JP2006169459A - 硬化型組成物 - Google Patents

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Toru Hirose
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Abstract

【課題】 硬化速度が速く作業性が良く、シーリング材、接着剤および塗料などに有用な硬化型組成物を提供する。
【解決手段】 (a)ポリサルファイドポリマー、ポリサルファイドポリエーテルポリマーおよびポリエーテルポリマーなどから選ばれるポリマーであって1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーと、(b)有機過酸化物と、(c)(a)と(b)との合計100重量部に対して0.0005〜10重量部の脂肪酸の金属塩からなる石鹸とを含有する硬化型組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、硬化速度が速く作業性が良いため、シーリング材、接着剤及び塗料として好適に用いられる硬化型組成物に関する。
従来、1分子中に2個以上のチオール基含有ポリマーと酸化剤によって得られる硬化型組成物は、混合することによって室温で硬化する。中でもチオール基含有ポリマーにポリサルファイドポリマーを使用した場合、得られる硬化物は良好な接着性、耐油性及び耐候性を有するためシーリング材として広く用いられている。
ポリサルファイドポリマーにジアルキルジチオカルバミン酸金属塩を添加し、酸化剤に金属酸化物や有機過酸化物を用いた硬化型組成物が知られていた(特許文献1参照)。得られた硬化物は光照射に対して優れた安定性を有していた。しかしながら、特に有機過酸化物を用いた場合、硬化速度が遅く作業性が悪いという課題があった。
特開昭54―32566公報
本発明は、硬化速度が速く作業性が良いため、シーリング材、接着剤及び塗料として好適に用いられる硬化型組成物を提供することである。
本発明によれば、1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーと有機過酸化物に石鹸を硬化促進剤として加えることで、優れた硬化特性を有し常温で硬化し、ゴム状弾性体となる。硬化速度を容易にコントロールする事ができ、特に低温時においても良好な硬化特性を維持することができる。
本発明の硬化型組成物は、シーリング材、接着剤、コーティング剤等の用途に好適に用いることができる。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーと有機過酸化物に石鹸を加えることで、硬化速度が速く作業性がよいことを見いだした。
すなわち、本発明は下記の構成を有する。
[1](a)1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーと
(b)有機過酸化物
(c)石鹸
とからなる硬化型組成物。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる硬化型組成物における1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーについて説明する。
(a)1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマー
本発明の1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーは、主鎖中にエーテル結合、チオエーテル結合、ジスルフィド結合、ウレタン結合及びエステル結合を含むものであってもよい。
このような1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーの好ましい例として、特公昭47−48279号公報に記載されているポリオキシアルキレンポリオールや、米国特許第4,092,293号明細書及び特公昭46−3389号公報に記載されているポリメルカプタンが挙げられる。また、この他の既知化合物としては、米国特許第3,923,748号明細書に記載のチオール基末端液状ポリマー、米国特許第4,366,307号明細書に記載の液状チオエーテルでチオール基末端のもの等が挙げられる。さらに、特に好ましいポリマーは、下記記載のポリサルファイドポリマー、ポリサルファイドポリエーテルポリマー及びチオール基含有ポリエーテルポリマーである。
このような一分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーの数平均分子量は、好ましくは100〜200,000であり、より好ましくは400〜100,000である。
・ポリサルファイドポリマ−
ポリサルファイドポリマーは、主鎖中に、
(ア)−(COCHOC−S)−(但し、xは1〜5の整数である。)で表される構造単位を含有し、かつ末端に、
(イ)−COCHOC−SHで表されるチオール基を有するものである。このポリサルファイドポリマーは、室温で流動性を有し、数平均分子量が好ましくは100〜200,000であり、より好ましくは400〜50,000である。このようなポリサルファイドポリマーの好ましい例は、米国特許2,466,963号明細書に記載されている。
・ポリサルファイドポリエ−テルポリマ−
好ましいポリサルファイドポリエーテルポリマーは、主鎖中に、
(ウ)−(RO) −(但し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基、nは6〜200の整数を示す。)で表されるポリエーテル部分と、
(エ)−(COCHOC−S)− 及び −(CHCH(OH)CH−S)−(但し、xは1〜5の整数である。)で示される構造単位とを含有し、かつ末端に、
(オ)−COCHOC−SH 及び/又は −CHCH(OH)CH−SHで示されるチオール基を有するものである。
このポリサルファイドポリエーテルポリマー中において、(ウ)のポリエーテル部分と(エ)で示される構造単位は、任意の配列で結合していてよい。またその割合は、(ウ)の−(RO)−成分が2〜95重量%、(エ)の−(COCHOC−S)−成分が3〜70重量%、及び−(CHCH(OH)CH−S)−成分が1〜50重量%となることが好ましい。
このポリサルファイドポリエーテルポリマーの数平均分子量は、通常600〜200,000であり、好ましくは800〜50,000である。このようなポリサルファイドポリエーテルポリマーは、例えば特開平4−7331号公報に記載されているように、ポリオキシアルキレングリコールにエピハロヒドリンを付加して得られるハロゲン末端プレポリマーとポリサルファイドポリマーを、95/5〜5/95のような重量比で水硫化アルカリおよび/または多硫化アルカリとともに反応させる方法により製造することができる。
・チオール基含有ポリエーテルポリマー
チオール基含有ポリエーテルポリマーは、主鎖中に、
(ウ)−(RO) −(但し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基、nは6〜300の整数を示す。)で表される構造単位を含有し、かつ末端に、
(カ)−CHCH(OH)CH−SHで示されるチオール基を有するものである。このチオール基含有ポリエーテルポリマーは、数平均分子量が好ましくは100〜200,000であり、より好ましくは400〜50,000でる。このようなチオール基含有ポリエーテルポリマーの好ましい例は、特開平1−278557号公報に記載されている。
さらに(a)1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーは、特開昭63−145321号公報に記載されているようなシリル化試薬によりチオール基をトリアルキルシリルチオ基として保護したものであってもよい。
このような1分子中に2個以上のトリアルキルシリルチオ基を含有するポリマーと酸化剤及び1分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物は一液硬化型組成物とすることが可能である。
(b)有機過酸化物
本発明で用いられる有機過酸化物は、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、ジアシルパーオキサイド等が使用可能であり、具体的には、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル4,4―ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレラート、2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ジ(4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン、1,1―ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)―3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(3−メチルベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、ジメチルオキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジベンゾイルパーオキサイド、ジサクシニル酸パーオキサイド、ジステアロイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジ−n−オクタノイルパーオキサイド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジイソブチルロイルパーオキサイド等が使用できる。上記有機過酸化物は2種類以上用いても良い。特にクメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエートが硬度発現に優れており好ましい有機過酸化物である。
硬化型組成物中の(b)有機過酸化物は、有機過酸化物に含まれる活性酸素のモル数と、1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーに含まれるチオール基のモル数とが、1:10〜5:1の比率になるように添加するのが好ましく、より好ましくは1:5〜2:1である。有機過酸化物に含まれる活性酸素の比率が1:10よりも少なくなると、硬化が不十分になることがあり、5:1よりも多くなると経済的な点で好ましくない。
(c)石鹸
本発明の石鹸は、アルカリ金属およびそれ以外の金属の脂肪酸塩である。
金属としては、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルビジウム、ストロンチウム、インジウム、錫、アンチモン、セシウム、バリウム、鉛、ビスマス、モリブデン、タングステン、ルテニウム等を用いることができる。中でも、銅、鉄、鉛、コバルト、ニッケル、カリウム、マンガン、インジウム、亜鉛が硬化速度が速く好ましい。脂肪酸としては、酢酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、イコサン酸、ドコサン酸、ナフテン酸等が挙げられる。特に酢酸塩、オクタン酸塩、ナフテン酸塩が好ましい。石鹸としては、特に、酢酸銅、オクタン酸銅、ナフテン酸銅、オクタン酸カリウム、ナフテン酸カリウム、オクタン酸鉄、ナフテン酸鉄、オクタン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、オクタン酸コバルト、ナフテン酸コバルト、オクタン酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル、オクタン酸インジウム、ナフテン酸インジウム、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛、オクタン酸マンガン、ナフテン酸マンガンが硬度発現に優れており好ましい。また、石鹸は2種以上を用いてもよい。
硬化型組成物中の(c)石鹸の含有量は、1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーと有機過酸化物の合計100重量部に対して、0.0005〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.001〜3重量部である。含有量が0.0005重量部では硬化が進まないことがあり、10重量部を超えると硬化が早くなりすぎて可使時間が短くなり好ましくない。
・その他の配合物
本発明の硬化型組成物には、経済性、組成物を施工する際の作業性及び硬化後の物性を改良する目的で、炭酸カルシウム、タルク、クレー、酸化チタン、シリカ、ゼオライト、パーライト、セラミックバルーン、ガラスバルーン、シリカバルーン、シラスバルーン、アルミナバルーン、プラスチックバルーン等の中空微小球等の充填材、フタル酸エステル、ブチルベンジルフタレート、塩素化パラフィン、水添ターフェニル、また特開平10−60261号公報記載のキシレン樹脂、特願2002−327747公報記載のアクリル酸エステル共重合体、特願2002―214958公報記載の炭化水素系可塑剤等の可塑剤、添加剤として特開平7−268058号公報記載の不飽和化合物及び/又は亜リン酸エステル化合物、特開2000−344853号記載の脂肪酸エステル、特開2001−64504号記載の紫外線吸収剤、特開2001−220423号記載の1分子中に−S−(但し、xは2以上の整数)を1つのみ持つ有機ポリサルファイド化合物を用いることが出来る。
前記キシレン樹脂とは、キシレン又はメシチレンとホルマリンとを強酸触媒下で反応させて得られる淡黄色透明の水飴状樹脂で、キシレンが原料であるものがキシレンホルムアルデヒド樹脂で、キシレンの3つの異性体の中ではメタキシレンが最も反応性が高い。また、メシチレンが出発原料であるものがメシチレンホルムアルデヒド樹脂となる。これら樹脂はキシレン又はメシチレンとホルマリンとのモル比を変えることで粘度、組成を調整することができる。また、得られた樹脂は主としてキシレン核又はメシチレン核がメチレン、アセタールまたはエーテル結合で結ばれ、末端にキシレン核又はメシチレン核及び一部メチロール基やメトキシメチル基等を有する多分子性の構造をもつもので、数平均分子量が250〜700程度のオリゴマーである。
前記アクリル酸エステル共重合体とは、各種アクリル酸エステル単量体を重合して得られる黄色透明の水飴状樹脂で、アクリル酸エステル単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸s−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ネオペンチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシルおよびアクリル酸ステアリル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸トリシクロデシニル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸フェノキシエチル等が挙げられる。数平均分子量が500〜2500程度のオリゴマーである。該単量体は1種類のみならず2種類以上を同時に使用することが可能である。
前記炭化水素系可塑剤としては、特公昭56−14705号公報、特公昭56−15440号公報、特公昭57―56511号公報等に例示されているようなジアリールアルカン型の化合物、トリアリールジアルカン型の化合物、スチレンの2〜3重合体とアルキルベンゼンとの反応生成物からなる高沸点芳香族炭化水素(商品名“日石ハイゾールSAS−LH”日本石油化学(株)製)が使用できる。炭化水素系可塑剤は吸湿性が小さく、ガスバリア性も良いため好ましい。
また、前記不飽和化合物とは、炭素−炭素二重結合及び/又は三重結合を有する不飽和炭化水素、不飽和エステル、不飽和エーテル、不飽和アルデヒド、不飽和ケトン、不飽和アルコール類等である。不飽和炭化水素としては、1−オクテン、1−ヘキサデセン、1−オクチン、1−ヘキサデシン、1,4−オクタジエン−7−イン等が挙げられ、不飽和エステルとしては、オレイン酸オクチル、リノレン酸オクチル、メチルアセチルリシノレート、アジピン酸ジオレイル、オレイン酸モノグリセライド、オレイン酸ジグリセライド、トリオレイルホスフェート、アクリル酸オクチル、ケイ皮酸オクチル、2−ヒドロキシオクチルアクリレート等が挙げられる。不飽和エーテルとしては、1−オクテニルメチルエーテル、シンナミルメチルエーテル、アネトール、ジブテニルエーテル、1−オクテニルヒドロキシメチルエーテル等が、また不飽和アルデヒドとしては、オレイルアルデヒド、シンナムアルデヒド、2,3−ヘキセナール、シトラール、シトロネラール、6−ヒドロキシヘキセナール等が挙げられる。また不飽和ケトンとしては、1−オクテン−4−オン、1−ヘキサデセン−4−オン、イローン、ヨノーン、8−ヒドロキシオクテン−4−オン等、不飽和アルコールとしては、シンナミルアルコール、オイゲノール、オレイルアルコール、10−ウンデセン−1−オール、リノレイルアルコール、キウリアルコール、ゲラニオール、シトロネロール、イソフィトール、リナロール等が挙げられる。
また、これら不飽和化合物の中でもOH基を含有するものが好ましく、上述の不飽和アルコールの他、2−ヒドロキシオクチルアクリレート、1−オクテニルヒドロキシメチルエーテル、6−ヒドロキシヘキセナール、8−ヒドロキシオクテン−4−オン等のOH基及びその他の官能基を含有する不飽和化合物が挙げられる。特に、不飽和アルコールの中では1級OH基を1個のみ含有するものがより好ましい。これら化合物の例としては、シンナミルアルコール、オイゲノール、オレイルアルコール、10−ウンデセン−1−オール、リノレイルアルコール、キウリアルコール、ゲラニオール、シトロネロール等挙げられる。
一方、亜リン酸エステル化合物としては、活性の低いトリアルキルホスファイトが好ましく、例としてトリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリストリデシルホスファイト、トリペンチルホスファイト、ジイソデシルトリデシルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、トリステアリルホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
前記脂肪酸エステルとしては、脂肪酸と1価又は2価のアルコールからなるワックスや、脂肪酸とグリセリンからなる脂肪酸グリセリンエステル(以下脂肪酸グリセライド)の使用が可能であり、酸基は飽和脂肪酸及び/又は不飽和脂肪酸であってもよい。飽和脂肪酸としては、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグリノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸が挙げられ、不飽和脂肪酸としてはトウハク酸、リンデル酸、ツズ酸、マッコウ酸、ミリストオレイン酸、ゾーマリン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、鯨油酸、エルシン酸、サメ油酸、リノール酸、ヒラゴ酸、エレオステアリン酸、ブニカ酸、トリコサン酸、リノレン酸、モロクチ酸、パリナリン酸、アラキドン酸、イワシ酸、ヒラガシラ酸、ニシン酸が挙げられる。
上記脂肪酸エステルの内、特に脂肪酸グリセライドが好ましく、具体的には酸基が飽和脂肪酸であるステアリン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノジグリセライド、酸基が不飽和脂肪酸であるオレイン酸モノグリセライド、オレイン酸モノジグリセライド、さらにこれら酸基が混在するオレイン酸ステアリン酸モノジグリセライドが挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、トリアジン系、ニッケル塩及びニッケル錯塩系が挙げられる。特に好ましい紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系、ニッケル塩、ニッケル錯塩系の紫外線吸収剤であり、とりわけベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。具体的には2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3(3,4,5,6−テトラ−ヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンソトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、ニッケルジブチルジチオカルバメート、[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミン−ニッケルなどが挙げられる。
前記1分子中に−Sx−(但し、xは2以上の整数)を1つのみ持つ有機ポリサルファイド化合物としては、脂肪族及び/又は芳香族基を持つ直鎖状もしくは環状化合物が挙げられる。具体的には、ジメチルジサルファイド、ジ−t−ブチルジサルファイド、ジチオジグリコール酸、ジチオプロピオン酸、ジチオプロピオン酸エステル、ジチオ安息香酸、ジチオサリチル酸、ジ−t−ノニルポリサルファイド、ジ−t−ドデシルポリサルファイド、ジフェニルジサルファイド、ジベンジルジサルファイド、レンチオニン、スポリデスミン等が挙げられる。特に好ましい例は、臭気の少ないジ−t−ドデシルポリサルファイドである。
さらに本発明の硬化型組成物には、硬化遅延剤として、酸性物質を添加することができる。
酸性物質としてはクエン酸、ステアリン酸、2エチルヘキサン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等の有機酸が好ましく用いられる。
さらに、本発明の硬化型組成物には、施工後のガラスやアルミ等の素材部位との接着性を向上させるため接着付与剤を添加することができる。
具体的にはシランカップリング剤が用いられる。シランカップリング剤としては、γ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルメトキシシラン、γ―メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β―メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4―エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ―グリドキシプロピルジメトキシシラン、γ―グリドキシプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。また、特開平6−271833号公報に記載のポリサルファイドポリマー“チオコールLP−3”とγ―グリドキシプロピルトリメトキシシランを反応させて合成した末端トリメトキシシラン変性ポリサルファイドポリマーもシランカップリング剤として用いることができる。これらシランカップリング剤は2種以上を用いてもよい。
本発明の硬化型組成物は、1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーと有機過酸化物に石鹸を含有する。本発明の硬化型組成物は、優れた硬化特性を有し常温で硬化し、ゴム状弾性体となる。
本発明の硬化型組成物は、石鹸の種類または添加量を変えることによって、硬化速度を容易にコントロールする事ができ、特に低温時においても良好な硬化特性を維持することができる。また、有機過酸化物の多くは液体であり、従来用いられている固体の金属酸化剤に比べ分散性が良いため均一な硬化物が得られる。本発明の硬化型組成物は、シーリング材、接着剤、コーティング剤等の用途に好適に用いることができる。
特に1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーにポリサルファイドポリマーを使用した場合、硬化物は水、種々の溶剤、燃料油、酸、アルカリに対する抵抗性が高く浸漬しても膨潤が少ない。特に80℃程度の温水に長期間浸漬してもほとんど膨潤しない。また、ポリマーにポリブタジエンポリオールや、ポリシロキサンを用いた硬化物に比べ、気体、水蒸気の遮断性に優れている。
本発明の硬化型組成物を複層ガラスのシーリング材として用いた場合、金属やガラスに対する自着力が強いため、プライマーの塗布といった前処理を必要とせず良好である。また、耐候性に優れるため、サンシャインウェザオーメーターによる促進曝露を長期間行っても剥離等による結露の問題が生じず良好である。さらに従来用いられていた二酸化マンガンと同様に、ワークライフが長くかつワークライフが終了後の硬化が速いという硬化特性を有しており作業性がよい。
本発明の硬化型組成物を建築用シーリング材用途に使用すると、従来の二酸化鉛や二酸化マンガンを硬化剤とした時と比べ、淡色の硬化物が得られるため、顔料の添加により着色が容易で意匠性がよい。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1〜20
ポリサルファイドポリマー(東レ・ファインケミカル(株)製、「チオコールLP−23」)に、可塑剤、添加剤及び充填剤を表1の割合で配合し、ミキサーで混合することによって主剤を得た。この主剤300重量部に表2〜3の石鹸をそれぞれ添加し混合した後、さらに硬化剤として表2〜3の有機過酸化物を添加し混合することでシーラント混合物を得た。得られたシーラント混合物を、80mm × 30mm、 厚さ10mmのシート状に成型し、23℃55%R.H.にて7日間養生したのちショアーA硬度を測定した。結果を表2〜3に示した。
Figure 2006169459
Figure 2006169459
Figure 2006169459
比較例1〜6
比較例1〜6として実施例で用いた主剤に、硬化促進剤添加せずに有機過酸化物を添加したシーラント混合物と、表4のアミン系硬化促進剤を添加した後、表4の有機過酸化物を添加し混合することで得られたシーラント混合物を用いて、実施例と同様の試験を行った。比較例はいずれも硬度発現性が悪く、23℃7日間養生しても測定できる程度に硬化しなかった。
Figure 2006169459

Claims (7)

  1. (a)1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーと、(b)有機過酸化物と、(c)石鹸とを含有することを特徴とする硬化型組成物。
  2. 1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーが、ポリサルファイドポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の硬化型組成物。
  3. 1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーが、ポリサルファイドポリエーテルポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の硬化型組成物。
  4. 1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーが、チオール基含有ポリエーテルポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の硬化型組成物。
  5. 1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーと有機過酸化物の合計100重量部に対して、石鹸を0.0005〜10重量部含有することを特徴とする請求項1〜4に記載の硬化型組成物。
  6. 石鹸の金属が、銅、鉄、鉛、コバルト、ニッケル、カリウム、マンガン、インジウム、亜鉛であることを特徴とする請求項1〜5に記載の硬化型組成物。
  7. 石鹸の脂肪酸が、酢酸、オクタン酸、ナフテン酸であることを特徴とする請求項1〜6に記載の硬化型組成物
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