JP2006175597A - ポリッシング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】研磨の不均一性を容易に補正することができるポリッシング方法、更に研磨面の狙った一部の領域の研磨量を増減するように研磨することができるポリッシング方法を提供する。
【解決手段】上面に研磨布6を貼ったターンテーブル5とトップリング1との間に半導体ウエハ4を介在させて所定の力で押圧することによって半導体ウエハ4を研磨し、平坦且つ鏡面化するポリッシング方法において、トップリング1が半導体ウエハ4を保持する保持面の内、圧縮空気を噴出させる領域を選択し、圧縮空気による半導体ウエハ4の研磨布6への押圧力を、半導体ウエハ4の中央部側と外周部側とで変えて研磨し、トップリング1の周囲に押圧リング3を上下動自在に配置し、半導体ウエハ4が接触する研磨布6の周囲を、押圧リング3により押圧しながら研磨する。
【選択図】図1

Description

本発明はポリッシング方法に係り、特に半導体ウエハなどのポリッシング対象物の表面を平坦かつ鏡面に研磨するポリッシング方法に関する。
近年、半導体デバイスの高集積が進むにつれて回路の配線が微細化し、配線間距離もより狭くなりつつある。特に、0.5μm以下の光リソグラフィの場合、焦点間深度が浅くなるためステッパの結像面の平坦度を必要とする。
そこで、半導体ウエハの表面を平坦化することが必要となるが、この平坦化法の一手段としてポリッシング装置により研磨することが行われている。
従来、この種のポリッシング装置は、各々独立した回転数で回転するターンテーブルとトップリングとを有し、トップリングが一定の圧力をターンテーブルに与え、ターンテーブル上の砥液を含んだ研磨布とトップリングとの間にポリッシング対象物を介在させて該ポリッシング対象物を保持して研磨していた。
上述したポリッシング装置の性能として、ポリッシング後のポリッシング対象物の高精度な平坦度が要求される。そのために、ポリッシング時に半導体ウエハを保持する保持面、すなわちトップリングの下端面、および半導体ウエハに接する研磨布の接触面、ひいてはターンテーブルの研磨布の貼り付け面は高精度な平坦度を有するものが望ましいと考えられ、用いられてきた。
一方、ポリッシング装置の研磨作用におよぼす要因として、トップリングの保持面および研磨布の接触面の形状だけでなく、研磨布と半導体ウエハの相対速度、半導体ウエハの研磨面上の押圧力の分布、研磨布上の砥液の量、研磨布の使用時間等が影響することが知られている。よって、これらの要素を半導体ウエハの研磨面全面で等しくすれば、高精度な平坦度が得られると考えられる。
しかし、上記の研磨作用に影響する要素のうちで、研磨面全面で等しくすることが可能な要素と、極めて困難な要素がある。たとえば、研磨布と半導体ウエハの相対速度は、ターンテーブルとトップリングの回転を同一回転数且つ同一方向にすることで均一にできるが、砥液の量は遠心力が働くため均一にすることは困難である。
よって、トップリングの下端面のターンテーブル上の研磨布上面を平坦にすることを含めて研磨作用に影響する要素を研磨面全面で等しくするという考え方では、研磨後の研磨面の平坦度に限界があり、必要とする平坦度が得られない場合がある。
そこで、より高精度な平坦度を得るための方法として、トップリングの保持面の形状を凹面や凸面に形成することで半導体ウエハの研磨面内での押圧力に圧力の分布をもたせ、砥液の入り込みや研磨布の使用時間のバラツキによる研磨作用の不均一性を補正することが行われていた。
しかしながら、トップリングの保持面の形状に工夫を施す場合には、トップリングの保持面は常に半導体ウエハに接触しているため、連続的に研磨中の全時間に亘って研磨に影響する。即ち、トップリングの保持面の形状は、研磨作用に敏感に影響を及ぼしすぎるため、トップリングの保持面を意図的に平坦でない形状にして補正することは極めて難しく、与えた意図的な形状がわずかでも不適切であった場合には、かえってウエハ研磨面の平坦度を失ったり、補正が不足し十分なウエハ研磨面の平坦度が得られないという問題点があった。
また、トップリング保持面の形状を工夫することで補正を行う場合には、トップリング保持面はウエハ研磨面と略同一の大きさであるため、余りにも狭い範囲で複雑な形状補正を行わなければならず、このことも、トップリングの保持面の形状で研磨作用の補正を行うことを困難にしていた。
更に、従来のポリッシング装置、特に半導体ウエハ等の研磨装置においては、ポリッシング対象物の研磨後の研磨面がより平坦であることが追求され、逆に意図的に平坦ではない形状に研磨することや、研磨面の狙った一部の領域の研磨量を増減するように研磨することに関しては、適当な手段や装置が殆どないという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決すべくなされたもので、研磨の不均一性を容易に補正することができるポリッシング方法、更に研磨面の狙った一部の領域の研磨量を増減するように研磨することができるポリッシング方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明の一態様は、上面に研磨布を貼ったターンテーブルとトップリングとの間にポリッシング対象物を介在させて所定の力で押圧することによって該ポリッシング対象物を研磨し、平坦且つ鏡面化するポリッシング方法において、前記トップリングがポリッシング対象物を保持する保持面の内、加圧流体を噴出させる領域を選択し、前記加圧流体によるポリッシング対象物の研磨布への押圧力を、ポリッシング対象物の中央部側と外周部側とで変えて研磨し、前記トップリングの周囲に押圧リングを上下動自在に配置し、ポリッシング対象物が接触する研磨布の周囲を、前記押圧リングにより押圧しながら研磨することを特徴とするものである。
図1は本発明の基本概念を示す図である。図1において、符号1はトップリングであり、トップリング1内には、中央部に位置する円形の第1チャンバC1、第1チャンバC1の外周側に位置する環状の第2チャンバC2及び第2チャンバC2の外周側に位置する環状の第3チャンバC3が形成されている。第1チャンバC1はバルブV1を介して加圧流体源に接続され、第2チャンバC2はバルブV2を介して加圧流体源に接続され、第3チャンバC3はバルブV3を介して加圧流体源に接続されている。トップリング1はポリッシング対象物である半導体ウエハ4を収容する凹部1aを有している。トップリング1の下面には弾性マット2が貼着されている。
トップリング1及び弾性マット2は、それぞれ位置合わせされた複数の開口1O,2Oを有しており、各開口1O,2Oは前記第1〜第3チャンバC1〜C3のいずれかのチャンバに連通している。即ち、トップリング1がポリッシング対象物である半導体ウエハを保持する保持面に、加圧流体が噴出可能な複数の開口1O,2Oが設けられ、これら複数の開口1O,2Oは、それぞれ第1〜第3チャンバC1〜C3のいずれかのチャンバに連通することにより、3つの同心状の環状領域に分割され、これら領域毎に加圧流体が供給可能になっている。
またトップリング1の外周部には押圧リング3が配置されている。この押圧リング3はトップリング1に対して上下動自在になっている。またトップリング1の下方には、上面に研磨布6を貼ったターンテーブル5が設置されている。
上述の構成において、トップリング1がポリッシング対象物である半導体ウエハ4をターンテーブル5上の研磨布6に所定の押圧力F1(単位面積当りの圧力gf/cm2)で押圧し、半導体ウエハ4を研磨する。この押圧力F1は可変になっている。そして、研磨中に圧縮空気等の加圧流体を第1〜第3チャンバC1〜C3に適宜供給すると、加圧流体は開口1O,2Oから弾性マット2の下面、即ち、トップリング1の保持面と、半導体ウエハ4の上面との間に噴出する。
この際、加圧流体を供給するチャンバを適宜選択し、加圧流体が噴出する環状領域を適宜選択する。例えば、第1チャンバC1のみに加圧流体を供給し、第2,第3チャンバC2,C3には加圧流体を供給しないようにすると、半導体ウエハ4は加圧流体によって中央部側が外周部側より高い圧力で研磨布6に押し付けられる。そのため、半導体ウエハ4の外周部側が中央部側より研磨される傾向にあるときは、上記のように加圧流体の押圧作用を利用して、中央部側の研磨不足を補正することができる。
一方、半導体ウエハ4の中央部側が外周部側より研磨される傾向にあるときは、逆に、第3チャンバC3のみに加圧流体を供給し、第1,第2チャンバC1,C2には加圧流体を供給しないようにする。これによって、半導体ウエハ4の外周部側の研磨圧力を中央部側の研磨圧力より高め、外周部側の研磨不足を補正し、半導体ウエハ4の全面を均一に研磨することができる。
さらに、第1チャンバC1、第2チャンバC2及び第3チャンバC3に供給する加圧流体の圧力をそれぞれ変えて、第1チャンバC1には圧力p1gf/cm2、第2チャンバC2には圧力p2gf/cm2、第3チャンバC3には圧力p3gf/cm2の加圧流体を供給する。これによって、トップリング1の保持面と半導体ウエハ4の上面との間に介在する流体に中央領域から外周部領域に向かって順次高くなるか又は低くなるような圧力勾配をもたせ、半導体ウエハ4を研磨布6に押し付ける力に勾配をもたせる。これによって、ポリッシング対象物である半導体ウエハ4の局部的な研磨量の過不足を補正することができる。
また本発明においては、トップリング1がポリッシング対象物である半導体ウエハ4をターンテーブル5上の研磨布6に押圧する押圧力F1(単位面積当たりの圧力,gf/cm2)を可変とし、また押圧リング3が研磨布6を押圧する押圧力F2(単位面積当たりの圧力,gf/cm2)を可変としている。そして、押圧力F1と押圧力F2とは、それぞれ独立して押圧力を変更できるようになっている。したがって、押圧リング3が研磨布6を押圧する押圧力F2をトップリング1が半導体ウエハ4を研磨布6に押圧する押圧力F1に応じて変更することができる。
この場合、理論的には、トップリング1が半導体ウエハ4を研磨布6に押圧する押圧力F1と押圧リング3が研磨布6を押圧する押圧力F2とを等しくすれば、ポリッシング対象物である半導体ウエハ4の中心部から周縁部、さらには半導体ウエハ4の外側にある押圧リング3の外周部までの研磨圧力の分布が連続かつ均一になる。そのため、ポリッシング対象物である半導体ウエハ4の周縁部における研磨量の過不足を防止することができる。
図2はトップリング1が半導体ウエハ4を研磨布6に押圧する押圧力F1と押圧リング3が研磨布6を押圧する押圧力F2との関係を変えた場合の模式図であり、図2(a)はF1>F2の場合を示し、図2(b)はF1≒F2の場合を示し、図2(c)はF1<F2の場合を示す。
図2(a),(b),(c)に示されるように、押圧リング3に押圧力F2を加えた場合、研磨布6が圧縮され、半導体ウエハ4の周縁部に対する研磨布6の接触状態が変化していく。このため、F1とF2との関係を変更することにより半導体ウエハ4の研磨圧力の分布を内部側と周縁部とで種々に変えることができる。
図2から明らかなように、F1>F2の場合には半導体ウエハ4の周縁部の研磨圧力が内部より高くなり、半導体ウエハ4の周縁部の研磨量を内部の研磨量より多くすることができる。
1≒F2の場合には半導体ウエハ4の中心部から周縁部、さらには押圧リングの外周部までの研磨圧力の分布が連続かつ均一になり、半導体ウエハ4は中心部から周縁部まで均一な研磨量が得られる。
1<F2の場合には半導体ウエハ4の周縁部の研磨圧力が内部より低くなり、半導体ウエハ4の周縁部の研磨量を内部の研磨量より少なくすることができる。
以上のように本発明によれば、トップリング1の保持面に加圧流体を噴出させ、この際に、加圧流体が噴出する領域を適宜選択して、加圧流体による半導体ウエハ4の研磨布6への押圧力を、半導体ウエハ4の中央部側と外周部側とで変えて研磨する。
上記工程と並行して、トップリング1の外周部にある押圧リング3の押圧力F2をトップリング1の押圧力F1に基づいて決定し、決定された押圧力F2で研磨布6を押圧しながら研磨する。そして、前記押圧力F2を加圧流体による半導体ウエハ4の研磨布6への押圧力の傾向に基づいて決定し、加圧流体の作用と押圧リング3の作用の協働作用により半導体ウエハ4を研磨する。これによって、半導体ウエハの局部(例えば、中央部、外周部等)的な研磨不足を補正することができる。この場合、加圧流体により半導体ウエハ4の中央部の研磨圧力を外周部側より高める場合には、押圧リング3の押圧力F2 トップリング1の押圧力F1より大きくする。逆に、加圧流体により半導体ウエハ4の外周部側の研磨圧力を中央部側より高める場合には、押圧リング3の押圧力F2をトップリング1の押圧力F1より小さくする。
図3は本発明の加圧流体の供給を制御する基本概念に基づいて半導体ウエハを研磨した場合の実験結果を示すグラフである。半導体ウエハは8インチのものを使用し、トップリングによる半導体ウエハに加わる押圧力(研磨圧力)は400gf/cm2で一定であり、加圧流体の供給を制御したものである。図3(a)は加圧流体を供給しない場合であり、図3(b)は図1において、第1チャンバC1のみに加圧流体を供給した場合であり、図3(c)は第3チャンバC3のみに加圧流体を供給した場合である。なお、加圧流体の圧力は200gf/cm2である。各図において横軸は半導体ウエハの中心からの距離(mm)、縦軸は研磨量(オングストローム)を示す。
図3から明らかなように、加圧流体の供給を制御することによって、半導体ウエハの半径方向位置の研磨量が影響を受けていることがわかる。即ち、加圧流体を供給しない場合(図3(a))には、半導体ウエハの周縁部で縁だれが生じており、第1チャンバC1のみに加圧流体を供給し、加圧流体によって半導体ウエハの中心部のみ加圧した場合(図3(b))には、半導体ウエハの周縁部の縁だれが少なくかつ半導体ウエハの中心部の研磨量が多く、さらに第3チャンバC3のみに加圧流体を供給し、加圧流体によって半導体ウエハの外周部のみ加圧した場合(図3(c))には、半導体ウエハの外周部の研磨量が多く中心部に研磨不足が生じている。
以上のように、実験結果から加圧流体の供給を制御することにより、ポリッシング対象物の局部的な研磨量の過不足を調整できることが裏付けられた。
図4は本発明の押圧リングの押圧力を制御する基本概念に基づいて半導体ウエハを研磨した場合の実験結果を示すグラフである。半導体ウエハは8インチのものを使用し、トップリングによる半導体ウエハに加わる押圧力(研磨圧力)は400gf/cm2で一定であり、押圧リングの押圧力は600〜200gf/cm2まで変更したものである。図4(a)は押圧リングの押圧力を600gf/cm2、図4(b)は同押圧力を500gf/cm2、図4(c)は同押圧力を400gf/cm2、図4(d)は同押圧力を300gf/cm2、図4(e)は同押圧力を200gf/cm2としたものである。各図において横軸は半導体ウエハの中心からの距離(mm)、縦軸は研磨量(オングストローム)を示す。
図4から明らかなように、押圧リングの押圧力を変えることによって、半導体ウエハの半径方向位置の研磨量が影響を受けていることがわかる。即ち、押圧リングの押圧力が200〜300gf/cm2の場合(図4(d),図4(e))には、半導体ウエハの周縁部で縁だれが生じており、同押圧力が400〜500gf/cm2の場合(図4(b),図4(c))には半導体ウエハの周縁部の縁だれが少なく、さらに同押圧力が600gf/cm2の場合(図3(a))には半導体ウエハの周縁部が研磨不足が生じている。
以上のように、実験結果から押圧リングの押圧力をトップリングの押圧力とは独立に変更することにより、ポリッシング対象物の周縁部における研磨量の過不足を調整できることが裏付けられた。理論的には押圧リングの押圧力はトップリングの押圧力と等しい場合がポリッシング対象物の周縁部の研磨結果は良くなるはずであるが、ポリッシング対象物や研磨条件によって一概には云いきれないため、本発明においてはポリッシング対象物や研磨条件によって、押圧リングの押圧力をトップリングの押圧力に基づいて最適な値に選択する。
また半導体ウエハ等のポリッシング対象物によっては、ポリッシング対象物の周縁部を内部側より意図的に研磨量を多く又は逆に少なくしたいという要請があるため、この要請に対しても押圧リングの押圧力をトップリングの押圧力に基づいて最適な値に選択することによりポリッシング対象物の周縁部の研磨量を意図的に増減することができる。
本発明のポリッシング方法によれば、ポリッシングに際してポリッシング対象物の周縁部における押圧力分布が不均一になることを防止して研磨圧力をポリッシング対象物の全面に亘って均一にし、ポリッシング対象物の周縁部の研磨量が過不足となることを防止することができる。従って、ポリッシング対象物の全面を平坦かつ鏡面に研磨することができる。そして、半導体製造工程等に用いてより質の高いポリッシングを行うことができ、また半導体ウエハの周縁部まで製品に供することができるため、半導体ウエハの歩留りの向上に寄与するものである。
また本発明によれば、半導体ウエハ等のポリッシング対象物によってはポリッシング対象物の周縁部を内部側より意図的に研磨量を多く又は逆に少なくしたいという要請があるため、この要請にも答えることができるようにポリッシング対象物の周縁部の研磨量を意図的に増減することができる。さらに、ポリッシング対象物の周縁部のみならず、研磨面の狙った一部の領域(例えば、中央部、外周部等)の研磨量を増減するように研磨することができる。
以下、本発明に係るポリッシング方法の一実施例を図5乃至図7を参照して説明する。図5はポリッシング装置の全体構成を示す断面図であり、図6はポリッシング装置の要部構成を示す断面図であり、図7は図6のVII−VII線断面図である。
図5および図6において、符号1はトップリングであり、トップリング1内には、中央部に位置する円形の第1チャンバC1、第1チャンバC1の外周側に位置する環状の第2チャンバC2及び第2チャンバC2の外周側に位置する環状の第3チャンバC3が形成されている。第1チャンバC1はバルブV1、レギュレータR1を介して加圧流体源である圧縮空気源24に接続され、第2チャンバC2はバルブV2、レギュレータR2を介して圧縮空気源24に接続され、第3チャンバC3はバルブV3、レギュレータR3を介して圧縮空気源24に接続されている。トップリング1はポリッシング対象物である半導体ウエハ4を収容する凹部1aを有している。トップリング1の下面には弾性マット2が貼着されている。
トップリング1及び弾性マット2は、それぞれ位置合わせされた複数の開口1O,2Oを有しており、各開口1O,2Oは前記第1〜第3チャンバC1〜C3のいずれかのチャンバに連通している。即ち、トップリング1がポリッシング対象物である半導体ウエハを保持する保持面に、加圧流体である圧縮空気が噴出可能な複数の開口1O,2Oが設けられ、これら複数の開口1O,2Oは、それぞれ第1〜第3チャンバC1〜C3のいずれかのチャンバに連通することにより、図7に示すように3つの環状領域A1,A2,A3に分割され、これら領域毎に圧縮空気が供給可能になっている。
またトップリング1の外周部には押圧リング3が配置されている。またトップリング1の下方には、上面に研磨布6を貼ったターンテーブル5が設置されている。
前記トップリング1はボール7を介してトップリングシャフト8に接続されており、このトップリングシャフト8はトップリングヘッド9に固定されたトップリング用エアシリンダ10に連結されており、このトップリング用エアシリンダ10によってトップリングシャフト8は上下動し、トップリング1の下端面に保持された半導体ウエハ4をターンテーブル5に押圧するようになっている。トップリングシャフト8内には、圧縮空気を第1〜第3チャンバC1〜C3に供給するための流路が形成されている。
また、トップリングシャフト8はキー(図示せず)を介して回転筒11に連結されており、この回転筒11はその外周部にタイミングプーリ12を有している。そして、タイミングプーリ12は、タイミングベルト13を介して、トップリングヘッド9に固定されたトップリング用モータ14に設けられたタイミングプーリ15に接続されている。したがって、トップリング用モータ14を回転駆動することによってタイミングプーリ15、タイミングベルト13およびタイミングプーリ12を介して回転筒11及びトップリングシャフト8が一体に回転し、トップリング1が回転する。トップリングヘッド9は、フレーム(図示せず)に固定支持されたトップリングヘッドシャフト16によって支持されている。
一方、押圧リング3はキー18を介してトップリング1に連結されており、押圧リング3はトップリング1に対して上下動自在であるとともにトップリング1と一体に回転可能になっている。そして、押圧リング3はベアリング19を保持したベアリング押え20およびシャフト21を介して押圧リング用エアシリンダ22に連結されている。押圧リング用エアシリンダ22はトップリングヘッド9に固定されている。押圧リング用エアシリンダ22は円周上に複数個(本実施例では3個)配設されている。
トップリング用エアシリンダ10及び押圧リング用エアシリンダ22は、それぞれレギュレータR4,R5を介して圧縮空気源24に接続されている。そして、レギュレータR4によってトップリング用エアシリンダ10へ供給する空気圧を調整することによりトップリング1が半導体ウエハ4を研磨布6に押圧する押圧力を調整することができ、レギュレータR5によって押圧リング用エアシリンダ22へ供給する空気圧を調整することにより押圧リング3が研磨布6を押圧する押圧力を調整することができる。
また、ターンテーブル5の上方には砥液供給ノズル25が設置されており、砥液供給ノズル25によってターンテーブル5上の研磨布6上に研磨砥液Qが供給されるようになっている。
上記構成のポリッシング装置において、トップリング1の下面に半導体ウエハ4を保持させ、トップリング用エアシリンダ10を作動させてトップリング1をターンテーブル5に向かって押圧し、回転しているターンテーブル5の上面の研磨布6に半導体ウエハ4を押圧する。一方、砥液供給ノズル25から研磨砥液Qを流すことにより、研磨布6に研磨砥液Qが保持されており、半導体ウエハ4の研磨される面(下面)と研磨布6の間に研磨砥液Qが存在した状態でポリッシングが行われる。
そして、研磨中に圧縮空気源24から圧縮空気を第1〜第3チャンバC1〜C3に適宜供給すると、圧縮空気は開口1O,2Oから弾性マット2の下面、即ち、トップリング1の保持面と、半導体ウエハ4の上面との間に噴出する。
この際、圧縮空気を供給するチャンバを適宜選択し、圧縮空気が噴出する環状領域A1,A2,A3を適宜選択する。例えば、第1チャンバC1のみに圧縮空気を供給し、第2,第3チャンバC2,C3には圧縮空気を供給しないようにすると、半導体ウエハ4は圧縮空気によって中央部側が外周部側より高い圧力で研磨布6に押し付けられる。そのため、半導体ウエハ4の外周部側が中央部側より研磨される傾向にあるときは、上記のように圧縮空気の作用により、中央部側の研磨不足を補正することができる。
一方、半導体ウエハ4の中央部側が外周部側より研磨される傾向にあるときは、逆に、第3チャンバC3のみに圧縮空気を供給し、第1,第2チャンバC1,C2には圧縮空気を供給しないようにする。これによって、半導体ウエハ4の外周部側の研磨圧力を中央部側の研磨圧力より高め、外周部側の研磨不足を補正し、半導体ウエハ4の全面を均一に研磨することができる。
さらに、第1チャンバC1、第2チャンバC2及び第3チャンバC3に供給する圧縮空気の圧力をそれぞれ変えて、第1チャンバC1には圧力p1gf/cm2、第2チャンバC2には圧力p2gf/cm2、第3チャンバC3には圧力p3gf/cm2の圧縮空気を供給する。これによって、トップリング1の保持面と半導体ウエハ4の上面との間に介在する流体に、中央の環状領域A1から外周部側の環状領域A3に向かって順次高くなるか又は低くなるような圧力勾配をもたせ、半導体ウエハ4を研磨布6に押し付ける力に勾配をもたせる。これによって、ポリッシング対象物である半導体ウエハ4の局部的な研磨量の過不足を補正することができる。
また本発明においては、トップリング1がポリッシング対象物である半導体ウエハ4をターンテーブル5上の研磨布6に押圧する押圧力F1(単位面積当たりの圧力,gf/cm2)を可変とし、また押圧リング3が研磨布6を押圧する押圧力F2(単位面積当たりの圧力,gf/cm2)を可変としている。そして、押圧力F1と押圧力F2とは、それぞれ独立して押圧力を変更できるようになっている。したがって、押圧リング3が研磨布6を押圧する押圧力F2をトップリング1が半導体ウエハ4を研磨布6に押圧する押圧力F1に応じて変更することができる。
即ち、トップリング用エアシリンダ10によるトップリング1の押圧力に応じて押圧リング用エアシリンダ22による押圧リング3の研磨布6への押圧力を適宜調整して半導体ウエハ4の研磨を行う。研磨中にレギュレータR4によってトップリング1が半導体ウエハ4をターンテーブル5上の研磨布6に押圧する押圧力F1を変更でき、レギュレータR5によって押圧リング3が研磨布6を押圧する押圧力F2を変更できる(図1参照)。したがって、研磨中に、押圧リング3が研磨布6を押圧する押圧力F2を、トップリング1が半導体ウエハ4を研磨布6に押圧する押圧力F1に応じて変更することができる。この押圧力F1に対する押圧力F2を適宜調整することにより、半導体ウエハ4の中心部から周縁部、さらには半導体ウエハ4の外側にある押圧リング3の外周部までの研磨圧力の分布が連続かつ均一になる。そのため、半導体ウエハ4の周縁部における研磨量の過不足を防止することができる。
また半導体ウエハ4の周縁部を内部側より意図的に研磨量を多くし又は逆に少なくしたい場合には、押圧リング3の押圧力F2をトップリングの押圧力F1に基づいて最適な値に選択することにより、半導体ウエハ4の周縁部の研磨量を意図的に増減できる。
即ち、前記各チャンバC1〜C3に供給する圧縮空気を制御することにより圧縮空気による押圧作用と、押圧リング3の押圧作用の協働作用により半導体ウエハ4を研磨する。これによって、半導体ウエハの局部(例えば、中央部、外周部等)的な研磨不足を補正することができる。また、半導体ウエハ4の局部(例えば、中央部、外周部等)を意図的に研磨量を多くし、または逆に少なくすることができる。この場合、圧縮空気により半導体ウエハ4の中央部の研磨圧力を外周部側より高める場合には、押圧リング3の押圧力F2をトップリング1の押圧力F1より大きくする。逆に、圧縮空気により半導体ウエハ4の外周部側の研磨圧力を中央部側より高める場合には、押圧リング3の押圧力F2をトップリング1の押圧力F1より小さくする。
本実施例においては、トップリング1は半導体ウエハ4を収容する凹部1aを有しているため、押圧リング3がトップリング1に対して上下動する際に、半導体ウエハ4の外周面をこすることがない。そのため、半導体ウエハ4の研磨中に押圧リング3の上下動により生ずる研磨性能への影響を避けることができる。
図8はトップリングの変形例を示す図である。トップリング51は、トップリング本体52と、トップリング本体52の下部外周部にボルト53によって着脱可能に固定されたリング状部材54とからなり、半導体ウエハ4を収容する凹部51aはトップリング本体52の下面とリング状部材54によって形成されている。そして、トップリング本体52の下面によって半導体ウエハ4の上面を保持し、リング状部材54によって半導体ウエハ4の外周部を保持している。押圧リング3はトップリング51の周囲に上下動可能に設けられている。
また、トップリング本体52は内部に環状の第1〜第3チャンバC1,C2,C3を有し、これらチャンバC1,C2,C3内に圧縮空気が供給できるようになっていることは図5乃至図7に示す例と同様である。トップリング本体52は第1〜第3チャンバC1〜C3と連通して下面に開口する多数の開口52Oを有している。弾性マット2も同様に前記連通孔52Oに対応した位置に開口2Oを有している。これによって、半導体ウエハ4の上面に圧縮空気を供給できるようになっている。
本発明の基本概念を説明する説明図である。 トップリングの押圧力と押圧リングの押圧力の関係を変更した場合の挙動を説明する説明図である。 本発明の基本概念に基づいて半導体ウエハを研磨した場合の実験結果を示すグラフである。 本発明の基本概念に基づいて半導体ウエハを研磨した場合の実験結果を示すグラフである。 本発明に係るポリッシング方法を実施するポリッシング装置の第1実施例の全体構成を示す断面図である。 本発明に係るポリッシング方法を実施するポリッシング装置の第1実施例の要部構成を示す断面図である。 図6のVII−VII線断面図である。 本発明に係るポリッシング方法を実施するポリッシング装置のトップリングの変形例を示す断面図である。
符号の説明
1 トップリング
2 弾性マット
3 押圧リング
4 半導体ウエハ
5 ターンテーブル
6 研磨布
7 ボール
8 トップリングシャフト
9 トップリングヘッド
10 トップリング用エアシリンダ
18 キー
19 ベアリング
20 ベアリング押え
22 押圧リング用エアシリンダ
24 圧縮空気源
25 砥液供給ノズル
26 押圧リング押え
1〜R5 レギュレータ
1〜C3 第1〜第3チャンバ

Claims (1)

  1. 上面に研磨布を貼ったターンテーブルとトップリングとの間にポリッシング対象物を介在させて所定の力で押圧することによって該ポリッシング対象物を研磨し、平坦且つ鏡面化するポリッシング方法において、
    前記トップリングがポリッシング対象物を保持する保持面の内、加圧流体を噴出させる領域を選択し、
    前記加圧流体によるポリッシング対象物の研磨布への押圧力を、ポリッシング対象物の中央部側と外周部側とで変えて研磨し、
    前記トップリングの周囲に押圧リングを上下動自在に配置し、ポリッシング対象物が接触する研磨布の周囲を、前記押圧リングにより押圧しながら研磨することを特徴とするポリッシング方法。
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