JP2006175466A - 溶接トーチの整備装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 溶接ワイヤに形成された球状部分を2枚の切除刃により切除する場合に、刃先が互いに位置ずれするのを抑制してメンテナンスの頻度を低くし、溶接作業の効率を向上させる。
【解決手段】 第1切除刃10をケーシングの閉塞部材6の下側に配置する。第1切除刃10にアクチュエータ12を連結する。第2切除刃11を第1切除刃10の下側に配置する。第2切除刃11を支持部材27で下側から支持し、第1切除刃10の刃先10bと第2切除刃11の刃先11bとが厚み方向に離れないようにする。刃先10b、11bに切欠部10c、11cを形成する。アクチュエータ12の動力を歯車により第2切除刃11に伝達する。アクチュエータ12により、第1切除刃10及び第2切除刃11の相対位置を、溶接ワイヤセット用の隙間29が形成される位置と、セットされた溶接ワイヤの球状部分を切除する位置とに切り替える。
【選択図】 図4
【解決手段】 第1切除刃10をケーシングの閉塞部材6の下側に配置する。第1切除刃10にアクチュエータ12を連結する。第2切除刃11を第1切除刃10の下側に配置する。第2切除刃11を支持部材27で下側から支持し、第1切除刃10の刃先10bと第2切除刃11の刃先11bとが厚み方向に離れないようにする。刃先10b、11bに切欠部10c、11cを形成する。アクチュエータ12の動力を歯車により第2切除刃11に伝達する。アクチュエータ12により、第1切除刃10及び第2切除刃11の相対位置を、溶接ワイヤセット用の隙間29が形成される位置と、セットされた溶接ワイヤの球状部分を切除する位置とに切り替える。
【選択図】 図4
Description
本発明は、例えばMIG溶接等のように溶接ワイヤを溶かしながら母材の溶接を行う溶接現場に設置される溶接トーチの整備装置に関する。
一般に、MIG溶接等においては、溶接トーチのノズル端部から溶接ワイヤを送り出し、この溶接ワイヤの先端部と母材との間でアークを発生させることにより、溶接ワイヤを先端部から順に溶融させて母材の溶接を行っている。
このようにして行われる溶接作業を一旦終えると、溶接ワイヤの先端部の形状は、該溶接ワイヤの溶融した部分が凝固する過程で球状に変化する。この溶接ワイヤの球状部分の大きさは一定ではないため、溶接ワイヤのノズル端部からの突出寸法が所期の寸法と異なることになる。こうなると、例えばロボットが導入されて無人化された溶接現場においては、次の溶接を開始する位置が狙いの位置とずれて溶接不良を招くことになる。その上、溶接ワイヤの球状部分の表面は不純物で覆われているので、次の溶接を開始するときに母材との間にアークが発生しない場合が多い。
そこで、溶接現場においては、例えば特許文献1、2に開示されているように、2枚の切除刃により溶接ワイヤの球状部分を切除する溶接トーチの整備装置が用いられている。特許文献1の整備装置は、固定側切除刃と移動側切除刃との間に溶接ワイヤを配置してから移動側切除刃を移動させて球状部分を切除するように構成されている。また、特許文献2の整備装置は、切除刃を2枚とも移動させることにより球状部分を切除するように構成されている。
特開平5−77044号公報(第10頁、図12)
特開平8−243745号公報(第4頁、第5頁、図1、図5)
ところが、特許文献1、2のように2枚の切除刃で溶接ワイヤの球状部分を切除するようにした場合、これら2枚の切除刃の刃先は整備装置の基台に支持された状態ではないので、経時変化等に起因して2枚の切除刃の刃先が厚み方向に位置ずれし易い。これら2枚の切除刃が位置ずれすると、溶接ワイヤの球状部分がきちんと切除されなくなることがあり、また、溶接ワイヤの先端部が切除時に変形してしまうことがある。こうなった場合には、上記した無人の溶接現場では、溶接ワイヤの球状部分の切除不良や溶接ワイヤの変形を確認する者がいないため、そのままの状態で溶接作業が開始されて溶接不具合が起こってしまうことがある。このことを回避するためには、切除刃のメンテナンス作業を頻繁に行わなければならず、溶接作業の効率が低下してしまう。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、経年変化等に起因する2つの切除刃の位置ずれを抑制してメンテナンス作業の頻度を低くすることにより、溶接作業の効率を向上させることにある。
上記目的を達成するために、本発明は、第1切除刃の刃先を第2切除刃と基台の構成部材とで挟んで第1切除刃の刃先が第2切除刃の刃先から厚み方向に離れないようにした。
具体的には、請求項1の発明では、溶接トーチのノズル端部から送り出された溶接ワイヤの先端部を基台に設けられた第1切除刃及び第2切除刃により切除する溶接トーチの整備装置を対象とする。
そして、上記第1切除刃の刃先が、上記第2切除刃の刃先と重なりかつ該第2切除刃の刃先から厚み方向に離れないように該第2切除刃と上記基台の構成部材とで挟まれ、上記第1切除刃及び第2切除刃の少なくとも一方の切除刃は、移動手段により他方の切除刃の側面に沿う方向に移動可能になっており、上記移動手段は、上記第1切除刃及び第2切除刃の相対位置を、該第1切除刃の刃先の一部と第2切除刃の刃先の一部との間に溶接ワイヤセット用の隙間が形成される溶接ワイヤセット位置と、上記溶接ワイヤセット用の隙間にセットされた溶接ワイヤの先端部を切除する切除位置とに切り替えるように構成する。
この構成によれば、第1切除刃及び第2切除刃の相対位置が溶接ワイヤセット位置にあるときには、溶接作業を一旦終えて球状部分が形成された溶接ワイヤを溶接用ワイヤセット用の隙間に挿入してセットすることが可能になる。そして、移動手段により第1切除刃及び第2切除刃の相対位置を切除位置に切り替える際には、第1切除刃の刃先が第2切除刃と基台とで挟まれて第2切除刃の刃先から離れないようになっているので、第1切除刃と第2切除刃との刃先の位置ずれが起こり難い。これにより、溶接ワイヤの球状部分を所期の状態で切除することが可能になる。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、移動手段は、第1切除刃及び第2切除刃の一方の切除刃に連結されて該一方の切除刃を移動させるアクチュエータと、該アクチュエータの動力を他方の切除刃に伝達して該他方の切除刃を移動させる動力伝達機構とを備えている構成とする。
この構成によれば、1つのアクチュエータを用いて第1切除刃及び第2切除刃を移動させることが可能になる。
請求項3の発明では、請求項2の発明において、基台には、第2切除刃を第1切除部と反対側から支持する支持部材が設けられている構成とする。
この構成によれば、第2切除刃の刃先が第1切除刃の刃先から離れる方向へ変形するのが支持部材により抑制されるので、経年変化による第1切除刃と第2切除刃との刃先の位置ずれがより一層起こりにくくなる。
請求項4の発明では、請求項1の発明において、第2切除刃が基台に固定され、第1切除刃が移動手段に連結されている構成とする。
この構成によれば、基台に固定された第2切除刃に対し第1切除刃を移動させることにより溶接ワイヤの球状部分が切除されるので、整備装置の構造がシンプルになる。
この構成によれば、基台に固定された第2切除刃に対し第1切除刃を移動させることにより溶接ワイヤの球状部分が切除されるので、整備装置の構造がシンプルになる。
請求項5の発明では、請求項1から4のいずれか1つに記載の溶接トーチの整備装置において、第1切除刃及び第2切除刃の少なくとも一方の刃先には、略V字状の切欠部が設けられている構成とする。
この構成によれば、第1切除刃及び第2切除刃の相対位置を溶接ワイヤセット位置にした際、切欠部によって溶接ワイヤセット用の隙間を形成することが可能になり、溶接ワイヤは切欠部内にセットされることになる。そして、第1切除刃及び第2切除刃の相対位置を溶接ワイヤセット位置から切除位置に切り替えて行くに従って、溶接ワイヤセット用の隙間が次第に狭くなる。このとき、切欠部が略V字状であるため、溶接ワイヤが隙間の中心からずれてセットされていても、該溶接ワイヤが切欠部の両縁部により隙間の中心部に徐々に導かれた後、切除される。これにより、溶接ワイヤの切除後の形状が略一定になる。さらに、溶接ワイヤの球状部分は切除刃の切欠部の両縁部によって切除されるので、切除時の刃先への負担は切欠部の両縁部に分散することになる。
請求項6の発明では、請求項1から5のいずれか1つの発明において、溶接トーチのノズル内面に付着した付着物を除去するトーチ清掃手段を備えている構成とする。
この構成によれば、溶接ワイヤの球状部分の切除と溶接トーチのノズル内面の清掃とを行うことが可能になる。
請求項7の発明では、請求項6の発明において、トーチ清掃手段は、溶接トーチのノズル内面に沿うように形成され、該ノズル内面の付着物に接触しながらノズルの中心線またはその近傍を回転軸として回転することにより該付着物を除去する回転部材を備え、上記回転部材は、回転軸方向に見て溶接ワイヤセット用の隙間と重複するように配置されるとともに、溶接ワイヤの先端部を上記溶接ワイヤセット用の隙間に導くワイヤ挿通孔を有している構成とする。
この構成によれば、溶接トーチのノズル内に回転部材を挿入する際に、溶接ワイヤを回転部材のワイヤ挿通孔に挿通させて溶接ワイヤセット用の隙間にセットすることが可能になる。この状態で回転部材を回転させることによりノズル内面の清掃が行え、さらに、第1切除刃及び第2切除刃を切除位置にすることにより溶接ワイヤの球状部分を切除することが可能になる。
請求項1の発明によれば、第1切除刃の刃先を第2切除刃と基台の構成部材とで挟むことにより、第1切除刃の刃先と第2切除刃の刃先とが厚み方向に離れないようにしたので、メンテナンス作業の頻度を低くしても溶接ワイヤの球状部分を所期の状態で切除することができて、溶接作業の効率を向上させることができる。
請求項2の発明によれば、1つのアクチュエータで第1切除刃及び第2切除刃を移動させて溶接ワイヤの球状部分を切除することができる。
請求項3の発明によれば、第2切除刃を第1切除刃と反対側から支持するようにしたので、両切除刃の刃先の位置ずれをより一層起こり難くすることができる。
請求項4の発明によれば、第2切除刃を基台に固定し、第1切除刃を移動させることにより溶接ワイヤの球状部分を切除するようにしたので、整備装置の構造をシンプルにすることができて、低コスト化を図ることができる。
請求項5の発明によれば、第1切除刃及び第2切除刃の少なくとも一方の刃先に略V字状の切欠部を形成したので、溶接ワイヤが溶接ワイヤセット用の隙間の中心からずれてセットされても、溶接ワイヤの切除後の形状を略一定にすることができて、溶接不具合をより確実に回避することができる。さらに、溶接ワイヤの球状部分を切除するときに刃先にかかる負担が分散して刃先の消耗を抑制することができる。
請求項6の発明によれば、トーチ清掃手段により溶接トーチのノズル内面の付着物を除去するようにしたので、溶接トーチの清掃と溶接ワイヤの球状部分の切除と1つの整備装置で行うことができて、溶接作業の効率をより一層向上させることができる。
請求項7の発明によれば、ノズル内に回転部材を挿入して回転することでノズルの清掃を行うことができ、この回転部材にワイヤ挿通孔を設けたので、ノズル内に回転部材を挿入する際に、溶接ワイヤをワイヤ挿通孔から溶接ワイヤセット用の隙間にセットして球状部分を切除することができる。これにより、ノズル内面の清掃と球状部分の切除とを1工程で行うことができて、溶接作業の効率をより一層向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
図1は、本発明の実施形態に係る溶接トーチの整備装置1を示すものである。この整備装置1は、ロボットが導入されて無人化された溶接現場においてロボットの近傍に配置され、該ロボットのアーム(図示せず)に装着された溶接トーチを溶接作業が一旦終わった際に整備するものである。この整備装置1で整備される溶接トーチは、例えばMIG溶接用に一般的に用いられているものであり、溶接トーチのノズルT(図1に仮想線で示す)の端部からは、該ノズルTの中心線に略沿って溶接ワイヤが送り出されるとともに、シールドガスが吹き出すようになっている。
図1は、本発明の実施形態に係る溶接トーチの整備装置1を示すものである。この整備装置1は、ロボットが導入されて無人化された溶接現場においてロボットの近傍に配置され、該ロボットのアーム(図示せず)に装着された溶接トーチを溶接作業が一旦終わった際に整備するものである。この整備装置1で整備される溶接トーチは、例えばMIG溶接用に一般的に用いられているものであり、溶接トーチのノズルT(図1に仮想線で示す)の端部からは、該ノズルTの中心線に略沿って溶接ワイヤが送り出されるとともに、シールドガスが吹き出すようになっている。
上記整備装置1は、溶接ワイヤの先端部に形成された球状部分を切除する切除装置2と、溶接トーチのノズルT内面を清掃するトーチ清掃手段としての清掃装置3と、これら装置2、3の一部を収容するケーシング4とを備えている。尚、この実施形態の説明では、説明の便宜を図るために、整備装置1における図1及び図2の左側を単に「左側」といい、また、右側を単に「右側」といい、また、図2の上側を単に「前側」といい、さらに、下側を「後側」というものとする。
上記ケーシング4は、上方に開放した矩形箱状の下側部材5と、該下側部材5の上部開放部を閉塞するように略水平に延びる矩形板状の閉塞部材6とを備えている。この閉塞部材6は本発明の基台であり、該閉塞部材6の厚みは、下側部材5を構成する板材の厚みよりも全体的に厚く設定され、閉塞部材6の剛性が高められている。
上記切除装置2は、図2〜図5に示すように、第1切除刃10及び第2切除刃11と、該第1切除刃10を移動させるアクチュエータ12と、該第1切除刃10に作用するアクチュエータ12の動力を上記第2切除刃11に伝えて該第2切除刃11を移動させる伝達機構13とを備えている。上記アクチュエータ12は、空気圧により作動する周知の空圧シリンダであり、外形状が略直方体に形成されている。
閉塞部材6の右側前部には、上記アクチュエータ12を配設するための矩形の貫通孔14が形成されている。該アクチュエータ12は、図1に示すように、上記貫通孔14に挿入された状態で上端部のみがケーシング4から上方へ突出しかつ残りの部分がケーシング4内に収容された状態で閉塞部材6に固定されている。アクチュエータ12のロッド12aは、図4に示すように、ケーシング4内に収容されて中心線が左右方向に延びるように配置され、アクチュエータ12の左側面から右側へ突出した進出状態と、ロッド12aの略全体がアクチュエータ12内に収容された後退状態との間で移動するようになっている。尚、図示しないが、アクチュエータ12には圧縮空気を給排する配管が接続され、この圧縮空気の給排はケーシング4内に収容された制御部15が有する制御弁により行われるようになっている。
図5にも示すように、アクチュエータ12のロッド12aの進出方向先端部には、前後方向に延びるように形成された板部材17の右側面が取り付けられている。該板部材17の左側面の上部には、図4に示すように、上記第1切除刃10が取り付けられ、この第1切除刃10は上記板部材17と共にケーシング4内に収容されている。第1切除刃10は、平面視で全体として略矩形の板状に形成されていて、基端部である右端部には上記板部材17に締結固定される厚肉部10aが設けられ、先端部である左端部が刃先10bとされている。第1切除刃10の上面は上記閉塞部材6の下面に接触している。また、第1切除刃10の刃先10bは、ロッド12aの中心線方向に見て該中心線からすれている。
図3及び図5に示すように、第1切除刃10の前縁部及び後縁部は互いに略平行に左右方向に延びている。第1切除刃10の刃先10bの前後方向中央部には第1切欠部10cが設けられている。第1切欠部10cは、第1切除刃10の基端側へ行くほど幅が狭くなる略V字状をなしている。第1切除刃10の刃先10bにおける切欠部10cよりも前側及び後側は、前後方向に略直線状に延びている。
上記板部材17の前後両端部には、左右方向に延びる前側棒材18及び後側棒材19の右端部がそれぞれ取り付けられている。前側棒材18の後側面には、歯18aがラックを構成するように左右方向に連続して設けられ、後側棒材19の前側面にも同様に歯19aが設けられている。前側棒材18の左端部及び後側棒材19の左端部は連結部材20により連結されている。上記板部材17、前側棒材18、後側棒材19及び連結部材20により矩形の枠が形成されている。
上記閉塞部材6の下面には、上記前側棒材18の歯18aに噛み合う前側歯車21が配設されている。該前側歯車21は、閉塞部材6の下面から下方へ突出する前側支軸22に該支軸22周りに回転可能に支持されている。また、閉塞部材6の下面には、上記後側棒材19の歯19aに噛み合う後側歯車23が配設されている。該後側歯車23は、上記前側歯車21と同様に閉塞部材6に設けられた後側支軸24に支持されている。
上記ケーシング4内の前側歯車21と後側歯車23との間には、上記第2切除刃11及びスペーサ部材26が配設されている。第2切除刃11の形状は、図3にも示すように、上記第1切除刃10と同様に平面視で略矩形の板状に形成され、第2切除刃11の先端部である右端部が刃先11bとされている。この第2切除刃11は、図4に示すように、第1切除刃10の下方に配置されていて、該第2切除刃11の刃先11bが第1切除刃10の刃先10bの下側に重なっている。
第2切除刃11の前縁部及び後縁部は互いに略平行に左右方向に延びており、これら前縁部及び後縁部には、歯11aがラックを構成するように左右方向に連続して設けられている。図5に示すように、第2切除部11の前縁部の歯11aは、上記前側歯車21に噛み合う一方、後縁部の歯11aは上記後側歯車23に噛み合うようになっている。第2切除刃11の刃先11bの前後方向中央部には、上記第1切欠部10cと対向する部位に第2切欠部11cが設けられている。この第2切欠部11cは、第1切欠部10cと同様に略V字状に形成されている。
上記スペーサ部材26は、平面視で上記第2切除刃11よりも小さい略矩形の板状に形成され、図4に示すように、該第2切除刃11の上側で閉塞部材6の下面に締結部材等(図示せず)により取り付けられており、従って、スペーサ部材26は閉塞部材6に対し動かないようになっている。スペーサ部材26の厚みは、上記第1切除刃10の先端側の厚みと略同じ厚みに設定されている。このようにスペーサ部材26を設けることにより、第2切除刃11が上方へ変位しないようになっている。
閉塞部材6の下面には、上記第2切除刃11を支持する支持部材27が設けられている。該支持部材27は、第2切除刃11の下面に沿うように延びる略矩形の本体部27aと、該本体部27aの左縁部に連続する左側固定部27bと、該本体部27aの右側前部及び後部に連続する一対の右側固定部27c(図5に示す)とを備えている。上記左側固定部27bと右側固定部27cとは、閉塞部材6の下面に締結部材28によりそれぞれ締結固定されている。
上記支持部材27の本体部27aにより第2切除刃11が下方から支持される。これにより、第1切除刃10の刃先10bが、第2切除刃11の刃先11bから厚み方向に離れないように、該第2切除刃11と閉塞部材6とで挟まれることになる。また、支持部材27の右側固定部27cにより、第1切除刃10及び第2切除刃11が前後両側から支持されて前後方向への変位が抑制される。
上記支持部材27の本体部27a上面と閉塞部材6の下面との隙間は、スペーサ部材26の厚みに第2切除刃11の厚みを加えた長さよりも僅かに広く設定されている。つまり、本体部27aと閉塞部材6との間には、第2切除刃11がスペーサ部材26と本体部27aとの間で左右方向に摺動できる余裕代が設けられている。
上記アクチュエータ12のロッド12aが後退した状態では、第1切除刃10及び第2切除刃11は、互いの刃先10b、11bだけが重なった状態で、かつ第1切欠部10cと第2切欠部11cとにより刃先10b、11b間に溶接ワイヤセット用の隙間29が形成される溶接ワイヤセット位置となる。この溶接ワイヤセット用の隙間29の形状は、第1切欠部10c及び第2切欠部11cが略V字状であるため、平面視で略矩形となる。そして、図6に示すように、閉塞部材6における上記溶接ワイヤセット用の隙間29の直上方には、略円形の開口部31が設けられ、この開口部31には上方から溶接ワイヤが挿入され、この開口部31に挿入された溶接ワイヤが上記溶接ワイヤセット用の隙間29にセットされるようになっている。
一方、アクチュエータ12のロッド12aが進出すると、板部材17、第1切除刃10、前側棒材18及び後側棒材19が左側へ移動する。前側棒材18が左側へ移動すると、この前側棒材18の歯18aに噛み合っている前側歯車21は、平面視で前側支軸22の周りに左方向に回転する。前側歯車21が左方向に回転すると、この前側歯車21に噛み合っている第2切除刃11は右方向へ移動する。また、上記ロッド12aの進出により、上記後側棒材19が左側へ移動すると、この後側棒材19の歯19aに噛み合っている後側歯車23は、平面視で後側支軸24の周りに右方向に回転し、この後側歯車23によっても第2切除刃11は右方向へ移動する。これにより、第1切除刃10及び第2切除刃11は、図3に仮想線で示すように、溶接ワイヤセット用の隙間29が無くなるまでそれぞれ移動し、該隙間29にセットされた溶接ワイヤの球状部材が切除される切除位置に切り替えられる。
つまり、アクチュエータ12の作動によって、第1切除刃10及び第2切除刃11が互いの側面に沿う方向にそれぞれ移動して、両切除刃10、11の相対位置が溶接ワイヤセット位置と、切除位置とに切り替えられる。また、第2切除刃11を移動させる際には、該第2切除刃11の前後両側にアクチュエータ12の動力を作用させるようにしているので、第2切除刃11は安定して左右方向に移動する。また、上記第1切除刃10及び第2切除刃11が移動する際には、両切除刃10、11の前後両縁部が支持部材27の右側固定部27cにより左右方向に略真っ直ぐに案内されることになる。
上記アクチュエータ12、板部材17、前側棒材18、後側棒材19、前側歯車21及び後側歯車23により本発明の移動手段が構成されており、また、上記前側棒材18、後側棒材19、前側歯車21及び後側歯車23により本発明の動力伝達機構が構成されている。
また、上記ケーシング4の下側部材5には、溶接ワイヤから切除されてケーシング4内に落ちる球状部分を該ケーシング4の外部へ導出する導出口(図示せず)が形成されている。
図2に示すように、閉塞部材6の上面における左側には、前後方向に延びる長円形の凹部35が形成されている。この凹部35内の後部には駆動スプロケット36が配設され、前部には従動スプロケット37が配設され、これら駆動スプロケット36及び従動スプロケット37にはローラチェーン38(図2に仮想線で示す)が巻き掛けられている。上記従動スプロケット37は、図6に示すように、上記開口部31と略同心上に配置され、該開口部31の周縁に設けられた軸受部材40を介して閉塞部材6に回転自在に支持されている。従動スプロケット37には、上記開口部31と略同心上に孔部41が設けられ、該孔部41の周縁には上方へ延びる周壁部42が設けられている。
従動スプロケット37の上方には、溶接トーチのノズルT内面に付着したスパッタ等の付着物を除去するための回転部材43が配設されている。この回転部材43は、図1にも示すように、ノズルTの内径よりも若干小径のコイルスプリングで構成されている。回転部材43は、その中心孔43aが上下方向に延びるようにかつ上記開口部31と略同心上に位置する状態で配置されている。該中心孔43aは本発明のワイヤ挿通孔を構成している。
回転部材43の下端部は、上記従動スプロケット37の周壁部42外側に嵌合しており、従って、回転部材43は従動スプロケット37と一体に回転するようになっている。この回転部材43の形状は、回転によって該回転部材43の少なくとも一部がノズルTの内面に接触するように設定されている。具体的には、回転部材43の上下方向の少なくとも一部が従動スプロケット37の回転中心に対して偏心して回転するようになっている。
また、図示しないが、駆動スプロケット36も上記従動スプロケット37と同様に軸受部材を介して閉塞部材6に回転自在に支持されている。この駆動スプロケット36の下方のケーシング4内には、図1に示すように、駆動スプロケット36を回転駆動する電動モータ45が収容されている。この電動モータ45は閉塞部材6の下面に取り付けられている。電動モータ45の回転軸45aは、図2に示すように、ケーシング4内から上記閉塞部材6の凹部35内へ突出して駆動スプロケット36に形成された中心孔の内面に固定されている。上記電動モータ45へ電力を供給する配線(図示せず)は、上記制御部15に接続されている。また、上記凹部35は閉塞部材6の上面に取り付けられるカバー部材(図示せず)で覆われるようになっている。
図1及び図2に示すように、上記閉塞部材6における従動スプロケット37の左側には、第1近接スイッチ46及び第2近接スイッチ47が配設されている。これら近接スイッチ46、47は、物体が所定距離以下に近づいたか否かを検出するセンサ部46a、47aをそれぞれ備えた周知のものであり、具体的には、通常時にはOFF状態で、上記センサ部46a、47aに物体が近づいて該物体とセンサ部46a、47aとの離間距離が所定距離以下となったときにON状態となるように構成されている。この所定距離は、任意に設定することが可能になっている。
閉塞部材6の上面には、上記第1近接スイッチ46及び第2近接スイッチ47を支持する略L字状のブラケット48が上方へ突出するように配置されて取り付けられている。第1近接スイッチ46及び第2近接スイッチ47の両センサ部46a、47aは右側へ向いている。第1近接スイッチ46は、回転部材43の上端よりも上方に位置付けられてブラケット48の上部に取り付けられている。一方、第2近接スイッチ47は、回転部材43の下端部近傍に位置づけられてブラケット48の下部に取り付けられている。
上記第1近接スイッチ46及び第2近接スイッチ47の信号線49は上記制御部15に接続されている。この制御部15は、リレーやタイマ(共に図示せず)を用いて構成されたものであり、上記近接スイッチ46、47の信号に基づいてアクチュエータ12及び電動モータ45を制御するように構成されている。第1近接スイッチ46がON状態になると、制御部15は電動モータ45への電力の供給を開始する。また、第2近接スイッチ47がON状態になると、制御部15はタイマを作動させて、このタイマが例えば3秒をカウントした後、圧縮空気の制御弁を開く。この制御弁が開かれると。アクチュエータ12に圧縮空気が送られるようになっている。尚、タイマのカウント時間は任意に設定することができる。
次に、上記のように構成された整備装置1を使用する場合について説明する。尚、以下で説明する溶接トーチの動きはロボットに記憶させてある。
まず、第1切除刃10及び第2切除刃11は溶接ワイヤセット位置にして、刃先10b、11b間に溶接ワイヤセット用の隙間29を形成しておく。
そして、ロボットは、溶接作業を一旦終えると溶接トーチを動かして、ノズルTの中心線が略上下方向に延びる状態にするとともに、ノズルTの端部を回転部材43の上端部近傍に配置する。このとき、第1近接スイッチ46のセンサ部46aはノズルT端部がセンサ部46aに近接したことを検出し、第1近接スイッチ46がON状態となる。制御部15は、第1近接スイッチ46がON状態となったことにより電動モータ45へ電力を供給する。電動モータ45が回転を開始すると、駆動スプロケット36が回転し、この駆動スプロケット36の回転力がローラチェーン38を介して従動スプロケット37に伝達され、該従動スプロケット37が回転する。従動スプロケット37の回転により、回転部材43が回転する。
そして、ロボットが溶接トーチを動かしてノズルTの中心線を回転部材43の中心と略一致させ、そのまま、溶接トーチを下方へ移動させていくと、溶接ワイヤがノズルTの中心線近傍に位置しているので、該溶接ワイヤは、その先端部から回転部材43の中心孔43aに挿入され、該中心孔43aによって下方の溶接ワイヤセット用の隙間29に導かれる。このとき、回転部材43がノズルTの内面に付着した付着物に接触して該付着物がノズルTの内面から剥がれて落ちる。
溶接トーチをさらに下方へ移動させてノズルT端部を閉塞部材6の上面近傍に位置付けると、溶接ワイヤの先端部が閉塞部材6の開口部31を通ってケーシング4内に突出し、溶接ワイヤセット用の隙間29にセットされる。このとき、溶接ワイヤの先端部に形成された球状部分が第1切除刃10及び第2切除刃11の刃先10b、11bよりも下方に位置する。また、上記溶接トーチのノズルT端部を閉塞部材6の上面近傍に位置付けると、第2近接スイッチ47のセンサ部47aはノズルT端部がセンサ部47aに近接したことを検出し、第2近接スイッチ47がON状態となる。制御部15は、タイマにより第2近接スイッチ47がON状態となって3秒が経過したことを検出すると、圧縮空気の制御弁を開いてアクチュエータ12に圧縮空気を送り、ロッド12aを進出させる。
ロッド12aが進出すると、第1切除刃10が左側へ移動するとともに第2切除刃11が右側へ移動して、該第1切除刃10及び第2切除刃11が切除位置に切り替えられ、溶接ワイヤの球状部分が切除される。この第1切除刃10及び第2切除刃11を切除位置に切り替える際には、第1切除刃10の刃先10bが、支持部材27により支持された第2切除刃11と閉塞部材6の下面とで挟まれて第2切除刃11の刃先11bから離れないようになっているので、第1切除刃10と第2切除刃11との刃先10b、11bの位置ずれが起こりに難い。また、第1切除刃10及び第2切除刃11の相対位置を溶接ワイヤセット位置から切除位置に切り替える差異には、溶接ワイヤセット用の隙間29が次第に狭くなっていく。このとき、両切除刃10、11の切欠部10c、11cが略V字状であるため、溶接ワイヤの先端部の位置が溶接ワイヤセット用の隙間29の中心部からずれてセットされていても、該溶接ワイヤが切欠部10c、11cの両縁部により隙間29の中心部に導かれてから切除される。これらのことにより、溶接ワイヤの球状部分を、該溶接ワイヤの変形を招くことなく所期の形状できちんと切除することが可能になる。尚、この第1切除刃10及び第2切除刃11による球状部分の切除位置は、これら切除刃10、11の高さ方向の配設位置により設定することが可能である。
溶接ワイヤの球状部分の切除が終わると、制御部15は制御弁を作動させて第1切除刃10及び第2切除刃11の相対位置を溶接ワイヤセット位置に戻す。一方、ロボットは、溶接トーチを上方へ移動させて次の溶接作業に移り、このとき溶接トーチが第1近接スイッチ46から離れると制御部15は電動モータ45を停止させる。この溶接作業を開始する際には、溶接ワイヤのノズルT端部からの突出長さが所定長さとなっており、かつ形状も所定の形状となっているので、ロボットによる溶接不具合が起こるのが抑制される。
また、この実施形態では、制御部15にタイマを設けることにより、溶接トーチが第2近接スイッチ47に近接してもすぐには両切除刃10、11を移動させないようにしている。このようにすることで、溶接ワイヤの先端部が溶接ワイヤセット用の隙間29に確実にセットされるのを待ってから両切除刃10、11を移動させることが可能になる。これにより、溶接ワイヤの球状部分を確実に切除することが可能になる。
したがって、この実施形態に係る溶接トーチの整備装置1によれば、第1切除刃10の刃先10bを第2切除刃11と重ねかつ該第2切除刃11と閉塞部材6とで挟んで第2切除刃11から離れないようにしたので、経年変化等によって第1切除刃10及び第2切除刃11の刃先10b、11bが位置ずれするのを抑制することができる。これにより、第1切除刃10及び第2切除刃11のメンテナンス作業の頻度を低くしても溶接ワイヤの球状部分を所期の状態で切除することができて、溶接作業の効率を向上させることができる。
また、アクチュエータ12の動力を第2切除刃11に伝達するようにしたので、1つのアクチュエータ12で第1切除刃10及び第2切除刃11を移動させて溶接ワイヤの球状部分を切除することができる。
また、支持部材27により第2切除刃11を第1切除刃10と反対側から支持するようにしたので、第1切除刃10及び第2切除刃11の刃先10b、11bの位置ずれをより一層起こり難くすることができる。
また、第1切除刃10及び第2切除刃11の両刃先10b、11bの互いに対向する部位に略V字状の切欠部10c、11cをそれぞれ形成したので、溶接ワイヤが隙間29の中心からずれてセットされても、溶接ワイヤの切除後の形状を所期の形状にすることができる。
また、清掃装置3により溶接トーチのノズルT内面の付着物を除去するようにしたので、溶接トーチの清掃と溶接ワイヤの球状部分の切除と1つの整備装置1で行うことができる。
また、ノズルT内に回転部材43を挿入して回転させることでノズルTの清掃を行うことができ、この回転部材43に中心孔43aを設けたので、回転部材43をノズルT内に挿入したまま、溶接ワイヤを中心孔43aにより溶接ワイヤセット用の隙間29に導いて球状部分を切除することができる。これにより、ノズルT内面の清掃と球状部分の切除との2つの作業を1工程で行うことができて、溶接作業の効率をより一層向上させることができる。
《発明の実施形態2》
図7及び図8は、本発明の実施形態2に係る溶接トーチの整備装置1を示すものである。この実施形態2の整備装置1は、実施形態1のものとは移動手段の構造が一部異なるだけなので、実施形態1のものと同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分を詳細に説明する。
図7及び図8は、本発明の実施形態2に係る溶接トーチの整備装置1を示すものである。この実施形態2の整備装置1は、実施形態1のものとは移動手段の構造が一部異なるだけなので、実施形態1のものと同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分を詳細に説明する。
すなわち、閉塞部材6の下面における第1切除刃10の前側には、該第1切除刃10の前縁部に形成された歯10dに噛み合う第1歯車60が配設されている。該第1歯車60は閉塞部材6の下面から下方へ突出する第1支軸61に該支軸61周りに回転可能に支持されている。また、閉塞部材6の下面における第1歯車60よりも左側には、第1切除刃10から前方へ離れた箇所に第1歯車60に噛み合う第2歯車62が配設されている。また、閉塞部材6の下面における第2歯車62の左側には、該第2歯車62に噛み合う第3歯車63が配設され、さらに、該第3歯車63よりも左側かつ後側には、第3歯車63に噛み合うとともに第2切除刃11に形成された歯11aに噛み合う第4歯車64が配設されている。上記第2歯車62、第3歯車63及び第4歯車64は、上記第1支軸61と同様に閉塞部材6に設けられた第2支軸65、第3支軸66及び第4支軸67に支持されている。
第2切除刃11を支持する支持部材69は、本体部69aと該本体部69aの後縁部に連続する後側固定部69bとを備えていて、後側固定部69bが閉塞部材6の下面に締結部材70により締結固定されている。
この実施形態2の整備装置1では、アクチュエータ12のロッド12aが進出して板部材17及び第1切除刃10が左側へ移動すると、第1切除刃10の歯10dに噛み合っている第1歯車60は、平面視で第1支軸61の周りに右方向に回転する。第1歯車60が右方向に回転するとこの第1歯車60に噛み合っている第2歯車62は左方向に回転し、この第2歯車62に噛み合っている第3歯車63は右方向に回転し、この第3歯車63に噛み合っている第4歯車64は左方向に回転する。この第4歯車64が左方向に回転すると、第2切除刃11が右側へ移動する。これにより、第1切除刃10及び第2切除刃11の相対位置が溶接ワイヤセット位置と切除位置とに切り替えられる。
したがって、この実施形態2の溶接トーチの整備装置1によれば、実施形態1のものと同様の作用効果が得られる。
《発明の実施形態3》
図9及び図10は、本発明の実施形態3に係る溶接トーチの整備装置1を示すものである。この実施形態3の整備装置1は、実施形態1のものと移動手段の構造が一部異なる点と、支持部材が設けられていない点とで異なるだけなので、実施形態1のものと同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分を詳細に説明する。
図9及び図10は、本発明の実施形態3に係る溶接トーチの整備装置1を示すものである。この実施形態3の整備装置1は、実施形態1のものと移動手段の構造が一部異なる点と、支持部材が設けられていない点とで異なるだけなので、実施形態1のものと同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分を詳細に説明する。
すなわち、図10に示すように、第2切除刃11の基端部は先端側よりも肉厚に形成されて、第2切除刃11の刃先11bと閉塞部材6の下面との間には、第1切除刃10の刃先10bが挿入可能となっている。第2切除刃11の基端部が閉塞部材6の下面に締結部材80により締結固定され、この状態で、第1切除刃10の刃先10bが、第2切除刃11の刃先11bから厚み方向に離れないように、該第2切除刃11と閉塞部材6とで挟まれるようになっている。
この実施形態3の整備装置1では、アクチュエータ12のロッド12aが進出すると、板部材17及び第1切除刃10が左側へ移動する。これにより、第1切除刃10及び第2切除刃11の相対位置が、溶接ワイヤセット位置と切除位置とに切り替えられる。
したがって、この実施形態3の溶接トーチの整備装置1によれば、実施形態1と同様の作用効果が得られる。
また、第2切除刃11を動かさないようにしているので、整備装置1の構造をシンプルにすることができて、低コスト化を図ることができる。
尚、この実施形態では、整備装置1に切除装置2と清掃装置3とを組み込んでいるが、清掃装置3は省略してもよい。
また、この実施形態の説明では、第1切欠部10c及び第2切欠部11cの形状を略V字状にしているが、これら切欠部10c、11cの形状は略V字状以外の形状でもよく、また、これら第1切欠部10c及び第2切欠部11cのうち一方のみを設けるようにしてもよい。
また、アクチュエータ12は空圧以外の油圧式のものにしてもよいし、電動式のものにしてもよい。
以上説明したように、本発明に係る溶接トーチの整備装置は、例えばロボットを用いて溶接作業を行う場合に適している。
1 整備装置
3 清掃装置(トーチ清掃手段)
6 閉塞部材(基台)
10 第1切除刃
10b 刃先
10c 第1切欠部
11 第2切除刃
11b 刃先
11c 第2切欠部
12 アクチュエータ
27 支持部材
29 溶接ワイヤセット用の隙間
43 回転部材
43a 中心孔(ワイヤ挿通孔)
69 支持部材
T ノズル
3 清掃装置(トーチ清掃手段)
6 閉塞部材(基台)
10 第1切除刃
10b 刃先
10c 第1切欠部
11 第2切除刃
11b 刃先
11c 第2切欠部
12 アクチュエータ
27 支持部材
29 溶接ワイヤセット用の隙間
43 回転部材
43a 中心孔(ワイヤ挿通孔)
69 支持部材
T ノズル
Claims (7)
- 溶接トーチのノズル端部から送り出された溶接ワイヤの先端部を基台に設けられた第1切除刃及び第2切除刃により切除する溶接トーチの整備装置であって、
上記第1切除刃の刃先が、上記第2切除刃の刃先と重なりかつ該第2切除刃の刃先から厚み方向に離れないように該第2切除刃と上記基台の構成部材とで挟まれ、
上記第1切除刃及び第2切除刃の少なくとも一方の切除刃は、移動手段により他方の切除刃の側面に沿う方向に移動可能になっており、
上記移動手段は、上記第1切除刃及び第2切除刃の相対位置を、該第1切除刃の刃先の一部と第2切除刃の刃先の一部との間に溶接ワイヤセット用の隙間が形成される溶接ワイヤセット位置と、上記溶接ワイヤセット用の隙間にセットされた溶接ワイヤの先端部を切除する切除位置とに切り替えるように構成されていることを特徴とする溶接トーチの整備装置。 - 請求項1に記載の溶接トーチの整備装置において、
移動手段は、第1切除刃及び第2切除刃の一方の切除刃に連結されて該一方の切除刃を移動させるアクチュエータと、該アクチュエータの動力を他方の切除刃に伝達して該他方の切除刃を移動させる動力伝達機構とを備えていることを特徴とする溶接トーチの整備装置。 - 請求項2に記載の溶接トーチの整備装置において、
基台には、第2切除刃を第1切除部と反対側から支持する支持部材が設けられていることを特徴とする溶接トーチの整備装置。 - 請求項1に記載の溶接トーチの整備装置において、
第2切除刃が基台に固定され、第1切除刃が移動手段に連結されていることを特徴とする溶接トーチの整備装置。 - 請求項1から4のいずれか1つに記載の溶接トーチの整備装置において、
第1切除刃及び第2切除刃の少なくとも一方の刃先には、略V字状の切欠部が設けられていることを特徴とする溶接トーチの整備装置。 - 請求項1から5のいずれか1つに記載の溶接トーチの整備装置において、
溶接トーチのノズル内面に付着した付着物を除去するトーチ清掃手段を備えていることを特徴とする溶接トーチの整備装置。 - 請求項6に記載の溶接トーチの整備装置において、
トーチ清掃手段は、溶接トーチのノズル内面に沿うように形成され、該ノズル内面の付着物に接触しながらノズルの中心線またはその近傍を回転軸として回転することにより該付着物を除去する回転部材を備え、
上記回転部材は、回転軸方向に見て溶接ワイヤセット用の隙間と重複するように配置されるとともに、溶接ワイヤの先端部を上記溶接ワイヤセット用の隙間に導くワイヤ挿通孔を有していることを特徴とする溶接トーチの整備装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004370057A JP2006175466A (ja) | 2004-12-21 | 2004-12-21 | 溶接トーチの整備装置 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006175466A true JP2006175466A (ja) | 2006-07-06 |
Family
ID=36730055
Family Applications (1)
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JP2004370057A Pending JP2006175466A (ja) | 2004-12-21 | 2004-12-21 | 溶接トーチの整備装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006175466A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102489839A (zh) * | 2011-12-15 | 2012-06-13 | 南京奔驰焊接机械厂 | 单枪双丝高速全自动气保焊接机器人 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH079565U (ja) * | 1993-06-29 | 1995-02-10 | 岩谷産業株式会社 | 溶接ロボットのワイヤー切断装置 |
JPH07241680A (ja) * | 1994-03-03 | 1995-09-19 | Yutaka Giken Co Ltd | 溶接トーチの整備装置 |
-
2004
- 2004-12-21 JP JP2004370057A patent/JP2006175466A/ja active Pending
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