比重等の熱的性質以外の物性は、プラスチックとの混合が容易であるように、プラスチックと同程度であることが望ましい。
さらに、プラスチックと混合する固体粒状物としては炉吹きこみ原料とする際に炉の操業に影響のないものが望ましい。高炉吹きこみに用いる場合は、高炉吹きこみの際に影響の少ないものとして、石炭、コークス、木等の固体炭素質物質や、鉄、鉄鉱石や焼結鉱など鉄の酸化物、水酸化物等を用いることが望ましい。すなわち、固体炭素質物質、鉄、鉄を含む化合物の中から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。固体炭素質物質は還元材として機能し、鉄酸化物はプラスチックを低分子化する触媒作用を有するため好ましい。したがって、CDQ粉、鉄および/または炭素を含む製鉄ダストを用いることも望ましい。しかしプラスチックが塩素を含有する場合、プラスチックの加熱時に発生する塩化水素や塩素と鉄分とが反応して塩化鉄となり、固体中に残存して脱塩素が必ずしも十分に行われない場合があるため、固体粒状物としては固体炭素質物質を用いることが特に望ましい。固体炭素質物質は鉄や鉄を含む化合物に比べて熱的物性以外の比重等の物性がプラスチックに近く、粉砕性も鉄や鉄を含む化合物を添加した場合に比べて向上するものである。鉄の酸化物、水酸化物等を用いる場合は、脱塩素を十分に行うために、比較的粗粒のものを用いることが望ましい。
この他に、プラスチックと混合する固体粒状物として高炉操業の副原料である石灰、蛇紋岩、珪石等を用いることも望ましい。さらに、Al、Si等の金属や金属酸化物などを用いることも可能である。Cuは高炉の吹きこみ原料としては、その使用量に上限がある。
プラスチックと混合する固体粒状物の粒度は、粒径3mm以下程度であることが好ましい。粒度は細かいほど好ましいが、製造するプラスチック粉砕物の粒径程度とすることが適当である。
プラスチックの加熱は有機溶媒の存在下で行うことが望ましい。プラスチックと有機溶媒とを混合して、プラスチックを有機溶媒により膨潤させた後に冷却して固化体とするに際し、または、プラスチックと有機溶媒とを混合して、有機溶媒の顕熱および/または外部の熱源により加熱した後に冷却して固化体とするに際し、前記固化体の形成前にプラスチック以外の固体粒状物を前記プラスチックと前記有機溶媒とに混合し、前記固化体を粉砕して得られた粉体を炉に吹き込むことが望ましい。プラスチックと混合する有機溶媒はプラスチックを膨潤させることで、その結合を弱める作用がある。また、さらに熱処理することで低重合化させる作用がある。
プラスチックの加熱を有機溶媒の存在下で行う際には、プラスチックの加熱後に有機溶媒を除去することも可能である。有機溶媒の一部または全部を蒸留により回収し、再利用するとことがより望ましい。
プラスチックを加熱した後に冷却して固化体とするに際し、固化体の形成前にプラスチック以外の固体粒状物をプラスチックと混合するには、プラスチックとプラスチック以外の固体粒状物を混合し、加熱した後に冷却して固化体とすることや、プラスチックを加熱した後にプラスチック以外の固体粒状物を混合すること等、任意の方法で行うことが可能である。有機溶媒を用いる際にも、プラスチックと有機溶媒とを混合し、有機溶媒の顕熱および/または外部の熱源により加熱した後に冷却して固化体とするに際し、前記固化体の形成前にプラスチック以外の固体粒状物を前記プラスチックと前記有機溶媒とに混合するには、プラスチックと有機溶媒とプラスチック以外の固体粒状物を混合した後、有機溶媒の顕熱および/または外部の熱源により加熱した後に冷却して固化体とすることや、プラスチックと有機溶媒とを混合し、有機溶媒の顕熱および/または外部の熱源により加熱した後にプラスチック以外の固体粒状物を混合すること等、任意の方法で行うことが可能である。プラスチックが溶融する前、プラスチックの溶融中、プラスチックが加熱溶融されて脱塩素された後等、固化体が形成される前の任意の段階でプラスチック以外の固体粒状物の混合を行うことが可能であるが、固化体の状態でプラスチック以外の固体粒状物が均一に分散している状態となることが望ましい。
本発明でプラスチックを吹き込む炉としては、任意の炉を用いることが可能であるが、高炉やスクラップ溶解炉等の竪型炉に用いることが好適である。本発明は、特に高炉の羽口からプラスチックを炉内へ吹き込む方法に用いることが好適である。
プラスチックと混合する有機溶媒はプラスチックを膨潤させ、その結合を弱め、熱処理することで低重合化させる作用がある。本発明に用いる有機溶媒としては、沸点250℃以上であるものが好ましく、特に好ましくは300℃以上である。また、芳香族指数が0.2以上、0.95以下のものが好ましくい。有機溶媒の沸点の上限はその熱安定性から定められ、500℃以下、特に450℃以下であることが好ましい。また、有機溶媒は本発明の処理温度(プラスチックと混合した際の加熱後温度)で液体であるか、有機溶媒中に液体となる成分を含有していることが必要であり、具体的には150℃以上で液体となる成分を含んでいればよい。したがって、有機溶媒として常温で液体のものだけでなく、常温で固体のものを用いることも可能である。さらに、プラスチックと有機溶媒と固体粒状物とを混合して、加熱した後に冷却して固化体とし、固化体を粉砕処理することから、有機溶媒の軟化点は100℃以上であることが好ましい。また、プラスチックと有機溶媒と固体粒状物とを混合し、加熱するが、有機溶媒として化合物の混合物を用いる場合、処理過程で有機溶媒が蒸発しないことが好ましく、10質量%の留出温度(15℃/分の一定速度で昇温した際に蒸発量が10質量%に達する温度)が300℃以上であることが好ましい。さらに好ましくは、有機溶媒の軟化点を150℃以上とする。ここで、軟化点とは材料に一定の荷重をかけ、一定の昇温速度で昇温したときに材料が軟化する温度であり、例えば、試料0.5gを充填容器(円柱状のセル)に充填し、スリットを有する管の上部にセットして、スリット部を介して管内の光の通過をモニターしながら試料を加熱し、試料が溶融および/または自然落下して管内の光の通過を遮断した時の温度を軟化点として測定することができる。試料は2℃/minの速度で昇温することが望ましく、スリットは例えば円周方向に4ヶ所設けて、複数方向での光の通過を測定することが望ましい。一方、芳香族指数は全炭素数に対する芳香族炭素数の比率であり、Brown Ladner法(J.K.Brown,W.R.Ladner and N.Sheppard,Fuel,39,79(1960))で測定することができる。プラスチックと有機溶媒とを混合する際には、有機溶媒中にプラスチックを投入する、またはプラスチックに有機溶媒を加える等、任意の方法を用いることができる。
本発明に用いる有機溶媒としては、プラスチックを膨潤および/または溶解させる機能を有する必要がある。有機溶媒としては、芳香環に側鎖を有する成分を含有していることが好ましい。具体的にはメチル基、エチル基、それ以上の炭素数のアルキル基を含む多環芳香族炭化水素、例えば、アルキルフェナンスレン、アルキルアンスラセンなど(アルキル:C1以上の炭化水素で、複数のアルキル基があってもよい)がある。また、芳香環内に酸素、窒素等の成分を含有する有機溶媒でもよく、具体的にはアルキルキノリン、アルキルカルバゾールなど(アルキル:C1以上の炭化水素で、複数のアルキル基があってもよい)でもよい。
本発明に用いる有機溶媒として、石炭系タール、石油系タールを用いることが望ましい。
石炭系タールは、石炭系タール常圧蒸留塔底からの重質油(ボトム油)である。具体的には軟ピッチ、軟ピッチを減圧蒸留した塔底から抜き出した減圧ピッチ(軟化点110℃)、軟ピッチを減圧蒸留塔中段より抜き出した留分(減圧蒸留塔での蒸留温度154℃)、軟ピッチを減圧蒸留塔塔頂より抜き出した留分(HOB:減圧蒸留塔での蒸留温度255℃)、石炭液化油成分から得られる重質油成分ならびにそれらのブレンド油などがある。
石油系タールは、石油系減圧残油、エチレンボトム油、改質油、FCCオイル等である。
したがって、本発明に用いる有機溶媒の具体例としては、コールタール系の重質油、ピッチ、石炭液化油、石油系減圧残油、エチレンボトム油、改質油等であり、これらのうち沸点250℃以上を満足するものを単独あるいは2種以上混合して使用することができる。また、プラスチックの膨潤等に使用されない成分を含有する溶媒も粉砕機により粉砕されるために、その軟化点は100℃以上が好ましい。
プラスチックを炉内への吹き込み原料として用いる場合、塩素の含有が問題になる場合がある。例えば、多種類のプラスチックの混合状態である使用済みプラスチックはほとんどの場合塩素含有プラスチックを含んでいるが、これを高炉の吹きこみ原料として用いると、スラグの塩素含有量が増加して、スラグの用途が制限される。したがって、使用済みプラスチックは脱塩素処理を施した後に炉内への吹き込み原料とすることが望ましい。本発明では、プラスチックを加熱して、またはプラスチックと有機溶媒とを混合して、加熱した後に冷却して固化体とし、該固化体を粉砕して得られた粉体を使用し、原料プラスチックが塩素を含有している場合でも有機溶媒中で加熱される過程において脱塩素処理が施されるため、別途脱塩素工程を設けることなく、また原料プラスチックの塩素含有量にかかわらず、炉内への吹き込み原料に好適に用いることができる。使用済みプラスチック中に含まれる塩素含有プラスチックの脱塩素反応は加熱に伴い、150℃程度から始まり、350℃程度で終了する。使用済みプラスチックに含まれる塩素含有プラスチック以外のポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性の使用済みプラスチックは脱塩素過程において、溶融し、高粘度の液体となる。したがって有機溶媒を用いない場合は、脱塩素により発生した塩化水素は高粘性液体から脱離しにくく、結果として処理プラスチック中の残存塩素濃度の低減には限界がある。プラスチックと有機溶媒とを混合して、加熱することで、脱塩素過程でのプラスチックの粘性が低下し、塩化水素の脱離が容易になり、処理プラスチック中の塩素濃度をさらに低減することができる。
上記のように有機溶媒を用いて製造したプラスチックの粉体はプラスチックと有機溶媒とを混合して加熱されたものであるので、液体窒素等を用いて冷却して同じ程度の粒度に粉砕したプラスチックの粉体に比べても、優れた燃焼・ガス化率を有するものである。
有機溶媒を用いる場合の本発明方法を説明する。まず上記のようなプラスチックと有機溶媒とを混合して、プラスチックを有機溶媒により膨潤させる。膨潤とは、物体が溶媒を吸収して体積が増加する現象であり、プラスチックが膨潤することによりプラスチック分子の結合の弱い部分で結合が緩和され、低重合化する。さらに加熱することで、プラスチックの低分子化が促進されて、溶解が進行する。加熱する方法としては、有機溶媒を予め加熱した後プラスチックと固体粒状物と混合して有機溶媒の顕熱によってプラスチックを加熱しても良いし、プラスチックと有機溶媒と固体粒状物とを混合した後外部から加熱しても良い。また、両者を併用することも可能であるし、予めプラスチックや固体粒状物を予熱しておくことも有効である。加熱する際のプラスチックの温度としては、粉砕性を充分に向上させるために工業的には150℃以上とすることが望ましい。プラスチックが塩素を含有する場合は、塩素の除去ができる温度で加熱することが望ましく、この場合にも150℃以上で加熱することが望ましい。また、温度を高くし過ぎるとプラスチックの歩留が低下するので、通常は350℃程度が上限である。従って、プラスチックの加熱温度としては150〜350℃とするのが望ましく、250〜350℃とするのが更に望ましい。有機溶媒の存在により処理プラスチックの粘性を低下させ、脱塩素が促進される。
その後冷却して固化体とし、固化体を粉砕する。その際に、粉砕された粉体が、粒径500μm以下が80mass%以上である粒度分布を有することが望ましい。このような粒度範囲とすることによって、粉体が炉内で充分に短時間で完全燃焼する効果がある。また、従来の微粉炭の吹きこみ設備を利用可能である。望ましくは、粉砕された粉体を、粒径300μm以下が80mass%以上である粒度分布を有するものとする。また以下に述べるように、微粉炭と混合して炉に吹き込む際などには、粉砕された粉体が微粉炭と同程度である、粒径75μm以下が80mass%以上である粒度分布を有することが特に望ましい。粉砕された粉体が、粒径75μm以下が80mass%以上である粒度分布を有すると、微粉炭と混合しない場合にも、従来の微粉炭の吹きこみ設備を微粉炭とほぼ同じ条件で利用可能であるので好ましい。
上記の粒度分布を有する粉体は、篩を用いて得ることが容易である。例えば粒径500μm以下の粉体は、篩目500μmの篩の、篩下を用いればよい。
また、粉砕された粉体の粒径に極端に大きいものが含まれると粉体の炉内への吹込みを行なう際に配管につまりを生じる恐れがある。粉体の気送性を考慮すると、粉砕された粉体の粒径は、粉体の吹込み配管の内径の1/5以下とすることが望ましい。
石炭等の粉砕性の指標として、ハードグローブ法(JIS M 8801)が知られている。通常、石炭を粉砕し、高炉吹き込み用の微粉炭を製造する際にも、ハードグローブ法により評価され、石炭のハードグローブ粉砕性指数(HGI)は45〜80程度である。本発明方法を用いて製造したプラスチック固化体のハードグローブ粉砕性指数(HGI)は50〜90で石炭と同程度であり、通常の石炭の粉砕機を使用することができる。また、カッターミルなどのせん断式粉砕機、ハンマークラッシャーなどの衝撃式粉砕機を使用することも可能である。
本発明において有機溶媒を用いずにプラスチック粉砕物を得ることも可能であるが、有機溶媒を用いない場合には、加熱溶融した際のプラスチックの粘性が高く、種々のプラスチックを処理装置内で均一に混合するために攪拌等による動力を必要とする。また、溶融プラスチックを排出する際等に加圧等の工程が必要となる。そのために、実操業上は有機溶媒を添加することが好ましい。
プラスチックの加熱を有機溶媒の存在下で行った後、プラスチックと混合した有機溶媒を再度使用するために、処理したプラスチックから有機溶媒を除去することも可能である。有機溶媒を除去すると再度使用することができるので、処理コストの低減が可能である。有機溶媒を除去する際には、プラスチックと有機溶媒とを混合し、有機溶媒の顕熱および/または外部の熱源により加熱した後に、有機溶媒の沸点以上の温度に加熱する必要がある。
本発明の方法で製造したプラスチックの粉体と微粉炭とは、高炉の同一羽口から炉内に吹き込むことが望ましい。同一羽口から高炉内に吹き込む方法としては、同一羽口内にプラスチックの粉体の専用ランスと微粉炭の専用ランスとを装入してダブルフローランス方式としても良いし、粉体供給配管の途中でプラスチックの粉体と微粉炭とを混合しても良い。また、予めプラスチックの粉体と微粉炭とを混合した上で、ホッパーなどの粉体供給装置に供給したものを吹き込むことも可能である。いずれの方法を用いるにしろ、プラスチックの粉体と微粉炭とが混合された状態で加熱されることが重要であり、粉体と微粉炭とを混合して炉内に吹き込むことが望ましい。
本発明方法を用いれば使用済みプラスチックを微粉砕することができるので、微粉炭と使用済みプラスチックとをあらかじめ混合して、あるいは単独で、通常の微粉炭吹き込み用の配管を用いて炉に吹き込むことが可能である。したがって、微粉炭吹き込み操業を行っている高炉であれば、特別に設備を更新することなく、使用済みプラスチックの高炉吹き込み操業を実施することができる。また、すべての羽口からの吹き込みを容易に行うことができるので、使用済みプラスチックの高炉における処理量が増加し、使用済みプラスチックのリサイクル率も向上する。本発明の方法で製造したプラスチックの粉体と微粉炭とを混合して炉内に吹き込む際には、プラスチックの燃焼速度が速いために、プラスチック燃焼熱により、微粉炭が加熱され、微粉炭の燃焼性を向上させることができる。
使用済みプラスチックを処理して、粉砕試験を行った。使用した使用済みプラスチックは容器包装リサイクル法対象のプラスチック廃棄物であり、その平均組成を表1に示す。表1において、灰分は金属、土砂等であった。
Figure 2006176848
表1に示す使用済みプラスチックと、石炭(粒度3mm以下)とを、質量比で使用済みプラスチック/石炭=1/0.4で混合し、340℃で60分間加熱し、室温まで冷却後、固化体を回収した。回収物のハードグローブ指数(HGI)を測定した結果、42であった。この使用済みプラスチックの固化体を、微粉炭製造用の粉砕機を用いて高炉吹きこみ用の微粉炭と同程度の粒度の75μmの篩目通過が80mass%(粒径75μm以下、80mass%)まで粉砕することができた。
表1に示す使用済みプラスチックを用いて有機溶媒を添加する場合の本発明方法を実施した。
(本発明例1)石炭系タールである中ピッチ(軟化点:110℃)およびHOBを質量比で2/1で混合し、表1に示す使用済みプラスチックと、石炭(粒度3mm以下)とを、質量比で使用済みプラスチック/有機溶媒(中ピッチ+HOB)/石炭=1/0.4/0.2で混合し、320℃で60分間加熱し、室温まで冷却後、固化体を回収した。回収物のハードグローブ指数(HGI)を測定した結果、64であった。微粉炭製造用の粉砕機を用いて使用済みプラスチックの固化体を、高炉吹きこみ用の微粉炭と同程度の粒度の75μmの篩目通過が80mass%(粒径75μm以下、80mass%)まで粉砕することができた。
(本発明例2)処理温度を340℃とした以外は本発明例1と同じ条件で使用済みプラスチックの固化体を製造した。回収物のハードグローブ指数(HGI)を測定した結果、71であった。微粉炭製造用の粉砕機を用いて使用済みプラスチックの固化体を、高炉吹きこみ用の微粉炭と同程度の粒度の75μmの篩目通過が80mass%(粒径75μm以下、80mass%)まで粉砕することができた。
(本発明例3)石炭の換わりにコークス(粒度1mm以下)を用いた以外は、本発明例1と同様にして固化体を製造した。得られた固化体のハードグローブ指数(HGI)を測定した結果、66であった。微粉炭製造用の粉砕機を用いて使用済みプラスチックの固化体を、高炉吹きこみ用の微粉炭と同程度の粒径75μm以下、80mass%まで粉砕することができた。
(本発明例4)石炭の換わりに石炭粉(粒度75μm以下、80%)を用いた以外は、本発明例1と同様にして固化体を製造した。得られた固化体のハードグローブ指数(HGI)を測定した結果、69であった。微粉炭製造用の粉砕機を用いて使用済みプラスチックの固化体を、高炉吹きこみ用の微粉炭と同程度の粒径75μm以下、80mass%まで粉砕することができた。
(参考例1)石炭系タールである中ピッチ(軟化点:110℃)およびHOBを質量比で2/1で混合し、表1に示す使用済みプラスチックと、質量比で使用済みプラスチック/有機溶媒(中ピッチ+HOB)=1/0.4で混合し、320℃で60分間加熱し、室温まで冷却後、固化体を回収した。回収物のハードグローブ指数(HGI)を測定した結果、55であった。微粉炭製造用の粉砕機を用いて使用済みプラスチックの固化体を粉砕したが、実施例1と同程度まで粉砕するには1.5倍の時間がかかった。
(比較例1)使用済みプラスチックそのままの状態で、ハードグローブ指数を測定した結果、3であった。比較例1の場合のハードグローブ指数(HGI)は非常に低く、微粉砕処理は困難であった。
(比較例2)表1に示す使用済みプラスチックと、鉄鉱石(粒度3mm以下)とを、質量比で使用済みプラスチック/鉄鉱石=1/0.25で混合し、320℃で60分間加熱し、室温まで冷却後、固化体を回収した。回収物のハードグローブ指数(HGI)を測定した結果、43であった。微粉炭製造用の粉砕機を用いて使用済みプラスチックの固化体を、実施例1と同程度まで粉砕するには1.2倍の時間がかかった。
これらの結果を併せて(実施例1と実施例4の結果も含めて)図1に示す。
以上のように、本発明を用いることで、プラスチックの粉砕性を非常に向上させることができた。
燃焼性は、本発明例で製造した固化体の粉砕物、比較例の使用済みプラスチックを破砕したプラスチック破砕物、微粉炭を、表2の燃焼・ガス化試験条件および図2の燃焼試験装置を用いて、高炉と同様な条件において燃焼試験を行うことで評価した。
Figure 2006176848
図2において、燃焼試験装置6は吹き込み方向長さが600mmであり、羽口1の径が65mm、ブローパイプ7の径が90mmのものを用いた。8はレースウェイ内温度、ガス組成を計測、採取するプローブである。使用済みプラスチック粉砕物5等は、羽口1より熱風空気2と共に燃焼試験装置内に吹きこまれ、羽口前方に形成されるレースウェイ3内で燃焼させた。本発明例1、本発明例4、参考例1で製造した固化体を75μm以下が80mass%以上に粉砕した。また、比較例1の使用済みプラスチックを破砕後に篩分けにより粒度10mm以下とした。それぞれの粉砕物を羽口より燃焼試験装置内に吹きこんだ場合のレースウェイ内最高温度位置(レースウェイ内の温度分布を測定した際に、最高温度を示す羽口先からの距離であり、図3においてMで示す位置に相当する。)を測定した。結果を図4に示す。
レースウェイ内最高温度位置が小さい程、吹き込み物がレースウェイ内で短時間の内に燃焼すると考えられ、本発明例1、本発明例4、参考例1は通常の使用済みプラスチックの破砕物である比較例1に比較して、燃焼性が向上した。
次に、本発明例1、本発明例4、参考例1、比較例1についてレースウェイ内における吹きこみ物の燃焼・ガス化率を測定した。燃焼・ガス化率は、プラスチック吹込みを行わない時のコークス消費速度(kg/h):GC-A、プラスチック吹込み時のコークス消費速度(kg/h):GC-P、コークス中炭素含有率(−):CC、プラスチック吹き込み速度(kg/h):GP、プラスチック中炭素含有率(−):CP、とした際に、燃焼・ガス化率=(GC-A−GC-P)×CC/(GP×CP)×100で定義した。結果を図5に示す。本発明例1、本発明例4、参考例1は非常に高い燃焼・ガス化率を示すことが分かった。
さらに、本発明例1、本発明例4、比較例1で製造した固化体の塩素含有率を測定した。塩素含有率の測定はJIS Z 73026廃棄物固形化燃料−全塩素分試験方法に準拠して行った。本発明例Aおよび本発明例Bの塩素含有率は0.65mass%、比較例1は2.2mass%であった。本発明例では、粉砕容易化と同時に脱塩素処理が効果的に行われていることが分かった。
次に、微粉炭と本発明例1のプラスチック粉砕物とを混合した場合の微粉炭の燃焼・ガス化率を測定した。微粉炭と本発明例1のプラスチック粉砕物との合計の吹きこみ量は21kg/hで一定とし、プラスチック粉砕物の混合率を変化させて燃焼試験装置に吹きこんで燃焼させた。燃焼・ガス化率は炭素収支から算出した。プラスチック粉砕物の混合率(%)は、プラスチック粉砕物の吹きこみ量/(プラスチック粉砕物の吹きこみ量+微粉炭の吹きこみ量)×100で定義した。
微粉炭と本発明のプラスチック粉砕物とを混合した場合の燃焼・ガス化率の変化を図6に示す。本発明のプラスチック粉砕物と微粉炭とを混合して燃焼させることで、微粉炭の燃焼・ガス化率が向上することが分かった。
以上のように、本発明の使用済みプラスチック粉砕物は、炉内での燃焼性が向上し、ガス化率が向上する顕著な効果がみられた。
表3に示す処理条件で表1に示す使用済みプラスチックを処理した。実施例1における本発明例1と同様に使用済みプラスチックと、石炭(粒度3mm以下)とを、質量比で使用済みプラスチック/有機溶媒(中ピッチ+HOB)/石炭=1/0.4/0.2で混合した。表3において、「歩留」は有機溶媒を除外した収率を、「塩素濃度」は有機溶媒を除外した処理物中塩素濃度を、「灰分濃度」は有機溶媒を除外した処理物中灰分濃度を示す。有機溶媒としてHOB(減圧蒸留塔での蒸留温度:255℃)と中ピッチの混合物を使用し、使用済みプラスチックとともに加熱して、得られた処理物を冷却固化し、粒径500μm以下が80mass%に粉砕し高炉吹き込み原料とした。発熱量を測定したところ、9200kcal/kgであった。
Figure 2006176848
さらに処理物を微粉炭(粒径75μm以下、80mass%、灰分8.55%、発熱量:7160kcal/kg)と混合し、微粉炭吹き込み設備を用いて、表4に示す条件で微粉炭とともに高炉全羽口(内容積:4900m3、羽口本数:40本)に、通常の微粉炭吹き込みランス(内径:12mm)で吹き込む試験を実施した。羽口1本当たりの燃焼・ガス化負荷を一定に保持するために、微粉炭と使用済みプラスチックの合計で175kg/tとし、使用済みプラスチックの吹き込み量を5、10、15kg/tに設定した(操業例1〜3)。表4において、固気比は「粉体供給速度」/「粉体を輸送する空気量」である。試験結果を表4に併せて示す。
Figure 2006176848
本発明の使用済みプラスチック処理物ではなく、従来用いられている破砕、造粒により処理されたプラスチック(10mmの篩目で篩い分けした篩下である、粒径10mm以下、100mass%のもの)を40本羽口の内8本に吹込んだ場合を比較例3として結果を表4に併せて示す(吹き込みランス内径:41mm、吹き込み量:全羽口換算で15kg/t)。比較例3では本発明例である操業例1〜3に比較して、コークスの削減効果が少なかった。
以上の結果より、本発明方法を用いた場合は、いずれの場合も使用済みプラスチックの粉体は気流輸送上問題なく、高炉内に吹込まれ、還元材として有効に利用された。また、吹き込まれた使用済みプラスチックの粉体の発熱量は微粉炭に比較して高いために、還元材であるコークスの削減効果も認められた。
表1に示す使用済みプラスチックを用いて、実施例2に記載の本発明例1と同様の溶媒と石炭とを用いてプラスチックを溶融処理し、冷却前に400℃、30分まで加熱処理を行った。その後、有機溶媒を除去し、室温まで冷却後、固化体を回収した。回収物のハードグローブ指数(HGI)を測定した結果、69であったしかしながら、実施例3では有機溶媒を除外した収率である歩留まりが79%であるのに比較して、脱溶媒過程を有する本実施例での回収物の収率は52%と低下した。
粉砕性評価結果(ハードグローブ指数)を示すグラフ。 燃焼・ガス化試験装置の概略図。 レースウェイ内温度分布と最高温度位置の説明図。 レースウェイ内最高温度位置(燃焼試験結果)を示すグラフ。 試験装置での燃焼・ガス化率を示すグラフ。 微粉炭と本発明のプラスチック粉砕物とを混合した場合の燃焼・ガス化率の変化を示すグラフ。
符号の説明
1 羽口
2 熱風空気
3 燃焼帯(レースウェイ)
4 コークス
5 使用済みプラスチック粉砕物
6 燃焼試験装置
7 ブローパイプ
8 プローブ

Claims (7)

  1. プラスチックを加熱した後に冷却して固化体とするに際し、前記固化体の形成前にプラスチック以外の固体粒状物を前記プラスチックに混合し、前記固化体を粉砕して得られた粉体を炉に吹き込むことを特徴とするプラスチックの炉内への吹き込み方法。
  2. プラスチックと有機溶媒とを混合して、前記プラスチックを有機溶媒により膨潤させた後に冷却して固化体とするに際し、前記固化体の形成前にプラスチック以外の固体粒状物を前記プラスチックと前記有機溶媒とに混合し、前記固化体を粉砕して得られた粉体を炉に吹き込むことを特徴とするプラスチックの炉内への吹き込み方法。
  3. 固化体の形成前に有機溶媒を除去することを特徴とする請求項2に記載のプラスチックの炉内への吹き込み方法。
  4. 固体粒状物が、固体炭素質物質であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のプラスチックの炉内への吹き込み方法。
  5. 固体粒状物の粒度が3mm以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のプラスチックの炉内への吹き込み方法。
  6. 粉体が粒径500μm以下が80mass%以上の粒度分布を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のプラスチックの炉内への吹き込み方法。
  7. 粉体と微粉炭とを高炉に吹き込むに際し、粉体と微粉炭とを同一の羽口から吹き込むことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のプラスチックの炉内への吹き込み方法。
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