以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(A)第1実施形態の説明
図6は本発明の第1実施形態としての移動通信システムを示すブロック図で、この図6において、4はPHS移動端末、5は情報センタ、6はPHS無線基地局(CS)、7は公衆網である。ここで、PHS移動端末4は、いわゆる電子手帳にPHSが内蔵された電子手帳型PHSで、ユーザが専用のペンなどを用いて表示部(位置情報入力部)4aを通じて移動端末4の位置に関連する情報又はサービス(地図情報,地図上の施設情報,その地図に関連するサービスプログラムなど)の要求/提供操作を行なうことによって、所望の情報又はサービスプログラムを無線基地局6,公衆網7を介して情報センタ5との間で遣り取りできるようになっている。
例えば、PHS移動端末(以下、単に「移動端末」という)4は、通信可能状態(電源ON状態)で、無線基地局6の通信エリアに入ると、その無線基地局6からの電波に含まれる無線基地局6の識別情報(CSID)を検出することにより、無線基地局6と接続する。この状態で、ユーザが表示部4aを通じて地図情報,地図上の施設情報又はサービスプログラムの要求を行なうと、移動端末4は、検出した上記のCSIDを自己の位置情報として無線基地局6,公衆網7を介して情報センタ5へ送信し、情報センタ5では、この受信位置情報に基づいて、対応する地図情報を検索して該当する地図情報を位置情報を送信してきた移動端末4へ提供する。
このため、上記の移動端末4は、例えば図7に示すように、上記の表示部4aのほか、位置情報検出部41,位置情報送信部42,情報・サービス提供部43,情報・サービス利用部44及びPHS通信部45をそなえて構成され、情報センタ5は、通信部51,データベース(DB)52,検索部53,情報・サービス提供部54及び対応データベース55をそなえて構成されている。
ここで、移動端末4において、位置情報検出部41は、接続している無線基地局6についてのCSIDを検出することにより、自己(移動端末4)の位置情報を検出するものであり、位置情報送信部42は、この位置情報検出部段41で検出された位置情報をPHS無線通信部45を通じて情報センタ5へ送信するものである。
また、情報・サービス提供部(アップロードデータ送信部)43は、表示部を通じて入力された移動端末4の位置情報に関連する情報、すなわち地図情報,その地図内の店や施設の情報(以下、タウン情報という)またはその地図情報,タウン情報についてのサービスプログラム(以下単にサービスということがある)を、情報センタ5のデータベース52用のアップロードデータとして情報センタ5へ送信するものである。
なお、上記のタウン情報を情報センタ5から受ける場合には、地図上の或る店や施設をクリックするなど表示部4a上で指定することにより、対応する画面座標がこの情報・サービス提供部43から情報センタ5へ送信され、この画面座標に基づいて情報センタ5で対応する施設についての情報がデータベース52内で検索されるようになっている。
さらに、上述の情報・サービス利用部44は、情報センタ5から送られてきた地図情報,タウン情報を表示部4aに表示したり、情報センタ5から送られてきたサービスを実行したりして利用するものであり、PHS通信部45は、上記の位置情報(CSID),地図情報,タウン情報,画面座標,アップロードデータなどを無線基地局6との間で遣り取りするものである。
一方、情報センタ5において、通信部51は、無線基地局6と有線接続されており、無線基地局6を介して移動端末4から送られてくる上記のCSID,画面座標,アップロードデータなどを受信する一方、データベース52から取り出した地図情報,タウン情報などを無線基地局6を介してCSIDを送信してきた移動端末4へ送信するものである。
また、データベース(蓄積部)52は、移動端末4が移動しうる位置情報に関連した地図情報,タウン情報またはサービスを蓄積するものであり、検索部53は、移動端末4から送られてきた位置情報を受信して、これに基づいて、データベース52に蓄積されている地図情報,タウン情報またはサービスを検索するもので、本実施形態では、地図情報検索部53a及びタウン情報検索部53bをそなえて構成されている。
ここで、地図情報検索部53aは、移動端末4から受けたCSIDを後述する変換テーブルを用いて地図座標(緯度・経度などの位置情報)に変換してその座標に対応する地図情報をデータベース52内で検索するものであり、タウン情報検索部53bは、移動端末4から受けた表示部4aの画面座標を同様に変換テーブルを用いて地図座標に変換してその座標に対応するタウン情報をデータベース52内で検索するものである。
なお、この検索部53は、後述するように、移動端末4から送られてきた位置に関する情報を受信した結果、その受信情報がCSIDである場合は、対応データベース55に記憶されているCSIDに対応した移動端末4の地図情報,タウン情報またはサービスをデータベース52について検索するとともに、受信情報が移動端末4の位置情報である場合は、その移動端末4の位置情報に関連した情報またはサービスをデータベース52について検索するようになっている。
さらに、上述の情報・サービス提供部(情報・サービス送信部)54は、移動端末4からのアップロードデータをデータベース52に蓄積する一方、移動端末4へ送信すべき地図情報,タウン情報またはサービスをデータベース52から取り出して対応する移動端末4へ送信するもので、この図7に示すように、移動端末4の情報・サービス提供部43を通じて送られてきたアップロードデータをデータベース52に蓄積する蓄積制御部541と、検索部53にて検索された地図情報,タウン情報またはサービスをデータベース52から取り出して、その地図情報,タウン情報またはサービスを位置情報(CSID)を送信してきた移動端末4に送信する情報・サービス送信部542とをそなえて構成されている。
また、対応データベース(位置識別情報・位置情報記憶部)55は、移動端末4の位置情報送信部42から送信されてきたCSID及び移動端末4の位置情報をそれぞれ対応づけて記憶するものである。
次に、図8は上述のシステムをインターネット8を利用して実現した場合の構成を模式的に示すブロック図で、この図8に示すように、移動端末4は、WWW(World Wide Web)ブラウザ40a,PPP接続処理部40bなどを用いることにより、商用プロバイダ,会社あるいは大学などに設置されたダイヤルアップルータ(公衆網に接続)などを介して、PPPプロトコルによりインターネット8に接続できるようになっている。なお、ここでは、位置情報送信部42には、地図情報の配送を情報センタ5へ要求するための地図配送要求部42aがそなえられている。
一方、情報センタ5は、WWWサーバ51′などを利用して、上述の通信部51,データベース52,検索部53,情報・サービス提供部54などが実現され、ここでは、図8に示すように、データベース52が地図情報データベース52a及びタウン情報データベース52bを有して構成され、地図情報検索部53aが地図情報データベース52a検索用のCGI(Common Gateway Interface)プログラム53a−1及びCSID−地図座標(緯度経度)変換テーブル53a−2を用いて実現され、タウン情報検索部53bがタウン情報検索用のCGIプログラム53b及び画面座標−地図座標変換テーブル53b−2を用いて実現されている。なお、上記のCSID−地図座標変換テーブル53a−2には、例えば図9に示すようなテーブルが用いられる。
次に、図10は上述の移動端末4のハードウェア構成の一例を示すブロック図で、この図10に示すように、移動端末4は、本実施形態では、32kbpsという高速ベアラ伝送を使用するために、上記のPHS通信部45として、PHS無線部45a,TCH(通信チャネル)ベースバンド送信部45b,TCHベースバンド受信部45c及びCCH(制御チャネル)ベースバンド受信部45dをそなえるとともに、表示部4aとして、液晶ディスプレイ(LCD)47−1,タッチパネル47−2をそなえるほか、CPU46,シリアル入出力部(SIO)48−1〜48−3,表示インタフェース(表示I/F)48−4,タッチパネルインタフェース(タッチパネルI/F)48−5,ROM49−1,RAM49−2をそなえて構成されている。
なお、このハードウェア構成において、図7における位置識別情報検部41はCCHベースバンド受信部45d,シリアル入出力部48−1及びCPU46に相当し、位置識別情報送信部42,情報・サービス提供部43はCPU46に相当し、情報・サービス利用部44はCPU46,LCD47−1,タッチパネル47−2に相当する。また、表示部4aを構成するLCD47−1上にはタッチパネル47−2が実装されており、圧力が加えられているパネル47−2上の画面座標が、タッチパネルI/F48−5を介してCPU46に入力されるようになっている。
つまり、本実施形態における移動端末4は、位置情報入力部としての表示部4aが、表示された地図に移動端末4の位置情報を入力するように構成されている。
上述のごとく構成された移動端末4では、CPU46からの送信データ(検出されたCSID,画面座標,アップロードデータなど)がシリアル入出力部48−1を通じてTCHベースバンド送信部45bへ入力されてPHS無線部45aから送信される一方、PHS無線部45aで受信された受信データ(CSID,地図情報,タウン情報,サービスなど)のうち、位置情報のもととなるCSID以外のデータがTCHベースバンド受信部45cからシリアル入出力部48−2を通じてCPU46へ入力されるとともに、CSIDがCCHベースバンド受信部45dよりシリアル入出力部48−3を通じてCPU46へ入力される。
CPU46では、ROM49−1に記憶されたCPU46用のプログラムを読み出し実行する。例えば、CCHベースバンド45dを通じてCSIDを受信した場合は、このCSIDをそのままTCHベースバンド送信部45bを通じて情報センタ5へ向けて送信し、地図情報などの画像や文字情報をTCH受信部45cを通じて受信した場合は、表示I/F48−4を介して接続されたLCD47−1にその情報を表示する。
なお、RAM49−2には、一時的に保存するデータ(地図情報,タウン情報など)や書き替えが可能なプログラム(サービス)などが記憶されるようになっており、例えば図11に示すように、保存するデータの種別(地図情報,タウン(施設)情報,サービスプログラムなど)毎にデータの先頭にヘッダ491が付与されデータの終わりにフッタ492が付与されて、各データが格納される。
また、後述するように、情報センタ5の検索部53がその機能を兼用している位置情報変換部をCPU46上で実現した場合は、上記のROM49−1またはRAM49−2に図9に示すようなCSID−位置情報変換テーブル53a−2が格納され、CPU46によりCSIDを位置情報に変換するようになる。
以下、上述のごとく構成された本実施形態における移動通信システムの動作について、項目別に詳述する。
(1)地図情報,タウン情報,サービスのダウンロード
まず始めに、移動端末4が情報センタ5から地図情報,タウン情報を受ける場合の動作(ダウンロード)について、図12に示すシーケンス図(ステップS1〜S18)を用いて説明する。
移動端末4は、無線基地局6の通信エリアに入ると、位置情報検出部41によりCSID(位置識別情報)を検出して無線基地局6に対して接続状態となる(ステップS1)。この状態で、ユーザがタッチパネル47−2を通じて現在位置周辺の地図情報を要求する操作(例えば、ユーザが「銀座」周辺の地図を表示させたい場合は「銀座」という文字情報を入力するなど)を行なうと、位置情報送信部42の地図配送要求部42aが、PHS無線通信部45の保持する(検出された)CSIDを取り出し、WWWブラウザ40aに地図配送要求を送る(ステップS2)。
WWWブラウザ40aは、情報センタ5のWWWサーバ51′に対して、地図配送要求を、例えば、http(hyper text transfer protocol)のPUTやPOSTなどのCGIプログラムを起動するプロトコルを利用して、CSIDとともに送付する(ステップS3)。
これにより、情報センタ5では、地図情報検索部53aのCGIプログラム53a−1を起動するとともに(ステップS4)、受信したCSIDをCGIプログラム53a−1に送る(ステップS5)。CGIプログラム53a−1は、CSID−位置情報変換テーブル53a−2(図9参照)に基づいて受け取ったCSIDを緯度・経度などの移動端末4の位置情報に変換し、得られた位置情報をキーにして該当する地図情報データベース52aを検索する(ステップS6)。
そして、CGIプログラム53a−1は、該当する地図情報が見つかったか否か(検索に成功したか失敗したか)を判定し(ステップS7)、検索に失敗した場合は、該当するデータが見つからなかった旨をエラーメッセージにより無線基地局6を通じて移動端末4に送信し(ステップS7のNOルートからステップS8)、移動端末4は、受信したエラーメッセージをLCD47−1に表示する(ステップS10)。
一方、CGIプログラム53a−1による検索の結果、検索が成功した場合は、情報・サービス提供部54が、得られた地図情報を、後述するようなHTML(Hyper Text Markup Language) 文書として移動端末4へ送信し(ステップS7のYESルートからステップS9)、移動端末4は、受信した地図情報(この場合は「銀座」周辺の地図)を、例えば図13に示すように、LCD47−1に表示してユーザに地図情報を提供する(ステップS10)。
その後、例えばユーザが、このようにLCD47−1に表示された地図(タッチパネル47−2)上の一点をクリックするなどして、地図上の店,施設(ここでは、或るラーメン屋だったとする)などについての詳細な情報(タウン情報)を要求すると(ステップS11)、移動端末4は、情報・サービス提供部43によって、クリックされたタッチパネル47−2上の座標を情報センタ5のWWWサーバ51′に送付し、これを受けてWWWサーバ51′がタウン情報検索部53bのCGIプログラム53b−1を起動する(ステップS12,S13)。なお、この機能は、標準的なHTMLの仕様にあるISMAPなどの機能を利用して実現できる。
そして、情報センタ5では、CGIプログラム53b−1が、画面座標−地図座標変換テーブルを参照して地図座標を得、これをキーにタウン情報データベース52bを検索し(ステップS14)、検索に失敗した場合は、エラーメッセージを移動端末4へ送信してLCD47−1にこれを表示させる(ステップS15のNOルートからステップS16,S18)。
一方、検索に成功した場合、情報・サービス提供部54が得られたタウン情報(店,施設情報)を、例えば図15に示すように記述されるHTML文書として移動端末4に送付し(ステップS15のYESルートからステップS17)、移動端末4は、受け取ったHTML文書を読み取る(実行する)ことにより、例えば図14に示すように、タウン情報(ラーメン屋の詳細情報)をLCD47−1に表示してユーザに提供する(ステップS18)。
なお、本システムでは、上記のタウン情報(店,施設情報)に代わり、サービス(プログラム)、例えば、Java(登録商標)言語などで記述されたプログラムを送付することもでき、これにより、ユーザに対してインタラクティブなサービスを提供できるようになる。
例えば、図16に示すようにHTML文書で記述されたサービスが情報センタのデータベース52に蓄積されていた場合、ユーザは、例えば以下に示すように、Java言語でサービスプログラム"Service.class" をタッチパネル47−2を通じて入力(指定)することにより、上述と同様の手順により、所望のサービスを情報センタ5から受けることができる。
<APPLET CODE="Service.class"WIDTH=150 HEIGHT=30>
</APPLET >
以上のように、本移動通信システムによれば、移動端末4の位置情報に関連した情報として、移動端末4が現在いる位置を含む地図の情報及びその地図内の施設情報を含む情報をユーザに提供することにより、ユーザは、情報センタ5より、地図情報だけでなく地図内の施設に関する詳細な情報あるいは地図,施設についてのサービス(プログラム)までをも得ることができるので、そのサービス性を大幅に向上させることができる。
また、上述のシステムでは、情報センタ5と各移動端末4とを無線基地局6を通じての通信手段を介して接続し、各移動端末4が、それぞれ接続している無線基地局6についての位置識別情報(CSID)を検出するようにしているので、移動端末4の位置をCSID(通信エリア)から特定することができ、情報センタ5では、確実に、その移動端末4に必要な位置に関連する情報又はサービスを提供することができる。
また、この場合、移動端末4で検出されたCSIDを地図座標(移動端末位置情報)に変換する位置情報変換部としての地図情報検索部53aを、情報センタ5に設けているので、情報センタ5では、CSIDを意識せず(無線基地局6の種別などによらず)に独立して、変換した地図座標を基にその地図座標に関連した情報またはサービスを対応する移動端末4に提供することができる。
従って、システムの全ユーザ(移動端末4)が一様に所望の情報またはサービスを利用することができるとともに、システム構築上の柔軟性にも大いに寄与する。
なお、上述の位置情報変換部は、図17に示すように、位置情報変換部41′として移動端末4側に設けてもよく、この場合の動作シーケンスは、例えば図18に示すように、位置情報変換部41′がCSIDから位置情報への変換を行なう(ステップS1′)点と、これに伴い、情報センタ5の地図情報検索部53a(CGIプログラム53a−1)が受信した位置情報をそのままキーにして地図情報データベース52aを検索する(ステップS6′)点とが図12に示すものと異なるようになる。
従って、この場合は、システムのユーザ毎に移動端末4を自由にカスタマイズすることができるようになる。
また、上記の移動端末4の位置情報検出部41は、GPSなど、衛星を利用して自己の位置情報を検出するようにしてもよく、この場合は、情報センタ5へ送信すべき移動端末4の位置情報を正確に検出することができるとともに、ユーザによって位置情報を入力してもらう手順を省略することができるので、ユーザの情報入力操作などに対する負荷を大幅に軽減することができる。
(2)地図情報,タウン情報,サービスのアップロード
次に、以下では、図19に示すように移動端末4が情報センタ5へ地図情報,タウン情報,サービスを提供(アップロード)する場合の動作について詳述する。
(2−1)情報(地図情報,タウン情報)のアップロード
まず、情報センタ5へ地図情報,タウン情報をアップロードする場合、基本的には、例えば図20に示すように、移動端末4側では、ユーザに位置の指定と情報の指定とを行なわせ(ステップS21,S22)、これらの位置,情報の組を情報センタ5に送信(アップロード)する(ステップS23)。情報センタ5側では、これらの情報を受け取り(ステップS24)データベース52に蓄積・格納する(ステップS25)。
ここで、上記の位置の指定方法には、
・現在位置
・ユーザによる位置指定
の2種類が考えられる。
まず、現在位置による位置の指定方法について、図21に示すシーケンス図(ステップS31〜S38)を参照しながら説明すると、ユーザは、専用のペンなどで移動端末4のLCD47−1(タッチパネル47−2)を通じて店,施設などについての各種情報(タウン情報)を後述するような所定の入力方法により入力する(ステップS31)。
すると、移動端末4は、位置情報検出部41により、接続している無線基地局6の位置識別情報(CSID)を検出し(ステップS32)、このCSIDを、位置情報変換部41′により、図9に示したような変換テーブル53a−2を用いて位置情報に変換し(ステップS33)、ユーザにより入力された情報と位置情報とを組にして、情報センタ5へ送信する(ステップS34)。
情報センタ5では、情報・サービス提供部54の蓄積制御部541が、受信した画面座標を位置情報(地図座標)に変換し、この位置情報をキーにして、移動端末4からの入力情報をデータベース52内の対応する領域に登録(蓄積)する(ステップS35)。そして、情報・サービス提供部54は、情報の登録が正常に行なわれたか否かを判定し(ステップS36)、登録が失敗していた場合はエラーメッセージを移動端末4へ返信する一方(ステップS36のNOルートからステップS37)、登録が成功していた場合は登録完了メッセージを移動端末4へ返信する(ステップS36のYESルートからステップS38)。
なお、上述の位置情報検出部41では、GPSを利用している場合は緯度・経度が、後述するように移動端末4が固定端末に接続されている場合はその固定端末の電話番号やIPアドレスが、それぞれ位置識別情報として検出される。また、この場合も、検出した位置識別情報(CSIDなど)から位置情報への変換は、前述したように移動端末4側,情報センタ5側のどちらで行なってもよい(位置情報変換部41′をどちらに設けてもよい)。
次に、ユーザによる位置指定について説明するが、このユーザによる位置指定は、ユーザが情報センタ5に送ろうとしている情報(店,施設情報)が、実際の現在位置に無関係な場合に用いられる。
以下、このユーザによる位置指定の一例として、図23に示すように移動端末4の端末画面(LCD)47−1に表示されている地図内の矢印Aの部分に、レストランが実在しており、ユーザがこのレストランについての詳細な情報(店,施設の種類,電話番号,その店,施設についてのコメントなど)を情報センタ5へ提供したい場合について、図22に示すシーケンス図(ステップS41〜S47を参照しながら説明する。
この場合、まずユーザは、専用のペンなどでLCD47−1(タッチパネル47−2)上の矢印Aの部分に圧力を加えてクリックすることにより位置を指定する(ステップS41)。すると、LCD47−1には、例えば図24に示すように、情報入力用の定型フォーマット(テンプレート)が表示され、ユーザは、このテンプレートに従って各種の情報(サービスプログラムでもよい)を入力する(ステップS42)。
ここでは、この図24に示すように、“種類”,“電話番号”,“お勧め”といった項目が予めLCD47−1に表示されており、ユーザは、これらの各項目毎に適切な内容を入力していくことになる。なお、このテンプレートに関しては、一般的なものを用意しておく他に、特定の情報に特化したもの(例えば、レストランなら“メニュー”、遊園地なら“アトラクション”など)を用意しておけば、ユーザの入力操作が楽になる。
また、このような情報の指定方法としては、他に、ユーザが予め作成しファイルなどに保存しておいた情報を指定することによって行なってもよい。この場合は、例えば、ユーザが移動端末4もしくはその他の端末において、エディタなどの入力手段を用いて予め情報を作成してファイルに保存しておき、情報を指定する際にファイル名を入力するなどしてこのファイルを指定すればよい。
そして、移動端末4は、これらの位置(画面座標)とそれに関する情報が確定した後、情報センタ5にこれらを送信(アップロード)する(ステップS43)。このとき、移動端末4では、前述したようにWWWブラウザ40aを使用して、httpという通信プロトコルを用いているので、アップロードにおいてもhttpを使用することが可能である。しかし、httpに限らず、利用している通信網で許容される通信プロトコルであり、移動端末4と情報センタ5がそれに対応しているならば、どういったプロトコルでもアップロードに使用できる。
一方、情報センタ5では、情報・サービス提供部54の蓄積制御部541が、受信した画面座標を位置情報(地図座標)に変換し、この位置情報をキーにして、移動端末4からの入力情報をデータベース52内の対応する領域に登録(蓄積)する(ステップS44)。そして、情報・サービス提供部54は、情報の登録が正常に行なわれたか否かを判定し(ステップS45)、登録が失敗していた場合はエラーメッセージを移動端末4へ返信する一方(ステップS45のNOルートからステップS46)、登録が成功していた場合は登録完了メッセージを移動端末4へ返信する(ステップS47)。
なお、登録可能な情報としては、上述のようなレストラン情報の他に、デパートなど店に関する情報や駅やバス停などの交通機関に関するもの,遊園地や美術館などアミューズメントポットに関するもの,あるいはその他特定の位置に関するものなどが考えられる。
また、上述のように登録したい店,施設などが移動端末4のLCD47−1に表示されている地図内の何処に位置しているかが具体的に分からない場合には、例えば、図25に示すように、点線によりメッシュ状に区切られた地図をLCD47−1に表示させ、登録したい店,施設が含まれるであろう領域(例えば、鉄道の駅や駅の周辺に存在することが分かっている場合には図25中の矢印に示す領域)を1つ指定することによって、位置の指定を行なうことができる。
(2−2)サービス(プログラム)のアップロード
次に、以下では、移動端末4が情報センタ5へサービス(プログラム)を提供する場合の動作について説明する。ここで、サービスとは、ユーザの希望するレストランを検索するプログラムや、ユーザの使用している移動端末4に合わせた情報交換を行なうためのプログラムなどのことである。そして、通常、情報センタ5側には、ある程度のサービスが用意されるが、それだけでは、ユーザの要求を満足しきれない場合がある。そこで、本システムでは、ユーザが独自に作成したサービスを情報センタ5にアップロードして、新たにユーザに対してサービスを提供できるようにする。
以下、この動作について、図26に示すシーケンス図(ステップS51〜S54)を参照して説明する。
まず、ユーザが、移動端末4のLCD47−1を通じてアップロードするサービス(プログラム)を指定すると(ステップS51)、移動端末4は、情報・サービス提供部43によって、情報のアップロードと同様に、移動端末4と情報センタ5間の通信プロトコルに従って、指定されたサービスを情報センタ5に送信(アップロード)する(ステップS52)。情報センタ5では、このサービスを受け取ると(ステップS53)、情報・サービス提供部54の蓄積制御部541によってそのサービスをデータベース52内の該当する領域に蓄積・格納する(ステップS54)。
なお、上記のステップS51におけるサービスの指定方法は、ユーザが移動端末4もしくはその他の端末において、エディタなどの入力手段を用いて、予めサービスを作成(プログラミング)してファイルなどにより保存しておき、サービスを指定する際に、ファイル名を入力するなどしてこのファイルを指定すればよく、これにより、指定されたファイルの中身が情報センタ5にアップロードされる。また、サービスを記述する言語としては、Java(登録商標)やTeleScript(登録商標)などが挙げられるが、このとき、ネットワークを通してプログラムコードが移動しても、言語のポータビリティ(移植性)を保っておく必要がある。
以上のように、本システムによれば、各移動端末4が、情報・サービス提供部43を通じて位置情報に関連した情報またはサービスをアップロードデータとして情報センタ5へ送信することにより、情報センタ5(データベース52)内の情報又はサービスを、随時、蓄積・更新して、移動端末4が必要とする情報又はサービスを情報センタ5内に常に保持しておくことができるようになる。
従って、常にユーザの要望を反映した最新の情報またはサービスをユーザに提供することができる。
(3)情報センタ5内のデータベース52での情報管理
図27は上述のデータベース52の構成を模式的に示すブロック図で、この図27に示すように、情報センタ5内のデータベース52は、ユーザレイヤ521,ユーザグループレイヤ522,グローバルレイヤ523,エリアディレクトリ524,情報格納領域525,サービスプログラム格納領域526及びレイヤ選択テーブル527を有している。
ここで、ユーザレイヤ521は、各個人が私的な情報を蓄積し参照する情報用の部分格納領域であり、ユーザグループレイヤ522は、特定グループ毎に参照・更新を行なえる情報を保持しておく部分記憶領域であり、グローバルレイヤ523は、全てのユーザが参照できる情報を保持しておく部分記憶領域である。なお、ユーザは、このユーザレイヤ521に蓄積した情報を自己が属するユーザグループのユーザグループレイヤ522にコピーして、そのグループの他のメンバーに情報を提供したり、逆に他のメンバーがこのユーザグループレイヤ522に登録した情報を自己のユーザレイヤ521にコピーして利用することも可能である。
また、エリアディレクトリ524には、上記の各レイヤ521〜523のアドレス情報が格納され、これにより、各レイヤ521〜523がリンクされて、このエリアディレクトリ524から各レイヤ521〜523に保持されている全ての情報が参照できるように管理される。なお、上記の項目(1),(2)にて前述した検索部53による検索は、検索部53がこのエリアディレクトリ524を参照することにより実行される。
さらに、情報格納領域525には、移動端末4の位置に関連する情報(地図情報,地図内の店,施設情報など)が格納され、サービスプログラム格納領域526には、地図情報,地図内の店,施設情報に付随したサービスプログラムが格納されるようになっており、前述の情報またはサービスのダウンロード/アップロード時には、これらの情報格納領域525,サービスプログラム格納領域526に対して、情報・サービス提供部54による操作(情報の取り出し,更新など)が行なわれるようになっている。
また、レイヤ選択テーブル527には、例えばユーザが情報センタ5にアクセスしたときの時間帯によって、そのユーザの移動端末4に提供するレイヤ521〜523を選択するための選択情報(選択リスト)が格納される。なお、この選択リストは、例えば、データベース52の各レイヤ521〜523に固有の識別名などにより表されるが、1人のユーザがこのリストを複数所持してもよい。
これにより、ユーザの現在位置や時間帯によって、異なるリストを選択することができるようになる。また、リストの選択は、情報センタ5の検索部53が予め設定された選択ルールを用いて選択してもよいし、移動端末4側でリストを選択し、その移動端末4から情報センタ5に検索要求メッセージを送信するときに特定のリストを指定するようにしてもよい。
つまり、上述のデータベース52は、特定の移動端末4についての位置情報に関連した情報(地図情報,タウン情報など)またはサービス(プログラム)を蓄積する特定ユーザ用のレイヤ(特定移動端末用蓄積部)521,522と、全ての移動端末4についての位置情報に関連した情報またはサービスを蓄積する不特定ユーザ用のレイヤ(不特定移動端末用蓄積部)523とを有して構成されている。
このため、上述の検索部53,情報・サービス提供部54の蓄積制御部541及び情報・サービス送信部542も、それぞれ、図28〜図30に示すように、機能が分割され、検索部53は、図28に示すように、特定ユーザレイヤ用検索部531及び不特定ユーザレイヤ用検索部532を有して構成され、蓄積制御部541は、図29に示すように、特定ユーザレイヤ用蓄積制御部541a及び不特定ユーザレイヤ用蓄積制御部541bを有して構成され、情報・サービス送信部542は、図30に示すように、特定ユーザレイヤ用送信部542a及び不特定ユーザレイヤ用送信部542bを有して構成される。
ここで、まず検索部53において、特定ユーザレイヤ用検索部531は、特定のユーザあるいはユーザグループから送られてきた位置情報を受信して、この位置情報をキーにしてエリアディレクトリ524又はレイヤ選択テーブル527を参照することにより、ユーザグループレイヤ523又は522にリンクされ情報格納領域525又はサービスプログラム格納領域526に保持(蓄積)されている地図情報,タウン情報またはサービスを検索するものである。
一方、不特定ユーザレイヤ用検索部532は、不特定のユーザから(複数の移動端末4のいずれかから)送られてきた位置情報を受信して、この位置情報をキーにしてエリアディレクトリ524又はレイヤ選択テーブル527を参照することにより、グローバルレイヤ521にリンクされ情報格納領域525又はサービスプログラム格納領域526に保持(蓄積)されている地図情報,タウン情報またはサービスを検索するものである。
また、蓄積制御部541において、特定ユーザレイヤ用蓄積制御部541aは、特定のユーザの移動端末4の情報・サービス提供部43を通じて送られてきたアップロードデータ(地図情報,タウン情報またはサービス)を、エリアディレクトリ524又はレイヤ選択テーブル527に基づいて、ユーザレイヤ523又はユーザグループレイヤ522にリンクされている対応する情報格納領域525又はサービスプログラム格納領域526に蓄積するものであり、不特定ユーザレイヤ用蓄積制御部541bは、不特定のユーザの移動端末4のいずれかの情報・サービス提供部43を通じて送られてきたアップロードデータを、エリアディレクトリ524又はレイヤ選択テーブル527に基づいて、グローバルレイヤ521にリンクされている対応する情報格納領域525又はサービスプログラム格納領域526に蓄積するものである。
さらに、情報・サービス送信部542において、特定ユーザレイヤ用送信部(特定移動端末用情報・サービス送信部)542aは、上述の特定ユーザレイヤ用検索部531にて検索された地図情報,タウン情報またはサービスを、ユーザレイヤ523又はユーザグループレイヤ522にリンクされている情報格納領域525又はサービスプログラム格納領域526から取り出して、位置情報を送信してきた移動端末4に送信するものであり、不特定ユーザレイヤ用送信部(不特定移動端末用情報・サービス送信部)542bは、不特定ユーザレイヤ用検索部532にて検索された地図情報,タウン情報またはサービスをグローバルレイヤ521にリンクされている情報格納領域525又はサービスプログラム格納領域526から取り出して、位置情報を送信してきた移動端末4に送信するものである。
つまり、上述の情報センタ5では、データベース52,検索部53,蓄積制御部541及び情報サービス送信部542を、それぞれ、特定移動端末用と不特定移動端末用の2種類の機能(手段)を有して構成することにより、移動端末4の位置情報に関連した地図情報,タウン情報またはサービスを、特定移動端末用のものと不特定移動端末用のものというように明確に切り分けて(階層化して)管理できるようにしているのである。
これにより、上述のデータベース52では、移動端末4からの要求またはレイヤ選択テーブル527に予め設定された選択リストに応じて、端末画面(LCD)47−1上の或る1つの領域又は複数の領域に存在する店,施設情報(又はサービス)と、移動端末4の位置情報との対応データを選択的に移動端末4に提供することができる。
以下、上述の情報センタ5内のデータベース52での情報管理方法について、図31〜図34に示すシーケンス図を用いて詳述する。
(3−1)移動端末4から地図情報,タウン情報またはサービスについての登録要求(アップロード要求)を受けた場合
まず、図31に示すように、データベース52に対する情報/サービスの登録要求として、画面座標,レベル,レイヤID,登録すべき情報/サービスが移動端末4から無線基地局6を通じて送信されてくると(ステップS61)、情報センタ5では、データベース52内の該当するレイヤ(レイヤIDにより指定されているレイヤ)521〜523にリンクされている情報格納領域525またはサービスプログラム格納領域526に、受信した情報/サービスを書き込むことができるか否かを判定する(ステップS62)。なお、ここでは、上記の画面座標は、図23により前述したような位置の指定方法により入力されたものとする。
この判定の結果、書き込みが不可能であった場合(例えば、ユーザグループレイヤ522に情報/サービスの登録(アクセス)権をもたないユーザが登録要求を出してきた場合など)、情報センタ5は、その旨を登録要求を送信してきた移動端末4に対してエラーメッセージとして返信する一方(ステップS62のNOルートからステップS70)、書き込みが可能であった場合、情報センタ5では、レイヤIDに応じて検索部53の特定ユーザレイヤ用検索部531,不特定ユーザレイヤ用検索部532のいずれかが起動され検索要求として画面座標,レベルが通知される(ステップS62のYESルートからステップS63)。
そして、検索部53(特定ユーザレイヤ用検索部531又は不特定ユーザレイヤ用検索部532)では、受け取った座標,レベルをキーにしてエリアディレクトリ524を参照(検索)して受信した情報/サービスを蓄積すべき情報格納領域525/サービスプログラム格納領域526についてのセグメントIDを取得し(ステップS64)、これをデータベース52に通知する(ステップS65)。
データベース52では、このセグメントIDに対応する情報格納領域525/サービスプログラム格納領域526に、受信した情報/サービスを蓄積することによって情報/サービスの登録が完了する(ステップS66)。
(3−2)移動端末4から地図情報,タウン情報またはサービスについての検索要求(ダウンロード要求)を受けた場合
まず、図32に示すように、データベース52内に蓄積されている情報/サービスに対する検索要求として、画面座標,レベル,レイヤIDのリストが移動端末4から無線基地局6を通じて送信されてくると(ステップS71)、情報センタ5では、受信したレイヤIDのリストに基づいて、特定ユーザグループ用検索部531,不特定ユーザグループ用検索部532のいずれかを起動し、画面座標,レベルをキーにして、データベース52内のエリアディレクトリ524を検索してセグメントIDを得る(ステップS72)。
そして、検索部53は、リストの長さをカウントするカウンタ値(i)をリセット(初期化)しておき(i=0:ステップS73)、データベース52においてリストのi番目のレイヤのセグメントに登録されている情報/サービスを抽出する(ステップS74)。その後、検索部53は、カウンタ値(i)をインクリメント(i=i+1)して(ステップS75)、抽出すべき情報/サービスがまだ残っているか否か(i<「リストの長さ」となっているか否か)を判定する(ステップS76)。
この結果、i<「リストの長さ」であれば、抽出すべき情報/サービスを全て抽出するまで(i=「リストの長さ」となるまで)、上記のステップS73以降の処理を繰り返す(ステップS76のYESルート)。そして、i=「リストの長さ」となると、検索部53は、抽出した情報/サービスのリストと、その情報/サービスの端末画面(LCD)47−1上における表示位置を示す画面座標のリストとを移動端末4へ提供し(ステップS76のNOルートからステップS77)、移動端末4では、受信した情報/サービスを画面座標に合わせてLCD47−1に表示する(ステップS78)。
以上のような処理により、ユーザは、レイヤの種類に関わらず移動端末4から複数のレイヤを指定して情報センタ5にアクセスすると、指定されたレイヤに登録された情報やサービスプログラムを、地図のイメージと現在位置とを一致させた状態でLCD47−1に表示させることができるようになる。例えば、ユーザグループレイヤ522のレイヤIDとユーザレイヤ523のレイヤIDとを両方指定して検索要求を行なえば、ユーザグループレイヤ522により管理されているテニスコートの情報と、ユーザレイヤ523により管理されているレストランの情報とを、同時に地図のイメージに重ねて移動端末4のLCD47−1に表示させて、それらの位置関係から予約するテニスコートを選ぶといったことができるようになる。
なお、ユーザの生活習慣に合わせて情報センタ5のレイヤ選択テーブル527を設定しておけば、例えば、平日の昼間に必要な情報を集めたレイヤと夜の時間帯に必要な飲食店の情報を集めたレイヤの切り替えを、時間帯に応じて情報センタ5に自動的に行なわせることができるようになるので、この場合、ユーザは、情報センタ5にアクセスする際に検索対象のレイヤIDを指定する必要がなくなる。
すなわち、図33に示すように、移動端末4は検索要求として、座標,レベル,時刻のみを送信すれば(ステップS71′)、情報センタ5の検索部53が、受信した時刻をキーにしてレイヤ選択テーブル527を検索して、自動的に、レイヤIDのリストを取得するので(ステップS72′)、その後は、図32により上述したステップS72〜S78と同様の処理により、所望の時間帯に応じた情報/サービスを移動端末4に表示させることができる。
また、上述の登録要求,検索要求時の各処理は、いずれも、図23により前述したような位置の指定方法を用いて移動端末4に入力される画面座標に基づいて実行されているが、図25により前述したような位置の指定方法を用いて移動端末4に入力される領域情報に基づいて実行してもよい。
例えば、登録要求時の処理は以下のように行なわれる。すなわち、この場合は、図34に示すように、データベース52に対する情報/サービスの登録要求として、領域,レイヤID,登録すべき情報/サービスが移動端末4から無線基地局6を通じて送信される(ステップS61′)。すると、情報センタ5では、この場合も、データベース52内の該当するレイヤ(レイヤIDにより指定されているレイヤ)521〜523にリンクされている情報格納領域525またはサービスプログラム格納領域526に、受信した情報/サービスを書き込むことができるか否かを判定する(ステップS62′)。
この判定の結果、書き込みが不可能であった場合、情報センタ5は、その旨を登録要求を送信してきた移動端末4に対してエラーメッセージとして返信する一方(ステップS62′のNOルートからステップS70′)、書き込みが可能であった場合、情報センタ5では、レイヤIDに応じて検索部53の特定ユーザレイヤ用検索部531,不特定ユーザレイヤ用検索部532のいずれかが起動され検索要求として領域が通知される(ステップS62′のYESルートからステップS63′)。
そして、検索部53(特定ユーザレイヤ用検索部531又は不特定ユーザレイヤ用検索部532)では、受け取った領域をキーにしてエリアディレクトリ524を参照(検索)して受信した情報/サービスを蓄積すべき情報格納領域525/サービスプログラム格納領域526についてのセグメントIDを取得し(ステップS64′)、これをデータベース52に通知する(ステップS65′)。
そして、検索部53は、リストの長さをカウントするカウンタ値(i)をリセット(初期化)しておき(i=0:ステップS66′)、データベース52においてリストのi番目のレイヤのセグメントに受信した情報/サービスを蓄積制御部541を通じて登録する(ステップS67′)。その後、検索部53は、カウンタ値(i)をインクリメント(i=i+1)して(ステップS68′)、登録すべき情報/サービスがまだ残っているか否か(i<「リストの長さ」となっているか否か)を判定する(ステップS69′)。
この結果、i<「リストの長さ」であれば、抽出すべき情報/サービスを全て抽出するまで(i=「リストの長さ」となるまで)、上記のステップS73以降の処理を繰り返す(ステップS69′のYESルート)。そして、i=「リストの長さ」となると、登録処理が完了する(ステップS69′のNOルート)。
一方、検索要求時の処理は、図35のステップS81〜S88に示すように行なわれるが、この場合は、図32に示すステップS71〜S78に比して、検索処理を座標とレベルをキーにするか領域をキーにするかが異なるだけ(ステップS81,S82での処理が異なるだけ)で、他の処理は図32に示すものと同様に行なわれる。
また、この場合も、図36に示すように、ユーザは移動端末4を通じて検索要求として、領域,時刻のみを入力すれば(ステップS81′)、情報センタ5の検索部53が、受信した時刻をキーにしてレイヤ選択テーブル527を検索して、自動的に、レイヤIDのリストを取得するので(ステップS82′)、その後は、図35に示すステップS82〜S88と同様の処理により、所望の時間帯に応じた情報/サービスを移動端末4に表示させることができる。
以上のように、本実施形態における移動通信システムによれば、情報センタ5において、移動端末4の位置情報に関連した情報またはサービスを、特定移動端末用のレイヤ(ユーザグループレイヤ522,ユーザレイヤ523)と不特定移動端末用のレイヤ(グローバルレイヤ521)というように明確に切り分けて(階層化して)管理することができるので、情報センタ5内の情報またはサービスに対するメンテナンス(保守・管理)にかかる負担を大幅に軽減することができる。
また、ユーザグループレイヤ522により、複数のユーザで最新の情報を共有することができるほか、レイヤ選択テーブル527により、ユーザ個人の生活習慣や趣味に合わせてカスタマイズされた地域情報サービスを提供することができるので、サービス性の向上にも大いに寄与する。
なお、上述のデータベース52には、上記の情報(地図情報,タウン情報)やサービスプログラムについての位置情報をある程度広い範囲の領域データとして保存しておけば、ユーザが移動端末4に表示させている地図のエリアを変更しても、常に移動端末4に表示させておくことのできるデータを情報センタ5にもたせることができる。
具体的には、この場合、情報センタ5のデータベース52に保存する情報またはサービスプログラムと移動端末4の位置情報との対応データにおいて、位置情報部分に領域の形状を示す領域種別データと領域座標データとからなる領域データを設け、データベース52内に、端末表示領域と場所(位置情報)に関連づけられた情報またはサービスプログラムの領域データとの内包関係について演算を施す演算部を設ける。
これにより、例えば、掲示板サービス(プログラム)用の領域データとして、新宿駅から歩いて移動できる範囲を示す領域データを情報センタ5のデータベース52に登録しておけば、移動端末4で地図を拡大して表示している場合でも、掲示板サービスに設定された領域と重なる限り、情報センタ5から掲示板サービスが移動端末4に送信されることになるので、近隣(新宿駅周辺)で行なわれているイベントなどの情報を掲示板サービスにより把握することができるようになる。つまり、端末表示領域を越える広いエリアに関連する情報やサービスをユーザに提供できるようになる。
(4)移動端末4間の情報またはサービスの遣り取り
次に、以下では、或る移動端末4が、直接情報センタ5にアクセスせずに、他の移動端末4からその移動端末4が保持している地図情報,タウン情報,サービスを受ける場合について説明する。
図37はこの場合の移動端末4の構成を示すブロック図で、この図37に示すように、各移動端末4も、図7に示すものとそれぞれ同様の位置情報検出部41,位置情報送信部42,情報・サービス提供部43,情報・サービス利用部44及びPHS無線通信部45をそなえて構成されているが、ここでは、PHS無線通信部45が、情報センタ5から受けた地図情報,タウン情報またはサービスを、他の移動端末4へ送信する送信部451と、情報センタ5から他の移動端末4Cへ送られてきた地図情報,タウン情報またはサービスを、その移動端末4から受信する受信部452とをそなえて構成されるとともに、情報・サービス利用部44が、この受信部452で受信した地図情報,タウン情報またはサービスを2次利用する2次情報・サービス利用部としての機能を兼用するように構成されている。
なお、情報・サービス利用部44において、441は前述のタッチパネル47−2に相当する入力部、443はLCD47−1に相当する表示部、442はこれらの入力部441,表示部443との間で遣り取りされるデータ(画面座標,地図情報など)に対して所望の演算処理を施す演算部442である。
つまり、この図37に示す各移動端末4は、他の移動端末4との間で相互に情報センタ5から直接受けた地図情報,タウン情報またはサービスを遣り取りすることが可能な第3種移動端末として構成されている。
これにより、この移動端末4は、情報センタ5から送られてきた地図情報,タウン情報またはサービスを、他の移動端末4へ送信することができるとともに、情報センタ5から他の移動端末4へ送られてきた地図情報,タウン情報またはサービスを、その移動端末4から間接的に受けて2次利用することができるようになる。
以下、上述の動作について、図38に示すシーケンス図(ステップA1〜A15)を参照して詳述する。なお、以下では、便宜上、情報センタ5から直接地図情報,タウン情報またはサービスを受ける移動端末4を「端末B」とし、この端末Bから地図情報,タウン情報またはサービスを受ける移動端末4を「端末A」とする。
まず、図38に示すように、端末Bは、受信部452(CCH受信部45d:図10参照)で受信したCSIDを(ステップA1)、情報センタ5に送信することにより(ステップA2)、自己(端末B)の現在位置周辺の地図情報を得る(ステップA3)。そして、前述したように、ユーザによってその地図上の施設のある点が指定されると、端末Bは、タッチパネル47−2を通じてその点の画面座標を読み取り、情報センタ5へ送信することにより(ステップA4)、情報センタ5よりその座標に対応する施設に関する情報(タウン情報)を受信し(ステップA5)、受信した情報をRAM49−2に図11により前述したようなフォーマットで記憶しておく。
なお、このとき、他の端末Aに提供可能な情報またはサービスは、ヘッダ491上の1ビットを使用してフラグ1が設定される。ここで、他の端末Aへ提供可能かは項目毎にデフォルトで決めてもよいし(例えば、地図は提供可だが、個人的なメモは提供不可など)、ユーザが任意の時点で自由に設定してもよい。
その後、端末Bは、端末Aから情報要求信号を受信すると(ステップA6)、その情報要求信号を送信してきた端末Aが例えば端末Bと同一ユーザグループの一員として登録されているか否かなどの認証処理を行ない(ステップA7)、端末Aが端末Bと同一ユーザグループの一員として登録されてなければ、拒否応答を端末Aに送信する(ステップA7のNOルートからステップA8)。
一方、端末Aが端末Bと同一ユーザグループの一員として登録されていれば(認証OK)、端末Bは、RAM49−2内の情報エリア上のヘッダ491を検索し、提供可能な情報があるかどうかを検査する(ステップA7のYESルートからステップA9)。そして、もし端末Aに提供可能な情報またはサービスが1つも無ければ(例えば、ヘッダ491内のフラグが全て“0”に設定されていた場合)、その旨を情報無し応答信号により端末Aに通知する(ステップA9のNOルートからステップA10)。
一方、提供可能な情報が有れば、端末Bは、情報開始信号を端末Aに送信したあと(ステップA9のYESルートからステップA11)、情報またはサービスを端末Aに提供する(ステップA14)。なお、上記の情報開始信号にはその後に送信する地図情報,タウン情報またはサービスについての情報量が設定されている。
そして、この情報開始信号を受信した端末Aは、地図情報,タウン情報またはサービスを格納する領域を、情報開始信号に設定されている情報量分だけRAM49−2内に確保して受信した情報を、その種別(地図情報,タウン情報,サービス)毎にヘッダ491を付与して順次RAM49−2に蓄積してゆく(ステップA12〜A14)。
その後、端末Aは、全情報を端末Bから受信したか否かを判定し(ステップA15)、全情報を受信するまで情報を受信し続け(ステップA15のNOルート)、全情報を受信し終わると(ステップA15のYESルート)、情報・サービス利用部44の演算部442によって、RAM49−2に蓄積した情報のヘッダ491を検査し、地図情報であれば地図に展開してLCD47−1に表示し、タウン情報情報(文字)であれば文字としてLCD47−1に表示させる。
また、プログラムであればその旨をLCD47−1上に表示させ、実行待ち状態とし、ユーザによりサービス開始が指示されることにより、そのプログラムの実行を開始する。
なお、この場合、端末Bから端末Aへ伝送される地図情報やプログラムなどは、比較的大きなデータ量の情報であるが、本実施形態では、前述したようにPHSの32kbpsベアラ伝送を使用しているので、非常に短時間で伝送することが可能になっている。例えば200〜300m四方の住宅地図を240×320ドットの大きさで表示したものは約5〜10kバイト(40〜80kビット)程度のデータ量であるので約1.25〜2.5秒で伝送が可能である。
ところで、端末A,端末B間の通信は、例えば図39に示すように、PHSのトランシーバモードを利用することにより、無線基地局6を介さず、直接、端末A,端末B同士で行なってもよいし、図40に示すように、一般のPHSの通信モードや携帯電話のように無線基地局6,ISDN網9(携帯電話の場合は一般公衆網)を介して行なってもよい。また、無線基地局6を介する通信としては他に、例えば図41に示すように、パケット交換機10Aを利用して行なうことも考えられる。この場合は、パケット交換機10Aを通じて通信データ(地図情報,タウン情報またはサービス)が、一旦データ蓄積装置10Bに蓄積され、適宜、無線基地局6を介して移動端末4に送信される。
以上のように、上述の移動端末4(端末A)によれば、情報センタ5に直接アクセスしなくても、情報センタ5から他の移動端末4(端末B)へ送られてきた位置情報に関連した情報またはサービスを、その移動端末4(端末B)から間接的に受けて利用することができるので、特に、複数の移動端末4で同一の情報またはサービスを共有している場合には、各移動端末4毎にその位置情報に関連した情報またはサービスを情報センタ5から受ける必要はなく、情報センタ5内の資源(データベース52)の規模を最小限に抑えることができる。
また、図39に示すように、直接、移動端末4同士で通信を行なう場合には、回線使用料金がかからないので、経済的にも非常に有利である。
なお、上記と同一の端末構成で、他の移動端末4から送信されたCSIDなどの位置情報を基に、他の移動端末4が属する位置に関連する情報を、自己の移動端末4の検索機能(情報センタ5の検索部53を利用)により得ることも可能である。
また、図37に示す移動端末4は、PHS無線通信部45に、送信部451のみをそなえて他の移動端末4との間では地図情報,タウン情報またはサービスの送信のみが可能な第2種移動端末として構成してもよいし、受信部452のみをそなえて他の移動端末4との間では地図情報,タウン情報またはサービスの受信のみが可能な第4種移動端末として構成してもよい。さらに、図37に示す移動端末4は、受信部452及び情報・サービス利用部(2次情報・サービス利用部)44のみをそなえて他の移動端末4からの地図情報,タウン情報またはサービスの受信・2次利用のみが可能な第5種移動端末として構成してもよい。なお、他の移動端末4用の送信部451,受信部452を有さず、情報センタ5との間でのみ地図情報,タウン情報またはサービスの遣り取りが可能な移動端末4が第1種移動端末である。
つまり、本移動通信システムでは、複数の移動端末4を、第1〜5種移動端末4に分類し、第2種移動端末4及び第3種移動端末4にそれぞれ送信部451を設け、第3〜5種移動端末4にそれぞれ受信部452を設けることにより、少なくとも第3〜5種移動端末4が、各移動端末4毎に地図情報,タウン情報またはサービスを情報センタ5から直接得る必要を無くしているのである。
(5)位置識別情報と位置情報との対応データベース55の構築
次に、以下では、上述の対応データベース55(図7又は図17参照)の構築方法について説明する。
まず、ユーザは位置識別情報と位置情報とを新たに登録しようとする場合は、移動端末4から登録に関するアクションを起こす。これは、例えば図42に示すように、移動端末4の液晶ディスプレイ(LCD)47−1上に“登録”のアイコン47aが表示されていた場合には、このアイコン47aをクリックするなどの操作によって行なわれる。
すると、移動端末4のLCD47−1上には、例えば図43に示すように、登録に必要な情報入力用のウィンドウ47b,47cが開く。そして識別情報入力用のウィンドウ47bには、PHSを通じてアクセスする場合は、現在接続しているPHSの親局(無線基地局6)の位置識別情報(CSID)が予め表示され、位置情報入力用のウィンドウ47cには、位置情報の入力を促すカーソルが点滅している。なお、CSIDは必ずしもウィンドウ47b上に表示する必要はない。
そして、ユーザは、図44に示すように、この位置情報用のウィンドウ47cに、例えば現在位置が「渋谷」であれば「渋谷」を入力し、送信ボタン47dをクリックすることにより、情報センタ5へ識別情報と位置情報とを組にして送信する(ステップB1)。入力操作をやり直す場合は取消ボタン47eをクリックすればよい。
すると、情報センタ5では、移動端末4から送信されてきたデータ(識別情報,位置情報)が、対応データベース55に既に登録されているかを確認し(ステップB2,B3)、既に登録されていた場合は、ユーザ(移動端末4)に対して登録済みである旨を通知して手続きを終了する(ステップB3のYESルートからステップB4)。
一方、移動端末4から送信されてきたデータが未登録の場合、情報センタ5は、受信したCSIDと位置情報(ここでは、「渋谷」)とを対応づけて、対応データベース55に追加登録し(ステップB5)、その旨をユーザに通知して手続きを終了する(ステップB6)。
ところで、上述の登録処理では、ユーザが位置情報のウィンドウ47cに、「渋谷」という広範囲なエリアを位置情報として入力しているので、当然、情報センタ5側では、大まかなエリアについてしか対応データベース55を構築することができない。
そこで、位置情報の候補をいくつか情報センタ5から提供して、ユーザに入力してもらう位置情報のエリアをある程度限定することが考えられる。以下、この場合の登録処理について、図45に示すフローチャート(ステップC1〜C8)を参照して説明する。
まず、この場合も、ユーザは、現在位置が「渋谷」であれば、位置情報用のウィンドウ47cに「渋谷」を入力し、送信ボタン47dをクリックすることにより、情報センタ5へ識別情報(CSID)と位置情報とを組にして送信する(ステップC1)。情報センタ5では、この移動端末4から送信されてきたデータ(識別情報,位置情報)が、対応データベース55に既に登録されているかを確認し(ステップC2,C3)、既に登録されていた場合は、ユーザ(移動端末4)に対して登録済みである旨を通知して手続きを終了する(ステップC3のYESルートからステップC4)。
一方、移動端末4から送信されてきたデータが未登録の場合、情報センタ5は、受信した位置情報(ここでは、「渋谷」)に対応する目標物(例えば、「ハチ公前」,「109前」,「住友生命ビル前」など)の候補を位置情報を送信してきた移動端末4に向かって送信する(ステップC5)。この目標物の候補の送信は、例えば"Netscape"(登録商標)の"htm1"ベースで行なってもよいし、"Java"の"applet"により行なってもよい。
そして、ユーザは、移動端末4のLCD47−1に表示された目標物の候補から現在位置に最も近い候補を選択・入力して情報センタ5に送信する(ステップC6)。これにより、情報センタ5に送信される位置情報が或る特定範囲内に特定され、情報センタ5でのデータベース構築が容易になる。
さらに、情報センタ5は、ユーザからの位置情報(ユーザが選択した目標物)を既に受信しているCSIDと対応付けて対応データベース55に登録するとともに(ステップC7)、ユーザに登録が完了した旨を通知して手続きを終了する(ステップC8)。
なお、この登録処理は、上記の目標物の候補の代わりに、ユーザの現在位置周辺の地図情報を情報センタ5から移動端末4へ提供して、ユーザに現在位置をポインティングしてもらうようにしてもよい。以下、この場合の登録処理を図46に示すフローチャート(ステップD1〜D10)を参照して説明する。
まず、この場合も、ユーザは、移動端末4に位置情報用のウィンドウ47cに現在位置についての位置情報(「渋谷」など)を入力することにより、情報センタ5へ識別情報(CSID)と位置情報とを組にして送信する(ステップD1)。情報センタ5では、この移動端末4から送信されてきたデータ(識別情報,位置情報)が、対応データベース55に既に登録されているかを確認し(ステップD2,D3)、既に登録されていた場合は、ユーザ(移動端末4)に対して登録済みである旨を通知して手続きを終了する(ステップD3のYESルートからステップD4)。
一方、移動端末4から送信されてきたデータが未登録の場合、情報センタ5は、受信した位置情報に対応する目標物の候補を位置情報を送信してきた移動端末4に向かって送信する(ステップD5)。ユーザは、移動端末4のLCD47−1に表示された目標物の候補から現在位置に最も近い候補を選択・入力して情報センタ5に送信する(ステップD6)。
さらに、情報センタ5は、移動端末4から受信した目標物をキーにして検索部53によりデータベース52内でユーザの現在位置周辺の地図情報を検索し、得られた地図情報をユーザへ送信する(ステップD7)。
そして、ユーザは、このように情報センタ5から提供されLCD47−1に表示された地図を基に、現在位置をポインティングすることによって、位置情報を入力して情報センタ5へ送信する(ステップD8)。なお、この場合も、ユーザにポインティングしてもらう地図上のエリアをある程度限定するために、例えば図47に示すように、受信した地図情報を、それぞれ識別子(J1,J2,K1,K2)を付与したメッシュ状のエリアに分割してLCD47−1に表示することによって、エリア単位で現在位置をユーザにポインティングしてもらうようにしてもよい。
つまり、上記の移動端末4では、ユーザが、自己の現在位置を、移動端末4に表示された地図に従って入力することができるようになっており、これにより、ユーザによる位置情報の入力操作に対する負担が大幅に軽減される。
その後、情報センタ5は、移動端末4からの位置情報(ポインティングされた座標又はエリア)と既に受信しているCSIDとを対応付けて対応データベース55に登録するとともに(ステップD9)、ユーザに登録が完了した旨を通知して手続きを終了する(ステップD10)。
以上のように、本実施形態における移動通信システムによれば、移動端末4から、無線基地局6の位置識別情報(CSID)と移動端末4の位置情報(「渋谷」など)とをそれぞれ情報センタ5の対応データベース55へ送信することにより、CSIDを予め情報センタ5側で把握していなくても、CSIDと移動端末4の位置情報とを対応付けたデータベース55を独自に情報センタ5で構築することができる。
従って、通常は、通信事業者しか把握していない無線基地局6(又は公衆電話などの固定端末)の識別情報と位置情報との対応データベース55を、通信事業者を介さず、つまり通信網に依存せずに構築することができ、システム構築上の柔軟性に大いに寄与する。
また、上述のようにユーザに識別情報と位置情報とを登録してもらうことによって、システムを運用すればするほど、また、システムのユーザが増えるに従って、情報センタ5に対応データベース55に必要な情報が自然に集まるので、情報センタ5の運用者(保守者)の保守・運用作業に対する負荷を大幅に軽減することができる。
なお、識別情報と位置情報との対応データベース55が構築されているかどうかは、サービス起動時に知ることができるので、サービス起動時など、識別情報と位置情報との対応データが対応データベース55内に無い場合には、自動的にユーザに識別情報と位置情報の登録をメッセージなどにより促すようにしてもよい。また、上述の情報登録は、ユーザのみならず情報センタ5の運用者によって、予め地図情報,タウン情報またサービスの提供が予想される地域において行なうことも可能である。
さらに、後述するように移動端末4を公衆電話などの固定端末(あるいはLAN(Local Area Network))と接続して情報センタ5にアクセスする場合には、電話番号などの固定端末の識別情報(あるいはLANに結合したときに動的に得られるIPアドレス)と位置情報とをサービスを受けるユーザが情報センタ5に送信することになる。
この場合の登録処理手順も、図44〜図46により前述した処理と同様に行なわれるが、移動端末4をアナログやISDNなどの固定電話やIrDAなどの赤外線インタフェースに接続する場合には、移動端末4が識別情報を自動的に入手(検出)することができないため、ユーザによって電話番号などの識別情報を入力してもらうようになる。
また、図17にて前述したように移動端末4の位置情報検出部41がGPSなどの衛星を利用して移動端末4の位置情報検出するように構成されている場合は、位置情報が正確に検出されるので、図45あるいは図46により前述したように情報センタ5から移動端末に目標物の候補を送り返すなどの処理を行なう必要がなく、図44により前述した処理(ステップB1〜B6)に従って登録を完了することができる。また、この場合、移動端末4内で自動的に位置情報が得られるので、ユーザは、登録・送信操作を行なうだけで、文字入力作業などを行なわずに登録作業を実行することが可能になる。
(6)対応データベース55の利用方法
次に、以下では、上述の対応データベース55の利用・管理方法について説明する。
まず、ユーザは現在位置に応じた地図情報,タウン情報またはサービスを得る場合、図48に示すように、ユーザが引き出したい地図情報,タウン情報またはサービスの検索コード(例えば、「渋谷」などの位置を示す名称や、それを体系的にコード化したもの)を前述したごとく移動端末4から無線基地局6,PHS公衆網7を介して情報センタ5に送る(ステップE1〜E3)。
情報センタ5では、受信した検索コードから該当する位置に応じた地図情報,タウン情報またはサービスを、対応データベース55として構築されている対応テーブル551から探し出して、移動端末4に対して上記の検索コードにリンクしてある情報を送り返す(ステップE4〜E6)。なお、この図48において、6′は無線基地局6とPHS公衆網7とを接続する接続装置である。
このように、情報センタ5に対応テーブル551を用意することで、サービス利用者全員が一様に対応データベース55を利用できる。
なお、情報センタ5には、例えば図49に示すように、ユーザグループで利用できるようなグループ別の対応テーブル552を設けてもよい。この場合、ユーザが移動端末4から位置に応じた情報を得るには、図48により上述したように、引き出したい情報の検索コード(「渋谷」,「銀座」など)を無線基地局6,PHS公衆網7を介して情報センタ5に送信するが、この際に、検索コードにグループコード(図49では$1000,$1001など)を付加することにより、情報センタ5では、グループ内のサービス利用者のみが利用できるリンク情報(user1000.mapなど)を受信したグループコードから選択し、グループ内のプライベートな情報をユーザへ提供することができる。
つまり、上記の対応データベース55は、データベース52と同様に、ユーザ個人やユーザグループなどの特定のユーザ用と全てのユーザ用の2種類の記憶部を有して構成されており、これにより、この場合も、対応データベース55内の情報に対する保守・管理の負担を大幅に軽減することができる。
また、上記の対応テーブル551は、例えば図50に示すように、移動端末4側に設けてもよく、この場合は、ユーザにより入力された位置情報(例えば、「渋谷」)が、対応テーブル551に基づいて自動的に検索コード(例えば、#001)に変換され、情報センタ5には検索コードが送信される(ステップF1〜F3)。
情報センタ5では、受信した検索コード(#001)に対応する地図情報,タウン情報またはサービスを移動端末4に返信する(ステップF4〜F6)。
このように、移動端末4側に対応テーブル551を設けることで、ユーザ個人毎にテーブル551を作成することが可能で、自由にカスタマイズできる。なお、上述の各項目(1)〜(5)では、この検索コードとCSIDとを一致させてCSIDを情報センタ5へ送信している。
さらに、上記の方法は、次のようなものも考えられる。すなわち、例えば図51に示すように、移動端末4が情報センタ5にアクセスしたときに、情報センタ5から現在サービスを行なっている地域を示すエリアマップ(地図情報)を最初に移動端末4に向けて送り、検索操作をサービス利用者に促す(ステップG1〜G3)。
ユーザは、移動端末4に表示された地図上で欲しい情報の場所をポインティングすることによって、ポインティングした位置(画面座標)を検索コード(#001,#002など)として情報センタ5へ送信する(ステップG4〜G6)。情報センタ5では、受信した検索コードを基に、細分化されたエリアマップがまだあればそれを送り返し、無ければ、位置に応じた情報を送り返す。ことができる。
以上のように、上記の利用方法によれば、通信事業者が管理しているCSIDなどの識別情報をユーザ,情報センタ5の運用者が意識することなく、地図情報,タウン情報またはサービスの遣り取りを行なうことができる。
(7)その他
なお、上記の移動端末4は、いずれも電子手帳にPHS(PHS無線通信部45)を内蔵して構成しているが、もちろんPHSは電子手帳に外付けするようにしてもよい。また、PHSに限らず携帯電話などの他の無線通信手段を用いてもよい。
ところで、上述の移動通信システムは、図7に示すように情報センタ5と各移動端末4とが無線基地局6を通じての通信手段を介して接続されているが、例えば図52に示すように、情報センタ5と各移動端末4とを公衆電話などの固定端末6Aを通じての通信手段を介して接続しても、上述の実施形態と同様の作用・効果が得られる。
従って、ユーザは、移動端末4と情報センタ5との接続方法をその場の状況に応じて任意に選択することが可能になり、システム運用上の柔軟性やサービス性の向上に大いに寄与することとなる。
ただし、この場合は、図52に示すように、移動端末4が、図7に示す構成において、PHS無線通信部45に代えて公衆電話やLANなどとの接続が可能な接続部45Aをそなえて構成され、情報センタ5が、通信部51に代えて、例えば、ISDNやアナログ電話などの公衆網/専用線,LAN,CATVなどを介して固定端末6Aと通信が可能な通信部51Aをそなえて構成される。
また、この場合、移動端末4の位置情報検出部41は、無線基地局6の位置識別情報(CSID)の代わりに、移動端末4が接続している固定端末6についての位置識別情報(公衆電話の場合は電話番号,LANの場合はIPアドレスなど)を検出するようになる。従って、この場合も、情報センタ5は、確実に、その移動端末に必要な位置に関連する情報又はサービスを提供することができる。
なお、この場合も、図7により前述したように、位置情報検出部41を、GPSなど、衛星を利用して自己の位置情報を検出するように構成すれば、正確に位置情報を検出することができるとともに、ユーザによって位置情報を入力してもらうなどの手順を省略することができるので、ユーザの情報入力操作などに対する負荷を大幅に軽減できる。
また、この場合も、図7,図17により前述したように、位置情報検出部41で検出された固定端末6Aについての位置識別情報を移動端末位置情報に変換する位置情報変換部41′を、情報センタ5又は移動端末4に設ければ、情報センタ5では、固定端末6Aの位置識別情報を意識せず(固定端末の種別などによらず)に独立して地図情報,タウン情報またはサービスを対応する移動端末4に提供することができるようになるので、システム構築上の柔軟性を大幅に向上させることができる。
さらに、本移動通信システムは、インターネット8を利用して実現しているが、これに限定されず、他のネットワークを利用して実現してもよい。
(B)第2実施形態の説明
図55は本発明の第2実施形態としての移動通信システムを示すブロック図であるが、この図55においても前述した技術と同様に、4はPHS移動端末、5は情報センタ、6はPHS無線基地局(CS)、7は公衆網であり、ここでも、PHS移動端末4は、いわゆる電子手帳にPHSが内蔵された電子手帳型PHSで、ユーザが専用のペンなどを用いて表示部4aを通じて移動端末4の位置に関連する情報又はサービス(地図情報,地図上の施設情報,その地図に関連するサービスプログラムなど)の要求/提供操作を行なうことによって、所望の情報又はサービスプログラムを無線(PHS)基地局6,公衆網7を介して情報センタ5との間で遣り取りできるようになっている。
なお、本実施形態の移動端末4も、第1実施形態にて前述したものと同様に、例えば図56に示すようなハードウェア構成を有しているものとする(この図56に示す各部分の詳細については図10により説明済みであるので、ここでは省略する)。
そして、図57は上述のシステムをインターネットを利用して実現した場合の構成を模式的に示すブロック図で、この図57に示すように、移動端末4は、Web(World Wide Web)ブラウザ40A,端末側プロクシー40B,端末側蓄積部40Cなどを有しており、本実施形態でも、商用プロバイダ,会社あるいは大学などに設置されたダイヤルアップルータ(公衆網7に接続)などを介して、例えばPPPプロトコルによりインターネット8に接続されている。
一方、情報センタ5は、WWWサーバ51′を利用してインターネット8と接続できるようになっており、CGIプログラム61,地図情報データベース52a及びタウン情報データベース52bなどを有して構成されている。
ここで、情報センタ5において、各データベース52a,52b(センタ側蓄積部)は、移動端末4が移動しうる位置情報に関連した情報(またはサービスプログラム)として地図情報,その地図上の施設情報などのタウン情報を蓄積するものであり、CGIプログラム(検索部)61は、移動端末4からの要求に基づいて、これらのデータベース52a,52bに蓄積されている地図情報,タウン情報を検索するものであり、WWWサーバ51′は、CGIプログラム61によって検索された地図情報,タウン情報(または、サービスプログラム)を対応するデータベース52a,52bから取り出して、移動端末4に送信する情報・サービス送信部としての機能を果たすものである。
一方、移動端末4において、Webブラウザ40Aは、本実施形態では、地図サービスプログラム401により後述するような各種の地図サービスを利用できるようにするためのもので、例えば"Netscape"や"Internet Explore"(登録商標)のようなJava言語が動作可能なものを利用している。なお、上記の地図サービスプログラム401は、Java言語のAppletとして記述されており、後述するように、情報センタ5あるいはメモリカードのような所定の記憶媒体から受けることも可能である。
また、端末側蓄積部40Cは、情報センタ5から送られてくる地図情報,タウン情報(または、サービスプログラム)を蓄積するものであり、端末側プロクシー40Bは、通常は情報センタ5側に配置されるプロキシーサーバを移動端末4側に搭載したもので、情報センタ5から配送されたデータ(地図情報など)を一時的に端末側蓄積部40Cに蓄積し、ユーザが同じデータを要求した場合には、端末側蓄積部40Cからそのデータを取り出して(キャッシュして)Webブラウザ40A(地図サービスプログラム401)に配送するようになっており、この端末側プロクシー40Bの機能により、情報センタ5へのアクセス数が削減されるようになっている。
なお、上記の端末側蓄積部40Cは、図56に示すRAM49−2に相当し、Webブラウザ40A,端末側プロクシー40Bはそれぞれ図56に示すCPU46によりその機能が実現されている。また、端末側蓄積部40Cは、端末側プロクシー40Bに含まれる場合もあり、以降の説明では、端末側プロクシー40Bに含まれているものとして考える。
そして、上記のような機能を実現するために、上述のWebブラウザ40Aの地図サービスプログラム401は、例えば図58に模式的に示すように、地図・タウン情報蓄積部62,表示部63,行動検出部64,情報要求部65及びプリフェッチ部66を有しており、端末側プロクシー40Bは、同じく図58に模式的に示すように、キャッシング部67及び同期部68を有している。
ここで、上述の地図・タウン情報蓄積部62は、端末側プロクシー40Bのキャッシング部67を通じて情報センタ5あるいは端末側蓄積部40Cから送られてくる地図情報やタウン情報を一時的に蓄積するもので、表示部63のためのバッファとしての機能を果たしている。また、表示部(情報・サービス利用部)63は、この地図・タウン情報蓄積部62に蓄積された地図情報,タウン情報を移動端末のディスプレイなどに表示することにより、地図情報,タウン情報の利用を可能にするものである。
さらに、行動検出部64は、ユーザの行動を検出するもので、本実施形態では、後述するように、ユーザの行動(提供情報・サービス変更操作)として、移動端末4の表示部(表示領域/表示画面)63上に表示されている地図データに対するポインティング操作,スクロール(ドラッグ)操作などを検出できるようになっている。
また、情報要求部65は、この行動検出部64での行動検出結果(ユーザの行動)に基づいて、キャッシング部68と協動して動作することにより、地図情報/タウン情報/サービスプログラムをhttp(hyper text transfer protocol) などを用いて情報センタ5に要求し、その要求に応じて情報センタ5から送られてくる地図情報/タウン情報/サービスプログラム(以下、位置関連情報ということがある)を端末側蓄積部40Cに蓄積させるもので、例えば、ユーザが表示中の地図データ上のある店や施設をポインティングすると、その店,施設に関する詳細な情報(タウン情報)が端末側蓄積部40Cに蓄積されるようになっている。
さらに、プリフェッチ部66は、行動検出部64での行動検出結果に基づいて、キャッシング部68と協動して動作することにより、必要と予測される位置関連情報をhttpなどにより情報センタ5に要求し、その要求に応じて情報センタ5から送られてくる位置関連情報を端末側蓄積部40Cに蓄積させるもので、例えば、本実施形態では、表示中の地図データに対する周辺地図データが自動的に端末側蓄積部40Cに蓄積されるようになっている。
さらに、キャッシング部67は、上記の位置関連情報を情報センタ5へ要求する際に、蓄積部40Cを検索し、その位置関連情報が蓄積部40Cに既に蓄積されている場合には、情報センタ5へは要求を出さずに、端末側蓄積部40Cからその位置関連情報を取り出して、情報要求部65(またはプリフェッチ部66),地図・タウン情報蓄積部62を介して表示部63へ供給するためのものである。
また、同期部68は、端末側蓄積部40Cに蓄積されている位置関連情報を、情報センタ5のデータベース52a,52bに蓄積されている位置関連情報と同期させるためのものである。
以下、本実施形態の要部である行動検出部64,プリフェッチ部66,キャッシング部67,同期部68について、項目別に、より詳細に説明する。
(1)行動検出部64の詳細説明
図59は上述の行動検出部64の要部の構成を示すブロック図であるが、この図59に示すように、本実施形態の行動検出部64は、入力制御部70,スクロール量計算部71及び表示制御部72をそなえて構成されている。
ここで、入力制御部70は、タッチパネル47−2(図56参照)等(マウスやキーボードでもよい)の入力デバイス69を用いて入力されるユーザの操作情報(例えば、スクロール操作情報)を検知するものであり、スクロール量計算部71は、この入力制御部70で検知されたスクロール操作情報に基づいて、スクロール操作が移動端末の表示領域63に対してどの方向にどれだけ行なわれたかといったスクロール量(例えば、スクロール開始・終了点の画面座標の差)を計算するものである。なお、得られたスクロール量は、プリフェッチ部66に与えられる。
表示制御部72は、このスクロール量計算部71での計算結果(スクロール量)に基づいて表示領域63を制御して表示中の地図データを他の地図データに変更することにより、ユーザのスクロール操作に応じた分だけ表示中の地図データスクロールさせるもので、この機能により、例えばマウスやペン等により表示画面63上をドラッグすることによりで表示中の地図の表示範囲を自由に変更できるようになっている。
つまり、この行動検出部64は、ユーザによる提供情報/サービス変更操作として、移動端末4の表示画面63に対するスクロール操作を検出するようになっているのである。従って、ユーザは、位置関連情報を要求するために「渋谷」,「銀座」というように地名を入力するなどの特別な操作を行なうことなく、また、ユーザの現在位置に関わらず、表示画面63を参照しながら簡便に必要な地図データ(位置関連情報)を受けることが可能になる。
なお、この行動検出部64は、前述したようにPHS基地局6のCSIDあるいはGPSなどを利用して、上記の提供情報/サービス変更操作として、移動端末4の移動情報を検出するようにしてもよい。この場合は、ユーザの移動にともなって自動的に必要な地図データが端末側蓄積部40Cに蓄積されるので、自動的にユーザの現在位置に合わせた地図データを表示画面63に順次表示できるようになる。従って、ユーザは、現在位置の変更毎に、不足している地図データを得るために情報センタ5にアクセスする必要がなくなる。
(2)プリフェッチ部66の詳細説明
図60は上述のプリフェッチ部66の要部の構成を示すブロック図であるが、この図60に示すように、本実施形態のプリフェッチ部66は、画面座標/地図座標変換部73,URL(Uniform Resource Locator)生成部74,検索部75,URL送信部76及びHTML受信部77をそなえて構成されている。
ここで、画面座標/地図座標変換部73は、上述のスクロール量計算部71から供給されるスクロール量(画面座標)を地図座標(例えば、緯度・経度)に変換するものであり、URL生成部74は、この画面座標/地図座標変換部73により得られた地図座標が含まれる地図データを要求するためのURL(例えば、http://serverhost/Map/地図座標)を生成するものである。
ただし、上記の地図データは、本実施形態では、移動端末4の表示画面(表示領域)63分のデータ量(ファイル)毎に管理されており、URL生成部74は、ファイル単位(後述するグリッド単位)で地図データを要求するようになっている。つまり、このURL生成部47は、移動端末4の表示領域63の大きさに応じ、地図データ(位置関連情報)の一部を要求し情報センタ5からのデータ転送単位を小さくすることにより、必要な地図データが一度に情報センタ5から送られることを回避して、初期の地図表示を高速化するとともに、情報センタ5との通信時間を削減できるようにしているのである。
なお、このURL生成部47は、後述するように、スクロール操作の方向(行動検出部64での行動検出結果)に応じて、URLの生成順序を変更することにより、必要と予測される地図データ(スクロール操作により表示画面63に表示されるであろう地図データ)の要求順序(プリフェッチ手順)を変更するための機能も有している。
また、検索部75は、URL生成部74で生成されたURLに基づいて、地図・タウン情報蓄積部62を検索して、上記地図データが既に地図・タウン情報蓄積部62に蓄積されているか否かを判定するもので、上記地図データが既に地図・タウン情報蓄積部62に蓄積されている場合はURL送信部76にURLの送信禁止指示を与える一方、上記地図データが地図・タウン情報蓄積部62に蓄積されていない場合はURL送信部76にURLの送信指示を与えるようになっている。
さらに、URL送信部76は、URL生成部74で生成されたURLを検索部75からの指示に応じてキャッシング部67へ送信するものであり、HTML受信部77は、このURL送信部76から送信されたURLの応答として返送されてくる地図データ(例えば、Map 地図座標.gif)あるいはHTML(Hyper Text Markup Language)文書などを受信
して、地図・タウン情報蓄積部62に蓄積するものである。
これにより、このプリフェッチ部66では、行動検出部64での行動検出結果(スクロール量)に基づいて、検索部75により地図・タウン情報蓄積部62を検索して、ユーザにとって必要と予測される地図データが既に地図・タウン情報蓄積部62に蓄積されていれば、情報センタ5へはアクセスせずに(URLを送信せずに)その地図・タウン情報蓄積部62内の地図データを利用する。一方、上記地図データが地図・タウン情報蓄積部62に蓄積されていない場合は、URL送信部76よりURLをキャッシング部66へ送信し、キャッシング部66より必要と予測される地図データを受けて地図・タウン情報蓄積部62に蓄積させる。
また、このとき、URL生成部74では、スクロール操作の方向に応じて、URLの生成順序を変更して、上記プリフェッチ手順を変更するので、必要と予測される地図データ中でも、即時性の必要とされるデータ(例えば、スクロール操作により直ぐに表示画面63に表示しなければならない部分の地図データ)を他のものより優先して取得することが可能になり、この結果、ユーザは、ほとんど遅延なく、必要な地図データを受けることができる。
なお、情報要求部65は、上述の画面座標/地図座標変換部73がユーザの表示画面63に対するポインティング位置に基づいて座標変換を行なう点以外、このプリフェッチ部66とほぼ同様に動作する。
(3)キャッシング部67及び同期部68の詳細説明
図61は上述のキャッシング部67及び同期部68の要部の構成を示すブロック図であるが、この図61に示すように、本実施形態のキャッシング部67は、URL送信部78,参照ファイルリスト79,HTML取得部80,HTML受信部81及びHTML蓄積部82をそなえて構成されており、同期部68は、同期制御部83,蓄積リスト送信部84及び更新制御部85をそなえて構成されている。
ここで、まずキャッシング部67において、URL送信部78は、Webブラウザ40A〔プリフェッチ部66(情報要求部65)のURL送信部76〕から送られてくるURL(http://serverhost/Map/地図座標)に基づいて、端末側蓄積部40を検索して、該当する地図データが端末側蓄積部40Cに既に蓄積されている場合には、情報センタへ5は要求を出さずに、端末側蓄積部40Cからその地図データを取り出して表示画面63へ供給するものである。
具体的に、ここでは、例えば図62に示すように、Webブラウザ40AからのURLとHTML文書で記述された地図データファイル名(file N.html:N は自然数)とが対応付けられて参照ファイルリスト79が形成されており、URL送信部78は、受信URLを基にこの参照ファイル79をチェックして該当するファイルが存在するか否かを判定し、該当ファイルが存在すればそのファイル(地図データ)を端末側蓄積部40Cから取り出すようHTML取得部80に指示を与えるようになっている。
なお、該当ファイルが参照ファイルリスト79内に存在しない場合は、そのファイル(地図データ)を情報センタ5から得るために受信URLがそのままこのURL送信部78から情報センタ5へ送信(転送)されるようになっている。
また、HTML取得部80は、上述のURL送信部78からの指示に従って端末側蓄積部40Cより必要なファイル(地図データ)を取り出して、その地図データ(Map 地図座標.gif)をWebブラウザ40A〔プリフェッチ部66(情報要求部65)のHTML受信部81〕へ配送するものであり、HTML受信部81は、情報センタ5から送られてくる地図データ(Map 地図座標.gif)(HTML文書,タウン情報などの場合もある)を受信するものであり、HTML蓄積部82は、このHTML受信部81で受信された地図データを端末側蓄積部40Cに蓄積するものである。
つまり、このキャッシング部67は、必要な地図データが端末側蓄積部40Cに蓄積されていない場合にのみ、その地図データを情報センタ5へ要求するようになっているのである。従って、移動端末4は、必要なときにのみ情報センタ5とアクセスするので、常に情報センタ5との通信時間,通信量を最小限に抑えながら、必要な(必要と予測される)地図データを保持しておくことができる。
一方、同期部68において、同期制御部83は、情報センタ5との通信が確立されPHS無線部45a(図56)を通じて接続情報を受けた場合に、端末側蓄積部40Cに蓄積されている地図データのリストを情報センタ5に送信すべく、蓄積リスト送信部84を起動するものであり、蓄積リスト送信部(情報・サービスリスト送付部)84は、この同期制御部83により起動されると、上記の参照ファイルリスト79を参照してそのURL部分を蓄積リストとして情報センタ5へ送信することにより、端末側蓄積部40Cに蓄積されている地図データ(位置関連情報)のリストを情報センタ5に送付するものである。
また、更新制御部85は、この蓄積リストの応答として情報センタ5から送られてくる地図データ(ここでは、情報センタ5側での検索処理により、蓄積リストにない地図データのみが送られてくる)を受信して、その地図データにより端末側蓄積部40C内の地図データを更新するものである。
これにより、移動端末4は、情報センタ5とアクセスする度に、常に、不足している地図データ(位置関連情報)を自動的に補完して、情報センタ5が保持する位置関連情報と同じものを保持しておくことができる。従って、例えば、情報センタ5側の位置関連情報の更新などにも柔軟に対応できるようになる。
以下、上述のごとく構成された本実施形態における移動通信システムの動作について、図63に示すシーケンス図(ステップA1〜A33),図65に示すフローチャート(ステップB1〜B8),図66に示すフローチャート(ステップC1〜C6),図69に示すフローチャート(ステップD1〜D4)をそれぞれ併用して詳述する。なお、ここでは、Webブラウザ40A用の地図サービスプログラム401(地図・タウン情報蓄積部62,表示部63,行動検出部64,情報要求部65,プリフェッチ部66)が情報センタ5より提供される場合を考える。
まず、ユーザが移動端末4に対して地図サービスを利用するための操作(例えばアイコンクリックなど)を行なうと、移動端末4では、Webブラウザ40Aが地図サービスプログラム401を要求するURL(http://server/MapApplet)を生成し(図63のステップA1)、そのURLを端末側プロクシー40Bに送信する(図63のステップA2)。
このURLを受信した端末側プロクシー40Bでは、キャッシング部67のURL送信部78(図61参照)が、受信URLを基に参照ファイルリスト79を参照して、端末側蓄積部40Cに該当するファイル〔プログラム(プログラムファイル)401〕が既に蓄積されているか否かをチェックする(図63のステップA3)。
この結果、プログラムファイル401が蓄積されていれば(ステップA3においてYESと判定されれば)、URL送信部78は、HTML取得部80に取り出し指示を与え、HTML取得部80によりそのプログラムファイル401(MapApplet.app)を取り出して、Webブラウザ40Aに配送する(図63のステップA4)。
一方、端末側蓄積部40Cにプログラムファイル401が蓄積されていない場合(ステップA3においてNOと判定された場合)は、URL送信部78が受信URL(http://server/MapApplet)をそのまま情報センタ5のWeb(WWW)サーバ51′へ送信する(図63のステップA5)。情報センタ5(Webサーバ51′)は、受信したURLを基にプログラムファイル401を取得し、移動端末4(Webブラウザ40A)にそのプログラムファイル401を配送する(図63のステップA6)。
移動端末4は、受け取ったプログラムファイル401を、例えばRAM49−2(図56参照)に格納することにより、地図サービスを利用できる状態となる。
そして、例えば、ユーザが地図サービス利用開始操作を移動端末4に対して行なうと(図63のステップA7)、CPU46がサービスプログラム401に従って動作し、まず、初期表示すべき地図データの要求を行なう(図63のステップA8)。ここで、初期表示する地図データは、前述したように、ユーザによる地名入力,PHS基地局6のCSIDあるいはGPSを利用した現在位置に応じたもののいずれでもよいが、いずれの場合にも、サービスプログラム401は、情報要求部65のURL送信部73によって必要な地図データ(タウン情報/サービスも含まれているものとする)を要求するURL(http://server/Map1.gif)を生成して端末側プロクシー40BへそのURLを送信する(図63のステップA9)。
端末側プロクシー40Bでは、上記のURLを受信すると(図65のステップB1)、キャッシング部66のURL送信部78が、受信したURL(http://server/Map1.gif)を基に参照ファイルリスト79をチェックして、要求された地図データ(Map1.gif)が端末側蓄積部40Cに既に蓄積されているか否かを判定(キャッシュ判定)する(図65のステップB2)。
この結果、要求された地図データ(Map1.gif)が端末側蓄積部40Cに既に蓄積されていれば(図65のステップB2においてYESと判定されれば)、HTML取得部80がその地図データ(Map1.gif)を端末側蓄積部40Cから取り出して(図65のステップB3,B4)、Webブラウザ40Aのサービスプログラム401(情報要求部65)に配送する(図63のステップA9からステップA14,図65のステップB8)。
一方、要求された地図データ(Map1.gif)が端末側蓄積部40Cに蓄積されていない場合(図65のステップB2においてNOと判定された場合)は、URL送信部78がそのまま受信URL(http://server/Map1.gif)を情報センタ5のWebサーバ51′へ転送する(図63のステップA10,図65のステップB5)。
情報センタ5では、Webサーバ51′がCGIプログラム61(図57参照)を起動し、CGIプログラム61により受信したURL(http://server/Map1.gif)を基にデータベース52a,52bを検索して該当する地図データ(Map1.gif)を取り出し(図63のステップA11,A12)、その地図データ(Map1.gif)を移動端末4の端末側プロクシー40Bへ返送する(図63のステップA13)。
端末側プロクシー40Bは、受け取った地図データ(Map1.gif)をキャッシング部66のHTML受信部81で受信し(図65のステップB6)、その地図データ(Map1.gif)をHTML蓄積部82により端末側蓄積部40Cに蓄積するとともに(図65のステップB7)、サービスプログラム401(情報要求部65)へ配送する(図63のステップA14,図65のステップB8)。
情報要求部65は、受け取った地図データ(Map1.gif)を地図・タウン情報蓄積部62で展開することにより表示部(表示画面)63に表示して、地図サービスをユーザに提示する(図63のステップA15,A16)。
図64はこのときの初期地図表示画面例を示す図であるが、この図64に示すように、本実施形態では、地図データ(地図上の店,施設情報なども含む)が地図・タウン情報蓄積部62に蓄積されているか否か(蓄積データの保持状態を)ユーザに通知するために、例えば、地図(表示画面63)右上に5×5のグリッドからなる矩形領域86が表示されるようになっており、この矩形領域86内のグリッドの表示色を(1)データ未転送,(2)データ転送中,(3)データ転送済などの各状態毎に変えることにより、表示画面63に対してどの方向の地図データが蓄積済であるかが一見して分かるようになっている。
なお、情報センタ5からは、上記のグリッド毎に地図データが転送されるようになっており、初期段階ではまず5×5のグリッドの中心の地図データが転送され、その後、回線の空きを利用して、プリフェッチ部66により、順次、必要と予測される地図データが後述するように自動的に転送されるようになっている。このとき、1つのグリッドを小さくすればするほど、データ転送単位が小さくなるので、初期の地図表示が高速化されるが、あまり1つのグリッドを小さくすると転送回数が増えるので、グリッドの大きさは、通信回線のデータ伝送速度,通信時間などを考慮して最適な値に決定する。
そして、このとき、サービスプログラム401は、上記初期表示処理と並行して、プリフェッチ部66により、必要と予測される地図データ(例えば、上記の初期地図データ(Map1.gif)の周辺地図データ)を順次要求するプリフェッチ処理を実行する(図63のステップA17)。例えば、プリフェッチ部66では、画面座標/地図座標変換部73により初期表示画面座標から周辺地図座標を算出し(図66のステップC1)、URL生成部74により周辺地図データ(例えば、Map2.gif) を要求するURL(http://server/Map2.gif)を自動的に生成する(図66のステップC2)。
生成したURL(http://server/Map2.gif)は検索部75に与えられ、検索部75は、このURL(http://server/Map2.gif)を基に該当する周辺地図データ(Map2.gif)が地図・タウン情報蓄積部62に蓄積されているか否かをチェックする(図66のステップC3)。この結果、周辺地図データ(Map2.gif)が既に地図・タウン情報蓄積部62に蓄積されていれば(図66のステップC3でYESと判定されれば)、URL送信部76に対してURL送信禁止指示が与えられ、地図・タウン情報蓄積部62内の周辺地図データ(Map2.gif)がそのまま表示画面63に表示されるが、蓄積されていなければ(図66のステップC3でNOと判定されれば)、URL送信部76に対してURL送信指示が与えられURL(http://server/Map2.gif)が端末側プロクシー40Bへ送信される(図63のステップA18,図66のステップC4)。
端末側プロクシー40Bでは、キャッシング部66が、図65により前述した手順(ステップB1〜B8)と同様に、受信したURL(http://server/Map2.gif)を基に、要求された周辺地図データ(Map2.gif)が端末側蓄積部40Cに既に蓄積されているか否かを判定(キャッシュ判定)し、蓄積されていればその周辺地図データ(Map2.gif)を端末側蓄積部40Cから取り出して、サービスプログラム401(プリフェッチ部66)に配送する(図63のステップA18からステップA23)。
プリフェッチ部66は、HTML受信部77にて上記の周辺地図データ(Map2.gif)を受信し(図66のステップC5)、地図・タウン情報蓄積部62に蓄積・保存する(図66のステップC6)。
一方、要求された地図データ(Map2.gif)が端末側蓄積部40Cに蓄積されていない場合は、URL送信部78がそのまま受信URL(http://server/Map2.gif)を情報センタ5のWebサーバ51′へ転送する(図63のステップA19)。情報センタ5では、Webサーバ51′(CGIプログラム61)が、受信したURL(http://server/Map2.gif)を基に、地図情報データベース52aから該当する地図データ(Map2.gif)を検索して取り出し(図63のステップA20,A21)、その地図データ(Map2.gif)を端末側プロクシー40Bへ返送する(図63のステップA23)。端末側プロクシー40Bは、受け取った地図データ(Map2.gif)をキャッシング部66のHTML蓄積部82により端末側蓄積部40Cに蓄積する。
以下、プリフェッチ部66は、同様の手順により、順次(例えば図67中の丸付き数字で示す順序で)、周辺地図データ(Map3.gif,Map4.gif,...)を自動的に端末側プロクシー40Bあるいは情報センタ5から得て、それらの周辺地図データを表示可能な状態にしておく。なお、図67において、丸付き数字を付した領域はそれぞれ1グリッド(表示領域1枚分)に相当する。
そして、このプリフェッチ処理の実行中に、ユーザが表示画面63上で表示中の地図をドラッグしてスクロール操作を行なったとする(図63のステップA24)。すると、このスクロール操作に対するイベントがWebブラウザ40Aからサービスプログラム401へ送信される(図63のステップA25)。
サービスプログラム401では、行動検出部64がこのイベントを入力制御部70(図59参照)にて検知し、スクロール量計算部71によってスクロール量を計算し、その計算結果に応じて表示制御部72が表示領域63を制御して地図データを再表示(スクロール)する(図63のステップA26)。
このとき、上記スクロール量計算部71によって得られたスクロール量は、プリフェッチ部66に与えられ、プリフェッチ部66では、このスクロール量を地図座標に変換してスクロール方向を判断し、実行中の上記プリフェッチ手順を変更する(URLの生成順序を変更する)ことにより、即時性の必要とされるデータ(スクロール操作により直ぐに表示画面63に表示しなければならない部分の地図データ)を他のものより優先して取得する(図63のステップA27)。
例えば、図64中に太線矢印Aで示す方向にドラッグ(スクロール)操作が行なわれたことを考える。この場合、移動端末4は、図68に示すように、スクロール先の地図データ〔網かけ部分の周辺地図データ(Map2.gif,Map3.gif,Map4.gif)〕が必ず必要になる。そこで、プリフェッチ部66では、図69に示すように、URL送信部74において、スクロール量(スクロール方向)のチェックを行なった後(ステップD1)、元のプリフェッチ順序〔マトリックス:図70(a)参照〕を例えば図70(b)に示すように変更して、上記の周辺地図データ(Map2.gif,Map3.gif,Map4.gif)を優先的に要求するよう手順変更(決定)する(ステップD1のYESルートからステップD2,D3)。
これにより、元のプリフェッチ順序では9番目であった周辺地図データ(Map4.gif)のプリフェッチ順序が4番目となり、周辺地図データ(Map2.gif,Map3.gif)の要求(URL生成)に次いで、URL(http://server/Map4.gif)がURL生成部74において優先して生成される(ステップD4)。なお、上記のステップD1において、プリフェッチ手順を変更する必要がない(スクロール量が微小な場合など)と判定された場合は、例えば図70(a)に示すマトリックスで表される順序のままURLの生成が行なわれる(ステップD1のNOルートからステップD3,D4)。
そして、このURL(http://server/Map4.gif)は検索部75に与えられ、図66により上述した手順(ステップC3〜C6)と同様に、検索部75は、このURL(http://server/Map4.gif)を基に該当する周辺地図データ(Map4.gif)が地図・タウン情報蓄積部62に蓄積されているか否かをチェックし、蓄積されていれば、地図・タウン情報蓄積部62内の周辺地図データ(Map4.gif)がそのまま表示画面63に表示され、蓄積されていなければ、URL(http://server/Map4.gif)が端末側プロクシー40Bへ送信(転送)される(図63のステップA28)。
端末側プロクシー40Bでは、キャッシング部66が、図65により前述した手順(ステップB1〜B8)と同様に、受信したURL(http://server/Map4.gif)を基に、要求された周辺地図データ(Map4.gif)が端末側蓄積部40Cに既に蓄積されているか否かを判定(キャッシュ判定)し、蓄積されていればその周辺地図データ(Map4.gif)を端末側蓄積部40Cから取り出して、サービスプログラム401(プリフェッチ部66)に配送する(図63のステップA28からステップA33)。
プリフェッチ部66は、HTML受信部77にて上記の周辺地図データ(Map4.gif)を受信し、地図・タウン情報蓄積部62に蓄積・保存する。
一方、要求された地図データ(Map4.gif)が端末側蓄積部40Cに蓄積されていない場合は、URL送信部78は受信URL(http://server/Map4.gif)をそのまま情報センタ5のWebサーバ51′へ転送する(図63のステップA29)。
情報センタ5では、Webサーバ51′(CGIプログラム61)が、受信したURL(http://server/Map4.gif)を基に地図情報データベース52aから該当する地図データ(Map4.gif)を検索・取り出し(図63のステップA30,A31)、その地図データ(Map4.gif)を端末側プロクシー40Bへ返送する(図63のステップA32)。端末側プロクシー40Bは、受け取った地図データ(Map4.gif)をキャッシング部66のHTML蓄積部82により端末側蓄積部40Cに蓄積する(図63のステップA33)。
以下、同様に、図70(b)に示すプリフェッチ順序(マトリックス)に従って、地図要求URLが順次生成され、これにより、移動端末4は、即時性の必要とされるデータ(スクロール先の地図データ)を、順次、他のものより優先して取得する。従って、ユーザは、ほとんど遅延なく、必要な地図データを受けて利用することができる。
なお、上述の例では、最初に表示した領域(地図データ:Map1.gif)の周辺のグリッド(周辺地図データ)を順次転送するようにしているが、複数のグリッドを同時に並行して転送する(URL生成部74において複数のURLを同時に生成すればよい)ようにしてもよいし、各グリッドに優先順位をつけた上で並行に転送するようにてもよい。
また、ここでは、地図スクロールによるプリフェッチ手順例を示したが、前述したように、PHS基地局6のCSIDやGPSなどを利用してユーザの移動方向や移動距離(移動情報)を検出し、プリフェッチ手順を動的に変更するようにしてもよい。
以上のように、本実施形態における移動通信システム(移動端末4)によれば、行動検出部64,プリフェッチ部66によって、ユーザにとって必要な(必要と予測される)地図データ(タウン情報/サービスなども含む)を、ユーザの行動に応じて自動的にある程度端末側の蓄積部40Cに蓄積してゆくことができるので、ユーザは、常時、情報センタ5との通信を確立しなくとも、所望の地図データを利用することが可能になる。
従って、例えば図72に示すように、必要な地図データが移動端末4側で不足している度に情報センタ5にアクセスする(要求を出す)場合に比べて、情報センタ5とのアクセス時間(通信時間)が短縮され、通信コストの大幅な削減を図ることができる。また、必要な地図データが提供されるまでの遅延時間を大幅に削減でき、ユーザの操作性,利便性も大幅に向上する。
さらに、情報センタ5との通信が不可能あるいは不安定な場合でも、ある程度の地図データが蓄積部40Cに蓄積されているので、所望の地図サービスを確実に利用することができ、システムの信頼性も大幅に向上する。
そして、本実施形態の移動端末4では、行動検出部64により、移動端末4の表示画面63に対する操作(スクロール操作)を検出できるようにしているので、ユーザは、地図データ要求のための特別な入力操作を行なうことなく、また、ユーザの現在位置に関わらず、表示画面63を参照しながら簡便に必要な地図サービスを受けることができ、さらにユーザの操作性,利便性の向上を図ることができる。
なお、行動検出部64は、PHS基地局6のCSIDやGPSなどを利用してユーザの移動情報を検出できるようにすれば、ユーザの移動にともなって自動的に必要な情報またはサービスが端末側蓄積部40Cに蓄積されてゆくので、ユーザは、現在位置の変更毎に、不足している地図データを得るために情報センタ5にアクセスする必要がなくなる。従って、この場合は、ユーザの利便性の向上を図ることができるとともに、通信コストの削減,回線使用効率の向上をさらに図ることができる。
また、本実施形態の移動端末4は、キャッシング部66により、ユーザが必要とする(必要と予測される)地図データを既に端末側蓄積部40C内にもっている場合は情報センタ5にアクセスせずにユーザにその地図データを提供するので、情報センタ5との通信時間,通信量がさらに削減され、さらに通信コストを低減化することができる。
また、このキャッシング部66は、必要な地図データが端末側蓄積部40Cに蓄積されていないときにのみ、その地図データを情報センタ5へ要求するので、必要なときにのみ情報センタ5との通信が確立される。従って、常に情報センタ5との通信時間,通信量を最小限に抑えながら、必要な(必要と予測される)地図データを保持しておくことができ、これにより、通信コストの低減化,システムの信頼性にさらに寄与する。
さらに、上述の移動端末4では、プリフェッチ部66が、ユーザの行動に応じてプリフェッチ手順を変更して、必要と予測される地図データの要求順序(URLの生成順序)を変更するので、必要と予測される地図データの中でも、即時性の必要とされるものは要求順序を変更して他のものより優先して得られるようになっている。従って、ユーザは、ほとんど遅延なく、必要な地図データの提供を受けることができ、さらにユーザの操作性,利便性を大幅に向上できる。
また、本実施形態では、移動端末4が必要な(必要と予測される)地図データを要求する際、移動端末4の表示領域の大きさに応じ、地図データの一部をグリッド単位で要求するので、必要な地図データが一度に情報センタ5から送られることがない。従って、初期の地図表示を高速化できるとともに、情報センタ5との通信時間をさらに削減でき、通信コストがより低減される。
さらに、上述の実施形態では、地図サービスプログラム(Applet)401を情報センタ5より提供するようにしているので、移動端末4は、既存のものであっても情報センタ5より上記のプログラム401を受ければ、地図サービス利用可能な端末となるので、本システム構築上の柔軟性や本システムの汎用性にも大いに寄与する。
次に、以下では、端末側プロクシー40Bの同期部68の動作について、図71に示すフローチャート(ステップE1〜E7)を用いて説明する。
まず、移動端末4と情報センタ5との通信回線が確立(接続)されると(ステップE1)、移動端末4のPHS無線通信部45a(図56参照)から接続情報が同期部68へ送信される(ステップE2)。この接続情報を同期制御部83が受けると、同期制御部83は、蓄積リスト送信部84を起動し(ステップE3)、蓄積リスト送信部84は、参照ファイルリスト79を参照して(ステップE4)、そのURL部分を蓄積リストとして編集して情報センタ5へ送信する(ステップE5)。
情報センタ5は、この蓄積リストを受け取ると、そのURLを基にデータベース52a,52bを検索して、受信した蓄積リストにないデータを抽出し、そのデータを移動端末4へ返送する(ステップE6)。移動端末4は、この情報センタ5からのデータを同期部68の更新制御部85にて受信し、更新制御部85は、そのデータに基づいて端末側蓄積部40C内のデータを更新する(ステップE7)。
これにより、移動端末4は、常に、情報センタ5が保持する地図データと同じデータを保持しておくことができるので、例えば、情報センタ5側の地図データの更新などにも柔軟に対応することができ、システム運用上の柔軟性に大いに寄与する。
そして、上記の同期部68では、移動端末4が情報センタ5とアクセスする度に、蓄積リスト送信部84により、端末側蓄積部40Cに蓄積されている地図データ(実際は参照ファイルリスト79のURL部分)のリストを情報センタ5に送付することで自己がどの地図データを保持しているかを情報センタ5に通知し、その応答として情報センタ5から返送されてくる地図データ(ここでは、移動端末4側で不足している地図データのみが返送されてくる)に基づいて、自己が保持している地図データを更新するので、情報センタ5との通信量を最小限に抑えながら移動端末4側で不足している地図データを自動的に補完でき、これにより、移動端末4は、通信コストを抑えつつ常に最新の地図データを保持しておくことができる。
ところで、上述の実施形態では、地図サービスプログラム(Applet)401のみを情報センタ5から配送しているが、端末側プロクシー40Bも同様にプログラム化して情報センタ5から配送することが可能である。また、これらの地図サービスプログラム(Applet)401,端末側プロクシー40Bは、例えば、図73に示すように、メモリカード87などの記憶媒体にコンピュータ・プログラム40′化して記憶しておき、このメモリカード87を移動端末4に接続することにより、移動端末4のコンピュータとしてのCPU46(図56参照)にコンピュータ・プログラム40′を提供して、CPU46を、図63〜71にて前述した手順に従って動作させるようにしてもよい。
これにより、移動端末4は、既存のものであっても、また、情報センタ5との通信が不可能な場合であっても、上記のメモリカード87より上記のプログラム40′を受ければ、上記の地図サービスプログラム(Applet)401,端末側プロクシー40Bを有する端末として動作可能になるので、やはり、本システム構築上の柔軟性や本システムの汎用性に大いに寄与する。
なお、上記の移動端末4は、本実施形態でも、電子手帳にPHS(PHS無線通信部45:図56参照)を内蔵して構成しているが、もちろんPHSは電子手帳に外付けするようにしてもよい。また、PHSに限らず携帯電話などの他の無線通信手段を用いてもよい。さらに、本実施形態の移動通信システムもインターネット8を利用してシステムを実現しているが、本発明はこれに限定されず、他のネットワークを利用して実現してもよい。
(C)関連技術の説明
図1は本発明の関連技術を示すブロック図で、この図1において、1は複数の移動端末、2は情報センタであり、各移動端末1がそれぞれ情報センタ2と所定の通信手段を介して接続されて移動通信システムが構成されている。なお、情報センタ2は少なくとも1つ存在すればよい。
そして、この図1に示すように、各移動端末1は、位置情報検出手段11,位置情報送信手段12,アップロードデータ送信手段13及び情報・サービス利用手段14をそなえて構成されており、情報センタ2は、蓄積手段21,検索手段22,蓄積制御手段23及び情報・サービス送信手段をそなえて構成されている。
ここで、各移動端末1において、位置情報検出手段11は、移動端末1の位置情報を検出するものであり、位置情報送信手段12は、この位置情報検出手段11で検出された位置情報を情報センタ2へ送信するものであり、アップロードデータ送信手段13は、上記の位置情報に関連した情報またはサービスをアップロードデータとして情報センタ2へ送信するものであり、情報・サービス利用手段14は、情報センタ2から送られてきた位置情報に関連した情報またはサービスを利用するものである。
一方、情報センタ2において、蓄積手段21は、移動端末1が移動しうる位置情報に関連した情報またはサービスを蓄積するものであり、検索手段22は、移動端末1から送られてきた位置情報を受信して、この蓄積手段21に蓄積されている位置情報に関連した情報またはサービスを検索するものであり、蓄積制御手段23は、移動端末1内のアップロードデータ送信手段13を通じて送られてきたアップロードデータとしての位置情報に関連した情報またはサービスを蓄積手段21に蓄積するものであり、情報・サービス送信手段24は、検索手段22にて検索された位置情報に関連した情報またはサービスを蓄積手段21から取り出して、位置情報に関連した情報またはサービスを位置情報を送信してきた移動端末1に送信するものである。
上述のごとく構成された移動通信システム(移動端末1,情報センタ2)では、移動端末1が自己の位置情報を情報センタ2へ送信することにより、情報センタ2の蓄積手段21に蓄積されているその位置情報に関連した情報またはサービスを移動端末1において利用することができるが、さらに、本システムでは、各移動端末1が、アップロードデータ送信手段13を通じて位置情報に関連した情報またはサービスをアップロードデータとして情報センタ2へ送信することにより、情報センタ2(蓄積手段21)内の情報又はサービスを、随時、蓄積・更新して、移動端末1が必要とする情報又はサービスを情報センタ2内に常に保持しておくことができるようになる。
なお、上記の情報センタ2と各移動端末1とは、無線基地局を通じての通信手段を介して接続するようにしてもよいし、固定端末を通じての通信手段を介して接続するようにしてもよいので、各移動端末1は、情報センタ2との接続方法をその場の状況に応じて任意に選択することが可能になる。また、上記の移動端末1の位置情報検出手段11は、衛星を利用して移動端末1の位置情報を検出する手段として構成すれば、移動端末1は自己の位置情報を正確に検出することができる。
さらに、上述のように情報センタ2と各移動端末1とを無線基地局を通じての通信手段を介して接続した場合、各移動端末1の位置情報検出手段11は、移動端末1が接続している無線基地局についての位置識別情報を検出する手段として構成されるので、移動端末1の位置を無線基地局の位置識別情報(通信エリア)から特定することができる。
また、この場合、移動端末1の位置情報検出手段11で検出された無線基地局についての位置識別情報を移動端末位置情報に変換する位置情報変換手段を、情報センタ2又は移動端末1に設けることにより、情報センタ2では、無線基地局の位置識別情報を意識せずに独立して、受信した移動端末1の位置情報を基にその位置情報に関連した情報またはサービスを対応する移動端末1に提供することができる。
一方、上記の情報センタ2と各移動端末1とを固定端末を通じての通信手段を介して接続した場合、各移動端末1の位置情報検出手段11は、移動端末1が接続している固定端末についての位置識別情報を検出する手段として構成されるので、移動端末1の位置を固定端末の位置識別情報(設置エリア)から特定することができる。
そして、この場合、移動端末1の位置情報検出手段11で検出された固定端末についての位置識別情報を移動端末位置情報に変換する位置情報変換手段を、情報センタ2又は移動端末1に設けることにより、情報センタ2では、固定端末の位置識別情報を意識せずに独立して、受信した移動端末1の位置情報を基にその位置情報に関連した情報またはサービスを対応する移動端末1に提供することができる。
なお、上記の位置情報に関連した情報は、移動端末1が現在いる位置を含む地図の情報及びその地図内の施設情報を含む情報であるので、移動端末1は、情報センタ2より、地図情報だけでなく地図内の施設に関する詳細な情報までをも得ることができる。
また具体的に、上述の情報センタ2において、蓄積手段21は、特定移動端末用蓄積手段と不特定移動端末用蓄積手段とを有し、検索手段22は、特定移動端末用検索手段と不特定移動端末用検索手段とを有し、蓄積制御手段23は、特定移動端末用蓄積制御手段と不特定移動端末用蓄積制御手段とを有し、情報・サービス送信手段24は、特定移動端末用情報・サービス送信手段と不特定移動端末用情報・サービス送信手段とを有している。
ここで、まず蓄積手段21において、特定移動端末用蓄積手段は、特定の移動端末1についての位置情報に関連した情報またはサービスを蓄積するものであり、不特定移動端末用蓄積手段は、全ての移動端末1についての位置情報に関連した情報またはサービスを蓄積するものである。
また、検索手段22において、特定移動端末用検索手段は、特定の移動端末1から送られてきた位置情報を受信して、蓄積手段21内の特定移動端末用蓄積手段に蓄積されている位置情報に関連した情報またはサービスを検索するものであり、不特定移動端末用検索手段は、複数の移動端末1のいずれかから送られてきた位置情報を受信して、蓄積手段21内の不特定移動端末用蓄積手段に蓄積されている位置情報に関連した情報またはサービスを検索するものである。
さらに、蓄積制御手段23において、特定移動端末用蓄積制御手段は、特定の移動端末1のアップロードデータ送信手段13を通じて送られてきたアップロードデータとしての位置情報に関連した情報またはサービスを蓄積手段21内の特定移動端末用蓄積手段に蓄積するものであり、不特定移動端末用蓄積制御手段は、複数の移動端末1のいずれかのアップロードデータ送信手段13を通じて送られてきたアップロードデータとしての位置情報に関連した情報またはサービスを蓄積手段21内の不特定移動端末用蓄積手段に蓄積するものである。
また、情報・サービス送信手段24において、特定移動端末用情報・サービス送信手段は、上述の検索手段22内の特定移動端末用検索手段にて検索された位置情報に関連した情報またはサービスを蓄積手段21内の特定移動端末用蓄積手段から取り出して、上記の位置情報に関連した情報またはサービスをその位置情報を送信してきた特定移動端末1に送信するものであり、不特定移動端末用情報・サービス送信手段は、上述の検索手段22内の不特定移動端末用検索手段にて検索された位置情報に関連した情報またはサービスを蓄積手段21内の不特定移動端末用蓄積手段から取り出して、上記の位置情報に関連した情報またはサービスをその位置情報を送信してきた移動端末1に送信するものである。
つまり、情報センタ2内の蓄積手段21,検索手段22,蓄積制御手段23及び情報サービス送信手段24は、それぞれ、特定移動端末用と不特定移動端末用の2種類の手段を有して構成され、これにより、情報センタ2では、移動端末1の位置情報に関連した情報またはサービスを、特定移動端末用のものと不特定移動端末用のものというように明確に切り分けて(階層化して)管理することができるようになっている。
なお、移動端末1は、情報センタ2から他の移動端末1へ送られてきた位置情報に関連した情報またはサービスを、その移動端末(他の移動端末)1から無線通信手段を介して受信する受信手段と、この受信手段で受信した位置情報に関連した情報またはサービスを利用する2次情報・サービス利用手段とをそなえてもよく、これにより、移動端末1は、情報センタ2に直接アクセスしなくても、移動端末1間で位置情報に関連した情報またはサービスを遣り取りして2次利用することができる。
次に、図2も本発明の関連技術を示すブロック図で、この図2においても、1A〜1Eはそれぞれ複数の移動端末、2Aは情報センタであるが、この図2に示す移動通信システムは、各移動端末1A〜1Eが第1〜5種移動端末に分類されており、それぞれが情報センタ2Aと所定の通信手段を介して接続されている。なお、この場合も、情報センタ2Aは少なくとも1つ存在すればよい。
そして、第1種移動端末1Aは、図1に示した移動端末1と同タイプのもので、位置情報検出手段11A,位置情報送信手段12A,アップロードデータ送信手段13A及び情報・サービス利用手段14Aをそなえて構成されている。
ここで、位置情報検出手段11Aは、移動端末1Aの位置情報を検出するものであり、位置情報送信手段12Aは、この位置情報検出手段11Aで検出された位置情報を情報センタ2Aへ送信するものであり、アップロードデータ送信手段13Aは、この位置情報に関連した情報またはサービスをアップロードデータとして情報センタ2Aへ送信するものであり、情報・サービス利用手段14Aは、情報センタ2Aから送られてきた位置情報に関連した情報またはサービスを利用するものである。
これにより、上述の第1種移動端末1Aは、情報センタ2Aから端末の位置情報に関連した情報またはサービスを直接受けて利用することができるとともに、アップロードデータを情報センタ2Aへ送信することにより情報センタ2A内の情報又はサービスを、随時、更新してゆくことができる。
また、第2種移動端末1Bは、上述の各手段11A〜14Aとそれぞれ同様の位置情報検出手段11B,位置情報送信手段12B,アップロードデータ送信手段13B,情報・サービス利用手段14Bに加えて、情報センタ2Aから送られてきた位置情報に関連した情報またはサービスを、他の移動端末(少なくとも第3〜5種移動端末1C〜1Eのいずれか)へ無線通信手段を介して送信する送信手段15Bをそなえて構成されている。
これにより、この第2種移動端末1Bは、第1種移動端末1Aと同様に、直接、情報センタ2Aにアクセスして、端末1Bの位置情報に関連した情報またはサービスの利用・更新を行なうことができるとともに、アップロードデータの送信により情報センタ2A内の情報又はサービスを、随時、更新してゆくことができるほか、情報センタ2Aから送られてきた位置情報に関連した情報またはサービスを、他の移動端末(少なくとも第3〜5種移動端末1C〜1Eのいずれか)へ送信することもできるようになる。
さらに、第3種移動端末1Cは、上述の各手段11A〜14Aとそれぞれ同様の位置情報検出手段11C,位置情報送信手段12C,アップロードデータ送信手段13C,情報・サービス利用手段14Cに加えて、送信手段15C,受信手段16C及び2次情報・サービス利用手段17Cをそなえて構成されている。
ここで、送信手段15Cは、情報センタ2Aから位置情報に関連した情報またはサービスを、少なくとも他の第3種移動端末1C,第4種移動端末1D及び第5種移動端末1Eのいずれかへ無線通信手段を介して送信するものであり、受信手段16Cは、情報センタ2Aから第2種移動端末1B又は他の第3種移動端末1Cへ送られてきた位置情報に関連した情報またはサービスを、その第2種移動端末1B又は他の第3種移動端末1Cから無線通信手段を介して受信するものであり、2次情報・サービス利用手段17Cは、この受信手段16Cで受信した位置情報に関連した情報またはサービスを利用するものである。
これにより、この第3種移動端末1Cも、第1種移動端末1Aと同様に、直接、情報センタ2Aにアクセスして、端末1Cの位置情報に関連した情報またはサービスの利用・更新を行なうことができるほか、情報センタ2Aから送られてきた位置情報に関連した情報またはサービスを、他の移動端末1C〜1Eへ送信することができるとともに、情報センタ2Aから第2種移動端末1B又は他の第3種移動端末1Cへ送られてきた位置情報に関連した情報またはサービスを、その第2種移動端末1B又は他の第3種移動端末1Cから間接的に受けて2次利用することもできるようになる。
また、この図2に示すように、第4種移動端末1Dも、第1種移動端末1Aにおける各手段11A〜14Aとそれぞれ同様の位置情報検出手段11D,位置情報送信手段12D,アップロードデータ送信手段13D,情報・サービス利用手段14Dをそなえるほか、受信手段16D及び2次情報・サービス利用手段17Dをそなえて構成されている。
ここで、受信手段16Dは、情報センタ2Aから第2種移動端末1B又は第3種移動端末1Cへ送られてきた位置情報に関連した情報またはサービスを、その第2種移動端末1B又は第3種移動端末1Cから無線通信手段を介して受信するものであり、2次情報・サービス利用手段17Dは、この受信手段16Dで受信した位置情報に関連した情報またはサービスを利用するものである。
これにより、この第4種移動端末1Dも、第1種移動端末1Aと同様に、直接、情報センタ2Aにアクセスして、端末1Dの位置情報に関連した情報またはサービスの利用・更新を行なうことができるほか、情報センタ2Aから第2種移動端末1B又は第3種移動端末1Cへ送られてきた位置情報に関連した情報またはサービスを、その第2種移動端末1B又は第3種移動端末1Cから間接的に受けて2次利用することもできるようになる。
さらに、第5種移動端末1Eは、上述の第4種移動端末1Dの受信手段16D及び2次情報・サービス利用手段17Dとそれぞれ同様の受信手段16E及び2次情報・サービス利用手段17Eをそなえて構成されており、受信手段16Eは、情報センタ2Aから第2種移動端末1B又は第3種移動端末1Cへ送られてきた位置情報に関連した情報またはサービスを、その第2種移動端末1B又は第3種移動端末1Cから無線通信手段を介して受信するものであり、2次情報・サービス利用手段17Eは、この受信手段16Eで受信した位置情報に関連した情報またはサービスを利用するものである。
これにより、この第5種移動端末1Eは、上述の第1〜4種移動端末1A〜1Dのように情報センタ2Aから、直接、端末1Eの位置情報に関連した情報またはサービスを受けることができなくても、情報センタ2Aから第2種移動端末1B又は第3種移動端末1Cへ送られてきた位置情報に関連した情報またはサービスを、その第2種移動端末1B又は第3種移動端末1Cから間接的に受けて利用することができるようになる。
一方、情報センタ2Aは、蓄積手段21A,検索手段22A,蓄積制御手段23A及び情報・サービス送信手段24Aをそなえて構成されており、蓄積手段21Aは、少なくとも第1〜4種移動端末1A〜1Dが移動しうる位置情報に関連した情報またはサービスを蓄積するものであり、検索手段22Aは、第1〜4種移動端末1A〜1Dから送られてきた位置情報を受信して、蓄積手段21Aに蓄積されている位置情報に関連した情報またはサービスを検索するものである。
また、蓄積制御手段23Aは、第1〜4種移動端末1A〜1Dのアップロードデータ送信手段13A〜13Dを通じて送られてきたアップロードデータとしての位置情報に関連した情報またはサービスを蓄積手段21Aに蓄積するものであり、情報・サービス送信手段24Aは、この検索手段22Aにて検索された位置情報に関連した情報またはサービスを蓄積手段21Aから取り出して、この位置情報に関連した情報またはサービスを位置情報を送信してきた第1〜4種移動端末1A〜1Dに送信するものである。
これにより、この情報センタ2Aでは、第1〜4種移動端末1A〜1Dから受けた位置情報を基に、蓄積手段21Aに蓄積されているその位置情報に関連する情報またはサービスを検索して取り出し、位置情報を送信してきた第1〜4種移動端末1A〜1Dに提供することができるとともに、第1〜4種移動端末1A〜1Dからのアップロードデータを、随時、蓄積手段21Aに蓄積してゆくことにより、第1〜4種移動端末1A〜1Dが必要とする情報又はサービスを常に保持しておくことができるようになる。
次に、図3も本発明の関連技術を示すブロック図で、この図3において、1Fは複数の移動端末、2Bは情報センタ、3は無線基地局であり、各移動端末1Fが、それぞれ、情報センタ2Bと無線基地局3,無線回線を介して接続されて移動通信システムが構成されている。なお、この場合も、情報センタ2Bは少なくとも1つ存在すればよい。
そして、この図3に示すように、各移動端末1Fは、位置情報検出手段11F,位置情報送信手段12F,アップロードデータ送信手段13F及び地図・施設情報・サービス利用手段14Fをそなえて構成され、情報センタ2Bは、蓄積手段21B,検索手段22B,蓄積制御手段23B及び地図・施設情報・サービス送信手段24Bをそなえて構成されている。
ここで、各移動端末1Fにおいて、位置情報検出手段11Fは、移動端末1Fの位置情報を検出するものであり、位置情報送信手段12Fは、この位置情報検出手段11Fで検出された位置情報を情報センタ2Bへ送信するものであり、アップロードデータ送信手段13Fは、上記の位置情報に関連した情報またはサービスをアップロードデータとして情報センタ2Bへ送信するものであり、地図・施設情報・サービス利用手段14Fは、情報センタ2Bから送られてきた地図情報,その地図内の施設情報またはこれらの地図,施設についてのサービスを利用するものである。
一方、情報センタ2Bにおいて、蓄積手段21Bは、移動端末1Fが移動しうる位置情報に関連した情報として、地図情報,その地図内の施設情報またはこれらの地図,施設についてのサービスを蓄積するものであり、検索手段22Bは、移動端末1Fから送られてきた位置情報を受信して、蓄積手段21Bに蓄積されている上記の地図情報,地図内の施設情報または地図,施設についてのサービスを検索するものである。
また、蓄積制御手段23Bは、移動端末1Fのアップロードデータ送信手段13Fを通じて送られてきたアップロードデータとしての位置情報に関連した情報またはサービスを蓄積手段21Bに蓄積するものであり、地図・施設情報・サービス送信手段24Bは、検索手段22Bにて検索された上記の地図情報,地図内の施設情報または地図,施設についてのサービスを蓄積手段21Bから取り出して、上記の地図情報,地図内の施設情報または地図,施設についてのサービスを位置情報を送信してきた移動端末1Fに送信するものである。
上述のごとく構成された移動通信システムでは、情報センタ2Bの蓄積手段21Bに蓄積されている地図情報ばかりでなく、その地図内の施設情報または地図,施設についてのサービスをも移動端末1Fにて利用することができるとともに、各移動端末1Fがアップロードデータ送信手段13を通じて位置情報に関連した情報またはサービスをアップロードデータとして情報センタ2へ送信することにより、情報センタ2B(蓄積手段21B)内の情報又はサービスを、随時、更新して、移動端末1Fが必要とする情報又はサービスを情報センタ2B内に常に保持しておくことができる。
次に、図4も本発明の関連技術を示すブロック図で、この図4においても、1Gは複数の移動端末、2Cは情報センタ、無線基地局3であり、各移動端末1Gが、情報センタ2Cと無線基地局3,無線回線を介して接続されて移動通信システムが構成されている。なお、この場合も、情報センタ2Cは少なくとも1つ存在すればよい。
そして、この図4に示すように、各移動端末1Gは、位置情報検出手段11G,位置情報入力手段12G,位置識別情報送信手段13G,位置情報送信手段14G及び情報・サービス利用手段15Gをそなえて構成され、情報センタ2Cは、位置識別情報・位置情報記憶手段20C,蓄積手段21C,検索手段22C及び情報・サービス送信手段24Cをそなえて構成されている。
ここで、各移動端末1Gにおいて、位置情報検出手段11Gは、移動端末1Gの位置情報を無線基地局3の位置識別情報として検出するものであり、位置情報入力手段12Gは、移動端末1Gの位置情報を入力するものであり、位置識別情報送信手段13Gは、上述の位置情報検出手段11Gで検出された無線基地局3の位置識別情報を情報センタ2Cへ送信するものであり、位置情報送信手段14Gは、上述の位置情報入力手段12Gからの移動端末1Gの位置情報を情報センタ2Cへ送信するものであり、情報・サービス利用手段15Gは、情報センタ2Cから送られてきた位置情報に関連した情報またはサービスを利用するものである。
一方、情報センタ2Cにおいて、位置識別情報・位置情報記憶手段20Cは、移動端末1Gの位置識別情報送信手段13Gから送信されてきた無線基地局3の位置識別情報及び移動端末1Gの位置情報送信手段14Gから送信されてきた移動端末1Gの位置情報をそれぞれ対応づけて記憶するものであり、蓄積手段21Cは、移動端末1Gが移動しうる位置情報に関連した情報またはサービスを蓄積するものである。
また、検索手段22Cは、移動端末1Gから送られてきた位置に関する情報を受信した結果、その受信情報が無線基地局3の位置識別情報である場合は、上述の位置識別情報・位置情報記憶手段20Cに記憶されている無線基地局3の位置識別情報に対応した移動端末1Gの位置情報に関連した情報またはサービスを蓄積手段21Cについて検索するとともに、受信情報が移動端末1Gの位置情報である場合は、その移動端末1Gの位置情報に関連した情報またはサービスを蓄積手段21Cについて検索するものである。
さらに、情報・サービス送信手段24Cは、検索手段22Cにて検索された位置情報に関連した情報またはサービスを蓄積手段21Cから取り出して、その位置情報に関連した情報またはサービスを位置情報を送信してきた移動端末1Gに送信するものである。
上述のごとく構成された移動通信システム(移動端末1G,情報センタ2C)では、この場合も、移動端末1Gが、情報センタ2Cからその位置情報に関連した情報またはサービスを受けて利用することができるが、さらに、本システムでは、各移動端末1Gが、無線基地局3の位置識別情報と移動端末1Gの位置情報とをそれぞれ情報センタ2Cの位置識別情報・位置情報記憶手段20Cへ送信することにより、無線基地局3の位置識別情報を予め情報センタ2Cが把握していなくても、無線基地局3の位置識別情報と移動端末1Gの位置情報とを対応付けたデータを独自に情報センタ2C内で構築することができる。
なお、上述の情報センタ2Cの位置識別情報・位置情報記憶手段20Cは、特定移動端末用と不特定移動端末用の2種類の記憶手段で構成してもよく、これにより、無線基地局3の位置識別情報と移動端末1Gの位置情報とを、特定移動端末用のものと不特定移動端末用のものというように明確に切り分けて(階層化して)管理することができる。
次に、図5も本発明の関連技術を示すブロック図で、この図5において、1Hは複数の移動端末、2Dは情報センタ、3は無線基地局であり、各移動端末1Hが、情報センタ2Dと無線基地局3,無線回線を介して接続されて移動通信システムが構成されている。なお、この場合も、情報センタ2Dは少なくとも1つ存在すればよい。
そして、この図5に示すように、各移動端末1Hは、位置情報検出手段11H,位置情報入力手段12H,位置識別情報送信手段13H,位置情報送信手段14H及び地図・施設情報・サービス利用手段15Hをそなえて構成され、情報センタ2Dは、位置識別情報・位置識別情報記憶手段20D,蓄積手段21D,検索手段22D及び地図・施設情報・サービス送信手段24Dをそなえて構成されている。
ここで、各移動端末1Hにおいて、位置情報検出手段11Hは、移動端末1Hの位置情報を無線基地局3の位置識別情報として検出するものであり、位置情報入力手段12Hは、移動端末1Hの位置情報を入力するものであり、位置識別情報送信手段13Hは、上述の位置情報検出手段11Hで検出された無線基地局3の位置識別情報を情報センタ2Dへ送信するものである。
また、位置情報送信手段14Hは、上述の位置情報入力手段12Hからの移動端末1Hの位置情報を情報センタ2Dへ送信するものであり、地図・施設情報・サービス利用手段15Hは、情報センタ2Dから送られてきた地図情報,その地図内の施設情報またはこれらの地図,施設についてのサービスを利用するものである。
一方、情報センタ2Dにおいて、位置識別情報・位置情報記憶手段20Dは、移動端末1Hの位置識別情報送信手段13Hから送信されてきた無線基地局3の位置識別情報及び移動端末1Hの位置情報送信手段14Hから送信されてきた移動端末1Hの位置情報をそれぞれ対応づけて記憶するものであり、蓄積手段21Dは、移動端末1Hが移動しうる位置情報に関連した情報として、地図情報,その地図内の施設情報またはこれらの地図,施設についてのサービスを蓄積するものである。
また、検索手段22Dは、移動端末1Hから送られてきた位置に関する情報を受信した結果、その受信情報が無線基地局3の位置識別情報である場合は、位置識別情報・位置情報記憶手段20Dに記憶されている無線基地局3の位置識別情報に対応した移動端末1Hの位置情報に関連した情報またはサービスを蓄積手段21Dについて検索するとともに、受信情報が移動端末1Hの位置情報である場合は、その移動端末1Hの位置情報に関連した情報またはサービスを蓄積手段21Dについて検索するものである。
さらに、地図・施設情報・サービス送信手段24Dは、この検索手段22Dにて検索された位置情報に関連した情報またはサービスとしての上記の地図情報,地図内の施設情報または地図,施設についてのサービスを蓄積手段21Dから取り出して、上記の地図情報,地図内の施設情報または地図,施設についてのサービスを位置情報を送信してきた移動端末1Hに送信するものである。
上述のごとく構成された移動通信システムでは、移動端末1Hが、情報センタ2Dから地図情報ばかりでなく、その地図内の施設情報またはその地図,施設についてのサービスを受けて利用することができるとともに、各移動端末1Hが、無線基地局3の位置識別情報と移動端末1Hの位置情報とをそれぞれ情報センタ2Dの位置識別情報・位置情報記憶手段20Dへ送信することにより、この場合も、無線基地局3の位置識別情報を予め情報センタ2Dが把握していなくても、無線基地局3の位置識別情報と移動端末1Hの位置情報とを対応付けたデータを独自に情報センタ2D内で構築することができる。
なお、具体的に、上述の移動端末1Hの位置情報入力手段12Hは、表示された地図に移動端末1Hの位置情報を入力するように構成されるので、移動端末1Hのユーザは、自己(移動端末1H)の現在位置を表示された地図に従って入力することができる。
次に、図53も本発明の関連技術を示すブロック図で、この図53において、1Jは移動端末、2Eは情報センタであり、移動端末1Jが情報センタ2Eと所定の通信手段を介して接続されて移動通信システムが構成されている。なお、移動端末1J,情報センタ2Eは少なくとも1つ存在すればよい。
そして、この図53に示すように、情報センタ2Eは、(センタ側)蓄積手段21E,検索手段22E及び情報・サービス送信手段23Eをそなえて構成されており、移動端末1Jは、(端末側)蓄積手段11J,情報・サービス利用手段12J,行動検出手段13J,情報要求手段14J及びプリフェッチ手段15Jをそなえて構成されている。
ここで、まず情報センタ2Eにおいて、蓄積手段21Eは、移動端末1Jが移動しうる位置情報に関連した情報またはサービスを蓄積するものであり、検索手段22Eは、移動端末1Jからの情報またはサービスの要求に基づいて、蓄積手段21Eに蓄積されている位置情報に関連した情報またはサービスを検索するものであり、情報・サービス送信手段23Eは、上記の検索手段22Eにて検索された位置情報に関連した情報またはサービスを蓄積手段21Eから取り出して、位置情報に関連した情報またはサービスを移動端末1Jに送信するものである。
一方、移動端末1Jにおいて、蓄積手段11Jは、情報センタ2Eから送られてくる位置情報に関連した情報またはサービスを蓄積するものであり、情報・サービス利用手段12Jは、位置情報に関連した情報またはサービスを利用するものであり、行動検出手段13Jは、ユーザの行動を検出するものである。
また、情報要求手段14Jは、この行動検出手段13Jでの行動検出結果に基づいて、位置情報に関連した情報またはサービスを情報センタ2Eに要求し、その要求に応じて情報センタ2Eから送られてくる位置情報に関連した情報またはサービスを蓄積手段11Jに蓄積させるものであり、プリフェッチ手段15Jは、行動検出手段13Jでの行動検出結果に基づいて、必要と予測される位置情報に関連した情報またはサービスを情報センタ2Eに要求し、その要求に応じて情報センタ2Eから送られてくる位置情報に関連した情報またはサービスを蓄積手段11Jに蓄積させるものである。
上述のごとく構成された移動通信システムでは、移動端末1Jが、ユーザの要求(行動検出手段13Jでの行動検出結果)に基づいて、情報要求手段14Jを通じ必要な情報またはサービスを情報センタ2Eへ要求するが、このとき、プリフェッチ手段15が行動検出手段13Jでの行動検出結果に基づいて、ユーザに対して必要と予測される情報またはサービスを自動的に情報センタ2Eに要求する。
そして、情報センタ2Eでは、この移動端末1Jからの要求に基づき検索手段22Eを用いて蓄積手段21E内の該当する情報またはサービスを検索し、検索した情報またはサービスを情報・サービス手段23Eにより蓄積手段21Eから取り出して、その情報またはサービスを移動端末1Jに返送する。移動端末1Jは、受け取った情報またはサービスを蓄積手段11Jに蓄積する。
これにより、移動端末1Jでは、ユーザにとって必要な情報またはサービスが、自動的にある程度、蓄積手段11Jに蓄積されるので、ユーザは、常時、情報センタ2Eとの通信を確立しなくとも、情報・サービス利用手段12Jを通じて所望の位置情報に関連した情報またはサービス(以下、単に「位置関連情報・サービス」と記述することがある)を利用することが可能になる。
ここで、上述のプリフェッチ手段15Jは、行動検出手段13Jでの行動検出結果に応じて、必要と予測される位置関連情報・サービスの要求順序を変更しうるように構成される。これにより、プリフェッチ手段15Jは、例えば、必要と予測される位置関連情報・サービスの中でも、即時性の必要とされるものは要求順序を変更して他のものより優先して要求することが可能になり、この結果、ユーザは、ほとんど遅延なく、必要な位置関連情報・サービスの提供を受けることができるようになる。
このため、具体的に、移動端末1Jの行動検出手段13Jは、例えば、ユーザによる提供情報/サービス変更操作を検出するように構成され、これにより、移動端末1Jは、常に、ユーザの行動に応じた位置関連情報・サービスを情報センタ2Eから自動的に得ることが可能になる。
ここで、上記の提供情報/サービス変更操作として、移動端末1Jの表示画面に対する操作を検出するようにすれば、ユーザは、位置情報に関連した情報・サービス要求のための特別な操作を行なうことなく、また、ユーザ(移動端末1J)の現在位置に関わらず、表示画面を参照しながら簡便に必要な位置に関連した情報またはサービスを受けることができる。
また、上記の提供情報/サービス変更操作として、移動端末1Jの移動情報を検出するようにすれば、ユーザの移動にともなって自動的に必要な情報またはサービスが蓄積手段11Jに蓄積されるので、ユーザは、現在位置の変更毎に、不足している情報またはサービスを得るために情報センタ2Eにアクセスする必要がなくなる。
次に、移動端末1Jの情報要求手段14Jは、例えば、以下に示す手段をそなえて構成される。
・位置情報に関連した情報またはサービスを情報センタ2Eへ要求する際に、蓄積手段11Jを検索して、上記の位置関連情報・サービスが蓄積手段11Jに既に蓄積されている場合には、情報センタ2Eへは要求を出さずに、蓄積手段11Jからその位置関連情報・サービスを取り出して情報・サービス利用手段12Jへ供給するキャッシング手段
これにより、移動端末1Jは、ユーザが必要とする位置関連情報・サービスを既に蓄積手段11J内にもっている場合は、情報センタ2Eにアクセスせずにユーザにその位置関連情報・サービスを提供するので、情報センタ2Eとの通信時間,通信量が削減される。
なお、上記のキャッシング手段は、プリフェッチ手段15Jにそなえてもよく、ユーザにとって必要と予測される位置関連情報・サービスについても、その位置関連情報・サービスが既に蓄積手段11J内に蓄積されていれば、ユーザ(移動端末1J)は情報センタ2Eにアクセスせずにその位置関連情報・サービスを利用することができる。
また、上記のキャッシング手段は、位置関連情報・サービスが蓄積手段11Jに蓄積されていない場合に、その位置関連情報・サービスを情報センタ2Eへ要求するように構成すれば、必要なときにのみ情報センタ2Eとアクセスするので、常に情報センタ2Eとの通信時間,通信量を最小限に抑えながら、必要な(必要と予測される)位置関連情報・サービスを保持しておくことができる。
また、上述の移動端末1Jは、端末側蓄積手段11Jに蓄積されている位置関連情報・サービスを、情報センタ2Eのセンタ側蓄積手段21Eに蓄積されている(情報センタが保持している)位置関連情報・サービスと同期させるための同期手段をそなえてもよい。これにより、移動端末1Jでは、常に、情報センタ2Eが保持する位置関連情報・サービスと同じものを保持しておくことができ、例えば、情報センタ2E側の位置関連情報・サービスの更新などにも柔軟に対応することができる。
このため、上記の同期手段は、例えば、端末側蓄積手段11Jに蓄積されている位置関連情報・サービスのリストを情報センタ2Eに送付する情報・サービスリスト送付手段をそなえ、この情報・サービスリスト送付手段による送付応答として情報センタ2Eから送られてくる位置関連情報・サービスに基づいて、端末側蓄積手段11Jに蓄積されている位置関連情報・サービスを更新するように構成される。
これにより、移動端末1Jは、情報・サービスリスト送付手段を用いて上記リストを情報センタ2Eに送付することで自己がどの位置関連情報・サービスを保持しているかについての情報を情報センタ2Eに通知し、その応答として情報センタ2Eから返送されてくる位置関連情報・サービスに基づいて、自己が保持している位置関連情報・サービスを更新することによって、不足している位置関連情報・サービスを補完することができる。
なお、上述の情報要求手段14Jを、移動端末1Jの表示領域の大きさに応じ、位置関連情報・サービスの一部を要求するように構成すれば、必要な位置関連情報・サービスが一度に情報センタ2Eから送られることがないので、情報センタ2Eとの通信時間,通信量がさらに削減される。また、同様に、上述のプリフェッチ手段15Jを、移動端末の表示領域の大きさに応じ、位置関連情報・サービスの一部を要求するように構成すれば、必要と予測される位置関連情報・サービスについても、その位置関連情報・サービスが一度に情報センタ2Eから送られることがないので、情報センタ2Eとの通信時間,通信量がさらに削減される。
さらに、移動端末1Jの蓄積手段11J,情報・サービス利用手段12J,行動検出手段13J,情報要求手段14J,プリフェッチ手段15Jは、コンピュータ・プログラム化して、そのコンピュータ・プログラムを情報センタ2Eより提供するようにしてもよい。これにより、移動端末1Jは、既存のものであっても情報センタ2Eより上記のプログラムを受ければ、各手段11J〜15Jを有する端末として動作可能になる。
なお、上記のプログラムは、所定の記憶媒体より移動端末1Jに提供するようにしてもよく、これにより、移動端末1Jは、既存のものであっても、また、情報センタ2Eとの通信が不可能な場合であっても、上記の記憶媒体より上記のプログラムを受ければ、各手段11J〜15Jを有する端末として動作可能になる。
また、前述した移動端末1Jの同期手段も、コンピュータ・プログラム化して、そのプログラムを情報センタ2Eより提供するようにすれば、既存の端末でも、上述の同期手段を有する端末として動作させることが可能になる。さらに、このプログラムも、所定の記憶媒体より提供するようにすれば、既存の端末であっても、また、情報センタ2Eとの通信が不可能な場合であっても、上述の同期手段を有する端末として動作させることが可能になる。
次に、図54も本発明の関連技術を示すブロック図で、この図54において、2Fは情報センタ、1Kはこの情報センタ2Fと所定の通信手段を介して接続され少なくとも情報センタ2Fとの通信を制御するコンピュータ11Kを有する移動端末であり、これらの移動端末1K,情報センタ2Fにより移動通信システムが形成されている。なお、移動端末1K,情報センタ2Fは、それぞれ、システム内に少なくとも1つ存在すればよい。
そして、この図54において、1Lは上記の移動通信システムに使用され、移動端末1Kと接続されることによって移動端末1Kのコンピュータ11Kに所望のコンピュータ・プログラムを提供しうる記憶媒体で、ここでは、コンピュータ11Kを、蓄積手段12L,情報・サービス利用手段13L,行動検出手段14L,情報要求手段15L,プリフェッチ手段16Lとして機能させるためのコンピュータ・プログラム11Lを記憶している。
ここで、上記の蓄積手段12Lは、移動端末1Kが移動しうる位置情報に関連した情報またはサービスを蓄積するものであり、情報・サービス利用手段13Lは、上記の位置関連情報・サービスを利用するものであり、行動検出手段14Lは、ユーザの行動を検出するものである。
また、情報要求手段15Lは、この行動検出手段14Lでの行動検出結果に基づいて位置関連情報・サービスを情報センタ2Fに要求しその要求に応じて情報センタ2Fから送られてくる位置関連情報・サービスを蓄積手段12Lに蓄積させるものであり、プリフェッチ手段16Lは、行動検出手段14Lでの行動検出結果に基づいて必要と予測される位置関連情報・サービスを情報センタ2Fに要求しその要求に応じて情報センタ2Fから送られてくる位置関連情報・サービスを蓄積手段12Lに蓄積させるもので、行動検出手段14Lでの行動検出結果に応じて、必要と予測される位置関連情報・サービスの要求順序を変更しうるものである。
これにより、上述の記憶媒体1Lは、上記コンピュータ・プログラム11Lを移動端末1Kに提供することにより、移動端末1K(コンピュータ11K)を、既存のものであっても、蓄積手段12L,情報・サービス利用手段13L,行動検出手段14L,情報要求手段15L,プリフェッチ手段16Lを有する端末として動作させることが可能になる。
すなわち、移動端末1Kは、ユーザにとって必要な位置関連情報・サービスを、自動的にある程度、蓄積手段11Jに蓄積しておくことが可能になり、これにより、ユーザは、常時、情報センタ2Fとの通信を確立しなくとも、所望の位置関連情報・サービスを利用することが可能になる。また、必要と予測される位置関連情報・サービスの中でも、即時性の必要とされるものは要求順序を変更して他のものより優先して要求することが可能になり、この結果、ユーザは、ほとんど遅延なく、必要な位置関連情報・サービスの提供を受けることができるようになる。
なお、この図54に示す記憶媒体1Lには、上記の蓄積手段12L,情報・サービス利用手段13L,行動検出手段14L,情報要求手段15L,プリフェッチ手段16Lを有するコンピュータ・プログラム11Lに加えて、コンピュータ11Kを、蓄積手段12Lに蓄積されている位置関連情報・サービスを情報センタ2Fが保持している位置関連情報・サービスと同期させる同期手段として機能させるためのコンピュータ・プログラムを記憶するようにしてもよい。
これにより、記憶媒体1Lは、このコンピュータ・プログラムを移動端末1Kに提供することにより、移動端末1Kを、既存のものであっても、蓄積手段12Lに蓄積されている位置関連情報・サービスを情報センタ2Fが保持している位置関連情報・サービスと同期させることが可能な端末として動作させることができるようになる。
以上のように上記関連技術によれば、ユーザにとって必要な(必要と予測される)情報またはサービスを、ユーザの行動に応じて自動的にある程度、(端末側)蓄積手段に蓄積しておくことができるので、ユーザは、常時、情報センタとの通信を確立しなくとも、所望の位置情報に関連した情報またはサービス(以下、単に「位置関連情報・サービス」ということがある)を利用することが可能になり、以下のような利点が得られる。
(1)情報センタとの通信時間が短縮され、通信コストの大幅な削減を図ることができる。
(2)必要な位置関連情報・サービスが提供されるまでの遅延時間が大幅に削減され、ユーザの操作性,利便性が大幅に向上する。
(3)情報センタとの通信が不可能あるいは不安定な場合でも、所望の位置関連情報・サービスを確実に利用することが可能になり、システムの信頼性が大幅に向上する。
(4)ユーザの行動に応じて、必要と予測される位置関連情報・サービスの要求順序を変更しうるので、例えば、移動端末は、必要と予測される位置関連情報・サービスの中でも、即時性の必要とされるものは要求順序を変更して他のものより優先して要求することが可能になる。従って、ユーザは、ほとんど遅延なく、必要な位置関連情報・サービスの提供を受けることができ、さらにユーザの操作性,利便性を大幅に向上できる。
このとき、移動端末では、ユーザの行動としてユーザによる提供情報/サービス変更操作を検出するようにすれば、移動端末は、常に、ユーザの行動に応じた位置関連情報・サービスを情報センタから自動的に得ることが可能になり、これにより、さらにユーザの操作性,利便性が大幅に向上する。
ここで、上記の提供情報/サービス変更操作として、移動端末の表示画面に対する操作を検出できるようにすれば、ユーザは、位置情報に関連した情報・サービス要求のための特別な操作を行なうことなく、また、ユーザ(移動端末)の現在位置に関わらず、表示画面を参照しながら簡便に必要な位置関連情報・サービスを受けることができるので、さらにユーザの操作性,利便性の向上を図ることができる。
また、上記の提供情報/サービス変更操作として、移動端末の移動情報を検出できるようにすれば、ユーザの移動にともなって自動的に必要な情報またはサービスが(端末側)蓄積手段に蓄積されるので、ユーザは、現在位置の変更毎に、不足している情報またはサービスを得るために情報センタにアクセスする必要がなくなり、これにより、ユーザの利便性の向上を図ることができるとともに、通信コストの削減をさらに図ることができる。
さらに、移動端末は、ユーザが必要とする(必要と予測される)位置関連情報・サービスを既に蓄積手段内にもっている場合は情報センタにアクセスせずにユーザにその位置関連情報・サービスを提供するキャッシング手段をそなえれば、情報センタとの通信時間,通信量が削減されるので、さらに通信コストを低減化することができる。
また、上記のキャッシング手段は、位置関連情報・サービスが蓄積手段に蓄積されていないと判定されると、その位置関連情報・サービスを情報センタへ要求するようにすれば、必要なときにのみ情報センタとアクセスするので、常に情報センタとの通信時間,通信量を最小限に抑えながら、必要な(必要と予測される)位置関連情報・サービスを保持しておくことができ、これにより、通信コストの低減化,システムの信頼性にさらに寄与する。
また、上述の移動端末は、(端末側)蓄積手段に蓄積されている位置関連情報・サービスを、情報センタが保持している位置関連情報・サービスと同期させるための同期手段をそなえれば、常に、情報センタが保持する位置関連情報・サービスと同じものを保持しておくことができる。従って、例えば、情報センタ側の位置関連情報・サービスの更新などにも柔軟に対応することができ、システム運用上の柔軟性に大いに寄与する。
そして、上記の同期手段では、(端末側)蓄積手段11Jに蓄積されている位置関連情報・サービスのリストを情報センタに送付することで自己がどの位置関連情報・サービスを保持しているかを情報センタに通知し、その応答として情報センタから返送されてくる不足分の位置関連情報・サービスに基づいて、自己が保持している位置関連情報・サービスを更新することによって、不足している位置関連情報・サービスを自動的に補完することができるので、移動端末は、情報センタとの通信量を最小限に抑えながら常に最新の位置関連情報・サービスを保持しておくことができる。
なお、移動端末が必要な(必要と予測される)位置関連情報・サービスを要求する際、移動端末の表示領域の大きさに応じ、位置関連情報・サービスの一部を要求するようにすれば、必要な位置関連情報・サービスが一度に情報センタから送られることがないので、例えば初期の位置関連情報・サービス表示を高速化できるとともに、情報センタとの通信時間をさらに削減でき、通信コストがより低減される。
さらに、移動端末の蓄積手段,情報・サービス利用手段,行動検出手段,情報要求手段,プリフェッチ手段は、コンピュータ・プログラム化して、そのコンピュータ・プログラムを情報センタより提供するようにすれば、移動端末は、既存のものであっても情報センタより上記のプログラムを受ければ、上記の各手段を有する端末として動作可能になるので、本システム構築上の柔軟性や本システムの汎用性にも大いに寄与する。
なお、上記のプログラムは、所定の記憶媒体より移動端末に提供するようにしてもよく、これにより、移動端末は、既存のものであっても、また、情報センタとの通信が不可能な場合であっても、上記の記憶媒体より上記のプログラムを受ければ、上記の各手段を有する端末として動作可能になるので、やはり、本システム構築上の柔軟性や本システムの汎用性に大いに寄与する。
また、前述した移動端末の同期手段も、コンピュータ・プログラム化して、そのプログラムを情報センタあるいは所定の記憶媒体より提供するようにすれば、既存の端末でも、上述の同期手段を有する端末として動作させることが可能になるので、この場合も、本システム構築上の柔軟性や本システムの汎用性に大いに寄与する。
次に、本発明の移動通信システムに使用される記憶媒体によれば、移動端末のコンピュータを、蓄積手段,情報・サービス利用手段,行動検出手段,情報要求手段,プリフェッチ手段として機能させるためのコンピュータ・プログラムを記憶しているので、上記コンピュータ・プログラムを移動端末に提供することにより、移動端末を、既存のものであっても、上記の各手段を有する端末として動作させることが可能になる。従って、移動通信システム構築上の柔軟性や本システムの汎用性に大いに寄与する。
なお、この記憶媒体に、上記の蓄積手段,情報・サービス利用手段,行動検出手段,情報要求手段,プリフェッチ手段を有するコンピュータ・プログラムに加えて、移動端末のコンピュータを、蓄積手段に蓄積されている位置関連情報・サービスを情報センタが保持している位置関連情報・サービスと同期させる同期手段として機能させるためのコンピュータ・プログラムを記憶させれば、このコンピュータ・プログラムを移動端末に提供することにより、その移動端末を、既存のものであっても、上記同期手段を有する端末として動作させることができるので、この場合も、移動通信システム構築上の柔軟性や本システムの汎用性に大いに寄与する。