JP2006172561A - 発熱体を備えた薄膜磁気ヘッド、該薄膜磁気ヘッドを備えたヘッドジンバルアセンブリ及び該ヘッドジンバルアセンブリを備えた磁気ディスク装置 - Google Patents

発熱体を備えた薄膜磁気ヘッド、該薄膜磁気ヘッドを備えたヘッドジンバルアセンブリ及び該ヘッドジンバルアセンブリを備えた磁気ディスク装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006172561A
JP2006172561A JP2004361061A JP2004361061A JP2006172561A JP 2006172561 A JP2006172561 A JP 2006172561A JP 2004361061 A JP2004361061 A JP 2004361061A JP 2004361061 A JP2004361061 A JP 2004361061A JP 2006172561 A JP2006172561 A JP 2006172561A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic head
thin film
heating element
film magnetic
positive pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004361061A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Hirabayashi
啓 平林
Hidetoshi Matsui
秀敏 松井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2004361061A priority Critical patent/JP2006172561A/ja
Publication of JP2006172561A publication Critical patent/JP2006172561A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Magnetic Heads (AREA)
  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Abstract

【課題】発熱体からの熱を受けても浮上量が安定していて、書き込み読み出し特性の向上が図れる薄膜磁気ヘッドの提供。
【解決手段】後端部に又は後端部に及んで形成された少なくとも1つの正圧発生部を有する浮上面とこの浮上面を底面とした際の側面の1つに相当する素子形成面とを備えたスライダ基板と、この素子形成面上に形成されておりその端部が少なくとも1つの正圧発生部に近接する位置又は接する位置に設けられた少なくとも1つの磁気ヘッド素子と、素子形成面上に形成されておりこの少なくとも1つの磁気ヘッド素子の少なくとも動作時に発熱せしめられる少なくとも1つの発熱体とを備えた薄膜磁気ヘッドであって、少なくとも1つの磁気ヘッド素子が、トラック幅方向において、少なくとも1つの正圧発生部における浮上時の圧力のピーク位置からずれた位置に設置された薄膜磁気ヘッドが提供される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、発熱体を備えた薄膜磁気ヘッド、この薄膜磁気ヘッドを備えたヘッドジンバルアセンブリ(HGA)及びこのHGAを備えた磁気ディスク装置(HDD)に関する。
HDDが備えている薄膜磁気ヘッドは、信号の書き込み又は読み出しに際し、回転する磁気ディスク上において流体力学的に所定の間隙(浮上量)をもって浮上する。薄膜磁気ヘッドは、この浮上状態において磁気ヘッド素子によって信号の書き込み及び/又は読み出しを行う。この際、薄膜磁気ヘッドを構成するスライダ基板の磁気ディスクと対向する面(浮上面(ABS))に適切な加工を施すことによって、所定の浮上量、ピッチ角及びロール角等を有する浮上状態を実現している。
近年のHDDの大容量小型化に伴う高記録密度化に際して、薄膜磁気ヘッドのトラック幅はより減少する傾向にある。このトラック幅減少による書き込み及び読み出し能力の低下を回避するために、浮上量はより小さな値に設定されている。この際、ABSの加工形状に種々の工夫を施して正圧発生部と負圧発生部を適切に配置し、磁気ディスクの内周から外周にわたってこの微小な浮上量を所定範囲に安定させる方法が採用されている(例えば、特許文献1、2)。この場合、空気が流出する側であるトレーリング側の正圧発生部の圧力ピーク位置に合わせて磁気ヘッド素子を配置することによって、書き込み及び読み出し特性の安定化を図っている。
さらに、磁気ヘッド素子近傍に発熱体を設けてTPTP(Thermal Pole Tip Protrusion)現象を積極的に利用することにより、薄膜磁気ヘッド個々の浮上量ばらつきを調整し、微小な浮上量を精度良く制御する方法が検討されている(例えば、特許文献3〜6)。
実際に、上述したような形状に種々の工夫を施したABSの加工は、高精度が要求されるものであるが非常に微細であるので、薄膜磁気ヘッド間での加工ばらつきは不可避となっている。この加工ばらつきによって浮上量、ピッチ角及びロール角等の浮上特性もばらつくことになる。そこで、この発熱体を用いて、個々の薄膜磁気ヘッドにおいて発熱体への通電量を調整することによって、浮上量を所定範囲に調整して浮上特性のばらつきを吸収することが検討されている。
特開2001−176232号公報 特開平06−215516号公報 特開2003−168274号公報 特開2003−272335号公報 特開平05−020635号公報 米国特許第5,991,113号明細書
しかしながら、上述したような従来の発熱体を備えた薄膜磁気ヘッドにおいては、発熱体の発熱によって、浮上量等の浮上特性が内周から外周にわたる磁気ディスク内の位置によって大きく変動して、浮上状態が安定しないという問題が生じていた。
実際に、発熱体への通電量を調整して浮上量を安定させるとしても、薄膜磁気ヘッドごとに調整用の通電量が異なるため、ABS形状もこの通電量に応じて異なってしまう。その結果、各薄膜磁気ヘッドのABS形状を所定の設計範囲に納めることが困難となるので、内周から外周にわたる磁気ディスク内の位置によって浮上量等の浮上特性が大きく変化してしまう。例えば、発熱体に通電して、磁気ヘッド素子を磁気ディスク方向に突出させても、この通電によって浮上量そのものが大きくなってしまい、突出に応じた書き込み及び読み出し特性の向上が得られない事態が発生していた。さらに、この場合、所望の書き込み及び読み出し特性を得るために、発熱体により多くの印加電力が必要となるので、発熱体による消費電力の増大も生じていた。
従って、本発明の目的は、発熱体からの熱を受けても浮上量が安定していて、発熱体による突出に応じた書き込み及び読み出し特性の向上が得られる薄膜磁気ヘッド、この薄膜磁気ヘッドを備えたHGA及びこのHGAを備えたHDDを提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、発熱体による書き込み及び読み出し特性の調整効率が高められて発熱体の消費電力が低減された薄膜磁気ヘッド、この薄膜磁気ヘッドを備えたHGA及びこのHGAを備えたHDDを提供することにある。
本発明について説明する前に、明細書において用いられる用語の定義を行う。薄膜磁気ヘッドのスライダ基板の素子形成面に形成された素子又は層構造等において、基準物よりも素子形成面側にあるものは「下部」とし、又は「下方」にあるとし、素子形成面とは反対側にあるものは「上部」とし、又は「上方」にあるとする。
また、ABSにおいて、空気が流出する側、いわゆるトレーリング側を「後ろ」とし、反対のリーディング側を「前」とする。従って、例えばABSの「後端部」とは、ABSにおけるトレーリング側の端部を意味するものとする。
本発明によれば、後端部に又は後端部に及んで形成された少なくとも1つの正圧発生部を有するABSとこのABSを底面とした際の側面の1つに相当する素子形成面とを備えたスライダ基板と、この素子形成面上に形成されておりその端部が少なくとも1つの正圧発生部に近接する位置又は接する位置に設けられた少なくとも1つの磁気ヘッド素子と、素子形成面上に形成されておりこの少なくとも1つの磁気ヘッド素子の少なくとも動作時に発熱せしめられる少なくとも1つの発熱体とを備えた薄膜磁気ヘッドであって、少なくとも1つの磁気ヘッド素子が、トラック幅方向において、少なくとも1つの正圧発生部における浮上時の圧力のピーク位置からずれた位置に設置された薄膜磁気ヘッドが提供される。
磁気ヘッド素子が、トラック幅方向において、少なくとも1つの正圧発生部における浮上時の圧力のピーク位置からずれた位置に設けられている。ここで、発熱体に通電することによって、磁気ヘッド素子の端部が磁気ディスク方向に突出するが、この突出の中心位置は、薄膜磁気ヘッド全体を支える支点となる圧力のピーク位置からずれている。従って、正圧発生部における圧力分布に大きな影響を与えず、浮上量はあまり変化しない。この結果、発熱体からの熱を受けても浮上量が安定していて、発熱体による突出に応じた書き込み及び読み出し特性の向上を実現することができる。さらに、発熱体による書き込み及び読み出し特性の調整効率が高くなるので、発熱体による消費電力を低減することができる。
少なくとも1つの正圧発生部が、ABSの後端部であってトラック幅方向における中央部に設置された正圧発生パッドであることが好ましい。または、少なくとも1つの正圧発生部が、ABSのトラック幅方向における両端部に前後にわたってそれぞれ設けられている2つの正圧発生レールであることも好ましい。
少なくとも1つの発熱体が、少なくとも1つの磁気ヘッド素子のABSとは反対側の位置に設けられていることが好ましい。また、少なくとも1つの発熱体が、通電することによって発熱する導電材料によって形成されている発熱導電層であることも好ましい。
発熱体の位置が磁気ヘッド素子のABSとは反対側にある場合、磁気ヘッド素子において、薄膜磁気ヘッド内の他の部分の膨張によって押し出される又は引き出される圧力の方向は、主に磁気ディスク方向となる。その結果、発熱体の発熱に関して効率良く、磁気ヘッド素子の端部を突出させることができる。
少なくとも1つの磁気ヘッド素子が、書き込み用の電磁コイル素子及び/又は読み出し用の巨大磁気抵抗効果素子若しくはトンネル磁気抵抗効果素子からなることが好ましい。
面内通電型(CIP(Current In Plain))巨大磁気抵抗効果(GMR(Giant Magneto Resistive))素子、垂直通電型(CPP(Current Perpendicular to Plain))GMR素子又はトンネル磁気抵抗効果(TMR(Tunnel Magneto Resistive))素子はいずれも非常に高い磁界感度を有するが、その出力が温度に強く依存する。従って、本発明による薄膜磁気ヘッドの読み出し用の磁気ヘッド素子としてこれらの素子を用いる場合、発熱体による書き込み及び読み出し特性の調整効率が向上し、これらの素子の温度上昇が抑制されるので、出力の変動を低減させつつ、これらの素子の有する高い磁界感度を有効に利用することができる。
本発明によれば、さらに、上述した薄膜磁気ヘッドを少なくとも1つ備えており、少なくとも1つの発熱体に電流を供給するためのリード線をさらに備えたHGAが提供される。
本発明によれば、さらにまた、このHGAを少なくとも1つ備えており、少なくとも1つの発熱体へ供給する電流を制御する電流制御手段をさらに備えたHDDが提供される。ここで、この電流制御手段が、少なくとも1つの磁気ヘッド素子の動作時に少なくとも1つの発熱体へ電流を供給する制御手段であることが好ましい。さらに、この電流制御手段が、発熱体制御信号系を有しており、この発熱体制御信号系が少なくとも1つの磁気ヘッド素子の記録再生制御信号系とは独立して、少なくとも1つの発熱体に供給される電流を制御することがより好ましい。
このように、記録再生制御信号系とは独立して、発熱体制御信号系を設けることによって、書き込み及び読み出し動作とのタイミングを考慮した上で、より多様な通電モードを用いることが可能となり、より適切な浮上量の制御を実現することができる。
本発明による発熱体を備えた薄膜磁気ヘッド、この薄膜磁気ヘッドを備えたHGA及びこのHGAを備えたHDDによれば、発熱体からの熱を受けても浮上量が安定していて、発熱体による突出に応じた書き込み及び読み出し特性の向上を実現することができる。さらに、発熱体による書き込み及び読み出し特性の調整効率が高くなるので、発熱体による消費電力を低減することができる。
以下に、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図面において、同一の要素は、同一の参照番号を用いて示されている。
図1は、本発明によるHDDの一実施形態における要部の構成を概略的に示す斜視図であり、図2は、本発明によるHGAの一実施形態を示す斜視図である。
図1において、10はスピンドルモータ11の回転軸の回りを回転する複数の磁気ディスク、12は薄膜磁気ヘッド(スライダ)をトラック上に位置決めするためのアセンブリキャリッジ装置、13は薄膜磁気ヘッドの書き込み及び読み出し動作、並びに発熱動作を制御するための記録再生及び発熱制御回路をそれぞれ示している。
アセンブリキャリッジ装置12には、複数の駆動アーム14が設けられている。これらの駆動アーム14は、ボイスコイルモータ(VCM)15によってピボットベアリング軸16を中心にして角揺動可能であり、この軸16に沿った方向にスタックされている。各駆動アーム14の先端部には、HGA17が取り付けられている。各HGA17には、スライダが、各磁気ディスク10の表面に対向するように設けられている。磁気ディスク10、駆動アーム14、HGA17及び薄膜磁気ヘッド(スライダ)は、単数であってもよい。
図2に示すように、HGAは、サスペンション20の先端部に、磁気ヘッド素子を有するスライダ21を固着し、さらにそのスライダ21の端子電極に配線部材25の一端を電気的に接続して構成される。
サスペンション20は、ロードビーム22と、このロードビーム22上に固着され支持された弾性を有するフレクシャ23と、ロードビーム22の基部に設けられたベースプレート24と、フレクシャ23上に設けられておりリード導体及びその両端に電気的に接続された接続パッドからなる配線部材25とから主として構成されている。
本発明のHGAにおけるサスペンションの構造は、以上述べた構造に限定されるものではないことは明らかである。なお、図示されていないが、サスペンション20の途中にヘッド駆動用ICチップを装着してもよい。
図3は、本発明による薄膜磁気ヘッドの第1の実施形態における概略的な構成を示す斜視図である。
図3に示すように、本実施形態における薄膜磁気ヘッド(スライダ)は、ABS40を加工して形成された正圧発生パッド410を含むABSパターン41と、素子形成面42上に形成されており互いに積層された読み出し用のMR効果素子430及び書き込み用の電磁コイル素子431からなる磁気ヘッド素子43と、素子形成面42上であって磁気ヘッド素子のABSとは反対側の位置に設けられた発熱導電層44と、素子形成面42上に形成されており磁気ヘッド素子43に接続された4つの信号端子電極45及び46と、同じく素子形成面42上に形成された発熱導電層44に流す電流用の駆動端子電極47とを備えている。ここで、駆動端子電極47は、信号端子電極45及び46の群の両側にそれぞれ配置されている。これは、特開2004−234792号公報に記載されているように、MR効果素子430の配線と電磁コイル素子431の配線との間におけるクロストークを防止することができる配置である。ただし、クロストークが許容される場合には、駆動端子電極47が、例えば信号端子電極45と信号端子電極46との間の位置等に配置されてもよい。なお、これらの端子電極の数も、図3の形態に限定されるものではない。図3において端子電極は6つであるが、例えば、電極を5つとした上でグランドをスライダ基板に接地した形態でもよい。
MR効果素子430における信号磁界を感受するMR積層体の端部、及び電磁コイル素子431における書き込み用の磁界を外部に漏洩させる上下部磁極層間のギャップ部は、正圧発生パッド410の素子形成面側の辺に近接して形成されており、これらの磁気ヘッド素子43の端部はABSから少しリセスしたヘッド端面400に達している。ここで、磁気ヘッド素子43は、トラック幅方向において、正圧発生パッド410における浮上時の圧力分布に対応する圧力分布曲線のピーク位置からずれて形成されている。磁気ヘッド素子43のABS40に対して垂直な中心線48は、圧力分布曲線のピーク位置を示す基準線49から所定の距離Dだけずれている。この距離Dは、浮上量等の浮上特性の安定性を確保するために、約0.05mm〜約0.5mmであることが好ましい。なお、上述したように、磁気ヘッド素子43の端部が、正圧発生パッド410の素子形成面側の辺に近接した位置に設置されているため、圧力分布曲線のピーク位置がこの辺の中点に対応するとすると、D値は、少なくともこの辺の長さの半分未満となる。
図4は、図3の実施形態における薄膜磁気ヘッドの構成を示す、図3の中心線48での断面図である。
図4において、スライダ基板40の素子形成面42上に、読み出し用のMR効果素子430と、書き込み用の電磁コイル素子431と、発熱導電層44とが形成されている。さらに、これらの磁気ヘッド素子43及び発熱導電層44を覆うようにオーバーコート層50が、同じく素子形成面42上に形成されている。
MR効果素子430は、MR効果層430bと、この層を挟む位置に配置される下部シールド層430a及び上部シールド層430cとを含む。MR効果層430bは、CIP-GMR多層膜、CPP-GMR多層膜又はTMR多層膜からなり、非常に高い感度で磁気ディスクからの信号磁界を感知する。MR効果層430bがCPP-GMR多層膜又はTMR多層膜からなる場合、上下部シールド層430c及び430aはそれぞれ上下部電極として兼用される。上下部シールド層430c及び430aはともに磁性層であり、MR効果層430bに対して雑音となる外部磁界を遮断する役割を有する。
電磁コイル素子431は、下部磁極層431a、磁気ギャップ層431b、コイル層431c及び上部磁極層431dを含む。下部磁極層431a及び上部磁極層431dは、コイル層431cによって自身に誘導された磁束を、書き込みがなされる磁気ディスク表面にまで収束させながら導くための磁路である。なお、MR効果素子430の上部シールド層430cと電磁コイル素子431の下部磁極層431aとが一体となって、1つの層で両層の機能を兼ねてもよい。
発熱導電層44は、通電によって自らが発した熱をスライダ基板40及びオーバーコート層50に伝搬させる。この熱を受け取ったスライダ基板40及びオーバーコート層50は、自らが膨張することによって又は押し出されることによって磁気ヘッド素子43を磁気ディスクの方向に押し出す。これにより磁気ヘッド素子43の端部が磁気ディスク方向に突出する。この結果、磁気ヘッド素子43の先端と磁気ディスク表面との実効距離をより小さな値に設定することができる。この際、発熱導電層44への通電量を制御することよって、この実効距離の微細な調整が可能となる。
発熱導電層44は、つづら折り形状、螺旋形状、単層状等、種々の形状を取り得る。所定範囲の大きさ及び抵抗値を有し、スライダ基板40及びオーバーコート層50を確実に加熱するものならば、すべて本発明の範囲内である。発熱導電層44の位置についても、例えば、素子形成面42を堀り込んで凹部を設けた上で、この凹部中に発熱導電層44を配置してもよい。
次いで、同じく図4を用いて、上記の構成の詳細を説明する。スライダ基板40は、例えばアルティック(Al−TiC)等から形成されている。下部シールド層430aは、スライダ基板40上に形成された絶縁層上に積層されており、例えば厚さ約0.3μm〜約3μmのNiFe、NiFeCo、CoFe、FeN又はFeZrN等から形成されている。
MR効果層430bは、シールドギャップ層を介して下部シールド層430a上に形成されており、例えばCIP-GMR多層膜、CPP-GMR多層膜又はTMR多層膜から構成される。上部シールド層430cは、MR効果層430bを覆うように形成されたシールドギャップ層上に積層されており、例えば厚さ約0.3μm〜約4μmのNiFe、NiFeCo、CoFe、FeN又はFeZrN等から形成されている。なお、MR効果層430bがCPP-GMR多層膜又はTMR多層膜で構成される場合、シールドギャップ層は不要となる。ここで、上下部シールド層430c及び430aの間隔である再生ギャップ長は、約0.03μm〜約1μmである。
下部磁極層431aは、非磁性層を介して上部シールド層430c上に積層されており、例えば厚さ約0.3μm〜約3μmのNiFe、NiFeCo、CoFe、FeN又はFeZrN等から形成されている。磁気ギャップ層431bは、下部磁極層431a上に積層されており、例えば厚さ約0.03μm〜約0.5μm(記録ギャップ長に相当)のAl又はDLC等から形成されている。コイル層431cは、上下部磁極層431d及び431aに一部が挟まれたコイル絶縁層中に形成されており、例えば厚さ約0.5μm〜約3μmのCu等からなる。上部磁極層431dは、下部磁極層431aと共に磁極及び磁気ヨークを構成しており、例えば厚さ約0.5μm〜約5μmのNiFe、NiFeCo、CoFe、FeN又はFeZrN等から形成されている。
発熱導電層44は、スライダ基板40上に形成された絶縁層上に積層されているが、例えば約0.1μm〜約5μm程度の厚さを有しており、例えばNiCuを含む材料、NiCrを含む材料又はTa単体若しくはTaを含む材料からなる。この発熱導電層44の形状及び構成材料については、後に詳述する。最後に、オーバーコート層50は、磁気ヘッド素子43及び発熱導電層44を覆うように素子形成面42上に積層されておりAl等から形成されている。
図5は、図3の実施形態における薄膜磁気ヘッドの正圧発生パッド410における浮上時の圧力分布を示す図である。
同図において、正圧発生パッド410における浮上時の圧力分布60は、一般に非常に急峻なピークを有している。この圧力分布60を素子形成面42を含む面に正射投影した圧力分布曲線が600である。基準線49は、圧力分布曲線600のピーク位置を通っておりABS40に垂直な線となる。ここで、磁気ヘッド素子43及び発熱導電層44の中心線48が、基準線49からトラック幅方向において所定の距離Dだけずれるように、磁気ヘッド素子43及び発熱導電層44が設置されている。この際、磁気ヘッド素子43の端部の位置(中心線48の位置)に対応する圧力値はPとなるが、実際には、このPが圧力のピーク値PMAXの75%以下となるように、D値が設定される。なお、同図においては、磁気ヘッド素子43及び発熱導電層44のずれを強調して理解を容易にするために、D値の寸法が、正圧発生パッド410の各寸法に比べて極端に大きく描かれている。
この位置に磁気ヘッド素子43及び発熱導電層44が存在する場合において、この発熱導電層44に通電する状況を考える。この通電によって、磁気ヘッド素子43の端部が磁気ディスク方向に突出するが、この突出の中心位置は、圧力分布曲線600において圧力の低い領域内にある。すなわち、スライダの支点となる正圧ピーク位置からは離れている。従って、この通電による突出は、支点となる正圧ピーク付近の分布に対して大きな影響を与えない。従って、浮上量はあまり変化しない。これに対して、従来の薄膜磁気ヘッドのように磁気ヘッド素子が圧力ピーク位置(D=0)にある場合、この位置がスライダ全体を支える支点の1つとなる。従って、磁気ヘッド素子43の端部が、磁気ディスク方向に突出することによって、スライダの浮上状態に大きな影響を与えてしまう。その結果、浮上量が変動する。
図6は、図3の実施形態における薄膜磁気ヘッド(スライダ)における、発熱導電層44への印加電力と磁気ヘッド素子43の端部の突出量及びスライダの浮上量との関係を概略的に示す特性図である。
同図によれば、発熱導電層44への印加電力が大きくなるにつれて、磁気ヘッド素子43の端部の突出量が増加する。しかしながら、スライダの浮上量は変化せず、一定値を保つ。従って、発熱導電層44への印加電力に応じて、磁気ヘッド素子43の先端と磁気ディスク表面との実効距離を小さくすることができる。一方、従来の薄膜磁気ヘッドの場合、発熱体への印加電力が大きくなるにつれて、スライダの浮上量は、増大又は減少し、さらにこの傾向そのものが磁気ディスク内において変動する。例えば、発熱体への印加電力の増加とともに浮上量が増大する場合、磁気ヘッド素子の先端と磁気ディスク表面との所望の実効距離を得るためには、増大する浮上量を上回る突出を引き起こす必要があり、発熱による書き込み及び読み出し特性の調整効率が非常に悪くなる。これに対して、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいては、効率の良い調整が可能となる。
図7は、本発明による薄膜磁気ヘッドの第2の実施形態における概略的な構成を示す斜視図である。
図7に示すように、本実施形態における薄膜磁気ヘッド(スライダ)は、ABS70を加工して形成された2つの正圧発生レール710及び711を含むABSパターン71と、素子形成面72上に形成されており互いに積層された読み出し用のMR効果素子730及び書き込み用の電磁コイル素子731からなる磁気ヘッド素子73と、素子形成面72上であって磁気ヘッド素子のABSとは反対側の位置に設けられた発熱導電層74と、素子形成面72上に形成されており磁気ヘッド素子73に接続された4つの信号端子電極75及び76と、同じく素子形成面72上に形成された発熱導電層に流す電流用の駆動端子電極77とを備えている。なお、これらの端子電極の位置関係及び数の態様は、図3における信号端子電極45及び46、並びに駆動端子電極47における場合と同様である。
MR効果素子730における信号磁界を感受するMR積層体の端部、及び電磁コイル素子731における書き込み用の磁界を外部に漏洩させる上下部磁極層間のギャップ部は、正圧発生レール710の素子形成面側の辺に近接して形成されており、これらの磁気ヘッド素子73の端部はABSから少しリセスしたヘッド端面700に達している。ここで、磁気ヘッド素子73は、トラック幅方向において、正圧発生パッド710における浮上時の圧力分布のピーク位置からずれて形成されている。磁気ヘッド素子73のABS70に対して垂直な中心線78は、圧力分布曲線のピーク位置を示す基準線79から所定の距離D´だけずれている。この距離D´は、浮上量等の浮上特性の安定性を確保するために、約0.05mm〜約0.5mmであることが好ましい。なお、上述したように、磁気ヘッド素子73の端部が、正圧発生レール710の素子形成面側の辺に近接した位置に設置されているため、圧力分布曲線のピーク位置がこの辺の中点に対応するとすると、D´値は、少なくともこの辺の長さの半分未満となる。
ここで、第2の実施形態における薄膜磁気ヘッドの素子形成面上の構成は、第1の実施形態の場合(図4)と同様である。さらに、第2の実施形態における薄膜磁気ヘッドの正圧発生レール710における浮上時の圧力分布、及びこの圧力分布に対する磁気ヘッド素子の位置関係も第1の実施形態の場合(図5)と同様である。
なお、本発明による薄膜磁気ヘッドにおいては、上述した第1及び第2の実施形態以外にも種々の形態を取り得る。特に、ABSの加工形状及びこの形状と磁気ヘッド素子の位置に関して、ABSの後端部に又は後端部に及んで1つ又は複数の正圧発生部が形成されていて、磁気ヘッド素子の端部がこの正圧発生部に近接する位置又は接する位置であって、トラック幅方向において正圧発生部における浮上時の圧力のピーク位置からずれた位置に設置されていれば、本発明の範囲内である。
図8は、第1の実施形態における発熱導電層44の構成を示す平面図である。なお、第2の実施形態における発熱導電層74の構成も同様である。
図8によると、発熱導電層44は、1本のラインを層内で蛇行させた発熱部44cと、発熱部44cの両端にそれぞれ接続された引き出し電極44a及び44bとを有しており、所定の長さの通電路となっている。
より具体的には、発熱部44cは、所定の始点80から折り返し点81まで矩形波状に蛇行するように形成された上り部86と、折り返し点81から始点80の近傍の終点82まで上り部86に沿って蛇行しながら戻るように形成された下り部87と、始点80と引き出し電極44aとを接続する接続部84と、終点82と引き出し電極44bとを接続する接続部85とを有している。また、互いに沿うように形成された上り部86と下り部87との間隔Wは、互いに面する上り部86同士の間隔W及び互いに面する下り部87同士の間隔Wと比較して、狭くなるように設定されている。
発熱部44cは、例えば、約0.1μm〜約5μm程度の厚さを有しており、例えば、NiCuを含む材料からなる。ここで、NiCuにおけるNiの含有割合は、例えば、約15〜約60原子%であり、好ましくは25〜55原子%である。また、このNiCuに対する添加物として、Ta、Al、Mn、Cr、Fe、Mo、Co、Rh、Si、Ir、Pt、Ti、Nb、Zr及びHfのうち、少なくとも1つの元素が含まれていてもよい。これらの添加物の含有割合は、5原子%以下であることが好ましい。
また、発熱部44cは、例えば、NiCrを含む材料からなっていてもよい。この場合、NiCrにおけるNiの含有割合は、例えば、約55〜約90原子%であり、好ましくは70〜85原子%である。また、このNiCrに対する添加物として、Ta、Al、Mn、Cu、Fe、Mo、Co、Rh、Si、Ir、Pt、Ti、Nb、Zr及びHfのうち、少なくとも1つの元素が含まれていてもよい。これらの添加物の含有割合は、5原子%以下であることが好ましい。
さらにまた、発熱部44cは、例えば、Ta単体又はTaを含む材料からなっていてもよい。ここで、Taに対する添加物として、Al、Mn、Cu、Fe、Mo、Co、Rh、Si、Ir、Pt、Ti、Nb、Zr及びHfのうち、少なくとも1つの元素が含まれていてもよい。これらの添加物の含有割合は、5原子%以下であることが好ましい。なお、引き出し電極44a及び44bは、発熱部44cと同じ材料である。
図9は、発熱導電層44の駆動端子電極47の構造を示す、図3におけるA−A線断面図である。なお、第2の実施形態における駆動端子電極77の構造も同様である。
同図に示された断面には、発熱導電層44から引き出された引き出し電極44a及び44bが現れている。なお、引き出し電極44a及び44bは、発熱部44cと同じ材料で形成されている。引き出し電極44a及び44b上には、導電性を有する電極膜部材90a及び90bがそれぞれ形成されている。この電極膜部材90a及び90b上には、この電極膜部材90a及び90bを電極として電界めっきによって形成された、上方に伸びるバンプ91a及び91bがそれぞれ設けられている。電極膜部材90a及び90b並びにバンプ91a及び91bは、Cu等の導電材料からなる。電極膜部材90a及び90bの厚みは、約10nm〜約200nm程度であり、バンプ91a及び91bの厚みは、約5μm〜約30μm程度である。
バンプ91a及び91bの上端は、オーバーコート層50から露出しており、これらの上端には、パッド92a及び92bがそれぞれ設けられている。以上の要素によって2つの駆動端子電極47がそれぞれ構成されている。この駆動端子電極47を介して、発熱導電層44に電流が供給されることになる。なお、同様にして、MR効果素子430及び電磁コイル素子431は信号端子電極45及び46(図3)と接続されているが、これらの接続構造は、図の簡略化のため図示されていない。
図10は、図1の実施形態におけるHDDの記録再生及び発熱制御回路13の回路構成を示すブロック図である。また、図11は、図1の実施形態におけるHDDの発熱導電層制御回路の構成を示すブロック図である。
図10において、100は記録再生制御LSIであり、サーマルアスペリティ(TA)検出回路100aを含む。101は、記録再生制御LSI100から記録データを受け取るライトゲート、102はライト回路、103は、発熱導電層への電流値の制御用テーブル等を格納するROM、105は、MR効果素子へセンス電流を供給する定電流回路、106は、MR効果素子の出力電圧を増幅する増幅器、107、は記録再生制御LSI100に対して再生データを出力する復調回路、108は温度検出器、109は、発熱導電層の制御回路をそれぞれ示している。
記録再生制御LSI100から出力される記録データは、ライトゲート101に供給される。ライトゲート101は、記録再生制御LSI100から出力され記録制御信号が書き込み動作を指示するときのみ、記録データをライト回路102へ供給する。ライト回路102は、この記録データに従ってコイル層に書き込み電流を流し、電磁コイル素子により磁気ディスク10(図1)上に書き込みを行う。
記録再生制御LSI100から出力される再生制御信号が読み出し動作を指示するときのみ、定電流回路105からMR効果層に定電流が流れる。このMR効果素子により読み出された信号は増幅器106で増幅された後、復調回路107で復調され、得られた再生データが記録再生制御LSI100に出力される。
本実施形態における発熱導電層制御回路109は、図11に示すような構成となっている。すなわち、発熱導電層の発熱部に、直流定電圧回路109a、スイッチングトランジスタ109b及び可変抵抗器109cによる直列回路が接続されている。記録再生制御LSI100から出力される発熱導電層ON/OFF信号は、スイッチングトランジスタ109bに供給される。また、記録再生制御LSI100から出力される発熱導電層電流値制御信号は、D/A変換器109dにおいてアナログ信号に変換された後、可変抵抗器109cに供給される。
発熱導電層ON/OFF信号がオン動作指示である場合、スイッチングトランジスタ109bがオンとなって電流が発熱導電層の発熱部に流れる。この際の電流値は、可変抵抗器109cにおいて、アナログに変換された発熱導電層電流値制御信号に応じた値に制御される。
このように、記録及び再生制御信号系とは独立して、発熱導電層ON/OFF信号及び発熱導電層電流値制御信号系を設けることによって、記録再生動作に連動した発熱導電層への通電のみならず、より多様な通電モードを実現することができる。
実際には、書き込み及び読み出し動作に対して所定のタイミングで、発熱導電層の発熱部に、所定の通電モードに対応した電流が流れる。この電流によって発生した発熱導電層からの熱が、オーバーコート層等を熱膨張させて、スライダ基板とともに磁気ヘッド素子の端部を磁気ディスク方向に突出させる。これにより、磁気ヘッド素子の先端と磁気ディスク表面との実効距離を書き込み動作時及び読み出し動作時にのみ小さくすることができる。このように、磁気ヘッド素子の動作時にのみこの実効距離を小さくすることにより、磁気ディスク表面にスライダが衝突するクラッシュの確率をさほど高めることなく、トラック幅の狭小化に伴う信号書き込み能力及び/又は信号読み出し能力の低下を補い、さらに記録ビットの微小化に伴う信号磁界の微弱化に対応することができる。この実効距離は、発熱部に流れる電流を制御する発熱導電層電流値制御信号により精度良く調整することができる。
なお、記録再生及び発熱制御回路13の回路構成は、図10及び図11に示したものに限定されるものでないことは明らかである。記録制御信号及び再生制御信号以外の信号で書き込み動作及び読み出し動作を特定しても良い。また、少なくとも書き込み動作時及び読み出し動作時の両方で発熱導電層を発熱させることが望ましいが、書き込み動作時若しくは読み出し動作時の一方でのみ、又は書き込み動作及び読み出し動作が連続する一定期間内において継続して発熱導電層を発熱させることも可能である。さらに、発熱導電層に通電する電流として、直流だけではなく、交流又はパルス電流等を用いることも可能である。
以下、本発明による薄膜磁気ヘッドにおける第1の実施形態において、実際に磁気ヘッド素子43を圧力ピーク位置からずらして設置することの効果を示すための実施例を示す。
図12(A)は、本実施例における磁気ヘッド素子43の位置、及び比較例としての磁気ヘッド素子の位置を示す図であり、図12(B)は、これらの実施例及び比較例における磁気ヘッド素子の端部位置での浮上量を示した特性図である。いずれの浮上量もシミュレーションによって求められている。
図12(A)によれば、比較例Aの磁気ヘッド素子及び発熱導電層は、浮上時の圧力分布曲線のピーク値を通る基準線49を中心線として位置している。また、実施例Bの磁気ヘッド素子43及び発熱導電層44は、その中心線48が基準線49から、トラック幅方向においてD=0.1mmだけ離れた位置に設置されている。
図12(B)によれば、比較例Aにおいて、発熱導電層への電力の印加によって、この磁気ヘッド素子の位置での浮上量が大幅に低下している。一方、実施例Bにおいて、発熱導電層44への電力の印加によって、磁気ヘッド素子43の位置での浮上量は若干増加しているが、比較例Aの減少の割合に比べて小さくなっている。
表1に、これらの浮上量のシミュレーション値、並びに磁気ヘッド素子のトラック幅方向における、内側、中心及び外側の浮上量の平均値の比較を示す。
Figure 2006172561
表1によれば、比較例Aの浮上量は、電力印加が無い場合に比べて、31.7%低下している。磁気ヘッド素子がこの位置に存在する場合、この位置がスライダ全体を支える支点の1つとなるため、この磁気ヘッド素子の端部が、磁気ディスク方向に突出することによって、スライダの浮上状態に大きな影響を与えてしまうと考えられる。一方、実施例Bの浮上量は、電力印加が無い場合に比べて7.3%増加しているが、比較例Aの減少の割合に比べて小さくなっている。この位置に磁気ヘッド素子43が存在する場合、発熱導電層44への通電によって、この磁気ヘッド素子43の端部が、磁気ディスク方向に突出しても、この位置がスライダ全体を支える支点からずれているので、正圧発生パッドにおける圧力分布に大きな影響を与えない。従って、磁気ヘッド素子43の位置での浮上量はあまり変化しない。この結果、発熱導電層44からの熱を受けても浮上量が安定していて、発熱導電層44による突出に応じた書き込み及び読み出し特性の向上を実現することができる。さらに、発熱導電層44による書き込み及び読み出し特性の調整効率が高くなるので、発熱導電層44による消費電力を低減することができる。
さらに、以上に述べた実施形態及び実施例は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
本発明によるHDDの一実施形態における要部の構成を概略的に示す斜視図である。 本発明によるHGAの一実施形態を示す斜視図である。 本発明による薄膜磁気ヘッドの第1の実施形態における概略的な構成を示す斜視図である。 図3の実施形態における薄膜磁気ヘッドの構成を示す、図3の中心線48での断面図である。 図3の実施形態における薄膜磁気ヘッドの正圧発生パッドにおける浮上時の圧力分布を示す図である。 図3の実施形態における薄膜磁気ヘッドにおける、発熱導電層への印加電力と磁気ヘッド素子の端部の突出量及びスライダの浮上量との関係を概略的に示す特性図である。。 本発明による薄膜磁気ヘッドの第2の実施形態における概略的な構成を示す斜視図である。 第1の実施形態における発熱導電層の構成を示す平面図である。 発熱導電層の駆動端子電極の構造を示す、図3におけるA−A線断面図である。 図1の実施形態におけるHDDの記録再生及び発熱制御回路の回路構成を示すブロック図である。 図1の実施形態におけるHDDの発熱導電層制御回路の構成を示すブロック図である。 本発明による薄膜磁気ヘッドの一実施例及び比較例における、磁気ヘッド素子の位置及び磁気ヘッド素子の端部位置での浮上量を示した特性図である。
符号の説明
10 磁気ディスク
11 スピンドルモータ
12 アセンブリキャリッジ装置
13 記録再生及び発熱制御回路
14 駆動アーム
15 ボイスコイルモータ(VCM)
16 ピボットベアリング軸
17 HGA
20 サスペンション
21 スライダ
22 ロードビーム
23 フレクシャ
24 ベースプレート
25 配線部材
40 ABS
400 ヘッド端面
41 ABSパターン
410 正圧発生パッド
42 素子形成面
43 磁気ヘッド素子
430 MR効果素子
430a 下部シールド層
430b MR効果層
430c 上部シールド層
431 電磁コイル素子
431a 下部磁極層
431b 磁気ギャップ層
431c コイル層
431d 上部磁極層
44 発熱導電層
44a、44b 引き出し電極
44c 発熱部
45、46 信号端子電極
47 駆動端子電極
48 中心線
49 基準線
50 オーバーコート層
60 圧力分布
600 圧力分布曲線
70 ABS
700 ヘッド端面
71 ABSパターン
710、711 正圧発生レール
72 素子形成面
73 磁気ヘッド素子
730 MR効果素子
730a 下部シールド層
730b MR効果層
730c 上部シールド層
731 電磁コイル素子
731a 下部磁極層
731b 磁気ギャップ層
731c コイル層
731d 上部磁極層
74 発熱導電層
75、76 信号端子電極
77 駆動端子電極
78 中心線
79 基準線
80 始点
81 折り返し点
82 終点
84、85 接続部
86 上り部
87 下り部
90a、90b 電極膜部材
91a、91b バンプ
92a、92b パッド
100 記録再生制御LSI
100a TA検出回路
101 ライトゲート
102 ライト回路
103 ROM
105 定電流回路
106 増幅器
107 復調回路
108 温度検出器
109 発熱導電層制御回路
109a 直流定電圧回路
109b スイッチングトランジスタ
109c 可変抵抗器
109d D/A変換器

Claims (10)

  1. 後端部に又は後端部に及んで形成された少なくとも1つの正圧発生部を有する浮上面と該浮上面を底面とした際の側面の1つに相当する素子形成面とを備えたスライダ基板と、該素子形成面上に形成されており端部が該少なくとも1つの正圧発生部に近接する位置又は接する位置に設けられた少なくとも1つの磁気ヘッド素子と、前記素子形成面上に形成されており該少なくとも1つの磁気ヘッド素子の少なくとも動作時に発熱せしめられる少なくとも1つの発熱体とを備えた薄膜磁気ヘッドであって、前記少なくとも1つの磁気ヘッド素子が、トラック幅方向において、前記少なくとも1つの正圧発生部における浮上時の圧力のピーク位置からずれた位置に設置されていることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 前記少なくとも1つの正圧発生部が、前記浮上面の後端部であってトラック幅方向における中央部に設置された正圧発生パッドであることを特徴とする請求項1に記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 前記少なくとも1つの正圧発生部が、前記浮上面のトラック幅方向における両端部に前後にわたってそれぞれ設けられている2つの正圧発生レールであることを特徴とする請求項1に記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 前記少なくとも1つの発熱体が、前記少なくとも1つの磁気ヘッド素子の前記浮上面とは反対側の位置に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 前記少なくとも1つの発熱体が、通電することによって発熱する導電材料によって形成されている発熱導電層であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 前記少なくとも1つの磁気ヘッド素子が、書き込み用の電磁コイル素子及び/又は読み出し用の巨大磁気抵抗効果素子若しくはトンネル磁気抵抗効果素子からなることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドを少なくとも1つ備えており、前記少なくとも1つの発熱体に電流を供給するためのリード線をさらに備えていることを特徴とするヘッドジンバルアセンブリ。
  8. 請求項7に記載のヘッドジンバルアセンブリを少なくとも1つ備えており、前記少なくとも1つの発熱体へ供給する電流を制御する電流制御手段をさらに備えていることを特徴とする磁気ディスク装置。
  9. 前記電流制御手段が、前記少なくとも1つの磁気ヘッド素子の動作時に前記少なくとも1つの発熱体へ電流を供給する制御手段であることを特徴とする請求項8に記載の磁気ディスク装置。
  10. 前記電流制御手段が、発熱体制御信号系を有しており、該発熱体制御信号系が前記少なくとも1つの磁気ヘッド素子の記録再生制御信号系とは独立して、前記少なくとも1つの発熱体に供給される電流を制御することを特徴とする請求項8又は9に記載の磁気ディスク装置。
JP2004361061A 2004-12-14 2004-12-14 発熱体を備えた薄膜磁気ヘッド、該薄膜磁気ヘッドを備えたヘッドジンバルアセンブリ及び該ヘッドジンバルアセンブリを備えた磁気ディスク装置 Withdrawn JP2006172561A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004361061A JP2006172561A (ja) 2004-12-14 2004-12-14 発熱体を備えた薄膜磁気ヘッド、該薄膜磁気ヘッドを備えたヘッドジンバルアセンブリ及び該ヘッドジンバルアセンブリを備えた磁気ディスク装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004361061A JP2006172561A (ja) 2004-12-14 2004-12-14 発熱体を備えた薄膜磁気ヘッド、該薄膜磁気ヘッドを備えたヘッドジンバルアセンブリ及び該ヘッドジンバルアセンブリを備えた磁気ディスク装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006172561A true JP2006172561A (ja) 2006-06-29

Family

ID=36673149

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004361061A Withdrawn JP2006172561A (ja) 2004-12-14 2004-12-14 発熱体を備えた薄膜磁気ヘッド、該薄膜磁気ヘッドを備えたヘッドジンバルアセンブリ及び該ヘッドジンバルアセンブリを備えた磁気ディスク装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006172561A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008262649A (ja) * 2007-04-13 2008-10-30 Hitachi Ltd 磁気ヘッドスライダ
US7483234B2 (en) 2007-01-15 2009-01-27 Fujitsu Limited Control device, control method, and storage apparatus for controlling read head and write head clearance by thermal protrusion

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7483234B2 (en) 2007-01-15 2009-01-27 Fujitsu Limited Control device, control method, and storage apparatus for controlling read head and write head clearance by thermal protrusion
JP2008262649A (ja) * 2007-04-13 2008-10-30 Hitachi Ltd 磁気ヘッドスライダ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4093250B2 (ja) オーバーコート積層体内に発熱体を備えた薄膜磁気ヘッド、該薄膜磁気ヘッドを備えたヘッドジンバルアセンブリ及び該ヘッドジンバルアセンブリを備えた磁気ディスク装置
JP3992052B2 (ja) 発熱体用放熱部を備えた薄膜磁気ヘッド
US7203035B2 (en) Thin-film magnetic head having a sheet-shaped heater with a lead part connected in series with the heater and having a resistance lower than the heater
US7974046B2 (en) Thin-film magnetic head with heating portion and protrusion adjustment portion, head gimbal assembly equipped head, magnetic recording/reproducing apparatus equipped HGA, and manufacturing method of head
US7952827B2 (en) Heat-assisted magnetic recording method using eddy current and head for heat-assisted magnetic recording
US7612965B2 (en) Thin-film magnetic head having heatsink wider on air bearing surface side
US7961429B2 (en) Thin-film magnetic head having heating element with lower-resistance portion
JP2006024289A (ja) 発熱体を備えた薄膜磁気ヘッド、該薄膜磁気ヘッドを備えたヘッドジンバルアセンブリ及び該ヘッドジンバルアセンブリを備えた磁気ディスク装置
US7239480B2 (en) Thin film magnetic head having an upper pole portion with a width that increases towards an abs
US7724471B2 (en) Thin-film magnetic head with heating means for adjusting magnetic spacing
US7224553B2 (en) Thin-film magnetic head, head gimbal assembly, and hard disk drive incorporating a heater
US7184246B2 (en) Thin-film magnetic head having heater member and bump for electrical connection of heater member
JP2006351115A (ja) 抵抗発熱体を備えた薄膜磁気ヘッド
US11636874B1 (en) Magnetic recording head having a magnetic pole and a write shield
US7903370B2 (en) Thin-film magnetic head with coil-insulating layer that thermal expansion coefficient and young'S modulus are specified
JP2006323932A (ja) 発熱体を備えた薄膜磁気ヘッド、該薄膜磁気ヘッドを備えたヘッドジンバルアセンブリ、該ヘッドジンバルアセンブリを備えた磁気ディスク装置及び該薄膜磁気ヘッドを用いた磁気記録再生方法
JP2006172561A (ja) 発熱体を備えた薄膜磁気ヘッド、該薄膜磁気ヘッドを備えたヘッドジンバルアセンブリ及び該ヘッドジンバルアセンブリを備えた磁気ディスク装置
US7180707B2 (en) Thin-film magnetic head, head gimbal assembly, and hard disk drive
JP2006196127A (ja) 薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッドアセンブリ及び磁気ディスクドライブ装置
JP2005322279A (ja) 発熱体を備えた薄膜磁気ヘッド、該薄膜磁気ヘッドを備えたヘッドジンバルアセンブリ及び該ヘッドジンバルアセンブリを備えた磁気ディスク装置
US9852755B2 (en) Thin film magnetic head, head gimbals assembly, head arm assembly, and magnetic disk unit
JP2008034689A (ja) 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリ、磁気ディスク装置、磁気センサおよび磁気メモリ
JP4186912B2 (ja) マグネティックスペーシングの制御方法
US20050264932A1 (en) Method and apparatus for providing a pole tip structure having a shape for preventing over saturation of the pole tip structure
JP2006331469A (ja) 発熱コイル体を備えた薄膜磁気ヘッド、該薄膜磁気ヘッドを備えたヘッドジンバルアセンブリ及び該ヘッドジンバルアセンブリを備えた磁気ディスク装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080304