JP2006171126A - セル構造光学素子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 注入口を十分な機密性及び接着強度で封止することができ、封止剤の過剰な浸透により有効領域への影響を防ぐことができるセル構造光学素子を提供する。
【解決手段】 液晶光学素子にあって特徴的なのは、注入口64近辺にシール材63に一辺が接触するように誘導経路が2重に折れ曲がった誘導パターン67を設けている。つまり、誘導パターン67は、注入口64を囲むように誘導経路を2重に折り曲げし、シール材63の一部も誘導経路の形成に用いている。
【選択図】 図1
【解決手段】 液晶光学素子にあって特徴的なのは、注入口64近辺にシール材63に一辺が接触するように誘導経路が2重に折れ曲がった誘導パターン67を設けている。つまり、誘導パターン67は、注入口64を囲むように誘導経路を2重に折り曲げし、シール材63の一部も誘導経路の形成に用いている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、セル構造光学素子及びその製造方法に関し、注入口を十分な気密性及び接着強度で封止することができるセル構造光学素子及びその製造方法に関する。
多層構造を持つセル(以下単にセルという)において、セル内に、例えば液晶などの充填物の注入を実行し、注入後に充填物を溢失させないため、或いは品質維持などを目的として、充填物を信頼性の高い状態で封入する方法が必要となる。
従来、液晶表示装置に用いられる液晶パネルにおける、液晶の封入方法としては、図16に示すように、両基板11,12間の周辺部に介在させるシール材13によるシール部の一部を欠除させて注入口14を形成し、該注入口14より減圧注入等の方法でセル内に充填物(液晶)15を注入した後、注入口14を樹脂等の封止剤16で封止する方法がある(下記特許文献1)。
また、同様に液晶表示装置に用いられる液晶パネルにおける、液晶の他の封入方法としては、図17に示すように、両基板21、22間の外周部にシール材23を介在させてシールし、一方の基板21に穴をあけ、注入・封止口24として使用し、充填物25を注入口24から内部に注入した後、封止剤樹脂26にて注入口24を封止する方法がある(下記特許文献2)。
また、下記特許文献2には、さらに他の封入方法として、図18に示すように、両基板31、32間の外周部にシール材33を介在させてシールし、一方の基板31に穴をあけ、注入・封止口34として使用し、充填物35を注入口34から内部に注入した後、封止剤樹脂36にて注入口34を封止する方法であり、かつ注入口34の近傍に補助シール37を設けた方法が記載されている。
ところで、液晶をセル内に充填してなる素子としては、最近、液晶を利用した液晶光量調整装置のような光学素子が用いられるようになった。この液晶光量調整装置は、カメラ一体型ビデオ記録装置、電子スチルカメラなどにあって、絞り値を変更する羽絞りに代わって配置される。この液晶光量調整装置は、入射光の全面に亘って光透過率がほぼ均一でしかも連続的に調節することができるため回折現象による解像劣化を生じさせることなく光量を調整することができる。また、羽絞りを通すと光の焦点がずれてしまうことがあるが、液晶光量調整装置を使うと焦点のずれはなくなる。
図19は、液晶光量調整装置42を用いたカメラの光学系の要部を示す図である。被写体からの光は、レンズ41でほぼ平行光に調整され、液晶光量調整部42に入射する。液晶光量調整部42は、入射された光の入射面全面に亘ってほぼ均一に光透過率を変化させるので、入射光はほぼ均一に減光されて当該液晶光量調整部42から射出される。液晶光量調整部42にて減光されて射出された光はレンズ43に入射する。
レンズ43に入射された光は、このレンズ43によって撮像部44の面上に結像される。レンズ43は、移動機構により光軸に沿って液晶光量調整部42と撮像部44との間で移動することにより、焦点深度の範囲内で光を撮像部44に結像させる。
撮像部44からの出力は、信号処理回路46で所望の映像信号方式に合わせて処理され、信号処理回路46からマイクロコンピュータ47や表示装置や記録装置などに出力される。
液晶光量調整部42は、駆動回路45によって駆動される。駆動回路45は、例えばパルス状の電圧の駆動パルスを生成し、液晶光量調整部42に供給する。液晶光量調整部42は、駆動パルスのパルス形状に応じて光透過率を変化させる。
図20は、液晶光量調整部42の構成を示す断面図である。図20において、液晶光量調整部42は、基板51a、51b、電極52a、52b、配向膜53a、53b及び液晶54を備えて構成される。
基板51aの一方の面上に電極52aが形成され、電極52aの面上に配向膜53aが形成される。同様に、基板51bの一方の面上に電極52bが形成され、電極52bの面上に配向膜53bが形成される。そして、これらが配向膜53aと配向膜53bとが対向するように所定の間隔、例えば2.5μmで図示しないシール材によりシールされ、そこに生じた間隙に液晶54が充填される。
基板51a、51bは、透明な部材、例えばガラスやプラスチックフィルムなどであり、電極52a、52bは、透明な電極、例えば、ITO(indium tin oxide)などである。配向膜53a、53bは、液晶54の素材に合わせて選択される。液晶54は、例えば2色ゲストホスト液晶を利用できる。
電極52a、52b間に電位差がない場合では、液晶分子の配向は、液晶分子と配向膜53a、53bとの間および液晶分子同士の分子間力によって決まる。そして、電極52a、52b間の電位差がある場合では、液晶分子が分極し電極52a、52b間の電界との間でクーロン力が発生する。したがって、電位差がある場合では、液晶分子の配向は、このクーロン力と上述の分子間力との釣り合いによって決まる。このため、電極52a、52b間の電位差を変更することによって液晶分子の配向を変更することができるから、液晶光量調整部42の光透過率を変更することができる。そして、両電極52a、52bが略平行に配置されているので、この間に生じる電界は、電極52a、52bに平行な平面内で略均一となっている。したがって、液晶光量調整部42の光透過率を略均一にすることができる。
以上に説明した液晶光量調整部42は、サイズが(8mm〜20mm)×(8mm〜20mm)の方形に形成される。また、液晶の充填される間隙は、例えば、1.5μm〜3.0μmとされる。例えば、間隙の厚みを2.5μmとする場合には、その誤差は0.1μmの精度が要求される。特許文献1、特許文献2に記載の液晶パネルが使用される液晶表示装置に比して、大きさ(サイズ)及び液晶の充填される間隙は著しく小さなものになる。また、液晶パネルが、電圧印加をオン/オフして光らせるか光らせないかを制御するのに対し、液晶光量調整部42は、電圧を変えて透過率を可変するので、液晶が注入された後の厚みの精度を高くすることが求められる。つまり、表面性として、厚みに均一性が求められ、厚みムラが生じるのを防ぐ必要がある。
上記特許文献1に記載の液晶封入方法にあっては、封止剤として用いる樹脂の接着性が基板の厚みや表面性(厚みの均一性)の制約に依存するため、液晶部の厚みが薄いと少量の封止剤しか使えない。また、樹脂が硬化後に基板部との接着部を引っ張ることを考慮すればサイズの小さな液晶光学素子には多量の封止剤は使えない。しかし、あまりにも封止剤の量を少なくしすぎると封止が不完全で、注入口の気密性が低下し、注入口を樹脂で封止するときに封止の信頼性が弱くなる。一方、封止樹脂の流動性による充填物への浸透は、液晶光学素子の有効部の特性を劣化させるという欠点もある。
特に、上記図16を参照した液晶の封入方法を、上記液晶光量調整部のような、表示用の液晶パネルに比して著しく小さく、厚みの精度が求められる液晶セルに適用すると、図16に示すように、封止樹脂16の充填物(液晶)15への浸透が有効領域17にほんの2mmほどでもかかってしまったときには、その部分には色ムラ生じてしまい、例えば有効領域が8mm×8mmであれば、10%〜15%程有効領域を損失することになる。
これでは、上記液晶光量調整部に求められる光透過率の下限〜上限が20%〜80%であっても、30%〜70%ほどの光透過率しか得られないことになる。つまり、光の透過率を制御することによる、上記結像の明るさの調整が、暗くする及び明るくするという両方の機能が低下してしまうことにより、暗くならないこともあるし、明るくならないこともあるということになってしまう。
また、上記特許文献2に記載の液晶封入方法にあっては、注入口の穴径が大きいほど封止の信頼性に弱いという欠点がある。また、封止剤の流動性や加熱封止で穴周辺の充填物への浸透によりセル有効領域の特性劣化という問題もある。封止後に樹脂と穴外周の界面から容易に水分がセル内部に侵入し、気泡や充填物漏れなどを引き起こし、セルの特性を低下してしまうという不具合が発生してしまう。
特に、上記図17を参照した液晶の封入方法を、上記液晶光量調整部のような、表示用の液晶パネルに比して著しく小さく、厚みの精度が求められる液晶セルに適用したときも、図17に示すように、封止樹脂26の充填物(液晶)25への浸透が有効領域27にほんの2mmほどでもかかってしまったときには、その部分には色ムラが生じてしまい、例えば有効領域が8mm×8mmであれば、10%〜15%程有効領域を損失することになる。
上述したように、この場合でも、同様に上記液晶光量調整部に求められる光透過率の下限〜上限が20%〜80%であっても、30%〜70%ほどの光透過率しか得られないことになる。
また、上記図18を参照した液晶の封入方法を、上記液晶光量調整部に適用したときも、流動性のある封止樹脂36を直線状の補助シール37とシール材33との間だけに留めておくのは難しい。サイズの関係から補助シール37は有効領域38に接近して設けなければならず、よって、流動しないように封止剤を途中で止めるのが難しい補助シール37において、少しでも封止剤が漏れてしまうとすぐに有効領域38にかかってしまうことになる。
よって、封止樹脂36の充填物(液晶)35への浸透が有効領域38にほんの2mmほどでもかかってしまったときには、その部分には色ムラが生じてしまい、例えば有効領域が8mm×8mmであれば、10%〜15%程有効領域を損失することになる。
上述したように、この場合でも、同様に上記液晶光量調整部に求められる光透過率の下限〜上限が20%〜80%であっても、30%〜70%ほどの光透過率しか得られないことになる。
また、上記特許文献1及び特許文献2に記載された液晶封入方法においては、封止剤である樹脂が硬化したときに基板との間で発生する収縮により、上記液晶部の表面性、すなわち厚みの均一が妨げられることになる。これは、上記封止剤の収縮に対する強度の面でも十分な強度を得ることができないからである。
このように、液晶光学素子の製造にあっては液晶の封止の信頼性、表面性、有効領域の確保、加工性に優れていることが要求されるが、これまでの方法がこれらの点について未だ不十分であり、実用化する上での解決すべき課題となっている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、注入口を十分な機密性及び接着強度で封止することができ、封止剤の過剰な浸透により有効領域への影響を防ぐことができるセル構造光学素子及びその製造方法の提供を目的とする。
本発明に係るセル構造光学素子は、上記課題を解決するために、複数の基板とシール材により形成された空セルに充填物を注入し、当該充填物を封止剤により封止して形成したセル構造体を光の透過率を変更する光学素子として用いてなるセル構造光学素子であって、上記充填物及び封止剤を注入する注入口と、上記注入口を囲んで形成される誘導パターンとを備え、上記誘導パターンを上記充填物を誘導する誘導経路を上記注入口を囲むように重ねて形成する。
このため、本発明のセル構造光学素子は、予め基板の所定の位置に形成された注入口付近に、誘導パターンを形成し、セル作製後に注入口を封止剤樹脂で封止するとき、樹脂を誘導パターンの誘導経路にしたがって浸透させることができる。
本発明に係るセル構造光学素子の製造方法は、上記課題を解決するために、複数の基板とシール材により形成された空セルに充填物を注入し、当該充填物を封止剤により封止して形成したセル構造体を光の透過率を変更する光学素子として用いてなるセル構造光学素子の製造方法であって、上記充填物及び封止剤を注入する注入口を形成する工程と、上記注入口を囲んで形成される誘導パターンを形成する工程とを備え、上記誘導パターンを形成する工程は、上記充填物を誘導する誘導経路を上記注入口を囲むように重ねて誘導パターンを形成する。
本発明によれば、注入口の近辺に誘導パターンを設けることにより、液晶を封止するとき、封止剤が、形成された細長い曲線経路を通ってセル内部に浸透される。そのため、封止時の封止剤の流れが有効領域外に留まり、液晶セルの品質を保持することができる。
また、封止の樹脂量が経路の途中まででも十分な封止効果があり、封止剤の浸透量を厳密に制御する必要も無く、封止信頼性を向上させることができる。また、注入口付近の接着面積を増加させることができ、封止部の気密性を向上させることができ、かつ封止部の強度を上げることができる。また、セル構造体の表面性、すなわち厚みの均一性を確保することができる。さらに、多層構造セルの小型化も実現できる。
この結果、今までにない封止部の気密性の高い、封止剤の過剰な引き込みを確実に抑える高性能なセル構造の光学素子を実現することができる。
以下、本発明のいくつかの実施形態について、代表的なセル構造体である液晶セルを用いた場合について、図1〜図15を参照して説明する。この液晶セルは、前述した液晶光量調整装置のような液晶光学素子として用いられる。例えば、光量調整装置は、サイズが(8mm〜20mm)×(8mm〜20mm)の方形に形成される。また、液晶の充填される間隙は、例えば、1.5μm〜3.0μmとされる。例えば、間隙の厚みを2.5μmとする場合には、その誤差は0.1μmの精度が要求される。封入される液晶としては例えば2色ゲストホスト液晶を用いる。
液晶表示装置用の液晶パネルに比して、大きさ(サイズ)及び液晶の充填される間隙は著しく小さなものになる。また、液晶パネルが、電圧印加をオン/オフして光らせるか光らせないかを制御するのに対し、液晶光量調整部は、電圧を変えて透過率を可変するので、液晶が注入された後の厚みの精度を高くすることが求められる。つまり、表面性として、厚みに均一性が求められ、厚みムラが生じるのを防ぐ必要がある。
そこで、第1の実施の形態の液晶光学素子は、図1に示すように、例えば、ガラスやプラスチックフィルムのような透明な基板である両基板61、62のうちの、基板61に液晶注入、及び液晶封入のための封止剤注入のために穴を打ち抜いて注入口64を形成し、両基板61、62をシール材63によって貼り合わせて空セルを形成する。この空セルに注入口64から内部に液晶65を注入する。液晶65の注入後に、注入口64を例えば紫外線硬化樹脂のような封止剤樹脂66で封止する。ただし、この液晶光学素子にあって特徴的なのは、注入口64近辺にシール材63に一辺が接触するように誘導経路が2重に折れ曲がった誘導パターン67を設けている。つまり、誘導パターン67は、注入口64を囲むように誘導経路を2重に折り曲げし、シール材63の一部も誘導経路の形成に用いている。
もちろん、基板61及び基板62には、シール材63に囲まれた内側に、互いの対向面上にそれぞれ、例えばITOからなる透明電極及び配向膜を積層している。よって、基板61上の電極のさらに面上に形成された配向膜と、基板62上の電極のさらに面上に形成された配向膜とが所定の間隔、例えば2.5μmでシール材63によりシールされ、そこに生じた間隙に液晶65が充填される。
図2は、誘導パターン67の拡大図である。注入口64は誘導経路68を2重に折り曲げるように形成された誘導パターン67及びシール剤63によって取り囲まれている。誘導パターン67は、注入口64の穴径をb、注入口64両側の誘導シール67aと誘導シール67aに挟まれた外寸をaとするとき、注入口の穴径bとシール間の外寸aにa/b<2という関係を成り立たせて形成される。
また、注入口64を囲む1重目の誘導経路が2重目に出る出口の幅をcとするとき、cとbにはc<bという関係を成り立たせる。よって、c<b<aという関係も成り立つ。
さらに、誘導シール67aと誘導シール67aとの間の誘導経路68の幅をeとするとき、e<bという関係を成り立たせてもよい。つまり、aはbより大きいが、eはbより小さいという関係である。
例えば、注入口64の穴径は0.5〜1.5mmである。なお、液晶光学素子として用いるために均一性を保つ必要のある厚みは1.5μm〜3.0μmであり、例えば2.5μmとするときには、±0.1μmを許容誤差とする。
図3は、注入口64と、その周辺に形成した誘導パターン67を要部とした液晶光学素子の断面図である。透明基板61と透明基板62とをシール材63によりシールして液晶封入層を形成し、注入口64から液晶を注入した後に、封止剤樹脂66を誘導パターン67から入れて、液晶を封入している。封止剤樹脂66は、注入口64から誘導パターン67の誘導シール67aに導かれて誘導経路68に入り、液晶65を封入している。
図4は、上記液晶光量調整部のような液晶光学素子を製造するための製造方法の処理手順を示すフローチャートである。
先ず、基板61、62にシール材63及び誘導パターン67を形成する(ステップS1)。基板61は、透明なガラスやフィルムなどであり、既に注入口64となる穴が打ち抜き形成されている。シール材63は、熱硬化樹脂からなり、基板の外枠に例えば印刷される。このときの基板に印刷されたシール材63の厚みの合計は、液晶部の厚み2.5μmとなる。また、同じく熱硬化樹脂を用い、同工程にて上記誘導パターン67を印刷により形成する。もちろん、シール材63及び誘導パターン67はディスペンスにより形成してもよい。
次に、両基板61、62を位置合わせし、所定温度の加熱処理を所定時間だけ行い、熱硬化樹脂からなるシール材63及び誘導パターン67を硬化させて基板を貼り合わせる。これにより、液晶が注入される空セルが作成される(ステップS2)。
次に、液晶注入工程に入る(ステップS3)。光学素子として用いる場合には、穴径を0.5mm〜1.0mmとするので、ここでは液晶を滴下注入する。具体的には、脱気真空にした部屋に上記空セルを置き、注入口となる穴に液晶を滴下する。そして、部屋を常圧に戻すと、液晶は空セルの中に入っていく。
次に、封止剤注入工程に入る(ステップS4)。液晶の注入されたセルを例えば加熱し、膨張させて液晶をはみ出させ、はみ出した液晶を吸い取り、そこに紫外線硬化樹脂からなる封止剤をたらして冷やすことにより封止剤を注入する。注入口64の穴の周りには、2重に折り曲げられ、かつ上記図2に示した寸法の誘導経路68が形成されているので、封止剤は有効領域69にかかることはない。次に、封止剤に紫外線を当て、紫外線硬化樹脂からなる封止剤を硬化させることにより、液晶の封入を終わる(ステップS5)。
以上に説明したように、光量調整装置の液晶を封入するために用いた誘導パターン67は、注入口64から液晶セル内部に封止剤樹脂66を浸透させることができる。かつ、注入口64からセル内部に封止剤を浸透させる2重に折り曲げた形状の誘導経路を形成することにより、封止時の封止剤の流れが有効領域69外に留まり、液晶セルの品質を保持することができる。封止剤樹脂66の量が誘導経路68の途中まででも十分な封止効果があり、封止剤の浸透量を厳密に制御する必要もなく、封止信頼性を向上させることができる。また、両基板61、62の注入口64付近の接着面積を増加させることができ、封止部の気密性を向上させることができる。また、誘導経路を2重に折り曲げるために誘導シール67aを大、小略コの字形状にシール剤63に一部を接触させて形成しているので、液晶セルの強度を上げることができ、封止剤樹脂66が硬化した後の収縮に影響されず収縮を吸収することができ、液晶セルの表面性、言い換えると厚みの均一性を保つことができる。
また、シール材63と同時に誘導パターン67を形成できるため、工程を余分に必要としないし、封入する方法については印刷・ディスペンスなど特に指定はない。
第2の実施の形態の液晶光学素子は、図5に示すように、注入口64及び誘導パターン67を、紙面の上部左側であって、シール材63の作るコーナーに形成してなる。この液晶光学素子にあっても、図6に示すように、注入口64は誘導経路68を2重に折り曲げるように形成された誘導パターン67及びシール材63によって取り囲まれている。誘導パターン67の各寸法は、上述の通りである。ここでは、説明を省略する。
この液晶光学素子は、注入口64の外縁のシール材63が誘導パターン67の一部を構成しているので、液晶有効領域69をより広くとることができる。また、上記図4に示した処理手順により液晶を封入できる。
この第2の実施の形態の液晶光学素子でも、液晶を封入するために用いた誘導パターン67は、注入口64から液晶セル内部に封止剤樹脂66を浸透させることができる。かつ、注入口64からセル内部に封止剤を浸透させる2重に折り曲げた形状の誘導経路を形成することにより、封止時の封止剤の流れが有効領域69外に留まり、液晶セルの有効領域69をより広くとることができ、かつ品質を保持することができる。
また、封止剤樹脂66の量が誘導経路68の途中まででも十分な封止効果があり、封止剤の浸透量を厳密に制御する必要もなく、封止信頼性を向上させることができる。また、両基板61、62の注入口64付近の接着面積を増加させることができ、封止部の気密性を向上させることができる。また、誘導経路を2重に折り曲げるために誘導シール67aを大、小略コの字形状にシール材63に一部を接触させて形成しているので、液晶セルの強度を上げることができ、封止剤樹脂66が硬化した後の収縮に影響されず収縮を吸収することができ、液晶セルの表面性、言い換えると厚みの均一性を保つことができる。
また、シール材63と同時に誘導パターン67を形成できるため、工程を余分に必要としないし、封入する方法については印刷・ディスペンスなど特に指定はない。
第3の実施の形態の光学液晶素子は、図7に示すように、両基板71、72のうちの、基板71に液晶注入及び封止剤注入のために穴を打ち抜き注入口74を設け、両基板71、72をシール材73によって貼り合わせてから、注入口74を通してセル内部に液晶75を注入し、その注入口74を封止剤樹脂76で封止してなる。ただし、この液晶光学素子にあって特徴的なのは、注入口74近辺にシール材73に一辺が接触するように誘導経路を2重に同心円状に有する誘導パターン77を設けている。つまり、誘導パターン77は、注入口74を囲むように誘導シールにより誘導経路を2重に同心円状に形成し、シール材73の一部も誘導経路に用いている。
この誘導パターン77も上記図2に示したのと略同様の寸法関係を持つ。特に、誘導シールと誘導シールとの間の誘導経路の幅をeとするとき、e<bという関係を成り立たせる。
例えば、注入口74の穴径は0.5〜1.5mmである。なお、液晶光学素子として用いるために均一性を保つ必要のある厚みは1.5μm〜3.0μmであり、例えば2.5μmとするときには、±0.1μmを許容誤差とする。
この液晶光学素子も、上記図4に示したのと同様の処理手順により、液晶を封入することができる。よって、この液晶光学素子でも、液晶を封入するために用いた誘導パターン77は、注入口74から液晶セル内部に封止剤樹脂76を浸透させることができる。かつ、注入口74からセル内部に封止剤を浸透させる2重に同心円状に形成した誘導経路により、封止時の封止剤の流れが有効領域79外に留まり、液晶セルの有効領域79を広くとることができ、かつ品質を保持することができる。
また、封止剤樹脂76の量が誘導経路78の途中まででも十分な封止効果があり、封止剤の浸透量を厳密に制御する必要もなく、封止信頼性を向上させることができる。また、両基板71、72の注入口74付近の接着面積を増加させることができ、封止部の気密性を向上させることができる。また、誘導経路を2重に同心円状に形成するために誘導シールを大、小略円形にシール材に一部を接触させて形成しているので、液晶セルの強度を上げることができ、封止剤樹脂76が硬化した後の収縮に影響されず収縮を吸収することができ、液晶セルの表面性、言い換えると厚みの均一性を保つことができる。
また、シール材73と同時に誘導パターン77を形成できるため、工程を余分に必要としないし、封入する方法については印刷・ディスペンスなど特に指定はない。
第4の実施の形態の液晶光学素子は、図8に示すように、注入口74及び誘導パターン77を、紙面の上部左側であって、シール材73の作るコーナーに形成してなる。この液晶光学素子にあっても、注入口74は誘導経路78を2重に同心円状に形成した誘導パターン77及びシール材73によって取り囲まれている。誘導パターン77の各寸法は、上述の通りである。ここでは、説明を省略する。
この液晶光学素子は、注入口74の外縁のシール材73が誘導パターン77の一部を構成しているので、液晶有効領域79をより広くとることができる。また、上記図4に示した処理手順により液晶を封入できる。
この第4の実施の形態の液晶光学素子でも、液晶を封入するために用いた誘導パターン77は、注入口74から液晶セル内部に封止剤樹脂76を浸透させることができる。かつ、注入口74からセル内部に封止剤を浸透させる2重の同心円状に形成した誘導経路により、封止時の封止剤の流れが有効領域79外に留まり、液晶セルの有効領域79をより広くとることができ、かつ品質を保持することができる。
また、封止剤の樹脂76の量が誘導経路78の途中まででも十分な封止効果があり、封止剤の浸透量を厳密に制御する必要もなく、封止信頼性を向上させることができる。また、両基板71、72の注入口74付近の接着面積を増加させることができ、封止部の気密性を向上させることができる。また、誘導経路を2重に折り曲げるためにシールを大、小略コの字形状にシール剤に一部を接触させて形成しているので、液晶セルの強度を上げることができ、封止剤樹脂76が硬化した後の収縮に影響されず収縮を吸収することができ、液晶セルの表面性、言い換えると厚みの均一性を保つことができる。
また、シール材73と同時に誘導パターン77を形成できるため、工程を余分に必要としないし、封入する方法については印刷・ディスペンスなど特に指定はない。
第5の実施の形態の液晶光学素子は、図9に断面を示すように、基板を3枚用い、液晶セルを2層構造にした場合の多層構造セルである。液晶セルを2層構造にすることにより、第1層目と第2層目の配向の向きを逆にできる。これにより、光の入射及び出射のレンジを拡げることができる。よって、1層だけの場合よりも、光学特性を向上することができ、透過率をよりリニアに可変することができる。
ガラス、あるいはプラスチックフィルムのような基板81、82、83を用い、基板81と基板82とをシール材89で接着することにより第1の液晶封入層を、また基板82と基板83とをシール材89で接着することにより第2の液晶封入層を形成する。この場合、液晶は例えば同一種類の2色ゲストホスト液晶を用いる。
先ず、基板81には第1の液晶封入層に液晶、封止剤を注入するために直径1mmの穴を打ち抜いて第1の注入口84を設ける。基板82には第2の液晶封入層に液晶、封止剤を注入するために直径0.5mmの穴を打ち抜いて第2の注入口85を設ける。ここで、第1の注入口84と第2の注入口85は、それぞれの基板がシール材により接着された場合に同心円状になる位置に形成される。
第1の液晶封入層を形成するために基板81と基板82はシール材89により接着される。シール材89は前述したシール材形成工程により、誘導パターン87と共に例えば印刷により形成されている。第2の液晶封入層を形成するために基板82と基板83もシール材89により接着される。このシール材89も前述したシール材形成工程により、誘導パターン87と共に例えば印刷により形成されている。
二つの誘導パターン87は、図1、図2等に示したように、第1の注入口84、第2の注入口85を囲むように誘導経路88を2重に折り曲げた誘導シール87aによって形成されている。もちろん、図7等に示したような、第1の注入口84を囲むように誘導経路を2重に同心円状に誘導シールにより形成した構成のパターンでもよい。
第1の液晶封入層に液晶、封入剤を注入するための第1の注入口84と、第2の液晶封入層に液晶、封入剤を注入するための第2の注入口85は、上述したように、その径を異ならせている。第1の注入口の径は1.0mmであり、第2の注入口の径は0.5mmである。
第1の液晶封入層及び第2の液晶封入層に液晶を封入したのち、上記図4に示した手順のステップS4により封止剤を注入するが、第1の注入口84から封止剤を入れ、第2の注入口85を通して第2の液晶封入層に封止剤を送ることになる。このとき、上述したように、第1の注入口の径(1.0mm)を第2の注入口の径(0.5mm)よりも大きくすることにより、第1の液晶封入層の第2の注入口の周辺と基板82との間に、肩部90を形成している。この肩部90を形成することにより、封止剤86が第1の液晶封入層の誘導パターン87に入り易いようにしている。もしも、第1の注入口84と第2の注入口85の径が同一で同心円状に形成した場合には、封止剤はストレートに第2の液晶封入層に落下してしまい、第1の液晶封入層には行き渡り難くなる。よって、第1の注入口84の径を第2の注入口85の径よりも大きくし、肩部90を形成している。
よって、この液晶光学素子でも、液晶を封入するために用いた誘導パターン87は、注入口84、85から同時に液晶セル内部に封止剤樹脂86を浸透させることができる。また、注入口84からセル内部に封止剤を浸透させる誘導パターン87により、封止時の封止剤の流れが有効領域外に留まり、液晶セルの有効領域をより広くとることができ、かつ品質を保持することができる。
また、封止剤の樹脂86の量が誘導経路88の途中まででも十分な封止効果があり、封止剤の浸透量を厳密に制御する必要もなく、封止信頼性を向上させることができる。また、両基板81、82の注入口84、85付近の接着面積を増加させることができ、封止部の気密性を向上させることができる。また、誘導経路を2重に折り曲げるためにシールを大、小略コの字形状にシール材に一部を接触させて形成しているので、液晶セルの強度を上げることができ、封止剤樹脂86が硬化した後の収縮に影響されず収縮を吸収することができ、液晶セルの表面性、言い換えると厚みの均一性を保つことができる。
また、シール材83と同時に誘導パターン87を形成できるため、工程を余分に必要としないし、封入する方法については印刷・ディスペンスなど特に指定はない。
第6の実施の形態の液晶光学素子も、図10に断面を示すように、基板を3枚用い、液晶セルを2層構造にした場合の多層構造セルである。しかし、この液晶光学素子は、1層目と2層目とで異なる種類の液晶を用いている。
先ず、基板91には第1の液晶封入層に液晶、封止剤を注入するために直径1mmの穴を打ち抜いて第1の注入口94を設ける。基板93には第2の液晶封入層に液晶、封止剤を注入するために直径1.0mmの穴を打ち抜いて第2の注入口95を設ける。ここで、第1の注入口94と第2の注入口95は、径が同じでも異なっていてもよい。
第1の液晶封入層を形成するために基板91と基板92はシール材99により接着される。シール材99は前述したシール材形成工程により、誘導パターン97と共に例えば印刷により形成されている。第2の液晶封入層を形成するために基板92と基板93もシール材99により接着される。このシール材99も前述したシール材形成工程により、誘導パターン97と共に例えば印刷により形成されている。
二つの誘導パターン97は、図1、図2等に示したように、第1の注入口94、第2の注入口95を囲むように誘導経路98を2重に折り曲げた誘導シール97aによって形成されている。もちろん、図7等に示したような、第1の注入口94、第2の注入口95を囲むように誘導経路を2重の同心円状に、誘導シール97aで形成した構成のパターンでもよい。
第1の液晶封入層と第2の液晶封入層は、基板92によって分けられており、よって各液晶封入層への液晶、封止剤の注入は、第5の実施の形態のように、二つの注入口を共に用いて一度に行われるわけではない。特に、第1の液晶封入層と第2の液晶封入層には異なった種類の液晶が注入される。
よって、この液晶光学素子でも、液晶を封入するために用いた誘導パターン97は、注入口94、95から液晶セル内部に封止剤樹脂96を浸透させることができる。かつ、注入口94、95からセル内部に封止剤を浸透させる誘導パターン97により、封止時の封止剤の流れが有効領域外に留まり、液晶セルの有効領域をより広くとることができ、かつ品質を保持することができる。
また、封止剤の樹脂96の量が誘導経路98の途中まででも十分な封止効果があり、封止剤の浸透量を厳密に制御する必要もなく、封止信頼性を向上させることができる。また、両基板91、92の注入口94、95付近の接着面積を増加させることができ、封止部の気密性を向上させることができる。また、誘導経路を2重に折り曲げるためにシールを大、小略コの字形状にシール材に一部を接触させて形成しているので、液晶セルの強度を上げることができ、封止剤樹脂96が硬化した後の収縮に影響されず収縮を吸収することができ、液晶セルの表面性、言い換えると厚みの均一性を保つことができる。
また、シール材93と同時に誘導パターン97を形成できるため、工程を余分に必要としないし、封入する方法については印刷・ディスペンスなど特に指定はない。
以上に説明した第1の実施の形態〜第6の実施の形態の液晶光学素子は、注入口を基板に打ち抜いて形成したが、シール切り欠き部から注入口を形成してもよい。以下、シール切り欠き部から注入口を形成した実施の形態を挙げる。
図16に示した従来のこの種の液晶セルとしては、基板11,12の外周部がシール剤13によって貼り合わせられるとともに、シール剤で貼り合わさられていない周辺部の断面部分に注入口14が形成され、この注入口14を通して内部に液晶が注入された後に、基板の断面が封止剤で封止されることにより構成されるものであった。
ところが、封止剤として用いる樹脂の接着性が基板の厚みや表面性(厚みの均一性)の制約に依存するため、液晶部の厚みが薄いと少量の封止剤しか使えない。また、樹脂が硬化後に基板部との接着部を引っ張ることを考慮すればサイズの小さな液晶光学素子には多量の封止剤は使えない。しかし、あまりにも封止剤の量を少なくしすぎると封止が不完全で、注入口の気密性が低下し、注入口を樹脂で封止するときに封止の信頼性が弱くなる。一方、封止樹脂の流動性による充填物への浸透は、液晶光学素子の有効部の特性を劣化させるという欠点もある。
このため、本発明の第7の実施の形態としては、図11に示すように、両基板101,102間の周辺部に介在させるシール材103によるシール部の一部を欠除させて注入口104を形成し、該注入口104より減圧注入等の方法でセル内に充填物(液晶)105を注入した後、注入口104を樹脂等の封止剤106で封止する。
ここで、注入口104は、シール部の一部切り欠き部を0.5mm〜1.0mmとし、基板間の空隙を1.5μm〜3.0μmとしている。特に、間隙の厚みを2.5μmとする場合には、その誤差は0.1μmの精度が要求される。封入される液晶としては例えば2色ゲストホスト液晶を用いる。
特に、この実施の形態では、シール切り欠き部の注入口104近辺に誘導パターン107を設け、注入口104は、この誘導パターン107及びシール剤103によって取り囲まれ、注入口104から液晶セル内部に樹脂を浸透させるようにする。
図12は、誘導パターン107の拡大図である。注入口104は誘導経路108を2重に折り曲げるように形成された誘導パターン107及びシール剤103によって取り囲まれている。誘導パターン107は、注入口104のシール材切り欠き部の幅をbとするとき、誘導経路108の幅をそれ(b)よりも狭くする。
この液晶光学素子によれば、図4のステップS1にてシール剤103と同時に誘導パターン107を形成できるため、工程を余分に必要としないし、封入する方法については印刷・ディスペンスなど特に指定はない。また、注入口104からセル内部に封止剤を浸透させるための2重に折れ曲がった長く狭い誘導経路108の誘導パターン107を形成することにより、封止時の封止剤の流れが有効領域109外に留まり、液晶セルの品質を保持することができる。封止剤樹脂106の樹脂量が経路の途中まででも十分な封止効果があり、封止剤106の浸透量を厳密に制御する必要もない。両基板101,102の注入口104付近の接着面積を増加させることができ、封止部の気密性を向上させている。これにより、さらに、封止信頼性を向上させることができ、セル小型化も実現できる。
第8の実施の形態の液晶光学素子は、図13に示すように、シール材103の一部を切り欠いて形成した注入口104及び誘導パターン107を、紙面の上部左側であって、シール材103の作るコーナーに形成してなる。この液晶光学素子にあっても、図14に示すように、注入口104は誘導経路108を2重に折り曲げるように形成された誘導パターン107及びシール材103によって取り囲まれている。誘導パターン107は、注入口104のシール材切り欠き部の幅をbとするとき、誘導経路108の幅をそれ(b)よりも狭くする。
この液晶光学素子は、注入口104の外縁のシール材103が誘導パターン107の一部を構成しているので、液晶有効領域109をより広くとることができる。また、上記図4に示した処理手順により液晶を封入できる。
この第8の実施の形態の液晶光学素子でも、液晶を封入するために用いた誘導パターン107は、注入口104から液晶セル内部に封止剤樹脂106を浸透させることができる。かつ、注入口104からセル内部に封止剤を浸透させる2重に折り曲げた形状の誘導経路108を形成することにより、封止時の封止剤の流れが有効領域109外に留まり、液晶セルの有効領域109をより広くとることができ、かつ品質を保持することができる。
また、封止剤樹脂106の量が誘導経路108の途中まででも十分な封止効果があり、封止剤の浸透量を厳密に制御する必要もなく、封止信頼性を向上させることができる。また、両基板101、102の注入口104付近の接着面積を増加させることができ、封止部の気密性を向上させることができる。また、誘導経路を2重に折り曲げるために誘導シール107aを大、小略コの字形状にシール材103に一部を接触させて形成しているので、液晶セルの強度を上げることができ、封止剤樹脂106が硬化した後の収縮に影響されず収縮を吸収することができ、液晶セルの表面性、言い換えると厚みの均一性を保つことができる。
また、シール材103と同時に誘導パターン107を形成できるため、工程を余分に必要としないし、封入する方法については印刷・ディスペンスなど特に指定はない。
なお、第7及び第8の実施の形態は、シール材103を切り欠いて形成した注入口104を用いる構成を、基板が2枚の単層構造セルに適用した実施例であったが、本発明は、これに限らず、基板を3枚以上用いた2層以上の液晶層を構成するときも同様の効果を得ることができる。
なお、第1〜第8の実施の形態では、各液晶光学素子を1個づつ製造する如く説明してきたが、実際の製造ラインでは、16個の液晶光学素子を1枚の大判から個片セルとして分割して形成している。図15は、上記第4の実施の形態の液晶光学素子を形成した方法を適用して、4セル毎に液晶を封止剤で封止して形成した大判の構成を示す。封止後に個片ダイシングにより大判から16個のセルを個片化して形成する。
大判用の基板111,112には、4セル毎に共有するように注入口114を打ち抜いて形成している。
上記図4に示した処理手順にしたがって説明すると、先ず、基板11、112にシール材及び誘導パターン115を形成する(ステップS1)。シール材は、熱硬化樹脂からなり、基板の外枠に例えば印刷される。このときの基板に印刷されたシール材の厚みの合計は、液晶部の厚み2.5μmとなる。また、同じく熱硬化樹脂を用い、同工程にて上記誘導パターン115を印刷により形成する。もちろん、シール材及び誘導パターン115はディスペンスにより形成してもよい。
次に、両基板111、112を位置合わせし、所定温度の加熱処理を所定時間だけ行い、熱硬化樹脂からなるシール材及び誘導パターン115を硬化させて基板を貼り合わせる。これにより、液晶が注入される空セルが作成される(ステップS2)。
次に、液晶注入工程に入る(ステップS3)。光学素子として用いる場合には、穴径を0.5mm〜1.0mmとするので、ここでは液晶を滴下注入する。上述したように、脱気真空にした部屋に上記空セルを置き、注入口となる穴に液晶を滴下する。そして、部屋を常圧に戻すと、液晶は空セルの中に入っていく。
次に、封止剤注入工程に入る(ステップS4)。液晶の注入されたセルを例えば加熱し、膨張させて液晶をはみ出させ、はみ出した液晶を吸い取り、そこに紫外線硬化樹脂からなる封止剤をたらして冷やすことにより封止剤を注入する。各注入口114の穴の周りには、同心円状に形成された誘導経路が設けられているので、封止剤は個々のセルの有効領域にかかることはない。次に、封止剤に紫外線を当て、紫外線硬化樹脂を硬化させることにより、液晶の封入を終わる(ステップS5)。その後、ダイシングにより大判から16個のセルを個片化して取り出す。
この大判状の複数セルを注入口114及び誘導パターン115を共通にして形成する図15の構成でも、光量調整装置の液晶を封入するために用いた誘導パターン115は、注入口114から液晶セル内部に封止剤樹脂を浸透させることができる。かつ、注入口114からセル内部に封止剤を浸透させる同心円状の誘導経路を形成することにより、封止時の封止剤の流れが各セルの有効領域外に留まり、液晶セルの品質を保持することができる。封止剤樹脂の量が誘導経路の途中まででも十分な封止効果があり、封止剤の浸透量を厳密に制御する必要もなく、封止信頼性を向上させることができる。また、両基板11、112の注入口114付近の接着面積を増加させることができ、封止部の気密性を向上させることができる。また、誘導経路を同心円状に形成するための誘導シールを大、小略円形状にシールに一部を接触させて形成しているので、液晶セルの強度を上げることができ、封止剤樹脂が硬化した後の収縮に影響されず収縮を吸収することができ、液晶セルの表面性、言い換えると厚みの均一性を保つことができる。
また、シール材と同時に誘導パターン115を形成できるため、工程を余分に必要としないし、封入する方法については印刷・ディスペンスなど特に指定はない。
なお、上記各実施の形態にあっては、セル内への充填物として、液晶をもちいたが、例えば有機系のエレクトロクロミック剤、エレクトロルミネッセンス材料を用いてもよい。
また、光学素子としては、カメラなどの撮像装置の光学絞り以外に、電子複写機や光通信機器等の光量調整用にも広く適用可能である。
61,62 基板、63 シール材、64 注入口、65 液晶、66 封止剤、67 誘導パターン、68 誘導経路、69 有効領域
Claims (9)
- 複数の基板とシール材により形成された空セルに充填物を注入し、当該充填物を封止剤により封止して形成したセル構造体を光の透過率を変更する光学素子として用いてなるセル構造光学素子であって、
上記充填物及び封止剤を注入する注入口と、
上記注入口を囲んで形成される誘導パターンとを備え、
上記誘導パターンを上記充填物を誘導する誘導経路を上記注入口を囲むように重ねて形成することを特徴とするセル構造光学素子。 - 上記注入口は、基板に穴を打ち抜いて形成されることを特徴とする請求項1記載のセル構造光学素子。
- 上記注入口は、シール材を切り欠いて形成されることを特徴とする請求項1記載のセル構造光学素子。
- 上記誘導パターンは、上記充填物を誘導する誘導経路を上記注入口を囲むように折り曲げながら重ねて形成することを特徴とする請求項1記載のセル構造光学素子。
- 上記注入口両側の誘導パターンのシールとシールの間の外寸aと注入口の穴径bとの比率a/bは2以内とすることを特徴とする請求項4記載のセル構造光学素子。
- 上記誘導パターンは、上記充填物を誘導する誘導経路を上記注入口を囲むように同心円状に重ねて形成することを特徴とする請求項1記載のセル構造光学素子。
- 3枚の基板を用い、各対向する2枚の基板間に貼りつけられるシール材によって形成された2層の空セルに充填物を注入してから、当該充填物を封止剤により封止するとき、1層目を挟んで隣接させた相互に異なる径の二つの注入口から封止剤を注入することを特徴とする請求項1記載のセル構造光学素子。
- 複数の基板とシール材により形成された厚さ1.5〜3.0μmの空セルに充填物を注入してから封止剤により封止することを特徴とする請求項1記載のセル構造光学素子。
- 複数の基板とシール材により形成された空セルに充填物を注入し、当該充填物を封止剤により封止して形成したセル構造体を光の透過率を変更する光学素子として用いてなるセル構造光学素子の製造方法であって、
上記充填物及び封止剤を注入する注入口を形成する工程と、
上記注入口を囲んで形成される誘導パターンを形成する工程とを備え、
上記誘導パターンを形成する工程は、上記充填物を誘導する誘導経路を上記注入口を囲むように重ねて誘導パターンを形成することを特徴とするセル構造光学素子の製造方法。
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- 2004-12-13 JP JP2004360608A patent/JP2006171126A/ja not_active Withdrawn
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