JP2006175162A - 干渉波装置とそれに用いる正弦波発生回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】 干渉波発生装置において、低コストで歪みの少ない滑らかな正弦波を生成することを目的とする。また、そのような装置において、出力段の電流増幅用トランジスタの発熱を抑えることを目的とする。更に、小型の装置においても、パッドオープン検出等の各種機能を実現することを目的とする。
【解決手段】 ソフトウェアによって出力されたディジタル出力をD/Aコンバータに通すことによって予め生成した階段状の正弦波を利用して所望の正弦波信号を発生する正弦波発生回路を利用した干渉波発生装置を提供する。D/Aコンバータとしては専用のIC若しくはラダー状抵抗器を使用することができる。また、発熱を抑えるために、自励発振型のドライブ回路を設ける。更に、パッドオープン検出機能、パッドショート検出機能を設ける。
【選択図】 図3
【解決手段】 ソフトウェアによって出力されたディジタル出力をD/Aコンバータに通すことによって予め生成した階段状の正弦波を利用して所望の正弦波信号を発生する正弦波発生回路を利用した干渉波発生装置を提供する。D/Aコンバータとしては専用のIC若しくはラダー状抵抗器を使用することができる。また、発熱を抑えるために、自励発振型のドライブ回路を設ける。更に、パッドオープン検出機能、パッドショート検出機能を設ける。
【選択図】 図3
Description
本発明は、例えば干渉波治療器や筋肉トレーニング装置に用いることができる、干渉波装置とそれに用いる正弦波発生回路に関する。
干渉波装置の一例として特開2004−267325号公報に開示されたハンディータイプの小型干渉波治療器がある。この治療器は、患者の皮膚に粘着させたパッドを介して、周波数の異なる少なくとも2つの正弦波信号を二対の導子を通じて患者の体内に流し、それらの正弦波信号を患者の所定部位にて干渉波信号として治療を行うものである。近年、この干渉波信号は、リハビリ等の治療としての効果だけでなく、筋肉トレーニングとしての効果も発揮することが明らかとなっている。
しかしながら、例えば、上に挙げた従来公知の干渉波治療器では、正弦波信号(搬送波が数kHz)を生成するために、パルス波を図1に示されるような発振回路2で生成することとされており、また、この発振回路2で生成されたパルス波を段状のRCフィルター4を利用していきなり整形することとされていたため、正弦波信号に歪みが生じやすいという問題を有していた。また、この構成では、干渉周波数を変更するには、RCフィルターを各周波数にあわせて複数設けなければならず、この結果、回路部品の数が増えコスト高になるといった問題も生じていた。また、上記公報にも開示されているように、出力波形に振幅変調をかけてリズミカルな低周波刺激を得ることを目的として干渉周波数に振幅変調をかけることがあるが、従来は、振幅変調波を作る元となる正弦波を、RCフィルターを利用して高周波成分を取り除くことによって生成していたため、振幅変調波の周波数に応じてフィルターの定数を変更しなければならず、振幅変調波の周波数を種々変更する場合には、回路部品の数が増えコスト高になるといった問題も生じていた。
更に、上に挙げた従来公知の干渉波治療器では、RCフィルターで整形された正弦波信号は、それに続く出力段である出力ドライブ回路において、電流増幅用のトランジスタを用いてそのままの状態で電力増幅することとされていたため、トランジスタにおける発熱量が大きいといった問題を有していた。例えば、大型の医療向け干渉治療器等、電力供給に余裕(商用電源等を使用)があるものについては、出力ドライブとして正弦波ドライブ回路を用いているのが一般的であり、この発熱が大きい(電力ロスが大きい)という問題は、放熱器やファンをつける等して、放熱することにより対処することとされてきたが、本器のようなハンディータイプの小型器にあっては、電源として使用する乾電池の寿命が限られており、ハンディータイプに適したサイズとして、例えば、単三型の乾電池等では、その容量に大きな制約があった。
更に、上に挙げた干渉波治療器に限らず、正弦波を用いた干渉波治療器にあっては、従来のパルス列信号を利用する電子治療器やトレーニング装置に比べて、出力波形の性質上、出力電力が非常に高く(例えば、5倍以上)なっていることもあり、負荷ショートによる機器の異常発熱や故障を起こす危険が高いといった問題もあった。
更にまた、これらの治療器では、例えば、パッドが身体に貼られていない状態で電気信号が出力されていると、患者がパッドに触れた瞬間にいきなり大きな電圧が印加される危険があり、また、パッド同士が直接接触していると負荷短絡による機器の異常発熱や故障の虞れがあることから、パッドオープン、パッド(負荷)ショートの両方について、安全装置を設けるのが一般的であり、特に小型器における安全装置は、負荷ショートにより異常電流が流れた場合に、電源回路の過電流保護回路が機能するか、電流溶断型または自己復帰型のフューズが機能するようになっていることが一般的であるが、通常使用時には出力波形に歪みを与えず、電力損失も最小限に抑えなければならないという技術的に困難な面があった。加えて、上に挙げた従来例のようなハンディータイプの小型干渉波治療器においては、一般に、パッドオープン検出機能、即ち、パッドが患者の皮膚から剥がされたことを検出する機能が何ら設けられていないといった問題もあった。
本発明は、上の従来技術における問題点を解決するためになされたものであり、干渉波発生装置において、低コストで歪みの少ない滑らかな正弦波を生成することを目的とする。また、そのような装置において、出力段の電流増幅用トランジスタの発熱を抑えることを目的とする。更に、小型の装置においても、パッドオープン検出等の各種機能を実現することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、ソフトウェアによって出力されたディジタル出力をD/Aコンバータに通すことによって予め生成した階段状の正弦波を利用して所望の正弦波信号を発生する正弦波発生回路を特徴とする。
上記D/Aコンバータは専用のIC若しくはラダー状抵抗器であってもよい。
上記D/Aコンバータは専用のIC若しくはラダー状抵抗器であってもよい。
また、振幅変調波に対応したパルス幅変調波を生成して前記階段状の正弦波と掛け合わせることによって振幅変調をかけてもよい。
また、前記階段状の正弦波信号を自励発振型のドライブ回路を用いて電流増幅してもよい。
また、前記階段状の正弦波信号を自励発振型のドライブ回路を用いて電流増幅してもよい。
更に、前記正弦波信号を発生する発生側と前記正弦波信号を出力する出力側の間にトランスを設け、該トランスの一次側と二次側で前記発生側と前記出力側を電気的に絶縁するようにしてもよい。
また、前記トランスの一次側における電流変化を検出する検出部を設け、また、前記トランスの二次側における電流変化を検出する他の検出部を設けても良い。
更に、前記検出部と前記発生側の間をフォトカプラで接続することによって前記発生側と前記出力側を電気的に絶縁した状態で前記二次側における電流変化を前記発生側に伝えるようにしてもよい。
更にまた、前記トランスの一次側における電流変化を検出する検出部と、前記トランスの二次側における電流変化を検出する他の検出部とを備え、前記検出部と前記他の検出部からの電流変化を前記発生側に設けた同じ判定部で判定するようにしてもよい。
また、これらの正弦波発生回路を干渉波装置に利用してもよい。
また、これらの正弦波発生回路を干渉波装置に利用してもよい。
ソフトウェアとD/Aコンバータを利用して正弦波を生成することから、フィルター回路を周波数毎に設ける必要がなく、部品点数の削減とコストダウンができる。また、あらかじめ階段状の正弦波となっているものをフィルターに通すため、歪みの少ない波形を生成することができる。
また、自励発振型のドライブ回路を用いることにより、出力段の電流増幅用トランジスタの発熱を抑えることができる。更に、出力トランスの二次側の電流を直接検出し、フォトカプラを介して一次側に伝達するようにしたため、出力波形に歪みを与えることなく身体にパッドが貼られているかの確認ができる。更に、出力トランスの一次側に流れる過電流を検出することによりショート状態を検出するようにしたため、機器の異常発熱や故障を未然に防ぐことができる。
図面を参照して、本発明による干渉波装置とそれに用いることができる正弦波発生回路の好適な一つの実施形態を以下に説明する。尚、ここでは一例として、干渉波治療器とそれに用いる正弦波発生回路を例示したが、勿論、本発明の干渉波装置及び正弦波発生回路は、このような干渉波治療器に限定されるものではなく、筋肉トレーニング装置を含めた様々な干渉波装置に応用することができる。
この干渉波治療器は、主に、コントローラ本体(図示せず)と、このコントローラ本体で発生された電気信号を伝達するための互いに電気的に絶縁された少なくとも2対の導子(電極)CH1、CH2(図示せず)から成る。コントローラ本体には、電源ボタン等の様々な操作ボタンの他、操作性を高める液晶表示等が設けられていてもよい。この装置はそれ程大きなものではなく、いわゆるハンディータイプの小型機器であって、例えば、単三乾電池4本程度の電源によって動作するものであってもよい。
各導子CH1、CH2は、それらの一端においてコントローラに接続される。それらの他端先端部にはパッド(図示せず)を有する。実際の使用にあたっては、各導子CH1、CH2をそれぞれ対にした状態で、各導子CH1、CH2の各パッドを、CH1からの電気信号とCH2からの電気信号とが身体の所定部位にて交差するような状態(4極干渉モード)で、若しくは、CH1からの電気信号或いはCH2からの電気信号が、身体の所定部位にてそれぞれ独立した状態で、つまり、交差しないような状態(2極干渉モード)で、患者の皮膚に粘着させて使用する。図2に示すように、4極干渉モードとして使用するときは、CH1のパッドは、例えば、CH1−AとCH1−Bの位置、つまり、人体の胴体付近に、CH2のパッドは、CH1−AとCH1−Bと交差するCH2−AとCH2−Bの位置に、それぞれ固定し、また、2極干渉モードとして使用するときは、CH1のパッドは、例えば、CH1−A’とCH1−B’の位置、つまり、片方の腕に、CH2のパッドは、CH2−A’とCH2−B’の位置、つまり、片脚に、それぞれ固定して使用する。このような状態の下でコントローラ本体から所定の正弦波信号を出力することにより、各導子のパッドをつなぐ部分、つまり、点線部分17乃至20の部分にそれぞれ電気信号を流して、身体の所定部位にリハビリ等の治療効果を与えることができる。特に、4極干渉モードとして使用するときは、17と18との交差部Xに干渉周波数が発生することになる。尚、2極干渉モードとして使用するときは、必ずしもCH1とCH2の双方を使用する必要はなく、一方のみを使用してもよい。
このような干渉波治療器に用いることができる正弦波発生回路の一例を図3にブロック図で示す。図中、原発振(クロック)部11、リセット部12、スイッチ部13、メモリー部14、表示器15、CPU16等の構成要素の働きについては、よく知られているため、ここでは特に説明しない。尚、これら11乃至16の要素は導子CH1、CH2の双方のために使用される。その他の要素、即ち、参照番号21乃至31若しくは21’乃至31’はそれぞれ、各導子CH1、CH2のために使用されるものであり、両者は全く同じ構成を有する。以下、主にCH1に着目して説明するが、CH2については同様に考えてよい。
各導子CH1、CH2の構成は、大きく2つの部分に分けて考えることができる。一方は正弦波信号を発生する側(発生側)であり、もう一方は、この正弦波信号を出力する側(出力側)である。発生側には、D/Aコンバータ部21、変調率調整部22、出力電圧調整部23、波形整形部24、正出力駆動波形整形部25、負出力駆動波形整形部26、ショート検出部30、および出力電圧昇圧部27の一次側A1が設けられた部分(発生側)が含まれ、出力側には、出力部29、オープン検出部28、及び出力電圧昇圧部27の二次側A2が含まれる。これらの部分は、出力電圧昇圧部27のトランスの一次側と二次側によって、及び、フォトカプラ31によって、電気的にほぼ完全に絶縁された状態とされている。すなわち、CH1、CH2の絶縁が可能となる。
各導子CH1、CH2を通じて患者に出力する正弦波信号(搬送波が数kHz)を生成するため、先ず、原型となる階段状の正弦波を生成する。この正弦波は、主として、CPU16とD/Aコンバータ部21のD/Aコンバータを利用して生成される。生成された正弦波には、必要に応じて、変調率調整部22を利用して振幅変調をかけ、出力にリズミカルな低周波刺激を与えることもできる。次いで、振幅変調をかけた、若しくは、振幅変調をかけていない正弦波を、出力電圧調整部23によって調整するとともに、波形整形部(フィルタ部)24によって整形する。波形整形部(フィルタ部)24を使用するのは、D/Aコンバータ部21のD/Aコンバータから出力された正弦波は階段状波形であり、また、その後の振幅変調などにより歪みを含んでいるため、これをローパスフィルタ等により歪みの少ない正弦波に整形するためである。特に図示しないが、特に波形整形部24は、オペアンプや周辺のCRにより2段のローパスフィルタを形成して歪みを除去する。また、次段回路とのインタフェースのため、正負位相の逆転した波形を生成する必要がある。従って、一方には、この波形を反転した波形を生成するものである。尚、反転回路を通過させる際には、若干の遅れ等が発生するため、他方の非反転側も、等倍のバッファアンプ(図示せず)を通過させ、条件を同一にしておくのが好ましい。波形整形部24によって整形された正弦波に対して、その後、正出力駆動波形整形部25や負出力駆動波形整形部26に設けた出力ドライブ回路を利用して電力増幅を行う。増幅された正弦波は、更に、トランスにおいて一次側から二次側へ伝達された後、二次側からパッドを有する出力部29において所望の正弦波信号として患者へ出力されることになる。
次に、これらの基本構成を更に詳細に説明する。
原型となる正弦波は、CPU16から出力されるディジタル出力をD/Aコンバータ部21のD/Aコンバータに通すことによって、例えば、1サイクル10段階の階段状正弦波として生成される。D/Aコンバータとして、専用のICを使用してもよいし、図4に示すようなラダー状に組んだ抵抗器6を使用してもよい。ディジタル出力とすることによって、どのようなタイミングで、また、どのような大きさの(例えばラダー状抵抗器6を使用する場合にはラダー状抵抗器のどの段の抵抗を用いて)信号を発生させるかを指示することによって、原型となる階段状正弦波を、所望のタイミング、つまり、周波数で、所望の大きさ、つまり、振幅で、容易に発生させることができる。勿論、専用のICを使用すれば、更に容易に階段状正弦波を生成することが可能であるが、ICに代えてこのようなラダー状抵抗器6を用いることにより、機器をより安価に実現することもできる。このように、原型となる正弦波を、CPU制御によるソフトウェアとD/Aコンバータとを利用して、当初から正弦波に近似する階段状に生成することにより、歪みの少ない正弦波を得るとともに低コスト化、汎用性、応用性を高めることができる。また、本構成によれば、例えば、ラダー状抵抗器6に対して送信する信号のタイミングとどの段の抵抗を使用するかを指示するだけで、つまり、1つのラダー状抵抗器6だけを用いて、様々な周波数、振幅の正弦波を生成することができるから、従来のように、フィルター回路(図1のRCフィルター4)を周波数毎に設ける必要がなく、したがって、部品点数の削減とコストダウンを図ることができる。更に、あらかじめ階段状とされた正弦波を波形整形部24(フィルタ)に通すことから、波形の歪みも少なくできる。更にまた、ソフトウェアが関与しているため、出力のゼロクロスを容易に実現することもできる。ゼロクロスとは、出力を開始及び終了する際、必ず0Vとする機能であって、いきなり強い出力が患者に印加されるのを防いで使用感を高める働きをするものであり、高い出力を出す本器のようなものには必要不可欠の機能である。
原型となる正弦波は、CPU16から出力されるディジタル出力をD/Aコンバータ部21のD/Aコンバータに通すことによって、例えば、1サイクル10段階の階段状正弦波として生成される。D/Aコンバータとして、専用のICを使用してもよいし、図4に示すようなラダー状に組んだ抵抗器6を使用してもよい。ディジタル出力とすることによって、どのようなタイミングで、また、どのような大きさの(例えばラダー状抵抗器6を使用する場合にはラダー状抵抗器のどの段の抵抗を用いて)信号を発生させるかを指示することによって、原型となる階段状正弦波を、所望のタイミング、つまり、周波数で、所望の大きさ、つまり、振幅で、容易に発生させることができる。勿論、専用のICを使用すれば、更に容易に階段状正弦波を生成することが可能であるが、ICに代えてこのようなラダー状抵抗器6を用いることにより、機器をより安価に実現することもできる。このように、原型となる正弦波を、CPU制御によるソフトウェアとD/Aコンバータとを利用して、当初から正弦波に近似する階段状に生成することにより、歪みの少ない正弦波を得るとともに低コスト化、汎用性、応用性を高めることができる。また、本構成によれば、例えば、ラダー状抵抗器6に対して送信する信号のタイミングとどの段の抵抗を使用するかを指示するだけで、つまり、1つのラダー状抵抗器6だけを用いて、様々な周波数、振幅の正弦波を生成することができるから、従来のように、フィルター回路(図1のRCフィルター4)を周波数毎に設ける必要がなく、したがって、部品点数の削減とコストダウンを図ることができる。更に、あらかじめ階段状とされた正弦波を波形整形部24(フィルタ)に通すことから、波形の歪みも少なくできる。更にまた、ソフトウェアが関与しているため、出力のゼロクロスを容易に実現することもできる。ゼロクロスとは、出力を開始及び終了する際、必ず0Vとする機能であって、いきなり強い出力が患者に印加されるのを防いで使用感を高める働きをするものであり、高い出力を出す本器のようなものには必要不可欠の機能である。
必要に応じて、この階段状の正弦波に振幅変調をかけることができる。振幅変調をかけるため、CPU16等に備え付けることができるマイコンのPWM(パルス幅変調)機能や図5に示すような振幅変調回路40を利用することができる。これらはいずれも図3の変調率調整部22に含まれるものであり、また、いずれも振幅変調波に対応したパルス幅変調波を生成してこれを階段状の正弦波と掛け合わせる働きをするものである。
PWM機能を利用する場合、D/Aコンバータによって発生された階段状の正弦波に対してトランジスタでスイッチングを行ってPWM変調をかける。例えば、マイコンのオープンドレインポートを使用し、可変ゲインアンプを形成して階段状正弦波の振幅を調整する。即ち、前段から入力された階段状正弦波を分圧抵抗により振幅を最小レベルまで下げ、次段のオペアンプ及び抵抗により非反転増幅回路を形成する。非反転増幅回路は、抵抗で接続されたオープンドレインポートの出力設定によりGND接続若しくはオープン状態に切り替え、ゲインを変更するのである。このPWM機能では、PWM端子が高(H)/低(L)それぞれに対して、100%変調のときには正弦波を0%〜100%、50%変調のときには正弦波を50%〜100%に切り替えることにより、2種類の変調度を実現できる。
振幅変調を行うために図5に示すような振幅変調回路40を利用することもできる。この振幅変調回路40(図5の(a)参照)は、主として、トランジスタT1、T2と抵抗R1、R2から成る。トランジスタを2つ設けたのは、振幅変調の変調率(深度)を2種類とするためである。抵抗R1に接続されたトランジスタT1は100%の深度に、一方、抵抗R1と抵抗R2の双方に接続されたトランジスタT2は50%の深度に、それぞれ使用できる。尚、ここでいう「深度」とは、振幅変調をかける以前の振幅に対する変調の度合いのことである。この振幅変調回路40において、ソフトウェアとD/Aコンバータ部21によって生成された、例えば、数kHzの階段状正弦波(図5の(b))を、抵抗R1やR2を介してトランジスタT1やT2のコレクタに付与し、且つ、振幅変調波に対応してパルス幅を変調させた、例えば、数Hz〜数100Hzのパルス幅変調信号(図5の(c))を、トランジスタT1やT2のベースに付与することにより、振幅変調されたパルス信号(図5の(d))を出力することができる。尚、パルス幅変調の周波数は、階段状正弦波を構成する一段より十分に(例えば、数倍)高い周波数の方が好ましい。
この構成によれば、パルス幅変調波の周波数を容易に変更することができ、また、ここでは階段状正弦波形に振幅変調をかけることとしているから正弦波を直接用いる必要がないため、搬送波と振幅変調波のそれぞれの階段状正弦波にPWM変調をかけた波形に対し、1度だけフィルターをかければ良い。このため、部品点数の削減とコスト低減を図ることができる。また、振幅変調の深度について、100%、50%等の切り替えを必要とする場合であっても、ソフトウェアを用いて、或いは、トランジスタ等により、分圧抵抗を変えることによって、容易に対応可能である。振幅変調をかけた、或いは、振幅変調をかけていない正弦波は、その後、出力電圧の調整を行うために、CPUによって増幅度を制御できるアンプ(出力電圧調整部23)、更に、次段のフィルタ(波形整形部24)に直列的に伝達され、より滑らかな正弦波とされる。
正弦波信号を電力増幅して、負荷(人体)を充分にドライブ可能なものとするため、正出力駆動波形整形部25及び負出力駆動波形整形部26に設けた出力ドライブ回路を利用する。図6に、出力ドライブ回路50の一例を示す。この出力ドライブ回路は、正出力駆動波形整形部25及び負出力駆動波形整形部26のそれぞれに1つずつ設けられているが、図面簡略化のため、図6には、正出力駆動波形整形部25に設けた出力ドライブ50のみを詳細に示し、負出力駆動波形整形部26のそれについては簡略化して示している。尚、これら正出力駆動波形整形部25と負出力駆動波形整形部26には、それぞれ、波形整形部24から互いに位相を反転させた状態で逆位相の信号が入力される。これにより、等価的に倍電圧を出力電圧昇圧部27(トランス)に印加することができる。尚、理解を容易にするため、図6には、出力ドライブ回路50の周辺部材である出力電圧昇圧部27や出力部29の部材も含めて示してある。この本発明の出力ドライブ回路50は、低損失、低発熱を目的とした自励発振型のドライブ回路である。以下の説明から明らかになるように、この自励発振型のドライブ回路は、トランジスタの特性、即ち、能動領域での使用を避け、カットON・カットOFFの領域で使用することで消費電力Wを小さくできる、という特性を利用して、消費電力(発熱)を抑制するものである。このような回路を使用することにより、出力段の電流増幅用トランジスタの発熱を抑えることができる。尚、この方式によって、電力損失を33%向上させることができた。
出力ドライブ回路50は、コンパレータOP1と、2つのスイッチング回路SW1、SW2、更に、チョークコイルLと平滑コンデンサC1を主要部品として含む。各スイッチング回路SW1、SW2には、それぞれ、スイッチングFET1、FET2、ダイオードD1、D2、平滑コンデンサC3、C4、抵抗R3、R4等が含まれる。また、コンパレータOP1とスイッチングFET1、FET2の間のインバータ、ダイオードD1、D2、平滑コンデンサC3、C4、抵抗R3、R4等は、高側と低側のFETが同時にONして過電流が流れることを防ぐための回路(デッドタイムコントロール回路)としても機能する。
電力を増幅するにあたり、先ず、コンパレータOP1が、外部からの基準電圧と自回路の出力電圧を比較して、スイッチングFET1、2のON/OFFを決定する。基準電圧より出力電圧が低い場合は、電源側のFET1をONし、コイルLに電流を流し込む。コイルLを通し、コンデンサC1に電流が流れ込むとコンデンサC1の電圧(出力電圧)が上昇し、コンデンサC1の電圧が外部からの基準電圧を超えると今度は、GND側のFET2をONし、コイルLから電流を吸い出す。コイルLを通し、コンデンサC1から電流が抜かれるとコンデンサC1の電圧が低下する。これを何度となく繰り返すことにより、外部からの基準電圧に出力を追従させる。自励発振の周波数を基準電圧(正弦波)の周波数より充分高めることで追従が可能となる。また、本発明にあっては、これらのFET1、2を駆動するのにコンパレータOP1で作成したパルス波を用いている為、FETをカットONあるいはカットOFFの領域で使用することができ、従来例のようにアナログ波を直接FETに印加する方式のように能動領域での駆動を行っていない為、FETでの電力損失を格段に下げられるという特徴がある。こうして増幅された正弦波は、その後、出力電圧昇圧部27の出力トランスの一次側A1に伝達され、更に、その二次側A2へ伝達されることによって増幅された後、出力部29から人体(例えば、抵抗500Ωの物体と考えることができる)へ出力される。
以上の基本構成に加えて、本回路には、パッドオープン検出機能、即ち、パッドが患者の皮膚から剥がされたことを検出する機能と、パッドショート検出機能、即ち、パッド同士が張り付く等して過電流が流れていることを検出する機能が付加されている。パッドオープン検出機能を実行するため、出力トランスの二次側A2にオープン検出部28を設け、更に、パッドショート機能を実現するため、出力トランスの一次側A1にショート検出部30をそれぞれ設けている。図7に、これらの機能を実現するためのパッドオープン検出回路60とパッドショート検出回路70の回路図を示す。この図7の回路は、図3中の四角42で囲った部分に相当し得るものである。ただし、理解を容易にするため、図7には、パッドオープン検出回路60やパッドショート検出回路70の周辺部材である出力電圧昇圧部27や出力部29も含めて示してある。
パッドオープンを検出するに際し、本発明では、出力の微弱な変化を高いS/N比で捉えるために、出力トランスの二次側A2の電流を直接検出することとした。一次側A1でなく二次側A2からの電流を検出することとしたのは、一次側A1における電流変化は安定しておらず、また、パッドオープンがなされても比較的小さな変化しか得られないからである。二次側A2からの電流は抵抗R5によって検出される。検出された電流は、アンプOP2で増幅され、コンデンサC2を介して直流とされた後、フォトカプラ31を介して一次側のCPU16に電気的に絶縁された状態で光接続される、つまり、絶縁された状態で情報のみが一次側に伝達される。その後、一次側に設けたCPU16、更に言えば、マイコンのA/Dコンバータで電圧の大きさが測定され、パッドオープン状態が判定される。パッドオープン状態と判定した場合は、必要に応じて、正弦波の出力を停止させる。フォトカプラ31を通じて一次側A1のCPU16に伝達される電流電圧は、例えば、パッドが身体に貼り付けられた状態にあるときは約1.5Vであり、パッドオープンの状態にあるときは約0.5Vである。したがって、この電圧の大きさを監視することによって、パッドオープンを検出することができる。また、このような構成により、出力波形に歪みを与えることなく身体にパッドが貼られているかを確認することができ、はがれているときには、出力を停止させて、危険を回避できる。尚、アンプOP2を動作させるために必要な電源は、二次側の出力電圧を半波整流することによって得ることができる。例えば、二次側スイッチング回路のGNDとは反対側32に流れる電流を整流・平滑した後に、アンプOP2に与えてもよい。
一方、パッドショート検出は、パッドショート検出回路70によって出力トランスの一次側のスイッチング回路に流れる過電流を検出することにより行う。回路に過電流が流れたときは、電流溶断型ヒューズ(図示せず)により電源の供給を遮断し、これによって、機器の異常発熱や故障を未然に防ぐこともできる。このヒューズは、電源(乾電池、ACアダプター)が逆接続された場合に、ダイオードによって短絡電流が流れて溶断されるようになっており、これによって、回路へのダメージを防ぐ働きも有する。パッド検出を行うため、一次側スイッチング回路のGND側33に、例えば、0.1Ωの抵抗R6が接続される。この抵抗R6の両端電圧をオペアンプOP3で増幅した後、CPU16のA/Dコンバータ(図示せず)で監視する。例えば、3.0V以上の電圧が検出された場合に、A/Dコンバータは、パッドショート状態と判定する。尚、このA/Dコンバータは、先のパッドオープン検出のためにも使用することができる。つまり、一次側及び二次側における電流変化を全て1つのCPU16のA/Dコンバータで監視し、例えば、1V以下ならパッドオープン、3.0V以上ならパッドショートと判定することもできる。従って、本構成によれば、パッドショート検出とパッドオープン検出の双方を実行するに際し、CPUのA/Dポートを節約することにより、CPUの選択の自由度が増すとともに設計の自由度があがることから、コストダウンを図ることができる。
最後に、上の回路で使用することができる電源の一例を簡単に説明する。本回路で使用した正弦波発生回路の制御回路電源電圧(VCC)は、例えば、約5V電圧であって、昇圧電圧(VD)を3端子レギュレータにて安定化して生成している。この昇圧電圧(VD)は、例えば、約6〜8Vの電圧であって、入力電源電圧(VB)をDC−DCコンバータにて昇圧して生成されるものである。出力回路電源電圧(VO)は、大電流を流す性質上、昇圧等は行われず、電源からのエネルギーをストレートに有効に伝えられる方式としている。この電圧は、例えば、約3.6〜6Vである。入力電源電圧(VB)には、電池若しくはACアダプターがヒューズを介して接続される。尚、干渉波のような出力が強力なものにおいては、電源のON・OFF時に異常な出力(刺激)を出さないためにも仮想グランドが必要である。仮想グランドの電圧(VG)は、例えば、約1V電圧とすることができ、信号処理回路における仮想的なグランド位置としてVCC電圧を分圧して生成するものとする。
様々な干渉波装置に応用することができる。
Claims (10)
- ソフトウェアによって出力されたディジタル出力をD/Aコンバータに通すことによって予め生成した階段状の正弦波を利用して所望の正弦波信号を発生することを特徴とする正弦波発生回路。
- 前記D/Aコンバータは専用のIC若しくはラダー状抵抗器である請求項1記載の回路。
- 振幅変調波に対応したパルス幅変調波を生成して前記階段状の正弦波と掛け合わせることにより振幅変調をかける請求項1又は2記載の回路。
- 前記階段状の正弦波信号を自励発振型のドライブ回路を用いて電流増幅する請求項1乃至3のいずれかに記載の回路。
- 前記正弦波信号を発生する発生側と前記正弦波信号を出力する出力側の間にトランスを設け、該トランスの一次側と二次側で前記発生側と前記出力側を電気的に絶縁する請求項1乃至4のいずれかに記載の回路。
- 前記トランスの一次側における電流変化を検出する検出部を備えた請求項5記載の回路。
- 前記トランスの二次側における電流変化を検出する他の検出部を備えた請求項5記載の回路。
- 前記検出部と前記発生側の間をフォトカプラで接続することによって前記発生側と前記出力側を電気的に絶縁した状態で前記二次側における電流変化を前記発生側に伝える請求項5乃至7のいずれかに記載の回路。
- 前記トランスの一次側における電流変化を検出する検出部と、前記トランスの二次側における電流変化を検出する他の検出部とを備え、前記検出部と前記他の検出部からの電流変化を前記発生側に設けた同じ判定部で判定する請求項1乃至8のいずれかに記載の回路。
- 請求項1乃至8のいずれかの正弦波発生回路を用いた干渉波装置。
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-
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