JP2006172739A - 電磁操作機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】固定鉄心1と、固定鉄心1の励磁状態に応じて往復移動するように支承され周面の少なくとも一部を固定鉄心1に対向する可動鉄心2と、固定鉄心1の磁路の一部を構成し可動鉄心1の端面の一方または他方を固定鉄心1に吸着保持させるための永久磁石3と、固定鉄心1の励磁状態を変化し可動鉄心2を駆動させるための駆動コイルとを備え、可動鉄心2の固定鉄心1に対向する周面に設けられ可動鉄心1の往復移動方向に延在して摺動接触部を形成する角部CPを曲面形状とした。
【選択図】図3
Description
これを防ぐために、先行例ではリニアベアリングを設置しているが、リニアベアリングは高価であるだけでなく、その配置にも精度が要求され、組み立てコストがかかるという問題点があった。
この発明による実施の形態1を図1から図6までについて説明する。図1は実施の形態1における電磁操作機構の構成を示す断面摸式図である。図2は実施の形態1における可動鉄心からなる可動子の構成を示す斜視図である。図3は図1のIII−III線における断面図である。図4は実施の形態1における電磁操作機構の構成を示す要部断面図である。図5は電磁操作機構の変形構成を示す斜視図である。図6は実施の形態1における電磁操作機構の変形構成を示す断面摸式図である。
電磁操作装置6は、可動子2と接続された可動軸21が接点対5と連結され、電磁操作装置6を動作させることで、接点対5を開閉操作し、接点対5に流れる回路電流を入り切りするものである。
このように、固定子1や可動子2が積層鋼板で構成されるのは、過渡的に変動する磁束が鉄心内を貫通するときに発生する渦電流を防止するためである。渦電流とは、磁束の侵入を妨げるよう鉄心表面に発生する環状電流である。鉄心を積層することにより、この渦電流を抑制することで、電磁石の性能(動作効率)を上げることができることは周知の技術である。
可動鉄心からなる可動子2は、全体として直方体からなる矩形の形状を有し、その周面の少なくとも一部は固定鉄心からなる固定子1に対向する。可動鉄心からなる可動子2の周面には可動子2の移動方向に延在する角部CPが形成されており、この角部CPが固定子1との摺動接触部を構成する。
この実施の形態では、この積層された可動子2の最も外側の鋼板22の幅を長くして側面を一定の曲率で曲げ、角部CPに相当する部分に曲面を形成する。
たとえば、図1に示すように、可動子2が固定子の1上部に接触している時、永久磁石3がつくる磁束により可動子2は固定子1上面に吸着保持される。
コイル41を励磁すると、コイル41のつくる磁場が永久磁石3のそれに打ち勝つと可動子2は下方に吸引され、その後、コイル41の励磁を止めても、永久磁石3のつくる磁束により可動子2は下方に吸着保持されたままである。
原理的に上下対称であるので、コイル40を励磁すれば、同じ原理により可動子2は上方に駆動され、その後、コイル40への励磁を止めても、可動子は上方に吸着保持される。
摺動摩擦が大きいと、電磁アクチュエータの動作を阻害するため、一定の駆動特性を得るには電磁アクチュエータに余分なエネルギーが必要とされるので、非効率的である問題が生じる。
この実施の形態では、可動子2のエッジ部分に形成される角部CPを曲面に形成している。
2物体間の摺動摩擦は2物体間の接触面積に比例する。2物体間の接触面積は、通常複数の点で接触しており、2物体間に作用する押付け力と物体の降伏応力で決定される。つまり、摩擦力(摩擦係数)は面圧(=押付け力/接触面積)に依存する。
上記のごとく、接触する物体の曲率を大きくすることは、接触面積を増加させるので、面圧を低下させ、摩擦を低減させる効果がある。また、面圧が低いと接触部の摺動による損傷を抑制することができる。逆に言えば、面圧が高いと多数回の摺動動作により接触部が損傷していくので、接触面積が増大し摩擦力が上昇してしまい、駆動特性が安定しない問題が発生する。この実施の形態のように、面圧が低くできれば、即ち、電磁アクチュエータの駆動特性が、多数回動作後でも変わらないことを意味する。
図5および図6は、例えば、特開2004−227966公報に開示されているアクチュエータを示すものである。摺動接触する部位が異なるが、可動子の回転により、固定部と接触することは同一であり、このような構成を持つ電磁操作機構にも、前述した手段を適用することができる。
この発明による実施の形態2を図7について説明する。図7は実施の形態2における可動鉄心からなる可動子の構成を示す端面図である。
この実施の形態2において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1における構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
実施の形態1では、積層可動子の最外鋼板を曲げたが、この実施の形態2における図7に示すように、最外鋼板22のエッジを曲面加工しても同じ効果が得られる。もちろん、このことは、ブロック型の可動子のエッジでも同じである。
なお、以上の手段は、実施の形態1において説明した図5および図6に示す構成に適用することができる。
この発明による実施の形態3を図8および図9について説明する。図8は実施の形態3における電磁操作機構の構成を示す要部断面図である。図9は実施の形態3における電磁操作機構の構成を示す要部断面図である。
この実施の形態3において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1および実施の形態2における構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
この発明による実施の形態4を図10および図11について説明する。図10は実施の形態4における可動子の構成を示す斜視図である。実施の形態11における電磁操作機構の変形構成を示す要部断面図である。
この実施の形態4において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1から実施の形態3までにおける構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
実施の形態1では、可動子2が回転することを前提にしているが、この実施の形態4では、可動子2が回転して固定子1と接触しないようにする回転抑制手段を設けたものである。
これにより、可動軸21によってて可動子2の回転角を抑制する。もちろん可動軸2にも摩擦が発生するが、回転角を小さく抑制できれば、磁束の偏りつまりモーメントを抑制することができるので、可動軸21での摩擦を抑制することができる。
ここで、可動軸21の横断面および軸受の支承面の横断面は、六角形の他、四角形や楕円形などの非円形にすることができる。
この発明によれば、矩形可動子と固定子の間に低摩擦係数ないしは高硬度のシート材を挿入することにより、摩擦力を小さく、ないしは安定に(多数回動作させた場合でも、摩擦上昇が小さい)することができる。
この発明によれば、矩形可動子の回転角を抑制することにより、接触圧力を低減することができ摩擦力の上昇を防ぐことができる。
Claims (9)
- 固定鉄心と、前記固定鉄心の励磁状態に応じて往復移動するように支承され周面の少なくとも一部を前記固定鉄心に対向する可動鉄心とを備え、前記可動鉄心の前記固定鉄心に対向する周面に設けられ前記可動鉄心の往復移動方向に延在して摺動接触部を形成する角部を曲面形状としたことを特徴とする電磁操作機構。
- 前記固定鉄心の磁路の一部を構成し前記可動鉄心の端面の一方または他方を前記固定鉄心に吸着保持させるための永久磁石と、前記固定鉄心の励磁状態を変化し前記可動鉄心を駆動させるための駆動コイルとを設けたことを特徴とする請求項1に記載の電磁操作機構。
- 前記可動鉄心が積層磁性板にて構成され、最外層に配置された磁性板の両側縁のみを曲げることで曲面を構成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁操作機構。
- 前記可動鉄心が積層磁性板にて構成され、最外層に配置された磁性板の両側縁におけるエッジを曲面加工することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁操作機構。
- 固定鉄心と、前記固定鉄心の励磁状態に応じて往復移動するように支承され周面の少なくとも一部を前記固定鉄心に対向する可動鉄心と、前記固定鉄心の磁路の一部を構成し前記可動鉄心の端面の一方または他方を前記固定鉄心に吸着保持させるための永久磁石と、前記固定鉄心の励磁状態を変化し前記可動鉄心を駆動させるための駆動コイルとを備え、前記可動鉄心と固定鉄心の摺動接触部に、高硬度材料からなる薄板を挟むことを特徴とする電磁操作機構。
- 固定鉄心と、前記固定鉄心の励磁状態に応じて往復移動するように支承され周面の少なくとも一部を前記固定鉄心に対向する可動鉄心と、前記固定鉄心の磁路の一部を構成し前記可動鉄心の端面の一方または他方を前記固定鉄心に吸着保持させるための永久磁石と、前記固定鉄心の励磁状態を変化し前記可動鉄心を駆動させるための駆動コイルとを備え、前記可動鉄心の回転を抑制する回転抑制手段を設けたことを特徴とする電磁操作機構。
- 前記可動鉄心と固定鉄心間の空隙を寸法公差の許す限り最小寸法で構成することにより、可動鉄心の回転角を小さく抑制することを特徴とする請求項6に記載の電磁操作機構。
- 前記可動鉄心に設けられる可動軸、および、これを支承する軸受の断面を非円形に構成することにより、可動鉄心の回転を抑制することを特徴とする請求項6に記載の電磁操作機構。
- 前記可動鉄心と固定鉄心間に凹凸部分を設けて、可動鉄心の回転を抑制することを特徴とする請求項6に記載の電磁操作機構。
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