JP2006169470A - エレクトロニクス用洗浄剤 - Google Patents

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俊一郎 山口
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Abstract

【課題】 従来よりも改善された洗浄性、リンス性および防蝕性を有するエレクトロニクス用洗浄剤を提供する。
【解決手段】 下記(A)〜(E)を含有することを特徴とするエレクトロニクス用洗浄剤である。
(A);炭素数8〜20の炭化水素および総炭素数4〜16の脂肪族カルボン酸アルキルエステルからなる群から選ばれる1種以上の疎水性化合物
(B);融点が20℃以下で炭素数8〜26の脂肪族アルコール
(C);特定のグリコールエーテル
(D);両性界面活性剤(D1)および特定のイオン性界面活性剤(D2)からなる群から選ばれる1種以上の界面活性剤
(E);水
【選択図】 なし

Description

本発明は、各種のエレクトロニクス製品の製造工程で使用される洗浄剤に関し、詳しくは電子部品、治具およびスクリーン版等に付着、残存する液晶、レジスト、フラックスおよびインク等を洗浄除去するための洗浄剤に関する。
従来、エレクトロニクス用洗浄剤としては、非イオン性界面活性剤と水からなる水系洗浄剤であって、例えばポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルおよびポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン性界面活性剤と水から構成される洗浄剤(特許文献−1参照)、非水溶性溶剤を用いた非水系洗浄剤であって、例えば、クメン、テトラデセンおよびジヘキシルエーテルなどの非水溶性溶剤と、アルコール、アルキルエーテルおよびアルキルアミンのアルキレンオキサイド付加物等の非イオン性界面活性剤から構成される洗浄剤(特許文献−2参照)、および水溶性溶剤と水からなる準水系洗浄剤であって、例えばアルコールのアルキレンオキサイド付加物等の非イオン性界面活性剤、エチルアルコールおよび水から構成される洗浄剤(特許文献−3参照)などが提案されている。
特開平8−332305号公報 特開平4−292699号公報 特開平4−170500号公報
しかしながら、従来の洗浄剤では洗浄性およびリンス性は十分でなく、残存する各種の不要物を十分に洗浄することができなかった。特に、液晶パネル基板間のギャップが狭いもの(例えば2〜5μm)を洗浄する場合には、洗浄性およびリンス性が不十分であり、洗浄・リンス後の液晶パネルの金属部分がその後に腐食されやすいという問題があった。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、下記の(A)〜(E)を含有することを特徴とするエレクトロニクス用洗浄剤;該洗浄剤を使用して、超音波洗浄、シャワー洗浄、スプレー洗浄、浸漬及び浸漬揺動からなる群から選ばれる1種以上の方法で洗浄された後、リンスおよび乾燥することを特徴とする電子部品、治具またはスクリーン版の洗浄方法;並びに該洗浄方法で洗浄されて得られる電子部品、治具またはスクリーン版;である。
(A);炭素数8〜20の炭化水素および総炭素数4〜16の脂肪族カルボン酸アルキルエステルからなる群から選ばれる1種以上の疎水性化合物
(B);融点が20℃以下で炭素数8〜26の脂肪族アルコール
(C);一般式(1)で示されるグリコールエーテル
(D);両性界面活性剤(D1)および一般式(2)で示されるイオン性界面活性剤(D2)からなる群から選ばれる1種以上の界面活性剤
(E);水
1−O−(XO)n−R2 (1)
式中、R1は炭素数4〜8の炭化水素基、R2は水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基、Xは炭素数2〜4のアルキレン基、nは1〜4の整数を示す。
式中、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜24の炭化水素基、総炭素数3〜24のアルキルアミドアルキル基または─(R7O)p─H であり、R3、R4、R5およびR6のうち少なくとも1つは炭素数6〜24の炭化水素基または総炭素数8〜24のアルキルアミドアルキル基であり、R3、R4、R5およびR6のうち少なくとも2つが互いに結合して環を形成していてもよく、R7は炭素数2〜4のアルキレン基、pは1〜6の整数を示し、Zn-は有機酸アニオン、nは1〜4の整数を示す。
本発明のエレクトロニクス用洗浄剤は、特に液晶パネル用洗浄剤として、従来よりも改善された洗浄性とリンス性を有している。従って、洗浄・リンス後の液晶パネルは腐食を起こすことが少ない。
本発明の洗浄剤における疎水性化合物(A)は、炭素数8〜20の炭化水素(A1)および総炭素数4〜16の脂肪族カルボン酸アルキルエステル(A2)からなる群から選ばれる1種以上である。通常(A)は水100gに対する25℃での溶解量が5g以下であって、本発明における他の構成成分を溶解するためのものである。
(A1)は鎖状または環状炭化水素であって、例えば以下の化合物があげられる。鎖状炭化水素としては、飽和炭化水素(オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、イソオクタン、イソノナン、イソデカン、イソウンデカン、イソドデカン、イソトリデカン、イソテトラデカン、イソペンタデカン、イソヘキサデカンなど);不飽和炭化水素(オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、トリデセン、テトラデセン、ペンタデセン、ヘキサデセンなど)が挙げられる。環状炭化水素としては、脂環式炭化水素(イソプロピルシクロヘキサン、ブチルシクロヘキサン、デシルシクロペンタン、テトラリン、リモネンなど);芳香族炭化水素[アルキル(炭素数2〜14)ベンゼン、ジアルキル(炭素数合計2〜14)ベンゼンなど]が挙げられる。
これらの炭化水素は、2種以上を併用してもよい。これらのうち好ましいのは鎖状炭化水素であり、さらに好ましいのは飽和鎖状炭化水素であり、特に好ましいのは炭素数8〜15の鎖状飽和炭化水素(オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカンなど)である。
(A2)は総炭素数4〜16の脂肪族カルボン酸アルキルエステルであって、エステルを構成するカルボン酸成分およびアルコール成分は、エステル体の総炭素数が4〜16となるような炭素数1〜15の脂肪族カルボン酸および炭素数1〜15の脂肪族アルコールであれば特に限定されないが、例えば以下の化合物があげられる。
(A2)を構成する炭素数1〜15の脂肪族モノカルボン酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、酪酸、α−メチル酪酸、2−ブテン酸、吉草酸、α、β−ジメチル吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ヤシ油脂肪酸、ミリスチン酸および脂肪族オキシモノカルボン酸(グリコール酸、乳酸およびグルコン酸など)などがあげられる。
炭素数2〜14の脂肪族ジカルボン酸としてはシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸およびセバシン酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸およびイタコン酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸、並びにグリセリン酸、酒石酸およびリンゴ酸などの脂肪族オキシジカルボン酸などがあげられる。
炭素数3〜13の3価〜4価またはそれ以上のポリカルボン酸としては、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、オキシトリカルボン酸(クエン酸など)などがあげられる。
これらの脂肪族カルボン酸成分は2種以上が含まれていてもよい。これらの脂肪族カルボン酸のうち、洗浄性およびリンス性の観点から好ましいのは脂肪族モノカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸であり、更に好ましいのは飽和脂肪族ジカルボン酸、とくに好ましいのはアジピン酸およびセバシン酸である。
(A2)を構成する炭素数1〜15の脂肪族アルコールのうち脂肪族1価アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、n−デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、イソプロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、イソペンタノール、活性アミルアルコール、t−ペンタノール、2−エチルヘキサノール、アリルアルコール、クロチルアルコール、メチルビニルカルビノール、メトキシブタノール、エトキシエタノールおよび3−メトキシ−メチルブタノールなどがあげられ、脂肪族2価アルコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−または1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオールおよび4−ペンテン−2,3−ジオールなどがあげられ、脂肪族3価〜4価またはそれ以上の多価アルコール類としてはグリセリン、1,3,6−ヘキサントリオールおよびペンタエリスリトールなどがあげられる。
これらのアルコールは2種以上が含まれていてもよい。これらのうち、洗浄性およびリンス性の観点から好ましいのは脂肪族1価アルコールであり、更に好ましいのは飽和の脂肪族1価アルコールであり、とくに好ましいのはメタノール、エタノールおよび2−エチルヘキサノールである。
(A2)の具体例としては酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸メトキシブチル、酢酸エトキシエチル,酢酸ブトキシエトキシエチル、酢酸3−メトキシ−3−メチルブチル、1,6−ジアセトキシヘキサン、オクチル酸メチル、ラウリン酸メチル、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシルなどがあげられる。
(A2)のうち洗浄性およびリンス性の観点から好ましいのはアジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチルおよびセバシン酸ジ−2−エチルヘキシルであり、さらに好ましいのはアジピン酸ジメチルおよびセバシン酸ジ−2−エチルヘキシルである。
(A)のうち、広い温度範囲での(例えば20℃および50℃での)洗浄性の観点から好ましいのは(A1)である。 本発明における(A)は、(A1)と(A2)の併用であってもよく、併用の場合の(A1)/(A2)の重量比は、好ましくは10〜90/90〜10、さらに好ましくは30〜70/70〜30である。
本発明における(B)は、融点が20℃以下で炭素数8〜26の脂肪族アルコールであれば特に限定されないが、具体的には、直鎖または分岐の脂肪族飽和1価アルコール(オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、2−エチルヘキサノール、2−エチルデカノール、イソステアリルアルコール、トリプロピレングリコールなど)、および脂肪族不飽和アルコール(2−オクテン−1−オール、2−ドデセン−1−オール、2−ウンデセン−1−オール、2−テトラデセン−1−オール、2−ペンタデセン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、6−ヘプテン−1−オール、8−ノネン−1−オール、10−ウンデセン−1−オール、11−ドデセン−1−オール、12−トリデセン−1−オール、15−ヘキサデセン−1−オール、オレイルアルコール、リノレイルアルコールおよびリノレニルアルコールなど)があげられる。
これらのうち、好ましいのは脂肪族飽和1価アルコールであり、さらに好ましいのは2−エチルヘキサノール、2−エチルデカノールおよびイソステアリルアルコールである。
本発明における(C)は、下記一般式(1)で示されるグリコールエーテルである。
1−O−(XO)n−R2 (1)
式中、R1は炭素数4〜8の炭化水素基、R2は水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基、Xは炭素数2〜4のアルキレン基、nは1〜4の整数を示す。
1の具体例としては、以下の炭化水素基があげられる。
炭化水素基としては脂肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基が含まれる。脂肪族炭化水素基としては飽和脂肪族炭化水素基[アルキル基(n−ブチル基、i−、sec−、およびt−ブチル基、2−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基並びにn−オクチル基など)、およびシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロメチルヘキシル基およびシクロオクチル基など)]および不飽和脂肪族炭化水素基[アルケニル基(1−ブテニル基、2−メチル−1−プロペニル基、3−メチル−1−ブテニル基、2−ヘキセニル基、2−エチル−1−ヘキセニル基および3−オクテニル基)およびクロアルケニル基(シクロヘキセニル基およびシクロオクテニル基など)]があげられる。
芳香族炭化水素基としてはアリール基(フェニル基など)、アラルキル基(ベンジル基およびフェネチル基など)およびアルキルアリール基(メチルフェニル基、エチルフェニル基およびジメチルフェニル基など)があげられる。
1のうち、好ましいのは脂肪族炭化水素基であり、さらに好ましいのは飽和脂肪族炭化水素基、特にn−ブチル基、n−ヘキシル基およびn−オクチル基である。
2は、水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基であって、炭化水素基としては、前記R1として例示したもののうち炭素数4のものの他に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基およびシクロブチル基があげられる。R2のうち好ましいのは、水素原子、メチル基、エチル基、n−ブチル基および分岐の脂肪族炭化水素基であり、さらに好ましいのは水素原子、メチル基、エチル基およびn−ブチル基であり、特に好ましいのは水素原子、メチル基およびn−ブチル基であり、最も好ましいのは水素原子である。
Xは炭素数2〜4のアルキレン基であって、エチレン基、1,2−および1,3−プロピレン基およびn−、i−、sec−およびt−ブチレン基などがあげられる。これらのうち好ましいのはエチレン基および1,2−プロピレン基であり、さらに好ましいのはエチレン基である。
nは1〜4の整数であり、好ましくは1〜3、特に1または2である。
(C)の具体例としては以下のカルビトール類、セロソルブ類およびその他のグリコールエーテルがあげられる。
カルビトール類としては、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−i−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル、ジエチレングリコール−2,2−ジメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコール−モノ−2−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−3−メチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−オクチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールオクチルイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−ブテニルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、フェニルカルビトールおよびフェニルカルビトールエチルエーテルなどがあげられる。
セロソルブ類としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノオクチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルおよびエチレングリコールジブチルエーテルなどがあげられる。
その他のグリコールエーテルとしては、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテル、トリプロピレングリコール−n−オクチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−2−メチルブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−2,2−ジメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−2,2−ジメチルブチルエーテル、トリエチレングリコールモノオクチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテルおよびテトラエチレングリコールモノブチルエーテルなどがあげられる。
これらのグリコールエーテル類は2種以上を併用してもよい。
これらのうち洗浄性、特に高温(例えば50℃)での洗浄性の観点から好ましいのはカルビトール類およびセロソルブ類であり、さらに好ましいのはカルビトール類であり、特に好ましいのは、飽和のカルビトール類であり、最も好ましいのは、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノオクチルエーテルおよびこれら2種以上の混合物である。
本発明における界面活性剤(D)は、両性界面活性剤(D1)および後述の一般式(2)で示されるイオン性界面活性剤(D2)のいずれか一方または両方を含む。
両性界面活性剤(D1)としては、カルボン酸塩型両性界面活性剤、およびリン酸エステル型両性界面活性剤があげられる。さらにカルボン酸塩型両性界面活性剤としては、ベタイン型両性界面活性剤とアミノ酸型両性界面活性剤があげられる。ベタイン型両性界面活性剤としては一般式(3)で表される界面活性剤があげられる。
式中、R8は炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基および芳香環含有炭化水素基、R9およびR10はメチル基、エチル基およびヒドロキシエチル基を表す。
8は炭素数が1〜36の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基および芳香環含有炭化水素基を表す。
脂肪族炭化水素基のうち、炭素数1〜36のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−およびi−プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘキコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基、ヘキトリアコンチル基、ドトリアコンチル基、トリトリアコンチル基、テトラトリアコンチル基およびペンタトリアコンチル基ならびにヘキサトリアコンチル基などが挙げられ、直鎖状、分岐状のいずれでもよい。
炭素数2〜36のアルケニル基としては、n−およびi−プロペニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基およびノナデセニル基ならびに2−エチルデセニル基、エイコセニル基、ヘキコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基、ペンタコセニル基、ヘキサコセニル基、ヘプタコセニル基およびオクタコセニル基ならびにノナコセニル基などが挙げられ、直鎖状、分岐状のいずれでもよい。
炭素数3〜36の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロドデシル基、シクロヘキサデシル基、シクロエイコシル基、シクロヘキサコシル基、シクロノナコシル基、シクロテトラトリアコンチル基およびシクロペンタトリアコンチル基ならびにシクロヘキサトリアコンチル基が挙げられる。
炭素数7〜36の芳香環含有炭化水素基としてはオクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基などが挙げられ、直鎖状、分岐状のいずれでもよい。
8のうち好ましいのは脂肪族炭化水素基である。
ベタイン型両性界面活性剤の具体例としては、メチルジメチルベタイン、エチルジメチルベタイン、n−およびi−プロピルジメチルベタイン、ブチルジメチルベタイン、ペンチルジメチルベタイン、ヘキシルジメチルベタイン、ヘプチルジメチルベタイン、オクチルジメチルベタイン、ノニルジメチルベタイン、デシルジメチルベタイン、オクチルジヒドロキシエチルベタイン、ノニルジヒドロキシエチルベタイン、ラウリルジメチルベタイン、デシルジヒドロキシエチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン、ステアリルジメチルベタインおよびステアリルジヒドロキシエチルベタインなどがあげられる。
これらのうち好ましいのは、オクチルジメチルベタイン、ノニルジメチルベタイン、デシルジメチルベタイン、オクチルジヒドロキシエチルベタイン、ノニルジヒドロキシエチルベタイン、ラウリルジメチルベタイン、デシルジヒドロキシエチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン、ステアリルジメチルベタインおよびステアリルジヒドロキシエチルベタインであり、特に好ましいのはラウリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン、ステアリルジメチルベタインおよびステアリルジヒドロキシエチルベタインである。
アミノ酸型両性界面活性剤としては、前述の炭素数1〜36の炭化水素基を持つアミノ酸型両性界面活性剤があげられる。具体的にはメチルアミノプロピオン酸ナトリウム、メチルアミノプロピオン酸カリウム、エチルアミノプロピオン酸ナトリウム、エチルアミノプロピオン酸カリウム、n−およびi−のプロピルアミノプロピオン酸ナトリウム、n−およびi−のプロピルアミノプロピオン酸カリウム、ブチルアミノプロピオン酸ナトリウム、ブチルアミノプロピオン酸ナカリウム、ペンチルアミノプロピオン酸ナトリウム、ペンチルアミノプロピオン酸カリウム、ヘキシルアミノプロピオン酸ナトリウム、ヘキシルアミノプロピオン酸カリウム、ヘプチルアミノプロピオン酸ナトリウム、ヘプチルアミノプロピオン酸カリウム、オクチルアミノプロピオン酸ナトリウム、オクチルアミノプロピオン酸カリウム、ノニルアミノプロピオン酸ナトリウム、ノニルアミノプロピオン酸カリウム、デシルアミノプロピオン酸ナトリウム、デシルアミノプロピオン酸カリウム、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸カリウム、ステアリルアミノプロピオン酸ナトリウムおよびステアリルアミノプロピオン酸カリウムなどが挙げられる。
リン酸エステル塩型界面活性剤としては、レシチンなどがあげられる。
(D1)のうち、リンス性の観点から好ましいのはベタイン型両性界面活性剤である。
イオン性界面活性剤(D2)は下記一般式(2)で示される界面活性剤である。
式中、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜24の炭化水素基、総炭素数3〜24のアルキルアミドアルキル基または─(R7O)p─H であり、R3、R4、R5およびR6うち少なくとも1つは炭素数6〜24の炭化水素基または総炭素数8〜24のアルキルアミドアルキル基であり、R3、R4、R5およびR6のうち少なくとも2つが互いに結合して環を形成していてもよく、R7は炭素数2〜4のアルキレン基、pは1〜6の整数を示し、Zn-は有機酸アニオン、nは1〜4の整数を示す。
7は、具体的にはエチレン基、n−およびi−プロピレン基およびn−、i−、sec−およびt−ブチレン基などがあげられる。これらのうち好ましいのはエチレン基およびプロピレン基であり、さらに好ましいのはエチレン基である。
3、R4、R5およびR6のうち、炭素数1〜24の炭化水素基としては、前述のR8として挙げた炭化水素基のうちの炭素数1〜24の基が挙げられ、好ましいのは炭素数6〜24の脂肪族炭化水素基、特にオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基およびオクタデシル基である。
3、R4、R5およびR6のうち、総炭素数3〜24のアルキルアミドアルキル基としては、アセトアミドメチル基、プロピオンアミドメチル基、ペンタンアミドメチル基、ヘキサンアミドメチル基、ヘプタンアミドメチル基、オクタンアミドメチル基、ドデシルアミドメチル基およびオクタデシルアミドメチル基など、並びにこれらのメチル基をエチル基、プロピル基もしくはブチル基に置き換えたものなどが挙げられる。
これらのうち好ましいのは、洗浄性およびリンス性の観点からヘプタンアミドメチル基、オクタンアミドメチル基、ノナンアミドメチル基、デカンアミドメチル基、ウンデシレンアミドメチル基、ドデカンアミドメチル基、トリデカンアミドメチル基、テトラデカンアミドメチル基、ペンタデカンアミドメチル基、ヘキサデカンアミドメチル基、ヘプタデカンアミドメチル基およびオクタデカンアミドメチル基である。
3、R4、R5およびR6のうち、─(R7O)p─Hとしては、例えば、R7がエチレン基でpが1〜6、好ましくは1〜2である基(ヒドロキシエチル基およびヒドロキシエチルオキシエチル基など)が挙げられる。
(D2)は、R3、R4、R5およびR6のうちの少なくとも1つは炭素数6〜24の炭化水素基または総炭素数8〜24のアルキルアミドアルキル基であることが必要であり、これらの基を1つも有しない場合は洗浄性およびリンス性の点で不十分である。
(D2)は、R3、R4、R5およびR6のうち少なくとも2つが互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(2)におけるアンモニウムカチオン部分として具体的には以下のものがあげられる。
(1)R3、R4、R5およびR6のうちの1個のみが6〜24の炭化水素基であるカチオン;
トリメチルアルキルアンモニウム[トリメチルヘキシルアンモニウム、トリメチルオクチルアンモニウム、トリメチルデシルアンモニウム、トリメチルココナットアルキル(炭素数8〜25、以下同様)アンモニウム、トリメチルテトラデシルアンモニウムおよびトリメチルオクタデシルアンモニウムなど]、
(2)R3、R4、R5およびR6のうちの2個のみが6〜24の炭化水素基であるカチオン;
ジメチルジアルキルアンモニウム[ジメチルジヘキシルアンモニウム、ジメチルジオクチルアンモニウムおよびジメチルジドデシルアンモニウムなど]、およびジメチルアルキルベンジルアンモニウム[ジメチルデシルベンジルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウム、ジメチルココナットアルキルベンジルアンモニウムなど]、
アンモニウムカチオンのうち、洗浄性とリンス性の観点から好ましいのはトリメチルアルキルアンモニウムカチオンおよびジメチルアルキルアンモニウムカチオンがあげられ、さらに好ましいのはトリメチルオクチルアンモニウムおよびジメチルジオクチルアンモニウムである。
一般式(2)における有機酸アニオン(Zn-)を構成するアニオン基は、カルボキシレート基、スルホネート基、スルフィネート基およびフェノキシレート基からなる群から選ばれる1種以上であり、これらのアニオン基を構成する有機酸として具体的には以下のものがあげられる。
カルボキシレート基を構成する有機酸としては、飽和もしくは不飽和の脂肪族、脂環式および芳香族カルボン酸、並びに天然油脂脂肪酸が挙げられる。
飽和もしくは不飽和の脂肪族カルボン酸(炭素数2〜32)としては、脂肪族モノカルボン酸[ヘプタン酸、オクタン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エルカ酸、オキシカルボン酸(グリコール酸、乳酸、グルコン酸など)など]、並びに脂肪族ポリカルボン酸[ジカルボン酸{コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、イタコン酸、デセニルコハク酸、オクチルコハク酸、ドデセニルコハク酸、オクタデシルコハク酸、オキシカルボン酸(グリセリン酸、酒石酸、リンゴ酸など)など}、3価〜4価またはそれ以上のポリカルボン酸{1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、オキシカルボン酸(クエン酸など)など}]が挙げられる。
飽和もしくは不飽和の脂環式カルボン酸(炭素数6〜50)としては、脂環式モノカルボン酸(シクロヘキサンカルボン酸など)、並びに脂環式ポリカルボン酸[脂環式ジカルボン酸(1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸など)、3価〜4価またはそれ以上の脂環式ポリカルボン酸(1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸など)]が挙げられる。
芳香族カルボン酸(炭素数7〜16)としては、芳香族モノカルボン酸(安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、サリチル酸、2−ナフタレンカルボン酸など)、並びに芳香族ポリカルボン酸[ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸など)、3価〜4価またはそれ以上のポリカルボン酸(1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、ピロメリット酸など)]が挙げられる。
天然油脂脂肪酸としては、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸およびコーン油脂肪酸などがあげられる。
これらのカルボン酸は、1種または2種以上の併用の何れでもよい。
上記のカルボン酸のうち、洗浄性とリンス性の観点から好ましいのは脂肪族飽和ジカルボン酸であり、特に好ましいのはアジピン酸およびセバシン酸である。
スルホネート基を構成する有機酸としては、脂肪族直鎖または分岐のスルホン酸[炭素数1〜4(メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸など)、炭素数5〜20(ヘキサンスルホン酸、オクタンスルホン酸など)];芳香族スルホン酸[炭素数6〜10(ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、トルエンジスルホン酸など)、炭素数11〜26(ヘキシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンジスルホン酸など)]などがあげられる。
スルフィネート基を構成する有機酸としては、直鎖または分岐脂肪族スルフィン酸[炭素数1〜4(メタンスルフィン酸、エタンスルフィン酸、プロパンスルフィン酸など)、炭素数5〜20(ヘキサンスルフィン酸、オクタンスルフィン酸、ドデシルスルフィン酸など)];芳香族スルフィン酸[炭素数6〜10(ベンゼンスルフィン酸、p−トルエンスルフィン酸、キシレンスルフィン酸など)、炭素数11〜26(ヘキシルベンゼンスルフィン酸、ドデシルベンゼンスルフィン酸など)]などがあげられる。
フェノキシレート基を構成する有機酸としては、1価フェノール〔単環フェノール(炭素数6〜20、例えばフェノール、クレゾール、ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール)、多環フェノール(炭素数10〜20、例えばフェニルフェノール、ナフトール)など〕;2価フェノール〔単環フェノール(炭素数6〜16、例えばハイドロキノン、レゾルシン)、多環フェノール(炭素数13〜20、例えばビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS)など〕;3価〜4価またはそれ以上のフェノール〔単環フェノール(炭素数6〜16、例えば1,3,5−トリヒドロキシベンゼン)、多環フェノール(炭素数13〜20、例えば2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン)など〕があげられる。
n-は、上記の有機酸のアニオンの1種または2種以上の併用の何れでもよく、上記有機酸のアニオンのうち、洗浄性とリンス性の観点から好ましいのはカルボキシレート基およびスルホネート基、特にスルホネート基である。
(D2)の製造は、例えば、先ず、3級アミンと炭酸ジエステルとの反応で4級アンモニウム炭酸塩を製造し、該4級アンモニウム炭酸塩とカルボン酸等の有機酸とのアニオン交換反応により行うことができる。、その際発生する炭酸ガスは系外に除去せしめられる。具体的には、特開2000−313899号公報に示す方法等により製造することができる。
本発明における界面活性剤(D)としては、洗浄性(特に高温、例えば50℃での洗浄性)とリンス性の観点から(D1)、または(D1)と(D2)の併用が好ましい。
併用の場合の(D1)/(D2)の重量比は、好ましくは95/5〜10/90、さらに好ましくは90/10〜20/80であり、最も好ましいのは80/20〜30/70である。
本発明の洗浄剤は上記の(A)〜(D)と水(E)を含有し、(A)〜(E)の含有量は、洗浄性およびリンス性の観点から、洗浄剤の全重量に基づいて(A)は好ましくは40〜85重量%(以下において特に限定しない限りは、%は重量%を表す)、さらに好ましくは45〜80%、特に好ましくは50〜75%、(B)は好ましくは5〜20%、さらに好ましくは6〜18%、特に好ましくは7〜15%、(C)は好ましくは1〜30%、さらに好ましくは5〜25%、特に好ましくは7〜20%、(D)は好ましくは0.5〜20%、さらに好ましくは1〜15%、特に好ましくは1〜10%、(E)は好ましくは5〜40%、さらに好ましくは6〜35%、特に好ましくは8〜30%である。
本発明の洗浄剤は上記の(A)〜(E)の他に、さらに、上記(D)以外の界面活性剤(F)、防錆剤(G)、酸化防止剤(H)、金属イオン封鎖剤(I)および/またはビルダー(J)などを含有してもよい。
(D)以外の界面活性剤(F)としては、非イオン性界面活性剤(F1)、および(D2)以外のイオン性界面活性剤(F2)が挙げられる。
非イオン性界面活性剤(F1)としては、例えば、アルキレンオキシド(炭素数2〜4)付加型非イオン界面活性剤〔高級アルコール(炭素数8〜18)、アルキルフェノール(炭素数10〜24)、高級脂肪酸(炭素数12〜24)または高級アルキルアミン(炭素数8〜24)等に直接アルキレンオキシドを付加させたもの[数平均分子量(以下Mnと略記)158〜200,000];グリコールにアルキレンオキシドを付加させて得られるポリオキシアルキレングリコール(Mn150〜6,000)に高級脂肪酸などを反応させたもの;多価(2価〜8価またはそれ以上)アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタンなど)に高級脂肪酸を反応させて得られたエステルにアルキレンオキシドを付加させたもの(Mn250〜30,000)、多価(2価〜8価またはそれ以上)アルコールアルキル(炭素数3〜60)エーテルにアルキレンオキシドを付加させたもの(Mn120〜Mn30,000)など〕、および多価(2価〜8価またはそれ以上)アルコールアルキル(炭素数3〜60)エーテルなどが挙げられる。界面活性剤のHLB(グリフィン)は通常1.5〜18、好ましくは3〜16である。これらのうち、洗浄性の観点から好ましいのはアルキレンオキシド付加型非イオン界面活性剤、更に好ましいのは高級アルコール、アルキルフェノールなどのEO付加型非イオン界面活性剤、とくに高級アルコールのEO(3〜20モル)付加型非イオン界面活性剤である。
(D2)以外のイオン性界面活性剤(F2)としては、対イオンが一般式(2)のアンモニウムカチオンではない(例えば、アルカリ金属など)アニオン性界面活性剤(F21)、および対イオンが一般式(2)のZn-ではない(例えば、ハロゲンアニオンなど)カチオン性界面活性剤(F22)が挙げられる。
(F21)としては、カルボン酸(炭素数8〜22の飽和または不飽和脂肪酸)またはその塩、カルボキシメチル化物の塩[炭素数8〜16の脂肪族アルコールおよび/またはそのEO(1〜10モル)付加物などのカルボキシメチル化物の塩など]、硫酸エステル塩[高級アルコール硫酸エステル塩(炭素数8〜18の脂肪族アルコールの硫酸エステル塩など)など]、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩[炭素数8〜18の脂肪族アルコールのEO(1〜10モル)付加物の硫酸エステル塩]、硫酸化油(天然の不飽和油脂または不飽和のロウをそのまま硫酸化して中和した塩)、硫酸化脂肪酸エステル(不飽和脂肪酸の低級アルコールエステルを硫酸化して中和した塩)、硫酸化オレフィン(炭素数12〜18のオレフィンを硫酸化して中和した塩)、スルホン酸塩[アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸ジエステル型、α−オレフィン(炭素数12〜18)スルホン酸塩、イゲポンT型など]およびリン酸エステル塩[高級アルコール(炭素数8〜60)リン酸エステル塩、高級アルコール(炭素数8〜60)EO付加物リン酸エステル塩、アルキル(炭素数4〜60)フェノールEO付加物リン酸エステル塩など]が挙げられる。
上記の塩としては、アルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウムなど)塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン(炭素数2〜12、例えばモノー、ジ−およびトリエタノールアミン)塩などが挙げられる。
(F21)のうち好ましいのはジカルボン酸塩であり、特に一般式(4)で表される界面活性剤が好ましい。
式中、R11は炭素数6〜24の炭化水素基、Mのうち少なくとも1つは、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムカチオン、モノ、ジもしくはトリエタノールアミンカチオンおよび塩基性アミノ酸基からなる群から選ばれる1種以上であり、残りのMは水素原子を示す。
一般式(4)で示される界面活性剤としては、例えば、デセニルコハク酸ジナトリウム塩、ドデセニルコハク酸モノ(モノエタノールアミン)塩およびオクタデシルコハク酸ジナトリウム塩などが挙げられる。
(F22)としては、第4級アンモニウムのハロゲン塩型[テトラアルキル(炭素数4〜100)アンモニウムクロライド、例えばオクチルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド;トリアルキル(炭素数3〜80)ベンジルアンモニウムクロライド、例えばラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(塩化ベンザルコニウム);アルキル(炭素数2〜60)ピリジニウム塩、例えばセチルピリジニウムクロライド;ポリオキシアルキレン(炭素数2〜4)トリアルキルアンモニウムクロライド、例えばポリオキシエチレントリメチルアンモニウムクロライド;サパミン型第4級アンモニウム塩]、アミン塩型[脂肪族高級アミン(炭素数12〜60、例えばラウリルアミン、ステアリルアミン、セチルアミン、硬化牛脂アミン、ロジンアミンなど)の無機酸(塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸など)塩;脂肪族アミン(炭素数1〜30)のEO付加物などの無機酸(前記のもの)塩;3級アミン類(トリエタノールアミンモノステアレート、ステアラミドエチルジエチルメチルエタノールアミンなど)の無機酸(前記のもの)塩]などが挙げられる。
(F)のうち、好ましいのは(F2)、特に(F2)のうちの(F21)、とりわけ一般式(4)で表される界面活性剤である。
(F)の含有量は、洗浄剤の全重量に基づいて、好ましくは0.1〜10%、さらに好ましくは1〜8%であり、(F1)は洗浄剤の全重量に基づいて好ましくは1〜8%、(F2)は洗浄剤の全重量に基づいて好ましくは1〜8%である。
また、(D)の重量に基づく(F)の重量は、好ましくは0〜750%、さらに好ましくは30〜500%である。
防錆剤(G)としては、シクロヘキシルアミンのEO(2〜10モル)付加物、クロム酸塩、亜硝酸塩、アミン(炭素数6〜30)の高級脂肪酸(炭素数8〜30)塩、アミン(炭素数6〜30)のEO付加物、高級アルコールEO付加物リン酸エステルの4級アンモニウム塩などが挙げられる。
酸化防止剤(H)としては、フェノール化合物(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなど)、含硫化合物(ジラウリルチオジプロピオネートなど)、アミン化合物(オクチル化ジフェニルアミンなど)、リン化合物(トリフェニルホスファイトなど)が挙げられる。
金属イオン封鎖剤(I)としては、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムなどが挙げられる。
ビルダー(J)としては、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウムなどが挙げられる。
(G)は洗浄剤の重量に基づいて通常20%以下、好ましくは0.1〜10%;(H)は通常5%以下、好ましくは0.01〜1%;(I)は通常20%以下、好ましくは0.5〜10%;(J)は通常20%以下、好ましくは0.5〜10%である。
本発明の洗浄剤の25℃における粘度は、通常2〜30mm2/s、好ましくは3〜15mm2/s、更に好ましくは4〜10mm2/sである。粘度はオストワルド、ウベローデなどの粘度計にて測定できる。
本発明の洗浄剤は、(A)〜(E)、および必要によりさらに(F)〜(J)の各成分を配合することによって得られ、その配合方法、順序等は特に制限されず、通常の配合槽などで配合できる。配合時の温度は通常10〜50℃であり、各成分を添加し、均一透明、乳化状態または分散状態とすることで得られる。
本発明の洗浄剤を用いての洗浄方法に特に制限はないが、例えば液晶パネルの液晶残渣を洗浄する方法としては、超音波洗浄、シャワー洗浄、揺動による洗浄方法が適用でき、複数の方法を組み合わせることもできる。洗浄温度は、通常10〜70℃、好ましくは15〜60℃程度である。洗浄時間は通常3〜60分、好ましくは5〜30分である。その後、洗浄剤のリンス、乾燥等を行う。リンスは通常水により行い、リンス温度は、通常10〜90℃、好ましくは15〜70℃である。乾燥は、風乾または加熱乾燥等が適用でき、加熱乾燥される場合の条件は60〜150℃で5〜120分間程度である。
本発明の洗浄剤が適用できる対象は特に限定はないが、各種のエレクトロニクス製品およびエレクトロニクス製品の部品に対して良好な洗浄性とリンス性を与える。
特に液晶パネル、プリント基板、サーマルヘッドおよび磁気ヘッド等、さらには、治具またはスクリーン版の洗浄用として好適に用いられる。
また除去の対象となる無機物および有機物等についても特に限定はないが、電子部品、治具またはスクリーン版に残存した液晶(TFT液晶、STN液晶、TN液晶等)、レジスト、フラックスおよび/またはインクの除去洗浄用として好適に用いられる。
また、本発明の洗浄剤は、低温および高温(例えば20〜60℃)での洗浄性に優れているので、幅広い温度での洗浄が可能である。
本発明の洗浄剤によって洗浄・リンスされた各種のエレクトロニクス製品およびエレクトロニクス製品の部品は、液晶残渣や洗浄後の洗浄剤残渣物が少ないので、その後、高湿度条件下に置かれても腐食の発生が少ない。
従って、極めて信頼性が高いエレクトロニクス製品および部品を低コストで効率よく製造できる。
[実施例]
以下実施例により本発明を詳細にするが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下において部および%は重量部および重量%を示す。
下記の各配合成分を表1および表2記載の部数配合して、実施例1〜10および比較例1〜6の洗浄剤を作製した。
<配合成分>
(A)成分
(A1−1) :デカン
(A1−2) :ドデカン
(A1−3) :テトラデカン
(A2−1) :アジピン酸ジメチル
(A2−2) :セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル
(B)成分
(B−1) :2−エチルヘキサノール
(B−2) :2−エチルデカノール
(B−3) :イソステアリルアルコール
(C)成分
(C−1) :ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル
(C−2) :ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル
(C−3) :トリプロピレングリコール−n−オクチルメチルエーテル
(D)成分
(D1−1) :ラウリルジメチルベタイン
(D1−2) :ラウリルジヒドロキシエチルベタイン
(D1−3) :ステアリルジメチルベタイン
(D2−1) :ドデシルベンゼンスルホン酸トリメチルオクチルアンモニウム塩
(D2−2) :ラウリン酸ジメチルオクチルモノエタノールアンモニウム塩
(D2−3) :オクタデシルコハク酸ジメチルジオクチルアンモニウム塩
(E)成分 :水
(F)成分
(F1−1) :ラウリルアルコールエチレンオキサイド7モル付加物
(F21−1) :デセニルコハク酸ジナトリウム塩
(F21−2) :ドデセニルコハク酸モノ(モノエタノールアミン)塩
(F21−3) :ドデシル硫酸ナトリウム塩
(F22−1) :オクチルトリメチルアンモニウムクロライド塩
性能評価
下記の方法で実施例1〜10および比較例1〜6の洗浄剤を評価した。結果を表1および表2に示す。
<評価の方法>
(1)洗浄試験
液晶パネル(ギャップ4μm)5枚を1組としてギャップに液晶(TFT液晶)を封入し、室温で30分静置する。調製した各々の洗浄剤にて20℃および50℃で、10分間超音波洗浄(39Hz)を行い、それぞれを60℃の純水で5分間リンスし、さらに同条件にてリンスを2回繰り返した。次いで、120℃の循風乾燥機中で30分間乾燥する。洗浄後と、リンス後の液晶パネルを偏光顕微鏡で観察し、洗浄性、リンス性を次の4段階で評価した。
<洗浄性>
評価基準
4:ギャップ部が完全に洗浄された
3:ギャップ部に僅かに液晶残りがある
2:ギャップ部に液晶残りが多い
1:ギャップ部が殆ど洗浄されていない
<リンス性>
評価基準
4:リンス性が極めて良好
3:リンス性が良好
2:リンス出来ない洗浄液がややある
1:リンス出来ない洗浄液が多量にある
(2)腐蝕試験
洗浄、リンス後乾燥させた液晶パネルを60℃で95%RHの環境下に30日間保存した後、液晶パネルの配線部分を顕微鏡で観察し、次の4段階で評価した。
<防蝕性>
評価基準
4:腐蝕なし
3:腐蝕わずかに有り
2:腐蝕やや多い
1:腐蝕多い
本発明の洗浄剤は、各種の対象物に対して良好な洗浄性とリンス性を与えるので、特に電子部品(液晶パネル、プリント基板、サーマルヘッド等)、治具またはスクリーン版の洗浄剤として利用できる。

Claims (6)

  1. 下記(A)〜(E)を含有することを特徴とするエレクトロニクス用洗浄剤。
    (A);炭素数8〜20の炭化水素および総炭素数4〜16の脂肪族カルボン酸アルキルエステルからなる群から選ばれる1種以上の疎水性化合物
    (B);融点が20℃以下で炭素数8〜26の脂肪族アルコール
    (C);一般式(1)で示されるグリコールエーテル
    (D);両性界面活性剤(D1)および一般式(2)で示されるイオン性界面活性剤(D2)からなる群から選ばれる1種以上の界面活性剤
    (E);水
    1−O−(XO)n−R2 (1)
    [式中、R1は炭素数4〜8の炭化水素基、R2は水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基、Xは炭素数2〜4のアルキレン基、nは1〜4の整数を示す。]
    [式中、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜24の炭化水素基、総炭素数3〜24のアルキルアミドアルキル基または─(R7O)p─H であり、R3、R4、R5およびR6うち少なくとも1つは炭素数6〜24の炭化水素基または総炭素数8〜24のアルキルアミドアルキル基であり、R3、R4、R5およびR6のうち少なくとも2つが互いに結合して環を形成していてもよく、R7は炭素数2〜4のアルキレン基、pは1〜6の整数を示し、Zn-は有機酸アニオン、nは1〜4の整数を示す。]
  2. 一般式(2)におけるZn-が、カルボキシレート基、スルホネート基、スルフィネート基およびフェノキシレート基からなる群から選ばれる1種以上である請求項1記載の洗浄剤。
  3. 洗浄剤の全重量に基づいて、(A)を40〜85重量%、(B)を5〜20重量%、(C)を1〜30重量%、(D)を0.5〜20重量%および(E)を5〜40重量%含有する請求項1または2記載の洗浄剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載の洗浄剤を使用して、超音波洗浄、シャワー洗浄、スプレー洗浄、浸漬および浸漬揺動からなる群から選ばれる1種以上の方法で洗浄された後、リンスおよび乾燥することを特徴とする電子部品、治具またはスクリーン版の洗浄方法。
  5. 電子部品が液晶パネルである請求項4記載の洗浄方法。
  6. 請求項4記載の洗浄方法で洗浄されて得られる電子部品、治具またはスクリーン版。
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