JP2006169069A - 水素含有ガスの製造装置と製造方法および燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池等に用いられる水素含有ガス中に含まれるC2以上の炭化水素化合物を低減した水素含有ガスの製造装置と製造方法および燃料電池システムを提供する。
【解決手段】炭化水素燃料を改質処理し、得られた生成ガス中の一酸化炭素を二酸化炭素に変換した後、活性炭、シリカおよびゼオライトの中から選ばれた少なくとも一種の吸着剤により、水素含有ガス中のC2以上の炭化水素化合物を1容量ppm以下に低減する。
【選択図】なし
【解決手段】炭化水素燃料を改質処理し、得られた生成ガス中の一酸化炭素を二酸化炭素に変換した後、活性炭、シリカおよびゼオライトの中から選ばれた少なくとも一種の吸着剤により、水素含有ガス中のC2以上の炭化水素化合物を1容量ppm以下に低減する。
【選択図】なし
Description
本発明は、水素含有ガスの製造装置と製造方法および燃料電池システム関する。さらに詳しくは、燃料電池等に用いられる水素含有ガス中に含まれるC2以上の炭化水素化合物を低減した水素含有ガスの製造装置と製造方法および燃料電池システムに関するものである。
近年、環境問題から新エネルギー技術が脚光を浴びており、この新エネルギー技術の一つとして燃料電池が注目されている。この燃料電池は、水素と酸素を電気化学的に反応させることにより、化学エネルギーを電気エネルギーに変換するものであって、エネルギーの利用効率が高いという特徴を有しており、民生用、産業用あるいは自動車用などとして、実用化研究が積極的になされている。
この燃料電池には、使用する電解質の種類に応じて、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、固体高分子型などのタイプが知られている。一方、水素源としては、メタノール、メタンを主体とする液化天然ガス、この天然ガスを主成分とする都市ガス、天然ガスを原料とする合成液体燃料、さらには石油系のナフサや灯油などの石油系炭化水素油の使用が研究されている。
これらのガス状又は液状炭化水素を用いて水素を製造する場合、一般に、該炭化水素燃料を、改質触媒の存在下に部分酸化改質、オートサーマル改質又は水蒸気改質などで処理する方法が用いられている。そして、これらの改質処理で得られる水素含有ガスには、通常目的とする水素ガスと共に、COが含まれている。
この燃料電池には、使用する電解質の種類に応じて、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、固体高分子型などのタイプが知られている。一方、水素源としては、メタノール、メタンを主体とする液化天然ガス、この天然ガスを主成分とする都市ガス、天然ガスを原料とする合成液体燃料、さらには石油系のナフサや灯油などの石油系炭化水素油の使用が研究されている。
これらのガス状又は液状炭化水素を用いて水素を製造する場合、一般に、該炭化水素燃料を、改質触媒の存在下に部分酸化改質、オートサーマル改質又は水蒸気改質などで処理する方法が用いられている。そして、これらの改質処理で得られる水素含有ガスには、通常目的とする水素ガスと共に、COが含まれている。
このようなCOは、燃料電池、特に上記固体高分子型燃料電池等の低温作動型燃料電池において、電極として用いられる白金(白金触媒)を被毒しやすいので、燃料中にCOがあるレベル以上含まれていると発電性能が低下したり、濃度によっては全く発電ができなくなってしまうという重大な問題が発生する。
したがって、こうした白金系電極触媒を用いる燃料電池の燃料としては純粋な水素が好ましいが、上述のように、改質ガス中には、一般に、水素の他にかなりの濃度のCOが含まれているので、このCOを白金系電極触媒に無害なCO2等に変換し、燃料電池の燃料中のCO濃度を減少させることが重要となり、その際、COの濃度を、通常100ppm以下、更には10ppm以下という低濃度にまで低減することが望ましいとされている。
そこで、燃料電池の燃料ガス(改質ガス)中のCOの濃度を低減させるために、一般にシフト反応やCOの選択酸化反応を利用する技術が用いられている。
したがって、こうした白金系電極触媒を用いる燃料電池の燃料としては純粋な水素が好ましいが、上述のように、改質ガス中には、一般に、水素の他にかなりの濃度のCOが含まれているので、このCOを白金系電極触媒に無害なCO2等に変換し、燃料電池の燃料中のCO濃度を減少させることが重要となり、その際、COの濃度を、通常100ppm以下、更には10ppm以下という低濃度にまで低減することが望ましいとされている。
そこで、燃料電池の燃料ガス(改質ガス)中のCOの濃度を低減させるために、一般にシフト反応やCOの選択酸化反応を利用する技術が用いられている。
また、前記改質処理及びCO除去処理工程により得られる水素含有ガス中には、一般にメタンが比較的多く含まれているが、さらに微量のC2(エチレン、エタン)からC14(アントラセン)程度までの炭化水素化合物が含まれていることが、本発明者らの研究により、高性能のGC−FID装置やGC−MS装置を用いた微量分析で判明した。
これらのメタンやC2以上の炭化水素化合物を含む水素含有ガスを、燃料ガスとして燃料電池用に用いた場合、C2以上の炭化水素化合物が電極に付着して電圧を低下させるおそれがあり、また燃料電池の電池スタックの寿命が短くなることが考えられる。燃料電池発電システムにおいて有機溶剤等の不純物を除去することも知られているが、その効果は未だ十分ではない(例えば特許文献1参照)。
これらのメタンやC2以上の炭化水素化合物を含む水素含有ガスを、燃料ガスとして燃料電池用に用いた場合、C2以上の炭化水素化合物が電極に付着して電圧を低下させるおそれがあり、また燃料電池の電池スタックの寿命が短くなることが考えられる。燃料電池発電システムにおいて有機溶剤等の不純物を除去することも知られているが、その効果は未だ十分ではない(例えば特許文献1参照)。
さらに、水蒸気改質により得られた水素含有ガス中には水蒸気が含まれており、この水素含有ガスを冷却して該水蒸気を凝縮させ、この凝縮水を水蒸気改質反応系に循環使用することが行われており、この際に凝縮水中に微量でもC2以上の炭化水素化合物が存在すれば、これが蓄積し、装置内部を汚し、運転に悪影響を与えることが考えられる。
本発明は、このような状況下で、燃料電池等に用いられる水素含有ガス中に含まれるC2以上の炭化水素化合物を低減した水素含有ガスの製造装置と製造方法および燃料電池システムを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、改質工程及びCO除去工程により得られる水素含有ガス中のC2以上の炭化水素化合物を特定の吸着剤を用いることにより除去することができ、C2以上の炭化水素化合物が電極に付着して電圧を低下させることや、装置内部の汚れなどが無くなり、本発明の目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1) 炭化水素燃料の改質処理を行う改質機構、該改質機構から得られた生成ガス中の一酸化炭素を二酸化炭素に変換することにより一酸化炭素を除去するCO除去機構、及び該CO除去機構から得られた水素含有ガス中のC2以上の炭化水素化合物を吸着除去する炭化水素化合物除去機構を有し、かつ前記炭化水素化合物除去機構が、活性炭、シリカおよびゼオライトの中から選ばれた少なくとも一種の吸着剤により、水素含有ガス中のC2以上の炭化水素化合物を1容量ppm以下に低減し得ることを特徴とする水素含有ガスの製造装置、
(2) CO除去機構における一酸化炭素の二酸化炭素への変換が、一酸化炭素を二酸化炭素に変換するシフト反応および、その後に実施される酸素又は酸素含有ガスを導入して一酸化炭素を二酸化炭素に選択的に酸化する選択酸化反応により行われ、炭化水素化合物除去機構が一酸化炭素の選択酸化反応後に設けられている(1)の水素含有ガスの製造装置、
(3) 炭化水素化合物除去機構が、一酸化炭素の選択酸化反応後の凝縮水の循環流路および、前記凝縮水を気液分離した後のガス流路に設けられている(2)の水素含有ガスの製造装置、
(4) 炭化水素燃料からC2以上の炭化水素化合物が1容量ppm以下の水素含有ガスを製造するに際し、(1)〜(3)の何れかの水素含有ガスの製造装置を用いることを特徴とする水素含有ガスの製造方法および
(3) (1)〜(3)の何れかの水素含有ガスの製造装置と、それから供給されるC2以上の炭化水素化合物が1容量ppm以下の水素含有ガスを用いて発電する電池スタックを有することを特徴とする燃料電池システム
を提供するものである。
(1) 炭化水素燃料の改質処理を行う改質機構、該改質機構から得られた生成ガス中の一酸化炭素を二酸化炭素に変換することにより一酸化炭素を除去するCO除去機構、及び該CO除去機構から得られた水素含有ガス中のC2以上の炭化水素化合物を吸着除去する炭化水素化合物除去機構を有し、かつ前記炭化水素化合物除去機構が、活性炭、シリカおよびゼオライトの中から選ばれた少なくとも一種の吸着剤により、水素含有ガス中のC2以上の炭化水素化合物を1容量ppm以下に低減し得ることを特徴とする水素含有ガスの製造装置、
(2) CO除去機構における一酸化炭素の二酸化炭素への変換が、一酸化炭素を二酸化炭素に変換するシフト反応および、その後に実施される酸素又は酸素含有ガスを導入して一酸化炭素を二酸化炭素に選択的に酸化する選択酸化反応により行われ、炭化水素化合物除去機構が一酸化炭素の選択酸化反応後に設けられている(1)の水素含有ガスの製造装置、
(3) 炭化水素化合物除去機構が、一酸化炭素の選択酸化反応後の凝縮水の循環流路および、前記凝縮水を気液分離した後のガス流路に設けられている(2)の水素含有ガスの製造装置、
(4) 炭化水素燃料からC2以上の炭化水素化合物が1容量ppm以下の水素含有ガスを製造するに際し、(1)〜(3)の何れかの水素含有ガスの製造装置を用いることを特徴とする水素含有ガスの製造方法および
(3) (1)〜(3)の何れかの水素含有ガスの製造装置と、それから供給されるC2以上の炭化水素化合物が1容量ppm以下の水素含有ガスを用いて発電する電池スタックを有することを特徴とする燃料電池システム
を提供するものである。
本発明によれば、燃料電池などに導入される水素含有ガス中のC2以上の炭化水素化合物の除去を有効的に行うことができ、これによりC2以上の炭化水素化合物が電極に付着して電圧を低下させることがなく、燃料電池の電池スタックの寿命を長く保つことができる。また、C2以上の炭化水素化合物が水素含有ガス製造装置などに蓄積し、装置内部を汚し、運転に悪影響を与えることがなくなり、水素含有ガス製造装置および燃料電池システムの運転を長期間安定して継続することができる。
本発明の水素含有ガスの製造装置は、(1)炭化水素燃料の改質処理を行う改質機構、(2)改質機構から得られた生成ガス中の一酸化炭素を二酸化炭素に変換することにより一酸化炭素を除去するCO除去機構および(3)該CO除去機構から得られた水素含有ガス中のC2以上の炭化水素化合物を吸着除去する炭化水素化合物除去機構を備えたものである。以下、各装置について説明する。
(1)改質機構
水素含有ガスの製造装置における改質機構は、炭化水素燃料を、部分酸化改質、オートサーマル改質、水蒸気改質などの方法により、改質処理する機構である。
前記炭化水素燃料としては、例えばLPG、都市ガス、天然ガス、ナフサ、灯油、軽油あるいはエタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ブタン及びブテンなどを挙げることができる。また、上記炭化水素燃料には、ジメチルエーテルなどの酸素含有炭化水素も包含される。前記改質処理に用いられる炭化水素中の硫黄化合物の濃度は、各改質触媒の寿命の点から、0.1ppm以下が好ましく、特に0.05ppm以下が好ましい。したがって、前記炭化水素燃料は、通常公知の吸着剤を用いて脱硫処理が施される。
水素含有ガスの製造装置における改質機構は、炭化水素燃料を、部分酸化改質、オートサーマル改質、水蒸気改質などの方法により、改質処理する機構である。
前記炭化水素燃料としては、例えばLPG、都市ガス、天然ガス、ナフサ、灯油、軽油あるいはエタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ブタン及びブテンなどを挙げることができる。また、上記炭化水素燃料には、ジメチルエーテルなどの酸素含有炭化水素も包含される。前記改質処理に用いられる炭化水素中の硫黄化合物の濃度は、各改質触媒の寿命の点から、0.1ppm以下が好ましく、特に0.05ppm以下が好ましい。したがって、前記炭化水素燃料は、通常公知の吸着剤を用いて脱硫処理が施される。
前記部分酸化改質は、炭化水素燃料の部分酸化反応により、水素含有ガスを製造する方法であって、部分酸化改質触媒の存在下、通常、反応圧力常圧〜5MPa、反応温度400〜1,100℃、GHSV(ガス時空間速度)1,000〜100,000h-1、酸素(O2)/炭素比0.2〜0.8の条件で改質反応が行われる。
また、オートサーマル改質は、部分酸化改質と水蒸気改質とを組み合わせた方法であって、オートサーマル改質触媒の存在下、通常、反応圧力常圧〜5MPa、反応温度400〜1,100℃、酸素(O2)/炭素比0.1〜1、スチーム/炭素比0.1〜10、GHSV 1,000〜100,000h-1の条件で改質反応が行われる。
また、オートサーマル改質は、部分酸化改質と水蒸気改質とを組み合わせた方法であって、オートサーマル改質触媒の存在下、通常、反応圧力常圧〜5MPa、反応温度400〜1,100℃、酸素(O2)/炭素比0.1〜1、スチーム/炭素比0.1〜10、GHSV 1,000〜100,000h-1の条件で改質反応が行われる。
さらに、水蒸気改質は、炭化水素燃料に水蒸気を接触させて、水素含有ガスを製造する方法であって、水蒸気改質触媒の存在下、通常、反応圧力常圧〜3MPa、反応温度200〜900℃、スチーム/炭素比1.5〜10、GHSV 1,000〜100,000h-1の条件で改質反応が行われる。
本発明においては、前記の部分酸化改質触媒、オートサーマル改質触媒、水蒸気改質触媒としては、従来公知の各触媒の中から適宜選択して用いることができるが、特にルテニウム系及びニッケル系触媒が好適である。また、これらの触媒の担体としては、酸化マンガン、酸化セリウム及びジルコニアの中から選ばれる少なくとも一種を含む担体を好ましく挙げることができる。該担体は、これらの金属酸化物のみからなる担体であってもよく、アルミナなどの他の耐火性多孔質無機酸化物に、上記金属酸化物を含有させてなる担体であってもよい。
本発明においては、前記の部分酸化改質触媒、オートサーマル改質触媒、水蒸気改質触媒としては、従来公知の各触媒の中から適宜選択して用いることができるが、特にルテニウム系及びニッケル系触媒が好適である。また、これらの触媒の担体としては、酸化マンガン、酸化セリウム及びジルコニアの中から選ばれる少なくとも一種を含む担体を好ましく挙げることができる。該担体は、これらの金属酸化物のみからなる担体であってもよく、アルミナなどの他の耐火性多孔質無機酸化物に、上記金属酸化物を含有させてなる担体であってもよい。
(2)CO除去機構
このCO除去機構は、前記改質機構で得られた生成ガス(改質ガス)中の一酸化炭素を二酸化炭素に変換することにより、一酸化炭素濃度を、好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下に低減させる工程である。
この一酸化炭素濃度を低減させる方法としては、本発明においては、シフト反応(水性ガスシフト反応)を利用する方法及び/又は選択酸化反応を利用する方法が好ましく用いられる。
前記シフト反応は、反応式(I)
CO + H2O = CO2 + H2 ・・・(I)
で表される反応である。この際、使用する触媒や反応条件については特に制限はなく、従来シフト反応において使用されている公知の触媒及び反応条件を採用することができる。具体的には、Cu−Zn系、貴金属系などの触媒を用い、反応温度が100〜400℃程度、好ましくは200〜350℃、反応圧力が0.1〜1MPa程度、好ましくは0.1〜0.3MPaの条件下でシフト反応が実施される。
このCO除去機構は、前記改質機構で得られた生成ガス(改質ガス)中の一酸化炭素を二酸化炭素に変換することにより、一酸化炭素濃度を、好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下に低減させる工程である。
この一酸化炭素濃度を低減させる方法としては、本発明においては、シフト反応(水性ガスシフト反応)を利用する方法及び/又は選択酸化反応を利用する方法が好ましく用いられる。
前記シフト反応は、反応式(I)
CO + H2O = CO2 + H2 ・・・(I)
で表される反応である。この際、使用する触媒や反応条件については特に制限はなく、従来シフト反応において使用されている公知の触媒及び反応条件を採用することができる。具体的には、Cu−Zn系、貴金属系などの触媒を用い、反応温度が100〜400℃程度、好ましくは200〜350℃、反応圧力が0.1〜1MPa程度、好ましくは0.1〜0.3MPaの条件下でシフト反応が実施される。
しかしながら、このシフト反応のみによる反応では、化学平衡上の制約から一酸化炭素濃度の低減には限界があり、一般に一酸化炭素濃度を1%以下にするのは困難である。
従って、本発明においては、このシフト反応後、当該改質ガス中に酸素又は酸素含有ガス(空気など)を導入し、一酸化炭素を二酸化炭素に選択的に変換させる選択酸化反応を施すことが望ましい。この場合、当該改質ガス中には水素が多量に存在しているため、一酸化炭素を酸化しようとすると、水素も酸化されてしまい、CO濃度を所定の値に低減できないおそれがある。そのため、この一酸化炭素の酸化においては、一酸化炭素を選択的に酸化する触媒が用いられる。
本発明においては、この際、使用する触媒や反応条件については特に制限はなく、従来、水素含有ガス中に存在する一酸化炭素を二酸化炭素に選択的に酸化するのに使用されている公知の触媒及び反応条件を採用することができる。
従って、本発明においては、このシフト反応後、当該改質ガス中に酸素又は酸素含有ガス(空気など)を導入し、一酸化炭素を二酸化炭素に選択的に変換させる選択酸化反応を施すことが望ましい。この場合、当該改質ガス中には水素が多量に存在しているため、一酸化炭素を酸化しようとすると、水素も酸化されてしまい、CO濃度を所定の値に低減できないおそれがある。そのため、この一酸化炭素の酸化においては、一酸化炭素を選択的に酸化する触媒が用いられる。
本発明においては、この際、使用する触媒や反応条件については特に制限はなく、従来、水素含有ガス中に存在する一酸化炭素を二酸化炭素に選択的に酸化するのに使用されている公知の触媒及び反応条件を採用することができる。
一酸化炭素を選択的に酸化する触媒としては、例えばPt/アルミナ、Pt/SnO2、Pt/C、Co/TiO2、Pd/アルミナ、さらにはチタニア、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア−アルミナなどの耐火性無機酸化物担体にルテニウム成分及び場合によりアルカリ金属成分やアルカリ土類金属成分を担持してなる触媒などを用いることができる。
この一酸化炭素の選択的酸化反応においては、通常純酸素ガス、あるいは空気や酸素富化空気などの酸素含有ガスが好適に使用される。この際、O2/COモル比が好ましくは0.5〜5、より好ましくは1〜4となるように、前記純酸素ガスあるいは酸素含有ガスを導入するのがよい。この範囲にO2/COモル比を保つことにより、水素の消費量が少なくて高い一酸化炭素の除去率が得られる。
この一酸化炭素の選択的酸化反応においては、通常純酸素ガス、あるいは空気や酸素富化空気などの酸素含有ガスが好適に使用される。この際、O2/COモル比が好ましくは0.5〜5、より好ましくは1〜4となるように、前記純酸素ガスあるいは酸素含有ガスを導入するのがよい。この範囲にO2/COモル比を保つことにより、水素の消費量が少なくて高い一酸化炭素の除去率が得られる。
反応圧力については特に制限はないが、通常常圧〜1MPa・G、好ましくは常圧〜0.5MPa・Gの範囲で反応が行われる。反応圧力が1MPa・Gを超えると高圧ガス取締法の規制を受け、また爆発限界が広がるので安全性が低下するという問題が生じる。一方、反応温度は、通常60℃以上、好ましくは60〜300℃の範囲で選定される。この温度範囲では、十分な反応速度が得られ、水素消費量が少ない。
また、前記反応は、通常、GHSVを5000〜100000hr-1、好ましくは、6000〜60000hr-1の範囲に選定して行うのが好適である。このようなGHSVでは多量の触媒を用いずに高いCOの除去率が得られる。このCO除去工程におけるCOの変換反応は発熱反応であるため、反応により触媒層の温度が上昇する。触媒層の温度が高くなりすぎると、通常、触媒のCO変換の選択性が悪化する。このため、少量の触媒上であまり多くのCOを短時間で反応させることは好ましくない。その意味からもGHSVは小さすぎない方がよい場合がある。
このようにして、改質ガス中のCO濃度を100容量ppm以下、好ましくは50容量ppm以下、より好ましくは10容量ppm以下に低減させることができる。
また、前記反応は、通常、GHSVを5000〜100000hr-1、好ましくは、6000〜60000hr-1の範囲に選定して行うのが好適である。このようなGHSVでは多量の触媒を用いずに高いCOの除去率が得られる。このCO除去工程におけるCOの変換反応は発熱反応であるため、反応により触媒層の温度が上昇する。触媒層の温度が高くなりすぎると、通常、触媒のCO変換の選択性が悪化する。このため、少量の触媒上であまり多くのCOを短時間で反応させることは好ましくない。その意味からもGHSVは小さすぎない方がよい場合がある。
このようにして、改質ガス中のCO濃度を100容量ppm以下、好ましくは50容量ppm以下、より好ましくは10容量ppm以下に低減させることができる。
(3) 炭化水素化合物除去機構
本発明の水素含有ガスの製造装置においては、前記のCO除去機構から得られた水素含有ガス中のC2以上の炭化水素化合物を1.0容量ppm以下に低減させる炭化水素化合物除去機構を備えている。また、本発明の水素含有ガスの製造方法においては、この水素含有ガスの製造装置を必須要件として用いるものであり、さらに、本発明の燃料電池システムにおいては、この水素含有ガスの製造装置を用いて、水素含有ガス中のC2以上の炭化水素化合物を1.0容量ppm以下に低減してから、電池スタックに導入する。
前記炭化水素燃料を改質処理あるいは更に一酸化炭素を除去処理して生成したガス中には、炭化水素燃料として、これまでメタンが1容量%近く含まれていることは知られていたが、C2以上の炭化水素化合物は、通常微量であり検出することが困難で、その存在が知られていなかった。しかし、高性能のGC−FID装置やGC−MS装置を用いた本発明者らの微量分析により、C2(エチレン、エタン)からC14(アントラセン)程度までの炭化水素化合物が1〜1000容量ppm程度含まれていることが確認された。
本発明の水素含有ガスの製造装置においては、前記のCO除去機構から得られた水素含有ガス中のC2以上の炭化水素化合物を1.0容量ppm以下に低減させる炭化水素化合物除去機構を備えている。また、本発明の水素含有ガスの製造方法においては、この水素含有ガスの製造装置を必須要件として用いるものであり、さらに、本発明の燃料電池システムにおいては、この水素含有ガスの製造装置を用いて、水素含有ガス中のC2以上の炭化水素化合物を1.0容量ppm以下に低減してから、電池スタックに導入する。
前記炭化水素燃料を改質処理あるいは更に一酸化炭素を除去処理して生成したガス中には、炭化水素燃料として、これまでメタンが1容量%近く含まれていることは知られていたが、C2以上の炭化水素化合物は、通常微量であり検出することが困難で、その存在が知られていなかった。しかし、高性能のGC−FID装置やGC−MS装置を用いた本発明者らの微量分析により、C2(エチレン、エタン)からC14(アントラセン)程度までの炭化水素化合物が1〜1000容量ppm程度含まれていることが確認された。
このようにC2以上の炭化水素化合物が存在する水素含有ガスを燃料ガスとして燃料電池スタックに用いると、C2以上の炭化水素化合物は、1〜1000容量ppm程度、更には1〜500容量ppm程度、特に1〜100容量ppm程度の微量であっても、該電池スタックの電極に付着して電圧を下げたり、電池スタックの寿命を短くしたりするなど、好ましくない事態を招来するおそれがある。
さらに、炭化水素燃料の改質処理に水蒸気改質を採用した場合には、改質ガス中には、水蒸気が通常5〜30容量%程度含まれている。したがって、該改質ガスにCO除去処理(シフト反応、選択酸化反応)を施したのち、このガスを冷却して該水蒸気を凝縮させ、この凝縮水を水蒸気改質反応系に循環使用することが行われることが多い。このような凝縮水の循環システムを採用した場合、該凝縮水中に微量でもC2以上の炭化水素化合物が存在すれば、蓄積して装置内部を汚し、運転に悪影響を与えるおそれが生じる。
さらに、炭化水素燃料の改質処理に水蒸気改質を採用した場合には、改質ガス中には、水蒸気が通常5〜30容量%程度含まれている。したがって、該改質ガスにCO除去処理(シフト反応、選択酸化反応)を施したのち、このガスを冷却して該水蒸気を凝縮させ、この凝縮水を水蒸気改質反応系に循環使用することが行われることが多い。このような凝縮水の循環システムを採用した場合、該凝縮水中に微量でもC2以上の炭化水素化合物が存在すれば、蓄積して装置内部を汚し、運転に悪影響を与えるおそれが生じる。
従って本発明においては、上記のように、水素含有ガス中に1〜1000容量ppm程度存在するC2以上の微量炭化水素化合物を1容量ppm以下に低減させる除去処理を行う。
C2以上の微量炭化水素化合物としては、C2からC14程度であり、この中で炭素数の最も小さい炭化水素化合物がエチレン、エタンであり、一方炭素数の最も大きい炭化水素化合物は、通常アントラセンであり、その間の各炭素数を有するアルカン類、アルケン類、芳香族化合物などが存在する。
C2以上の微量炭化水素化合物としては、C2からC14程度であり、この中で炭素数の最も小さい炭化水素化合物がエチレン、エタンであり、一方炭素数の最も大きい炭化水素化合物は、通常アントラセンであり、その間の各炭素数を有するアルカン類、アルケン類、芳香族化合物などが存在する。
本発明においては、水素含有ガス中のC2以上の炭化水素化合物が1容量ppm以下に低減されるが、この炭化水素化合物の除去処理は、製品として水素含有ガスを取り出す前のどの段階で施してもよい。すなわち、(1)炭化水素燃料の改質処理後、シフト反応の前、(2)シフト反応後、一酸化炭素の選択酸化反応の前、(3)一酸化炭素の選択酸化反応後、のいずれの段階においても、C2以上の炭化水素化合物の除去処理を施すことができる。また、炭化水素燃料の改質処理として、水蒸気改質を採用した場合には、(4)一酸化炭素の選択酸化反応後、改質ガスを冷却して得られた凝縮水(循環水)中のC2以上の炭化水素化合物の除去処理及び、該凝縮水を気液分離した後の改質ガス中のC2以上の炭化水素化合物の除去処理の両方で行うこともできる。
これらの中で、特に(3)一酸化炭素の選択酸化反応後にガス中のC2以上の炭化水素化合物除去機構を設置する方法(図1に示す)または、(4)一酸化炭素の選択酸化反応後の凝縮水中のC2以上の炭化水素化合物除去機構を設置すると共に、該凝縮水を気液分離した後のガス中のC2以上の炭化水素化合物除去機構を設置する方法(図2に示す)が好適である。
これらの中で、特に(3)一酸化炭素の選択酸化反応後にガス中のC2以上の炭化水素化合物除去機構を設置する方法(図1に示す)または、(4)一酸化炭素の選択酸化反応後の凝縮水中のC2以上の炭化水素化合物除去機構を設置すると共に、該凝縮水を気液分離した後のガス中のC2以上の炭化水素化合物除去機構を設置する方法(図2に示す)が好適である。
水素含有ガスや、凝縮水中のC2以上の炭化水素化合物を除去する方法としては、該炭化水素化合物を選択的に吸着する吸着剤を用いて行う。本発明においては、特にC2以上の炭化水素化合物の選択的吸着剤として、活性炭、シリカおよびゼオライトの中から選ばれた少なくとも一種の吸着剤を用いる。この中で活性炭が好ましく、この際の活性炭としては白鷺S2X(商品名、日本エンバイロケミカルズ製)、シリカとしてはシリカゲルのヒシビードN500℃(商品名、洞海化学工業製)、ゼオライトとしてはAg−P/ZSM−5、ZSM−5〔Si/Al=200~2000(モル/モル)〕が好適に用いられる。
これらの選択的吸着剤は、粒状体として塔に充填し、この吸着剤充填塔に、水素含有ガスや凝縮水を導入して、水素含有ガスや凝縮水中に含まれているC2以上の炭化水素化合物の除去処理を行うのがよい。
吸着剤の操作条件は吸着剤の種類により異なるが、一般に吸着温度は80℃以下とすることが好ましい。また、ガス中のC2以上の炭化水素化合物を除去する場合はGHSVを1000〜3000h-1とすることが好ましく、凝縮水中のC2以上の炭化水素化合物を除去する場合はLHSVを0.5〜3h-1とすることが好ましい。
このようにして、製品の水素含有ガス中に含まれるC2以上の炭化水素化合物の濃度を1容量ppm以下に低減することができる。
炭化水素化合物を吸着した吸着剤は、常圧にて、200〜350℃程度、好ましくは270〜320℃の温度に加熱することにより、炭化水素化合物の脱着が可能である。この脱着した炭化水素化合物は燃焼処理することができる。
これらの選択的吸着剤は、粒状体として塔に充填し、この吸着剤充填塔に、水素含有ガスや凝縮水を導入して、水素含有ガスや凝縮水中に含まれているC2以上の炭化水素化合物の除去処理を行うのがよい。
吸着剤の操作条件は吸着剤の種類により異なるが、一般に吸着温度は80℃以下とすることが好ましい。また、ガス中のC2以上の炭化水素化合物を除去する場合はGHSVを1000〜3000h-1とすることが好ましく、凝縮水中のC2以上の炭化水素化合物を除去する場合はLHSVを0.5〜3h-1とすることが好ましい。
このようにして、製品の水素含有ガス中に含まれるC2以上の炭化水素化合物の濃度を1容量ppm以下に低減することができる。
炭化水素化合物を吸着した吸着剤は、常圧にて、200〜350℃程度、好ましくは270〜320℃の温度に加熱することにより、炭化水素化合物の脱着が可能である。この脱着した炭化水素化合物は燃焼処理することができる。
また本発明は、上記の水素含有ガスの製造装置を用いる水素含有ガスの製造方法および、上記の水素含有ガスの製造装置と、それから供給されるC2以上の炭化水素化合物が1容量ppm以下の水素含有ガスを用いて発電する電池スタックを有する燃料電池システムを提供する。
以下に、本発明の燃料電池システムについて図3に従い説明する。
図3は本発明の燃料電池システムの一例を示す概略フロー図である。図3によれば、燃料タンク21内の炭化水素燃料は、燃料ポンプ22を経て脱硫器23に流入する。脱硫器23で脱硫された炭化水素は水タンクから水ポンプ24を経た水と混合した後、気化器1に導入されて気化され、あるいは気化された後に混合され改質器31に送り込まれる。
改質器31の内部には前述の改質触媒が充填されており、改質器31に送り込まれた混合物(水蒸気及び炭化水素燃料を含む混合気体)から、前述した改質反応のいずれかによって水素が製造される。
このようにして製造された水素はCO除去機構であるCO変換器32及びCO選択酸化炉33を通じてそのCO濃度が燃料電池スタックの特性に影響を及ぼさない程度まで低減される。さらに、本発明の方法により微量のC2以上の炭化水素化合物を除去した水素が燃料電池スタックへと送り込まれる。
以下に、本発明の燃料電池システムについて図3に従い説明する。
図3は本発明の燃料電池システムの一例を示す概略フロー図である。図3によれば、燃料タンク21内の炭化水素燃料は、燃料ポンプ22を経て脱硫器23に流入する。脱硫器23で脱硫された炭化水素は水タンクから水ポンプ24を経た水と混合した後、気化器1に導入されて気化され、あるいは気化された後に混合され改質器31に送り込まれる。
改質器31の内部には前述の改質触媒が充填されており、改質器31に送り込まれた混合物(水蒸気及び炭化水素燃料を含む混合気体)から、前述した改質反応のいずれかによって水素が製造される。
このようにして製造された水素はCO除去機構であるCO変換器32及びCO選択酸化炉33を通じてそのCO濃度が燃料電池スタックの特性に影響を及ぼさない程度まで低減される。さらに、本発明の方法により微量のC2以上の炭化水素化合物を除去した水素が燃料電池スタックへと送り込まれる。
燃料電池スタック34は負極34Aと正極34Bとの間に高分子電解質34Cを備えた固体高分子型燃料電池スタックである。負極側には上記の方法で得られた水素リッチガスが、正極側には空気ブロワー35から送られる空気が、それぞれ必要に応じて適当な加湿処理を行った後(加湿装置は図示せず)導入される。
このとき負極側では水素ガスがプロトンとなり電子を放出する反応が進行し、正極側では酸素ガスが電子とプロトンを得て水となる反応が進行し、両極34A、34B間に直流電流が発生する。負極には、白金黒、活性炭担持のPt触媒あるいはPt−Ru合金触媒などが、正極には白金黒、活性炭担持のPt触媒などが用いられる。
このとき負極側では水素ガスがプロトンとなり電子を放出する反応が進行し、正極側では酸素ガスが電子とプロトンを得て水となる反応が進行し、両極34A、34B間に直流電流が発生する。負極には、白金黒、活性炭担持のPt触媒あるいはPt−Ru合金触媒などが、正極には白金黒、活性炭担持のPt触媒などが用いられる。
負極34A側に改質器31のバーナ31Aを接続して余った水素を燃料とすることができる。また、正極34B側に接続された気水分離器36において、正極34B側に供給された空気中の酸素と水素との結合により生じた水と排気ガスとを分離し、水は水蒸気の生成に利用することができる。
なお、燃料電池スタック34では、発電に伴って熱が発生するため、排熱回収装置37を付設してこの熱を回収して有効利用することができる。排熱回収装置37は、反応時に生じた熱を奪う熱交換器37Aと、この熱交換器37Aで奪った熱を水と熱交換するための熱交換器37Bと、冷却器37Cと、これら熱交換器37A、37B及び冷却器37Cへ冷媒を循環させるポンプ37Dとを備え、熱交換器37Bにおいて得られた温水は、他の設備などで有効利用することができる。
なお、燃料電池スタック34では、発電に伴って熱が発生するため、排熱回収装置37を付設してこの熱を回収して有効利用することができる。排熱回収装置37は、反応時に生じた熱を奪う熱交換器37Aと、この熱交換器37Aで奪った熱を水と熱交換するための熱交換器37Bと、冷却器37Cと、これら熱交換器37A、37B及び冷却器37Cへ冷媒を循環させるポンプ37Dとを備え、熱交換器37Bにおいて得られた温水は、他の設備などで有効利用することができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
図1に示す工程図に従って、灯油の水蒸気改質処理、一酸化炭素の除去処理(シフト反応及び選択酸化反応)及びC2以上の炭化水素化合物除去処理を行った。
まず、市販のルテニウム触媒を用い、灯油の水蒸気改質反応を、温度700℃、圧力0.1MPa、スチーム/炭素比3.0、LHSV(液時空間速度)0.5h-1の条件で行った。次いで、前記の水蒸気改質反応で生成した改質ガスを、市販のCu−Zn触媒を用いて、温度250℃、圧力0.1MPaの条件にてシフト反応させたのち、市販の白金触媒を用いて、微量の空気を導入しながら、温度180℃、圧力0.1MPaの条件にて、一酸化炭素の選択酸化反応を行い、一酸化炭素の除去処理を行った。
実施例1
図1に示す工程図に従って、灯油の水蒸気改質処理、一酸化炭素の除去処理(シフト反応及び選択酸化反応)及びC2以上の炭化水素化合物除去処理を行った。
まず、市販のルテニウム触媒を用い、灯油の水蒸気改質反応を、温度700℃、圧力0.1MPa、スチーム/炭素比3.0、LHSV(液時空間速度)0.5h-1の条件で行った。次いで、前記の水蒸気改質反応で生成した改質ガスを、市販のCu−Zn触媒を用いて、温度250℃、圧力0.1MPaの条件にてシフト反応させたのち、市販の白金触媒を用いて、微量の空気を導入しながら、温度180℃、圧力0.1MPaの条件にて、一酸化炭素の選択酸化反応を行い、一酸化炭素の除去処理を行った。
このようにして得られた改質ガス中には、H2:70.0容量%、CO:0.0容量%、CO2:24.8容量%、CH4:0.6容量%、N2:4.6容量%、C2以上炭化水素化合物(C2以上HCと略記):80容量ppmが含まれていた。なお、上記ガス中の組成は、水蒸気を除いた値である。
次に、吸着剤として活性炭(日本エンバイロケミカルズ社製、白鷺S2X)が充填された吸着塔に、前記の一酸化炭素除去処理を施した改質ガスを80℃、常圧下にGHSV 1000/hrで導入することにより、C2以上HCの除去処理を行った。得られたガス中には、H2:70.0容量%、CO:0.0容量%、CO2:24.8容量%、CH4:0.6容量%、N2:4.6容量%、C2以上HC:100容量ppmが含まれていた。 なお、C2以上HCの含有量はGC−FID装置(島津製作所製)を用いて測定した。
次に、吸着剤として活性炭(日本エンバイロケミカルズ社製、白鷺S2X)が充填された吸着塔に、前記の一酸化炭素除去処理を施した改質ガスを80℃、常圧下にGHSV 1000/hrで導入することにより、C2以上HCの除去処理を行った。得られたガス中には、H2:70.0容量%、CO:0.0容量%、CO2:24.8容量%、CH4:0.6容量%、N2:4.6容量%、C2以上HC:100容量ppmが含まれていた。 なお、C2以上HCの含有量はGC−FID装置(島津製作所製)を用いて測定した。
このようにして得られた水素含有ガスを用いて、過剰流量下での10時間の定電流制御運転を行い、初期電圧に対する電圧低下率を調べた。
その結果、高純度水素(純度>99.99999%)を燃料ガスとして運転した場合の電圧低下率に比べて、差異が確認できなかった(電圧低下率が1%未満)。
その結果、高純度水素(純度>99.99999%)を燃料ガスとして運転した場合の電圧低下率に比べて、差異が確認できなかった(電圧低下率が1%未満)。
実施例2
図2に示す工程図に従って、灯油の水蒸気改質処理、一酸化炭素の除去処理(シフト反応及び選択酸化反応)を行ったのち、ガスを冷却して水素含有ガスと凝縮水を気液分離し、それぞれについてC2以上HCの除去処理を行った。
まず、実施例1と同じ条件で、灯油の水蒸気改質反応を行った。次いで、この水蒸気改質反応で生成した改質ガスに対して、実施例1と同じ条件でシフト反応及び一酸化炭素の選択的酸化反応を施し、一酸化炭素の除去処理を行った。
次に、前記の一酸化炭素処理を施した改質ガスを冷却したのち、水素含有ガスと凝縮水とに気液分離した。水素含有ガス中には、H2:70.0容量%、CO:0.0容量%、CO2:24.8容量%、CH4:0.6容量%、N2:4.6容量%、C2以上HC:80容量ppmが含まれていた。一方、凝縮水にはH2O:99.999質量%及びC2以上HC:0.001質量%(10質量ppm)が含まれており、また凝縮水の誘電率は10μs/cmであった。
図2に示す工程図に従って、灯油の水蒸気改質処理、一酸化炭素の除去処理(シフト反応及び選択酸化反応)を行ったのち、ガスを冷却して水素含有ガスと凝縮水を気液分離し、それぞれについてC2以上HCの除去処理を行った。
まず、実施例1と同じ条件で、灯油の水蒸気改質反応を行った。次いで、この水蒸気改質反応で生成した改質ガスに対して、実施例1と同じ条件でシフト反応及び一酸化炭素の選択的酸化反応を施し、一酸化炭素の除去処理を行った。
次に、前記の一酸化炭素処理を施した改質ガスを冷却したのち、水素含有ガスと凝縮水とに気液分離した。水素含有ガス中には、H2:70.0容量%、CO:0.0容量%、CO2:24.8容量%、CH4:0.6容量%、N2:4.6容量%、C2以上HC:80容量ppmが含まれていた。一方、凝縮水にはH2O:99.999質量%及びC2以上HC:0.001質量%(10質量ppm)が含まれており、また凝縮水の誘電率は10μs/cmであった。
前記の水素含有ガス及び凝縮水のそれぞれについて、下記に示す方法により、C2以上HCの除去処理を行った。
(1)水素含有ガスのC2以上HCの除去処理(除去処理A)
吸着剤として実施例1の場合と同様の活性炭が充填された吸着塔に、前記の水素含有ガスを常温、常圧下にGHSV 1000/hrで導入することにより、C2以上HCの除去処理を行った。得られたガス中には、H2:70.0容量%、CO:0.0容量%、CO2:24.8容量%、CH4:0.6容量%、N2:4.6容量%、C2以上HC:0容量ppmが含まれていた。
(2)凝縮水中のC2以上HC除去処理(除去処理B)
吸着剤として実施例1の場合と同様の活性炭が充填された吸着塔に、前記の凝縮水を常温、常圧下にLHSV 0.5/hrで導入することにより、C2以上HCの除去処理を行った。除去処理後の凝縮水中のC2以上HC濃度は1質量ppmであり、また、該凝縮水の誘電率は0μs/cmであった。
なお、ガス中のC2以上HC濃度はGC−FID装置を用いて測定し、凝縮水中のC2以上HC濃度はGC−MS装置(島津製作所製)を用いて測定した。
(1)水素含有ガスのC2以上HCの除去処理(除去処理A)
吸着剤として実施例1の場合と同様の活性炭が充填された吸着塔に、前記の水素含有ガスを常温、常圧下にGHSV 1000/hrで導入することにより、C2以上HCの除去処理を行った。得られたガス中には、H2:70.0容量%、CO:0.0容量%、CO2:24.8容量%、CH4:0.6容量%、N2:4.6容量%、C2以上HC:0容量ppmが含まれていた。
(2)凝縮水中のC2以上HC除去処理(除去処理B)
吸着剤として実施例1の場合と同様の活性炭が充填された吸着塔に、前記の凝縮水を常温、常圧下にLHSV 0.5/hrで導入することにより、C2以上HCの除去処理を行った。除去処理後の凝縮水中のC2以上HC濃度は1質量ppmであり、また、該凝縮水の誘電率は0μs/cmであった。
なお、ガス中のC2以上HC濃度はGC−FID装置を用いて測定し、凝縮水中のC2以上HC濃度はGC−MS装置(島津製作所製)を用いて測定した。
実施例3
水素78容量%、二酸化炭素28容量%からなる混合ガスに、(1)アルカン類としてn−ブタンが100ppmになるように調製したガス、(2)アルケン類として1−ブテンが100ppmになるように調製したガス、(3)芳香族化合物としてトルエンが100ppmになるように調製したガスを用いて吸着剤の性能テストを行った。
容量100cm3の反応管(内径20mm、長さ50cm)に15cm3の吸着層(厚み4cm)を設け、その上下に3mm径のアルミナ球を充填して電熱加熱炉により反応温度を制御し、GC−FID装置を用いて吸着後のガスのC2以上HC濃度を測定した。
吸着剤としては、活性炭の白鷺S2X(日本エンバイロケミカルズ製)を用い、吸着温度70℃、SV 1000/Hで吸着剤の性能を確認した。測定結果を第1表に示す。
水素78容量%、二酸化炭素28容量%からなる混合ガスに、(1)アルカン類としてn−ブタンが100ppmになるように調製したガス、(2)アルケン類として1−ブテンが100ppmになるように調製したガス、(3)芳香族化合物としてトルエンが100ppmになるように調製したガスを用いて吸着剤の性能テストを行った。
容量100cm3の反応管(内径20mm、長さ50cm)に15cm3の吸着層(厚み4cm)を設け、その上下に3mm径のアルミナ球を充填して電熱加熱炉により反応温度を制御し、GC−FID装置を用いて吸着後のガスのC2以上HC濃度を測定した。
吸着剤としては、活性炭の白鷺S2X(日本エンバイロケミカルズ製)を用い、吸着温度70℃、SV 1000/Hで吸着剤の性能を確認した。測定結果を第1表に示す。
実施例4
吸着剤としてシリカゲルのヒシビードN500℃(洞海化学工業製)を用いた他は、実施例3と同様に行った。測定結果を第1表に示す。
吸着剤としてシリカゲルのヒシビードN500℃(洞海化学工業製)を用いた他は、実施例3と同様に行った。測定結果を第1表に示す。
実施例5
吸着剤として調製したゼオライトのAg−P/ZSM−5を用いた他は、実施例3と同様に行った。測定結果を第1表に示す。
吸着剤として調製したゼオライトのAg−P/ZSM−5を用いた他は、実施例3と同様に行った。測定結果を第1表に示す。
実施例6
吸着剤としてSi/Al=1000で調製したZSM−5を用いた他は、実施例3と同様に行った。測定結果を第1表に示す。
吸着剤としてSi/Al=1000で調製したZSM−5を用いた他は、実施例3と同様に行った。測定結果を第1表に示す。
比較例1
吸着剤としてアルミナのD−201(ユニオン昭和製)を用いた他は、実施例3と同様に行った。測定結果を第1表に示す。
吸着剤としてアルミナのD−201(ユニオン昭和製)を用いた他は、実施例3と同様に行った。測定結果を第1表に示す。
1: 気化器
2: 燃料電池システム
20: 水素製造装置
21: 燃料タンク
23: 脱硫器
31: 改質器
32: CO変換器
33: CO選択酸化炉
34: 燃料電池スタック
34A:負極
34B:正極
34C:高分子電解質
36: 気水分離器
37: 排熱回収装置
37A:熱交換器
37B:熱交換器
37C:冷却器
2: 燃料電池システム
20: 水素製造装置
21: 燃料タンク
23: 脱硫器
31: 改質器
32: CO変換器
33: CO選択酸化炉
34: 燃料電池スタック
34A:負極
34B:正極
34C:高分子電解質
36: 気水分離器
37: 排熱回収装置
37A:熱交換器
37B:熱交換器
37C:冷却器
Claims (5)
- 炭化水素燃料の改質処理を行う改質機構、該改質機構から得られた生成ガス中の一酸化炭素を二酸化炭素に変換することにより一酸化炭素を除去するCO除去機構、及び該CO除去機構から得られた水素含有ガス中のC2以上の炭化水素化合物を吸着除去する炭化水素化合物除去機構を有し、かつ前記炭化水素化合物除去機構が、活性炭、シリカおよびゼオライトの中から選ばれた少なくとも一種の吸着剤により、水素含有ガス中のC2以上の炭化水素化合物を1容量ppm以下に低減し得ることを特徴とする水素含有ガスの製造装置。
- CO除去機構における一酸化炭素の二酸化炭素への変換が、一酸化炭素を二酸化炭素に変換するシフト反応および、その後に実施される酸素又は酸素含有ガスを導入して一酸化炭素を二酸化炭素に選択的に酸化する選択酸化反応により行われ、炭化水素化合物除去機構が一酸化炭素の選択酸化反応後に設けられている請求項1に記載の水素含有ガスの製造装置。
- 炭化水素化合物除去機構が、一酸化炭素の選択酸化反応後の凝縮水の循環流路および、前記凝縮水を気液分離した後のガス流路に設けられている請求項2に記載の水素含有ガスの製造装置。
- 炭化水素燃料からC2以上の炭化水素化合物が1容量ppm以下の水素含有ガスを製造するに際し、請求項1〜3の何れかに記載の水素含有ガスの製造装置を用いることを特徴とする水素含有ガスの製造方法。
- 請求項1〜3の何れかに記載の水素含有ガスの製造装置と、それから供給されるC2以上の炭化水素化合物が1容量ppm以下の水素含有ガスを用いて発電する電池スタックを有することを特徴とする燃料電池システム。
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Cited By (2)
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JP2009093893A (ja) * | 2007-10-05 | 2009-04-30 | Nippon Oil Corp | 燃料電池システム |
JP2012234680A (ja) * | 2011-04-28 | 2012-11-29 | Noritake Co Ltd | 固体酸化物形燃料電池システム |
-
2004
- 2004-12-17 JP JP2004366495A patent/JP2006169069A/ja not_active Withdrawn
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JP2009093893A (ja) * | 2007-10-05 | 2009-04-30 | Nippon Oil Corp | 燃料電池システム |
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