JP2006173507A - バイポーラトランジスタとバイポーラトランジスタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来のHBTの製造時に、外因性ベース上へのコンタクトホール形成の際の突き抜けを防ぎ、コンタクトホール形成の歩留まりを向上することを目的とする。
【解決手段】 エピタキシャル成長ベース層を有するバイポーラトランジスタであって、外因性ベース層を、化学的に極めて安定なシリコンカーバイド層を含む積層構造とすることにより、ドライエッチングによるコンタクトホール形成時にシリサイドの不完全な部分があったとしても、シリコンカーバイド層によってエッチングの突き抜けを防ぐことができるために、コンタクトホール形成の歩留まりを向上することが可能となる。
【選択図】 図13
【解決手段】 エピタキシャル成長ベース層を有するバイポーラトランジスタであって、外因性ベース層を、化学的に極めて安定なシリコンカーバイド層を含む積層構造とすることにより、ドライエッチングによるコンタクトホール形成時にシリサイドの不完全な部分があったとしても、シリコンカーバイド層によってエッチングの突き抜けを防ぐことができるために、コンタクトホール形成の歩留まりを向上することが可能となる。
【選択図】 図13
Description
本発明は、高速動作を必要とする通信用デバイスなどに利用されるバイポーラトランジスタとバイポーラトランジスタの製造方法に関する。
ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(以下、HBTと称す)は、優れた高速動作・高電流駆動能力を持つことから、高速・高集積を必要とする移動体通信等の通信用デバイスとして利用されている。
特に近年、バイポーラトランジスタにSi/SiGe、Si/SiGeC等のヘテロ接合構造を用いて100GHz以上の遮断周波数を持つヘテロ接合バイポーラトランジスタが実現されている。
従来のHBTでは、真性ベース部分はエピタキシャルSiGeからなり、外因性ベース部分は実質的に多結晶材料(多結晶SiGe、多結晶Si)からなる。そして、多結晶材料の上には、自己整合プロセスによって、ベースコンタクト層となるチタニウムシリサイドが形成されており、このベースコンタクト層上にベース電極がコンタクトホールを通じて形成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−186172号公報
しかしながら、最近のHBTにおいては、さらなる高周波特性向上が望まれ、また、HBT素子の微細化が要求されている。これら要求を満たすためには、従来のHBT構造において、HBTを構成する各層を薄膜化して行く必要があり、また、横方向の寸法も微細化される。さらに、HBT構造の薄膜化、微細化に伴い、ベースコンタクト層となるシリサイドを作製する際の加熱処理温度のマージンが小さくなり、シリサイドの作製が困難になる。そのため、HBTを作り込むウェハの面内にはシリサイドの不完全な領域が生じることがあった。
このように、HBT構造の薄膜化と同時に外因性ベース層の膜厚は減少し、外因性ベース層上のシリサイドに不完全部分がある場合、シリサイド上のコンタクトホール形成のドライエッチングにおいて、シリサイドの不完全部分をコンタクトホールが突き抜ける可能性があり、このコンタクトホールの突き抜けにより、HBTが正常に動作しないという問題点があった。
したがって、従来のHBT構造では高周波特性向上、微細化が進むにつれて、外因性ベース上へのコンタクトホール形成の歩留まりが減少しているが、今後は、高周波特性向上、微細化を進めるに従い、コンタクトホール形成の歩留まりを向上する必要が生じる。
本発明のバイポーラトランジスタとバイポーラトランジスタの製造方法は、前記問題点を解決するもので、外因性ベース上へのコンタクトホール形成の際の突き抜けを防ぎ、コンタクトホール形成の歩留まりを向上することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載のバイポーラトランジスタは、エピタキシャル成長ベース層を有するバイポーラトランジスタであって、前記エピタキシャル成長ベース層は分離層に囲まれたコレクタ層の上に配置された真性ベース層と前記分離層の上に配置された外因性ベース層とからなり、前記真性ベース層の上に形成された開口部を有する絶縁膜と、前記絶縁膜の上に形成されたエミッタポリシリコン層と、前記開口部に位置する前記真性ベース層上に形成されたエミッタ層とを備え、前記外因性ベース層はポリシリコン,ポリシリコンカーバイドおよびポリシリコンゲルマニウムとを積層した構造であることを特徴とする。
請求項2記載のバイポーラトランジスタは、エピタキシャル成長ベース層を有するバイポーラトランジスタであって、前記エピタキシャル成長ベース層は分離層に囲まれたコレクタ層の上に配置された真性ベース層と前記分離層の上に配置された外因性ベース層とからなり、前記真性ベース層の上に形成された開口部を有する絶縁膜と、前記絶縁膜の上に形成されたエミッタポリシリコン層と、前記開口部に位置する前記真性ベース層上に形成されたエミッタ層とを備え、前記外因性ベース層のポリシリコンゲルマニウムの少なくとも一部をシリコンゲルマニウムカーボンとすることを特徴とする。
請求項3記載のバイポーラトランジスタの製造方法は、エミッタ領域、コレクタ領域、外因性ベース領域および真性ベース領域を備えたバイポーラトランジスタの製造方法であって、分離層に囲まれた第1導電型のコレクタ領域を半導体基板に設ける工程と、前記コレクタ領域上に第2導電型のシリコンゲルマニウム層、シリコンカーバイド層およびシリコン層を含む真性ベース領域の結晶半導体領域をエピタキシャル成長によって形成する工程と、前記結晶半導体領域に隣接するように前記分離層上にポリシリコンゲルマニウム、ポリシリコンカーバイドおよびポリシリコンを含む外因性ベース領域の多結晶半導体層を前記結晶半導体領域形成と同時に前記エピタキシャル成長によって形成する工程と、前記結晶半導体領域の上に開口部を有する絶縁膜を形成する工程と、前記開口部と前記絶縁膜の上に第1導電型のポリシリコン層を選択的に形成する工程とを備え、前記外因性ベース層を前記真性ベース層と同時にエピタキシャル成長によって形成することを特徴とする。
請求項4記載のバイポーラトランジスタの製造方法は、請求項3記載のバイポーラトランジスタの製造方法において、前記第2導電型シリコンゲルマニウム層を第2導電型シリコンゲルマニウムカーボン層とし、前記ポリシリコンゲルマニウムをポリシリコンゲルマニウムカーボンとすることを特徴とする。
請求項5記載のバイポーラトランジスタの製造方法は、エミッタ領域、コレクタ領域、外因性ベース領域および真性ベース領域を備えたバイポーラトランジスタの製造方法であって、分離層に囲まれた第1導電型のコレクタ領域を半導体基板に設ける工程と、前記コレクタ領域上に第2導電型のシリコンゲルマニウム層およびシリコン層を含む真性ベース領域の結晶半導体領域を形成する工程と、前記結晶半導体領域に隣接するように前記分離層上にポリシリコンゲルマニウムおよびポリシリコンを含む外因性ベース領域となる多結晶半導体層を形成する工程と、前記結晶半導体領域の上に開口部を有する絶縁膜を形成する工程と、前記開口部と前記絶縁膜の上に第1導電型のポリシリコン層を選択的に形成する工程と、前記ポリシリコン層をマスクにして前記多結晶半導体層にカーボンを注入する工程とを備え、前記外因性ベース領域のポリシリコンカーバイド層をカーボン注入により形成することを特徴とする。
請求項6記載のバイポーラトランジスタの製造方法は、請求項5に記載のバイポーラトランジスタの製造方法において、前記第2導電型シリコンゲルマニウム層が第2導電型シリコンゲルマニウムカーボンであることを特徴とする。
以上のように、層間酸化膜のドライエッチングに対して化学的に極めて安定なシリコンカーバイド層が外因性ベース層中に挿入されるため、このシリコンカーバイド層によってコンタクトホール形成時の外因性ベース層突き抜けを防ぐことが可能となり、コンタクトホール形成の歩留まりを向上することが可能となる。
本発明によれば、HBTの外因性ベース層を、化学的に極めて安定なシリコンカーバイド層を含む積層構造とすることにより、ドライエッチングによるコンタクトホール形成時にシリサイドの不完全な部分があったとしても、シリコンカーバイド層によってエッチングの突き抜けを防ぐことができるために、コンタクトホール形成の歩留まりを向上することが可能となる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるバイポーラトランジスタの構造断面図である。また、図2は本発明の実施の形態1におけるバイポーラトランジスタのサブコレクタ形成工程を示す工程断面図、図3は本発明の実施の形態1におけるバイポーラトランジスタのトレンチ形成工程を示す工程断面図、図4は本発明の実施の形態1におけるバイポーラトランジスタのコレクタ引き出し層形成工程を示す工程断面図、図5は本発明の実施の形態1におけるバイポーラトランジスタの酸化膜・ポリシリコン膜形成工程を示す工程断面図、図6は本発明の実施の形態1におけるバイポーラトランジスタの酸化膜・ポリシリコン膜への開口形成工程を示す工程断面図、図7は本発明の実施の形態1におけるバイポーラトランジスタのシリコン化合物層形成工程を示す工程断面図、図8は本発明の実施の形態1におけるバイポーラトランジスタのエミッタ開口形成工程を示す工程断面図、図9は本発明の実施の形態1におけるバイポーラトランジスタのエミッタポリシリコン電極形成工程を示す工程断面図、図10は本発明の実施の形態1におけるバイポーラトランジスタの外因性ベース電極形成工程を示す工程断面図、図11は本発明の実施の形態1におけるバイポーラトランジスタのTiシリサイド層形成工程を示す工程断面図、図12は本発明の実施の形態1におけるバイポーラトランジスタの配線層形成工程を示す工程断面図、図13は本発明の実施の形態1におけるバイポーラトランジスタのSi/SiC/SiGe層およびポリSi/ポリSiC/ポリSiGe膜を示す要部拡大図である。図1〜13において、同じ構成要素については同じ符号を用いている。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるバイポーラトランジスタの構造断面図である。また、図2は本発明の実施の形態1におけるバイポーラトランジスタのサブコレクタ形成工程を示す工程断面図、図3は本発明の実施の形態1におけるバイポーラトランジスタのトレンチ形成工程を示す工程断面図、図4は本発明の実施の形態1におけるバイポーラトランジスタのコレクタ引き出し層形成工程を示す工程断面図、図5は本発明の実施の形態1におけるバイポーラトランジスタの酸化膜・ポリシリコン膜形成工程を示す工程断面図、図6は本発明の実施の形態1におけるバイポーラトランジスタの酸化膜・ポリシリコン膜への開口形成工程を示す工程断面図、図7は本発明の実施の形態1におけるバイポーラトランジスタのシリコン化合物層形成工程を示す工程断面図、図8は本発明の実施の形態1におけるバイポーラトランジスタのエミッタ開口形成工程を示す工程断面図、図9は本発明の実施の形態1におけるバイポーラトランジスタのエミッタポリシリコン電極形成工程を示す工程断面図、図10は本発明の実施の形態1におけるバイポーラトランジスタの外因性ベース電極形成工程を示す工程断面図、図11は本発明の実施の形態1におけるバイポーラトランジスタのTiシリサイド層形成工程を示す工程断面図、図12は本発明の実施の形態1におけるバイポーラトランジスタの配線層形成工程を示す工程断面図、図13は本発明の実施の形態1におけるバイポーラトランジスタのSi/SiC/SiGe層およびポリSi/ポリSiC/ポリSiGe膜を示す要部拡大図である。図1〜13において、同じ構成要素については同じ符号を用いている。
まず、図2に示すように、(001)面を主面とするp型Si基板1の上部の表面に、フォトリソグラフィーを用いてn型のサブコレクタを形成する領域を開口したレジストを形成し、このレジストをマスクとしてヒ素(As)イオンを注入し、HBT形成領域に深さ約1μmのn型のサブコレクタ2を形成する。続いて、p型Si基板1の上部にN型不純物をドープしながらSi単結晶層3をエピタキシャル成長させる。
次に、図3に示すように、素子分離としてシリコン酸化膜が埋め込まれたシャロートレンチ分離層4と、アンドープポリシリコン膜6およびこれを取り囲むシリコン酸化膜7により構成されるディープトレンチ分離層5とを形成する。シャロートレンチ分離層4の深さは約0.3μm、ディープトレンチ分離層5の深さは約2μmである。
次に、n+型コレクタ引き出し層形成領域を開口したレジストをマスクとして、リン(P)イオンを約60keV、3×1015atoms/cm2で注入した後、酸素プラズマアッシングを用いてレジストを除去する。続いて、温度が850℃程度で30分程度の熱処理を行って、さらに、ヒ素(As)を約50keV、3×1015atoms/cm2で注入、温度が約1000℃、時間10〜15秒程度の熱処理をして、n+型コレクタ引き出し層8を形成する。以上により、図4のような構造を形成する。
次に、図5に示すように、約50nmの酸化膜28を減圧CVD法で堆積させ、続いて約100nmのポリシリコン膜29を減圧CVD法で堆積させる。
次に、図6に示すように、フォトリソグラフィーを用いてHBT形成領域としてシャロートレンチで囲まれたコレクタ層となる領域からシャローレンチを開口したレジストをマスクとして前記ポリシリコン膜29をエッチングした後、酸素プラズマアッシングを用いてレジストを除去し、続いて前記ポリシリコン膜29をエッチングした領域で露出している前記酸化膜28をフッ酸により除去する。
次に、図6に示すように、フォトリソグラフィーを用いてHBT形成領域としてシャロートレンチで囲まれたコレクタ層となる領域からシャローレンチを開口したレジストをマスクとして前記ポリシリコン膜29をエッチングした後、酸素プラズマアッシングを用いてレジストを除去し、続いて前記ポリシリコン膜29をエッチングした領域で露出している前記酸化膜28をフッ酸により除去する。
次に、図7に示すように、UHV−CVD法により約100nmのSi/SiC/SiGe層30aおよびポリSi/ポリSiC/ポリSiGe膜30bを同時に形成する。この時、SiGe層には膜成長中にホウ素(B)が導入されてp型になっている。なお、Si/SiC/SiGe層30a、ポリSi/ポリSiC/ポリSiGe膜30bの詳細は、図13に示すように、シャロートレンチ分離層4で囲まれたコレクタ層となる領域上にはSi層、SiGe層、SiC層、Si層が順次エピタキシャル成長した結晶の積層構造となっており、また、シャロートレンチ分離4上には、ポリSi、ポリSiGe、ポリSiC、ポリSiの膜が順次積層した構造となっている。
次に、図8に示すように、膜厚約30nmの酸化膜31および、膜厚が約50nmでリンを約3×1020atoms/cm3含むポリシリコン膜32を連続して減圧CVD法により堆積した後、フォトリソグラフィーを用いて形成したレジストパターンをマスクにして、前記ポリシリコン膜32を臭化水素ガス・塩素ガスを用いたドライエッチングすることで、Si/SiC/SiGe層30aの中央部の上方に位置する領域に前記ポリシリコン膜32の開口部を形成し、続いて、レジストパターンを除去してから、前記開口部直下の酸化膜31をウエットエッチングしてエミッタ開口部Aする。
次に、膜厚が300nm程度でリン濃度が1〜5×1020atoms/cm3程度のn+型ポリシリコンを減圧CVD法により堆積し、続いて、フォトリソグラフィーにより図9に示すエミッタポリシリコン電極33を規定する領域に形成したレジストパターンをマスクにして前記n+型ポリシリコン膜を異方性エッチングして、図9に示すような、エミッタポリシリコン電極33を形成する。この異方性エッチングでエミッタポリシリコン電極33を形成する際に、図8で示された開口部Aが露出しないように、また、エミッタポリシリコン電極33がポリSi/ポリSiC/ポリSiGe膜30bと重ならないようにエミッタポリシリコン電極33の領域を規定する前記レジストパターンは規定される。
次に、前記ポリシリコン膜の異方性エッチングに続いて、レジストパターンが残った状態で、エミッタポリシリコン電極33をマスクとして前記酸化膜31をウエットエッチングする。その後、ホウ素を約7°の角度で90°ずつ4回に分けて注入することにより、エミッタ電極下部にもホウ素の注入を行う。注入角度および注入エネルギー、ドーズ量についてはデバイスの寸法に依存するために最適な角度および注入エネルギー、ドーズ量を採用する必要があり、注入角度、注入エネルギーは限定されるものではない。その後に酸素プラズマアッシングを用いてレジストを除去する。
次に、図10に示すように、フォトリソグラフィーにより図10に示す領域Bを覆うレジストパターンをマスクにして前記ポリSi/ポリSiC/ポリSiGe膜30bをエッチングして、HBTの外因性ベース電極34を形成する。
次に、図11に示すように、厚さが約30〜100nm程度の酸化膜を減圧CVD法により堆積した後、温度が900℃程度、時間が10〜15秒程度の熱処理をして前記エミッタポリシリコン電極33からエミッタ層35をベース中に拡散させる。続いて、前記酸化膜を異方性エッチングしHBTのエミッタポリシリコン電極の側壁にサイドウォール36を形成する。この時、HBTのエミッタポリシリコン電極33表面、外因性ベース電極34表面、n+型コレクタ引き出し層8表面は、シリコン表面が露出している状態である。次に、Tiをスパッタリングし、アニールをした後に、Ti未反応層を除去し、続いてアニールを実施することにより、HBTのエミッタポリシリコン電極33表面、外因性ベース電極34表面、n+型コレクタ引き出し層8表面にTiシリサイド層37を形成する。
これ以降は標準的な多層配線工程プロセスで作製して行く。図12に示すように、層間絶縁膜38を堆積した後に、前記層間絶縁膜38を貫通してHBTのエミッタポリシリコン電極33、外因性ベース電極34、n+型コレクタ引き出し層8上の各前記Tiシリサイド層37に到達する接続孔を形成する。
最後に、各接続孔内にW膜を埋め込んでWプラグ39を形成した後に、アルミニウム合金膜をスパッタリングし、所定の領域を開口したレジストをマスクにしてパターニングし、各Wプラグ39に接続され、層間酸化膜38の上に延びる金属配線40を形成しHBTデバイスが形成される。
以上のように、外因性ベース層にSiC層が挿入されている場合、酸化膜への接続孔形成のドライエッチング工程で接続孔はSiCを突き抜けることはない。これは以下の理由によるものである。
酸化膜への接続孔形成工程には、通常、CF4のほか、CHF3、C4F8、CH2F2などのフロロカーボンガスにH2を混合したガスを用いたドライエッチングが使用されている。このガス系によるドライエッチングでは、Siやシリサイドに対し高選択比のエッチングが可能である。酸化膜表面では、O原子が、エッチング過程で形成されるCFやCF2のラジカルと反応し、エッチングが進行する。さらに、最近の研究により、ドライエッチング過程でSi表層にSiCが形成されることがCFx重合膜形成の引き金となり、このCFx重合膜がエッチング速度を大幅に低下させることがわかってきた。すなわち、上記ガス系のドライエッチングでは、SiC上にはCFxの重合膜が形成され易く、SiCのエッチング速度は極めて小さくなる。結合エネルギー4.5eV、融点2830℃のSiCは、融点1540℃のTiSi2に比べて安定であり、SiCのドライエッチング耐性を大きくしている。
したがって、外因性ベース層のシリサイド下にSiCが存在することで、外因性ベース層上のシリサイドに不完全部分があるとしても、接続孔がSiCを突き抜けることはない。
また、SiC層は、CFx重合膜形成のきっかけとなれば良いので、基本的には、原子層オーダーで存在すれば良く、発明者らの実験では、SiCの膜厚は3nmあれば十分である。この膜厚の場合、電子はSiCによるエネルギー障壁を透過することが可能であり、HBTのデバイス特性に大きな影響を与えない。
また、Si/SiC/SiGe層30a、ポリSi/ポリSiC/ポリSiGe膜30bに形成される膜としてSi/SiC/SiGe層およびポリSi/ポリSiC/ポリSiGe膜用いたが、SiGe層、ポリSiGe層は、SiGeC層、ポリSiGeC層としてもよい。
さらに、ポリSiC層の挿入位置は、ポリSi層の直下に限定されるものではない。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について図14を用いて説明する。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について図14を用いて説明する。
図14は本発明の実施の形態2におけるバイポーラトランジスタの要部構造断面図である。
実施の形態1におけるSi/SiC/SiGe層30a、ポリSi/ポリSiC/ポリSiGe膜30bに変わりSi/SiGe層およびポリSi/ポリSiGe膜を用いて、実施の形態1と同様に、実施の形態2のHBTを、図2から図9のように、まず、製造する。
実施の形態1におけるSi/SiC/SiGe層30a、ポリSi/ポリSiC/ポリSiGe膜30bに変わりSi/SiGe層およびポリSi/ポリSiGe膜を用いて、実施の形態1と同様に、実施の形態2のHBTを、図2から図9のように、まず、製造する。
次に、実施の形態2では、エミッタポリシリコン電極33形成してホウ素を注入した後、カーボンを注入する。このとき、カーボンの注入エネルギーを調整することで、図14に示すように、外因性ベース層内の上層側のポリSi下にSiC層領域を形成する。実施の形態2では、カーボン注入時にエミッタポリシリコン電極33がマスクとなるので、実施の形態1のように真性ベース層内へのSiC形成はなく、外因性ベース層のみにポリSiCが形成される。
その後の形成工程は、実施の形態1と同様である。
以上のような方法により、外因性ベース層にSiC層が挿入され、実施の形態1と同様に接続孔の突き抜けを防止する。
以上のような方法により、外因性ベース層にSiC層が挿入され、実施の形態1と同様に接続孔の突き抜けを防止する。
SiGe層をSiGeC層としてもよいことは、実施の形態1と同様である。
本発明は、コンタクトホール形成の歩留まりを向上することができ、高速動作を必要とする通信用デバイスなどに利用されるバイポーラトランジスタとバイポーラトランジスタの製造方法等に有用である。
1 P型Si基板
2 サブコレクタ
3 Si単結晶層
4 シャロートレンチ分離層
5 ディープトレンチ分離層
6 アンドープポリシリコン膜
7 シリコン酸化膜
8 N+型コレクタ引き出し層
28 酸化膜
29 ポリシリコン膜
30a Si/SiC/SiGe層
30b ポリSi/ポリSiC/ポリSiGe膜
31 酸化膜
32 ポリシリコン膜
33 エミッタポリシリコン電極
34 外因性ベース電極
35 エミッタ層
36 サイドウォール
37 Tiシリサイド層
38 層間絶縁膜
39 Wプラグ
40 アルミニウム金属配線
2 サブコレクタ
3 Si単結晶層
4 シャロートレンチ分離層
5 ディープトレンチ分離層
6 アンドープポリシリコン膜
7 シリコン酸化膜
8 N+型コレクタ引き出し層
28 酸化膜
29 ポリシリコン膜
30a Si/SiC/SiGe層
30b ポリSi/ポリSiC/ポリSiGe膜
31 酸化膜
32 ポリシリコン膜
33 エミッタポリシリコン電極
34 外因性ベース電極
35 エミッタ層
36 サイドウォール
37 Tiシリサイド層
38 層間絶縁膜
39 Wプラグ
40 アルミニウム金属配線
Claims (6)
- エピタキシャル成長ベース層を有するバイポーラトランジスタであって、
前記エピタキシャル成長ベース層は分離層に囲まれたコレクタ層の上に配置された真性ベース層と前記分離層の上に配置された外因性ベース層とからなり、
前記真性ベース層の上に形成された開口部を有する絶縁膜と、
前記絶縁膜の上に形成されたエミッタポリシリコン層と、
前記開口部に位置する前記真性ベース層上に形成されたエミッタ層と
を備え、前記外因性ベース層はポリシリコン,ポリシリコンカーバイドおよびポリシリコンゲルマニウムとを積層した構造であることを特徴とするバイポーラトランジスタ。 - エピタキシャル成長ベース層を有するバイポーラトランジスタであって、
前記エピタキシャル成長ベース層は分離層に囲まれたコレクタ層の上に配置された真性ベース層と前記分離層の上に配置された外因性ベース層とからなり、
前記真性ベース層の上に形成された開口部を有する絶縁膜と、
前記絶縁膜の上に形成されたエミッタポリシリコン層と、
前記開口部に位置する前記真性ベース層上に形成されたエミッタ層と
を備え、前記外因性ベース層のポリシリコンゲルマニウムの少なくとも一部をシリコンゲルマニウムカーボンとすることを特徴とするバイポーラトランジスタ。 - エミッタ領域、コレクタ領域、外因性ベース領域および真性ベース領域を備えたバイポーラトランジスタの製造方法であって、
分離層に囲まれた第1導電型のコレクタ領域を半導体基板に設ける工程と、
前記コレクタ領域上に第2導電型のシリコンゲルマニウム層、シリコンカーバイド層およびシリコン層を含む真性ベース領域の結晶半導体領域をエピタキシャル成長によって形成する工程と、
前記結晶半導体領域に隣接するように前記分離層上にポリシリコンゲルマニウム、ポリシリコンカーバイドおよびポリシリコンを含む外因性ベース領域の多結晶半導体層を前記結晶半導体領域形成と同時に前記エピタキシャル成長によって形成する工程と、
前記結晶半導体領域の上に開口部を有する絶縁膜を形成する工程と、
前記開口部と前記絶縁膜の上に第1導電型のポリシリコン層を選択的に形成する工程と
を備え、前記外因性ベース層を前記真性ベース層と同時にエピタキシャル成長によって形成することを特徴とするバイポーラトランジスタの製造方法。 - 前記第2導電型シリコンゲルマニウム層を第2導電型シリコンゲルマニウムカーボン層とし、前記ポリシリコンゲルマニウムをポリシリコンゲルマニウムカーボンとすることを特徴とする請求項3記載のバイポーラトランジスタの製造方法。
- エミッタ領域、コレクタ領域、外因性ベース領域および真性ベース領域を備えたバイポーラトランジスタの製造方法であって、
分離層に囲まれた第1導電型のコレクタ領域を半導体基板に設ける工程と、
前記コレクタ領域上に第2導電型のシリコンゲルマニウム層およびシリコン層を含む真性ベース領域の結晶半導体領域を形成する工程と、
前記結晶半導体領域に隣接するように前記分離層上にポリシリコンゲルマニウムおよびポリシリコンを含む外因性ベース領域となる多結晶半導体層を形成する工程と、
前記結晶半導体領域の上に開口部を有する絶縁膜を形成する工程と、
前記開口部と前記絶縁膜の上に第1導電型のポリシリコン層を選択的に形成する工程と、
前記ポリシリコン層をマスクにして前記多結晶半導体層にカーボンを注入する工程と
を備え、前記外因性ベース領域のポリシリコンカーバイド層をカーボン注入により形成することを特徴とするバイポーラトランジスタの製造方法。 - 前記第2導電型シリコンゲルマニウム層が第2導電型シリコンゲルマニウムカーボンであることを特徴とする請求項5記載のバイポーラトランジスタの製造方法。
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