JP2006172822A - 高分子固体電解質用組成物、高分子固体電解質、開環能をもつ共重合体及び架橋高分子 - Google Patents

高分子固体電解質用組成物、高分子固体電解質、開環能をもつ共重合体及び架橋高分子 Download PDF

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Abstract

【課題】熱的特性、機械的強度及びイオン導電率が優れる高分子固体電解質、並びにこの高分子固体電解質に好適な共重合体の提供。
【解決手段】開環能をもつ環状官能基を開環反応させた構造を有する繰り返し単位及びイオン導電性部位を有する繰り返し単位を含む共重合体で、式(I)で表される繰り返し単位を含む共重合体。
Figure 2006172822

(R〜R、R〜R13は水素原子等を、X、Z、Zは単結合等を、Aは芳香族炭化水素基等を、Yは炭素原子等を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、熱的特性、機械的強度及びイオン導電性に優れる高分子固体電解質、並びにその製造材料となる高分子固体電解質用組成物、並びにこの高分子固体電解質に好適な共重合体及び架橋高分子に関する。
従来、イオン導電性に優れる高分子固体電解質として、ポリアルキレンオキシド鎖をエステル部位にもつアクリル酸エステル誘導体から得られる繰り返し単位を有する共重合体を用いた高分子固体電解質が提案されている。しかしながら、この高分子固体電解質は、熱的特性、機械的強度等の物理的特性、イオン導電性のすべてを満足できるものではなかった。
特許文献1〜4等には、自己架橋性を有するビニル基を含有するブロック−グラフト共重合体を用いた自己架橋型高分子固体電解質が開示されている。そこには、該共重合体に高エネルギー線を照射すると系全体が架橋され、機械的強度の高い高分子固体電解質が得られる旨記載されている。
一方、非特許文献1には、4−ビニルベンゾシクロブテンとスチレンとをリビングラジカル重合させて、共重合体を得る方法が開示されている。また、この文献には、得られた共重合体を加熱することにより共重合体中のシクロブテンが開環してカップリング反応が起こることが記載されている。しかしながら、そこには、得られる共重合体が固体電解質に応用できること等については記載されていない。
特開平9−65285号公報 特開平10−208545号公報 特開平10−223042号公報 特開平11−43523号公報 J.Am.Chem.Soc.,124,8653(2002)
本発明は、熱的特性、機械的強度及びイオン導電性が優れる高分子固体電解質の製造原料となる高分子固体電解質用組成物、高分子固体電解質、並びにこの高分子固体電解質に好適な共重合体及び架橋高分子を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、開環能をもつ環状官能基を有する繰り返し単位及びイオン導電性部位を有する繰り返し単位を含む共重合体と電解質塩とから、高分子固体電解質用組成物を得、このものを加熱して開環能をもつ環状官能基を開環反応することにより、イオン導電性、熱的特性及び機械的強度のすべてに優れる高分子固体電解質を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明の第1によれば、開環能をもつ環状官能基を有する繰り返し単位及びイオン導電性部位を有する繰り返し単位を含む共重合体、並びに電解質塩を含むことを特徴とする高分子固体電解質用組成物が提供される。
本発明の高分子固体電解質用組成物においては、開環能をもつ環状官能基が、シクロアルケンアリール構造又はシクロアルカジエンアリール構造を有する基であるのが好ましく、シクロブテンアリール構造又はシクロブタジエンアリール構造を有する基であるのがより好ましい。
本発明の高分子固体電解質用組成物においては、前記開環能をもつ環状官能基を有する繰り返し単位が、式(I)
Figure 2006172822
(式中、R〜Rは、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を表し、RとRは、結合して環を形成していてもよい。
Zは単結合又は二価以上の連結基を表し、Aは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、Xは単結合又は二重結合を表し、Yは炭素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又は原子上に置換基を有していてもよい窒素原子を表す。
は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、シアノ基、カルボニル基、チオカルボニル基又は置換基を有していてもよいイミノ基を表す。
bは、0、1又は2を表し、bが2の場合、Rは、同一であっても相異なっていてもよい。
dは、1以上で、かつA環上に置換可能な数以下の整数を表し、dが2以上の場合、Y同士、X同士、R同士及びb同士は、それぞれ同一であっても相異なっていてもよい。
aは、(Zの価数−1)の整数を表し、aが2以上の場合、A同士、Y同士、X同士、R同士、b同士及びd同士は、それぞれ同一であっても相異なっていてもよい。
但し、Z上のA環を含む官能基上への結合手の置換位置は、A環上に限定されるものではない。)
で表される繰り返し単位であるのが好ましく、式(II)
Figure 2006172822
(式中、R〜R、X、Y、Z、a、b及びdは、前記と同じ意味を表す。Rは、ハロゲン原子又は有機基を表す。eは0〜3の整数を表し、eが2以上の場合、Rは同一であっても相異なっていてもよい。)
で表される繰り返し単位であるのがより好ましい。
本発明の高分子固体電解質用組成物においては、前記イオン導電性部位が、酸素原子を介して電解質塩と相互作用できる構造を有するのが好ましく、式(III)
Figure 2006172822
(式中、R、Rは、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を表す。)
で表される繰り返し単位を有するのがより好ましい。
本発明の高分子固体電解質用組成物においては、前記イオン導電性部位を有する繰り返し単位が、式(IV)
Figure 2006172822
(式中、R〜R10は、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を表し、RとR10は結合して環を形成していてもよい。
は単結合又は二価以上の連結基を表す。
11、R12は、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を表す。fは2〜100のいずれかの整数を表し、式:CH(R12)CH(R11)Oで表される基は、同一であっても相異なっていてもよい。
13は水素原子、炭化水素基、アシル基又はシリル基を表す。)
で表される繰り返し単位であるのが好ましく、式(IV)中、Zがエステル結合であるのがより好ましい。
本発明の第2によれば、開環能をもつ環状官能基を開環反応させた構造を有する繰り返し単位及びイオン導電性部位を有する繰り返し単位を含む共重合体、並びに電解質塩を含むことを特徴とする高分子固体電解質が提供される。
本発明の高分子固体電解質においては、開環能をもつ環状官能基が、シクロアルケンアリール構造又はシクロアルカジエンアリール構造を有する基であるのが好ましく、シクロブテンアリール構造又はシクロブタジエンアリール構造を有するのがより好ましい。
本発明の高分子固体電解質においては、前記開環能をもつ環状官能基を開環反応させた構造を有する繰り返し単位が、前記式(I)で表される繰り返し単位を開環反応させた構造を有する繰り返し単位であるのが好ましく、前記式(II)で表される繰り返し単位を開環反応させた構造を有する繰り返し単位であるのがより好ましい。
本発明の高分子固体電解質においては、前記イオン導電性部位が、酸素原子を介して電解質塩と相互作用できる構造を有するのが好ましく、前記式(III)で表される繰り返し単位を有するのがより好ましい。
本発明の高分子固体電解質においては、前記イオン導電性部位を有する繰り返し単位が、前記式(IV)で表される繰り返し単位であるのが好ましく、前記式(IV)中、Zがエステル結合であるのものがより好ましい。
本発明の高分子固体電解質は、本発明の高分子固体電解質用組成物を、開環反応して得られたものであるのが好ましい。
本発明の第3によれば、前記式(I)で表される繰り返し単位、及び前記式(IV)
で表される繰り返し単位を含むことを特徴とする共重合体が提供される。
本発明の共重合体においては、前記式(I)で表される繰り返し単位が、前記式(II)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
本発明の共重合体においては、前記式(IV)中、Zが、エステル結合であることが好ましい。
本発明の共重合体においては、前記式(I)で表される繰り返し単位を有するブロック鎖(A)、及び前記式(IV)で表される繰り返し単位を有するブロック鎖(B)を含むことが好ましく、前記ブロック鎖(A)及び前記ブロック鎖(B)が、(B)、(A)、(B)の順で配置されてなるブロック共重合体であることがより好ましく、前記ブロック鎖(A)及び前記ブロック鎖(B)が、(B)−(A)−(B)の順に結合して配列されてなるブロック共重合体であることがさらに好ましい。
本発明の共重合体は、数平均分子量が、5,000〜1,000,000の範囲であるのが好ましい。
本発明の第4によれば、本発明の共重合体をカップリング架橋して得られることを特徴とする架橋高分子が提供される。
本発明の高分子固体電解質用組成物は、電池、キャパシター、センサー、コンデンサー、EC素子、光電変換素子等の電気化学用デバイス材料として好適な、熱的特性、機械的強度、及びイオン導電性に優れた高分子固体電解質の製造原料として有用である。
本発明の共重合体及び架橋高分子を用いることにより、熱的特性、機械的強度及びイオン導電性に優れた高分子固体電解質用組成物、並びに高分子固体電解質を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
1)高分子固体電解質用組成物
本発明の高分子固体電解質用組成物は、開環能をもつ環状官能基を有する繰り返し単位及びイオン導電性部位を有する繰り返し単位を含む共重合体、並びに電解質塩を含むことを特徴とする。
(1)共重合体
本発明に用いる共重合体は、開環能をもつ環状官能基を有する繰り返し単位及びイオン導電性部位を有する繰り返し単位を有する。開環能をもつ環状官能基とは、開環・架橋することができる基である。
開環能をもつ環状官能基としては、シクロアルケンアリール構造又はシクロアルカジエンアリール構造を有する基が好ましく例示される。シクロアルケンアリール構造としては、シクロブテンアリール構造が好ましく、シクロアルカジエンアリール構造としては、シクロブタジエンアリール構造が好ましい。
前記開環能をもつ環状官能基を有する繰り返し単位としては、式(I)
Figure 2006172822
で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(I)」という。)が好ましい。
式中、R〜Rは、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を表し、RとRは、互いに結合して環を形成していてもよい。
炭素数1〜10の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェナシル基等のアラルキル基;等が挙げられる。
Zは単結合又は二価以上の連結基を表す。二価以上の連結基としては、エステル基;メチレン基、エチレン基等のアルキレン基;カルボニル基;スルホニル基;−O−;−NH−;−S−;等が挙げられる。これらの中でも、単結合、又はエステル基、カルボニル基、スルホニル基等の電子吸引基が好ましい。
Aは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
芳香族炭化水素基の具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。芳香族複素環基の具体例としては、ピリジル基、フリル基、チエニル基等が挙げられる。また、芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基の置換基の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等のアルキル基等の有機基等が挙げられる。
Xは単結合又は二重結合を表す。
Yは、炭素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、又は原子上に置換基を有していてもよい窒素原子を表す。原子上に置換基を有していてもよい窒素原子の置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基等が挙げられる。
は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、シアノ基、カルボニル基、チオカルボニル基、又は置換基を有していてもよいイミノ基を表す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
炭素数1〜10の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基;等が挙げられる。
炭素数1〜10のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、フェノキシ基等が挙げられる。
また、置換基を有していてもよいイミノ基の置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基等が挙げられる。
bは、0、1又は2を表し、bが2の場合、Rは同一であっても相異なっていてもよい。
dは、1以上、A環上に置換可能な数以下の整数を表し、dが2以上の場合、Y同士、X同士、R同士及びb同士は、それぞれ同一であっても相異なっていてもよい。
aは、(Zの価数−1)の整数を表し、aが2以上の場合、A同士、Y同士、X同士、R同士、b同士及びd同士は、それぞれ同一でも相異なっていてもよい。ただし、Z上のA環を含む官能基上への結合手の置換位置は、A環上に限定されるものではない。
繰り返し単位(i)としては、具体的には下記式に示す単量体から得られるものを例示することができる。
Figure 2006172822
Figure 2006172822
これらの単量体は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においては、前記繰り返し単位(I)が、式(II)
Figure 2006172822
で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(II)」という。)であるのがより好ましい。
式(II)中、R〜R、X、Y、Z、a、b及びdは、前記と同じ意味を表す。
は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;又は有機基を表す。有機基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;等を例示することができる。
eは、0〜3のいずれかの整数を表し、eが2以上の場合、Rは同一であっても相異なっていてもよい。
繰り返し単位(II)としては、単量体として、4−ビニルベンゾシクロブテン又はその誘導体を重合して得られるものが好ましい。4−ビニルベンゾシクロブテン又はその誘導体は入手が容易であり、このものを用いることにより機械的強度の優れた高分子固体電解質が得られる。これらの単量体は、例えば、J.Am.Chem.Soc.,124,8653(2002)、Chem.Rev.,103,1539(2003)、J.Poly.Sci.:PartA:Poly.Chem.,40,1309(2002)等に記載された公知の方法に従って合成することができる。
本発明において、イオン導電性部位を有する繰り返し単位としては、酸素原子を介して電解質塩と相互作用できる構造を有する繰り返し単位であるのが好ましく、式(III)
Figure 2006172822
で表される繰り返し単位を有するものがより好ましい。
式(III)中、R、Rは、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を表す。
なかでも、イオン導電性部位を有する繰り返し単位としては、式(IV)
Figure 2006172822
で表される繰り返し単位であるのが特に好ましい。
式(IV)中、R〜R10は、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を表し、RとR10は結合して環を形成していてもよい。
炭素数1〜10の炭化水素基としては、前記R〜Rとして例示したものと同様のものが挙げられる。
は単結合又は二価以上の連結基を表す。二価以上の連結基としては、前記Zとして例示したものと同様のものが挙げられる。なかでも、Zはエステル結合であるのが好ましい。
11、R12は、それぞれ前記R、Rと同じ意味を表す。
fは2〜100の整数を表し、2〜50の整数が好ましい。各繰り返し単位におけるfの値は、同一であっても相異なっていてもよい。また、式:CH(R12)CH(R11)Oで表される基は、同一であっても相異なっていてもよい。
13は、水素原子、炭化水素基、アシル基又はシリル基を表す。
炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、フェニル基、置換フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が挙げられる。
また、シリル基としては、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基等のシリル基等が挙げられる。
イオン導電性部位を有する繰り返し単位としては、具体的には以下に示す単量体から得られるものが挙げられる。
4−メトキシエトキシ−1−ブテン、4−メトキシエトキシ−2−メチル−1−ブテン、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エトキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート[エチレングリコールの単位数は2〜100、以下同じ]、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート[プロピレングリコールの単位数は2〜100、以下同じ]、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、「ブレンマーPMEシリーズ」〔式(IV)においてR=R=R11=R12=水素原子、R10=R13=メチル基、Z:−C(=O)O−基、f=2〜90に相当する単量体〕(日本油脂社製)、アセチルオキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンゾイルオキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチルシリルオキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、t−ブチルジメチチルシリルオキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールシクロヘキセン−1−カルボキシレート、メトキシポリエチレングリコール−シンナメート。
これらの単量体は1種単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
これらの単量体のなかでも、本発明においては、入手が容易で、優れたイオン導電性を有する高分子固体電解質が得られる観点から、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
これらの単量体の多くは公知物質であり、公知の方法に従って合成することができる。
本発明の共重合体は、上記開環能をもつ環状官能基を有する単量体とイオン導電性部位を有する単量体とを重合することにより得ることができる。
重合法としては、リビング重合法、リビングアニオン重合法、リビングラジカル重合法等、特に限定されないが、リビングラジカル重合法が好ましい。リビングラジカル重合法によれば、用いる単量体の種類や量等により反応を制御できるため、目的とする組成と重合度を有する狭分散のブロック共重合体等を容易に製造することができる。また、リビングラジカル重合法では、単量体がすべて消費され、一旦生長が停止しても、重合体生長末端が開始剤由来のハロゲンにより、炭素−ハロゲン結合で一時的に保護された状態になっているため、ここに単量体を追加すれば、重合が再開し重合体をさらに生長させることができる。
リビングラジカル重合法としては、(A)ハロゲン原子を分子内に1つ以上有する有機ハロゲン化合物を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒として重合反応を行うリビングラジカル重合法、(B)安定ラジカル系開始剤を用いるリビングラジカル重合法等が挙げられ、より効率よく目的とする共重合体を得ることができる観点から、(A)のリビングラジカル重合法が好ましい。
(A)のリビングラジカル重合法に用いる有機ハロゲン化合物としては、1個以上のフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子を含み、前記遷移金属錯体と作用してラジカル種を発生させることができる有機化合物であれば特に制限はない。
例えば、下記式(1)で表されるハロゲン化炭化水素、下記式(2)で表されるスルホニルハライド(ハロゲン化スルホニル化合物)、ハロゲン化エステル(ハロゲン含有エステル)、ハロゲン化ケトン(ハロゲン含有ケトン)、ハロゲン化ニトリル(ハロゲン含有ニトリル)、ハロゲン化アルコール(ハロゲン含有アルコール)、ハロゲン化アルデヒド(ハロゲン含有アルデヒド)、又はハロゲン化アミド(ハロゲン含有アミド)等が挙げられる。
Figure 2006172822
Figure 2006172822
式中、R20、R21は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はヘテロ原子を含む有機基を表す。
22は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はヘテロ原子を含む有機基を表す。
20〜R22のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等のC1〜C12アルキル基等が挙げられる。R20〜R22のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等のC4〜C12シクロアルキル基、好ましくはC4〜C8シクロアルキル基等が挙げられる。
20〜R22のアリール基としては、フェニル基、トリル基、ナフチル基等のC6−C12アリール基等が挙げられ、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等のC7〜C14アラルキル基等が挙げられる。
20〜R22のヘテロ原子を含む有機基としては、少なくとも1つの、窒素、酸素又は硫黄等のヘテロ原子を含む有機基が挙げられる。
ヘテロ原子を含む有機基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等の脂肪族C1〜C10アルコキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基等のC6〜C12アリールオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等の脂肪族C2〜C10アシルオキシ基等のアシルオキシ基;ベンゾイルオキシ基等のC6〜C12アリールカルボニルオキシ基;ホルミル基、アセチル基等の脂肪族C1〜C10アシル基;ベンゾイル基等のC6〜C12アリールカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の脂肪族C1〜C10アルコキシ基;フェノキシ基、ナフトキシ基等のC6〜C12アリールオキシ基;カルボキシル基;ヒドロキシル基;アミノ基;アミド基;イミノ基;シアノ基;ニトロ基;チオエステル基;チオケトン基;硫化アルキル基、硫化アリール基等のチオエーテル基;等が挙げられる。
20〜R22のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はヘテロ原子を含む有機基は置換基を有していてもよい。
、Xは、それぞれ独立してハロゲン原子又はハロゲン原子を含む有機基を表す。Xは、X又はR20、R21と同様の意味を表す。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられ、なかでも塩素、臭素、ヨウ素が好ましい。
式(1)で表されるハロゲン化炭化水素の具体例としては、塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、塩化エチル、臭化エチル、ヨウ化エチル、塩化n−プロピル、臭化n−プロピル、ヨウ化n−プロピル、塩化イソプロピル、臭化イソプロピル、ヨウ化イソプロピル、塩化t−ブチル、臭化t−ブチル、ヨウ化t−ブチル等のC1−C12アルキルモノハライド;ジクロロメタン、ジブロモメタン、ジヨードメタン、1,1−ジクロロエタン、1,1−ジブロモエタン、1,1−ジヨードエタン、1−ブロモ−1−クロロエタン、2,2−ジクロロプロパン、2,2−ジブロモプロパン、2,2−ジヨードプロパン、2−クロロ−2−ヨードプロパン、2−ブロモ−2−ヨードプロパン等のC1−C12アルキルジハライド;シクロヘキシルクロライド、シクロオクチルクロライド等のC5−C10シクロアルキルハライド;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のC6−C14アリールハライド等アリールハライド;塩化ベンジル、臭化ベンジル、ヨウ化ベンジル、塩化ベンズヒドリル、臭化ベンズヒドリル、1−フェニルエチルクロリド、1−フェニルエチルブロミド、1−フェニルエチルヨージド、キシリレンジクロリド、キシリレンジブロミド、キシリレンジヨージド、ジクロロフェニルメタン、ジクロロジフェニルメタン等のC7−C14アラルキルハライド;等が挙げられる。
前記式(2)で表されるスルホニルハライドの具体例としては、塩化メタンスルホニル、臭化メタンスルホニル、ヨウ化メタンスルホニル、塩化クロロメタンスルホニル、臭化クロロメタンスルホニル、ヨウ化クロロメタンスルホニル、塩化ジクロロメタンスルホニル、臭化ジクロロメタンスルホニル、ヨウ化ジクロロメタンスルホニル、塩化ブロモメタンスルホニル、臭化ブロモメタンスルホニル、ヨウ化ブロモメタンスルホニル、塩化ジブロモメタンスルホニル、臭化ジブロモメタンスルホニル、ヨウ化ジブロモメタンスルホニル、塩化ヨードメタンスルホニル、臭化ヨードメタンスルホニル、ヨウ化ヨードメタンスルホニル、塩化ジヨードメタンスルホニル、臭化ジヨードメタンスルホニル、ヨウ化ジヨードメタンスルホニル、塩化トリクロロメタンスルホニル等の脂肪族スルホニルハライド(特に、メタンスルホニルハライド等のアルカンスルホニルハライド);塩化ベンゼンスルホニル、臭化ベンゼンスルホニル、ヨウ化ベンゼンスルホニル、塩化p−メチルベンゼンスルホニル、臭化p−メチルベンゼンスルホニル、ヨウ化p−メチルベンゼンスルホニル、塩化p−クロロベンゼンスルホニル、臭化p−クロロベンゼンスルホニル、ヨウ化p−クロロベンゼンスルホニル、塩化p−メトキシベンゼンスルホニル、臭化p−メトキシベンゼンスルホニル、ヨウ化p−メトキシベンゼンスルホニル、塩化p−ニトロベンゼンスルホニル、臭化p−ニトロベンゼンスルホニル、ヨウ化p−ニトロベンゼンスルホニル、塩化p−フッ化ベンゼンスルホニル、塩化p−カルボキシルベンゼンスルホニル、塩化p−アミノジアゾベンゼンスルホニル、塩化−2,5ジクロロベンゼンスルホニル、塩化−2,5ジメトキシベンゼンスルホニル、塩化−2−ヒドロキシ−3,5−ジクロロベンゼンスルホニル、塩化−1−ナフタレンスルホニル、塩化−2−ナフタレンスルホニル、塩化(5−アミノ−2−ナフタレン)スルホニル、塩化1,4−ジスルホニルベンゼン、二臭化1,4−ジスルホニルベンゼン、二ヨウ化1,4−ジスルホニルベンゼン、二塩化2,6−ジスルホニルナフタレン、二臭化2,6−ジスルホニルナフタレン、二ヨウ化2,6−ジスルホニルナフタレン等の芳香族スルホニルハライド;等が挙げられる。
ハロゲン含有エステルの具体例としては、ジクロロ酢酸メチル、トリクロロ酢酸メチル、α−ブロモフェニル酢酸メチル、2−ブロモ−2−メチルプロピオン酸エチル、ブロモラクトン、2−クロロイソ酪酸メチル、2−クロロイソ酪酸エチル、2−ブロモイソ酪酸メチル、2−ブロモイソ酪酸エチル、2−ヨードイソ酪酸メチル、2−ヨードイソ酪酸エチル等のハロゲン含有C2〜C12モノカルボン酸のC1〜C10アルキルエステル;
2−ブロモ−プロピオン酸ヒドロキシエチル、2−ブロモ−プロピオン酸グリシジルメチル、2−ブロモ−プロピオン酸−p−カルボキシルフェノルエチル等のハロゲン含有C2〜C12モノカルボン酸の置換アルキルエステル;2−ブロモ−プロピオン酸プロペニル、クロロ酢酸ビニル等のハロゲン含有C2〜C12モノカルボン酸のアルケニルエステル(好ましくはハロゲン含有C4〜C8モノカルボン酸のC1〜C4アルキルエステル等);2−クロロ−2−メチルマロン酸ジメチル、2−クロロ−2−メチルマロン酸ジエチル、2−ブロモ−2−メチルマロン酸ジメチル、2−ブロモ−2−メチルマロン酸ジエチル、2−ヨード−2−メチルマロン酸ジメチル、2−ヨード−2−メチルマロン酸ジエチル、2−ブロモ−2,4,4,トリメチル−グルタル酸ジメチル等のハロゲン含有C1〜C14多価カルボン酸のC1〜C10アルキルエステル(好ましくはハロゲン含有C2〜C8ジカルボン酸のジC1〜C4アルキルエステル等);ジクロロ酢酸、ジブロモ酢酸、2−クロロイソ酪酸、2−ブロモイソ酪酸等のハロゲン含有C2〜C12カルボン酸;等が挙げられる。
ハロゲン含有ケトンの具体例としては、2−クロロアセトン、1,1−ジクロロアセトン、エチルクロロメチルケトン、1−ブロモエチルエチルケトン等のハロゲン化C1〜C10アルキル−C1〜C10アルキルケトン;2,2−ジクロロアセトフェノン、2−ブロモイソブチロフェノン等のハロゲン化C1〜C10アルキル−C6〜C12アリールケトン;等が挙げられる。
ハロゲン含有ニトリルの具体例としては、2−ブロモプロピオニトリル、ジクロロアセトニトリル、ジブロモアセトニトリル等が挙げられ、その系列であるベンジルチオシアネートも有機ハロゲン化合物として使用することができる。
ハロゲン含有アルコールの具体例としては、2,2−ジクロロエタノール、2,2−ジブロモエタノール等のハロゲン化C1〜C10脂肪族アルコール;ハロゲン化C1〜C10脂環族アルコール;ハロゲン化C1〜C10芳香族アルコール;等が挙げられる。
また、本発明においては、上記の有機ハロゲン化合物の他に、3個以上のハロゲン原子を含む有機ハロゲン化合物も開始剤として用いることができる。例えば、3個のハロゲン原子を含むものとして、クロロホルム等のトリハロC1〜C12アルカン;トリクロロフェニルメタン等のC7〜C14アラルキルハライド;アセチルトリ塩化メタン等のハロゲン含有C2〜C12モノカルボン酸のC1〜C10アルキルエステル;1,1,1,−トリクロロアセトン等のハロゲン化C1〜C10アルキル−C1〜C10アルキルケトン等が挙げられる。4個のハロゲン原子を含むものとして、四塩化炭素、ブロモトリ塩化メタン等のテトラハロC1〜C12アルカンが挙げられる。4個を超えるハロゲン原子を含むものとしては、トリフルオロトリ塩化エタン等が挙げられる。
これらの有機ハロゲン化合物は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。
(A)のリビングラジカル重合法に用いる遷移金属錯体としては、マンガン、レニウム、鉄、ルテニウム、ロジウム、ニッケル、銅等の周期律表第7〜11族元素(長周期律表による。以下同様。)の金属錯体が好ましく、ルテニウム錯体が特に好ましい。
錯体を形成する配位子としては、特に限定されないが、例えば、トリフェニルホスフィン、トリナフチルホスフィン等の炭素数18〜54のトリアリールホスフィン;トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン等の炭素数3〜18のトリアルキルホスフィン;トリフェニルホスファイト等のトリアリールホスファイト;ジフェニルホスフィノエタン;ヨウ素、臭素、塩素等のハロゲン原子;一酸化炭素;水素原子;シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、シクロオクタテトラエン、インデン、ノルボルナジエン、ベンゼン、シメン、4−イソプロピルトルエン、シクロペンタジエニルトルエン、インデニルトルエン、2−メチルペンテン、2−ブテン、アレン等の炭化水素配位子;フラン、フェノール、サリシリデン、カルボン酸等の含酸素系配位子;他のカルコゲナイド;含窒素系配位子;等が挙げられる。
炭化水素配位子は置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等のC1〜C4アルキル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のC2〜C5アルケニル基等のアルケニル基;アルキニル基;メトキシ基等のC1〜C4アルコキシ基等のアルコキシ基;メトキシカルボニル基等のC1〜C4アルコキシ−カルボニル基等のアルコキシカルボニル基;アセチル基等のC2〜C5アシル基等のアシル基;ホルミル基、アセチルオキシ基等のC2〜C5アシルオキシ基等のアシルオキシ基;カルボキシル基;ヒドロキシル基;アミノ基;アミド基;イミノ基;ニトロ基;シアノ基;チオエステル基;チオケトン基;チオエーテル基;塩素、臭素等のハロゲン原子;等が挙げられる。
置換基を有する炭化水素配位子の具体例としては、例えば、ペンタメチルシクロペンタジエニル等が挙げられる。
また遷移金属錯体は、前記例示した配位子以外に、水酸基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ基等のアルコキシ基;アセチル、プロピオニル基等のアシル基;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;アセチルアセトナート等のβ−ジケトン基;アセチルアセテート等のβ−ケトエステル基;CN、チオシアナート(SCN)、セレノシアナート(SeCN)、テルロシアナート(TeCN)、SCSN、OCN、ONC、アジド(N)等の擬ハロゲン基;酸素原子;HO;NH、NO、NO、NO、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリブチルアミン、1,3−ジイソプロピル−4,5−ジメチルイミダゾール−2−イリデン、ピリジン、フェナントロリン、ジフェナントロリン、置換フェナントロリン、2,2’:6’,2’’−ターピリジン、ピリジンイミン、架橋脂肪族ジアミン、4−4’−ジ(5−ノニル)−2,2’−ビピリジン、チオシアネート、O,S,Se,Teの配位したビピリジン、アルキルイミノピリジン、アルキルビピリジニルアミン、アルキル置換トリピリジン、ジ(アルキルアミノ)アルキルピリジン、エチレンジアミンジピリジン、トリ(ピリジニルメチル)アミン等の窒素含有化合物;等を有していてもよい。
本発明に用いる遷移金属錯体の具体例としては、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロトリス(トリブチルホスフィン)ルテニウム、ジクロロ(トリアルキルホスフィン)p−シメンルテニウム、ジクロロビス(トリシメンホスフィン)スチリルルテニウム、ジクロロ(シクロオクタジエン)ルテニウム、ジクロロベンゼンルテニウム、ジクロロ p−シメンルテニウム、ジクロロ(ノルボルナジエン)ルテニウム、シス−ジクロロビス(2,2’−ビピリジン)ルテニウム、ジクロロトリス(1,10−フェナントロリン)ルテニウム、カルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロシクロペンタジエニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロペンタメチルシクロペンタジエニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロインデニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジヒドロテトラ(トリフェニルホスフィン)ルテニウム;ジカルボニルシクロペンタジエニルヨウ化ルテニウム(II)、ジカルボニルシクロペンタジエニル臭化ルテニウム(II)、ジカルボニルシクロペンタジエニル塩化ルテニウム(II)、ジカルボニルインデニルヨウ化ルテニウム(II)、ジカルボニルインデニル臭化ルテニウム(II)、ジカルボニルインデニル塩化ルテニウム(II)、ジカルボニルフルオレニルヨウ化ルテニウム(II)、ジカルボニルフルオレニル臭化ルテニウム(II)、ジカルボニルフルオレニル塩化ルテニウム(II)、ジクロロ−ジ−2、6−ビス[(ジメチルアミノ)−メチル](μ−N)ピリジンルテニウム(II)等のルテニウム錯体;
ジ(トリフェニルホスフィン)二塩化鉄、ジ(トリブチルアミノ)二塩化鉄、トリフェニルホスフィン三塩化鉄、(1−ブロモ)エチルベンゼン−トリエトキシホスフィン二臭化鉄、(1−ブロモ)エチルベンゼン−トリフェニルホスフィン二臭化鉄、(1−ブロモ)エチルベンゼン[4−4’−ジ(5−ノニル)−2,2’−ビピリジン]二臭化鉄、(1−ブロモ)エチルベンゼン−トリ−n−ブチルアミノ二臭化鉄、(1−ブロモ)エチルベンゼン−トリ−n−ブチルホスフィン二臭化鉄、トリ−n−ブチルホスフィン二臭化鉄、[4、4’−ジ(5−ノニル)−2,2’−ビピリジン]二臭化鉄、テトラアルキルアンモニウム三ハロゲン化鉄(II)、ジカルボニルシクロペンタジエニルヨウ化鉄(II)、ジカルボニルシクロペンタジエニル臭化鉄(II)、ジカルボニルシクロペンタジエニル塩化鉄(II)、ジカルボニルインデニルヨウ化鉄(II)、ジカルボニルインデニル臭化鉄(II)、ジカルボニルインデニル塩化鉄(II)、ジカルボニルフルオレニルヨウ化鉄(II)、ジカルボニルフルオレニル臭化鉄(II)、ジカルボニルフルオレニル塩化鉄(II)、1,3−ジイソプロピル−4,5−ジメチルイミダゾール−2−イリデン塩化鉄、1,3−ジイソプロピル−4,5−ジメチルイミダゾール−2−イリデン臭化鉄等の鉄錯体;
カルボニルシクロペンタジエニルヨウ化ニッケル(II)、カルボニルシクロペンタジエニル臭化ニッケル(II)、カルボニルシクロペンタジエニル塩化ニッケル(II)、カルボニルインデニルヨウ化ニッケル(II)、カルボニルインデニル臭化ニッケル(II)、カルボニルインデニル塩化ニッケル(II)、カルボニルフルオレニルヨウ化ニッケル(II)、カルボニルフルオレニルヨウ化ニッケル(II)、カルボニルフルオレニル臭化ニッケル(II)、カルボニルフルオレニル塩化ニッケル(II)、o,o’−ジ(ジメチルアミノメチル)フェニルハロゲン化ニッケル、ジ−トリフェニルホスフィン二臭化ニッケル、ジ(トリn−ブチルアミノ)二臭化ニッケル、1,3−ジアミノフェニル臭化ニッケル、ジ(トリn−ブチルホスフィン)二臭化ニッケル、テトラ(トリフェニルホスフィン)ニッケル等のニッケル錯体;
トリカルボニルシクロペンタジエニルヨウ化モリブデン(II)、トリカルボニルシクロペンタジエニル臭化モリブデン(II)、トリカルボニルシクロペンタジエニル塩化モリブデン(II)、ジアリールアミノ−ジ(2−ジメチルアミノメチルフェニル)リチウムモリブデン、ジアリールアミノ(2−ジメチルアミノメチルフェニル)−メチル−リチウムモリブデン、ジアリールアミノ(2−ジメチルアミノメチルフェニル)トリメチルシリルメチル−リチウムモリブデン、ジ−N−アリール(2−ジメチルアミノメチルフェニル)p−トリル−リチウムモリブデン等のモリブデン錯体;
トリカルボニルシクロペンタジエニルヨウ化タングステン(II)、トリカルボニルシクロペンタジエニル臭化タングステン(II)、トリカルボニルシクロペンタジエニル塩化タングステン(II)等のタングステン錯体;
ジカルボニルシクロペンタジエニルコバルト(I)等のコバルト錯体;
トリカルボニルシクロペンタジエニルマンガン(I)、トリカルボニル(メチルシクロペンタジエニル)マンガン(I)等のマンガン錯体;
トリカルボニルシクロペンタジエニルレニウム(I)、ジオキソビス(トリフェニルホスフィン)ヨウ化レニウム等のレニウム錯体;
トリ(トリフェニルホスフィン)塩化ロジウム等のロジウム錯体;
トリフェニルホスフィンジアセチルパラジウム等のパラジウム錯体;
(1−エトキシカルボニル−1−メチルエチル)メチルテルル、(1−シアノ−1−メチルエチル)メチルテルル、α−メチルベンジルメチルテルル、ベンジルメチルテルル、メチルベンゾイルテルル等のテルル錯体;
ジフェナンスロリン、置換フェナンスロリン、2,2’:6’,2’’−ターピリジン、ピリジンイミン又は架橋脂肪族ジアミン等による銅錯体;アセチル[4−4’−ジ(5−ノニル)−2,2’−ビピリジン]銅、六フッ化ホスフィン−ジ[4−4’−ジ(5−ノニル)−2,2’−ビピリジン]銅、チオシアネート銅、O,S,Se,Teの配位したビピリジン銅;アルキルビピリジニルアミン、アルキル置換トリピリジン、ジ(アルキルアミノ)アルキルピリジン、イミノジピリジン、エチレンジアミンジピリジン又はトリ(ピリジニルメチル)アミン等が配位した銅等による銅錯体;等を用いることもできる。
これらの遷移金属錯体は1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて使用できる。
これらの中でも、重合活性が優れるという観点から、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロインデニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジヒドロテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロシクロペンタジエニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロペンタメチルシクロペンタジエニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム;ジカルボニルシクロペンタジエニルヨウ化ルテニウム(II)、ジカルボニルシクロペンタジエニルヨウ化鉄(II)、カルボニルシクロペンタジエニルヨウ化ニッケル(II);(1−エトキシカルボニル−1−メチルエチル)メチルテルル、(1−シアノ−1−メチルエチル)メチルテルル、α−メチルベンジルメチルテルル、ベンジルメチルテルル、メチルベンゾイルテルル等のテルル錯体等が好ましい。
リビングラジカル重合法においては、さらに、前記遷移金属錯体に作用することによりラジカル重合を促進させる活性化剤として、ルイス酸及び/又はアミン類を使用することができる。
用いるルイス酸としては特に制限されないが、例えば、下記式(3)又は(4)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2006172822
Figure 2006172822
式中、Mは、Sc、Y等の周期表3族元素、又はB、Al、Ga、In等の周期表13族元素を示す。なかでも、MとしてはSc、B、Al等が好ましく、Sc、Alがより好ましい。
は、Ti、Zr、Hf等の周期表4族元素、又はSi、Sn、Pb等の周期表14族元素を示す。なかでも、Mとしては、Ti、Zr、Sn等が好ましい。
30〜R33は、それぞれ独立してハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基又はアラルキルオキシ基を表す。
30〜R33の、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基としては、前記R20〜R22の具体例として例示したものと同様のものが挙げられる。
30〜R33のハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素等が挙げられる。アルコキシ基としては、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられる。シクロアルキルオキシ基としては、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロオクチルオキシ基等のC4〜C12シクロアルキルオキシ基、好ましくはC4〜C8シクロアルキルオキシ基等が挙げられる。アリールオキシ基としては、フェノキシ基等のC6〜C13アリールオキシ基等が挙げられる。アラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等のC7〜C14アラルキルオキシ基等が挙げられる。
30〜R33のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基又はアラルキルオキシ基は、置換基を有していてもよい。例えば、アリールオキシ基は、芳香環上に、例えばC1−C5アルキル基等を一つ又はそれ以上有していてもよい。具体的には、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2−エチルフェノキシ基、3−エチルフェノキシ基、4−エチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジエチルフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルフェノキシ基、2,6−ジ−n−ブチルフェノキシ基、2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、R30〜R33としては、ハロゲン原子又はアルコキシ基が好ましい。
前記式(3)で表される化合物としては、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリs−ブトキシド、アルミニウムトリt−ブトキシド、アルミニウムトリフェノキシド等のアルミニウムのC1〜C4アルコキシド又はアリールオキシド;メチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシド)、エチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシド)、メチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)等のアルミニウムアルコキシド、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、三ヨウ化アルミニウム等のアルミニウムトリハライド等のアルミニウムハライド等のアルミニウム系ルイス酸;
スカンジウムトリイソプロポキシド等のスカンジウムアルコキシド、三塩化スカンジウム、三臭化スカンジウム、三ヨウ化スカンジウム等のスカンジウムハライド等のスカンジウム系ルイス酸;等が挙げられる。
前記式(4)で表される化合物としては、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラn−プロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラn−ブトキシド、チタンテトラt−ブトキシド、チタンテトラフェノキシド、クロロチタントリイソプロポキシド、ジクロロチタンジイソプロポキシド、トリクロロチタンイソプロポキシド等のチタンアルコキシド;四塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタン等のチタンハライド等のチタン系ルイス酸;
ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラn−プロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラn−ブトキシド、ジルコニウムテトラt−ブトキシド等のジルコニウムアルコキシド、四塩化ジルコニウム、四臭化ジルコニウム、四ヨウ化ジルコニウム等のジルコニウムハライド等のジルコニウム系ルイス酸;
スズテトライソプロポキシド等のスズアルコキシド、四塩化スズ、四臭化スズ、四ヨウ化スズ等のスズハライド等のスズ系ルイス酸;等が挙げられる。
これらの中でも、ルイス酸としては、Al、Sc、Ti、Zr又はSnの化合物が好ましく、これらの金属の金属アルコキシドがより好ましい。具体例としては、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリs−ブトキシド、アルミニウムトリt−ブトキシド等のアルミニウムアルコキシド;スカンジウムトリイソプロポキシド等のスカンジウムアルコキシド;チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラn−ブトキシド、チタンテトラt−ブトキシド、チタンテトラフェノキシド等のチタンアルコキシド;ジルコニウムテトライソプロポキシド等のジルコニウムアルコキシド;スズテトライソプロポキシド等のスズアルコキシド;等が挙げられる。
これらのルイス酸は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。
アミン類としては、特に制限されないが、2級アミン、3級アミンが好ましい。
2級アミンとしては、具体的には、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−イソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ピペラジン、モルホリン等が挙げられる。
3級アミンとしては、具体的には、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ−7−セン等が挙げられる。
本発明においては、アミン類として、同一分子内に、1級アミン部分、2級アミン部分、及び3級アミン部分から選ばれる少なくとも2つ以上の部分を有する化合物を使用することもできる。その具体例としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチルペンタミン、4−(2−アミノエチル)ピペリジン等が挙げられる。
これらのアミン類は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。
ルイス酸及び/又はアミン類の総使用量は、前記遷移金属錯体1モルに対して、通常、0.1〜20モル、好ましくは0.2〜10モルである。
(A)のリビングラジカル重合法による共重合体の製造方法としては特に制約はないが、例えば、上記有機ハロゲン化合物を開始剤として用い、遷移金属化合物等の存在下に第一の単量体を重合し、
i)第一の単量体の転化率が100%に達した後、第二の単量体を添加して重合を完結させ、また新たに単量体を添加する。これを繰り返すことによりブロック共重合体を得る方法、
ii)第一の単量体の転化率が100%に達しなくとも目標の重合度又は分子量に達した段階で第二の単量体を加えて重合を継続し、各ブロック鎖間にランダム部分が存在するグラジエント共重合体を得る方法、
iii)第一の単量体の転化率が100%に達しなくとも目標の重合度又は分子量に達した段階で一旦反応を停止し、系外に重合体を取りだし、得られた重合体をマクロ開始剤としてそこへ他の単量体を加えて共重合を断続的に進め、ブロック共重合体を得る方法、等が挙げられる。
これらの中でも、高い導電性と優れた機械的強度を有する高分子固体電解質が得られる観点から、iii)の方法が好ましい。
iii)の方法は、具体的には以下のように行うことができる。先ず、前記繰り返し単位(IV)由来の単量体、前記有機ハロゲン化合物、前記遷移金属化合物、所望によりルイス酸及び/又はアミン類を有機溶媒中で混合し、加温しながら撹拌することにより繰り返し単位(IV)を有する重合体を得る。
得られた重合体を通常の方法で精製し、精製した繰り返し単位(IV)を有する重合体を、前記繰り返し単位(I)由来の単量体、遷移金属化合物、所望によりルイス酸及び/又はアミン類と共に有機溶媒中で加熱撹拌する。このようにして、繰り返し単位(IV)を有するブロック鎖の次に繰り返し単位(I)を有するブロック鎖が結合する共重合体を得ることができる。
用いる有機溶媒としては特に制限されないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;メタノール、エタノール等のアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコール誘導体類;等が挙げられる。
これらの溶媒は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、断続的にブロック重合を行う場合、各重合反応ごとに異なる溶媒を用いても構わない。
(B)のリビングラジカル重合法に用いる安定ラジカル系開始剤としては、安定フリーラジカル化合物とラジカル重合開始剤との混合物、又は各種アルコキシアミン類が挙げられる。
安定フリーラジカル化合物とは、室温または重合条件下で単独で安定な遊離基として存在し、重合反応中には生長末端ラジカルと反応して再解離可能な結合を生成することができるものである。
安定フリーラジカル化合物としては、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ(TEMPO)、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ、4,4’−ジメチル−1,3−オキサゾリン−3−イルオキシ、2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロジニルオキシ、ジ−t−ブチルニトロキシド、2,2−ジ(4−t−オクチルフェニル)−1−ピクリルヒドラジル等のラジカルを1個以上生成する化合物が挙げられる。
ラジカル重合開始剤としては、分解してフリーラジカルを生成する化合物であれば特に制約はない。具体的には、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物類;過酸化ベンゾイル等のジアシルパーオキサイド類;メチルエチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール類;キュメンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル類;等の有機過酸化物が挙げられる。
有機過酸化物は、重合促進剤を併用して用いることができる。重合促進剤としては、ジメチルアニリン、ナフテン酸コバルト等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、安定フリーラジカル化合物1モルに対して、通常0.05〜5モル、好ましくは0.2〜2モルの範囲である。
アルコキシアミン類としては、ラジカル重合ハンドブック(107頁、1999年、エヌティエス社)、J.Am.Chem.Soc.,121,3904(1999)等の文献に記載されている化合物が挙げられる。なかでも、下記に示す化合物が好ましい。
Figure 2006172822
本発明の共重合体は、開環能をもつ環状官能基を有する繰り返し単位及びイオン導電性部位を有する繰り返し単位の他に、他の単量体由来の繰り返し単位を有していてもよい。
他の単量体としては、例えば、置換基を有していてもよいスチレン、置換基を有していてもよいビニルナフタレン、置換基を有していてもよいビニルピリジン、無水マレイン酸、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。スチレン等の置換基としては、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル基等のアルキル基;ヒドロキシル基等が挙げられる。
上記(A)及び(B)のいずれのリビングラジカル重合法においても、重合温度は、通常、室温から200℃、好ましくは40〜150℃である。また、重合時間は反応規模にもよるが、通常、0.5〜100時間である。
重合反応の停止は、反応系の温度を下げることにより行うことができる。
反応終了後は、カラム精製、減圧精製、濾過等の通常の分離精製方法により、目的とする共重合体を単離することができる。
なお、重合反応過程の追跡及び反応終了の確認は、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、ゲル浸透クロマトグラフィー、膜浸透圧法、NMR等により行うことができる。
以上のようにして得られる本発明の共重合体の数平均分子量は、5,000〜1,000,000であるのが好ましく、10,000〜500,000であるのがより好ましい。5,000より小さい場合には、熱的特性、機械的強度が低下し、1,000,000より大きい場合には、成形性、成膜性が低下する。
本発明の共重合体は、熱的特性、機械的強度及びイオン導電性に優れる高分子固体電解質が得られる観点から、繰り返し単位(I)を有するブロック鎖(A)、及び繰り返し単位(IV)を有するブロック鎖(B)を含むものが好ましく、ブロック鎖が、(B)、(A)、(B)の順の配置を有するブロック共重合体がより好ましく、(B)−(A)−(B)の順に結合した配列を有するブロック共重合体が特に好ましい。
(2)電解質塩
本発明に用いる電解質塩としては、特に限定されず、キャリアーとしたいイオンを含んだ電解質であればよい。なかでも、硬化して得られる高分子固体電解質中での解離定数が大きいものが好ましい。
具体的には、アルカリ金属塩;Mg(ClO、Mg(BF等のアルカリ土類金属塩;(CHNBF等の4級アンモニウム塩;(CHPBF等の4級ホスホニウム塩;AgClO等の遷移金属塩;塩酸、過塩素酸、ホウフッ化水素酸等のプロトン酸;等が挙げられる。
アルカリ金属塩としては、例えば、LiCFSO、Li(CFSON(「LiTFSI」)、LiC(CFSO、LiC(CH)(CFSO、LiCH(CFSO、LiCH(CFSO)、LiCSO、LiN(CSO、LiB(CFSO、LiCFCO、LiPF、LiClO、LiI、LiBF、LiSCN、LiAsF等のリチウム塩;NaCFSO、NaPF、NaClO、NaI、NaClO、NaSCN、NaBF、NaAsF等のナトリウム塩;KCFSO、KPF、KI、KBF等のカリウム塩;等を例示することができる。
これらの電解質塩は1種単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
これらの中でも、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、遷移金属塩の使用が好ましく、アルカリ金属塩の使用がより好ましく、リチウム塩がさらに好ましく、高い導電性が得られる観点から、LiClO、Li(CFSON(「LiTFSI」)が特に好ましい。
電解質塩の添加量は、前記繰り返し単位(IV)中のアルキレンオキサイドユニットに対して、0.005〜80モル%、好ましくは0.01〜50モル%の範囲である。
電解質塩を前記共重合体に添加する方法としては特に制限はなく、例えば、共重合体と電解質塩とを適当な溶媒に溶解させる方法;共重合体と電解質塩とを常温又は加熱下に機械的に混合する方法;等が挙げられる。
溶媒としては、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;アセトニトリル等のニトリル類;メタノール、エタノール等のアルコール類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキサイド等のスルホキサイド類;等が挙げられる。
2)架橋高分子
本発明の架橋高分子は、上述した本発明の共重合体を加熱して、該共重合体中の開環能をもつ環状官能基を開環・架橋反応(「カップリング架橋」ともいう。)させることにより得ることができる。
本発明の架橋高分子は、繰り返し単位(I)中の環状官能基を開環反応させた構造を有する繰り返し単位をもつブロック鎖(A’)、及び繰り返し単位(IV)を有するブロック鎖(B)を含むものが好ましく、ブロック鎖が、(B)、(A’)、(B)の順の配置を有するブロック共重合体がより好ましく、(B)−(A’)−(B)の順に結合した配列を有するブロック共重合体が特に好ましい。
本発明の架橋高分子は優れた機械的強度とイオン導電性を有するので、後述する本発明の高分子固体電解質を構成する高分子として有用である。
3)高分子固体電解質
本発明の高分子固体電解質は、本発明の高分子固体電解質用組成物を加熱し、組成物中の開環能をもつ環状官能基を開環・架橋反応させることにより得ることができる。すなわち、高分子固体電解質用組成物をシート状、膜状、フイルム状等の形状に成形した後に加熱して開環反応させることにより、シート状、膜状、フイルム状等の形状の高分子固体電解質を得ることができる。
シート状等の高分子固体電解質は、ロールコーター法、カーテンコーター法、スピンコート法、ディップ法、キャスト法等の各種コーティング手段により支持体上に前記高分子固体電解質用組成物を成膜し、次いで加熱して開環反応を行い、その後支持体を除去することにより得ることができる。
高分子固体電解質用組成物を支持体上にキャスト又は塗布等する際には、高分子固体電解質用組成物をさらに溶媒に溶解して用いてもよい。
用いる溶媒としては極性溶媒が好ましい。極性溶媒は、極性を有する溶媒であれば特に限定されないが、具体的には、アセトニトリル等のニトリル類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン等のケトン類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;ジメチルスルホキサイド等のスルホキサイド類;クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;メタノール等のアルコール類;等が挙げられる。
用いる高分子固体電解質用組成物の固形分濃度は、特に限定されないが、具体的には、0.5〜30重量%が好ましい。0.5重量%未満では、濃度が希薄すぎて少ない工程で成形体を得ることができず、一方、30重量%より多い場合には膜厚を制御することができなくなる。
次に、支持体上にキャスト又は塗布した高分子固体電解質用組成物を加熱することにより開環反応を行う。この開環・架橋反応は、常圧又は減圧留去、あるいは加熱乾燥等により溶媒をある程度除去して、キャスト又は塗布した溶液中の溶媒が、固形分に対して10〜50重量%、好ましくは、15〜30重量%である状態とした後に行ってもよい。
成形された高分子固体電解質用組成物を加熱すると、組成物に含まれる共重合体中の開環能をもつ環状官能基が開環し、架橋反応が進行する。得られる高分子固体電解質は、優れた機械的強度を有するものとなる。
開環・架橋反応させるための加熱温度は、通常50〜300℃、好ましくは100〜250℃、より好ましくは180〜220℃である。加熱時間は規模にもよるが、通常、数分から数時間、好ましくは20分から4時間である。
本発明の高分子固体電解質は、優れた機械的強度を有し、かつイオン導電性部位が、酸素原子を介して電解質塩と相互作用できる構造を有しているため、高い導電性を有する。
本発明の高分子固体電解質は、熱的特性、機械的強度及びイオン導電性に優れた固体電解質として、電池等の電気化学素子に重用される。
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
<ダイマー開始剤の合成>
ブレンマーPME−1000(メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート;日本油脂社製)150g(135mmol)、トルエン350gをフラスコに採取し脱気した。この混合溶液にジクロロトリス(トリフェニルホスフイン)ルテニウム0.24g(0.25mmol)を加え、均一に混合した。さらにジ−n−ブチルアミン0.13g(1mmol)を加え、最後に2,2−ジクロロアセトフェノン0.10g(0.5mmol)を加えた。得られた混合物を80℃に加温することにより重合反応を開始した。
重合反応を開始して48時間後に、反応溶液を0℃に冷却することにより、重合反応を停止した。カラムクロマトグラフィーにより、反応液から金属錯体と未反応単量体を除去した後、溶媒を減圧濃縮し、得られた粘稠な残渣を60℃で5時間減圧乾燥した。
得られた重合体の、用いた単量体総量に対する重合収率は54%、収量は81g、多角度光散乱法(MALS法)にて測定した重量平均分子量(Mw)は285,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.92であった。
<ブロック共重合体の合成>
得られた重合体(P−PME−1000)5.0g(0.018mmol)、クロロペンタメチルシクロペンタジエニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム0.02g(0.025mmol)、スチレン0.4g(4mmol)、4−ビニルベンゾシクロブテン(VBCB)0.4g(3mmol)、トルエン24gをフラスコに採取し、均一に混合して脱気した。この混合溶液にジ−n−ブチルアミン0.01g(0.1mmol)を加え、100℃に加温することにより重合反応を開始した。
重合反応を開始して54時間後に、反応溶液を0℃に冷却することにより、重合反応を停止した。スチレンの重合率は29%、4−ビニルベンゾシクロブテンの重合率は31%であった。カラムクロマトグラフィーにより、反応液から金属錯体を除去した後、溶媒を減圧濃縮し、得られた粘稠な残渣を60℃で5時間減圧乾燥した。
得られた重合体の収量は4.3g、多角度光散乱法(MALS法)にて測定した重量平均分子量は300,000であった。組成比(wt%)は、PME−1000:スチレン(St):4−ビニルベンゾシクロブテン(VBCB)=95:3:2であった。
実施例2
<ダイマー開始剤の合成>
実施例1と同様にしてダイマー開始剤を合成した。
<ブロック共重合体の合成>
得られたダイマー開始剤(P−PME−1000)5.0g(0.018mmol)、クロロペンタメチルシクロペンタジエニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム0.02g(0.025mmol)、スチレン1.2g(11.5mmol)、4−ビニルベンゾシクロブテン(VBCB)1.3g(10mmol)、トルエン30gをフラスコに採取し、均一に混合して脱気した。この混合溶液にジ−n−ブチルアミン0.01g(0.1mmol)を加え、100℃に加温することにより重合反応を開始した。
重合反応を開始して60時間後に、反応溶液を0℃に冷却することにより、重合反応を停止した。スチレンの重合率は35%、4−ビニルベンゾシクロブテンの重合率は33%であった。カラムクロマトグラフィーにより、反応液から金属錯体を除去した後、溶媒を減圧濃縮し、得られた粘稠な残渣を60℃で5時間減圧乾燥した。
得られた重合体の収量は4.9g、多角度光散乱法(MALS法)にて測定した重量平均分子量(Mw)は330,000であった。組成比(wt%)は、PME−1000:St:VBCB=86:7:7であった。
実施例3
<ダイマー開始剤の合成>
実施例1と同様にしてダイマー開始剤を合成した。
<ブロック共重合体の合成>
クロロペンタメチルシクロペンタジエニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム0.02g(0.025mmol)、P−PME1000 5.0g(0.018mmol)、4−ビニルベンゾシクロブテン(VBCB)0.9g(6.9mmol)、トルエン30gをフラスコに採取し、均一に混合して脱気した。この混合溶液にジ−n−ブチルアミン0.01g(0.1mmol)を加え、100℃に加温することにより重合反応を開始した。
重合反応を開始して50時間後に、反応溶液を0℃に冷却することにより、重合反応を停止した。4−ビニルベンゾシクロブテンの重合率は30%であった。カラムクロマトグラフィーにより、反応液から金属錯体を除去した後、溶媒を減圧濃縮し、得られた粘稠な残渣を60℃で5時間減圧乾燥した。
得られた重合体収量は4.6g、多角度光散乱法(MALS法)にて測定した重量平均分子量(Mw)は300,000であった。組成比(wt%)は、PME−1000:VBCB=95:5であった。
実施例4
<ダイマー開始剤の合成>
実施例1と同様にしてダイマー開始剤を合成した。
<ブロック共重合体の合成>
得られたダイマー開始剤(P−PME−1000)5.0g(0.018mmol)、クロロペンタメチルシクロペンタジエニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム0.02g(0.025mmol)、4−ビニルベンゾシクロブテン(VBCB)1.5g(12mmol)、トルエン30gをフラスコに採取し、均一に混合して脱気した。この混合溶液にジ−n−ブチルアミン0.01g(0.1mmol)を加え、100℃に加温することにより重合反応を開始した。
重合反応を開始して60時間後に、反応溶液を0℃に冷却することにより、重合反応を停止した。4−ビニルベンゾシクロブテンの重合率は36%であった。カラムクロマトグラフィーより、反応液から金属錯体を除去した後、溶媒を減圧濃縮し、得られた粘稠な残渣を0℃で5時間減圧乾燥した。
得られた重合体収量は4.7g、多角度光散乱法(MALS法)にて測定した重量平均分子量(Mw)は320,000であった。組成比(wt%)は、PME−1000:VBCB=90:10であった。
比較例1
<ダイマー開始剤の合成>
実施例1と同様にしてダイマー開始剤を合成した。
<ブロック共重合体の合成>
得られたダイマー開始剤(P−PME−1000)40g(0.14mmol)、クロロペンタメチルシクロペンタジエニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム0.11g(0.12mmol)、スチレン10g(96mmol)、トルエン150gをフラスコに採取し、均一に混合して脱気した。この混合溶液にジ−n−ブチルアミン0.1g(0.8mmol)を加え、100℃に加温することにより重合反応を開始した。
重合反応を開始して100時間後に、反応溶液を0℃に冷却することにより、重合反応を停止した。スチレンの重合率は32%であった。反応液をカラムにかけ、金属錯体を除去した。溶媒を減圧濃縮し得られた粘稠な残渣を、60℃で5時間減圧乾燥した。
得られた重合体の収量は38g、多角度光散乱法(MALS法)にて測定した重量平均分子量(Mw)は310,000であった。組成比(wt%)は、PME−1000:St=92:8であった。
<高分子固体電解質の製造>
上記実施例1〜4で得たブロック共重合体をアセトンに溶解し、得られた溶液に電解質としてLi(CFSON(「LiTFSI」)を加えた後([Li]/[EO]=5mmol%)、アルミカップに移し、アセトンを揮発させて均一な高分子固体電解質膜(膜厚:約100μm)を得た。さらに成膜温度を200℃まで加熱して、4−ビニルベンゾシクロブテンを開環・架橋反応させたところ、膜強度が向上し自立膜が得られた。
同様に、上記比較例1で得たブロック共重合体をアセトンに溶解し、得られた溶液に電解質としてLi(CFSON(「LiTFSI」)を加えた後([Li]/[EO]=5mmol%)、アルミカップに移し、アセトンを揮発させて均一な高分子固体電解質膜(膜厚:約100μm)を得た。
<イオン伝導度測定>
架橋の前後の高分子固体電解質膜をそれぞれ白金板に挟み、アルゴン雰囲気下に、周波数5〜10MHzのインピーダンスアナライザー(Solarfron−1260型)を用いてイオン伝導度σを測定した。測定結果を下記第1表に示す。
<引張り強度試験>
引張り強度試験は、引張り試験機(オリエンテック社製、STA−1150)を使用し、25℃、湿度60%の恒温室で行った。
先ず、上記実施例1〜4及び比較例1で得た高分子固体電解質の一部を5mm×30mmの大きさに切り取り、試験片を作製した。試験片は、上記実施例1〜4及び比較例1で得た高分子固体電解質あたり、3個ずつ作製した。次に、各試験片の上下5mmに紙を挟み、引張り試験機の治具にセットした(チャック間隔は20mm)。試験速度20mm/minで測定を行い、応力−伸度曲線を得た。全ての試験片について測定を行い、上記実施例1〜4及び比較例1で得た高分子固体電解質あたり3個の試験片のうち、最も点応力の大きい値(最大点応力)を膜強度(MPa)とした。測定結果を第1表に示す。
Figure 2006172822
第1表より、実施例1〜4の高分子固体電解質は、比較例1の高分子固体電解質に比して優れたイオン伝導度を有していた。また、実施例1〜4の高分子固体電解質は、開環・架橋反応後はいずれも膜強度が著しく向上していた。

Claims (27)

  1. 開環能をもつ環状官能基を有する繰り返し単位及びイオン導電性部位を有する繰り返し単位を含む共重合体、並びに電解質塩を含むことを特徴とする高分子固体電解質用組成物。
  2. 前記開環能をもつ環状官能基が、シクロアルケンアリール構造又はシクロアルカジエンアリール構造を有する基であることを特徴とする請求項1に記載の高分子固体電解質用組成物。
  3. 前記開環能をもつ環状官能基が、シクロブテンアリール構造又はシクロブタジエンアリール構造を有する基であることを特徴とする請求項1に記載の高分子固体電解質用組成物。
  4. 前記開環能をもつ環状官能基を有する繰り返し単位が、式(I)
    Figure 2006172822
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を表し、RとRは、結合して環を形成していてもよい。
    Zは、単結合又は二価以上の連結基を表し、Aは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、Xは、単結合又は二重結合を表し、Yは、炭素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又は原子上に置換基を有していてもよい窒素原子を表す。
    は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、シアノ基、カルボニル基、チオカルボニル基又は置換基を有していてもよいイミノ基を表す。
    bは、0、1又は2を表し、bが2の場合、Rは、同一であっても相異なっていてもよい。
    dは、1以上で、かつA環上に置換可能な数以下の整数を表し、dが2以上の場合、Y同士、X同士、R同士及びb同士は、それぞれ同一であっても相異なっていてもよい。
    aは、(Zの価数−1)の整数を表し、aが2以上の場合、A同士、Y同士、X同士、R同士、b同士及びd同士は、それぞれ同一であっても相異なっていてもよい。但し、Z上のA環を含む官能基上への結合手の置換位置は、A環上に限定されるものではない。)
    で表される繰り返し単位であることを特徴とする請求項1に記載の高分子固体電解質用組成物。
  5. 前記式(I)で表される繰り返し単位が、式(II)
    Figure 2006172822
    (式中、R〜R、X、Y、Z、a、b及びdは、前記と同じ意味を表す。Rは、ハロゲン原子又は有機基を表す。eは0〜3の整数を表し、eが2以上の場合、Rは同一であっても相異なっていてもよい。)
    で表される繰り返し単位であることを特徴とする請求項4に記載の高分子固体電解質用組成物。
  6. 前記イオン導電性部位が、酸素原子を介して電解質塩と相互作用できる構造を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の高分子固体電解質用組成物。
  7. 前記イオン導電性部位が、式(III)
    Figure 2006172822
    (式中、R、Rは、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を表す。)
    で表される繰り返し単位を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の高分子固体電解質用組成物。
  8. 前記イオン導電性部位を有する繰り返し単位が、式(IV)
    Figure 2006172822
    (式中、R〜R10は、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を表し、RとR10は、結合して環を形成していてもよい。
    は単結合又は二価以上の連結基を表す。
    11、R12は、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を表す。fは2〜100のいずれかの整数を表し、式:CH(R12)CH(R11)Oで表される基は、同一であっても相異なっていてもよい。
    13は水素原子、炭化水素基、アシル基又はシリル基を表す。)
    で表される繰り返し単位であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の高分子固体電解質用組成物。
  9. 式(IV)中、Zがエステル結合であることを特徴とする請求項8に記載の高分子固体電解質用組成物。
  10. 開環能をもつ環状官能基を開環反応させた構造を有する繰り返し単位及びイオン導電性部位を有する繰り返し単位を含む共重合体、並びに電解質塩を含むことを特徴とする高分子固体電解質。
  11. 前記開環能をもつ環状官能基が、シクロアルケンアリール構造又はシクロアルカジエンアリール構造を有する基であることを特徴とする請求項10に記載の高分子固体電解質。
  12. 前記開環能をもつ環状官能基が、シクロブテンアリール構造又はシクロブタジエンアリール構造を有する基であることを特徴とする請求項10に記載の高分子固体電解質。
  13. 前記開環能をもつ環状官能基を開環反応させた構造を有する繰り返し単位が、式(I)
    Figure 2006172822
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を表し、RとRは、結合して環を形成していてもよい。
    Zは、単結合又は二価以上の連結基を表し、Aは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、Xは、単結合又は二重結合を表し、Yは、炭素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又は原子上に置換基を有していてもよい窒素原子を表す。
    は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、シアノ基、カルボニル基、チオカルボニル基又は置換基を有していてもよいイミノ基を表す。
    bは、0、1又は2を表し、bが2の場合、Rは、同一であっても相異なっていてもよい。
    dは、1以上で、かつA環上に置換可能な数以下の整数を表し、dが2以上の場合、Y同士、X同士、R同士及びb同士は、それぞれ同一であっても相異なっていてもよい。
    aは、(Zの価数−1)の整数を表し、aが2以上の場合、A同士、Y同士、X同士、R同士、b同士及びd同士は、それぞれ同一であっても相異なっていてもよい。但し、Z上のA環を含む官能基上への結合手の置換位置は、A環上に限定されるものではない。)
    で表される繰り返し単位を開環反応させた構造を有する繰り返し単位であることを特徴とする請求項10に記載の高分子固体電解質。
  14. 前記式(I)で表される繰り返し単位が、式(II)
    Figure 2006172822
    (式中、R〜R、X、Y、Z、a、b及びdは、前記と同じ意味を表す。Rは、ハロゲン原子又は有機基を表す。eは0〜3の整数を表し、eが2以上の場合、Rは同一であっても相異なっていてもよい。)
    で表される繰り返し単位であることを特徴とする請求項13に記載の高分子固体電解質。
  15. 前記イオン導電性部位が、酸素原子を介して電解質塩と相互作用できる構造を有することを特徴とする請求項10〜14のいずれかに記載の高分子固体電解質。
  16. 前記イオン導電性部位が、式(III)
    Figure 2006172822
    (式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を表す。)
    で表される繰り返し単位を有することを特徴とする請求項10〜15のいずれかに記載の高分子固体電解質。
  17. イオン導電性部位を有する繰り返し単位が、式(IV)
    Figure 2006172822
    (式中、R〜R10は、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を表し、RとR10は、結合して環を形成していてもよい。
    は単結合又は二価以上の連結基を表す。
    11、R12は、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を表す。fは2〜100のいずれかの整数を表し、式:CH(R12)CH(R11)Oで表される基は、同一であっても相異なっていてもよい。
    13は水素原子、炭化水素基、アシル基又はシリル基を表す。)
    で表される繰り返し単位であることを特徴とする請求項10〜16のいずれかに記載の高分子固体電解質。
  18. 前記式(IV)中、Zがエステル結合であることを特徴とする請求項17に記載の高分子固体電解質。
  19. 請求項1〜9のいずれかに記載の高分子固体電解質用組成物を、開環反応して得られたものであることを特徴とする高分子固体電解質。
  20. 式(I)
    Figure 2006172822
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を表し、RとRは、結合して環を形成していてもよい。
    Zは、単結合又は二価以上の連結基を表し、Aは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、Xは、単結合又は二重結合を表し、Yは、炭素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又は原子上に置換基を有していてもよい窒素原子を表す。
    は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、シアノ基、カルボニル基、チオカルボニル基又は置換基を有していてもよいイミノ基を表す。
    bは、0、1又は2を表し、bが2の場合、Rは同一であっても相異なっていてもよい。
    dは、1以上で、かつA環上に置換可能な数以下の整数を表し、dが2以上の場合、Y同士、X同士、R同士及びb同士は、それぞれ同一であっても相異なっていてもよい。
    aは、(Zの価数−1)の整数を表し、aが2以上の場合、A同士、Y同士、X同士、R同士、b同士及びd同士は、それぞれ同一であっても相異なっていてもよい。但し、Z上のA環を含む官能基上への結合手の置換位置は、A環上に限定されるものではない。)
    で表される繰り返し単位、及び式(IV)
    Figure 2006172822
    (式中、R〜R10は、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を表し、RとR10は、結合して環を形成していてもよい。
    は単結合又は二価以上の連結基を表す。
    11、R12は、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を表す。fは2〜100のいずれかの整数を表し、式:CH(R12)CH(R11)Oで表される基は、同一であっても相異なっていてもよい。
    13は、水素原子、炭化水素基、アシル基又はシリル基を表す。)
    で表される繰り返し単位を含むことを特徴とする共重合体。
  21. 式(I)で表される繰り返し単位が、式(II)
    Figure 2006172822
    (式中、R〜R、X、Y、Z、a、b及びdは、前記と同じ意味を表し、Rは、ハロゲン原子又は有機基を表し、eは、0〜3の整数を表し、eが2以上の場合、Rは同一であっても相異なっていてもよい。)
    で表される繰り返し単位であることを特徴とする請求項20に記載の共重合体。
  22. 式(IV)中、Zがエステル結合であることを特徴とする請求項20又は21に記載の共重合体。
  23. 前記式(I)で表される繰り返し単位を有するブロック鎖(A)、及び前記式(IV)で表される繰り返し単位を有するブロック鎖(B)を含むことを特徴とする請求項20〜22のいずれかに記載の共重合体。
  24. 前記式(I)で表される繰り返し単位を有するブロック鎖(A)、及び前記式(IV)で表される繰り返し単位を有するブロック鎖(B)が、(B)、(A)、(B)の順で配置されてなるブロック共重合体であることを特徴とする請求項23に記載の共重合体。
  25. 前記式(I)で表される繰り返し単位を有するブロック鎖(A)、及び前記式(IV)で表される繰り返し単位を有するブロック鎖(B)が、(B)−(A)−(B)の順に結合して配列されてなるブロック共重合体であることを特徴とする請求項23又は24に記載の共重合体。
  26. 数平均分子量が、5,000〜1,000,000の範囲であることを特徴とする請求項20〜25のいずれかに記載の共重合体。
  27. 請求項20〜26のいずれかに記載の共重合体をカップリング架橋させて得られることを特徴とする架橋高分子。
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