JP2006169474A - 硬質ポリウレタンフォーム用2液型エアゾール組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】地球温暖化を含む環境破壊問題に対応することができ、フォーム特性に優れた非フロン型の2液型の硬質ポリウレタンフォーム用のエアゾール組成物及び製造方法を提供する。
【解決手段】第1の硬質ポリウレタンフォーム用2液型エアゾール組成物は、有機イソシアネート:40重量%乃至95重量%、及び低沸点化合物:60重量%乃至5重量%を耐圧容器に充填したイソシアネート液と、ポリオール:30重量%乃至90重量%、及び低沸点化合物:70重量%乃至10重量%を耐圧容器に充填したレジン液と、からなる。
【選択図】 図1
【解決手段】第1の硬質ポリウレタンフォーム用2液型エアゾール組成物は、有機イソシアネート:40重量%乃至95重量%、及び低沸点化合物:60重量%乃至5重量%を耐圧容器に充填したイソシアネート液と、ポリオール:30重量%乃至90重量%、及び低沸点化合物:70重量%乃至10重量%を耐圧容器に充填したレジン液と、からなる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、2液型の硬質ポリウレタンフォーム用エアゾール組成物に関するものである。
硬質ポリウレタンフォームは、断熱特性,低温寸法安定性及び施工性が優れており、建築用各種断熱材,冷蔵庫,冷凍倉庫,船舶,車両等に用いる断熱材として広く用いられている。
従来から硬質ポリウレタンフォームが断熱材として広く用いられてきたのは、噴射剤且つ発泡剤としての機能を有する低沸点化合物として、充填性及び断熱特性に優れたトリクロロフルオロメタン(R−11),ジクロロジフルオロメタン(R−12),モノクロロジフルオロメタン(R−22),クロロモノフルオロエタン(R−141b),モノクロロジフルオロエタン(R−142b)等とし、これらの低沸点化合物の中から選択された1種又は2種以上の低沸点化合物を混合させて用いられていた。しかし、地球のオゾン層保護のため、クロロフルオロカーボン類の規制が行われ、前記したR−11,R−12,R−22,R141b,R−142b等も規制の対象となっている。
このため、オゾン層を破壊することの少ない発泡剤として、炭素,水素及びフッ素原子からなるフルオロカーボン化合物(HFC)、及び炭素,水素,フッ素及び塩素原子からなるフルオロカーボン化合物(HCFC)を用いた2液型の硬質ポリウレタンフォーム用のエアゾール組成物が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載された2液型の硬質ポリウレタンフォーム用のエアゾール組成物は、有機イソシアネートと低沸点化合物とを主成分として耐圧容器に充填されたイソシアネート液と、ポリオールと低沸点化合物を主成分として耐圧容器に充填されたレジン液とからなり、低沸点化合物が、(a)液化石油ガス、(b)ジメチルエーテル、(c)HFCおよび(d)HCFCの少なくとも2種以上を主成分とするものである。
特許文献1に記載された発明で用いるHFCは、オゾン層を破壊する虞はないものの高い温暖化係数を有しており、地球温暖化の原因となる虞がある。またHCFCは、オゾン層を破壊する虞があり、且つ高い温暖化係数を有しており、地球温暖化の原因となる虞がある。
このため、2液型の硬質ポリウレタンフォーム用のエアゾール組成物に於いて、環境問題に対応した非フロン型の発泡剤の開発が急務となった。このような発泡剤としては、耐圧容器内の圧力下で安定であることやイソシアネート,ポリオールとの相溶性が良好であること、目標とするイソシアネートやポリオールとの配合比が得られること、硬質ポリウレタンフォームにボイドが発生することがないこと、等多くの条件を満足する必要がある。
本発明の目的は、地球温暖化を含む環境破壊問題に対応することができ、フォーム特性に優れた非フロン型の2液型の硬質ポリウレタンフォーム用のエアゾール組成物を提供すると共に硬質ポリウレタンフォームを製造する方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る第1の硬質ポリウレタンフォーム用2液型エアゾール組成物は、有機イソシアネート:40重量%乃至95重量%、及び低沸点化合物:60重量%乃至5重量%を耐圧容器に充填したイソシアネート液と、
ポリオール:30重量%乃至90重量%、及び低沸点化合物:70重量%乃至10重量%を耐圧容器に充填したレジン液と、
からなるものである。
ポリオール:30重量%乃至90重量%、及び低沸点化合物:70重量%乃至10重量%を耐圧容器に充填したレジン液と、
からなるものである。
また本発明に係る第2の硬質ポリウレタンフォーム用2液型エアゾール組成物は、有機イソシアネート:40重量%乃至95重量%、及び低沸点化合物:60重量%乃至5重量%を耐圧容器に充填したイソシアネート液と、
ポリオールと沸点範囲が10℃乃至100℃の高沸点炭化水素溶剤との混合液:30重量%乃至90重量%、及び低沸点化合物:70重量%乃至10重量%を耐圧容器に充填したレジン液と、からなり、
前記レジン液を構成するポリオールと沸点範囲が10℃乃至100℃の高沸点炭化水素溶剤との混合液が、ポリオール:70重量%乃至98重量%、及び沸点範囲が10℃乃至100℃の高沸点炭化水素溶剤:30重量%乃至2重量%を含有したものである。
ポリオールと沸点範囲が10℃乃至100℃の高沸点炭化水素溶剤との混合液:30重量%乃至90重量%、及び低沸点化合物:70重量%乃至10重量%を耐圧容器に充填したレジン液と、からなり、
前記レジン液を構成するポリオールと沸点範囲が10℃乃至100℃の高沸点炭化水素溶剤との混合液が、ポリオール:70重量%乃至98重量%、及び沸点範囲が10℃乃至100℃の高沸点炭化水素溶剤:30重量%乃至2重量%を含有したものである。
上記第1の硬質ポリウレタンフォーム用2液型エアゾール組成物では、低沸点化合物として、温暖化係数が大きいHFC,HCFC類を使用することなく、このHFC,HCFC類と比較して温暖化係数が極めて小さい液化石油ガス及び、又はジメチルエーテルを使用することで、地球温暖化に対して悪影響を与えることのない硬質ポリウレタンフォーム用の2液型エアゾール組成物とすることができる。
また上記第2の硬質ポリウレタンフォーム用2液型エアゾール組成物では、発泡剤として、オゾン層の破壊や地球温暖化に代表される環境破壊の虞のない沸点範囲が10℃〜100℃の高沸点炭化水素溶剤を用いることで、地球環境を破壊することなく且つフォーム特性の優れた硬質ポリウレタンフォーム用の2液型エアゾール組成物とすることができる。
次に、本発明の硬質ポリウレタンフォーム用2液型エアゾール組成物(以下単に「エアゾール組成物」という)の最も好ましい実施の形態と、本発明に係る硬質ポリウレタンフォームの製造方法の最も好ましい実施の形態について説明する。
本発明の第1のエアゾール組成物は、有機イソシアネートと低沸点化合物を主成分とし、耐圧容器に充填されたイソシアネート液と、ポリオールと低沸点化合物を主成分とし、耐圧容器に充填されたレジン液と、の2液型のものである。
また本発明の第2のエアゾール組成物は、有機イソシアネートと低沸点化合物を主成分とし、耐圧容器に充填されたイソシアネート液と、ポリオールと沸点範囲が10℃乃至100℃の高沸点炭化水素溶剤(以下単に「炭化水素溶剤」という)との混合液と低沸点化合物を主成分とし、耐圧容器に充填されたレジン液と、の2液型のものである。
第1及び第2のエアゾール組成物に用いるイソシアネート液は、有機イソシアネート及び低沸点化合物を主成分とし、必要に応じて触媒,整泡剤,難燃剤,可塑剤,安定剤,着色剤等を添加して構成される。このイソシアネート液に於いて、低沸点化合物はフロン系の成分及び温暖化係数が大きいHFC,HCFC類を除く成分を用い、また触媒,整泡剤,難燃剤,可塑剤,安定剤,着色剤等の成分は従来から公知のものをすべて使用することが可能である。
第1のエアゾール組成物に於けるレジン液はポリオールと低沸点化合物を主成分とし、第2のエアゾール組成物に於けるレジン液はポリオールと炭化水素溶剤の混合液と低沸点化合物を主成分とし、必要に応じて触媒,整泡剤,難燃剤,可塑剤,安定剤,着色剤等を添加して構成される。これらのレジン液に於いて、低沸点化合物はフロン系の成分及び温暖化係数が大きいHFC,HCFC類を除く成分を用い、且つ炭化水素溶剤以外の成分は従来から公知のものをすべて使用することが可能である。
本発明に於いて、低沸点化合物は、イソシアネート液,レジン液を耐圧容器から噴射する噴射剤としての機能を有するものであり、液化石油ガス(LPG),ジメチルエーテル(DME)から選択された単独物として、或いはLPGとDMEを混合した混合物として用いられる。
イソシアネート液,第1のエアゾール組成物に於けるレジン液の噴射剤となる低沸点化合物を構成するLPG,DMEの含有率は、
LPG:0重量%〜80重量%、好ましくは90重量%〜50重量%
DME:0重量%〜70重量%、好ましくは10重量%〜50重量%
である。
LPG:0重量%〜80重量%、好ましくは90重量%〜50重量%
DME:0重量%〜70重量%、好ましくは10重量%〜50重量%
である。
LPGの含有量が80重量%を越えると、有機イソシアネート,ポリオールとの相溶性に問題が生じ、均一なフォームが得られなくなる虞がある。またDMEの含有量が70重量%を越えると、フォームにボイドが発生する虞がある。
また炭化水素溶剤は第2のエアゾール組成物に於けるレジン液を構成し、ポリウレタンを発泡させてフォームを形成する発泡剤としての機能を有するものであり、シクロペンタン,イソペンタン,ノルマルヘキサン,イソヘキサン,シクロヘキサン,ノルマルヘプタンのから選択された単独物として、又は2種以上を混合した混合物として用いられる。
第2のエアゾール組成物に於けるレジン液は、ポリオールを70重量%〜98重量%と炭化水素溶剤を30重量%乃至2重量%を含有した混合液:30重量%〜90重量%及び低沸点化合物を70重量%〜10重量%の混合物である。
第2のエアゾール組成物のレジン液を構成する混合液に於ける炭化水素溶剤の含有量が30重量%を越えると、混合不良が発生し、得られたフォームの物性が悪くなって収縮等の不都合が発生する。
レジン液に於ける低沸点化合物と炭化水素溶剤の配合組成の例は後述する通りである。
本発明に用いられる有機イソシアネートとしては、公知のものがすべて使用し得るが、最も一般的なものはトルエンジイソシアネート(TDI)及びジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)である。TDIは、純品或いは異性体の混合物、即ち、2,4−体100%品、2,4−体/2,6−体を80/20,65/35(夫々重量比)等はもちろん、三井武田ケミカル株式会社のTDI−TRC、ポリメタリックTDIを使用することが可能である。またMDIとしては、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを主成分とする純品の他に、3核体以上の多核体を含有する三井武田ケミカル株式会社製のMDI−CR等の所謂ポリメリックMDIを使用することが可能である。
これらのうちMDI、特に3核体以上の多核体を含有する三井武田ケミカル株式会社製のMDI−CRの所謂ポリメリックMDIが好適に使用できる。また、これら有機イソシアネートと後述するポリオールより得られるイソシアネート基を分子末端にもつプレポリマーも有機イソシアネートとの一部又は全部として使用できる。
有機イソシアネートと後述するレジン液中の活性水素の混合率はNCO/H=0.70〜5.00(当量比)が特に好適である。
本発明に用いられるポリオールとしては公知のものが用いられるが、一般的には次に挙げるポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールである。ポリエーテルポリオールとしては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリストリトール等の多価アルコール、シュークロース、ソルビトール等の糖類、ノボラック、ノニルフェノール、ビスフェノールA、ビフェノールF等のフェノール類、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン等の芳香族アミン類、マンニッヒ付加物の単独又は2種以上からなる開始剤に、アルキレンオキサイドを付加して得られるものなどが挙げられる。
アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等が挙げられ、これらを、単独又は2種以上併用しても良い。本発明に於いて、アルキレンオキサイドを付加する際に、必要に応じて用いられる触媒は、アミン系化合物及び水酸化アルカリが好ましい。
アミン系化合物としては、ジブチルアミン、ジメチルパルミアミン、テトラメチレンジアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、n−プロピルアミン、n−アミルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、イソブチルアミン、イソアミルアミン、メチルジエチルアミン等が挙げられる。
また水酸化アルカリとしては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、アジピン酸、フタル酸、コハク酸等の多官能カルボン酸とグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多官能ヒドロキシル化合物との縮重合により製造される末端に水酸基を有するポリオール等が挙げられる。
触媒としては、例えばトリエチルアミン、トリプロピルアミン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリン、トリエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン等のアミン系ウレタン化触媒が使用できる。これらの触媒は、単独で、又は混合して用いることができ、その使用量は活性水素を持つ化合物100部に対して0.0001部〜10.0部が適当である。
整泡剤としては、従来公知の有機珪素界面活性剤が用いられる。例えば、日本ユニカー株式会社製のL−5420、L−5340、L−5421等、東レダウこーニングシリコーン株式会社製のSH−193、信越化学工業株式会社製のF−372、F−345、F−305等が適当である。これらの整泡剤の使用量は、活性水素を持つ化合物と有意イソシアネートの総和100部に対して0.1部〜10部である。
本発明の第1のエアゾール組成物を実施するには、有機イソシアネートに低沸点化合物を5重量%〜60重量%、好ましくは5重量%〜20重量%混合してイソシアネート液とし、ポリオール、触媒、整泡剤に低沸点化合物を10重量%〜70重量%、好ましくは15重量%〜20重量%混合してレジン液とする。そして、イソシアネート液とレジン液とを別個の耐圧容器に充填して第1のエアゾール組成物とする。
また本発明の第2のエアゾール組成物を実施するには、有機イソシアネートに低沸点化合物を5重量%〜60重量%、好ましくは5重量%〜20重量%混合してイソシアネート液とし、ポリオールを70重量%〜98重量%、触媒、整泡剤に炭化水素溶剤を2重量%〜30重量%混合して混合液とし、この混合液を30重量%〜90重量%、低沸点化合物を10重量%〜70重量%、好ましくは15重量%〜20重量%混合してレジン液とする。そして、イソシアネート液とレジン液とを別個の耐圧容器に充填して第2のエアゾール組成物とする。
得られた硬質ポリウレタンフォーム原液を空隙又は型に注入する。この際、有機イソシアネートとレジン液の活性水素との当量比(NCO/H)が0.7:1から5:1となるように、有機イソシアネートとレジン液との液比を調節する。
図1は、本発明の硬質ポリウレタンフォームを製造する際に使用する装置の例を示す説明図である。
図に於いて、第1のエアゾール容器11(耐圧容器)と第2のエアゾール容器21(耐圧容器)は本体31に着脱可能に装着されている。夫々のエアゾール容器11,21のバルブ12,22には導管13,23が取り付けられている。また導管13,23は混合・噴射ノズル41に接続されている。
第1のエアゾール容器11にはイソシアネート液(A液)が充填されており、第2のエアゾール容器21には第1又は第2のエアゾール組成物に於けるレジン液(B液)が充填されている。これらの第1,第2のエアゾール容器11,21は、本体31に取り付けられ、該本体31に設けたネジ32を締め付けることで、同時にバルブ12,22を押圧して開放し、或いはネジ32を緩めることでバルブ12,22の押圧を解除して閉鎖し得るように構成されている。
尚、本体31には肩掛けベルト33が取り付けられており、作業者がこの肩掛けベルトを肩にかけて各エアゾール容器11,12、混合・噴射ノズル41を持ち運びし得るように構成されている。
混合・噴射ノズル41は握り42とトリガー43、及びノズル44を有しており、内部にはトリガー43によって開閉操作される図示しないバルブが設けられると共に、該バルブに連続して形成された導入室,ミキサーを備えた混合室が形成されている。尚、チューブ45は、硬質ポリウレタンフォームを形成すべき部位が狭いような場合、ノズル44に取り付けて目的の部位に注入するためのものである。
上記装置では、作業員が第1,第2のエアゾール容器11,21を装着した本体31を肩にかけて所定の位置に移動し、本体31に設けたネジ32を締付操作してバルブ12,22を開放させ、第1,第2のエアゾール容器11,21を直立させて、混合・噴射ノズル41を把持してノズル44を目的の部位に向けてトリガー43を操作する。
トリガー43の操作に伴って、第1のエアゾール容器11に充填されているイソシアネート液及び第2のエアゾール容器21に充填されているレジン液が夫々の導管13,23を通って混合・噴射ノズル41に導かれ、内部に形成された導入室,混合室で混合してノズル44から目的の部位に向けて噴出する。噴出したイソシアネート液とレジン液との混合液は目的の部位に注入、或いは付着して硬化し、硬質ポリウレタンフォームが形成される。
次に、本発明の硬質ポリウレタンフォーム用の2液型エアゾール組成物の例について、比較例と共に説明する。本実施例及び比較例で使用した原料は次の通りである。
有機イソシアネートとしては、
コスモネートM−200:三井武田ケミカル株式会社製、ポリメリックMDI(NCO%:31.3%)を用いた。
コスモネートM−200:三井武田ケミカル株式会社製、ポリメリックMDI(NCO%:31.3%)を用いた。
ポリオールA:蔗糖/グリセリン/トリレンジアミン混合液にプロピレンオキサイドを付加した水酸基価400mgKOH/g、粘度50000cps/25℃のポリエーテルポリオールを用いた。
ポリオールB:蔗糖/グリセリン混合液にプロピレンオキサイドを付加した水酸基価400mgKOH/g、粘度1000cps/25℃のポリエーテルポリオールを用いた。
ポリオールC:トリエタノールアミン/ペンタエリスリトール/グリセリン混合液にプロピレンオキサイドを付加した水酸基価400mgKOH/g、粘度400cps/25℃のポリエーテルポリオールを用いた。
整泡剤:日本ユニカー株式会社製、L−5420
触媒:活剤ケミカル株式会社製、Minico L−1020
難燃剤:大八化学株式会社製、TMCPP
低沸点化合物:表1に示す割合で配合したA〜Fの6種のものを用いた。
触媒:活剤ケミカル株式会社製、Minico L−1020
難燃剤:大八化学株式会社製、TMCPP
低沸点化合物:表1に示す割合で配合したA〜Fの6種のものを用いた。
次に、実験例について説明する。異なる組成を持った13のサンプルを作成し、夫々のサンプルに於けるイソシアネート液(A液)を第1のエアゾール容器に充填し、レジン液を第2のエアゾール容器に充填し、各々のエアゾール容器に導管(図1の導管13,23)を取り付け、他端を混合・噴射ノズル(図1の混合・噴射ノズル41)に接続し、両方のエアゾール容器を良く振って内容物を混合した後、同時に噴出させ、夫々の内容物を混合・噴射ノズルを通して噴出させて噴出された混合物の硬化時間、発泡状態、密度(kg/m3 )調査した。
各サンプルの組成、及び硬化時間、発泡状態、密度の調査結果を表2に示す。
表2に於ける発泡状態の評価は、二重丸は気泡が均一で且つ微細であることを表し、白丸はボイドが部分的に発生しているものの気泡が微細で硬質ウレタンフォームとしての機能を発揮し得ることを表し、×は微細な気泡を形成していない場合、発泡していない場合を表している。
硬質ウレタンフォームとしての実用性を有するものは発泡状態が二重丸と白丸の範囲であり、密度は使用目的に応じて好ましい範囲が異なるため、一義的に設定し得るものではないが、一般的な住宅の断熱材とした場合、約20〜40kg/m3 の範囲であると好ましい。
実験例1は、イソシアネート液の組成が、有機イソシアネート:36.1重量%、低沸点化合物(組成は表1に於けるA):63.9重量%で、レジン液の組成が、ポリオール27.8重量%、低沸点化合物(組成A):72.2重量%である。従って、イソシアネート液,レジン液の何れも、第1のエアゾール組成物の範囲から逸脱している。
この実験例1の評価は、発泡状態が×で、密度も小さく、実用的ではない。このように、第1のエアゾール組成物の範囲を逸脱したイソシアネート液及びレジン液を用いた場合、良好な発泡状態と密度を持った硬質ウレタンフォームを実現することは不可能である。
実験例2は、イソシアネート液の組成が、有機イソシアネート:40.0重量%、低沸点化合物(組成A):60.0重量%で、レジン液の組成が、ポリオール29.9重量%、低沸点化合物(組成A):70.1重量%である。従って、レジン液が、第1のエアゾール組成物の範囲の限界付近の組成を有している。
この実験例2の評価は、発泡状態が白丸で、密度が実用的の範囲の中にある。このように、第1のエアゾール組成物の範囲内のレジン液を用いた場合、充分に実用に供し得る硬質ウレタンフォームを実現するが可能である。
実験例5、10は、イソシアネート液の組成及びレジン液の組成が第1のエアゾール組成物の範囲に入っており、且つ低沸点化合物の組成は表1に於けるC、Dである。実験例5、10の評価は、何れも発泡状態が白丸で、密度も28、32であり、充分に実用に供し得るものである。このように、第1のエアゾール組成物の範囲内のイソシアネート液及びレジン液を用いることによって、良好な発泡状態と密度を持った硬質ウレタンフォームを実現することが可能である。
実験例4は、イソシアネート液の組成が、有機イソシアネート:70.3重量%、低沸点化合物(組成C):29.7重量%で、レジン液の組成は、ポリオールと炭化水素溶剤との混合液(ポリオール:69重量%、炭化水素溶剤:31重量%):69重量%、低沸点化合物(組成C):31重量%である。従って、この例では、レジン液に於ける混合液の組成が、第2のエアゾール組成物の範囲から逸脱している。
この実験例4の評価は、発泡状態が×で、発泡体が収縮してしまい、実用的ではない。このように、第2のエアゾール組成物の範囲を逸脱したレジン液を用いた場合、良好な発泡状態を持った硬質ウレタンフォームを実現することは不可能である。
実験例3、6〜9、11は、イソシアネート液の組成及びレジン液の組成が第2のエアゾール組成物の範囲内に入っており、且つ低沸点化合物の組成は表1に於けるC,D,Eである。この実験例3、6〜9、11の評価は、何れも発泡状態が二重丸で、密度も30〜34の範囲に入っており、実用的に好ましい。このように、第2のエアゾール組成物の範囲内のイソシアネート液及びレジン液を用いることによって、良好な発泡状態と密度を持った硬質ウレタンフォームを実現することが可能である。
実験例12は、イソシアネート液の組成が、有機イソシアネート:94.9重量%、低沸点化合物(組成F):5.1重量%で、レジン液の組成が、ポリオール89.3重量%、低沸点化合物(組成F):10.7重量%である。従って、レジン液が第1のエアゾール組成物の範囲の限界付近の組成を有している。
この実験例12の評価は、発泡状態が白丸で、密度が40でやや大きいものの充分に実用的な範囲に入っている。このように、第1のエアゾール組成物の範囲の限界付近の組成を有するレジン液を用いた場合でも、良好な硬質ウレタンフォームを実現することが可能である。
実験例13は、イソシアネート液の組成が、有機イソシアネート:97.0重量%、低沸点化合物(組成F):3.0重量%で、レジン液の組成が、ポリオール92.6重量%、低沸点化合物(組成F):7.4重量%である。従って、イソシアネート液及びレジン液の何れも、第1のエアゾール組成物の範囲から逸脱している。
この実験例13の評価は、発泡状態が×で実用的ではない。このように、第1のエアゾール組成物の範囲を逸脱したイソシアネート液及びレジン液を用いた場合、良好な発泡状態を持った硬質ウレタンフォームを実現することは不可能である。
本発明の硬質ポリウレタンフォーム用2液型エアゾール組成物では、安定した硬化時間,気泡状態,発泡体密度を実現することができる。このため、本発明の硬質ポリウレタンフォームは、建築用各種断熱材,冷蔵庫,冷凍倉庫,船舶,車両等の断熱材として広く用いることができる。
11 第1のエアゾール容器
12 バルブ
13 導管
21 第2のエアゾール容器
22 バルブ
23 導管
31 本体
32 ネジ
33 肩掛けベルト
41 混合・噴射ノズル
42 握り
43 トリガー
44 ノズル
45 チューブ
12 バルブ
13 導管
21 第2のエアゾール容器
22 バルブ
23 導管
31 本体
32 ネジ
33 肩掛けベルト
41 混合・噴射ノズル
42 握り
43 トリガー
44 ノズル
45 チューブ
Claims (2)
- 有機イソシアネート:40重量%乃至95重量%、及び低沸点化合物:60重量%乃至5重量%を耐圧容器に充填したイソシアネート液と、
ポリオール:30重量%乃至90重量%、及び低沸点化合物:70重量%乃至10重量%を耐圧容器に充填したレジン液と、
からなる硬質ポリウレタンフォーム用2液型エアゾール組成物。 - 有機イソシアネート:40重量%乃至95重量%、及び低沸点化合物:60重量%乃至5重量%を耐圧容器に充填したイソシアネート液と、
ポリオールと沸点範囲が10℃乃至100℃の高沸点炭化水素溶剤との混合液:30重量%乃至90重量%、及び低沸点化合物:70重量%乃至10重量%を耐圧容器に充填したレジン液と、からなり、
前記レジン液を構成するポリオールと沸点範囲が10℃乃至100℃の高沸点炭化水素溶剤との混合液が、ポリオール:70重量%乃至98重量%、及び沸点範囲が10℃乃至100℃の高沸点炭化水素溶剤:30重量%乃至2重量%を含有したものである硬質ポリウレタンフォーム用2液型エアゾール組成物。
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