JP2006170794A - 相互作用観察方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】核酸複合体を表面に形成させ、生体分子との相互作用を可能とする方法を提供する。
【解決手段】核酸分子(A)が固相上に固定化されており、該核酸分子(A)と核酸分子(B)がハイブリダイズできるように設計し、該核酸分子(B)と核酸分子(C)がハイブリダイズできるように設計し、該核酸分子(A)と該核酸分子(C)がハイブリダイズできないように設計し、該核酸分子(A)、(B)及び(C)をハイブリダイズさせて複合体を形成させ、該複合体に含まれる該核酸分子(B)と該核酸分子(C)とからなる二本鎖核酸と生体分子を接触させることで、該二本鎖核酸と該生体分子との相互作用を観察する。
【選択図】 なし
【解決手段】核酸分子(A)が固相上に固定化されており、該核酸分子(A)と核酸分子(B)がハイブリダイズできるように設計し、該核酸分子(B)と核酸分子(C)がハイブリダイズできるように設計し、該核酸分子(A)と該核酸分子(C)がハイブリダイズできないように設計し、該核酸分子(A)、(B)及び(C)をハイブリダイズさせて複合体を形成させ、該複合体に含まれる該核酸分子(B)と該核酸分子(C)とからなる二本鎖核酸と生体分子を接触させることで、該二本鎖核酸と該生体分子との相互作用を観察する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、表面上に形成された核酸複合体と、生体分子の相互作用解析を行う方法に関する。
従来から遺伝子を検出する方法としてDNAアレイの技術が用いられてきた。DNAアレイは、一本鎖DNAを基板上に固定化しておき、そのDNAに相補的な核酸がハイブリダイゼーションしたかどうかを蛍光ラベルや化学発光などを用いて検出するのが一般的である。従って、核酸同士の相互作用を検出するのが目的である。
近年は核酸同士だけでなく、DNA−タンパク質相互作用の観察が注目をあびてきている。その理由として核酸配列に特異的なタンパク質の存在が広く知られるようになったことが挙げられる。中でも結合・解離の相互作用が重要視されている。
DNA−タンパク質の結合・解離の相互作用評価として一般的な方法はゲルシフト法であり、DNA−タンパク質を相互作用させた状態で、ゲル内の移動速度を観察する方法である。しかし、ゲルシフト法はスループットが低く、多量のサンプルを扱うのは非常に困難である。また、平衡状態を測定するため、結合・解離速度の評価は不可能である。
DNA−タンパク質の結合・解離の相互作用評価として一般的な方法はゲルシフト法であり、DNA−タンパク質を相互作用させた状態で、ゲル内の移動速度を観察する方法である。しかし、ゲルシフト法はスループットが低く、多量のサンプルを扱うのは非常に困難である。また、平衡状態を測定するため、結合・解離速度の評価は不可能である。
そこで、DNAアレイの技術を応用して、二本鎖DNAのアレイを作製し、タンパク質との相互作用を解析する方法が探索されてきた。例えば同一のプライマー部分を有する一本鎖DNAをアレイ状に固相に固定化しておき、プライマーをハイブリダイゼーションさせた上で、表面上でのポリメラーゼ操作によって二本鎖とする方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。この方法は同一のプライマー部分を有する長い一本鎖DNAを固定化している場合は非常に効果がある。しかし、基板上でのDNAポリメラーゼの反応条件の最適化、反応操作は煩雑であり、DNA鎖が50塩基以下の場合は相補的DNAを合成して、それぞれハイブリダイゼーションさせたほうが簡便であろう。
また、特許文献1では二本鎖DNAは緑色蛍光蛋白(GFP)などによってラベル化されたタンパク質との相互作用が観察されているが、ラベル操作はタンパク質の機能や特性を変える可能性が指摘されており、DNA−タンパク質相互作用を普遍的に測定できる方法とは言えない。
基板上で酵素処理を行わず、二本鎖DNAをハイブリダイゼーションさせてから、電極基板上に固定化し、酵素との相互作用を観察する方法が示されている(例えば非特許文献1参照)。ここでは金基板に結合性をもつチオール基をDNA分子に導入しておき、金基板に直接固定化する方法をとっている。この方法は電極全体に二本鎖DNAを固定化するものであり、アレイの概念は示されていない。また、この方法ではDNA分子は金表面に横たわる形でも存在することが知られていること、DNA分子が基板に近すぎてDNA分子のモビリティが十分に確保できないことから、タンパク質の基板表面への拡散速度が律速となるために、タンパク質との相互作用Kineticsを正確に測定するのは困難である。また、DNA分子だけで金表面に自己組織化によって固定化すると密に充填できないために、メルカプトヘキサノールでブロッキングする必要が生じる。メルカプトヘキサノールの方が自己組織化能は強く、先に金に固定化したDNA分子とメルカプトヘキサノールの交換反応がおこるため、表面に残るDNA分子の密度は極めて低くなり、タンパク質との相互作用によって得られる信号は非常に小さくなる。
アレイ上にてDNA−タンパク質相互作用をラベルフリーに観察する報告もされている(例えば非特許文献2)。ここでは二種類の一本鎖DNAを固定化しておき、片方に相補的なDNAをアレイ全体に曝し、片方のみをハイブリダーゼーションさせた後、一本鎖結合型蛋白(SSB)との相互作用を表面プラズモン共鳴(SPR)イメージング法によって観察している。このようにアレイ全体に相補的なDNAを曝す場合、固定化されたDNAの配列が大きく異なる場合は問題ないが、配列の近いDNAが固定化されている場合、ミスマッチでも一部結合する問題がある。よって、チップ全体に相補的DNAを曝す方法には限界がある。
そこで、Kyoらは、チオール末端DNAとその相補的DNAを予めアニールして二本鎖DNAを形成させておいてから、アレイ状に基板上に固定化し、同時に複数のDNA−タンパク質相互作用の観察に成功した(学術文献2)。しかし、チオール末端DNAは非常に高価であり、網羅的な解析を行うには膨大な資金が必要となる問題があった。また、チオール基は酸化されやすい問題があり、保存安定性にも欠けているため、数多くのチオール末端DNAを使って研究を行うのは困難が伴っていた。
一種のチオール末端DNAを表面全体に固定化しておき、スポットの部分のみ、目的のプローブをハイブリダイゼーションによって表面に固定化する方法も提案されている(特許文献3)。この方法であると、チオール末端DNAは一種のみでよく、コストを低減する可能性を秘めている。しかし、この発明ではチップ全面にDNAを固定化する必要があるため、チオール末端DNAの消費量が多く、コストがかかる問題が残る。また、一本鎖DNAをハイブリダイゼーションによってアレイ状に固定化し、一塩基多型(SNPs)の解析に用いているものの、タンパク質の解析には全く触れられていない。
本発明の課題は、核酸複合体を表面に形成させ、生体分子との相互作用を可能とする方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出した。
1.二本鎖核酸と生体分子との相互作用を観察するための方法であって、核酸分子(A)が固相上に固定化されており、該核酸分子(A)と核酸分子(B)がハイブリダイズできるように設計し、該核酸分子(B)と核酸分子(C)がハイブリダイズできるように設計し、該核酸分子(A)と該核酸分子(C)がハイブリダイズできないように設計し、該核酸分子(A)、(B)及び(C)をハイブリダイズさせて複合体を形成させ、該複合体に含まれる該核酸分子(B)と該核酸分子(C)とからなる該二本鎖核酸と、該生体分子を接触させることを特徴とする相互作用観察方法
2.核酸分子(A)が平面基板上にアレイ状にスポットされ固定化されていることを特徴とする1の相互作用観察方法
3.核酸分子(A)が平面基板上にアレイ状にスポットされ固定化されていて、該核酸分子(A)の配列が異なるスポットが、少なくとも2種類以上あることを特徴とする1の相互作用観察方法。
4.二本鎖核酸の配列が異なるスポットが、少なくとも2種類以上あることを特徴とする2、3の相互作用観察方法。
5.核酸分子(B)および核酸分子(C)の配列が異なるスポットが、少なくとも2種類以上あることを特徴とする2、3の相互作用観察方法。
6.固相が金属であることを特徴とする1〜5のいずれかの相互作用観察方法
7.固相が透明平面基板上に形成された金薄層であることを特徴とする1〜6のいずれかの相互作用観察方法
8.相互作用を観察する方法が表面プラズモン共鳴法であることを特徴とする1〜7のいずれかの相互作用観察方法
9.相互作用を観察する方法が表面プラズモン共鳴イメージング法であることを特徴とする1〜8のいずれかの相互作用観察方法
10.生体分子がタンパク質であることを特徴とする1〜9のいずれかの相互作用観察方法
11.生体分子が転写因子であることを特徴とする1〜10のいずれかの相互作用観察方法
12.生体分子と二本鎖核酸との相互作用を観察するためのアレイであって、核酸分子(A)が固相上に固定化されており、該核酸分子(A)と核酸分子(B)がハイブリダイズでき、該核酸分子(B)と核酸分子(C)がハイブリダイズでき、該核酸分子(A)と該核酸分子(C)がハイブリダイズできないように設計し、該核酸分子(A)、(B)及び(C)をハイブリダイズさせて複合体を形成させることにより、該複合体中に、該核酸分子(B)と該核酸分子(C)とからなる生体分子との相互作用を測定するための該二本鎖核酸が含まれることを特徴とする相互作用観察用アレイ。
13.核酸分子(A)が平面基板上にスポットされ固定化されていることを特徴とする12の相互作用観察用アレイ
14.核酸分子(A)が平面基板上にスポットされ固定化されていて、該核酸分子(A)の配列が異なるスポットが、少なくとも2種類以上あることを特徴とする12の相互作用観察用アレイ。
15.二本鎖核酸の配列が異なるスポットが、少なくとも2種類以上あることを特徴とする12〜14のいずれかの相互作用観察用アレイ。
16.核酸分子(B)および核酸分子(C)の配列が異なるスポットが、少なくとも2種類以上あることを特徴とする12〜14のいずれかの相互作用観察用アレイ。
17.固相が金属であることを特徴とする12〜16のいずれかの相互作用観察用アレイ
18.固相が透明平面基板上に形成された金薄層であることを特徴とする12〜17のいずれかの相互作用観察用アレイ
19.12〜18のいずれかのアレイを含むことを特徴とする二本鎖核酸と生体分子との相互作用を観察するための試薬キット。
1.二本鎖核酸と生体分子との相互作用を観察するための方法であって、核酸分子(A)が固相上に固定化されており、該核酸分子(A)と核酸分子(B)がハイブリダイズできるように設計し、該核酸分子(B)と核酸分子(C)がハイブリダイズできるように設計し、該核酸分子(A)と該核酸分子(C)がハイブリダイズできないように設計し、該核酸分子(A)、(B)及び(C)をハイブリダイズさせて複合体を形成させ、該複合体に含まれる該核酸分子(B)と該核酸分子(C)とからなる該二本鎖核酸と、該生体分子を接触させることを特徴とする相互作用観察方法
2.核酸分子(A)が平面基板上にアレイ状にスポットされ固定化されていることを特徴とする1の相互作用観察方法
3.核酸分子(A)が平面基板上にアレイ状にスポットされ固定化されていて、該核酸分子(A)の配列が異なるスポットが、少なくとも2種類以上あることを特徴とする1の相互作用観察方法。
4.二本鎖核酸の配列が異なるスポットが、少なくとも2種類以上あることを特徴とする2、3の相互作用観察方法。
5.核酸分子(B)および核酸分子(C)の配列が異なるスポットが、少なくとも2種類以上あることを特徴とする2、3の相互作用観察方法。
6.固相が金属であることを特徴とする1〜5のいずれかの相互作用観察方法
7.固相が透明平面基板上に形成された金薄層であることを特徴とする1〜6のいずれかの相互作用観察方法
8.相互作用を観察する方法が表面プラズモン共鳴法であることを特徴とする1〜7のいずれかの相互作用観察方法
9.相互作用を観察する方法が表面プラズモン共鳴イメージング法であることを特徴とする1〜8のいずれかの相互作用観察方法
10.生体分子がタンパク質であることを特徴とする1〜9のいずれかの相互作用観察方法
11.生体分子が転写因子であることを特徴とする1〜10のいずれかの相互作用観察方法
12.生体分子と二本鎖核酸との相互作用を観察するためのアレイであって、核酸分子(A)が固相上に固定化されており、該核酸分子(A)と核酸分子(B)がハイブリダイズでき、該核酸分子(B)と核酸分子(C)がハイブリダイズでき、該核酸分子(A)と該核酸分子(C)がハイブリダイズできないように設計し、該核酸分子(A)、(B)及び(C)をハイブリダイズさせて複合体を形成させることにより、該複合体中に、該核酸分子(B)と該核酸分子(C)とからなる生体分子との相互作用を測定するための該二本鎖核酸が含まれることを特徴とする相互作用観察用アレイ。
13.核酸分子(A)が平面基板上にスポットされ固定化されていることを特徴とする12の相互作用観察用アレイ
14.核酸分子(A)が平面基板上にスポットされ固定化されていて、該核酸分子(A)の配列が異なるスポットが、少なくとも2種類以上あることを特徴とする12の相互作用観察用アレイ。
15.二本鎖核酸の配列が異なるスポットが、少なくとも2種類以上あることを特徴とする12〜14のいずれかの相互作用観察用アレイ。
16.核酸分子(B)および核酸分子(C)の配列が異なるスポットが、少なくとも2種類以上あることを特徴とする12〜14のいずれかの相互作用観察用アレイ。
17.固相が金属であることを特徴とする12〜16のいずれかの相互作用観察用アレイ
18.固相が透明平面基板上に形成された金薄層であることを特徴とする12〜17のいずれかの相互作用観察用アレイ
19.12〜18のいずれかのアレイを含むことを特徴とする二本鎖核酸と生体分子との相互作用を観察するための試薬キット。
本発明は安価に基板上に核酸複合体を形成する方法、及び核酸複合体と生体分子の相互作用解析を行う方法を可能とする。アレイに応用可能であり、網羅的解析に用いることができる。
以下に本発明を詳細に説明する。本発明は、核酸複合体を表面に形成させる方法、核酸複合体と生体分子との相互作用を観察する方法を開示している。
生体分子間の相互作用を解析する対象はますます広がっている。近年は網羅的に相互作用を解析する試みがされており、ハイスループット化が要求されるようになった。しかし、それにはスループット量に対応した、多種類の分析する物質を用意する必要があり、コストがかかっていた。本発明は、網羅的解析を低コストで実現するものである。
本発明では核酸分子(A)が固相上に固定化されており、核酸分子(B)の一部が核酸分子(A)と相補的に結合することで、(B)が固定化されている。さらに、核酸分子(C)は、核酸分子(B)の一部と相補的に結合することで、表面に固定されている。核酸分子(A)と核酸分子(C)の間には直接的な相互作用は存在していない。(A)の配列の一部または全部が(B)と相補的に結合しているが、相補的に結合している塩基数は11以上であることが好ましく、15以上であるとさらに好ましい。(C)の配列の一部または全部が(B)と相補的に結合しており、相補的に結合している塩基数は11以上であることが好ましく、15以上であるとさらに好ましい。相補的な関係となっている塩基数が多いほど、融点(Tm)が上昇し、二本鎖が安定するからである。核酸分子(A)、(B)、(C)のいずれにおいても、その配列の少なくとも一部がハイブリダイゼーションによって相補的に別の分子と結合している。
核酸分子(A)、(B)、(C)の長さは特に限定されるものではないが、前記理由により、分子(A)と(C)は11塩基以上であることが好ましく、15塩基以上であるとさらに好ましい。分子(B)は22塩基以上であることが好ましく、30塩基以上であるとさらに好ましい。
核酸分子(A)、(B)、(C)を形成させる方法は特に限定されるものではないが、(1)(A)を固定化しておき、(B)をハイブリダイゼーションさせて、次に(C)をハイブリダイゼーションさせる方法、(2)(A)を固定化しておき、予め(B)と(C)を溶液中でハイブリダイゼーションさせた複合体を(A)と接触させる方法、(3)(A)と(B)と(C)を溶液中でハイブリダイゼーションさせて複合体としてから固定化する方法などが挙げられる。その中で、(2)の方法が平面基板上にアレイを作製するのが容易であり、好ましい。
核酸分子はDNA、RNAだけでなく、PNA(ペプチド核酸)やLNA(Locked nucleic acid)などの人工核酸、さらにはそれらの誘導体を含む。
核酸分子(A)が固定化される方法は、共有結合、配位結合、イオン結合、疎水結合、水素結合などが挙げられるが、なかでも共有結合であることが好ましい。核酸分子(A)の末端に何らかの官能基、結合グループが導入されていることが好ましく、該官能基または結合グループを介して、固相化されるのがさらに好ましい。官能基または結合グループとしてはアミノ基、チオール基、ビオチンなどが挙げられるが、なかでもチオール基は共有結合が可能であり、非イオン性であり、反応が特異的に進むため最も好ましい。チオール基は表面に形成したマレイミド基、エポキシ基、チオール基、ジスルフィド基と反応することができる。また、チオール基は金の(111)面に直接結合することもできる。
核酸分子(A)が固定化される方法は、共有結合、配位結合、イオン結合、疎水結合、水素結合などが挙げられるが、なかでも共有結合であることが好ましい。核酸分子(A)の末端に何らかの官能基、結合グループが導入されていることが好ましく、該官能基または結合グループを介して、固相化されるのがさらに好ましい。官能基または結合グループとしてはアミノ基、チオール基、ビオチンなどが挙げられるが、なかでもチオール基は共有結合が可能であり、非イオン性であり、反応が特異的に進むため最も好ましい。チオール基は表面に形成したマレイミド基、エポキシ基、チオール基、ジスルフィド基と反応することができる。また、チオール基は金の(111)面に直接結合することもできる。
本発明における固相は金属であることが好ましい。金属基板は表面加工が容易であり、さまざまな光学的測定法や水晶発振子の方法に使用することができるからである。また、熱安定性にも優れ、薬剤耐性も高いことも有利な点である。形態は、平面基板、ナノ粒子を含むビーズなどが挙げられるが、アレイへの応用ができる有利さから、平面基板が好ましい。
金属基板としては透明基板上に形成された金薄層が好ましい。金−硫黄結合を利用し、アルカンチオール分子が金表面に自己組織化単分子層を形成することが知られている。この方法を使って、表面に官能基を容易に導入することができる。あるいは、チオール末端の核酸分子(A)を直接、金表面に結合することも可能である。金表面に官能基または結合グループを導入した後に、核酸分子(A)の末端の官能基または結合グループを使って、核酸分子(A)を固定化することも可能である。
好ましい形態としては、アミノ基末端のアルカンチオールの自己組織化単分子層を形成させて、表面をアミノ基とし、アミノ基反応性のN−ヒドロキシスクシンイミドと、チオール基反応性のマレイミド基を有する架橋剤を反応させて、表面をマレイミド基とし、チオール末端の核酸分子(A)とマレイミド基とのカップリングによって共有結合で(A)を固定化する方法が挙げられる。架橋剤の分子の中にポリエチレングリコールなどのスペーサーが入っていると、分子(A)にモビリティを与えることができ、表面への非特異的吸着が抑制する効果が期待できるために、さらに好ましい。
固相に固定化された核酸分子(A)、(B)、(C)の複合体は、生体分子と相互作用が観察するのに用いられる。本発明における相互作用観察の対象は、核酸分子(B)と(C)の複合体と生体分子である。核酸分子(B)と核酸分子(C)がハイブリダイズすることで、生体分子と相互作用できる二本鎖核酸が形成される。この二本鎖核酸と、生体分子との相互作用を観察すればよい。
相互作用観察の手段としては、ラベルフリーかつリアルタイム測定が可能な表面プラズモン共鳴(SPR)法が好ましい。生体分子の中にはラベル操作によって機能・活性に変化が生じる場合があり、タンパク質でその傾向は顕著である。よって、ラベルフリーな測定方法は好都合である。またリアルタイムで測定できる点から、平衡状態だけではなく、結合と解離の速度を解析することが可能となり、生体分子の機能を知るための貴重な情報が得られる。
SPR法としてはSPRイメージング法が好ましい。SPRイメージング法はアレイ全体に偏光平行光を照射し、その反射光をCCDカメラで撮影するため、アレイのある地点における表面プラズモン共鳴角変位を反射光強度の変化によって知ることが可能である。よって、複数の(B)と(C)の複合体を固定化したアレイと生体分子の相互作用解析をラベルフリーかつリアルタイムに測定することが可能である。
本発明においては、核酸分子(A)がアレイ状に固定化されていることが好ましい。アレイ上の各スポットにおいて、核酸分子(A)は共通であっても、スポット毎に複数種類あってもかまわない。核酸分子(A)は一種類であると、コストがかからないため、より好ましいが、これに限定されるものではない。核酸分子(A)の末端に何らかの官能基、結合グループが導入されていることが好ましいのはすでに述べたが、このような核酸は比較的高価であり、何種類も用意するとコストがかかる問題があるが、核酸分子(A)が一種類であると、その問題は回避できる。
核酸分子(B)と(C)は、実験に用いる際に、精製されていなくてもよい。コスト面を考えると、非精製である方が好ましい。核酸分子(A)と(B)と(C)は相補的であるように設計されているため、非精製であっても、必要な分子だけが相補鎖を形成し、複合体を形成することができるからである。
アレイの形態としては、核酸分子(A)がアレイ状にスポットとして固定化されていることが好ましい。スポットとは不連続であり、互いに分け隔てる領域が存在していることを言う。スポットの形状は特に限定されるものではなく、円形、四角形などが挙げられる。スポットの作製方法も特に限定されるものではなく、スポッティングによって微小量の核酸分子(A)の溶液の液滴を基板上に形成させる方法や、基板表面をパターン化してから、パターンで核酸分子(A)を導入する方法などが挙げられる。
アレイの各スポットにおいて、二本鎖核酸の配列が異なるスポットが少なくとも2種類以上、好ましくは複数配置されている方がよい。そうすれば、生体分子と、複数の二本鎖核酸との相互作用が網羅的に解析できるからである。
このようなアレイを作成するためには、複数の核酸分子(B)は互いに混じりあうことなく、アレイの各スポットにおいて固定化されている核酸分子(A)とハイブリダイズさせ、ついで、複数の核酸分子(B)にそれぞれ相補的な配列を有する核酸分子(C)を互いに混じりあうことなく、対応するそれぞれの核酸分子(B)が存在する場所にハイブリダイズさせればよい。つまり、核酸分子(B)は核酸分子(C)とハイブリダイズできる関係にあり、核酸分子(B)’は核酸分子(C)’ とハイブリダイズできる関係にあるとすると、核酸分子(B)と核酸分子(B)’を互いに交わることなく、別々の核酸分子(A)が固定化されているスポットにハイブリダイズさせる。ついで、核酸分子(B)がスポットされている場所には核酸分子(C)を、核酸分子(B)’がスポットされている場所には核酸分子(C)’を互いに交わることなくハイブリダイズさせればよい。本説明においては、2種類の二本鎖核酸のアレイ作成方法を例に挙げて説明したが、複数の二本鎖核酸のアレイを作成する場合も同様の方法を適用すればよい。
また、あらかじめ複数の核酸分子(B)とそれぞれに対応する核酸分子(C)とをハイブダイズし、互いに混じりあうことなく、アレイの各スポットにおいて固定化されている核酸分子(A)と相補的に結合させてもよい。つまり、核酸分子(B)は核酸分子(C)とハイブリダイズできる関係にあり、核酸分子(B)’は核酸分子(C)’ とハイブリダイズできる関係にあるとすると、核酸分子(B)と核酸分子(C)を、また、核酸分子(B)’と核酸分子(C)’をあらかじめハイブリダイズしておき、互いに交わることなく、別々の核酸分子(A)が固定化されているスポットにハイブリダイズさせればよい。複数の二本鎖核酸のアレイを作成する場合も同様の方法を適用すればよい。
また、複数の核酸分子(B)と、それぞれに対応する核酸分子(C)と、核酸分子(A)とをあらかじめハイブダイズし、互いに混じりあうことなく、アレイにスポットし固定化してもよい。つまり、核酸分子(B)は核酸分子(C)とハイブリダイズできる関係にあり、核酸分子(B)’は核酸分子(C)’ とハイブリダイズできる関係にあるとすると、核酸分子(B)と核酸分子(C)と核酸分子(A)とを、また、核酸分子(B)’と核酸分子(C)’と 核酸分子(A)とをあらかじめハイブリダイズしておき、互いに交わることなく、別々にアレイにスポットし固定化させればよい。複数の二本鎖核酸のアレイを作成する場合も同様の方法を適用すればよい。
所望のスポットに所望の二本鎖核酸が形成されたい場合は、核酸分子(A)をスポット毎に複数種類用意してもよい。例えば、核酸分子(A)と核酸分子(B)をハイブリダイズできるように、核酸分子(B)と核酸分子(C)をハイブリダイズできるように設計し、また、核酸分子(A)’と核酸分子(B)’をハイブリダイズできるように、核酸分子(B)’と核酸分子(C)’をハイブリダイズできるように設計する。核酸分子(A)と核酸分子(A)’を互いに混じりあうことなく、アレイにスポットし固定化しておく。例えば、そのアレイに、核酸分子(B)と核酸分子(C)の複合体をアレイに接触させると、アレイ上の核酸分子(A)のみが固定化されているスポットのみに、核酸分子(A)、(B)及び(C)の複合体が形成される。核酸分子(B)’と核酸分子(C)’の複合体をアレイに接触させると、アレイ上の核酸分子(A)’のみが固定化されているスポットのみに、核酸分子(A)’、(B)’及び(C)’の複合体が形成される。核酸分子(B)と核酸分子(C)の複合体と核酸分子(B)’と核酸分子(C)’の複合体は同時にアレイへ接触させても構わない。複数の二本鎖核酸のアレイを作成する場合も同様の方法を適用すればよい。このように、核酸分子(A)の異なるスポットを2種類以上用意しておけば、所望のアレイ作製が容易となる。
測定対象となる生体分子としては、タンパク質が好ましい。タンパク質はラベル操作によって活性・機能が変化する場合が多いからである。さらに好ましくは、二本鎖核酸と相互作用することが知られている転写因子である。変異の入った二本鎖核酸配列と転写因子の相互作用を解析し、転写因子の機能を知るために本発明は大いに有用である。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[実施例]
(単一配列の一本鎖DNAアレイの作製)
チップはMultiSPRinter NH2チップ(東洋紡績製)を用いた。チップの大きさは18mm×18mm、厚さ2mmである。このチップにはNH2基が導入された500μm四方のスポット領域が8×12=96個形成されている。スポット領域の中心間の距離は1mmとなっている。スポット領域ではない領域(バックグラウンド領域)には、非特異吸着を抑制するポリエチレングリコールが固定化されている。
(単一配列の一本鎖DNAアレイの作製)
チップはMultiSPRinter NH2チップ(東洋紡績製)を用いた。チップの大きさは18mm×18mm、厚さ2mmである。このチップにはNH2基が導入された500μm四方のスポット領域が8×12=96個形成されている。スポット領域の中心間の距離は1mmとなっている。スポット領域ではない領域(バックグラウンド領域)には、非特異吸着を抑制するポリエチレングリコールが固定化されている。
ヘテロ二官能性ポリエチレングリコール(MAL−dPEG12−NHS ester:Quanta Biodesign製)をリン酸緩衝液(20mM リン酸、150mM NaCl、pH7.2:PBS)に5mg/mlで溶解し、金表面のアミノ基に反応させ、表面がマレイミド基である500μm四方の正方形スポットが96個並んだチップを得た。ここに、核酸分子(A)に相当するDNA(D1)の5μM 5×SSC(75mMクエン酸ナトリウム、750mM NaCl、pH7.0)溶液をスポットし、一本鎖であるD1をアレイ状に表面に固定化した。D1の5’末端はチオール基となっており、表面のマレイミド基との反応性を有している。実施例で使用したDNAの配列を表1に示す。
D1の溶液のスポッティングには、自動スポッター(MultiSPRinterスポッター:東洋紡績製)を用い、96スポット全てにDNA1の溶液をスポットした。14時間反応させてD1を表面に固定化した後、未反応のマレイミド基をブロッキングするために、PEGチオール(日本油脂製SUNBRIGHT MESH−50H)を10mg/mlの濃度でPBS溶液に溶解して、250μlをチップ上に注出し、一時間反応させた。ここで用いたPEGチオールの分子量は5,000であり、親水性が非常に高く、非特異吸着を抑制する効果が期待できる。得られたチップを0.2×SSC、0.2%SDSで洗浄し、フリーのDNAを除去し、PBSと水で洗浄し、D1が等間隔に96点並んだアレイを得た。
(MAREプローブの固定化)
固定化用プローブの配列を表1に示す。D2とD4はD1と相補的な部分を18塩基有し、かつ、解析用の配列25塩基を有している。D3とD5は、それぞれD2とD4の解析用配列の相補的配列である。先にD2 50μM、D3 100μM 5XSSC溶液を10μl調製し、D2とD3をハイブリダイゼーションさせ、D2とD3の複合体を形成させた。ハイブリダイゼーション操作は混合溶液を沸騰浴中にて5分、0℃に急冷し15分、その後37℃で三時間インキュベートすることで行った。D4とD5の複合体に関しても同様に調製を行った。得られた複合体の溶液を水で5倍に希釈し、その溶液5μlを使い、自動スポッター(MultiSPRinterスポッター:東洋紡績製)を用いて、複合体をD1がアレイ状に並んだチップにスポッティングし、D1とのハイブリダイゼーションによって核酸分子(B)/(C)の複合体(D2/D3、D4/D5)を表面に固定化した。固定化の模式図を図1に示す。
固定化用プローブの配列を表1に示す。D2とD4はD1と相補的な部分を18塩基有し、かつ、解析用の配列25塩基を有している。D3とD5は、それぞれD2とD4の解析用配列の相補的配列である。先にD2 50μM、D3 100μM 5XSSC溶液を10μl調製し、D2とD3をハイブリダイゼーションさせ、D2とD3の複合体を形成させた。ハイブリダイゼーション操作は混合溶液を沸騰浴中にて5分、0℃に急冷し15分、その後37℃で三時間インキュベートすることで行った。D4とD5の複合体に関しても同様に調製を行った。得られた複合体の溶液を水で5倍に希釈し、その溶液5μlを使い、自動スポッター(MultiSPRinterスポッター:東洋紡績製)を用いて、複合体をD1がアレイ状に並んだチップにスポッティングし、D1とのハイブリダイゼーションによって核酸分子(B)/(C)の複合体(D2/D3、D4/D5)を表面に固定化した。固定化の模式図を図1に示す。
D2/D3、D4/D5の複合体部分はMARE(Maf Related Element)と呼ばれている配列であり、転写因子Maf群との相互作用がみられることが知られている。D2/D3はMafGの認識配列(MARE25)であり、D4/D5はMafGの非認識配列(MARE23)である。13塩基配列(TGCTGAGTCAGCA)がMAREコンセンサス配列として知られており、パリンドロームとなっている。
(SPR測定)
得られたアレイはPBSで洗浄し、SPRイメージング装置(MultiSPRinter:東洋紡績製)にセットし、10mM Hepes、pH7.9、200mM NaCl、4mM MgCl2、1mM EDTA、0.005%Tween20の転写因子測定用緩衝液をフローセル内に流した。
得られたアレイはPBSで洗浄し、SPRイメージング装置(MultiSPRinter:東洋紡績製)にセットし、10mM Hepes、pH7.9、200mM NaCl、4mM MgCl2、1mM EDTA、0.005%Tween20の転写因子測定用緩衝液をフローセル内に流した。
SPRからのシグナルが安定したのを確認した後に、転写因子MafGのホモ二量体を1μg/mlの濃度で上記転写因子測定用緩衝液に溶解してセル内に10分間100μl/minの速度で注入し、さらに転写因子を含まない緩衝液を流し、結合と解離のSPRシグナルの変化を観察した。
観察はD2/D3(MARE25)とD4/D5(MARE23)の固定化部位と何もDNAが固定化されていない部分(ブランク部)の三点で実施した。SPRシグナルの変化を示すグラフを図2に示す。MARE25配列のみにMafGホモ二量体が結合し、MARE23、バックグラウンド部位にはほとんど結合しないのが観察できた。このように、チオール末端DNAを一種類のみでアレイを作製し、相互作用解析することが可能であった。また、D2、D3、D4、D5は精製していないグレードで問題なくアレイが作製でき、大幅なコストダウンを図ることができた。
[比較例]
(二本鎖DNAアレイの作製)
ヘテロ二官能性ポリエチレングリコール(MAL−dPEG12−NHS ester:Quanta Biodesign製)をリン酸緩衝液(20mM リン酸、150mM NaCl、pH7.2:PBS)に5mg/mlで溶解し、200μlをMultiSPRinter NH2チップ(東洋紡績製)上に祖注ぎ、2時間反応させ、表面がマレイミド基である500μm四方の正方形スポットが96個並んだチップを得た。
(二本鎖DNAアレイの作製)
ヘテロ二官能性ポリエチレングリコール(MAL−dPEG12−NHS ester:Quanta Biodesign製)をリン酸緩衝液(20mM リン酸、150mM NaCl、pH7.2:PBS)に5mg/mlで溶解し、200μlをMultiSPRinter NH2チップ(東洋紡績製)上に祖注ぎ、2時間反応させ、表面がマレイミド基である500μm四方の正方形スポットが96個並んだチップを得た。
比較例に使用したDNAの配列を表2に示す。実施例におけるD2に相当するのが、D6であり、MARE25配列含むとともにチオール末端となっている。また、D4はD7に相当し、MARE23配列を含む。
D6/D3複合体(二本鎖DNA)を25μM D6、100μM D3の混合溶液を沸騰浴中にて5分、0℃に急冷し15分、その後37℃で三時間インキュベートすることで形成させた。D7/D5複合体に関しても同様に行った。ハイブリダイゼーションした二本鎖DNA(dsDNA)を自動スポッター(MultiSPRinter:東洋紡績製)を用いてマレイミド基に修飾したチップ上にスポッティングし、15時間反応させてdsDNAを表面に固定化した。未反応のマレイミド基をブロッキングするために、PEGチオールを10mg/mlの濃度でPBS溶液に溶解して、250μlをチップ上に注出し、一時間反応させた。得られたチップは0.2×SSC、0.2%SDSで洗浄した。得られたDNAアレイの配置図を図3に示す。
このチップは実施例と同様にSPR測定を行ったところ、実施例と同様の結果が得られた。しかし、このチップの作製には二種類のチオール末端DNAが必要であり、非常に高価である。今後、網羅的な解析を行う場合、配列の数に応じたチオール末端DNAが必要となり、非常にコストの高い研究となる。
本発明は安価に基板上に核酸複合体を形成する方法、及び核酸複合体と生体分子の相互作用解析を行う方法を可能とする。アレイに応用可能であり、網羅的解析に用いることができる。特に、変異の入った二本鎖核酸配列と転写因子の相互作用を解析し、転写因子の機能を知るために本発明は大いに有用であることからも、産業界に大きく寄与することが期待される。
Claims (19)
- 二本鎖核酸と生体分子との相互作用を観察するための方法であって、核酸分子(A)が固相上に固定化されており、該核酸分子(A)と核酸分子(B)がハイブリダイズできるように設計し、該核酸分子(B)と核酸分子(C)がハイブリダイズできるように設計し、該核酸分子(A)と該核酸分子(C)がハイブリダイズできないように設計し、該核酸分子(A)、(B)及び(C)をハイブリダイズさせて複合体を形成させ、該複合体に含まれる該核酸分子(B)と該核酸分子(C)とからなる該二本鎖核酸と、該生体分子を接触させることを特徴とする相互作用観察方法
- 核酸分子(A)が平面基板上にアレイ状にスポットされ固定化されていることを特徴とする請求項1に記載の相互作用観察方法
- 核酸分子(A)が平面基板上にアレイ状にスポットされ固定化されていて、該核酸分子(A)の配列が異なるスポットが、少なくとも2種類以上あることを特徴とする請求項1に記載の相互作用観察方法。
- 二本鎖核酸の配列が異なるスポットが、少なくとも2種類以上あることを特徴とする請求項2、3に記載の相互作用観察方法。
- 核酸分子(B)および核酸分子(C)の配列が異なるスポットが、少なくとも2種類以上あることを特徴とする請求項2、3に記載の相互作用観察方法。
- 固相が金属であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の相互作用観察方法
- 固相が透明平面基板上に形成された金薄層であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の相互作用観察方法
- 相互作用を観察する方法が表面プラズモン共鳴法であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の相互作用観察方法
- 相互作用を観察する方法が表面プラズモン共鳴イメージング法であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の相互作用観察方法
- 生体分子がタンパク質であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の相互作用観察方法
- 生体分子が転写因子であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の相互作用観察方法
- 生体分子と二本鎖核酸との相互作用を観察するためのアレイであって、核酸分子(A)が固相上に固定化されており、該核酸分子(A)と核酸分子(B)がハイブリダイズでき、該核酸分子(B)と核酸分子(C)がハイブリダイズでき、該核酸分子(A)と該核酸分子(C)がハイブリダイズできないように設計し、該核酸分子(A)、(B)及び(C)をハイブリダイズさせて複合体を形成させることにより、該複合体中に、該核酸分子(B)と該核酸分子(C)とからなる生体分子との相互作用を測定するための該二本鎖核酸が含まれることを特徴とする相互作用観察用アレイ。
- 核酸分子(A)が平面基板上にスポットされ固定化されていることを特徴とする請求項12に記載の相互作用観察用アレイ
- 核酸分子(A)が平面基板上にスポットされ固定化されていて、該核酸分子(A)の配列が異なるスポットが、少なくとも2種類以上あることを特徴とする請求項12に記載の相互作用観察用アレイ。
- 二本鎖核酸の配列が異なるスポットが、少なくとも2種類以上あることを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記載の相互作用観察用アレイ。
- 核酸分子(B)および核酸分子(C)の配列が異なるスポットが、少なくとも2種類以上あることを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記載の相互作用観察用アレイ。
- 固相が金属であることを特徴とする請求項12〜16のいずれかに記載の相互作用観察用アレイ
- 固相が透明平面基板上に形成された金薄層であることを特徴とする請求項12〜17のいずれかに記載の相互作用観察用アレイ
- 請求項12〜18のいずれかに記載のアレイを含むことを特徴とする二本鎖核酸と生体分子との相互作用を観察するための試薬キット。
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